JP2002306447A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JP2002306447A
JP2002306447A JP2001113868A JP2001113868A JP2002306447A JP 2002306447 A JP2002306447 A JP 2002306447A JP 2001113868 A JP2001113868 A JP 2001113868A JP 2001113868 A JP2001113868 A JP 2001113868A JP 2002306447 A JP2002306447 A JP 2002306447A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】中低磁場機においても水プロトンからの信号低
下を招くことなく脂肪抑制を効果的に行うことができる
MRI装置を提供する。血流を高コントラストで描出可
能なMRI装置を提供する。 【解決手段】第1の共鳴周波数の高周波磁場を照射して
目的とする分子から放出されるエコー信号を検出し画像
を再構成するに際し、第1の高周波磁場の照射に先立っ
て第2の高周波磁場を照射する制御を行う。ここで第2
の高周波磁場は、その周波数帯域が、第1の共鳴周波数
f1を含まず且つ撮像目的の分子とは異なる共鳴周波数
を有する第2の分子の共鳴周波数f2を含み、その中心
周波数f3と前記第1の共鳴周波数f1との差が、第2の
分子の共鳴周波数f2と第1の共鳴周波数f1との差より
も大きく、フリップ角が90°よりも小さくなるように制
御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、核磁気共鳴(以
下、NMRという)現象を利用して被検体の所望部位の
断層画像を得る磁気共鳴イメージング(以下、MRIと
いう)装置に関し、特に静磁場強度が比較的低い中低磁
場装置において、2種の原子核の信号のうちの一方の信
号を短時間且つ効果的に抑制することが可能なMRI装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】MRI装置は、NMR現象を利用して被
検体中の所望の検査部位における原子核スピン(以下、
単にスピンという)の密度分布、緩和時間分布等を計測
して、その計測データから被検体の任意の断面を画像表
示するものである。このようなMRI装置の撮像機能と
して、血流を描画するMRアンジオグラフィ(以下、M
RAという)がある。
【0003】このMRAには造影剤を使用する方法と造
影剤を使用しない方法とがある。造影剤を使用する方法
では、Gd-DTPAなどのT1短縮型の造影剤を注入
後、グラディエントエコー系の短TRシーケンスで撮像
を行う。造影剤を含む血流スピンは周囲組織よりも縦緩
和時間T1が短いため、繰り返し時間TRが短くても飽
和が起こりにくく、相対的に他の組織よりも高い信号が
得られる。従って造影剤が目的血管に存在している間に
撮像することにより、他の組織よりも血管を高コントラ
ストで描画することができる。
【0004】このように造影剤を用いたMRAにおい
て、造影剤を含む血液は高信号で描出可能であるが、T
1強調撮像では、比較的T1の短い脂肪も高信号で描出さ
れるため、細い血管の描出の際には血管以外の組織(特
に脂肪)とのコントラストを十分に得られない場合があ
る。
【0005】これに対し、脂肪のプロトンと水のプロト
ンとの共鳴周波数の差を利用して脂肪信号を抑制する方
法を組合わせることも可能である。この脂肪抑制法で
は、周波数選択脂肪抑制パルス(以下、CHESS (Chemic
al Shift Selective)パルスという)をプリサチュレー
ションパルスとして照射し、脂肪のみを選択的に励起
し、脂肪プロトンを飽和状態にした後に撮像を開始す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、脂肪プロトン
