JP4462781B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
この発明は、核磁気共鳴(以下、NMRという)現象を利用して被検体の所望部位の断層画像を得る磁気共鳴イメージング(以下、MRIという)装置に関し、特に静磁場強度が比較的低い中低磁場装置において、2種の原子核の信号のうちの一方の信号を短時間且つ効果的に抑制することが可能なMRI装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
MRI装置は、NMR現象を利用して被検体中の所望の検査部位における原子核スピン(以下、単にスピンという)の密度分布、緩和時間分布等を計測して、その計測データから被検体の任意の断面を画像表示するものである。このようなMRI装置の撮像機能として、血流を描画するMRアンジオグラフィ(以下、MRAという)がある。
【0003】
このMRAには造影剤を使用する方法と造影剤を使用しない方法とがある。造影剤を使用する方法では、Gd-DTPAなどのT1短縮型の造影剤を注入後、グラディエントエコー系の短TRシーケンスで撮像を行う。造影剤を含む血流スピンは周囲組織よりも縦緩和時間T1が短いため、繰り返し時間TRが短くても飽和が起こりにくく、相対的に他の組織よりも高い信号が得られる。従って造影剤が目的血管に存在している間に撮像することにより、他の組織よりも血管を高コントラストで描画することができる。
【0004】
このように造影剤を用いたMRAにおいて、造影剤を含む血液は高信号で描出可能であるが、T1強調撮像では、比較的T1の短い脂肪も高信号で描出されるため、細い血管の描出の際には血管以外の組織(特に脂肪)とのコントラストを十分に得られない場合がある。
【0005】
これに対し、脂肪のプロトンと水のプロトンとの共鳴周波数の差を利用して脂肪信号を抑制する方法を組合わせることも可能である。この脂肪抑制法では、周波数選択脂肪抑制パルス(以下、CHESS (Chemical Shift Selective)パルスという)をプリサチュレーションパルスとして照射し、脂肪のみを選択的に励起し、脂肪プロトンを飽和状態にした後に撮像を開始する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、脂肪プロトンと水プロトンの共鳴周波数は、3.5ppmというわずかな差しかないので、このCHESSパルスを使用するためには高い磁場均一度が必須となる。即ち、図6(a)に示すように、1.0T以上の高磁場装置では、水と脂肪の共鳴周波数の差(オフセット)が大きく、そのスペクトルが分離するので、CHESSパルスにより効果的に脂肪のみを飽和させることができる。
【0007】
これに対し、磁場不均一の影響を受けやすい中低磁場機(通常0.1T〜0.5T程度)では、同図(b)に示すように、脂肪と水の共鳴周波数差が小さいため各々のスペクトルを十分に分離できず、上記CHESSパルスを使用した場合に脂肪のみならず水の信号を少なからず飽和させてしまう。その結果、上述した造影MRAにおいて造影剤を含む血液を高コントラストで描出できない。
【0008】
またCHESSパルスは脂肪の共鳴周波数スペクトルを選択的に励起するものであるから、励起周波数帯域を狭くする必要があり、その結果、パルスの印加時間が長くなるという問題もある。造影MRAでは、造影剤が目的血管に留まっている間に撮像を行うために、通常十数秒以内で計測する必要があるが、このようにプリサチュレーションパルス印加の時間が延びることにより、造影MRAのTR時間が延長し、T1強調効果が減少する。また少なからず造影剤による信号も飽和させてしまう。
【0009】
そこで本発明は、中低磁場機においても水プロトンからの信号低下を招くことなく脂肪抑制を効果的に行うことができるMRI装置を提供することを目的とする。また本発明は、造影MRAにおいて、撮像時間の延長を極力抑え、血管を高コントラストで描出することが可能なMRI装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、撮像目的のプロトンの共鳴周波数と重ならず比較的ブロードな帯域を有し、小フリップ角の高周波パルスを用いることにより、短時間で効果的に目的外のプロトンからの信号を抑制可能にしたものである。
【0011】
