JP5159200B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号を測定し、核の密度分布や緩和時間分布等を画像化する核磁気共鳴イメージング(以下、「MRI」という)装置に関し、特に主計側に先だって印加する付加パルス(以下、プリパルス)の印加制御に関する。
MRI装置は、被検体、特に人体の組織を構成する原子核スピンが発生するNMR信号(エコー信号)を計測し、その頭部、腹部、四肢等の形態や機能を二次元的に或いは三次元的に画像化する装置である。撮像においては、エコー信号には、傾斜磁場によって異なる位相エンコードが付与されるとともに周波数エンコードされて、時系列データとして計測される。計測されたエコー信号は、二次元又は三次元フーリエ変換されることにより画像に再構成される。
このようなMRI装置を用いた撮像において、主計測パルスシーケンスに先んじてプリパルスを付加することにより、撮像部位の画像に所望のコントラストを付与する撮像方法がある。
例えば、水分子の水素プロトン(以下、水プロトンと略記する)と脂肪分子の水素プロトン(以下、脂肪プロトンと略記する)の共鳴周波数の差(いわゆるケミカルシフト(化学シフト))を利用して、脂肪プロトンのみをプリパルスにより選択的に励起してサチュレート(飽和)させる脂肪抑制方法(CHESS法)が採られることがある。この脂肪抑制方法により、臨床上の意義が小さいとされる脂肪組織からの信号が低減された脂肪抑制画像を取得することができる。
別の例としては、呼吸や嚥下に起因する動きによって偽像を発生する部位を、プリパルスを用いた選択励起法により予め飽和させて、偽像を発生する部位からの信号を抑制するプリサチュレーション法(Spatial Pre Saturation法)が挙げられる。
これらのプリパルスは、主計測パルスシーケンスに追加・挿入されて被検体に印加されるので、主計測と同様、予め指定された撮像条件に応じて繰り返し回数や励起周波数が制御される。しかし、高周波磁場パルス(以下、RFパルスと略記する)による励起プロファイルの不完全性、プリパルスの後に印加されるスポイル磁場による位相変化と主計測で用いられる傾斜磁場による位相変化とがバランスすることによる偽エコー信号の発生、或いはプリパルスの印加時間間隔の適否等が原因となって、十分な抑制効果が得られない、或いは意図しない偽像が発生する場合がある。
このような課題を解決するために、上記CHESS法を例にとると、(特許文献1)には、不十分な脂肪抑制効果に対する解決策の1つとして、プリパスルの印加時間間隔に応じてRFパルスの振幅を調整する方法が提案されている。具体的には、抑制対象である脂肪プロトンの縦緩和時間(T1)とプリパルスの繰り返し時間の関係に着目し、予め最適なRFパルスの振幅補正率を定めておく。
特開2000-175884号公報。
しかし、(特許文献1)に記載の方法では、RFパルスの振幅制御のみを行っており、偽像抑制は考慮されていない。即ち、プリパルスの後に印加されるスポイル磁場による位相変化と主計測で用いられる傾斜磁場による位相変化とがバランスすることによって発生する偽エコー信号に基づく偽像を抑制することは考慮されていないので、偽像が発生して画質が劣化する課題を有している。
そこで本発明の目的は、上記課題を鑑みてなられたものであり、撮像条件によらずに、プリパルス追加に基づく意図しない偽像の発生を効果的に抑制することが可能なMRI装置を提供する事である。
上記目的を達成するために、本発明のMRI装置は以下のように構成される。即ち、静磁場中に置かれた被検体に照射する高周波磁場を発生する照射手段と、被検体からのエコー信号を受信する受信手段と、所定のパルスシーケンスに基づいて照射手段と受信手段を制御する計測制御手段と、を有し、パルスシーケンスは、プリパルスを有するプリパルス部と前記エコー信号の計測を行う主計側部とを有して成り、計測制御手段は、プリパルスの照射振幅を、一度の撮像で印加されるプリパルス全てをもって1つの励起パルスとなるような変化曲線に基づいて制御することを特徴とする。
本発明のMRI装置によれば、撮像条件によらずに、プリパルス追加に基づく意図しない偽像の発生を効果的に抑制することが可能になる。