と水プロトンの共鳴周波数は、3.5ppmというわずかな差
しかないので、このCHESSパルスを使用するためには高
い磁場均一度が必須となる。即ち、図6(a)に示すよ
うに、1.0T以上の高磁場装置では、水と脂肪の共鳴周
波数の差(オフセット)が大きく、そのスペクトルが分
離するので、CHESSパルスにより効果的に脂肪のみを飽
和させることができる。
【0007】これに対し、磁場不均一の影響を受けやす
い中低磁場機(通常0.1T〜0.5T程度)では、同図
(b)に示すように、脂肪と水の共鳴周波数差が小さい
ため各々のスペクトルを十分に分離できず、上記CHESS
パルスを使用した場合に脂肪のみならず水の信号を少な
からず飽和させてしまう。その結果、上述した造影MR
Aにおいて造影剤を含む血液を高コントラストで描出で
きない。
【0008】またCHESSパルスは脂肪の共鳴周波数スペ
クトルを選択的に励起するものであるから、励起周波数
帯域を狭くする必要があり、その結果、パルスの印加時
間が長くなるという問題もある。造影MRAでは、造影
剤が目的血管に留まっている間に撮像を行うために、通
常十数秒以内で計測する必要があるが、このようにプリ
サチュレーションパルス印加の時間が延びることによ
り、造影MRAのTR時間が延長し、T1強調効果が減
少する。また少なからず造影剤による信号も飽和させて
しまう。
【0009】そこで本発明は、中低磁場機においても水
プロトンからの信号低下を招くことなく脂肪抑制を効果
的に行うことができるMRI装置を提供することを目的
とする。また本発明は、造影MRAにおいて、撮像時間
の延長を極力抑え、血管を高コントラストで描出するこ
とが可能なMRI装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、撮像目的のプロトンの共鳴周波数と重ならず比較
的ブロードな帯域を有し、小フリップ角の高周波パルス
を用いることにより、短時間で効果的に目的外のプロト
ンからの信号を抑制可能にしたものである。
【0011】即ち、本発明のMRI装置は、被検体の置
かれる空間に静磁場を発生する静磁場発生手段と、前記
空間に傾斜磁場を与える傾斜磁場発生手段と、前記被検
体の生体組織の分子に核磁気共鳴を起こさせるために高
周波磁場を照射する送信系と、前記核磁気共鳴により放
出されるエコー信号を検出する受信系と、前記傾斜磁場
発生手段、送信系および受信系を制御する制御系と、前
記受信系で検出したエコー信号を用いて画像を再構成し
表示させる画像再構成手段とを備えたMRI装置におい
て、前記制御系は、第1の共鳴周波数の高周波磁場を照
射して所定の分子から放出されるエコー信号を検出し画
像を再構成するに際し、前記高周波磁場の照射に先立っ
て第2の高周波磁場を照射する制御を行い、この第2の
高周波磁場は、その周波数帯域が、前記第1の共鳴周波
数を含まず且つ前記所定の分子とは異なる共鳴周波数を
有する第2の分子の共鳴周波数を含み、その中心周波数
と前記第1の共鳴周波数との差が、第2の分子の共鳴周
波数と第1の共鳴周波数との差よりも大きく、フリップ
角が90°よりも小さくなるように制御することを特徴と
する。
【0012】これにより撮像目的である所定の分子の共
鳴周波数と第2の分子の共鳴周波数との差が小さく、従
来のCHESSパルスでは抑制できない信号であっても、撮
像目的の分子からの信号を低減することなく、目的外
(第2)の分子からの信号を効果的に抑制することがで
きる。これによって目的とする組織を高コントラストで
描出できる。
【0013】また本発明のMRI装置は、その制御系
が、前記第1の共鳴周波数の高周波磁場の照射、エコー
信号の検出を繰り返し行い、複数回の繰り返し毎に前記
第2の高周波磁場を照射する制御を行うことを特徴とす
る。
【0014】パルスシーケンスの繰り返し毎ではなく、
複数回毎に第2の高周波磁場照射を行うことにより、実
質的なTRの延長を極力抑え、T1強調撮像の実効を上
げることができる。このような制御を行うMRI装置
