JP2769473B2 - Nmrにより身体内の体積素の運動を表示する装置 - Google Patents

Nmrにより身体内の体積素の運動を表示する装置

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JP2769473B2 JP63258342A JP25834288A JP2769473B2 JP 2769473 B2 JP2769473 B2 JP 2769473B2 JP 63258342 A JP63258342 A JP 63258342A JP 25834288 A JP25834288 A JP 25834288A JP 2769473 B2 JP2769473 B2 JP 2769473B2
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    • G01R33/48NMR imaging systems
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、核磁気共鳴(NMR)により身体内の体積素
の運動を表示する装置に関するものである。本発明は、
特に、医学において不可欠な診断手段であるNMRイメー
ジングに応用することができる。
従来の技術 公知のNMRイメージング法がヨーロッパ特許出願第86
401423.8号に記載されている。この方法においては、検
査している身体の粒子の磁気モーメントの格子−緩和時
間T1とスピン−スピン緩和時間T2を知ることによって標
準画像を表示するだけでは、健康な細胞をその近くの癌
細胞と区別したり病変を同定したりすることが必ずしも
できないことが説明されている。区別がよりはっきりと
できるよう、表示された組織の分子の拡散係数の分布を
測定して表示することが提案された。この発明を展開し
完成させる際に、分子の拡散係数を明らかにするこの方
法を用いたのでは1つの画像を区別してこの画像の計算
を行うのに必要とされる問題の体積要素内の分子の全体
的な運動が考慮されてしまうことがわかった。これら体
積要素を体積素(voxel)と呼ぶ。実際、集団運動、例
えば血液の分子の運動があると微小循環が発生し、この
微小循環と検査している組織の分子の拡散の特徴とが混
じり合ってしまう。
上記の特許出願には、測定の特徴を変えて画像の測定
を繰り返し、第1回目の測定の終わりに得られた結果を
第2回目の測定の終わりに得られた結果と比較すること
により、2つの画像を表示できることが示されている。
この2つの画像を用いることにより、組織の血液の潅流
係数とは独立に分子の拡散係数を表示できる。逆のこと
もまた同様に可能である。
実際には、第1の測定には、NMR測定を行っている身
体をラジオ周波数で励起する2つの励起シリーズが含ま
れる。第1のシリーズはほとんど拡散しないシリーズと
呼ばれ、第2のシリーズは拡散シリーズと呼ばれてい
る。第2の測定には第3のラジオ周波数励起シリーズだ
けが含まれる。このシリーズもやはり拡散シリーズと呼
ばれているが、第2の励起シリーズの分子拡散感応特性
とは異なる分子拡散感応特性を有する。実際、第2の測
定では、ほとんど拡散しない励起シリーズを繰り返す必
要がない。さらに詳しく説明すると、1つのラジオ周波
数励起シリーズには一連の励起/測定シーケンスが含ま
れる。各シーケンスでは、検査される身体が励起され、
励起後に、この励起によって得られるNMR信号が測定さ
れる。励起中は、空間コード化磁場を付加的に身体に加
えて測定された信号をコード化する。このコード化され
た信号をデコードすることによって、画像の各画素に割
り当てる輝度の値を直接に表す情報を導出する。イメー
ジング法はこのようなコード化/デコード操作からな
る。コード化操作は勾配磁場パルスを用いて実行する。
上記の特許出願に記載されている好ましいイメージング
法は2DFT法である。上記特許出願の発明の要点は、測定
のためのシーケンスの全シリーズの全シーケンスの継続
時間が同じになっている点である。
励起−測定シーケンスでは、励起によって発生するNM
R信号が、励起後に測定を行う前に極めてすみやかに減
衰する、すなわち補助コード化磁場を画像化領域に効果
的に加える前に減衰することが知られている。この減衰
は、検査する身体内での配向磁場の不均一性に起因す
る。この不均一性によって、空間内に分布している様々
な粒子から放射されるNMR信号の位相が対応して分散す
