JPH1066684A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
磁気共鳴イメージング装置Info
- Publication number
- JPH1066684A JPH1066684A JP8226829A JP22682996A JPH1066684A JP H1066684 A JPH1066684 A JP H1066684A JP 8226829 A JP8226829 A JP 8226829A JP 22682996 A JP22682996 A JP 22682996A JP H1066684 A JPH1066684 A JP H1066684A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slices
- slice
- pulses
- magnetic field
- echo
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000002595 magnetic resonance imaging Methods 0.000 title claims description 17
- 238000005259 measurement Methods 0.000 claims abstract description 60
- 230000005284 excitation Effects 0.000 claims description 38
- 238000005481 NMR spectroscopy Methods 0.000 claims description 12
- 238000001208 nuclear magnetic resonance pulse sequence Methods 0.000 claims description 9
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 claims description 6
- 230000003068 static effect Effects 0.000 claims description 6
- 230000001678 irradiating effect Effects 0.000 claims description 4
- 238000003384 imaging method Methods 0.000 claims 1
- JEIPFZHSYJVQDO-UHFFFAOYSA-N ferric oxide Chemical compound O=[Fe]O[Fe]=O JEIPFZHSYJVQDO-UHFFFAOYSA-N 0.000 abstract 1
- 238000000034 method Methods 0.000 description 23
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 9
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 6
- 238000000691 measurement method Methods 0.000 description 6
- 125000004122 cyclic group Chemical group 0.000 description 4
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 238000002592 echocardiography Methods 0.000 description 3
- 230000005415 magnetization Effects 0.000 description 3
- 230000008859 change Effects 0.000 description 2
- 238000007689 inspection Methods 0.000 description 2
- 238000010521 absorption reaction Methods 0.000 description 1
- 230000001419 dependent effect Effects 0.000 description 1
- 230000012447 hatching Effects 0.000 description 1
- 230000006872 improvement Effects 0.000 description 1
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 1
- 230000010363 phase shift Effects 0.000 description 1
- 230000009467 reduction Effects 0.000 description 1
- 230000004044 response Effects 0.000 description 1
- 238000000264 spin echo pulse sequence Methods 0.000 description 1
- 230000002194 synthesizing effect Effects 0.000 description 1
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
- G01R33/00—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
- G01R33/20—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
- G01R33/44—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance using nuclear magnetic resonance [NMR]
- G01R33/48—NMR imaging systems
- G01R33/483—NMR imaging systems with selection of signals or spectra from particular regions of the volume, e.g. in vivo spectroscopy
- G01R33/4833—NMR imaging systems with selection of signals or spectra from particular regions of the volume, e.g. in vivo spectroscopy using spatially selective excitation of the volume of interest, e.g. selecting non-orthogonal or inclined slices
