JP6418797B2 - 画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム Download PDF

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本発明は、画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムに関する。
従来、核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)の現象を利用して生体内部の情報を画像化する方法として、核磁気共鳴画像法(MRI:Magnetic Resonance Imaging)が知られている。
核磁気共鳴画像法を用いた画像生成方法の1つとして、水分子の拡散が可視化される拡散強調撮像法(DWI:Diffusion Weigheted Imaging)が知られている。また、水分子の拡散係数(ADC:Apparent Diffusion Coefficent)そのものを可視化する拡散係数画像が知られている。
従来、拡散強調撮像法により二つの異なるb値を用いて撮像された拡散強調画像(以下、DWI画像ともいう)から、任意のb値を用いた拡散強調画像を計算する手法として、cDWI(computed DWI)が知られている。cDWIの一例として、小さなb値を用いて生成された拡散強調画像から、大きなb値を用いた拡散強調画像を生成する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。cDWIにより、仮想的な拡散強調画像(以下、「cDWI画像」、「仮想拡散強調画像」ともいう)が生成される。
Mattew D.Blackledge,Martin O.Leach,David J.Collins、"Computed Diffusion−Weighted MR Imaging May Improve Tumor Detection"、Radiology、Volume261:Number2、2011年11月2日、P573−P581
非特許文献1に記載された技術では、仮想拡散強調画像における腫瘍組織(腫瘍である組織)の明瞭性が不十分であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、仮想拡散強調画像における腫瘍組織の明瞭性を向上できる画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムを提供する。
本発明の画像処理装置は、第1のb値を用いて撮像された第1の拡散強調画像を取得する画像取得部と、第2のb値、及び0以上の値を有する第1のカットオフ拡散係数を設定する設定部と、前記第1の拡散強調画像の画素に対応した拡散係数が前記第1のカットオフ拡散係数より大きい画素において、前記拡散係数及び前記第1の拡散強調画像に基づいて、前記第2のb値での仮想拡散強調画像を導出する画像導出部と、前記仮想拡散強調画像を表示する表示部と、を備える。
本発明の画像処理方法は、画像処理装置における画像処理方法であって、第1のb値を用いて撮像された第1の拡散強調画像を取得するステップと、第2のb値、及び0以上の値を有するカットオフ拡散係数を設定するステップと、前記第1の拡散強調画像の画素に対応した拡散係数が前記カットオフ拡散係数より大きい画素において、前記拡散係数及び前記第1の拡散強調画像に基づいて、前記第2のb値での仮想拡散強調画像を導出するステップと、前記仮想拡散強調画像を表示部に表示するステップと、を有する。
本発明の画像処理プログラムは、上記画像処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、仮想拡散強調画像における腫瘍組織の明瞭性を向上できる。
実施形態における画像処理装置の構成例を示すブロック図 実施形態における複数のb値とADC値との関係の一例を示す模式図 実施形態における仮想拡散強調画像の画素値と表示部の出力輝度との関係の一例を示す模式図 実施形態における画像処理装置の動作例を示すフローチャート 実施形態におけるb値に対するウィンドウ幅及びウィンドウレベルの第1導出例を示す模式図 実施形態におけるb値に対するウィンドウ幅及びウィンドウレベルの第2導出例を示す模式図 実施形態におけるカットオフADC値よりも大きいADC値を有する各画素の仮想拡散強調画像の導出過程の一例を示す模式図 (A)カットオフADC値が設定されていない場合の仮想拡散強調画像の表示例を示す模式図、(B)〜(F)実施形態における各カットオフADC値が設定された場合の仮想拡散強調画像の表示例を示す模式図 (A)〜(F)実施形態における各カットオフADC値が設定された場合の仮想拡散強調画像の表示例を示す模式図 (A)〜(E)実施形態におけるカットオフADC値が0.4である場合の各画像の模式図 実施形態におけるb値に対する目標ADC値及びカットオフADC値の関係の一例を示す模式図 (A)実施形態におけるボリュームデータの各断面において複数生成される画像の表示例を示す模式図、(B)〜(E)実施形態におけるカットオフADC値が0.4である場合のMIPを用いた各画像の表示例を示す模式図 (A)は図12(A)の画像の拡大図、(B)は図12(B)の画像の拡大図、(C)は図12(C)の画像の拡大図、(D)は図12(D)の画像の拡大図、(E)は図12(E)の画像の拡大図 b値と仮想拡散強調画像の画素値との関係性を示す模式図
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
(本発明の一形態を得るに至った経緯)
拡散強調画像の画素値(信号強度(SI:Signal Intensity)ともいう)は、以下の(式1)により示される。
(式1)では、最終段のe−b・ADCの項において、係数「b」と、係数「ADC」を含む。係数「b」は、拡散強調のための傾斜磁場(MPG:Motion Probing Gradients)の強さを表すb値を示す。係数「ADC」は、組織の見かけ上の拡散係数ADC(Apparent Diffusion Coefficient)を示し、組織の拡散状態を示す。ADCの値(ADC値)は、例えば組織の組成又は病変の種別により定まる。
図14は、b値と仮想拡散強調画像の画素値SIとの関係性を示す模式図である。以下では、仮想拡散強調画像の画素値SIを、cDWI値とも称する。図14では、画素値SIの自然対数が、log(cDWI値)して示されている。なお、log(A)は、Aの自然対数を示す。
(式1)により、理論上、仮想拡散強調画像の画素値SIの自然対数であるlog(cDWI値)は、b値に対して線形に変化する。従って、b値が複数(例えば、b1,b2)あり、各b値の場合のlog(cDWI値)が取得される場合、直線L1の傾きとしてのADC値を導出できる。ADC値が導出されると、直線L1における任意のb値=bxでのlog(cDWI値)として画素値SIが導出できる。ADC値の導出は、例えば、拡散強調画像を撮像するMRI装置又はMRI装置から拡散強調画像を取得する画像処理装置により行われることもある。
(式1)の最終段の指数が負の値(−b・ADC)となることから、直線L1は、負の傾きを有する。従って、b値が大きくなる程、log(cDWI値)は小さくなる。そのため、b値が大きな仮想拡散強調画像は、画素値が小さくなる。
また、拡散強調画像には、画像信号成分と雑音成分とが含まれる。拡散強調画像の雑音成分の信号レベル(雑音レベル)は、b値に対して、一定レベルであることもあるし、例えば、拡散強調画像における画素、画素に含まれる組織、又は組織の周囲環境に応じて、一定レベルではなく変化することもある。雑音レベルが変化する場合、画像信号成分と雑音成分とが加味された直線L1の傾きが、雑音成分に起因する画素値の誤差によって変化することがある。この場合、想定外のADC値が導出されることがある。
