JPH05220129A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JPH05220129A
JPH05220129A JP4027589A JP2758992A JPH05220129A JP H05220129 A JPH05220129 A JP H05220129A JP 4027589 A JP4027589 A JP 4027589A JP 2758992 A JP2758992 A JP 2758992A JP H05220129 A JPH05220129 A JP H05220129A
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JP
Japan
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pulse sequence
spin echo
short
time
magnetic field
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JP4027589A
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English (en)
Inventor
Shigeru Watabe
滋 渡部
Yukihiro Yasugi
幸浩 八杉
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 いわゆるT2強調画像を得る場合において、
その画質の劣化を生じさせないで撮像時間を短縮させ
る。 【構成】 所定のパルスシーケンスを起動させる手段
と、計測空間の低周波数領域から高周波領域までの計測
を前記パルスシーケンスの起動によって得られるNMR
信号に基づいて行う計測手段と、この計測手段によって
得られるT2強調の画像情報を表示装置に表示させる表
示手段とからなる磁気共鳴イメージング装置において、
前記所定のパルスシーケンスとしては、連続的に起動さ
れる短TrパルスシーケンスおよびT2強調したスピン
エコーパルスシーケンスからなるとともに、前記計測手
段としては、前記計測空間の低周波数領域の計測を前記
スピンエコーパルスシーケンスの起動によって、また、
前記計測空間の高周波数領域の計測を前記短Trパルス
シーケンスの起動によってそれぞれ得られるNMR信号
に基づいて行うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気共鳴イメージング
装置に係り、特に、いわゆるT2強調画像を得る磁気共
鳴イメージング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージング装置は、いわゆる
NMR現象を利用して被検体中の所望の検査部位に相当
する断面における原子核スピン(以下スピンと称する)
の密度分布、緩和時間分布等を計測して、その計測デー
タから被検体の前記検査部位を画像表示するものであ
る。
【0003】そして、このような磁気共鳴イメージング
装置における撮像で一般的に用いられる方法には、二次
元フーリエイメージング法があり、この二次元フーリエ
イメージング法のうちで代表的なパルスシーケンスとし
てスピンエコー法が知られている。
【0004】しかも、このスピンエコー法においては、
腫瘍あるいは病変部を特に強調させるために、いわゆる
2強調を行った画像を得る手法を採用する場合が往々
にしてある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにス
ピンエコー法において、T2強調画像を得るようにする
場合、いわゆる該スピンエコー法を行うためのパルスシ
ーケンス(スピンエコーパルスシーケンス)の単位時間
(Tr)幅が大きくなり、そのために撮像時間が長くな
るという問題点が残されていた。
【0006】撮像時間が長くなれることによって、単に
被検体の苦痛を増大させるばかりでなく、画像面に該被
検体の動きに起因するアーチファクトが表れるからであ
る。
【0007】同様のスピンエコー方法を採用することに
より撮像時間を短くするには、たとえば同じ位相エンコ
ードでパルスシーケンスの起動を繰り返す回数すなわち
加算回数(Na)を減らすようにすること等が考えられ
るが、このようにした場合、S/Nの低下等が生じて画
像劣化を引き起こす等の弊害が生じる。
【0008】それ故、本発明は、このような事情に基づ