- G01R33/4835—NMR imaging systems with selection of signals or spectra from particular regions of the volume, e.g. in vivo spectroscopy using spatially selective excitation of the volume of interest, e.g. selecting non-orthogonal or inclined slices of multiple slices
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
- High Energy & Nuclear Physics (AREA)
- Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】RFパルスの照射回数を減らして生体発熱効果
及びMTC効果を低減して、マルチスライス・スピンエ
コー系列の計測を高速に実現することを可能とする。 【解決手段】N枚のスライスを励起するためのN個の高
周波磁場パルスを印加し、次いでN枚全てのスライスを
同時に励起する180゜パルスをM個印加するとともに、
各スライス毎に180゜パルスと同数M個のエコー信号を
エコー時間に依存して異なる位相エンコードを付与して
収集する。このシーケンスを所定の繰り返し時間経過
後、繰り返しスライス毎に1画像分のデータを収集す
る。この際、各繰り返し時間ごとに励起するスライスの
順序をサイクリックに変更する。計測した各エコー信号
はスライス毎に各々1画像分のデータとして付与された
位相エンコード量に応じて計測空間上に配置し、画像再
構成演算に供する。スライス毎のコントラストが均一な
画像をマルチスライスで短時間で撮像できる。
及びMTC効果を低減して、マルチスライス・スピンエ
コー系列の計測を高速に実現することを可能とする。 【解決手段】N枚のスライスを励起するためのN個の高
周波磁場パルスを印加し、次いでN枚全てのスライスを
同時に励起する180゜パルスをM個印加するとともに、
各スライス毎に180゜パルスと同数M個のエコー信号を
エコー時間に依存して異なる位相エンコードを付与して
収集する。このシーケンスを所定の繰り返し時間経過
後、繰り返しスライス毎に1画像分のデータを収集す
る。この際、各繰り返し時間ごとに励起するスライスの
順序をサイクリックに変更する。計測した各エコー信号
はスライス毎に各々1画像分のデータとして付与された
位相エンコード量に応じて計測空間上に配置し、画像再
構成演算に供する。スライス毎のコントラストが均一な
画像をマルチスライスで短時間で撮像できる。
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、核磁気共鳴(以下
「NMR」と略記する)現象を利用して被検体の所望部
位の断層画像を得る磁気共鳴イメージング装置(以下、
MRI装置という)に関し、特に短時間で複数のスライ
スのMRI計測を可能としたMRI装置に関するもので
ある。
「NMR」と略記する)現象を利用して被検体の所望部
位の断層画像を得る磁気共鳴イメージング装置(以下、
MRI装置という)に関し、特に短時間で複数のスライ
スのMRI計測を可能としたMRI装置に関するもので
ある。
【従来の技術】MRI装置は、NMR現象を利用して被
検体中の所望の検査部位における原子核スピン(以下、
単にスピンと称す)の密度分布、緩和時間分布等を計測
して、その計測データから被検体の任意の断面を画像表
示するものであり、その典型的な計測方法としてスピン
エコー法がある。スピンエコー法では、高周波磁場(R
F)パルスをスライス傾斜磁場と同時に印加して所定の
スライス面を励起した後、更に180゜RFパルス(以
下、単に180゜パルスという)を印加して、1番目のR
Fパルスの印加から180゜パルス印加までの時間と同じ
時間経過後にNMR信号をエコー信号として計測する。
このような励起からエコー信号計測までのシーケンスを
基本単位として、位相エンコード傾斜磁場の強度(位相
エンコード量)を毎回変えながら一定の繰り返し時間T
r毎に、所定回数、例えば256回繰り返し、得られた計測
信号を二次元フーリエ変換することで1枚の画像に必要
なデータが得られる。この際、エコー時間TE及び繰り
返し時間Trを適当に選択することにより、病変組織の
検出に利用価値の高いT1強調画像やT2強調画像を得る
ことができる。しかしスピンエコー法は、繰り返し時間
Trの位相エンコード数倍(例えば256倍)の時間を要
するため検査時間が長くなり、特に長い繰り返し時間T
rを必要とするT2強調画像の取得のためには、数分〜十
数分を要していた。このようなスピンエコー法の欠点を
解決するものとして、高速スピンエコー法がある(例え
ば、高速スピンエコー法:INNERVISION7(5):pp15-20,19
92等を参照)。高速スピンエコー法のパルスシーケンス
では、スライス選択励起パルスの印加後、複数の180゜
パルスを連続して印加し、180゜パルスの個数分だけの
エコー信号を取得する。この際、これらのエコー信号に
異なる位相エンコードを与えて同一画像のデータとして
使用する。これにより、1画像分の再構成に必要なデー
タ行数に対して繰り返し回数をエコー数分の1に減らす
ことができる。例えば、256位相エンコードステップ分
のデータを収集するのに、16エコートレインの高速スピ
ンエコーシーケンスを用いれば、256/16=16回の繰り返
しのみで1枚の画像に必要なデータを収集することがで
きる。このような高速スピンエコー法で得られた画像で
は、従来のスピンエコー法に近い画像コントラストが達
成できる。
検体中の所望の検査部位における原子核スピン(以下、
単にスピンと称す)の密度分布、緩和時間分布等を計測
して、その計測データから被検体の任意の断面を画像表
示するものであり、その典型的な計測方法としてスピン
エコー法がある。スピンエコー法では、高周波磁場(R
F)パルスをスライス傾斜磁場と同時に印加して所定の
スライス面を励起した後、更に180゜RFパルス(以
下、単に180゜パルスという)を印加して、1番目のR
Fパルスの印加から180゜パルス印加までの時間と同じ
時間経過後にNMR信号をエコー信号として計測する。
このような励起からエコー信号計測までのシーケンスを
基本単位として、位相エンコード傾斜磁場の強度(位相
エンコード量)を毎回変えながら一定の繰り返し時間T
r毎に、所定回数、例えば256回繰り返し、得られた計測