る。スピンエコーパルスと呼ばれる励起パルスを印加す
ることによってこの位相の分散を反転させるのが一般的
である。この励起パルスは180゜パルスとも呼ばれる。
というのは、このパルスによって画像化する粒子の磁気
モーメントの方向が180゜反転するからである。最初の
励起とこの励起用180゜パルスの印加の時間間隔の2倍
の期間が経過すると信号が復活するため、この信号を測
定することが可能になる。一般には、このタイプの各励
起−測定シーケンスは次の励起−測定シーケンスと400
〜1000ミリ秒(繰り返し時間)離れている。
各励起シリーズの励起−測定シーケンスの数が多くな
るほど、表示される画像の精細度が向上する。結局、各
シリーズが終了したときに決定される画像は、画像の獲
得にかける時間が長くなるほどより精密になる。3つの
励起シリーズを得る必要があるため、患者がこのタイプ
のNMR励起を実施されている全時間は、このタイプの測
定にしては長くなりすぎる可能性がある。この測定に要
する時間は約20分である。一般に、測定時間に関する問
題を解決するために現在利用されている励起方法はSSFP
(定常状態自由歳差)法と呼ばれている方法である。こ
の方法では、1つの励起と次の励起を時間的に非常に接
近させて起こし、励起間の時間間隔に応じて身体の分子
の磁気モーメントを各励起ごとに比較的小さな角度倒
す。
180゜スピンエコー励起パルスが使用されていないに
もかかわらず、この方法によって、自由歳差信号のエコ
ーからなる複合NMR信号が復活することが知られてい
る。復活した信号は、測定可能なNMR信号として利用す
ることができる。エルンスト角として知られる転倒角度
に対応するラジオ周波数のパルスを選択すると、粒子の
磁気モーメントの縦磁化Mzとこれら磁気モーメントの横
磁化Mxyの間で動的平衡状態が生じることがわかってい
る。エルンスト角の値は、シーケンスの励起パルスの繰
り返しの程度と表示しようとする粒子のスピン−格子緩
和時間の平均値との関数である。
勾配パルスが印加されないときには、起こる現象は単
純である。しかし、画像を得るためには、空間コード化
パルスを各シーケンスの間を通じて印加し、NMR信号中
の異なる粒子の寄与を区別する必要がある。横磁化Mxy
の動的平衡は、各パルスを印加するときに横磁化の位相
を再び揃えることによって達成されることが知られてい
る。位相を再び揃えるには、位相シフトの原点で勾配の
方向を反転させ、各シーケンスが終了したときに画像コ
ード化勾配に起因する位相シフトの効果を相殺させると
よい。位相をこのように再び揃えることによってNMR信
号が再生することは、「勾配エコー」と呼ばれている。
位相をシフトさせる/位相を再び揃えるという方法は、
イメージング装置の磁場中の異なる地点に位置する不動
粒子にのみ関係する。
多数の励起パルスを印加した後に動的平衡が達成され
ると考えることができる。この場合、NMR信号は、各パ
ルスのあとで小さくなり、各パルスの前で再び大きくな
るのが観察される。NMR信号の低下は標準シーケンスの
自由歳差信号と等価であると考えることができる。NMR
信号の再上昇はスピンエコー信号と等価であると考える
ことができる。NMR信号は、シーケンス内でこの再上昇
信号を測定する時刻を早めることによって測定すること
ができる。この操作は、NMR信号のうちで自由歳差信号
に関係する成分を位相シフトによって消す補助勾配パル
スを印加することにより実現される。従って、補助勾配
パルスの効果は、第1に、原因に応じて読み出される信
号を分離できること、すなわち自由歳差信号からの信号
と再上昇信号からの信号を分離できることである。補助
勾配パルスの第2の効果は、励起−読み出しシーケンス
中で読み出しが行われる期間を早めて、励起パルスが印
加されたその瞬間にはNMR信号の読み出しがなされない
ようにすることである。
課題を解決するための手段 本発明では、SSFPタイプの高速法が存在していること
を利用して、仮想分子拡散の画像生成させるか、また
は、もう一度励起シリーズを繰り返すことによって本当
の分子拡散と微小循環の画像を生成させている。原則と
して、SSFPタイプの方法はこのような画像に対しては勧
められない。というのは、分子拡散効果に対するNMR信
号の感度を大きくするには強力な拡散勾配パルスを印加
する、すなわち振幅が大きく持続時間が長いパルスを印
加する必要があるからである。ところで、SSFPシーケン