いてなされたものであり、その目的とするところのもの
は、いわゆるT2強調画像を得る場合において、その画
像の劣化を生じさせないで撮像時間の短縮を図った磁気
共鳴イメージング装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、基本的には、所定のパルスシーケ
ンスを起動させる手段と、計測空間の低周波数領域から
高周波領域までの計測を前記パルスシーケンスの起動に
よって得られるNMR信号に基づいて行う計測手段と、
この計測手段によって得られるT2強調の画像情報を表
示装置に表示させる表示手段とからなる磁気共鳴イメー
ジング装置において、前記所定のパルスシーケンスとし
ては、連続的に起動される短Trパルスシーケンスおよ
びT2強調したスピンエコーパルスシーケンスからなる
とともに、前記計測手段としては、前記計測空間の低周
波数領域の計測を前記スピンエコーパルスシーケンスの
起動によって、また、前記計測空間の高周波数領域の計
測を前記短Trパルスシーケンスの起動によってそれぞ
れ得られるNMR信号に基づいて行うようにしたことを
特徴とするものである。
【0010】
【作用】このように構成した磁気共鳴イメージング装置
は、表示装置に表示される断層像の画質の劣化を生じさ
せないようにするため、計測空間の低周波数領域の計測
を前記スピンエコーパルスシーケンスの起動によって得
られるNMR信号に基づいて行うとともに、計測空間の
高周波数領域の計測を前記短Trパルスシーケンスの起
動によって得られるNMR信号に基づいて行うようにし
ている。
【0011】すなわち、計測空間の低周波数領域の計測
を前記スピンエコーパルスシーケンスの起動によって得
られるNMR信号に基づいて行うことによって、コント
ラスト的にはT2強調のスピンエコーの濃度分布に支配
された画像が得られ、また、計測空間の高周波数領域の
計測を前記短Trパルスシーケンスの起動によって得ら
れるNMR信号に基づいて行うことによって、空間分解
能(信号の変化の度合がシャープであることに起因する
分解能)的には短Trパルスシーケンスに支配された画
像が得られる。
【0012】このことから、コントラストおよび分解能
の劣化の生じないT2強調画像が作成されることにな
る。
【0013】そして、従来全てスピンエコーパルスシー
ケンスで行っていたのに対し、その一部分を短Trパル
スシーケンスで担当させてNMR信号を得るようにして
いることから、スピンエコーパルスシーケンスにおける
Tr時間から短TRパルスシーケンスのTr時間を差し
引いた値に短Trパルスシーケンスの繰返し回数(位相
エンコード数×加算回数)を乗算した時間分だけ短くな
ることになる。
【0014】このことから、撮像時間を短縮させるため
に、いわゆる加算回数を減少させる必要がないことか
ら、S/N低下による画質劣化を生じさせることがなく
なる。
【0015】ここで、短Trパルスシーケンスは、その
Tr時間がスピンエコーパルスシーケンスのそれよりも
短く、その代表的例としてはグラジェントエコーパルス
シーケンスが揚げられる。
【0016】
【実施例】図3は、本発明による磁気共鳴イメージング
装置の一実施例を示す全体概略ブロック構成図である。
【0017】同図に示す磁気共鳴イメージング装置は、
静磁場発生磁石2と、磁場勾配発生系3と、送信系4
と、受信系5と、信号処理系6と、シーケンサ7と、中
央処理装置(CPU)8とを備えてなっているものであ
る。
【0018】前記静磁場発生磁石2は、被検体1の周り
にその体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁
場を発生させるもので、該被検体1の周りのある広がり
をもった空間に永久磁石方式または常電導方式あるいは
超電導方式の磁場発生手段が配置されている。
【0019】磁場勾配発生系3は、X,Y,Zの三軸方
向に巻かれた傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜磁場
コイルを駆動する傾斜磁場電源10とからなり、後述の
シーケンサ7からの命令に従ってそれぞれのコイルの傾
斜磁場電源10を駆動することにより、X,Y,Zの三
軸方向の傾斜磁場Gx,Gy,Gzを被検体1に印加す
るようになっている。この傾斜磁場の加え方により被検
体1に対するスライス面を設定することができる。
【0020】シーケンサ7は、被検体1の生体組織を構
成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁
場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰返し印加す
るもので、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層像
のデータ収集に必要な種々の命令を、送信系4および磁
場勾配発生系3ならびに受信系5に送るようになってい
る。
【0021】送信系4は、前記シーケンサ7から送り出
される高周波パルスにより被検体1の生体組織を構成す
る原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波
磁場を照射するもので、高周波発信器11、変調器1
2、高周波増幅器13、高周波コイル14aとからなり
っている。高周波発信器11から出力された高周波パル
スをシーケンサ7の命令にしたがって変調器12で振幅
変調し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅
器13で増幅した後に被検体1に近接して配置された高
周波コイル14aに供給することにより、電磁波が前記
被検体1に照射されるようになっている。
【0022】受信系5は、被検体1の生体組織の原子核
の核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信
号)を放出するもので、高周波コイル14b、増幅器1
5、直交位相検波器16、A/D変換器17とからなっ
ている。送信側の高周波コイル14aから照射された電
磁波による被検体1の応答の電磁波(NMR信号)は被
検体1に近接して配置された高周波コイル14bで検出
され、増幅器15および直交位相検波器16を介してA
/D変換器17に入力されてディジタル量に変換され、
さらにシーケンサ7からの命令によるタイミングで直交
位相検波器16によりサンプリングされた二系列の収集
データとされ、その信号が信号処理系6に送られるよう
になっている。
【0023】信号処理系6は、CPU8と、磁気ディス
ク18および磁気テープ19等の記憶装置と、CRT等
のディスプレイ20とからなり、CPUでフーリエ変
換、補正係数計算像再構成等の処理を行い、任意断面の
信号強度分布あるいは複数の信号に適当な演算を行って
得られた分布を画像化してディスプレイ20に断層像と
して表示するようにしている。
【0024】なお、図3において、送信側および受信側
の高周波コイル14a、14bと傾斜磁場コイル9は、
被検体1の周りの空間に配置された静磁場発生磁石2の
磁場空間内に配置されている。
【0025】ここで、上記構成において、断層像が得ら
れる原理的説明を以下おこなう。
【0026】まず、0.02〜2テスラ程度の静磁場を
発生させる静磁場発生磁石2の中に被検体1が配置され
る。この時、被検体1中のスピンは静磁場の強さH0
よって決まる周波数で静磁場の方向を軸として歳差運動
を行うようになる。
【0027】前記周波数はラーモア周波数と称されるも
ので、このラーモア周波数ν0は次の式で表せ、原子核
の種類ごとに固有の値をもつものとなっている。
【0028】ν0=γH0/2π ここで、H0は静磁場強度、γは磁気回転比である。
【0029】また、ラーモア歳差運動の角速度をω0
すると、 ω0=2πν0 の関係にあるため、ω0=γ・H0で与えられる。
【0030】そして、送信系4内の高周波照射コイル1
4aによって計測しようとする原子核のラーモア周波数
ν0に等しい周波数f0の高周波磁場(電磁波)を加える
と、スピンが励起され高いエネルギー状態に遷移する。
そして、この高周波磁場を打ち切ると、スピンはそれぞ
れの状態に応じた時定数でもとの低いエネルギー状態に
戻るようになる。この時に放出される電磁波を受信系5
内の高周波受信コイル14bで受信し、増幅器15で増
幅および波形整形した後、A/D変換器17でディジタ
ル化して中央処理装置(CPU)8に送る。このCPU
8では、このデータを基に画像を再構成演算し、被検体
1の断層画像をディスプレイ(CRT)20に表示す
る。ここで、上記の高周波磁場は、CPU8により制御
されるシーケンサが送り出す信号を図示省略の高周波送
信コイル用電源によって増幅したものを高周波送信コイ
ル14aに送ることで得られるようになっている。
【0031】次に、前記シーケンサ7に組み込まれてい
るシーケンスを図1を用いて説明をする。この実施例で
は該シーケンスは新規な構成となっている部分である。