信号を二次元フーリエ変換することで1枚の画像に必要
なデータが得られる。この際、エコー時間TE及び繰り
返し時間Trを適当に選択することにより、病変組織の
検出に利用価値の高いT1強調画像やT2強調画像を得る
ことができる。しかしスピンエコー法は、繰り返し時間
Trの位相エンコード数倍(例えば256倍)の時間を要
するため検査時間が長くなり、特に長い繰り返し時間T
rを必要とするT2強調画像の取得のためには、数分〜十
数分を要していた。このようなスピンエコー法の欠点を
解決するものとして、高速スピンエコー法がある(例え
ば、高速スピンエコー法:INNERVISION7(5):pp15-20,19
92等を参照)。高速スピンエコー法のパルスシーケンス
では、スライス選択励起パルスの印加後、複数の180゜
パルスを連続して印加し、180゜パルスの個数分だけの
エコー信号を取得する。この際、これらのエコー信号に
異なる位相エンコードを与えて同一画像のデータとして
使用する。これにより、1画像分の再構成に必要なデー
タ行数に対して繰り返し回数をエコー数分の1に減らす
ことができる。例えば、256位相エンコードステップ分
のデータを収集するのに、16エコートレインの高速スピ
ンエコーシーケンスを用いれば、256/16=16回の繰り返
しのみで1枚の画像に必要なデータを収集することがで
きる。このような高速スピンエコー法で得られた画像で
は、従来のスピンエコー法に近い画像コントラストが達
成できる。
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の高
速スピンエコー法では、高速化を図るほど180゜パルス
による励起回数が増えることになり、幾つかの問題を引
き起こす。まず、SAR(Specific Absorption Rati
o)として知られる生体に対する発熱作用がある。これ
は同一の生体組織に対して、高周波磁場による励起を繰
り返すことによって生じ、静磁場強度、RF印加強度、
印加時間、印加間隔などに依存した効果を与える。高速
スピンエコー法では振幅の高い180゜パルス が極短時間
に繰り返し照射されることになり、マルチスライス計測
などの場合には特にこの効果が顕著となる。第2に撮像
対象領域の組織に対するMTC(Magnetization Transfe
r Contrast)効果が掲げられる。MTC効果は結合水中
の磁化を励起したエネルギーが自由水中の磁化に移動す
る現象であり、自由水と結合水の分布の程度によってそ
の効果が異なり、組織に依存して信号強度の低下を招
く。このため、診断的価値の高い従来のスピンエコー法
の画像とは異なる画像コントラストを示すが、脂肪組織
の高信号化など病変組織のコントラストを低下させる場
合が多い。このようなMTC効果は、マルチスライス計
測の場合には、スライシングのための傾斜磁場を印加し
て、プロトンの共鳴周波数(中心周波数)に対してずれた
周波数での励起(off-resonance)を行うことにより現
われるが、高速スピンエコー法の場合はRFパルス数の
増加により特に顕著となる。本発明は、このような高速
スピンエコー法に伴う問題点を解決し、高速でマルチス
ライス計測を可能にするMRI装置を提供することを目
的とする。
速スピンエコー法では、高速化を図るほど180゜パルス
による励起回数が増えることになり、幾つかの問題を引
き起こす。まず、SAR(Specific Absorption Rati
o)として知られる生体に対する発熱作用がある。これ
は同一の生体組織に対して、高周波磁場による励起を繰
り返すことによって生じ、静磁場強度、RF印加強度、
印加時間、印加間隔などに依存した効果を与える。高速
スピンエコー法では振幅の高い180゜パルス が極短時間
に繰り返し照射されることになり、マルチスライス計測
などの場合には特にこの効果が顕著となる。第2に撮像
対象領域の組織に対するMTC(Magnetization Transfe
r Contrast)効果が掲げられる。MTC効果は結合水中
の磁化を励起したエネルギーが自由水中の磁化に移動す
る現象であり、自由水と結合水の分布の程度によってそ
の効果が異なり、組織に依存して信号強度の低下を招
く。このため、診断的価値の高い従来のスピンエコー法
の画像とは異なる画像コントラストを示すが、脂肪組織
の高信号化など病変組織のコントラストを低下させる場
合が多い。このようなMTC効果は、マルチスライス計
測の場合には、スライシングのための傾斜磁場を印加し
て、プロトンの共鳴周波数(中心周波数)に対してずれた
周波数での励起(off-resonance)を行うことにより現
われるが、高速スピンエコー法の場合はRFパルス数の
増加により特に顕著となる。本発明は、このような高速
スピンエコー法に伴う問題点を解決し、高速でマルチス
ライス計測を可能にするMRI装置を提供することを目
的とする。
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるMRI装置においては、複数のスライ
スを励起するためにスライス数(N)と同数のRFパル
スを順次印加するとともに、このRFパルスに次いで全
てのスライスを同時に励起する複数個の180゜パルスを
印加する。そして各スライス毎に180゜パルスと同数の
エコー信号をエコー時間に依存して異なる位相エンコー
ドを付与して計測する。この複数スライスの励起と、ス
ライス毎に位相エンコードの異なる複数のエコー信号の
計測までの基本単位であるシーケンスを繰り返し、各ス
ライス毎に1枚の画像を再構成するのに必要なデータを
収集して計測空間上に配置する。この際、好適には各繰
り返し単位ごとに励起するスライスの順序をサイクリッ
クに変更しながらシーケンスを動作させるとともに、受
信した各エコー信号をスライス毎に各々1画像分のデー
タとして付与された位相エンコード量に応じて計測空間
上に配置して、画像再構成演算に供する。ここで、繰り
返し時間毎のスライス励起順序の変更は、少なくとも計
測空間における低周波領域においてサイクリックな変更
がなされていればよい。スライス励起のためのRFパル
スに次いで印加される180゜パルスは、少なくとも励起
されたスライスを励起するものであればよく、スライス
群が1個の場合は全て非選択励起パルスであっても、ま
た該当するスライス群のみを選択的に1度に励起するパ
ルスであってもよい。複数のスライス群の計測を行う場
合は、該当するスライス群のみを選択的に励起するパル
スとする。このような計測シーケンスによれば、1回の
繰り返し単位において1つの180゜パルス毎に異なるエ
コー時間で複数(スライス数分N)のエコー信号が得ら
れ、各エコー信号についてエコー時間に依存して異なる
位相エンコードを付与して計測することにより、各スラ
イスについて180゜パルスの数(M)のエコートレイン