は、特に造影剤を用いたMRAに好適であり、造影剤が
目的血管内に高濃度で存在する短時間に撮像を終えるこ
とができ、且つ細い血管でも周囲組織、特に脂肪に対し
高コントラストで描出できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のMRI装置の一実
施形態を図面を参照して説明する。
【0016】図1は本発明が適用されるMRI装置の全
体構成を示すブロック図である。このMRI装置は、静
磁場発生磁石2と、傾斜磁場発生系3と、送信系5と、
受信系6と、信号処理系7と、シーケンサ4と、中央処
理装置(CPU)8とを備えている。送信系及び受信系の高
周波コイル14a、14bと傾斜磁場発生系の傾斜磁場コイル
9は、被検体1の周りの空間に配置された静磁場発生磁
石2の磁場空間内に設置されている。
【0017】静磁場発生磁石2は、被検体1の周りにそ
の体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を
発生させるもので、被検体1の周りのある広がりをもっ
た空間に永久磁石方式または常電導方式あるいは超電導
方式の磁場発生手段が配置されている。
【0018】傾斜磁場発生系3は、X,Y,Zの三軸方向に
巻かれた傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜磁場コイ
ルを駆動する傾斜磁場電源10とから成り、後述のシーケ
ンサ7からの命令に従ってそれぞれのコイルの傾斜磁場
電源10を駆動することにより、X,Y,Zの三軸方向の傾斜
磁場Gx,Gy,Gzを被検体1に印加するようになっている。
この傾斜磁場の加え方により被検体1に対するスライス
面を設定することができる。またエコー信号に位置情報
を付与することができる。
【0019】シーケンサ4は、被検体1の生体組織を構
成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁
場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加
するもので、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層像の
データ収集に必要な種々の命令を、送信系5及び磁場勾
配発生系3並びに受信系6に送るようになっている。
【0020】送信系5は、シーケンサ4から送り出され
る高周波パルスにより被検体1の生体組織を構成する原
子の原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波磁場
を照射するもので、高周波発振器11と変調器12と高周波
増幅器13と送信側の高周波コイル14aとから成る。変調
器12は、高周波発振器11から出力された高周波パルスを
シーケンサ4の命令にしたがって振幅変調する。これに
よって高周波コイル14aから照射される高周波磁場の中
心周波数、帯域が決定される。高周波増幅器13は、この
振幅変調された高周波パルスを増幅し、高周波コイル14
aに供給する。この増幅器13の機能により、高周波コイ
ル14aから照射される高周波磁場の強度、即ちフリップ
角を調整することができる。これらはいずれもシーケン
サ4を介してCPU8が制御する。CPU8による制御につい
ては後述する。
【0021】受信系6は、被検体1の生体組織の原子核
の核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を
検出するもので、受信側の高周波コイル14bと増幅器15
と直交位相検波器16とA/D変換器17とから成り、上記送
信側の高周波コイル14aから照射された電磁波による被
検体1の応答の電磁波(NMR信号)を被検体1に近接して配
置された高周波コイル14bが検出し、増幅器15及び直交
位相検波器16を介してA/D変換器17に入力してディジタ
ル量に変換する。このディジタル信号は、シーケンサ4