即ち、本発明のMRI装置は、被検体の置かれる空間に静磁場を発生する静磁場発生手段と、前記空間に傾斜磁場を与える傾斜磁場発生手段と、前記被検体の生体組織の分子に核磁気共鳴を起こさせるために高周波磁場を照射する送信系と、前記核磁気共鳴により放出されるエコー信号を検出する受信系と、前記傾斜磁場発生手段、送信系および受信系を制御する制御系と、前記受信系で検出したエコー信号を用いて画像を再構成し表示させる画像再構成手段とを備えたMRI装置において、
前記制御系は、第1の共鳴周波数の高周波磁場を照射して所定の分子から放出されるエコー信号を検出し画像を再構成するに際し、前記高周波磁場の照射に先立って第2の高周波磁場を照射する制御を行い、この第2の高周波磁場は、その周波数帯域が、前記第1の共鳴周波数を含まず且つ前記所定の分子とは異なる共鳴周波数を有する第2の分子の共鳴周波数を含み、その中心周波数と前記第1の共鳴周波数との差が、第2の分子の共鳴周波数と第1の共鳴周波数との差よりも大きく、フリップ角が90°よりも小さくなるように制御することを特徴とする。
【0012】
これにより撮像目的である所定の分子の共鳴周波数と第2の分子の共鳴周波数との差が小さく、従来のCHESSパルスでは抑制できない信号であっても、撮像目的の分子からの信号を低減することなく、目的外(第2)の分子からの信号を効果的に抑制することができる。これによって目的とする組織を高コントラストで描出できる。
【0013】
また本発明のMRI装置は、その制御系が、前記第1の共鳴周波数の高周波磁場の照射、エコー信号の検出を繰り返し行い、複数回の繰り返し毎に前記第2の高周波磁場を照射する制御を行うことを特徴とする。
【0014】
パルスシーケンスの繰り返し毎ではなく、複数回毎に第2の高周波磁場照射を行うことにより、実質的なTRの延長を極力抑え、T1強調撮像の実効を上げることができる。このような制御を行うMRI装置は、特に造影剤を用いたMRAに好適であり、造影剤が目的血管内に高濃度で存在する短時間に撮像を終えることができ、且つ細い血管でも周囲組織、特に脂肪に対し高コントラストで描出できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のMRI装置の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1は本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示すブロック図である。このMRI装置は、静磁場発生磁石2と、傾斜磁場発生系3と、送信系5と、受信系6と、信号処理系7と、シーケンサ4と、中央処理装置(CPU)8とを備えている。送信系及び受信系の高周波コイル14a、14bと傾斜磁場発生系の傾斜磁場コイル9は、被検体1の周りの空間に配置された静磁場発生磁石2の磁場空間内に設置されている。
【0017】
静磁場発生磁石2は、被検体1の周りにその体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させるもので、被検体1の周りのある広がりをもった空間に永久磁石方式または常電導方式あるいは超電導方式の磁場発生手段が配置されている。
【0018】
傾斜磁場発生系3は、X,Y,Zの三軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源10とから成り、後述のシーケンサ7からの命令に従ってそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動することにより、X,Y,Zの三軸方向の傾斜磁場Gx,Gy,Gzを被検体1に印加するようになっている。この傾斜磁場の加え方により被検体1に対するスライス面を設定することができる。またエコー信号に位置情報を付与することができる。
【0019】
シーケンサ4は、被検体1の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加するもので、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層像のデータ収集に必要な種々の命令を、送信系5及び磁場勾配発生系3並びに受信系6に送るようになっている。
【0020】