が得られる。従って、各スライスについて、1枚の画像
に必要な位相エンコードステップ数の1/Mの繰り返し
で1枚の画像分の計測を行うことができ、マルチスライ
ス計測における180゜パルス照射の回数をスライス数
(N)分の1に減らすことができる。これにより、高周
波磁場の繰り返し印加に伴うSARやMTC効果の問題
を軽減できる。更に本発明のMRI装置によれば、繰り
返し単位毎にスライス選択の順序をサイクリックに変更
することにより、スライス間で画像コントラストの均一
性を保つことができる。また位相エンコードを与える傾
斜磁場強度をエコー時間に依存して適宜異ならせること
により、利用価値の高いT1強調画像やT2強調画像を得
ることができる。また本発明のMRI装置の別な態様に
よれば、スライス群(複数のスライス)を励起するため
のRFパルス印加と、このRFパルスに続く複数個の18
0゜パルスの印加及びエコー信号の計測を1単位とし
て、1つの繰り返し時間内で励起するスライス群の位置
を変えながら複数の単位の計測を行い、複数のスライス
群の断層画像を作成する。1つの繰り返し時間内で複数
のスライス群の計測を行うことにより、繰り返し時間が
比較的長めの値に設定されるT2強調画像の取得を目的
とした計測であっても、全体としての時間の短縮を図る
ことができる。
に、本発明によるMRI装置においては、複数のスライ
スを励起するためにスライス数(N)と同数のRFパル
スを順次印加するとともに、このRFパルスに次いで全
てのスライスを同時に励起する複数個の180゜パルスを
印加する。そして各スライス毎に180゜パルスと同数の
エコー信号をエコー時間に依存して異なる位相エンコー
ドを付与して計測する。この複数スライスの励起と、ス
ライス毎に位相エンコードの異なる複数のエコー信号の
計測までの基本単位であるシーケンスを繰り返し、各ス
ライス毎に1枚の画像を再構成するのに必要なデータを
収集して計測空間上に配置する。この際、好適には各繰
り返し単位ごとに励起するスライスの順序をサイクリッ
クに変更しながらシーケンスを動作させるとともに、受
信した各エコー信号をスライス毎に各々1画像分のデー
タとして付与された位相エンコード量に応じて計測空間
上に配置して、画像再構成演算に供する。ここで、繰り
返し時間毎のスライス励起順序の変更は、少なくとも計
測空間における低周波領域においてサイクリックな変更
がなされていればよい。スライス励起のためのRFパル
スに次いで印加される180゜パルスは、少なくとも励起
されたスライスを励起するものであればよく、スライス
群が1個の場合は全て非選択励起パルスであっても、ま
た該当するスライス群のみを選択的に1度に励起するパ
ルスであってもよい。複数のスライス群の計測を行う場
合は、該当するスライス群のみを選択的に励起するパル
スとする。このような計測シーケンスによれば、1回の
繰り返し単位において1つの180゜パルス毎に異なるエ
コー時間で複数(スライス数分N)のエコー信号が得ら
れ、各エコー信号についてエコー時間に依存して異なる
位相エンコードを付与して計測することにより、各スラ
イスについて180゜パルスの数(M)のエコートレイン
が得られる。従って、各スライスについて、1枚の画像
に必要な位相エンコードステップ数の1/Mの繰り返し
で1枚の画像分の計測を行うことができ、マルチスライ
ス計測における180゜パルス照射の回数をスライス数
(N)分の1に減らすことができる。これにより、高周
波磁場の繰り返し印加に伴うSARやMTC効果の問題
を軽減できる。更に本発明のMRI装置によれば、繰り
返し単位毎にスライス選択の順序をサイクリックに変更
することにより、スライス間で画像コントラストの均一
性を保つことができる。また位相エンコードを与える傾
斜磁場強度をエコー時間に依存して適宜異ならせること
により、利用価値の高いT1強調画像やT2強調画像を得
ることができる。また本発明のMRI装置の別な態様に
よれば、スライス群(複数のスライス)を励起するため
のRFパルス印加と、このRFパルスに続く複数個の18
0゜パルスの印加及びエコー信号の計測を1単位とし
て、1つの繰り返し時間内で励起するスライス群の位置
を変えながら複数の単位の計測を行い、複数のスライス
群の断層画像を作成する。1つの繰り返し時間内で複数
のスライス群の計測を行うことにより、繰り返し時間が
比較的長めの値に設定されるT2強調画像の取得を目的
とした計測であっても、全体としての時間の短縮を図る
ことができる。
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施例
に基づいて詳細に説明する。図2は本発明が適用される
MRI装置の全体構成を示すブロック図である。このM
RI装置は、核磁気共鳴(NMR)現象を利用して被検
体の断層像を得るもので、主として静磁場発生系2と、
磁場勾配発生系3と、送信系5と、受信系6と、信号処
理系7と、シーケンサ4と、中央処理装置(CPU)8
とを備えている。静磁場発生系2は、被検体1の周りに
その体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場
を発生させるもので、被検体1の周りのある広がりをも
った空間に永久磁石方式または常電導方式あるいは超電
導方式の磁場発生磁石が配置されている。磁場勾配発生
系3は、X,Y,Zの三軸方向に巻かれた傾斜磁場コイ
ル9と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場
電源10とから成り、シーケンサ4からの命令に従ってそ
れぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動することによ
り、X,Y,Zの三軸方向の傾斜磁場Gx、Gy、Gzを
被検体1に印加するようになっている。この傾斜磁場の
加え方により被検体1に対するスライス面を設定するこ
とができる。シーケンサ4は、被検体1の生体組織を構
成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせるRFパル
スを所定のパルスシーケンスで繰り返し印加するもの
で、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層像のデー
タ収集に必要な種々の命令を、送信系5及び磁場勾配発
生系3並びに受信系6に送るようになっている。本発明
においてシーケンサ4が起動するパルスシーケンスはマ
ルチスライス計測シーケンスであり、後に詳述するよう
に本発明の特徴をなしている。送信系5は、シーケンサ
4から送り出される高周波パルスにより被検体1の生体
組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる
ために高周波磁場を照射するもので、高周波発振器11と
変調器12と高周波増幅器13と送信側の高周波コイル14a
とから成り、高周波発振器11から出力された高周波パル
スをシーケンサ4の命令にしたがって変調器12で振幅変
調し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器
13で増幅した後に被検体1に近接して配置された高周波
コイル14aに供給することにより、電磁波が被検体1に
照射されるようになっている。受信系6は、被検体1の
生体組織の原子核の核磁気共鳴により放出されるエコー
信号(NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波
コイル14bと増幅器15と直交位相検波器16とA/D変換器17
とから成り、送信側の高周波コイル14aから照射された
電磁波による被検体1の応答の電磁波(NMR信号)は
被検体1に近接して配置された高周波コイル14bで検出
され、増幅器15及び直交位相検波器16を介してA/D変換
器17に入力されディジタル量に変換され、さらにシーケ
ンサ4からの命令によるタイミングで直交位相検波器16
によりサンプリングされた二系列の収集データとされ、
その信号が信号処理系7に送られるようになっている。
この信号処理系7は、CPU8と、磁気ディスク18及び
磁気テープ19等の記録装置と、CRT等のディスプレイ
20とから成り、CPU8でフーリエ変換、補正係数計算
像再構成等の処理を行い、任意断面の信号強度分布ある
いは複数の信号に適当な演算を行って得られた分布を画
像化してディスプレイ20に断層像として表示するように
なっている。なお、図2において、送信側及び受信側の
高周波コイル14a、14bと傾斜磁場コイル9は、被検体1
の周りの空間に配置された静磁場発生磁石2の磁場空間
内に設置されている。次にこのような構成においてシー
ケンサ4の起動する高速マルチスライス計測パルスシー
ケンスを図1を参照して説明する。図1は、本発明の一
実施例として、T2強調画像を得るのに好適な計測シー
ケンスを模式的に示したタイミング線図である。本発明
による計測シーケンスでは、複数(N)枚のスライスを
励起するためのN個のRFパルスと、N枚全てのスライ
スを同時に励起する180゜パルスをM個組み合わせて用
いるもので、スライス数及び1繰り返し時間で用いられ
る180゜パルスの数は特に限定されないが、図では簡単
のために2枚のスライスS1、S2を計測する場合を示し
ている。この計測シーケンスでは、まずスライス数分の
スライス励起パルス101、102が印加される。スライス励
起パルスは、それぞれスライス位置及びスライス厚さに
相当する搬送周波数(f1、f2)とエンベロープ形状を
有するRFパルスであり、各々スライス方向の傾斜磁場
Gs121、122の印加に同期して照射される。ここで複数
のスライスは図3(a)及び(b)に示すように互いに
隣接するものであっても、適当なギャップを介して位置
するものであってもよい。このような2個の励起パルス
101、102を順次照射することにより、順次2枚のスライ
スを励起する。スライス傾斜磁場122に次いで印加され
る負極性のスライス方向傾斜磁場パルス123 はスライス
方向傾斜磁場印加によって生じたスライス内の位置依存
の位相ずれを戻すためのリフェイズパルスである。また
これら各スライスの励起の後に周波数方向の傾斜磁場パ
ルスGf181、182を印加し、各スライスに異なる位相回
転が与えられる。これは後述するように180゜パルス111
の照射後に2つのスライスからそれぞれ異なるエコー時
間(TE1、TE2)でエコー信号を得る(即ち、スライス毎
のエコー信号を分離検出する)ためのディフェイズパル
スである。また励起パルス102と180゜パルス111との間
に、最初のエコー信号に位相エンコードするための傾斜
磁場Gp150が印加される。次に非選択励起を行うM個
(図中、5個)の180゜パルス111〜115が順次印加され
る。この非選択的励起パルスは、その搬送周波数(f
0)が中心周波数となり、全領域内のスピンを反転す
る。これにより、第1、第2スライス内のスピンも反転
し、続く周波数方向傾斜磁場Gf183の印加により、第2
スライス内のスピンからのエコー信号201が現われ、こ
れを受信用高周波コイルで受信する。この時、第1スラ
イスS1内のスピンは先に印加した傾斜磁場(Gf)18
1、182の印加量に相当する傾斜磁場の印加を180゜反転
後に受けていないために、エコー信号として結像せず、
第1スライスS1からのエコー信号は混入しない。次に
第1スライスからのエコー信号202を計測するための周
波数方向の傾斜磁場パルスGf184印加に先立ち、位相
エンコードパルス151及びスライス方向傾斜磁場125の印
加を行い、第2スライスのエコー信号201とは異なる位
相エンコードを与えると共に第1スライスのためのスラ
イス方向リフェイズを行い、第1スライスからのエコー
信号202を計測する。ここで各エコー信号の計測時に他
のスライスからの信号が混在しないことを、図4により
説明する。尚、図4においてA、B、Cはそれぞれハッチ
ングで示した面積(傾斜磁場の強度×時間)を表し、同
符号は同面積であることを示す。エコー信号は180゜パ
ルスの前後においてスライス方向Gs及び周波数方向G
fの二軸の傾斜磁場の印加総量(強度×時間:図中のハ
ッチングした面積の合計)が等しくなったときに発生す
るのであるから、第1スライスからのエコー信号202
は、第1スライス励起時(t0)から180゜パルス照射時
(t2)までに印加される周波数傾斜磁場181、182の印
加量の総和(3A)が、180゜パルス照射時(t2)後に印
加される周波数傾斜磁場183と184の印加量の総和(3A)
と等しく、またスライス傾斜磁場121、122、123、124の
印加量の総和(2B+C)が、スライス傾斜磁場124と125
の印加量の総和(2B+C)と等しくなったとき(t4)に
発生する。このとき第2スライスのスピンについては、
第2スライス励起時(t1)から180゜パルス111照射時
(t2)までの二軸(Gs、Gf)の傾斜磁場の印加量
の総和と、t2からt4までの印加量の総和とが異なるた
めエコーは生じない。同様に第2スライスからのエコー
信号201が発生する時点(t3)では、第1スライスのス
ピンについて二軸(Gs、Gf)の傾斜磁場の印加総量
が180゜パルス照射の前後で異なるため、第1スライス
からのエコーは発生しない。従って図4で示すような傾
斜磁場の与え方をすることにより、他のスライスからの
エコーが混在することなく各スライスについてエコー信
号を計測することができる。このように図1に示す計測
シーケンスでは、複数個の各180゜パルスの励起間に各