ADC値の導出精度が低下すると、(式1)により導出される仮想拡散強調画像の画素値SIの導出精度が低下する。そのため、仮想拡散強調画像が表示装置に表示される場合、仮想拡散強調画像における組織の拡散状態の表示精度が低下する。そのため、例えば、仮想拡散強調画像における腫瘍組織の明瞭性が不十分となり、ユーザ(例えば、医師、放射線技師)が仮想拡散強調画像を用いて病変を観察する場合に、病変の診断精度が低下する虞がある。
以下、仮想拡散強調画像における腫瘍組織の明瞭性を向上できる画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムについて説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態における画像処理装置100の構成例を示すブロック図である。画像処理装置100は、画像取得部110、操作部120、表示部130、制御部140及び記憶部150を備える。制御部140は、画像導出部141、輝度条件導出部142、及び設定部143を備える。画像処理装置100は、MRI装置200から画像を取得し、取得された画像に対して処理を行う。
MRI装置200は、核磁気共鳴画像法により、設定されたb値を用いて、拡散強調画像を撮像する。MRI装置200により生成される拡散強調画像は、例えば、生体内部の任意の箇所の情報を含むボリュームデータである。拡散強調画像が撮像されることにより、拡散強調画像における各画素(ボクセル)の画素値が得られる。
また、MRI装置200は、拡散強調画像の生成とともに、各画素における拡散係数(Apparent Diffusion Coefficient)を生成してもよい。さらには、MRI装置200は、拡散係数より拡散係数画像(ADCマップ)を生成しても良い。
画像取得部110は、MRI装置200により撮像された拡散強調画像、及び、拡散強調画像が撮影された時のb値(例えばb1,b2)を取得する。画像取得部110は、MRI装置200により生成されたADCマップを取得してもよい。画像取得部110は、例えば、MRI装置200から、有線回線又は無線回線を介して通信により取得してもよいし、任意の記憶媒体(不図示)を介して取得してもよい。b1,b2は、第1のb値の一例である。
操作部120は、例えば、タッチパネル、ポインティングデバイス(例えばマウス)、キーボードを含む。操作部120は、画像処理装置100のユーザ(例えば、医師、放射線技師)から、任意の入力操作を受け付ける。操作部120は、例えば、画像導出部141により仮想拡散強調画像を導出するためのb値(例えばbx)の入力操作、表示画像の拡大率や平行移動などの画像操作を受け付ける。操作部120は、例えば、観察対象となる病変又は組織に対応するADC値(目標ADC値)を設定するための入力操作を受け付ける。
操作部120は、例えば、カットオフADC値を設定するための入力操作を受け付ける。カットオフADC値とは、カットオフADC値以下のADC値を有する画素を、仮想拡散強調画像の導出対象から除外するための値である。カットオフADC値は、カットオフ拡散係数の一例である。本実施形態では、カットオフADC値は、「0」以上の値を有する。
表示部130は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)を含み、各種情報を表示する。表示部130は、例えば、仮想拡散強調画像、拡散強調画像、ADCマップ、各種操作画面、を表示する。表示部130は、例えば、後述する輝度条件の情報に基づいて、仮想拡散強調画像を表示してもよい。
制御部140は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processing)を含む。制御部140は、例えば、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memry)、を含む。CPU又はDSPは、ROM又はRAMに記憶された画像処理プログラムを実行することにより、制御部140の各機能を実現する。
画像導出部141は、複数の拡散強調画像に基づいて、仮想拡散強調画像を導出(例えば算出)する。画像導出部141は、例えば、図14に示したように、異なるb値(例えば、b1,b2)と、これらのb値を用いて撮像された複数の拡散強調画像の画素値から、ADC値を導出する。例えば、図14の直線L1の傾きとしてADC値を導出する。画像導出部141は、ADC値に基づいて、b値=bxである場合の仮想拡散強調画像、つまり仮想拡散強調画像の画素値を導出する。bxは、第2のb値の一例である。
画像導出部141は、複数の異なるb値(例えば、b1,b2)からなる拡散強調画像より、画素毎に、ADC値を導出する。さらには、b値=bxでの仮想拡散強調画像の画素値は、画素毎に導出される。
従って、画像導出部141が画素毎に導出されたADC値を用いて、ADCマップを生成してもよい。この場合、画像取得部110は、MRI装置200からADCマップを取得しなくてもよい。「ADCマップの取得」には、画像取得部110による取得と画像導出部141による導出とを含む。従って、画像導出部141は、拡散係数画像を取得する画像取得部としての機能を有する。
尚、画像取得部110によりADCマップが取得される場合、画像導出部141は、ADC値の導出を省略し、ADCマップにより得られるADC値を用いて、仮想拡散強調画像を導出してもよい。
ここで、b値と病変毎のADC値との関係性について説明する。図2は、b値と病変毎のADCの一例を示す模式図である。図2では、ADC値を示す2つの直線L11,L12では、傾きが異なる。直線L11の傾きは、例えば、仮想拡散強調画像の観察領域の画素においてADC値が比較的小さい場合を示し、直線L12の傾きは、例えば、仮想拡散強調画像の観察領域の画素においてADC値が比較的大きい場合を示す。ADC値は、例えば組織又は病変の種別によって概ね定まり、組織又は病変によって変化する。
また、例えば、一般的には、腫瘍組織を含む画素のADC値は、正常組織を含む画素のADC値より小さい。尚、腫瘍組織を含む画素のADC値が、正常組織を含む画素のADC値より大きいこともある。組織のADC値の示す傾向については、参考非特許文献1及び、参考非特許文献2のような研究がある。
(参考非特許文献1)S. Rose, M. Fay, P. Thomas, P. Bourgeat, N. Dowson, O. Salvado, Y. Gal, A. Coulthard, and S. Crozier, ”Correlation of MRI−Derived Apparent Diffusion Coefficients in Newly Diagnosed Gliomas with [18F]−Fluoro−L−Dopa PET: What Are We Really Measuring with Minimum ADC?”, Apr 2013 AJNR
(参考非特許文献2)Chie Inoue, Shinya Fujii, Sachi Kaneda, Takeru Fukunaga, Toshio Kaminou, Junzo Kigawa, Tasuku Harada, and Toshihide Ogawa, ”Apparent Diffusion Coefficient (ADC) Measurement in Endometrial Carcinoma: Effect of Region of Interest Methods on ADC Values”, Oct/2013 J Magn Reson Imag
また、ADCは、組織の見かけ上の拡散係数を示すので、組織が凝縮されることは通常想定されない。従って、ADC値は、物理的に0以上となる。ADC値が負になる場合には、例えば、ADC値の導出元となった拡散強調画像の画素値は、雑音成分を多く含むと考えられ、本来の組織又は病変の画素値を反映していないと考えられる。