スでは、シーケンス自体が短時間であるためにこれらパ
ルスが印加されている時間は短い必要がある。しかし、
本発明の本質は、自由歳差成分を消し、しかもシーケン
スが拡散と微小循環に対して感度をもつようにできる拡
散勾配パルスを用いてSSFPシーケンスを繰り返す点にあ
る。この拡散勾配パルスは、第2シリーズでは第1シリ
ーズと異なっている。一方、異なるシーケンスシリーズ
に対しては、同じ励起−読出しの特徴(特に、繰り返し
時間を同じにする)と、イメージングの特徴(同じ精細
度である、すなわちシーケンスのシリーズ内に同数のシ
ーケンスがある似た画像を表示することを目標とするこ
とが好ましい)が保持される。拡散勾配パルスの統合効
果が実際に現れ、その結果、不思議なことに極めて高レ
ベルの感度が得られることがわかった。
従って、本発明に従うと、NMRにより身体内の体積素
の運動を表示する装置であって、 a)検査する身体に配向磁場を印加する手段と、 b)画像コード化勾配磁場の存在下で、第1シリーズの
SSFPタイプのラジオ周波数の電磁波励起シーケンスを身
体に印加する手段と、 c)身体が応答して第1シリーズの各シーケンスの終了
時に発生する磁気共鳴信号を測定し、この測定結果から
標準画像と呼ばれる第1の画像の特徴を導出する手段
と、 d)画像コード化勾配磁場と第1の感応化勾配磁場の存
在下で、第1シリーズのシーケンスと同じ特徴を有する
第2シリーズのSSFPタイプのラジオ周波数の電磁波励起
シーケンスを身体に印加する手段と、 e)身体が応答して第2シリーズの各シーケンスの終了
時に発生する磁気共鳴信号を測定し、この測定結果から
感応化画像と呼ばれる第2の画像の特徴を導出する手段
と、 f)標準画像と呼ばれる第1の画像の特徴と感応化画像
と呼ばれる第2の画像の特徴を比較することによって身
体内の体積素の運動に対応する第3の画像の特徴を導出
する手段とを含むことを特徴とする装置が提供される。
本発明は、以下の説明と添付の図面によってさらによ
く理解できよう。なお、図面は単に実施例を示したもの
であって、本発明を限定することはない。
実施例 第1図は、本発明のNMR装置の図である。この装置
は、身体2に均一で強力な磁場B0を印加するためにコイ
ル1として表された手段を備えている。この装置はさら
に、このように位置決めされた身体に勾配磁場シーケン
スの存在下でSSFPタイプの励起シーケンス(第2b図、第
2c図)を印加するための発振器3とコイル4を備えてい
る。コイル4は、ラジオ周波数用のコイルと勾配磁場用
のコイルを表す。この装置はまた、NMR信号を受信する
ためにコイル4に接続された受信手段5と、発振器3か
らの命令(C1、C2と表示)によって実行される2回の測
定にそれぞれ関係する第1の画像である標準画像I1と第
2の画像である感応化画像I2を計算して記憶する手段6
とを備えている。処理回路7は、画像の各画素に与えら
れるNMR信号の値の比の対数を計算することによって画
像I1、I2を画素ごとに比較する。
次に、処理回路7は体積素の運動を表す第3の画像I3
を発生させる。この第3の画像においては、画像化され
る断面内の身体2の2つの領域8、9が分子拡散および
/または潅流の値に関して異なる応答をする。これら2
つの領域は、従来のNMR画像であれば同じ応答をしたで
あろう。画像I1〜I3は表示装置50に表示することができ
る。画像I1またはI2を計算する方法は従来と同様であ
る。一例を挙げると、手段6で用いられるイメージング
法は、2D法、好ましくは2DFT法と呼ばれる方法である。
現在のところ、この2DFTイメージング法を用いると最高
品質の画像が得られる。2Dイメージング法では、いわゆ
る選択勾配磁場の存在下で印加されるラジオ周波数励起
手段によって1つの断面だけが同時に励起される。そこ
で、説明を簡単にするために、第1図において選択勾配
磁場をZ軸の方向にして断面を選択する(XY平面)。2D
FT(または3DFT)イメージング法の原理は、獲得される
様々な信号の位相をコード化することである。この操作
は、1つ(または複数)のいわゆる位相シフト勾配パル
スにより実現される。この位相シフト勾配の軸線は、方
向が一定である読み出し勾配と垂直である。例えば、あ
る1つの断面に対して、読み出し勾配を勾配Xにし、位
相シフト勾配を勾配Yにすることができる。画像は二次
元フーリエ変換によって再構成することが可能である。
これが方法の名称の由来である。ここでは本発明は2DFT