スライスに対応した2個のエコー信号を、異なる位相エ
ンコードを付与しつつ分離取得することができる。従っ
て、仮に180゜パルスを4個とした場合、各スライスか
らエコー時間の異なる4個のエコー信号を取得すること
ができる。即ち、第1スライスからはTE2、TE3、TE5、T
E6のエコー時間を有するエコー202、204、208、210が、
第2スライスからはTE1、TE3、TE4、TE6のエコー時間を
有するエコー201、205、207、211が計測される。ここで
各エコー時間TE1〜TE6は下式(3)〜(7)の関係にある。 TE2=TE1×2 ・・・(3) TE3=TE1×3 ・・・(4) TE4=TE1×4 ・・・(5) TE5=TE1×5 ・・・(6) TE6=TE1×6 ・・・(7) 結果として4個の180パルスの照射により、合計2(ス
ライス数)×4(180゜パルスの数)個のエコー信号を
取得する。その後一定の繰り返し時間Trの終了を待っ
て、次の繰り返しに入る。繰り返しは、各スライスにつ
いて1枚の画像を得るための位相エンコードステップ数
を180゜パルスの数で割った回数行われる。図5はこの
ような繰り返しをさらに詳細に示したもので、この図で
は、256位相エンコードステップ分のデータを収集する
ために、計測シーケンスは64回(=256÷4)の繰り
返しから成る。本発明の計測シーケンスでは、この繰り
返しにおいて各繰り返し時間ごとに励起するスライスの
順序をサイクリックに変更する。図示する例では、第1
回の繰り返し単位では第1スライス、第2スライスの順
で、第2回の繰り返し単位では第2スライス、第1スラ
イスの順で励起し、以下同様に奇数回では第1スライ
ス、第2スライスの順で、偶数回では第2スライス、第
1スライスの順で励起する。励起スライス数が3以上の
場合にも、同様にサイクリック(第1,2,3スライス
→第2,3,1スライス→第3,1,2スライス)に変
更する。これによりスライス励起順序が1順する1つの
サイクル内では、位相エンコードの加え方を全く同じに
して、各スライスについて異なる位相エンコードのエコ
ー信号を取得することができる。これら計測した各エコ
ー信号はスライス毎に各々1画像分のデータとして付与
された位相エンコード量に応じて計測空間上に配置した
上で画像再構成演算に供する。これにより従来の高速ス
ピンエコー法と同様に、位相エンコードステップ数25
6で各繰り返し時間Tr内で4個の180゜パルスを照射
するとした場合に64回の繰り返しで計測空間を埋める
ことができるが、本発明の計測シーケンスではスライス
数分の画像を得ることができる。即ち本発明の計測シー
ケンスでは、スライス数が2倍になっても180゜パルス
の数が増えていない点が大きな特徴となっている。位相
エンコードの付与の仕方及びデータの計測空間への配置
は、得ようとする画像がT2強調画像か、T1強調像或い
はプロトン密度像かにより異なるが、図1及び図5に示
す実施例では、T2強調画像を得るためにシーケンシャ
ルにデータを配列する場合の例を示している。即ち、こ
こでは比較的エコー時間の長い(TE3、TE4)エコー信号
を計測空間における低周波成分となるように配列してい
る。この際、本発明の計測シーケンスでは、繰り返し時
間毎にスライス励起順序をサイクリックに変更している
ので、各スライスから得られるエコー信号のエコー時間
も繰り返し時間毎にサイクリックに変化することになる
ので、スライス毎の画像コントラストを均一にすること
ができる。以上2スライスの場合を例にして本発明を説
明したが、この特徴および構成はスライス数が増えても
同様である。スライス数が3以上の場合でも、計測シー
ケンスの構成上は、図6に示すように、追加分のスライ
スを励起するためのRFパルス100と単純な傾斜磁場パ
ルスを追加するのみで同様に実施することができる。従
って、従来の高速スピンエコー法に比べ、180゜パルス
の照射回数をスライス数分の1に減らすことができる。
尚、3スライス以上の場合でも、繰り返し時間毎に励起
するスライスの順序をサイクリックに変更することは前
述の通りである。次に、本発明の他の実施例としてT1
強調像若くはプロトン密度像を得るのに好適な計測シー
ケンスの実施例を図7に示す。この計測シーケンスは、
スライス数の励起パルスとそれに続く複数の180゜パル
スとを組合せたマルシスライスシーケンスであることは
図1の実施例と同様であるが、図1の実施例との違いは
位相エンコード方向の傾斜磁場パルスGp150〜160の印
加順序である。この実施例では、エコー時間の短い(TE
1)のエコー信号を低周波成分とするセントリックの計
測データ配置をとっている。従ってT1強調像若くはプ
ロトン密度像を高コントラストで得ることができる。こ
の実施例でも、複数の180゜パルス間に位相エンコード
の異なるスライス数分のエコー信号を計測することがで
きることは図1の実施例と同様であり、これにより180
゜パルスの照射回数をスライス数分の1に減らすことが
できる。またスライス励起順序をサイクリックにするこ
とにより、スライス毎の画像コントラストを均一にする
ことができる。以上説明した図1及び図7の実施例で
は、180゜パルスとして非選択パルスを用いた場合を説
明したが、180゜パルスは全て非選択励起パルスであっ
ても、またスライス選択パルスによって励起されたスラ
イス群を選択的に1度に励起するパルスであってもよ
い。図8に図1の例における180゜パルスによる励起を
選択的励起とした場合を示す。この実施例では、複数の
スライスを選択的に1度に励起する点のみが図1の実施
例と異なり、その他は同様である。このように複数のス
ライスを選択的に1度に励起する場合には、スライス位
置及びスライス厚さに相当する励起周波数(f3)とエ
ンベロープ形状を有するRFパルス111〜115を、各々ス
ライス方向の傾斜磁場Gs124、127、130、133、136の
印加に同期して照射する。この際、図3(a)に示すよ
うに、2つのスライスが隣接している場合には、第1及
び第2スライスの90゜パルス励起時の励起周波数をそ
れぞれf1、f2とすると、180゜パルスの励起周波数
f3は、f3=(f1+f2)/4となり、それと同時に印
加される傾斜磁場Gs124、127、130、133、136の強度
は、90゜パルスと同時に印加される傾斜磁場Gs12
1、122の強度の1/2とする。また図3(b)に示すよ
うに、2つのスライス間にギャップ(幅d)がある場合
には、励起周波数f3は、
に基づいて詳細に説明する。図2は本発明が適用される
MRI装置の全体構成を示すブロック図である。このM
RI装置は、核磁気共鳴(NMR)現象を利用して被検
体の断層像を得るもので、主として静磁場発生系2と、
磁場勾配発生系3と、送信系5と、受信系6と、信号処
理系7と、シーケンサ4と、中央処理装置(CPU)8