輝度条件導出部142は、表示部130に仮想拡散強調画像を表示する際の輝度条件を導出する。輝度条件導出部142は、例えば、b値=bxの値及び目標ADC値に基づいて、表示部130に仮想拡散強調画像を表示する際の輝度条件を導出する。
MRI装置200は、例えば、12bit階調(−2048〜2047)の画像データとしての拡散強調画像を撮像する。一方、表示部130は、例えば、8bit階調(0〜255)の画像データを表示する。
拡散強調画像又は仮想拡散強調画像において、病変の検出に有効な意味のある範囲は、一般的には、拡散強調画像又は仮想拡散強調画像の全体ではなく、一部である。輝度条件導出部142は、この拡散強調画像又は仮想拡散強調画像の一部の階調数が、表示部130の階調数となるよう、輝度条件を導出する。
輝度条件は、例えば、ウィンドウ幅(ww:window width)と、ウィンドウレベル(wl:window level)と、を含む。ウィンドウ幅は、表示部130により表示される拡散強調画像又は仮想拡散強調画像の画素値の幅(範囲)を示す。ウィンドウレベルは、表示部130により表示される拡散強調画像又は仮想拡散強調画像の画素値の幅の中心値を示す。
図3は、仮想拡散強調画像の画素値と表示部130の出力輝度(輝度値)との関係の一例を示す模式図である。ウィンドウ幅wwの内側では、仮想拡散強調画像の画素値が、表示部130の出力輝度においてグレイレベルに変換される。
ウィンドウ幅wwの外側の一方の領域D2(図3ではwwの左側)では、仮想拡散強調画像の画素値が比較的小さく、出力輝度が0付近である。従って、領域D2では、表示部130による表示が暗くなり、黒色に近くなる。ウィンドウ幅wwの外側の他方の領域D3(図3ではwwの右側)では、仮想拡散強調画像の画素値が比較的大きく、出力輝度が大きくなる。従って、領域D3では、表示部130による表示が明るくなり、白色に近くなる。
このように、ウィンドウ幅及びウィンドウレベルは、いわゆる輝度調整(コントラスト、ブライトネス)に用いられる。
設定部143は、例えば操作部120により入力操作を受け付けた場合、入力された情報に基づいて、各種設定を行う。設定部143は、例えば、b値、カットオフADC値、目標ADC値、を設定する。
記憶部150は、各種画像(例えば、拡散強調画像、仮想拡散強調画像、ADCマップ)、各種データ、各種プログラム、各種情報(例えば手動又は自動的に設定された設定情報)、を記憶する。
次に、画像処理装置100の動作例について説明する。
図4は、画像処理装置100の動作例を示すフローチャートである。
まず、操作部120は、目標拡散係数(目標ADC値)を指定する入力を受け付け、設定部143は、操作部120からの目標拡散係数を設定する(S101)。ユーザが観察したい病変領域の拡散の変化の程度(例えば拡散係数ADC)は、経験的に知られている場合が多い。従って、例えば、操作部120を介して、ユーザが観察したい病変を考慮して、目標となる拡散係数(目標拡散係数、目標ADC値)を入力する。
続いて、画像取得部110は、b値=b1の場合の拡散強調画像I1を、MRI装置200から取得する(S102)。拡散強調画像I1の画素値は、画素毎(例えば512×512個の画素毎)に異なる。このときのb1の値は、拡散強調画像I1とともに記憶部150に記憶される。
続いて、画像取得部110は、b値=b2の場合の拡散強調画像I2を、MRI装置200から取得する(S103)。拡散強調画像I2の画素値は、画素毎(例えば512個の画素毎)に異なる。このときのb2の値は、拡散強調画像I2とともに記憶部150に記憶される。
続いて、操作部120は、b値=bxを指定する入力を受け付け、設定部143は、操作部120からのbxをb値として設定する(S104)。bxは、任意の値であり、例えば、操作部120を介して、ユーザがスライド操作により入力する。
続いて、画像取得部110は、各画素のADC値がマッピングされたADCマップを、MRI装置200から取得する(S105)。尚、画像導出部141が、例えば、b1,b2の値、及び拡散強調画像I1,I2の画素値に基づいて、ADCマップを導出してもよい。
続いて、操作部120は、カットオフ拡散係数(カットオフADC)を指定する入力を受け付け、設定部143は、操作部120からのカットオフ拡散係数を設定する(S106)。カットオフ拡散係数は、例えば、単純に0以上の値が指定されてもよいし、ユーザが観察を希望する組織又は病変に応じて、値が指定されてもよい。
続いて、画像導出部141は、例えば、ADCマップを参照し、カットオフADC値より大きいADC値を有する画素を抽出する。画像導出部141は、抽出された画素において、b値=bxの場合の仮想拡散強調画像Ixを導出(例えば算出)する(S107)。仮想拡散強調画像Ixの画素値は、画素毎(例えば512×512個の画素毎)に異なる。
一方、画像導出部141は、例えば、抽出された画素の画素値を「0」に設定する。この場合、抽出されなかった画素は、表示時に暗い色(例えば黒色)に表示される。つまり黒抜きされる。従って、ユーザは、抽出されなかった画素には、観察対象の病変が含まれないことを容易に認識できる。
尚、画素値を「0」にすることは一例であり、他の所定値以下の画素値に設定されてもよい。また、単に透明としても良い。本実施形態では、主に画素値を「0」に設定することを例示する。これにより、カットオフADC値よりも低いADC値を有する画素を、仮想拡散強調画像における明瞭性を低下できる。
続いて、輝度条件導出部142は、b値=bxの場合の輝度条件を導出する。この場合、輝度条件導出部142は、例えば、b値=bxの値と、目標拡散係数とに基づいて、b値=bxの場合のウィンドウ幅及びウィンドウレベルを導出する(S108)。ウィンドウ幅及びウィンドウレベルの導出の詳細については、後述する。
続いて、表示部130は、導出されたウィンドウ幅及びウィンドウレベルを用いて表示部130の輝度を調整し、bxでの仮想拡散強調画像Ixを表示する(S109)。
尚、S101の処理は、S107の後に実行されてもよい。
また、図4では、ADC値により使用されない画素が決定された後、仮想拡散強調画像が導出されることを例示したが、これに限られない。例えば、全画素における仮想拡散強調画像が導出された後、ADC値がカットオフADC値以下である画素が、仮想拡散強調画像から削除又は画素値「0」が設定されてもよい(図7参照)。
図4の処理によれば、MRI装置200により撮像された複数の拡散強調画像から、仮想拡散強調画像を導出できる。この場合、カットオフADC値以下の画素では、仮想拡散強調画像が導出されない。従って、例えば、拡散状態を示すADC値として物理的に有り得ない値を有する各画素を除外して、仮想拡散強調画像を導出できる。また、例えば、ユーザ所望のADC値を有する各画素における仮想拡散強調画像を導出できる。カットオフADC値は、例えば、観察対象の組織や病変を考慮して、操作部120を介して指定される。
従って、仮想拡散強調画像に含まれる雑音成分の影響を低減できるので、仮想拡散強調画像の表示精度を向上できる。よって、仮想拡散強調画像における腫瘍組織の明瞭性を向上でき、仮想拡散強調画像を用いた診断の信頼性を向上できる。
また、S104からS109の処理を繰り返す(b値=bx1、bx2……)ことによって、カットオフADC値より大きなADC値を有する各画素の仮想拡散強調画像を多数生成表示できる。
また、導出された輝度条件を満たす輝度調整を適用した仮想拡散強調画像を多数生成表示することが出来る。また、撮像された拡散強調画像又は他の仮想拡散強調画像の画素値又はこれらの画像に対応するb値に基づいて、仮想拡散強調画像の輝度条件が導出される。従って、仮想拡散強調画像が表示される際の手動による輝度調整が不要であるので、ユーザの利便性を向上し、仮想拡散強調画像の表示を確認して行う診断の客観性や信頼性の低下を抑制できる。