【0032】同図において、前記シーケンスは、連続的
に起動されるグラジェントエコーパルスシーケンスとス
ピンエコーシーケンスとの組合せから構成されている。
【0033】グラジェントエコーパルスシーケンス 図1の左側に記載されるているシーケンスがグラジェン
トエコーパルスシーケンスであり、その(a)はいわゆ
るα°パルスによる励起を示し、(b)は位相エンコー
ド方向の傾斜磁場の印加タイミング、(c)は周波数エ
ンコード方向の傾斜磁場の印加タイミングを示してい
る。また、(d)はエコー信号であるNMR信号を示し
たものとなっている。ここで、スライス方向の傾斜磁場
の印加タイミングを示す図は省略している。
【0034】グラジェントエコーパルスシーケンスの単
位シーケンスは、α°パルスから次のα°パルスまでの
時間Tr毎に区切られる期間のものをいい、通常は、位
相エンコードを第1から256段階まで順次変化させて
繰り返されるようになっている。
【0035】しかし、、本実施例におけるグラジェント
エコーパルスシーケンスにおいては、その位相エンコー
ドを第1からNp1/2まで、そして(256−Np1
2)から256までの間で順次更新して繰り返すように
なっている。
【0036】この理由は、後に詳述するが、計測空間の
高周波領域において、このグラジェントエコーパルスシ
ーケンスを用いてNMR信号を取り出すようにするため
である。
【0037】スピンエコーパルスシーケンス 図1の右側に記載されているシーケンスがスピンエコー
パルスシーケンスであり、(a)ないし(d)は前記グ
ラジェントエコーパルスシーケンスの場合に対応させて
いる。
【0038】すなわち、90°パルスを印加した後、エ
コータイムをTeとしたときのTe/2の時点で180
°パルスを加える。前記90°パルスを加えた後、各ス
ピンはそれぞれに固有の速度でX−Y平面内で回転を始
めるため、時間の経過とともに各スピン間に位相差が生
じる。ここで180°パルスが加わると各スピンはX軸
に対称に反転し、その後も同じ速度回転を続けるために
図1に示す時刻Teでスピンは再び収束し、同図(d)
に示すようにエコー信号を形成する。上記のようにして
信号は計測されるが、断層画像を構成するためには信号
の空間的な分布を求めねばならない。このために線形の
傾斜磁場を用いる。均一な静磁場に傾斜磁場を重畳する
ことで空間的な傾斜磁場ができる。前述したようにスピ
ンの回転周波数は磁場強度に比例しているから、傾斜磁
場が加わった状態においては、各スピンの回転周波数は
空間的に異なる。したがって、この周波数を調べること
によって各スピンの位置を知ることができる。この目的
のために、位相エンコード方向傾斜磁場Gy{同図
(b)}と周波数エンコード方向傾斜磁場Gx{同図
(c)}が用いられている。
【0039】そして、このようなスピンエコーパルスシ
ーケンスにおいて、前記グラジェントエコーパルスシー
ケンスの繰り返して変化させた位相エンコードの範囲を
除いた範囲、すなわち、Np1/2から(256−Np1
/2)までの範囲で位相エンコードを順次更新して繰り
返すようになっている。
【0040】この理由も、後に詳述するが、計測空間の
低周波領域において、このスピンエコーパルスシーケン
スを用いてNMR信号を取り出すようにするためであ
る。
【0041】そして、このスピンエコーシーケンスの場
合、いわゆるT2強調像を得るようにTr時間及びTe
時間もが長く設定されたものとなっている。
【0042】ここで、T2強調について、いわゆるT1
調と称されるものと比較しながら説明する。
【0043】高周波磁場により励起されたスピンが、高
周波磁場エネルギーの照射終了後から、吸収したエネル
ギーを放出しながら、ある時定数をもって基底状態に戻
ることを緩和と称している。この緩和の過程には2種類
あり、このうち、一方は縦緩和でありその緩和時間をT
1と表し、また、他方は横緩和でありその緩和時間をT2
と表している。
【0044】縦緩和は、図8に示すように、巨視的磁化
MのZ’軸成分Mz’が定常状態のMの大きさM0に等
しくなるまで戻る過程でMz’は図4のように指数関数
的に増大する。ここで、縦緩和時間T1は、 Mz’=M0(1−e~1) となるまでの時間である。縦緩和時間T1はスピンが吸
収したエネルギーを周囲の格子に熱振動のエネルギーと
して放出し、定常状態に戻る速さを示しており、試料の
分子結合状態によって異なってくる。同じ水素原子核
(プロトン)を対象としても、水と脂肪とではT1が異
なり、人体でいえば、組織固有のT1値が存在する。そ