とを備えている。静磁場発生系2は、被検体1の周りに
その体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場
を発生させるもので、被検体1の周りのある広がりをも
った空間に永久磁石方式または常電導方式あるいは超電
導方式の磁場発生磁石が配置されている。磁場勾配発生
系3は、X,Y,Zの三軸方向に巻かれた傾斜磁場コイ
ル9と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場
電源10とから成り、シーケンサ4からの命令に従ってそ
れぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動することによ
り、X,Y,Zの三軸方向の傾斜磁場Gx、Gy、Gzを
被検体1に印加するようになっている。この傾斜磁場の
加え方により被検体1に対するスライス面を設定するこ
とができる。シーケンサ4は、被検体1の生体組織を構
成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせるRFパル
スを所定のパルスシーケンスで繰り返し印加するもの
で、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層像のデー
タ収集に必要な種々の命令を、送信系5及び磁場勾配発
生系3並びに受信系6に送るようになっている。本発明
においてシーケンサ4が起動するパルスシーケンスはマ
ルチスライス計測シーケンスであり、後に詳述するよう
に本発明の特徴をなしている。送信系5は、シーケンサ
4から送り出される高周波パルスにより被検体1の生体
組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる
ために高周波磁場を照射するもので、高周波発振器11と
変調器12と高周波増幅器13と送信側の高周波コイル14a
とから成り、高周波発振器11から出力された高周波パル
スをシーケンサ4の命令にしたがって変調器12で振幅変
調し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器
13で増幅した後に被検体1に近接して配置された高周波
コイル14aに供給することにより、電磁波が被検体1に
照射されるようになっている。受信系6は、被検体1の
生体組織の原子核の核磁気共鳴により放出されるエコー
信号(NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波
コイル14bと増幅器15と直交位相検波器16とA/D変換器17
とから成り、送信側の高周波コイル14aから照射された
電磁波による被検体1の応答の電磁波(NMR信号)は
被検体1に近接して配置された高周波コイル14bで検出
され、増幅器15及び直交位相検波器16を介してA/D変換
器17に入力されディジタル量に変換され、さらにシーケ
ンサ4からの命令によるタイミングで直交位相検波器16
によりサンプリングされた二系列の収集データとされ、
その信号が信号処理系7に送られるようになっている。
この信号処理系7は、CPU8と、磁気ディスク18及び
磁気テープ19等の記録装置と、CRT等のディスプレイ
20とから成り、CPU8でフーリエ変換、補正係数計算
像再構成等の処理を行い、任意断面の信号強度分布ある
いは複数の信号に適当な演算を行って得られた分布を画
像化してディスプレイ20に断層像として表示するように
なっている。なお、図2において、送信側及び受信側の
高周波コイル14a、14bと傾斜磁場コイル9は、被検体1
の周りの空間に配置された静磁場発生磁石2の磁場空間
内に設置されている。次にこのような構成においてシー
ケンサ4の起動する高速マルチスライス計測パルスシー
ケンスを図1を参照して説明する。図1は、本発明の一
実施例として、T2強調画像を得るのに好適な計測シー
ケンスを模式的に示したタイミング線図である。本発明
による計測シーケンスでは、複数(N)枚のスライスを
励起するためのN個のRFパルスと、N枚全てのスライ
スを同時に励起する180゜パルスをM個組み合わせて用
いるもので、スライス数及び1繰り返し時間で用いられ
る180゜パルスの数は特に限定されないが、図では簡単
のために2枚のスライスS1、S2を計測する場合を示し
ている。この計測シーケンスでは、まずスライス数分の
スライス励起パルス101、102が印加される。スライス励
起パルスは、それぞれスライス位置及びスライス厚さに
相当する搬送周波数(f1、f2)とエンベロープ形状を
有するRFパルスであり、各々スライス方向の傾斜磁場
Gs121、122の印加に同期して照射される。ここで複数
のスライスは図3(a)及び(b)に示すように互いに
隣接するものであっても、適当なギャップを介して位置
するものであってもよい。このような2個の励起パルス
101、102を順次照射することにより、順次2枚のスライ
スを励起する。スライス傾斜磁場122に次いで印加され
る負極性のスライス方向傾斜磁場パルス123 はスライス
方向傾斜磁場印加によって生じたスライス内の位置依存
の位相ずれを戻すためのリフェイズパルスである。また
これら各スライスの励起の後に周波数方向の傾斜磁場パ
ルスGf181、182を印加し、各スライスに異なる位相回
転が与えられる。これは後述するように180゜パルス111
の照射後に2つのスライスからそれぞれ異なるエコー時
間(TE1、TE2)でエコー信号を得る(即ち、スライス毎
のエコー信号を分離検出する)ためのディフェイズパル
スである。また励起パルス102と180゜パルス111との間
に、最初のエコー信号に位相エンコードするための傾斜
磁場Gp150が印加される。次に非選択励起を行うM個
(図中、5個)の180゜パルス111〜115が順次印加され
る。この非選択的励起パルスは、その搬送周波数(f
0)が中心周波数となり、全領域内のスピンを反転す
る。これにより、第1、第2スライス内のスピンも反転
し、続く周波数方向傾斜磁場Gf183の印加により、第2
スライス内のスピンからのエコー信号201が現われ、こ
れを受信用高周波コイルで受信する。この時、第1スラ
イスS1内のスピンは先に印加した傾斜磁場(Gf)18
1、182の印加量に相当する傾斜磁場の印加を180゜反転
後に受けていないために、エコー信号として結像せず、
第1スライスS1からのエコー信号は混入しない。次に
第1スライスからのエコー信号202を計測するための周
波数方向の傾斜磁場パルスGf184印加に先立ち、位相
エンコードパルス151及びスライス方向傾斜磁場125の印
加を行い、第2スライスのエコー信号201とは異なる位
相エンコードを与えると共に第1スライスのためのスラ
イス方向リフェイズを行い、第1スライスからのエコー