例えば、医師が観察したい病変領域の拡散の変化の程度(例えば拡散係数ADC)は、経験的に知られている場合が多い。そのため、輝度条件導出部142は、例えば、医師により操作部120を介して指定されるADC値を利用して、輝度条件を導出する。表示部130は、輝度条件に応じて、仮想拡散強調画像を表示する際の輝度を調整する。
また、輝度条件導出部142は、例えば、医師が観察領域を観察中に、操作部120を介してb値を変更する際に、新たな輝度条件を導出する。この場合、b値の変化にかかわらず、指定されるADC値の観察領域の輝度が維持されるので、観察領域以外の領域との区別を容易化できる。
また、近傍ADC値の領域の画素値がグレースケール内で適宜変化するので、ユーザは所望のグレースケールで観察領域を観察でき、病変の検出精度を向上できる。近傍ADC値とは、例えばユーザが操作部120を介して設定した関心領域(Region Of Interest)に含まれるADC値の平均である。また、近傍ADC値は、ユーザが指定した点からあらかじめ定められた範囲に含まれる円領域にADC値の平均であってもよい。また、近傍ADC値は、ユーザが指定した点からあらかじめ定められた範囲内のADC値が統計処理された値であってもよい。
次に、b値に対するウィンドウ幅及びウィンドウレベルの導出例について説明する。
図5は、b値に対するウィンドウ幅及びウィンドウレベルの第1導出例を示す模式図である。
図4のS101において、目標拡散係数が設定されると、例えば操作部120が、任意のb値=byにおけるウィンドウ幅及びウィンドウレベルを設定するための入力操作を受け付ける。設定部143は、操作部120により受け付けたウィンドウ幅及びウィンドウレベルを設定する。byの値は任意であり、例えば、b1、b2としてもよい。この場合、b1又はb2での撮像時に例えば操作部120を介して設定されたウィンドウ幅及びウィンドウレベルが、設定部143により設定されてもよい。ウィンドウ幅及びウィンドウレベルの値は、例えば、拡散強調画像又は仮想拡散強調画像の画素値により設定される。
輝度条件導出部142は、byでのウィンドウ幅とウィンドウレベルとが設定されると、byでのウィンドウ幅の上限における仮想拡散強調画像の画素値(以下、「highy」ともいう)を取得する。同様に、輝度条件導出部142は、byでのウィンドウ幅の下限における仮想拡散強調画像の画素値(以下、「lowy」)を仮想拡散強調画像から取得する。
操作部120は、b値=bxの値を指定する入力を受け付け、設定部143は、操作部120からのbxの値をb値として設定する。bxは、任意の値であり、例えば、操作部120を介して、ユーザがスライド操作により入力する。
輝度条件導出部142は、log(highy)、log(lowy)、及び目標ADC値に基づいて、log(highx)及びlog(lowx)を導出する。
輝度条件導出部142は、highx及びlowxに基づいて、bxでのウィンドウ幅及びウィンドウレベルを導出する。この場合、輝度条件導出部142は、例えば、以下のようにウィンドウ幅(ww)及びウィンドウレベル(wl)を算出する。
ww=highx−lowx
wl=(highx+lowx)/2
このようなww/wlの第1導出例によれば、仮想拡散強調画像の各画素のうち、各画素のADC値が目標ADC値と略一致する画素については、b値に依存して、表示部130の出力輝度が低下することを抑制できる。ADC値は、例えば組織又は病変の種別によって異なる。目標ADC値を設定することで、目標ADC値に合ったウィンドウ幅及びウィンドウレベルが導出されるので、特定の病変組織又はこれに類似する組織を、b値を変更しながら、視認性良く観察できる。従って、病変の検出精度を向上できる。
図6は、b値に対するウィンドウ幅及びウィンドウレベルの第2導出例を示す模式図である。
制御部140は、b1を用いて拡散強調画像I1が撮像される際に設定されたウィンドウ幅及びウィンドウレベル、並びに、b2を用いて拡散強調画像I2が撮像される際に設定されたウィンドウ幅及びウィンドウレベルに応じて、観察対象としているADC値を導出してもよい。導出されたADC値は、設定部143により、目標拡散係数として設定されてもよい。
b値=b1,b2の場合のウィンドウ幅及びウィンドウレベルは、MRI装置200により拡散強調画像が撮像される場合に、例えば操作部120を介してユーザにより設定される。そのため、ウィンドウ幅及びウィンドウレベルの設定には、一定の根拠があると推測される。よって、b1,b2のいずれかのウィンドウ幅及びウィンドウレベルをbyのウィンドウ幅及びウィンドウレベルとしてもよい。
なお、導出される目標拡散係数は、複数でもよい。また、輝度調整を行うのにウィンドウ幅及びウィンドウレベルを例示したが、LUT(Look Up Table)等を用いたより柔軟な輝度調整を行っても良い。また、輝度調整に更に彩色を付加しても良い。その他、任意の輝度調整手段を用いることが出来る。
図6では、ウィンドウ幅及びウィンドウレベルの計算において、利用する目標ADC値が複数存在する場合を例示する。
例えば、操作部120が、b値=b1におけるウィンドウ幅及びウィンドウレベルを設定するための入力操作を受け付ける。設定部143は、操作部120により受け付けたウィンドウ幅及びウィンドウレベルの情報を設定する。
同様に、例えば、操作部120が、b値=b2におけるウィンドウ幅及びウィンドウレベルを設定するための入力操作を受け付ける。設定部143は、操作部120により受け付けたウィンドウ幅及びウィンドウレベルの情報を設定する。ウィンドウ幅及びウィンドウレベルの値は、例えば、拡散強調画像又は仮想拡散強調画像の画素値により設定される。
輝度条件導出部142は、b1でのウィンドウ幅とウィンドウレベルとが設定されると、b1でのウィンドウ幅の上限における仮想拡散強調画像の画素値(以下、「high1」ともいう)を取得する。
輝度条件導出部142は、b1でのウィンドウ幅とウィンドウレベルとを設定すると、b1でのウィンドウ幅の下限における仮想拡散強調画像の画素値(以下、「low1」ともいう)を取得する。
輝度条件導出部142は、b2でのウィンドウ幅とウィンドウレベルとを設定すると、b2でのウィンドウ幅の上限における仮想拡散強調画像の画素値(以下、「high2」ともいう)を取得する。
輝度条件導出部142は、b2でのウィンドウ幅とウィンドウレベルとを設定すると、b2でのウィンドウ幅の下限における仮想拡散強調画像の画素値(以下、「low2」ともいう)を取得する。
輝度条件導出部142は、log(high1)及びlog(high2)に基づいて、log(high1)及びlog(high2)を通る直線の傾きとしての観察対象としているADC値(highADC)を導出(例えば算出)する。
輝度条件導出部142は、log(low1)及びlog(low2)に基づいて、log(low1)及びlog(low2)を通る直線の傾きとしての観察対象としているADC値(lowADC)を導出(例えば算出)する。
輝度条件導出部142は、bxでのウィンドウ幅の上限における仮想拡散強調画像の画素値(highx)の自然対数(log(highx))を、log(high1)又はlog(high2)と、highADCと、に基づいて導出(例えば算出)する。
輝度条件導出部142は、byでのウィンドウ幅の下限における仮想拡散強調画像の画素値(lowx)の自然対数(log(lowx))を、log(low1)又はlog(low2)と、lowADCと、に基づいて導出(例えば算出)する。
輝度条件導出部142は、highx及びlowxに基づいて、bxでのウィンドウ幅及びウィンドウレベルを導出する。この場合、輝度条件導出部142は、例えば、以下のようにウィンドウ幅(ww)及びウィンドウレベル(wl)を算出する。
ww=highx−lowx