れを示したのが図6である。
【0045】横緩和は、図8(c)に示すように、各ス
ピンがZ’軸の周りに均等に散る過程であり、x’y’
平面のベクトル和Mx’y’は指数関数的に減衰し(図
5参照)、0に戻る過程である。横緩和時間T2は Mx’y’=M0/e となるまでの時間である。
【0046】T1と同様にT2も試料の分子結合状態によ
って異なる。組織によるT2の違いを図7に示す。
【0047】上述したように、T1、T2は組織固有の値
であり、腫瘍等の病変部も識別できるため、この二次元
的な分布を画像化することにより、診断の向上に寄与で
きる。この目的で用いられるのが、T1強調像、T2強調
像であり、繰返し時間Tr、エコー時間Te、反転回復
法における回復時間TIを適宜選択することにより得ら
れる。スピンエコーパルスシーケンスによる各組織の信
号強度Sは、 S=ρ・exp(−TE/T2)・{1−exp(−TR/T1)}……(1) となる。ここで、ρはプロトン密度を示す。
【0048】上式(1)からTr≫T1とした場合、e
xp(−TR/T1)は0に近くなりT1の影響を無視す
ることができる。
【0049】一方、TE≪T2とした場合、exp(−
TE/T2)は1に近くなりT2の影響を無視することが
できる。
【0050】このことから、長いTr、長いTeのスピ
ンエコーパルスシーケンスを用いた場合、S=ρ・ex
p(−TE/T2)となり、T2強調像を得ることができ
る。
【0051】本実施例のように構成した磁気共鳴イメー
ジング装置によれば、表示装置に表示される断層像の画
質の劣化を生じさせないようにするため、計測空間の低
周波数領域の計測を前記スピンエコーパルスシーケンス
の起動によって得られるNMR信号に基づいて行うとと
もに、計測空間の高周波数領域の計測を前記短Trパル
スシーケンスの起動によって得られるNMR信号に基づ
いて行うようにしている。
【0052】すなわち、計測空間の低周波数領域の計測
を前記スピンエコーパルスシーケンスの起動によって得
られるNMR信号に基づいて行うことによって、コント
ラスト的にはT2強調のスピンエコーの濃度分布に支配
された画像が得られ、また、計測空間の高周波数領域の
計測を前記短Trパルスシーケンスの起動によって得ら
れるNMR信号に基づいて行うことによって、空間分解
能(信号の変化の度合がシャープであることに起因する
分解能)的には短Trパルスシーケンスに支配された画
像が得られる。
【0053】ここで計測空間とは、高周波受信コイル1
4bからのNMR信号を時系列的に取りだし、それをメ
モリに格納した際のデータ空間に対応するものであり、
このデータ空間の各データは、その後においてフーリエ
変換され画像情報として作成されるものとなっているも
のである。
【0054】図2は、前記計測空間を示した説明図であ
る。この計測空間は、上述したことから明らかなよう
に、得られる画像の空間と対応するものではなく、横軸
に周波数エンコードデータを、縦軸に位相エンコードデ
ータをとっている。位相エンコードデータにおける第1
ないしNp1/2の範囲、および(256−Np1/2)
ないし256の範囲においては、高周波信号が得られる
領域で、この高周波信号は画像の分解能を良好とする部
分を担当する信号となる。そして、位相エンコードダデ
ータにおけるNp1/2ないし(256−Np1/2)の
範囲においては、低周波信号が得られる領域で、この低
周波信号は画像のコントラストを良好とする部分を担当
する信号となる。
【0055】このようなことから、得られる画像は、コ
ントラストおよび分解能のいずれにおいても良好とな
り、劣化の生じない画質が得られることになる。
【0056】そして、従来全てスピンエコーパルスシー
ケンスで行っていたのに対し、その一部分を短Trパル
スシーケンスで担当させてNMR信号を得るようにして
いることから、スピンエコーパルスシーケンスにおける
Tr時間から短TrパルスシーケンスのTr時間を差し
引いた値にそれら各シーケンスの繰返し回数を乗算した
時間分だけ短くなることになる。
【0057】ここで、本実施例において要する撮像時間
を従来の撮像時間と比較して説明する。まず、従来にお
いて、その撮像時間Tsは、Ts=Tr×Np×Naで
表され、ここで、Npは位相エンコード数、Naは加算
回数である。T2強調画像取得において、Tr=250
0、Np=256、Na=2とした場合、Ts=128
0秒(約21分)となる。
【0058】一方、本実施例において、その撮像時間T