以下、添付図面に従って本発明のMRI装置の好ましい実施形態について詳説する。なお、発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
最初に、本発明に係るMRI装置の一例の全体概要を図1に基づいて説明する。図1は、本発明に係るMRI装置の一実施例の全体構成を示すブロック図である。
このMRI装置は、NMR現象を利用して被検体の断層像を得るもので、同図に示すように静磁場発生磁気回路1と、傾斜磁場発生系2と、送信系3と、受信系4と、信号処理系5と、シーケンサ6と、中央処理装置(CPU)7と、操作部8とを備えて成る。
静磁場発生磁気回路1は、被検体9の周りにその体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させるもので、上記被検体9の周りのある広がりをもった空間に永久磁石方式又は常電導方式あるいは超電導方式の磁場発生手段が配置されている。
傾斜磁場発生系2は、X、Y、Zの三軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル10と、それぞれのコイルを駆動する傾斜磁場電源11とから成り、シーケンサ6から命令にしたがってそれぞれのコイルの傾斜磁場電源11を駆動することにより、X、Y、Zの三軸方向の傾斜磁場Gs、Gp、Gfを被検体9に印加するようになっている。この傾斜磁場の加え方により、被検体9に対するスライス面を設定することができ、またエコー信号をエンコードし位置情報を付与することができる。また傾斜磁場の印加に起因する渦電流と残留磁場の空間的かつ時間的な情報から、静磁場発生磁気回路1の一部を形成しているシムコイルや局在コイル、あるいは傾斜磁場発生系2に対して補償電流を即時印加することにより、渦電流や残留磁場に起因する不整磁場を補正する。
送信系3は、被検体9の生体組織を構成する原子の原子核にNMR現象を起こさせるためにRFパルスを照射するもので、高周波発振器12と、変調器13と、高周波増幅器14と、送信側の高周波コイル15とから成り、高周波発振器12から出力された高周波パルスを高周波増幅器14で増幅した後に被検体9に近接して配置された送信側の高周波コイル15に供給することにより、電磁波(高周波信号)が上記被検体9に照射されるようになっている。
受信系4は、被検体9の生体組織を構成する原子核のNMR現象により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル16と、増幅器17と、直交位相検波器18と、A/D変換器19とから成り、送信側の高周波コイル15から照射された電磁波による被検体9の応答の電磁波(NMR信号)は被検体9に近接して配置された受信側の高周波コイル16で受信され、増幅器17及び直交位相検波器18を介してA/D変換器19に入力されディジタル量に変換され、さらにシーケンサ6からの命令によるタイミングで直交位相検波器18によりサンプリングされた二系列の収集データとされ、その信号が信号処理系5に送られるようになっている。
信号処理系5は、受信系4で受信したエコー信号を用いて画像再構成演算を行うと共に画像表示をするもので、エコー信号についてフーリエ変換、補正係数計算、画像再構成等の処理及びシーケンサ6の制御を行うCPU7と、経時的な画像解析処理及び計測を行うプログラムやその実行において用いる不変のパラメータなどを記憶するROM(読み出し専用メモリ)20と、前計測で得た計測パラメータや受信系4で受信したエコー信号、及び関心領域設定に用いる画像を一時保管すると共にその関心領域を設定するためのパラメータなどを記憶するRAM(随時書き込み読み出しメモリ)21と、CPU7で再構成された画像データを記録するデータ格納部となる光磁気ディスク22及び磁気ディスク23と、これらの光磁気ディスク22又は磁気ディスク23から読み出した画像データを映像化して断層像として表示する表示部となるディスプレイ24とから成る。