wl=(highx+lowx)/2
このようなww/wlの第2導出例によれば、拡散強調画像が撮像された際にユーザ操作等により設定されたウィンドウ幅及びウィンドウレベルの値に応じて、観察対象としているADC値が導出される。拡散強調画像が撮像された際のウィンドウ幅及びウィンドウレベルの設定では、例えば、組織又は病変を考慮してユーザにより設定値が調整されることが多い。従って、導出されるADC値(highADC,lowADC)は、信頼性のある目標ADC値とすることができる。設定部143は、導出されたADC値(highADC,lowADC)を、それぞれ目標拡散係数として設定してもよい。
従って、例えば仮想拡散強調画像が更に導出される場合、仮想拡散強調画像の各画素のうち、各画素のADC値が目標ADC値と略一致する画素については、b値に依存して、表示部130の出力輝度が低下することを抑制できる。ADC値は、例えば組織又は病変の種別によって異なる。目標ADC値を設定することで、目標ADC値に合ったウィンドウ幅及びウィンドウレベルが導出されるので、特定の病変組織又はこれに類似する組織を、b値を変更しながら、視認性良く観察できる。従って、病変の検出精度を向上できる。
次に、画像処理装置100により得られる画像の画像例について説明する。
図7は、カットオフADC値よりも大きいADC値を有する各画素の仮想拡散強調画像の導出過程の一例を示す模式図である。
画像導出部141は、b値=b1と、b1での拡散強調画像I1と、b値=b2と、b2での拡散強調画像I2と、に基づいて、各画素のADC値を導出する。画像導出部141は、b値=bxでの仮想拡散強調画像Ixを導出する。図7は、b1=0,b2=800、bx=1648である場合を例示する。尚、ADC値は、ADCマップが参照されてもよい。
仮想拡散強調画像Ixでは、ADC値による各画素の使用の有無を考慮しておらず、全画素において仮想拡散強調画像Ixが導出される。この仮想拡散強調画像Ixは、ADCカット無しの仮想拡散強調画像Ixとも称される。
画像導出部141は、ADCマップAMを参照し、仮想拡散強調画像Ixから、ADC値がカットオフADC値以下である画素を削除し、又は当該画素の画素値を「0」に設定し、所定のADC値の画素がカットされた仮想拡散強調画像Ix’を導出する。つまり、画像導出部141は、例えば、ADCマップにおいて特に画素値の低い領域(低いADC値の画素)を、仮想拡散強調画像Ixから削除する。この仮想拡散強調画像Ix’は、ADCカット有りの仮想拡散強調画像Ix’とも称される。
尚、ADCマップにおいてADC値が特に高い画素は、b値を大きくすると画素値が速やかに減衰する。従って、高b値での仮想拡散強調画像Ix’では、ADC値が特に高い画素は黒く表示されることになる。
尚、図7では、全画素における仮想拡散強調画像が導出された後、ADC値がカットオフADC値以下である画素が、仮想拡散強調画像から削除(例えば画素値「0」に設定)されることを例示したが、これに限られない。ADC値により使用されない画素が決定された後、仮想拡散強調画像が導出されてもよい(図4参照)。
次に、カットオフADC値が設定されない場合及び様々な値のカットオフADC値が設定された場合の仮想拡散強調画像の表示例について説明する。
図8(A)は、カットオフADC値が設定されていない(ADCカット無しの)場合の仮想拡散強調画像の表示例を示す模式図である。図8(B)〜(F)及び図9(A)〜(F)は、各カットオフADC値が設定された場合の仮想拡散強調画像の表示例を示す模式図である。ここで例示された各仮想拡散強調画像は、人体の下腹部から骨盤にかけてを含む画像である。
図8(A)は、カットオフADC値が設定されていない場合の仮想拡散強調画像Ixを示す。図8(B)は、カットオフADC値=0に設定された場合の仮想拡散強調画像Ix’を示す。図8(C)は、カットオフADC値=0.1に設定された場合の仮想拡散強調画像Ix’を示す。図8(D)は、カットオフADC値=0.2に設定された場合の仮想拡散強調画像Ix’を示す。図8(E)は、カットオフADC値=0.3に設定された場合の仮想拡散強調画像Ix’を示す。図8(F)は、カットオフADC値=0.4に設定された場合の仮想拡散強調画像Ix’を示す。
図9(A)は、カットオフADC値=0.5に設定された場合の仮想拡散強調画像Ix’を示す。図9(B)は、カットオフADC値=0.6に設定された場合の仮想拡散強調画像Ix’を示す。図9(C)は、カットオフADC値=0.7に設定された場合の仮想拡散強調画像Ix’を示す。図9(D)は、カットオフADC値=0.8に設定された場合の仮想拡散強調画像Ix’を示す。図9(E)は、カットオフADC値=0.9に設定された場合の仮想拡散強調画像Ix’を示す。図9(F)は、カットオフADC値=1.0に設定された場合の仮想拡散強調画像Ix’を示す。
図8(A)〜(F)及び図9(A)〜(F)から以下の事項が言える。例えば、カットオフADC値が0以上に設定されることで、カットオフADCが設けられない場合と比較すると、雑音等に起因する過度に明るい画素の表示が抑制されることが理解できる。例えば、カットオフADC値が0.3(×10−3mm/s)以上に設定されることで、人体の皮膚が顕著にカット(削除、非表示)される、つまり皮膚の表示が抑制されることが理解できる。例えば、カットオフADC値が0.6(×10−3mm/s)以上に設定されることで、人体の骨髄がカットされる、つまり骨髄の表示が抑制されることが理解できる。例えば、カットオフADC値が1.0(×10−3mm/s)以上に設定された場合、観察対象としての腫瘍組織10がカットされる、つまり腫瘍組織の表示が抑制されることが理解できる。
従って、観察対象を好適に観察するためには、カットオフADC値が、例えば0.3〜0.6(×10−3mm/s)程度に設定されることが好適であると言える。この場合、例えば、雑音及び観察対象外となる可能性が高い組織(例えば皮膚や骨髄)を除外して、仮想拡散強調画像を導出できる。従って、仮想拡散強調画像における組織又は病変の明瞭性を向上でき、ユーザは、観察対象の組織又は病変(例えば腫瘍)を観察し易くなる。よって、仮想拡散強調画像を用いた診断の信頼性を向上できる。
また、参考非特許文献1においては、腫瘍組織(グリオーマ)のADC値の下限が、概ね0.4(×10−3mm/s)であることが示されている。参考非特許文献2においては、腫瘍組織(子宮体がん)のADC値の下限が、概ね0.4(×10−3mm/s)であることが示されている。これにより、観察対象を好適に観察するためには、カットオフADC値が、例えば0.4程度に設定されることが好適であると言える。
図10(A)〜(E)は、カットオフADC値が0.4である場合の各画像の模式図である。尚、cDWI値を導出するためのb値は、c(Computed b−value)値とも称される。図10(A)〜(E)の画像は、人体の腹部付近を含む画像である。
図10(A)は、b値=1000の場合の拡散強調画像(元画像)の表示例を示す。図10(B)は、c値=2000であり、カットオフADC値が設定されていない場合の仮想拡散強調画像の表示例を示す。図10(C)は、c値=2000であり、カットオフADC値=0.4に設定された場合の仮想拡散強調画像の表示例を示す。図10(D)は、図10(C)の画像から図10(B)の画像を差し引いたサブトラクション画像(「Subtraction B−C」)の表示例を示す。図10(E)は、図10(C)の画像と図10(D)の画像とを合成した合成画像(「Fusion C+D」)の表示例を示す。
図10(B)では、c値=2000に設定されることにより、例えば、膀胱内信号や前立腺の腫瘍周囲の信号を抑制可能である。
図10(C)では、カットオフADC値=0.4に設定され、カットオフADC値以下のADCを有する画素の表示がカットされることで、骨や脂肪組織内に高信号の部分を抑制できる。