からの命令によるタイミングで直交位相検波器16により
サンプリングされた二系列の収集データとされ、その信
号が信号処理系7に送られる。
【0022】信号処理系7は、CPU8と、磁気ディスク1
8及び磁気テープ19等の記録装置と、CRT等のディスプレ
イ20と、マウス、キイボード等の入力装置21とから成
る。受信系で検出したディジタル信号を用いて、CPU8で
フーリエ変換、補正係数計算、像再構成等の処理を行
い、任意断面の信号強度分布あるいは複数の信号に適当
な演算を行って得られた分布を画像化してディスプレイ
20に断層像として表示する。
【0023】またCPU8は、入力装置21から入力された
条件を受け取り、シーケンサ4に指令を送り、傾斜磁場
発生系3、送信系5および受信系6を制御する。この制
御のタイミングは、パルスシーケンスと呼ばれ、撮像方
法によって決まる種々のパルスシーケンスがプログラム
としてCPU8内に組み込まれている。例えば、本実施形
態のMRI装置では、撮像法として脂肪抑制パルスを組
合わせた造影MRAを選択することができ、この撮像法
が入力装置21を介して選択されると、造影MRAのパル
スシーケンスにより撮像が行われる。またこの際、照射
される高周波パルスの周波数、フリップ角等が制御され
る。
【0024】次に上記構成におけるMRI装置の動作に
ついて脂肪抑制パルスを組合わせた造影MRAを例にし
て説明する。図2は、上記MRI装置のCPU8に組み込
まれた撮像シーケンスの一例を示すタイミング図で、こ
の撮像シーケンスは脂肪抑制パルスを組み込んだ短TR
の三次元グラディエントエコー系シーケンスである。
【0025】この撮像シーケンスでは、まず脂肪からの
信号を抑制するためのプリサチュレーションパルス201
を照射後、スポイラーパルス209〜211を印加し、次いで
水プロトンを励起する高周波パルス203を照射する。こ
れら高周波パルス201、203と同時に、組織を選択するた
めの傾斜磁場パルス202、204を印加する。次いでエコー
信号をスライス方向及び位相エンコード方向にエンコー
ドするスライスエンコード傾斜磁場205と位相エンコー
ド傾斜磁場206を印加し、さらにエコー信号を発生させ
る読み出し傾斜磁場207を印加し、エコー信号208を計測
する。スライスエンコード傾斜磁場205及び位相エンコ
ード傾斜磁場206の強度を変えながら、高周波磁場印加
からエコー信号計測までを繰り返し時間TRで繰り返
し、三次元のエコー信号のセットを得る。
【0026】ここでプリサチュレーションパルス201及
び高周波パルス203の周波数帯域、中心周波数およびフ
リップ角は次のように制御される。図3に示すように、
中低磁場機の場合、水プロトンと脂肪プロトンのスペク
トルは、完全に分離することなく比較的ブロードな特性
を有する。水プロトンを励起する高周波磁場パルス203
は、その中心周波数f1は水のスペクトルのピークと一
致するように決定されており、そのフリップ角は通常40
°である。一方、プリサチュレーションパルス201は、
脂肪のスペクトルのピーク(即ち、脂肪プロトンの共鳴
周波数f2)を含むが、水プロトンの共鳴周波数は含ま
ず、その中心周波数f3は、水プロトンの共鳴周波数f1
からのずれ量(オフセット)が、脂肪の共鳴周波数f2
のオフセットよりも大きくなるように設定される。
【0027】具体的には、0.3Tの低磁場機の場合、水
プロトンの共鳴周波数f1は12.8MHz、脂肪プロトンの共
鳴周波数f2は、f1-44Hzである。例えばスライス厚を5
mm、傾斜磁場Gを15mT/m、ラーモア周波数γを4257Hz/G
aussとすると、プリサチュレーションパルス201のバン
ド幅BWおよび中心周波数f3は、次のようになる。 BW=(スライス厚×ラーモア周波数×傾斜磁場強度)÷
2π=約508Hz f3=f1-約250Hz これによりプリサチュレーションパルス201は、水プロ
トンの共鳴周波数を含まず、脂肪プロトンの共鳴周波数
と重なる帯域のパルスとなる。またsinc波で印加時間1.