シーケンサ6は、上記被検体9の生体組織を構成する原子核にNMR現象を起こさせるRFパルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する制御手段となるもので、CPU7の制御で動作し、被検体9の断層像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系3、静磁場発生磁気回路1の一部を形成しているシムコイルや局在コイル、傾斜磁場発生系2、および受信系4に送る事ができる。
操作部8は、信号処理系5で行う処理の制御情報を入力するもので、トラックボールやマウス25及び、キーボード26から成る。
次に、従来のプリパルスの一例として、上記MRI装置においてCHESSパルスを用いた脂肪抑制方法について、図2を用いて説明する。
図2は、シーケンサ6に組み込まれた、CHESSパルスを用いた脂肪抑制パルスシーケンスの一例を示すシーケンスチャートである。RFはRFパルスの、Gsはスライス傾斜磁場の、Gpは位相エンコード傾斜磁場の、Gfは周波数エンコード傾斜磁場の、印加タイミングをそれぞれ表している。シーケンサ6はこのシーケンスチャートに基づいて、傾斜磁場発生系2,送信系3、及び受信系4を制御する。
このパルスシーケンスは、プリパルスを発生するプリパルス部と、画像用のエコー信号を計測する主計測部とを有して成る。プリパルス部はプリパルスとしてCHESSパルスを発生し、主計測部はスピンエコー法(SE法)に基づくパルスシーケンスを発生する。ただし、主計測パルスシーケンスとしては、SE法に限らず、グラジエントエコー法や、EPI法などの他の手法に基づくパルスシーケンスでも良い。
図2に示すパルスシーケンスは、シーケンサ6の制御により、まず脂肪プロトンを励起(飽和)するためのRFパルス(CHESSパルス)201が照射され、脂肪プロトンの縦磁化が消失し、横磁化が生成される。次いでクラッシャー(スポイル)傾斜磁場202が傾斜磁場の各画像軸方向に印加されて、脂肪プロトンの横磁化が位相分散されて消失される。この状態で、水プロトンを励起する90度パルス203がスライス選択傾斜磁場Gs204と共に印加され、位相エンコード方向の傾斜磁場Gp205と周波数エンコード方向の傾斜磁場206とが印加された後に、180度パルス207がスライス選択傾斜磁場Gs208とともに印加される。その後に、周波数エンコード方向の傾斜磁場209が印加されて、90度パルス203からエコー信号時間TE経過後にエコー信号が計測される。信号計測後、再びクラッシャー(スポイル)傾斜磁場210が印加される。以上の各パルスが、位相エンコード傾斜磁場205の強度を変化させながら、繰り返し時間TR毎に繰り返されて、画像再構成に必要なエコー信号が計測される。
なお、図2では、1つのスライスに対して1つのCHESSパルスが印加される例を示しているが、CHESSパルスの数は2以上でも良い。また、TRの空き時間に、主計側部のRFパルスの送信周波数を変えて他のスライスを励起して撮像すれば、マルチスライス撮像が可能になる。
通常CHESSパルスは、スライス選択傾斜磁場が印加されない非選択励起(全励起)とされるので、RFパルスの照射不均一や撮像に無関係な部位からのエコー信号に起因する偽信号を抑制するために、スポイル傾斜磁場202がCHESSパルスの後に付加される。この際、十分なスポイル効果を得る為に、傾斜磁場強度が強くされ、且つ印加時間が長くされる場合が多い。
しかし印加する傾斜磁場強度を強くすると、磁場切り替えに起因する騒音の増大、dB/dt制限による計測自由度の低下につながる。またスポイル傾斜磁場の時間が長いと、撮像効率が大幅に低減する。加えて、スポイルに用いられるのは、MRI撮像に用いられる傾斜磁場であり線形磁場である。よって、主計測で用いられる傾斜磁場による位相変化とスポイル傾斜磁場による位相変化がバランスする場合もある。その場合には、偽エコー信号が発生し、その偽エコー信号に基づく偽像により画像不良の原因となりうる。この様な従来技術のプリパルスによる偽エコー信号の発生を抑制するのが、以下に説明する本発明のプリパルス制御である。
(第1の実施形態)
本発明のMRI装置の第1の実施形態を説明する。本実施形態は、印加するプリパルスの照射位相を、その印加時間間隔に応じて制御する。これにより、プリパルスによって励起された横磁化を効率的にスポイルさせるものである。以下、図3に基づいて本実施形態を説明する。