タイプのイメージング法について記述したが、本発明は
別のイメージング法にも適用することができる。特に、
一般化により上記の方法から演繹することのできる3DFT
タイプの方法に本発明を適用することが可能である。
本発明の場合、ラジオ周波数の励起はSSFTタイプであ
る。この励起が第2a図に示されている。この図面は、励
起パルスと、励起パルスに対する応答に対応するNMR信
号とを表している。SSFTタイプの方法では、身体内の粒
子の磁気モーメントの方向を所定の角度α転倒させる励
起Eに対して縦磁化Mzと横磁化Mxyの間の動的平衡が得
られる。転倒角度は、身体の粒子の格子−緩和時間T
1と、異なる励起の間の繰り返し時間TRとによって決ま
る。角度αが正確に調整されているならば、2つのNMR
信号Sと、第1の信号である歳差信号10と、第2の信号
であるいわゆる再上昇信号11とが存在していることが観
察される。あるシーケンスでは、再上昇信号11が次のシ
ーケンスの励起パルス12を印加する直前に現れている。
この再上昇信号11は歳差信号10よりも弱い。というの
は、配向磁場B0の不均一性の複合効果と、化学シフトや
スピン−スピン緩和時間T2に起因する歳差運動の速度の
差の効果とがあるからである。
第2b図と第2c図は、本発明の装置を用いた測定方法の
特別な態様を示す図である。2つのシーケンスシリーズ
の各シーケンス(周期TR)において、断面選択コード化
勾配パルス14の存在下で励起パルス13が印加される。一
般に、選択パルス14のあとにはNMR信号の位相を再び揃
えるためのパルス15が続く。位相が再び揃う状態は、こ
の選択パルス14の持続時間によって決まる位相シフトに
関係している。断面を選択した直後に、位相コード化勾
配パルス16をその断面に印加する。この位相コード化勾
配パルスの値はシーケンスごとに異なる。このようなわ
けで、位相コード化勾配パルス16には斜め向きの矢印が
表示されている。NMR信号を取り出したいときに読み出
しコード化勾配パルス17を印加する。読み出しの後、次
の励起パルス18が以前と同じ条件のもとで粒子に印加さ
れるよう、各パルス14〜17を同じ軸においてそれぞれ勾
配パルス19〜22を用いて相殺する。もしこのように簡単
な操作を行うならば、NMR信号の再上昇11、従ってその
読み出しは、励起パルス18の直前に実施しなくてはなら
ないであろう。パルス23を読み出しの前に読み出し軸に
印加することにより、自由歳差に関するNMR信号の位相
を分散させるとともに、再上昇信号Sを効果的に測定す
ることのできる瞬間をシーケンス内で利用可能な時刻T
にまで早めることが可能であることが知られている。
本発明では(第2c図)、ラジオ周波数の励起と測定
が、第2のシーケンスシリーズを通じて特徴を同じにし
て繰り返される。シーケンス中には分散パルス23の効率
が向上する。例えば、強度G、期間dの補助勾配パルス
24が読み出し軸に印加される。第2b図のシーケンスシリ
ーズが終わったときに第1の画像である標準画像I1を標
準的な方法で計算し(第3図)、さらに、同じ条件で、
第2c図のシーケンスが終わったときに第2の画像である
いわゆる感応化画像I2を計算するならば、(各画素に割
り当てられる輝度の比の対数を計算することによって)
画像の画素を1つずつ比較することにより、内部体積素
の運動を表す第3の画像I3を導出することができる。体
積素の運動に比例してNMR信号S1の振幅を小さくする効
果を有する補助勾配パルスG・dは、このSSFTタイプの
シーケンスでは従来のスピンエコー法で印加される等価
な勾配パルス(G・d)よりもはるかに効果的であるこ
とがわかる。実際、同じ結果を得るためには、先ほど説
明した従来の方法においては、拡散勾配パルスの持続時
間としてここで選択することのできる持続時間よりもる
かに長い持続時間d′を選択する必要がある。実際に
は、先に説明した従来の方法で使用されるスピンエコー
シーケンスは繰り返し時間(TR)が約500〜1000ミリ秒
であるのに対し、SSFPタイプのシーケンスの周期TRは最
大で約100ミリ秒である。このタイプのシーケンスで印
加することのできる拡散勾配パルスの分散勾配パルスは
その持続時間のために効果が10分の1であるはずなの
に、実際には4倍も効果が大きい。本発明では、得られ
たNMR信号が読み出される時刻Tを変えないことによっ
て、不思議なことにパルス24の効率をはるかに大きくで
きることがわかった。