図10(D)のサブトラクション画像は、カットオフADC値が設定された場合に、カットされた領域(画素)を表す。
図10(E)の合成画像は、カットオフADC値が設定された場合に、カットされた領域(画素)は、腫瘍内にない(つまり腫瘍の描出を妨げていない)ことが理解できる。
次に、目標ADC値とカットオフADC値との関係について説明する。
設定部143は、例えば、カットADC値を目標ADC値以下として設定する。輝度条件導出部142は、例えば、カットADC値が目標ADC値以下として設定された後、輝度条件(例えば、ウィンドウレベル、ウィンドウ幅)の調整機能をONにする。輝度の調整機能をONにすると、輝度調整に係る動作が実施され、輝度の調整機能をOFFにすると、輝度調整に係る動作が実施されない。
例えば、設定部143は、カットオフADC値が、目標ADC値の半分の値、つまり、(カットオフADC値=目標ADC値×0.5)となるように設定してもよい。設定部143は、例えば、カットオフADC値が、目標ADC値の半分の値と所定値(例えば0.6)とのいずれか小さい方、つまり、カットオフADC値=min(目標ADC値×0.5,0.6)となるように設定してもよい。
図11は、b値に対する目標ADC値及びカットオフADC値の関係の一例を示す模式図である。図11では、「低ADC」は、目標ADC値よりも小さいADC値を示し、「高ADC」は、目標ADC値よりも高いADC値を示す。
設定部143により輝度の調整機能がONにされると、例えば、目標ADC近傍のADC値を有する画素の明るさが一定に維持されるように、ウィンドウレベル及びウィンドウ幅が調整される。高ADCの場合、輝度調整されると、b値が大きくなる程、目標ADC値の場合と比較して相対的に暗くなる。
一方、低ADCの場合、輝度調整されると、b値が大きくなる程、目標ADC値の場合と比較して相対的に明るくなる。この場合、雑音も強調され、画素が含む組織又は病変の情報を正しく反映しないことがある。
観察対象の病変は明るく表示されることで、ユーザによる観察が容易になるが、明るい(白色に近い)画素が増加すると、仮想拡散強調画像において本来の病変を認識することが困難となる。また、雑音に起因して組織又は病変の情報の正確性が低下する可能性がある。
カットオフADC値が目標ADC値以下に設定されることで、低ADCを有する画素による表示の影響を抑制でき、雑音の影響を抑制でき、雑音が多い画素が病変であると誤診される可能性を低減できる。つまり、カットオフADC値が目標ADC値以下に設定されることで、観察対象を容易に観察でき、病変の診断精度を向上できる。
次に、画像導出部141によるレンダリングについて説明する。
画像導出部141は、ボリュームデータから任意の断面における拡散強調画像を取得する。画像導出部141は、任意の1つの断面における拡散強調画像に基づいて、当該任意の1つの断面における仮想拡散強調画像を導出してもよい。
画像導出部141は、複数の断面における複数の拡散強調画像を取得し、各断面における各仮想拡散強調画像を導出してもよい。この場合、画像導出部141は、所定のレンダリングにより、各断面における各仮想拡散強調画像に基づいて、所定の投影面における1つの仮想拡散強調画像を導出してもよい。
上記所定のレンダリングは、いかなるレンダリング手段を用いても良いが、好適にはボリュームデータから、ボリュームデータが奥行き方向(投影経路に沿う方向)に反転されても同一の画像が得られる特徴のあるレンダリング手法である。このレンダリング手法は、例えば、MIP、MinIP、RaySum、を含む。
MIP(Maximum Itensity Projection)は、最大値投影法とも称される。MIPは、三次元的に構築されたデータ(ボリュームデータ)に対し、任意の視点方向(例えばボリュームデータの奥行き方向)に投影処理し、投影経路における最大画素値を投影面に表示する手法である。
MinIP(Minimum Intensity Projection)は、最小値投影法とも称される。MIPは、三次元的に構築されたデータ(ボリュームデータ)に対し、任意の視点方向(例えばボリュームデータの奥行き方向)に投影処理し、投影経路における最小画素値を投影面に表示する手法である。
Raysum(Ray Summation)は、三次元的に構築されたデータ(ボリュームデータ)に対し、任意の視点方向(例えばボリュームデータの奥行き方向)に投影処理し、投影経路における画素値の合計を投影面に表示する手法である。
複数の断面における拡散強調画像に基づいて仮想拡散強調画像を導出することで、1つの断面の拡散強調画像に基づく仮想拡散強調画像の導出と比較すると、カットオフADC値以下のADC値を有する画素が表示対象として選択されず、同じ投影経路における他の画素が表示対象として選択される可能性が高くなる。従って、この投影経路における画素が黒抜きされる可能性を低減でき、黒抜きによる画質の低下を改善できる。
特に、MIPは、投影経路における最大画素点が表示対象として選択されるため、雑音等により過度に明るい(画素値が大きい)画素が存在する場合、この画素が選択される可能性が高くなる。そのため、雑音を考慮しないMIPは、画素値が大きい雑音に対する耐性が不十分と言える。これに対し、カットオフADC値が設定されることで、MIPを用いる場合でも雑音に対する耐性を強化できる。
図12(A)は、ボリュームデータの各断面において複数生成される画像の表示例を示す模式図である。図12(B)〜(E)は、カットオフADC値が0.4である場合のMIPを用いた各画像の表示例を示す模式図である。図12(A)〜(E)の画像は、人体の腹部付近を含む画像である。
図12(A)は、b値=1000の場合の拡散強調画像(MIP画像)の表示例を示す。図12(B)は、c値=2000であり、カットオフADC値が設定されていない場合のMIPを用いた仮想拡散強調画像の表示例を示す。図12(C)は、c値=2000であり、カットオフADC値=0.4に設定された場合のMIPを用いた仮想拡散強調画像の表示例を示す。図12(D)は、図12(C)の画像から図12(B)の画像を差し引いた、MIPを用いたサブトラクション画像(「Subtraction B−C」)の表示例を示す。図12(E)は、図12(C)の画像と図12(D)の画像とを合成した、MIPを用いた合成画像(「Fusion C+D」)の表示例を示す。
図12(B)〜(E)に示す各画像は、図12(A)に示す各元画像に基づくMIP画像(最大値投影画像)である。
図12(B)では、高輝度信号が腫瘍の描出の容易性を低下させている。つまり、高輝度信号の明るさに腫瘍組織が混在し、判別し難くなっている。一方、図12(C)では、高輝度信号が有効に取り除かれており、腫瘍組織の視認性が向上している。
図12(E)では、投影経路における前後のスライスに含まれる高輝度信号点が、前立腺内部にも重なって表示されている。これにより、前立腺内の病変検出能が損なわれていることが理解できる。
図13(A)は、図12(A)の拡大図である。図13(B)は、図12(B)の拡大図である。図13(C)は、図12(C)の拡大図である。図13(D)は、図12(D)の拡大図である。図13(E)は、図12(E)の拡大図である。図13(A)〜(E)の画像は、人体の腹部付近を含む画像である。
図13(A)〜(E)では、図12(A)〜(E)と比較すると、前立腺内への高輝度信号点の混入が更に明示されている。
画像処理装置100によれば、カットオフADCを設定することで、観察対象外の組織又は病変を表示から除外して、仮想拡散強調画像を導出できる。例えば、カットオフADC値を0以上の値に設定することで、拡散係数が組織の拡散を示していない画素(例えば雑音成分が多く、組織の表示精度が低いと推定される画素)を意識的に除外して、仮想拡散強調画像を導出できる。従って、組織の拡散状態の表示精度を向上でき、仮想拡散強調画像の表示精度を向上できる。よって、仮想拡散強調画像における腫瘍組織の明瞭性を向上でき、仮想拡散強調画像を用いた診断の信頼性を向上できる。