図3は、本実施形態の処理フローを表すフローチャートであり、この処理フローはプログラムとして予めシーケンサ6に記憶されている。以下、図3に示す処理フローの各ステップを詳細に説明する。
ステップ301で、撮像条件が設定される。操作者は、操作部8を介して、繰り返し時間TRやスライス枚数M等の撮像条件を入力設定する。
ステップ302で、ステップ301で設定された撮像条件に基づいて、パルスシーケンス内におけるプリパルスの印加間隔TDが算出される。1TRの中でM断面を計測するマルチスライスパルスシーケンスで、且つ断面毎にプリパルスが印加される場合を例にとると、プリパルスの印加時間間隔TDは以下の式で求められる。
Figure 0005159200
もちろんパルスシーケンスは様々な形態を取るので、適宜最適なTD算出式は変更される。
ステップ303は、(2)式に基づいて、TD間の位相発展量PHI(TD)を算出する。
Figure 0005159200
ここで、f0は共鳴周波数[Hz]であり、プリパルスの種類に依存する。水プロトンの共鳴周波数を用いる場合もあるし、他核子の共鳴周波数でも良い。
ステップ304で、ステップ303で算出した位相発展量PHI(TD)から、n番目(nは自然数)の基準位相値PHI(TDn)を算出し、これにランダムな位相値PHI(Random)を加えてプリパルス照射位相TxPHI(n)を算出する。
Figure 0005159200
(2)、(3)式から、プリパルスの照射位相が、プリパルスの照射時間間隔TDに依存することが理解される。即ち、本実施形態は、印加するプリパルスの照射位相を、その印加時間間隔に応じて制御するものである。以上までが、プリパルスの照射位相を算出する処理フローの説明である。
シーケンサ6は、この処理フローに基づいて算出したプリパルスの照射位相を有するプリパルスをプリパルス部で発生する様に送信系3を制御して、被検体にそのプリパルス印加する。これにより、撮像条件によらずに、プリパルス追加に基づく偽エコー信号の発生が効果的に抑制されることになる。
なお、繰り返し毎に加減算される位相値をランダム値とする代わりに、予め加減算する位相をテーブル化しておいても良いし、また117度を基準とした公知のRFスポイル位相でも良い。或いは、TDを用いてケミカルシフトに起因する水と脂肪の位相差を算出し、脂肪のみを選択的に励起・飽和するように逐一照射位相を算出してもよい。これによりプリパルスの励起特性誤差に起因した水信号低下を避けることができる。なお、この場合は、水・脂肪に位相差が生じるようなTDになるようプリパルス印加時間間隔を逐一制御してパルスシーケンスを実行することが好ましい。
また、図3ではプリパルスの照射振幅について言及されていないが、照射位相制御と共にプリパルス振幅を任意に変えて照射しても良い(例えば後述する第3の実施形態で説明する振幅制御を併用しても良い)。また、ここではプリパルスの位相だけに着目したが、PHI(TD)に基づく照射位相制御を主計測のRFに対して行っても良い。また、本実施形態は、プリパルスとしてCHESSパルスを用いた例を説明したが、その他のプリパルス(例えば、MTCやプリサチュレーションパルス)に適用してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、プリパルスの照射位相がプリパルスの印加時間間隔に応じて制御されるので、撮像条件によらずに、プリパルス追加に基づく偽エコー信号の発生を抑制できる。その結果、意図しない偽像の発生を効果的に抑制することが可能になり、プリパルスによる所望のコントラストを有する画像を高画質で取得することが可能になる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態は、スポイル用磁場として、非線形磁場を用いるものである。プリパルスの照射位相については、前述の第1の実施形態で説明した制御法を併用しても良いし、用いなくても良い。以下、前述の第1の実施形態と異なる点のみ説明し、共通する点についての説明は省略して、図4に基づいて本実施形態を説明する。