43msと仮定すると、その帯域の内側約40Hzの周波数にお
いて中心周波数f3のピークの約半分の強度が得られる
ので、脂肪プロトンのスペクトルのピークを含むパルス
となる。これにより脂肪プロトンを飽和させることがで
きる。
【0028】またプリサチュレーションパルスのフリッ
プ角は、90°よりも小さい角度に設定される。以上のよ
うなプリサチュレーションパルス201の設定は、既に述
べたように、CPU8の指令により送信系5の変調器12と
高周波増幅器13を制御することにより行われる。
【0029】このようにプリサチュレーションパルス20
1を、水プロトンの共鳴周波数を含まないように設定
し、且つフリップ角を90°より小さくすることによ
り、水からの信号を弱めることなく脂肪からの信号を効
果的に抑制することができる。またプリサチュレーショ
ンパルス201の中心周波数を脂肪プロトンの共鳴周波数
からずらし、ブロードな帯域とすることにより、比較的
短い印加時間で脂肪プロトンを飽和させることができ
る。
【0030】このようなプリサチュレーションパルス20
1は、図2のパルスシーケンスにおいて、繰り返しTR
毎に挿入しても良いが、好適には複数回の繰り返し毎に
1回のプリサチュレーションを挿入する。本発明のプリ
サチュレーションパルス201は、上述のように脂肪のみ
を効果的に抑制しているので、特に短TRのパルスシー
ケンスの場合には、複数のTR毎に行った場合でも、脂
肪抑制効果を持続することができ、それによってTRの
延長を防止できる。
【0031】次にこのようなパルスシーケンスを採用し
た造影MRAを説明する。図4に、血中の造影剤濃度と
計測との関係を示す。既に述べたように図2のパルスシ
ーケンスの繰り返しにより、スライスエンコードおよび
位相エンコードの異なる複数のエコー信号が計測される
が、これらエコー信号のセットは、スライスエンコード
および位相エンコードを座標(kz、ky)とするk空
間に配置される。造影MRAでは、このk空間を埋める
エコー信号のセットを、目的血管における造影剤濃度が
高い間に計測する。特に画像のコントラストを決定する
k空間の低周波領域のデータについては、造影剤濃度の
ピークと一致するようにする。このような造影剤濃度と
計測時間との関係は、例えばテストインジェクション法
等公知の方法によって、予め造影剤が目的血管に達する
時間を調べておくことにより、最適に設定することがで
きる。
【0032】また図4に示す実施形態では、k空間を複
数(図では5つ)のセグメントに分け、セグメント毎に
プリサチュレーションパルスの照射頻度を設定する。即
ち、図2に示す短TRグラディエント系のパルスシーケ
ンスを複数回繰り返す毎に、1回のプリサチュレーショ
ンパルスを用いることとし、この繰り返し回数nをセグ
メント毎に設定する。
【0033】この様子を図5に示す。図示するようにセ
グメント1では、まずプリサチュレーションパルスPSを
照射後、高周波パルス(RF)印加とエコー信号計測から
なるシーケンスをn1回繰り返し、以後プリサチュレー
ションパルス照射n1回のエコー信号計測を繰り返す。
他のセグメントについてもそれぞれ設定された繰り返し
回数n2〜n5毎にプリサチュレーションパルスを挿入す
る。各セグメントにおける繰り返し回数は、同じ(n1
=n2=n3=n4=n5)に設定してもよいが、ここでは
n1>n2>n3<n4<n5とし、k空間の低周波域(セ
グメント3)では繰り返し回数を少なくしている。これ
により、低周波域では、多少の撮像時間の延長を犠牲に
しても脂肪抑制効果を高め、血液から高信号を得ること
ができる。
【0034】例えば、スライスエンコード数16、位相エ
ンコード数160とすると全繰り返し回数は2560回(16×1
60)であり、1セグメントの繰り返し回数は512(2560
÷5)である。セグメント1、5では、例えばプリサチ
ュレーションパルスを挿入する繰り返し回数を20、セグ
メント2、4では15とし、セグメント3では10とする。
この場合、プリサチュレーションパルスを挿入する回数
は約170回となり、全繰り返し回数についてプリサチュ
レーションパルスを挿入する場合と比べ、それに要する
時間を1/15に短縮できる。
【0035】このようにして得られたk空間のデータに
三次元フーリエ変換等を施すことにより、三次元画像デ
ータを得ることができる。この画像は、造影剤を用いて
いるので血流が周囲の組織に比べ高信号で描画され、し
かも脂肪組織からの信号の混入がないので高コントラス
ト画像となる。
【0036】なお、以上の説明ではk空間を5つのセグ
メントに分割した場合を説明したが、セグメント数は任
意に選択できる。但し、上記のように中央(低周波域)
のセグメントにおいて繰り返し回数を最小にするために
は、セグメント数は奇数がよい。
【0037】以上、本発明のMRI装置を造影MRAに
適用した実施形態を説明したが、本発明のMRI装置は