同じ条件で標準スピンエコーシーケンスに印加するこ
とができると思われるパルスの効率よりも本来ならば低
いはずのパルス24の効率がこのようにはるかに高いこと
は、粒子の磁気モーメントのNMR信号(このNMR信号のエ
コーは励起シーケンスによって発生する)の位相シフト
が合わさったことに原因が求められる。説明を簡単化す
ると、SSFTタイプのシーケンスで測定された信号Sは自
由歳差信号の多数のエコーの寄与が合わさった結果であ
ると仮定することができる。すると、(例えば、歳差運
動によってコヒーレント信号に対する位相が反対にされ
た磁気モーメントのみを各励起操作の前に転倒させるた
めに)励起パルスを印加するにあたって特別の時刻を選
択するのであれば、身体内の固定粒子に対しては勾配パ
ルス24の効果はパルス23の効果のように一回おきに反対
になり、結局、この勾配パルス24は相殺効果しかもたな
い。これとは逆に、シーケンスが変わったときに身体内
で運動している粒子に対しては位相シフトの相殺は起こ
らない。この結果、これら運動粒子の再上昇信号に対す
る寄与は消える。すなわち、再上昇信号は運動粒子の数
が多くなるほど小さくなる。
SSFTタイプのシーケンスは従来タイプのシーケンスが
終了したときに使用することのできる信号のS/N比より
も小さいS/N比のNMR信号を発生させる(なぜなら、測定
時間も短いからである)にもかかわらずこのSSFTタイプ
のシーケンス中の補助パルス24の効率は10倍に向上して
いることを考慮すると、体積素の運動を表す第3の画像
I3を得るにあたって区別をはっきりとさせるのに必要な
計算を行うことによってさらによい結果が得られる。
第3図は、本発明の装置を用いた測定の好ましい実施
態様を示す図である。実際には、約100ミリ秒の繰り返
し時間にして、標準画像I1と感応化画像I2をそれぞれ1
分に近い時間で獲得することができる。NMR装置で検査
される患者の忍耐がこの段階ではそれほど要求されるこ
とがないため、やはり約1分間継続する第3のシーケン
スシリーズを、勾配Gおよび/または補助勾配パルス24
の持続時間dの値を変えることによって開始させること
ができる。やはり感応化画像と呼ばれる第4の画像I4
獲得する条件がG′とd′であり、他の獲得条件(イメ
ージング法)は画像I1とI2の獲得条件と同じであると仮
定する。この第3のシリーズで受信するNMR信号はS′
と呼ばれる。画像I1を画像I2と比較したのと同じよう
にして処理回路7で画像I1を画像I4と比較することによ
り、体積素の運動を表す別の画像I5を生成させることが
可能である。原則として、この画像I5を用いると、画像
化する断面において体積素の運動の特徴が互いに異なる
身体の2つの領域8、9の間の区別をつけることができ
る。次に、第3の画像I3を画素ごとに第5の画素I5と比
較することにより、励起された各体積素の分子拡散の本
当の特徴を表す第6の画像I6および/または検査してい
る組織内の潅流を表す画像多I7を計算することができ
る。従来の技術において先ほど説明したように、この第
2回目の比較により2つの未知数を有する連立方程式に
対する解を見出すことができる。実際、(第3と第6の
画像のそれぞれにおいて画素ごとに得られる)分子拡散
の2つの仮想係数ADCとADC′は、 と書くことができる。
この式において、Dは身体内の体積素の内側の本当の
分子拡散係数であり、fはこの体積素のうちでこの体積
素内を流れる流体(血液)によって満たされている割合
である。F0とF1(またはF′)は微小循環に起因する
減衰係数であり、それぞれ、信号S0とS1(または
S′)が測定される否拡散シーケンスと拡散シーケン
スに関係している。さらに、b0とb1(またはb′
は、使用される勾配シーケンスに依存した係数である。
先に説明した特許出願には、係数F0、F1、F′をいか
にして計算するかが記載されている。特に、F0はほぼ1
であり、従って従来のシーケンス中ではほとんど無視で
きる効果しかもたないことが示されている。ここではそ
れが第2b図に示されたシーケンスである。さらに、S1
S′を発生させるために付加する勾配パルスが十分に
効果的であるならば、F1とF′はほぼゼロであると考
えることができる。このようになると計算が著しく簡単
になり、ADCとADC′の式は、 ADC=D−(log(1−f))/(b1−b0) ADC′=D−(log(1−f))/(b′−b0) となる。
ADCとADC′のこの式は、実際には2つの未知数Dとf