送信系5は、シーケンサ4から送り出される高周波パルスにより被検体1の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波磁場を照射するもので、高周波発振器11と変調器12と高周波増幅器13と送信側の高周波コイル14aとから成る。変調器12は、高周波発振器11から出力された高周波パルスをシーケンサ4の命令にしたがって振幅変調する。これによって高周波コイル14aから照射される高周波磁場の中心周波数、帯域が決定される。高周波増幅器13は、この振幅変調された高周波パルスを増幅し、高周波コイル14aに供給する。この増幅器13の機能により、高周波コイル14aから照射される高周波磁場の強度、即ちフリップ角を調整することができる。これらはいずれもシーケンサ4を介してCPU8が制御する。CPU8による制御については後述する。
【0021】
受信系6は、被検体1の生体組織の原子核の核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル14bと増幅器15と直交位相検波器16とA/D変換器17とから成り、上記送信側の高周波コイル14aから照射された電磁波による被検体1の応答の電磁波(NMR信号)を被検体1に近接して配置された高周波コイル14bが検出し、増幅器15及び直交位相検波器16を介してA/D変換器17に入力してディジタル量に変換する。このディジタル信号は、シーケンサ4からの命令によるタイミングで直交位相検波器16によりサンプリングされた二系列の収集データとされ、その信号が信号処理系7に送られる。
【0022】
信号処理系7は、CPU8と、磁気ディスク18及び磁気テープ19等の記録装置と、CRT等のディスプレイ20と、マウス、キイボード等の入力装置21とから成る。受信系で検出したディジタル信号を用いて、CPU8でフーリエ変換、補正係数計算、像再構成等の処理を行い、任意断面の信号強度分布あるいは複数の信号に適当な演算を行って得られた分布を画像化してディスプレイ20に断層像として表示する。
【0023】
またCPU8は、入力装置21から入力された条件を受け取り、シーケンサ4に指令を送り、傾斜磁場発生系3、送信系5および受信系6を制御する。この制御のタイミングは、パルスシーケンスと呼ばれ、撮像方法によって決まる種々のパルスシーケンスがプログラムとしてCPU8内に組み込まれている。例えば、本実施形態のMRI装置では、撮像法として脂肪抑制パルスを組合わせた造影MRAを選択することができ、この撮像法が入力装置21を介して選択されると、造影MRAのパルスシーケンスにより撮像が行われる。またこの際、照射される高周波パルスの周波数、フリップ角等が制御される。
【0024】
次に上記構成におけるMRI装置の動作について脂肪抑制パルスを組合わせた造影MRAを例にして説明する。図2は、上記MRI装置のCPU8に組み込まれた撮像シーケンスの一例を示すタイミング図で、この撮像シーケンスは脂肪抑制パルスを組み込んだ短TRの三次元グラディエントエコー系シーケンスである。
【0025】
この撮像シーケンスでは、まず脂肪からの信号を抑制するためのプリサチュレーションパルス201を照射後、スポイラーパルス209〜211を印加し、次いで水プロトンを励起する高周波パルス203を照射する。これら高周波パルス201、203と同時に、組織を選択するための傾斜磁場パルス202、204を印加する。次いでエコー信号をスライス方向及び位相エンコード方向にエンコードするスライスエンコード傾斜磁場205と位相エンコード傾斜磁場206を印加し、さらにエコー信号を発生させる読み出し傾斜磁場207を印加し、エコー信号208を計測する。スライスエンコード傾斜磁場205及び位相エンコード傾斜磁場206の強度を変えながら、高周波磁場印加からエコー信号計測までを繰り返し時間TRで繰り返し、三次元のエコー信号のセットを得る。
【0026】
ここでプリサチュレーションパルス201及び高周波パルス203の周波数帯域、中心周波数およびフリップ角は次のように制御される。図3に示すように、中低磁場機の場合、水プロトンと脂肪プロトンのスペクトルは、完全に分離することなく比較的ブロードな特性を有する。水プロトンを励起する高周波磁場パルス203は、その中心周波数f1は水のスペクトルのピークと一致するように決定されており、そのフリップ角は通常40°である。一方、プリサチュレーションパルス201は、脂肪のスペクトルのピーク(即ち、脂肪プロトンの共鳴周波数f2)を含むが、水プロトンの共鳴周波数は含まず、その中心周波数f3は、水プロトンの共鳴周波数f1からのずれ量(オフセット)が、脂肪の共鳴周波数f2のオフセットよりも大きくなるように設定される。
【0027】