造影MRAのみならず、脂肪抑制を含む撮像方法であれ
ば適用することが可能である。また三次元撮影のみなら
ず二次元撮影であっても適用することができる。さらに
脂肪のみならずケミカルシフトを利用して複数種のスピ
ンのうち1種のスピンからの信号を抑制する撮像法に適
用することが可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明のMRI装置によれば、中低磁場
機において、分離しにくい2種のスピンからの信号のう
ち、一方のスピンからの信号強度を減少させることな
く、他方のスピンからの信号を効果的に抑制し、高コン
トラストの画像を得ることができる。また本発明のMR
I装置によれば、脂肪信号抑制を短時間で行うことがで
きるので、特に造影MRAのように短TRシーケンスを
用いた撮像において、計測時間の延長によって短TRの
特長を阻害することなく、目的とする組織を高信号で描
出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示
す図
【図2】本発明のMRI装置が採用するプリサチュレー
ションパルスを用いた短TRパルスシーケンスの一例を
示す図
【図3】本発明の高周波パルスによる脂肪抑制を説明す
る図
【図4】本発明のMRI装置が採用する造影MRAを説
明する図
【図5】造影MRAにおけるパルスシーケンスの繰り返
しを説明する図
【図6】従来の脂肪抑制法を説明する図
【符号の説明】
1・・・被検体 2・・・静磁場発生磁石 3・・・傾斜磁場発生系 4・・・シーケンサ 5・・・送信系 6・・・受信系 7・・・信号処理系 8・・・CPU(制御系)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C096 AA07 AA10 AA11 AB04 AD06 BA02 BA20 BA36

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の置かれる空間に静磁場を発生す
    る静磁場発生手段と、前記空間に傾斜磁場を与える傾斜
    磁場発生手段と、前記被検体の生体組織の分子に核磁気
    共鳴を起こさせるために高周波磁場を照射する送信系
    と、前記核磁気共鳴により放出されるエコー信号を検出
    する受信系と、前記傾斜磁場発生手段、送信系および受
    信系を制御する制御系と、前記受信系で検出したエコー
    信号を用いて画像を再構成し表示させる画像再構成手段
    とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、 前記制御系は、第1の共鳴周波数の高周波磁場を照射し
    て所定の分子から放出されるエコー信号を検出し画像を
    再構成するに際し、前記高周波磁場の照射に先立って第
    2の高周波磁場を照射する制御を行い、この第2の高周
    波磁場は、その周波数帯域が、前記第1の共鳴周波数を
    含まず且つ前記所定の分子とは異なる共鳴周波数を有す
    る第2の分子の共鳴周波数を含み、その中心周波数と前
    記第1の共鳴周波数との差が、第2の分子の共鳴周波数
    と第1の共鳴周波数との差よりも大きく、フリップ角が
    90°よりも小さくなるように制御することを特徴とする
    磁気共鳴イメージング装置。
  2. 【請求項2】前記制御系は、前記第1の共鳴周波数の高
    周波磁場の照射、エコー信号の検出を繰り返し行い、複
    数回の繰り返し毎に前記第2の高周波磁場を照射する制
    御を行うことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメ
    ージング装置。
  3. 【請求項3】前記第1の分子の共鳴周波数f1を12.8MH
    z、前記第2の分子の共鳴周波数f2をf1-44(Hz)とする
    とき、前記第2の高周波磁場は、その帯域幅が約508Hz
    であって、中心周波数がf1-約250Hzであることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージング装
    置。
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KR101625715B1 (ko) 2012-09-14 2016-05-30 지멘스 악티엔게젤샤프트 자기 공명 시스템을 제어하는 방법 및 제어 장치
JP2016120159A (ja) * 2014-12-25 2016-07-07 ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー 磁気共鳴装置

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