を含んでいる。これら2つの未知数は、このようにして
構成された連立方程式を解くことによって見出すことが
できる。まず、Dとlog(1−f)を求める。次に、log
(1−f)からfがわかる。第3の画像I3は係数ADCを
表し、第5の画像I5は係数ADC′を表す。画像I2とI4
計算するための異なるb1とb′がわかると、この連立
方程式を解くことができる。従って、実際に各体積素の
本当の拡散情報Dと潅流情報fを分離するためには、3
つのシーケンスが必要とされる。この比較(連結方程式
の解を求めること)は、比較手段7を用いて実行するこ
ともできる。その場合、この比較手段7は標準的な処理
ユニットを備えていることが好ましい。
感応化シーケンスではF1とF′がゼロであることか
ら出発すると、 D={log(S1/S′)}/(b′−b1) と書くことができる。この結果、第2と第4の感応化画
像を直接比較することにより、純粋な拡散を表す第6の
画像を決定することができる。直接得られたこの第6の
画像を体積素の運動を表す第3の画像と比較することに
より、純粋な潅流を表す第7の画像を決定することがで
きる。第4図にこの方法が示されている。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の装置を実施するためのNMRイメージ
ング装置の図である。 第2a図は、本発明の装置で使用される励起信号とNMR信
号のタイムチャートである。 第2b図と第2c図は、本発明の装置で使用される勾配磁場
信号のタイムチャートである。 第3図は、本発明の装置の好ましい実施態様を実現する
ために行う測定のフローチャートである。 第4図は、本発明の装置の好ましい別の実施態様を実現
するために行う測定のフローチャートである。 (主な参照番号) 1……コイル、2……身体、 3……発振器、4……コイル、 5……受信手段、 6……画像計算・記憶手段、 7……処理回路、50……表示装置

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】NMRにより身体内の体積素の運動を表示す
    る装置であって、 a)検査する身体に配向磁場を印加する手段と、 b)画像コード化勾配磁場の存在下で、第1シリーズの
    SSFPタイプのラジオ周波数の電磁波励起シーケンスを身
    体に印加する手段と、 c)身体が応答して第1シリーズの各シーケンスの終了
    時に発生する磁気共鳴信号を測定し、この測定結果から
    標準画像と呼ばれる第1の画像の特徴を導出する手段
    と、 d)画像コード化勾配磁場と第1の感応化勾配磁場の存
    在下で、第1シリーズのシーケンスと同じ特徴を有する
    第2シリーズのSSFPタイプのラジオ周波数の電磁波励起
    シーケンスを身体に印加する手段と、 e)身体が応答して第2シリーズの各シーケンスの終了
    時に発生する磁気共鳴信号を測定し、この測定結果から
    感応化画像と呼ばれる第2の画像の特徴を導出する手段
    と、 f)標準画像と呼ばれる第1の画像の特徴と感応化画像
    と呼ばれる第2の画像の特徴を比較することによって身
    体内の体積素の運動に対応する第3の画像の特徴を導出
    する手段とを含むことを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】g)第3シリーズのシーケンスを通じ、第
    1の感応化勾配磁場とは異なる第2の感応化勾配磁場の
    存在下でシーケンスを実行することにより段階d)、
    e)、f)を繰り返して感応化画像と呼ばれる第4の画
    像の特徴を獲得する手段と、 h)標準画像と呼ばれる第1の画像の特徴と感応化画像
    と呼ばれる第4の画像の特徴を比較することによって身
    体内の体積素の運動に対応する第5の画像の特徴を導出
    する手段と、 i)第3の画像の特徴を第5の画像の特徴と比較するこ
    とによって身体内の分子の拡散を表す第6の画像および
    /または身体内の液体の潅流を表す第7の画像を導出す
    る手段とを含むことを特徴とする請求項1に記載の装
    置。
  3. 【請求項3】獲得した画像を表示する手段を含むことを
    特徴とする請求項1または2に記載の装置。
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