sは、Ts=(Tr1×Np1+Tr2×Np2)×Naで
表せる。ここでそれぞれの添字はグラジェントエコーパ
ルスシーケンス、スピンエコーパルスシーケンスの場合
を示している。このため、従来の場合との時間差ΔT
は、ΔT=(Tr2−Tr1)×Np1×Naとなる。そ
して、Tr1=300、Tr2=2500、Np1=12
8、Na=2とした場合、ΔT=563.2秒となる。
したがって、563.2秒の時間的短縮が図れることに
なる。
【0059】上述した実施例では、最初に短Trパルス
シーケンスをその位相エンコードを変化させて繰返し起
動させ、その次に引き続きスピンエコーパルスシーケン
スをその位相エンコードを変化させて繰返し起動させた
ものである。しかし、これに限定されることはなく、最
初にスピンエコーパルスシーケンスをその位相エンコー
ドを変化させて繰返し起動させ、その次に引き続き短T
rパルスシーケンスをその位相エンコードを変化させて
繰返し起動させるようにしても同様の効果が得られるこ
とはいうまでもない。
【0060】また、上述した実施例では、短Trパルス
シーケンスであるグラジェントエコーパルスはT2強調
のものであるか、あるいはT1強調のものであるかは、
特に示さなかったものであるが、そのいずれであっても
2強調画像を得るのに支障はないことが確認されてい
る。しかし、T2強調することによってより効果的にT2
強調画像が得られることはいうまでもない。
【0061】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明による磁気共鳴イメージング装置によれば、いわ
ゆるT2強調画像を得る場合において、その画質の劣化
を生じさせないで、撮像時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気共鳴イメージング装置のシー
ケンサに組み込まれるパルスシーケンスの一実施例を示
す説明図である。
【図2】本発明による磁気共鳴イメージング装置のシー
ケンス起動の際に位相エンコード更新を示すための計測
空間図である。
【図3】本発明による磁気共鳴イメージング装置の一実
施例を示す概略ブロック構成図である。
【図4】スピンの縦緩和を示したグラフである。
【図5】スピンの横緩和を示したグラフである。
【図6】各組織のT1値の違いを示したグラフである。
【図7】各組織のT2値の違いを示したグラフである。
【図8】(A)ないし(E)はスピンの緩和の状態を示
す説明図である。
【符号の説明】
7 シーケンサ 9 傾斜磁場コイル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のパルスシーケンスを起動させる手
    段と、計測空間の低周波数領域から高周波領域までの計
    測を前記パルスシーケンスの起動によって得られるNM
    R信号に基づいて行う計測手段と、この計測手段によっ
    て得られるT2強調の画像情報を表示装置に表示させる
    表示手段とからなる磁気共鳴イメージング装置におい
    て、 前記所定のパルスシーケンスとしては、連続的に起動さ
    れる短TrパルスシーケンスおよびT2強調したスピン
    エコーパルスシーケンスからなるとともに、 前記計測手段としては、前記計測空間の低周波数領域の
    計測を前記スピンエコーパルスシーケンスの起動によっ
    て、また、前記計測空間の高周波数領域の計測を前記短
    Trパルスシーケンスの起動によってそれぞれ得られる
    NMR信号に基づいて行うようにしたことを特徴とする
    磁気共鳴イメージング装置。
JP4027589A 1992-02-14 1992-02-14 磁気共鳴イメージング装置 Pending JPH05220129A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007260425A (ja) * 2007-06-07 2007-10-11 Hitachi Medical Corp 核磁気共鳴撮影装置
JP2008000626A (ja) * 2007-09-21 2008-01-10 Toshiba Medical System Co Ltd 磁気共鳴診断装置
CN116172543A (zh) * 2023-04-23 2023-05-30 安徽硕金医疗设备有限公司 一种磁共振快速成像方法及系统

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