また、設定部143は、カットオフADC値を動的に変更し、画像導出部141は、仮想拡散強調画像を動的に導出し、表示部130は、表示内容を動的に変更して表示(再表示)してもよい。これにより、例えば、ユーザは、変化する仮想拡散強調画像を確認しながら、組織又は病変の特定を容易にできる。
また、拡散強調画像又は他の仮想拡散強調画像の画素値又はこれらの画像に対応するb値に基づいて、仮想拡散強調画像の輝度条件が導出される。従って、仮想拡散強調画像が表示される際の手動による輝度調整が不要であるので、ユーザの利便性を向上し、ユーザが仮想拡散強調画像の表示を確認して行う診断の客観性や信頼性の低下を抑制できる。
また、上記のように仮想拡散強調画像の輝度条件が導出されることで、b値が大きくされ、仮想拡散強調画像の画素値が低下しても、観察領域における表示部130の出力輝度の低下を抑制できる。また、観察領域の輝度が一定の範囲に保持されるように画像の輝度が調整されるので、病変の観察効率、病変の検出精度を向上できる。従って、仮想拡散強調画像の観察領域の視認性を向上できる。
つまり、病変領域の表示部130における見かけ上の輝度が変化しないことによって、ユーザによる診断精度を向上できる。例えば、目標拡散係数(目標ADC値)に略等しい拡散係数(ADC値)を有する画素は、表示部130により表示された場合に、b値の変更に応じてあまり変化しないことが保証される。従って、表示部130により仮想拡散強調画像を表示する場合に、b値を動的に変更しながら病変の特定を容易にできる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または本実施形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
上記実施形態では、輝度条件の導出に係る動作が省略されてもよい。従って、画像処理装置100は、輝度条件導出部142を備えなくてもよい。
上記実施形態では、仮想拡散強調画像の導出対象となる画素を、カットオフADC値よりも大きな画素に限定することを例示した。つまり、前述のカットオフADC値(第1のカットオフADC値)は、ADC値の下限値を示している。更に、設定部143は、第2のカットオフADC値として、ADC値の上限値を設定してもよい。
これにより、仮想拡散強調画像の導出対象の画素が、所定範囲(バンドパス)のADC値を有する画素に限定される。従って、大きなADC値を有する組織等を表示対象から除外でき、仮想拡散強調画像の視認性を向上できる。
例えば、上記実施形態では、ユーザは、病変領域の位置をある程度把握している場合、例えば操作部120を介して、表示部130により表示された仮想拡散強調画像において、関心領域(ROI:Region Of Interest)を設定できる。画像導出部141は、設定された関心領域のADC値と一致するよう、目標拡散係数を導出してもよい。
例えば、同一の関心領域においてb値が変更されることで、MRI装置200により、各b値での拡散強調画像が撮像される。画像導出部141は、複数のb値及び拡散強調画像の画素値に基づいて、図14に示したように直線L1の傾きを導出することで、関心領域におけるADC値を導出する。設定部143が、導出されたADC値を、目標拡散係数として設定してもよい。
例えば、上記実施形態では、例えば組織又は病変に応じて、目標拡散係数の候補が用意されていてもよい。例えば、腫瘍診断が行われる場合、腫瘍を診断するためのADC値が、目標拡散係数の候補に含まれる。プリセットされた値は、例えば、記憶部150に記憶され、表示部130により、目標拡散係数の候補として表示される。設定部143は、例えば、操作部120を介してユーザ操作により選択された候補を、目標拡散係数として設定してもよい。表示部130は、提示部の一例である。
例えば、上記実施形態では、画像導出部141は、3個以上のb値を用いた拡散強調画像から、仮想拡散強調画像を生成してもよい。例えば、画像導出部141は、3個以上のb値と各b値の場合の拡散強調画像の画素値とに応じて、最小二乗法を利用して、ADC値を算出してもよい。3個以上のb値を用いた拡散強調画像を導出する場合にも、カットオフADCを考慮してもよい。これにより、それぞれのADC値の雑音が低減され、結果として仮想拡散強調画像の雑音を低減する。
(本発明の一態様の概要)
本発明の一態様の画像処理装置は、第1のb値を用いて撮像された第1の拡散強調画像を取得する画像取得部と、第2のb値、及び0以上の値を有する第1のカットオフ拡散係数を設定する設定部と、前記第1の拡散強調画像の画素に対応した拡散係数が前記第1のカットオフ拡散係数より大きい画素において、前記拡散係数及び前記第1の拡散強調画像に基づいて、前記第2のb値での仮想拡散強調画像を導出する画像導出部と、前記仮想拡散強調画像を表示する表示部と、を備える。
この構成によれば、拡散係数が組織の拡散を示していない画素(例えば雑音成分が多く、組織の表示精度が低いと推定される画素)を意識的に除外して、仮想拡散強調画像を導出できる。従って、仮想拡散強調画像における組織の拡散状態の表示精度を向上でき、仮想拡散強調画像の表示精度を向上できる。よって、仮想拡散強調画像における腫瘍組織の明瞭性を向上でき、仮想拡散強調画像を用いた診断の信頼性を向上できる。
本発明の一態様の画像処理装置は、前記画像導出部が、前記設定部により前記第1のカットオフ拡散係数が変更された場合、動的に前記仮想拡散強調画像を導出し、前記表示部が、前記仮想拡散強調画像を再表示する。
この構成によれば、第1のカットオフ拡散係数を変更して、仮想拡散強調画像の表示を連続的に変更できる。拡散係数は、例えば、病変又は組織毎に異なる。そのため、ユーザは、第1のカットオフ拡散係数の変更により、観察対象から除外する病変又は組織を変更しながら、仮想拡散強調画像の変化を確認でき、病変の検出精度を向上できる。このように、ユーザの利便性を向上できる。
本発明の一態様の画像処理装置は、前記設定部が、前記第1のカットオフ拡散係数として、0.3(×10−3mm/s)以上0.6(×10−3mm/s)以下の値を設定する。
この構成によれば、例えば、雑音及び観察対象外となる可能性が高い組織(例えば皮膚や骨髄)を除外して、仮想拡散強調画像を導出できる。従って、ユーザは、観察対象の組織又は病変(例えば腫瘍)を観察し易くなる。よって、仮想拡散強調画像を用いた診断の信頼性を向上できる。
本発明の一態様の画像処理装置は、前記目標拡散係数及び前記第2のb値に基づいて、前記仮想拡散強調画像を表示するための輝度条件を導出する輝度条件導出部を備え、前記設定部は、前記目標拡散係数を設定し、前記表示部が、前記輝度条件に応じて、前記仮想拡散強調画像を表示する。
この構成によれば、特別なユーザ操作をしなくても、輝度条件を導出できる。従って、ユーザの利便性が向上し、仮想拡散強調画像の視認性が向上する。よって、仮想拡散強調画像の表示を確認して行う診断の客観性や信頼性の低下を抑制できる。よって、病変の検出精度を向上できる。
本発明の一態様の画像処理装置は、前記設定部が、前記第1のカットオフ拡散係数として、前記目標拡散係数以下の値を設定する。
この構成によれば、拡散係数が目標拡散係数よりも小さい場合、輝度調整に応じて、この拡散係数を有する画素が過度に明るくなる場合があるが、目標拡散係数よりも大きな拡散係数を有する画素の表示を除外できる。そのため、この拡散係数に相当する病変又は組織の表示を抑制できる。例えば、目標拡散係数が設定されることで、目標拡散係数付近の拡散係数を有する病変又は組織は容易に観察できる。従って、病変の検出精度を向上できる。
本発明の一態様の画像処理装置は、前記画像導出部が、ボリュームデータから、前記ボリュームデータが奥行き方向に反転された場合に同一の画像が得られるレンダリングにより、前記仮想拡散強調画像を導出する。