具体的には、0.3Tの低磁場機の場合、水プロトンの共鳴周波数f1は12.8MHz、脂肪プロトンの共鳴周波数f2は、f1-44Hzである。例えばスライス厚を5mm、傾斜磁場Gを15mT/m、ラーモア周波数γを4257Hz/Gaussとすると、プリサチュレーションパルス201のバンド幅BWおよび中心周波数f3は、次のようになる。
BW=(スライス厚×ラーモア周波数×傾斜磁場強度)÷2π=約508Hz
f3=f1-約250Hz
これによりプリサチュレーションパルス201は、水プロトンの共鳴周波数を含まず、脂肪プロトンの共鳴周波数と重なる帯域のパルスとなる。またsinc波で印加時間1.43msと仮定すると、その帯域の内側約40Hzの周波数において中心周波数f3のピークの約半分の強度が得られるので、脂肪プロトンのスペクトルのピークを含むパルスとなる。これにより脂肪プロトンを飽和させることができる。
【0028】
またプリサチュレーションパルスのフリップ角は、90°よりも小さい角度に設定される。以上のようなプリサチュレーションパルス201の設定は、既に述べたように、CPU8の指令により送信系5の変調器12と高周波増幅器13を制御することにより行われる。
【0029】
このようにプリサチュレーションパルス201を、水プロトンの共鳴周波数を含まないように設定し、且つフリップ角を90°より小さくすることにより、水からの信号を弱めることなく脂肪からの信号を効果的に抑制することができる。またプリサチュレーションパルス201の中心周波数を脂肪プロトンの共鳴周波数からずらし、ブロードな帯域とすることにより、比較的短い印加時間で脂肪プロトンを飽和させることができる。
【0030】
このようなプリサチュレーションパルス201は、図2のパルスシーケンスにおいて、繰り返しTR毎に挿入しても良いが、好適には複数回の繰り返し毎に1回のプリサチュレーションを挿入する。本発明のプリサチュレーションパルス201は、上述のように脂肪のみを効果的に抑制しているので、特に短TRのパルスシーケンスの場合には、複数のTR毎に行った場合でも、脂肪抑制効果を持続することができ、それによってTRの延長を防止できる。
【0031】
次にこのようなパルスシーケンスを採用した造影MRAを説明する。図4に、血中の造影剤濃度と計測との関係を示す。既に述べたように図2のパルスシーケンスの繰り返しにより、スライスエンコードおよび位相エンコードの異なる複数のエコー信号が計測されるが、これらエコー信号のセットは、スライスエンコードおよび位相エンコードを座標(kz、ky)とするk空間に配置される。造影MRAでは、このk空間を埋めるエコー信号のセットを、目的血管における造影剤濃度が高い間に計測する。特に画像のコントラストを決定するk空間の低周波領域のデータについては、造影剤濃度のピークと一致するようにする。このような造影剤濃度と計測時間との関係は、例えばテストインジェクション法等公知の方法によって、予め造影剤が目的血管に達する時間を調べておくことにより、最適に設定することができる。
【0032】
また図4に示す実施形態では、k空間を複数(図では5つ)のセグメントに分け、セグメント毎にプリサチュレーションパルスの照射頻度を設定する。即ち、図2に示す短TRグラディエント系のパルスシーケンスを複数回繰り返す毎に、1回のプリサチュレーションパルスを用いることとし、この繰り返し回数nをセグメント毎に設定する。
【0033】
この様子を図5に示す。図示するようにセグメント1では、まずプリサチュレーションパルスPSを照射後、高周波パルス(RF)印加とエコー信号計測からなるシーケンスをn1回繰り返し、以後プリサチュレーションパルス照射n1回のエコー信号計測を繰り返す。他のセグメントについてもそれぞれ設定された繰り返し回数n2〜n5毎にプリサチュレーションパルスを挿入する。各セグメントにおける繰り返し回数は、同じ(n1=n2=n3=n4=n5)に設定してもよいが、ここではn1>n2>n3<n4<n5とし、k空間の低周波域(セグメント3)では繰り返し回数を少なくしている。これにより、低周波域では、多少の撮像時間の延長を犠牲にしても脂肪抑制効果を高め、血液から高信号を得ることができる。
【0034】
例えば、スライスエンコード数16、位相エンコード数160とすると全繰り返し回数は2560回(16×160)であり、1セグメントの繰り返し回数は512(2560÷5)である。セグメント1、5では、例えばプリサチュレーションパルスを挿入する繰り返し回数を20、セグメント2、4では15とし、セグメント3では10とする。この場合、プリサチュレーションパルスを挿入する回数は約170回となり、全繰り返し回数についてプリサチュレーションパルスを挿入する場合と比べ、それに要する時間を1/15に短縮できる。