図4は、本実施形態のパルスシーケンスを示すシーケンスチャートである。ただし、図4に示すシーケンスチャートは、プリパルス部のみ示し、主計測部は前述の第1の実施形態と同様なので省略してある。以下、図4に示すプリパルス部のシーケンスチャートに基づいて、本実施形態を説明する。
RFパルス401は、プリパルスであり、具体的にはCHESSパルスやMTCパルス等のプリパルスを構成するRFパルスである。402は、図2の202と同様のスポイル傾斜磁場に相当するものであり、線形傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイルを用いて発生される。403は、本実施形態の特徴であるスポイル磁場であり、非線形磁場を発生するシムコイルを用いて発生される。
通常のMRI装置には、静磁場不均一を補正するため2次以上の球面調和成分磁場を発生するシムコイルが備え付けられている。前述したように線形傾斜磁場だけでスポイルする(横磁化の位相を回す)と、主計測でも用いられている線形傾斜磁場による横磁化の位相変化とバランスしてしまう可能性がある。バランスすると偽エコー信号が発生し、画質劣化に繋がるので、好ましくない。そこで本実施形態は、図4の403に示すように非線形な磁場を発するシムコイルにパルス電流を流してスポイルを行う。これにより、非線形スポイル磁場による横磁化の位相変化と、主計測で用いられている線形傾斜磁場による横磁化の位相変化とがバランスすることが抑制されるので、偽エコー信号の発生が効果的に抑制される。
なお、図4では、線形スポイル傾斜磁場402と非線形スポイル磁場403とを同時に印加する例を示しているが、同時でなくても良い。また、シムコイルによる非線形スポイル磁場のみ印加しても良い。
以上説明したように、本実施形態によれば、シムコイルを用いた非線形スポイル磁場により、撮像条件によらずに、プリパルス追加に基づく偽エコー信号の発生を抑制できる。即ち、シムコイルを用いた非線形スポイル磁場により、傾斜磁場コイルのみを用いたスポイル磁場による横磁化の位相変化と主計測部で印加される傾斜磁場による横磁化の位相変化とがバランスすることによる偽エコー信号の発生を抑制することができる。その結果、画像上においても偽エコー信号に基づくアーチファクトを抑制することができるので、プリパルスによる所望のコントラストを有する画像を高画質で取得することが可能になる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。本実施形態は、プリパルスの振幅を撮像中に変更する制御を行う。それ以外のプリパルスの照射位相制御や主計測部については、前述の第1、2実施形態のいずれでも良い。以下、前述の第1の実施形態と異なる点のみ説明し、共通する点についての説明は省略して、図5に基づいて本実施形態を説明する。
図5は、本実施形態のプリパルスの照射振幅制御のタイムチャートを示す。シーケンサ6は、プリパルス部と主計側部とから成るパルスシーケンスをTR毎に繰り返す。プリパルス部503は、CHESSパルスやMTCパルス等のプリパルスを構成するRFパルス504と傾斜磁場コイルやシムコイルなどによって実現するスポイル磁場505とを発生する。主計測部506は前述の第1、2の実施形態と同様なので省略してある。502の一目盛りは時間間隔TRを表し、一目盛り毎にプリパルス部と主計側部とから成る撮像パルスシーケンスが繰り返し実行される。本実施形態の特徴は、プリパルス504の振幅を所定の振幅変調曲線501に従って撮像中に変化させることである。
振幅変調曲線501はプリパルス印加時間間隔TDとプリパルス励起プロファイルとから最適化される。具体的には、一度の撮像で印加されるプリパルス全てをもって1つの励起パルスとして扱い、周波数選択性の向上やRFパルスの照射量を低減するように最適化する。図5は、振幅変調曲線501の一例として、Gaussian曲線を用いた例を示す。即ち、シーケンサ6は、Gaussian曲線に則って送信系3を制御し、プリパルスの振幅を最初は小さくして、その後徐々に大きくしていき、ピーク後は、徐々に小さくしていく。ただし、Gaussian曲線に限らず、最適化に応じてその他の任意の形状を有する場合になることもある。