この構成によれば、ボリュームデータの平面(断面)方向における同一位置において、奥行き方向に含まれる複数の画像から所定の画像が導出され、仮想拡散強調画像が導出される。この場合でも、第1のカットオフ拡散係数に応じて表示対象から除外された画素の影響を、奥行き方向の他の位置の画像に基づいて補完できるので、仮想拡散強調画像の画質の低下を抑制できる。また、例えば、MIP法を用いる場合、奥行き方向の画素の最大画素値を表示画像に採用するので、仮想拡散強調画像が雑音を含み易くなる。この場合でも、第1のカットオフ拡散係数を考慮することで、雑音成分が多いと推定される画素を表示対象から除外でき、仮想拡散強調画像の画質の低下を抑制できる。
本発明の一態様の画像処理装置は、前記設定部が、前記第1のカットオフ拡散係数より大きい第2のカットオフ拡散係数を設定し、前記画像導出部が、前記拡散係数が前記第1のカットオフ拡散係数より大きく前記第2のカットオフ拡散係数より小さい画素において、前記仮想拡散強調画像を導出する。
この構成によれば、表示対象とする拡散係数の下限とともに上限を設定する。従って、小さな拡散係数を有する組織等とともに、大きな拡散係数を有する組織等を表示対象から除外でき、仮想拡散強調画像の視認性を向上できる。よって、ユーザによる診断の信頼性を向上できる。これは、例えばT2が長いものの場合は、ADCが比較的大きな値であっても、拡散強調画像上で高信号を保ち腫瘍とまぎらわしい場合があるが(T2−shine through)、これは上限を設定することで回避できるからである。(T2)と、(T2−shine through)とは、公知である。
本発明の一態様の画像処理装置は、前記画像導出部が、前記拡散係数が前記第1のカットオフ拡散係数以下の画素の画素値を所定値以下として、前記仮想拡散強調画像を導出する。
この構成によれば、雑音及び観察対象外となる可能性が高い組織(例えば皮膚や骨髄)を、暗い(黒に近い)色として表示し、当該組織の明瞭性を低下させる。これにより、当該組織と対比して観察対象の組織又は病変(例えば腫瘍)を明瞭化することで、観察対象を観察し易くできる。よって、仮想拡散強調画像を用いた診断の信頼性を向上できる。
本発明の一態様の画像処理方法は、画像処理装置における画像処理方法であって、第1のb値を用いて撮像された第1の拡散強調画像を取得するステップと、第2のb値、及び0以上の値を有するカットオフ拡散係数を設定するステップと、前記第1の拡散強調画像の画素に対応した拡散係数が前記カットオフ拡散係数より大きい画素において、前記拡散係数及び前記第1の拡散強調画像に基づいて、前記第2のb値での仮想拡散強調画像を導出するステップと、前記仮想拡散強調画像を表示部に表示するステップと、を有する。
この方法によれば、拡散係数が組織の拡散を示していない画素(例えば雑音成分が多く、組織の表示精度が低いと推定される画素)を意識的に除外して、仮想拡散強調画像を導出できる。従って、仮想拡散強調画像における組織の拡散状態の表示精度を向上でき、仮想拡散強調画像の表示精度を向上できる。よって、仮想拡散強調画像における腫瘍組織の明瞭性を向上でき、仮想拡散強調画像を用いた診断の信頼性を向上できる。
本発明の一態様の画像処理プログラムは、上記画像処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
このプログラムによれば、拡散係数が組織の拡散を示していない画素(例えば雑音成分が多く、組織の表示精度が低いと推定される画素)を意識的に除外して、仮想拡散強調画像を導出できる。従って、仮想拡散強調画像における組織の拡散状態の表示精度を向上でき、仮想拡散強調画像の表示精度を向上できる。よって、仮想拡散強調画像における腫瘍組織の明瞭性を向上でき、仮想拡散強調画像を用いた診断の信頼性を向上できる。
本発明は、仮想拡散強調画像における腫瘍組織の明瞭性を向上できる画像処理装置及び画像処理方法等に有用である。
100 画像処理装置
110 画像取得部
120 操作部
130 表示部
140 制御部
141 画像導出部
142 輝度条件導出部
150 記憶部
200 MRI装置

Claims (10)

  1. 第1のb値を用いて撮像された第1の拡散強調画像を取得する画像取得部と、
    第2のb値、及び0以上の値を有する第1のカットオフ拡散係数を設定する設定部と、
    前記第1の拡散強調画像の画素に対応した拡散係数が前記第1のカットオフ拡散係数より大きい画素において、前記拡散係数及び前記第1の拡散強調画像に基づいて、前記第2のb値での仮想拡散強調画像を導出する画像導出部と、
    前記仮想拡散強調画像を表示する表示部と、
    を備える画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記画像導出部は、前記設定部により前記第1のカットオフ拡散係数が変更された場合、動的に前記仮想拡散強調画像を導出し、
    前記表示部は、前記仮想拡散強調画像を再表示する、画像処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像処理装置であって、
    前記設定部は、前記第1のカットオフ拡散係数として、0.3(×10−3mm/s)以上0.6(×10−3mm/s)以下の値を設定する、画像処理装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、更に、
    目標拡散係数及び前記第2のb値に基づいて、前記仮想拡散強調画像を表示するための輝度条件を導出する輝度条件導出部を備え、
    前記設定部は、前記目標拡散係数を設定し、
    前記表示部は、前記輝度条件に応じて、前記仮想拡散強調画像を表示する、画像処理装置。
  5. 請求項4に記載の画像処理装置であって、更に、
    前記設定部は、前記第1のカットオフ拡散係数として、前記目標拡散係数以下の値を設定する、画像処理装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、前記画像導出部は、ボリュームデータから、前記ボリュームデータが奥行き方向に反転された場合に同一の画像が得られるレンダリングにより、前記仮想拡散強調画像を導出する、画像処理装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
    前記設定部は、前記第1のカットオフ拡散係数より大きい第2のカットオフ拡散係数を設定し、
    前記画像導出部は、前記拡散係数が前記第1のカットオフ拡散係数より大きく前記第2のカットオフ拡散係数より小さい画素において、前記仮想拡散強調画像を導出する、画像処理装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
    前記画像導出部は、前記拡散係数が前記第1のカットオフ拡散係数以下の画素の画素値を所定値以下として、前記仮想拡散強調画像を導出する、画像処理装置。
  9. 画像処理装置における画像処理方法であって、
    第1のb値を用いて撮像された第1の拡散強調画像を取得するステップと、
    第2のb値、及び0以上の値を有するカットオフ拡散係数を設定するステップと、
    前記第1の拡散強調画像の画素に対応した拡散係数が前記カットオフ拡散係数より大きい画素において、前記拡散係数及び前記第1の拡散強調画像に基づいて、前記第2のb値での仮想拡散強調画像を導出するステップと、
    前記仮想拡散強調画像を表示部に表示するステップと、
    を有する画像処理方法。
  10. 請求項9に記載の画像処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
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