【0035】
このようにして得られたk空間のデータに三次元フーリエ変換等を施すことにより、三次元画像データを得ることができる。この画像は、造影剤を用いているので血流が周囲の組織に比べ高信号で描画され、しかも脂肪組織からの信号の混入がないので高コントラスト画像となる。
【0036】
なお、以上の説明ではk空間を5つのセグメントに分割した場合を説明したが、セグメント数は任意に選択できる。但し、上記のように中央(低周波域)のセグメントにおいて繰り返し回数を最小にするためには、セグメント数は奇数がよい。
【0037】
以上、本発明のMRI装置を造影MRAに適用した実施形態を説明したが、本発明のMRI装置は造影MRAのみならず、脂肪抑制を含む撮像方法であれば適用することが可能である。また三次元撮影のみならず二次元撮影であっても適用することができる。さらに脂肪のみならずケミカルシフトを利用して複数種のスピンのうち1種のスピンからの信号を抑制する撮像法に適用することが可能である。
【0038】
【発明の効果】
本発明のMRI装置によれば、中低磁場機において、分離しにくい2種のスピンからの信号のうち、一方のスピンからの信号強度を減少させることなく、他方のスピンからの信号を効果的に抑制し、高コントラストの画像を得ることができる。また本発明のMRI装置によれば、脂肪信号抑制を短時間で行うことができるので、特に造影MRAのように短TRシーケンスを用いた撮像において、計測時間の延長によって短TRの特長を阻害することなく、目的とする組織を高信号で描出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示す図
【図2】本発明のMRI装置が採用するプリサチュレーションパルスを用いた短TRパルスシーケンスの一例を示す図
【図3】本発明の高周波パルスによる脂肪抑制を説明する図
【図4】本発明のMRI装置が採用する造影MRAを説明する図
【図5】造影MRAにおけるパルスシーケンスの繰り返しを説明する図
【図6】従来の脂肪抑制法を説明する図
【符号の説明】
1・・・被検体
2・・・静磁場発生磁石
3・・・傾斜磁場発生系
4・・・シーケンサ
5・・・送信系
6・・・受信系
7・・・信号処理系
8・・・CPU(制御系)
Claims (4)
- 被検体の置かれる空間に静磁場を発生する静磁場発生手段と、前記空間に傾斜磁場を与える傾斜磁場発生手段と、前記被検体の生体組織の分子に核磁気共鳴を起こさせるために高周波磁場を照射する送信系と、前記核磁気共鳴により放出されるエコー信号を検出する受信系と、前記傾斜磁場発生手段、送信系および受信系を制御する制御系と、前記受信系で検出したエコー信号を用いて画像を再構成し表示させる画像再構成手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記制御系は、第1の分子の第1の共鳴周波数を含む高周波磁場を照射して前記第1の分子から放出されるエコー信号を検出するステップを繰り返し、画像を再構成するに際し、前記ステップの複数回の繰り返し毎に、前記高周波磁場の照射に先立って、前記第1の共鳴周波数を含まず且つ前記第1の分子とは異なる共鳴周波数を有する第2の分子の第2の共鳴周波数を含み、フリップ角が90°よりも小さい第2の高周波磁場を照射する制御を行うことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
前記第2の高周波磁場は、その中心周波数と前記第1の共鳴周波数との差が、第2の共鳴周波数と第1の共鳴周波数との差よりも大きいことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
前記制御系は、前記エコー信号が配置されるk空間を複数のセグメントに分割し、前記ステップの複数回の繰り返しにおける繰り返し回数をセグメント毎に設定することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 請求項1ないし3いずれか1項に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
前記第1の分子は水であり、前記第2の分子は脂肪であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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