なお、ここで述べたプリパルスの振幅制御と同時に、前述の第1の実施形態で説明したプリパルス504の照射位相制御を行っても良い。或いは、更に別の最適化された位相テーブルに従って振幅・位相を同時に変調してプリパルス照射を行っても良い。
以上の様にして、プリパルスの照射振幅を撮像中に変更する制御を行うことで、より細かく振幅変調曲線を最適化できるので、プリパルスの周波数選択能を向上することができる。その結果、撮像条件によらずに、プリパルス追加に基づく偽エコー信号の発生を抑制できるので高画質の画像を取得することができる。また、プリパルスの照射振幅を一定にせずに、撮像中に小振幅となる期間を含むので、全体としてSAR低減を実現できる。特にCHESSパルスに本実施形態の振幅制御を適用した場合、MTC効果による水信号低下も回避できる。
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、本実施例では抑制パルスで対象とする核種を脂肪プロトンとして説明したが、ケミカルシフトイメージング時には水プロトンであっても良い。
本発明によるMRI装置の全体構成を示すブロック図。 本発明における脂肪抑制プリパルスを付加したスピンエコー信号シーケンスの1例を示す図。 本発明における1つの実施形態を示した流れ図。 本発明における、もう1つの実施形態を示したシーケンス図。 本発明における、更に別の実施形態を示したシーケンス図。
符号の説明
1 静磁場発生回路、2 傾斜磁場発生系、3 送信系、4 受信系、5 信号処理系、6 シーケンサ、7 CPU、8 操作部、9 被検体、10 傾斜磁場コイル、11 傾斜磁場電源、12 高周波発振器、13 変調器、14 高周波増幅器、15 高周波照射コイル、16 高周波受信コイル、17 増幅器、18 直交位相検波器、19 A/D変換器、20 ROM、21 RAM、22 光磁気ディスク、23 磁気ディスク、24 ディスプレイ、25 トラックボール又はマウス、26 キーボード

Claims (5)

  1. 静磁場中に置かれた被検体に照射する高周波磁場を発生する照射手段と、
    前記被検体からのエコー信号を受信する受信手段と、
    所定のパルスシーケンスに基づいて前記照射手段と前記受信手段を制御する計測制御手段と、
    を有する磁気共鳴イメージング装置において、
    前記パルスシーケンスは、プリパルスを有するプリパルス部と前記エコー信号の計測を行う主計側部とを有して成り、
    前記計測制御手段は、前記プリパルスの照射振幅を、一度の撮像で印加されるプリパルス全てをもって1つの励起パルスとなるような変化曲線に基づいて制御することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記変化曲線は、Gaussian曲線であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1又は2記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記パルスシーケンスは、マルチスライスパルスシーケンスであり、
    前記計測制御手段は、前記プリパルスの印加時間間隔に応じて該プリパルスの照射位相を照射毎に異ならせることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記計測制御手段は、前記プリパルスの照射位相として、前記プリパルスの印加時間間隔に応じた位相とランダムな位相とを加算した位相とすることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記静磁場の均一度を調整するシムコイルを更に備え、
    前記プリパルス部は、前記プリパルスによって励起された横磁化の位相を分散させるスポイル磁場を発生し、
    前記計測制御手段は、前記シムコイルに前記スポイル磁場を発生させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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