信号202を計測する。ここで各エコー信号の計測時に他
のスライスからの信号が混在しないことを、図4により
説明する。尚、図4においてA、B、Cはそれぞれハッチ
ングで示した面積(傾斜磁場の強度×時間)を表し、同
符号は同面積であることを示す。エコー信号は180゜パ
ルスの前後においてスライス方向Gs及び周波数方向G
fの二軸の傾斜磁場の印加総量(強度×時間:図中のハ
ッチングした面積の合計)が等しくなったときに発生す
るのであるから、第1スライスからのエコー信号202
は、第1スライス励起時(t0)から180゜パルス照射時
(t2)までに印加される周波数傾斜磁場181、182の印
加量の総和(3A)が、180゜パルス照射時(t2)後に印
加される周波数傾斜磁場183と184の印加量の総和(3A)
と等しく、またスライス傾斜磁場121、122、123、124の
印加量の総和(2B+C)が、スライス傾斜磁場124と125
の印加量の総和(2B+C)と等しくなったとき(t4)に
発生する。このとき第2スライスのスピンについては、
第2スライス励起時(t1)から180゜パルス111照射時
(t2)までの二軸(Gs、Gf)の傾斜磁場の印加量
の総和と、t2からt4までの印加量の総和とが異なるた
めエコーは生じない。同様に第2スライスからのエコー
信号201が発生する時点(t3)では、第1スライスのス
ピンについて二軸(Gs、Gf)の傾斜磁場の印加総量
が180゜パルス照射の前後で異なるため、第1スライス
からのエコーは発生しない。従って図4で示すような傾
斜磁場の与え方をすることにより、他のスライスからの
エコーが混在することなく各スライスについてエコー信
号を計測することができる。このように図1に示す計測
シーケンスでは、複数個の各180゜パルスの励起間に各
スライスに対応した2個のエコー信号を、異なる位相エ
ンコードを付与しつつ分離取得することができる。従っ
て、仮に180゜パルスを4個とした場合、各スライスか
らエコー時間の異なる4個のエコー信号を取得すること
ができる。即ち、第1スライスからはTE2、TE3、TE5、T
E6のエコー時間を有するエコー202、204、208、210が、
第2スライスからはTE1、TE3、TE4、TE6のエコー時間を
有するエコー201、205、207、211が計測される。ここで
各エコー時間TE1〜TE6は下式(3)〜(7)の関係にある。 TE2=TE1×2 ・・・(3) TE3=TE1×3 ・・・(4) TE4=TE1×4 ・・・(5) TE5=TE1×5 ・・・(6) TE6=TE1×6 ・・・(7) 結果として4個の180パルスの照射により、合計2(ス
ライス数)×4(180゜パルスの数)個のエコー信号を
取得する。その後一定の繰り返し時間Trの終了を待っ
て、次の繰り返しに入る。繰り返しは、各スライスにつ
いて1枚の画像を得るための位相エンコードステップ数
を180゜パルスの数で割った回数行われる。図5はこの
ような繰り返しをさらに詳細に示したもので、この図で
は、256位相エンコードステップ分のデータを収集する
ために、計測シーケンスは64回(=256÷4)の繰り
返しから成る。本発明の計測シーケンスでは、この繰り
返しにおいて各繰り返し時間ごとに励起するスライスの
順序をサイクリックに変更する。図示する例では、第1
回の繰り返し単位では第1スライス、第2スライスの順
で、第2回の繰り返し単位では第2スライス、第1スラ
イスの順で励起し、以下同様に奇数回では第1スライ
ス、第2スライスの順で、偶数回では第2スライス、第
1スライスの順で励起する。励起スライス数が3以上の
場合にも、同様にサイクリック(第1,2,3スライス
→第2,3,1スライス→第3,1,2スライス)に変
更する。これによりスライス励起順序が1順する1つの
サイクル内では、位相エンコードの加え方を全く同じに
して、各スライスについて異なる位相エンコードのエコ
ー信号を取得することができる。これら計測した各エコ
ー信号はスライス毎に各々1画像分のデータとして付与
された位相エンコード量に応じて計測空間上に配置した
上で画像再構成演算に供する。これにより従来の高速ス
ピンエコー法と同様に、位相エンコードステップ数25
6で各繰り返し時間Tr内で4個の180゜パルスを照射
するとした場合に64回の繰り返しで計測空間を埋める
ことができるが、本発明の計測シーケンスではスライス
数分の画像を得ることができる。即ち本発明の計測シー
ケンスでは、スライス数が2倍になっても180゜パルス
の数が増えていない点が大きな特徴となっている。位相
エンコードの付与の仕方及びデータの計測空間への配置
は、得ようとする画像がT2強調画像か、T1強調像或い
はプロトン密度像かにより異なるが、図1及び図5に示
す実施例では、T2強調画像を得るためにシーケンシャ
ルにデータを配列する場合の例を示している。即ち、こ
こでは比較的エコー時間の長い(TE3、TE4)エコー信号
を計測空間における低周波成分となるように配列してい
る。この際、本発明の計測シーケンスでは、繰り返し時
間毎にスライス励起順序をサイクリックに変更している
ので、各スライスから得られるエコー信号のエコー時間
も繰り返し時間毎にサイクリックに変化することになる
ので、スライス毎の画像コントラストを均一にすること
ができる。以上2スライスの場合を例にして本発明を説
明したが、この特徴および構成はスライス数が増えても
同様である。スライス数が3以上の場合でも、計測シー
ケンスの構成上は、図6に示すように、追加分のスライ
スを励起するためのRFパルス100と単純な傾斜磁場パ
ルスを追加するのみで同様に実施することができる。従
って、従来の高速スピンエコー法に比べ、180゜パルス
の照射回数をスライス数分の1に減らすことができる。
尚、3スライス以上の場合でも、繰り返し時間毎に励起
するスライスの順序をサイクリックに変更することは前
述の通りである。次に、本発明の他の実施例としてT1
強調像若くはプロトン密度像を得るのに好適な計測シー
ケンスの実施例を図7に示す。この計測シーケンスは、
スライス数の励起パルスとそれに続く複数の180゜パル
スとを組合せたマルシスライスシーケンスであることは
図1の実施例と同様であるが、図1の実施例との違いは
位相エンコード方向の傾斜磁場パルスGp150〜160の印
加順序である。この実施例では、エコー時間の短い(TE
1)のエコー信号を低周波成分とするセントリックの計
測データ配置をとっている。従ってT1強調像若くはプ
ロトン密度像を高コントラストで得ることができる。こ
の実施例でも、複数の180゜パルス間に位相エンコード
の異なるスライス数分のエコー信号を計測することがで
きることは図1の実施例と同様であり、これにより180
゜パルスの照射回数をスライス数分の1に減らすことが
できる。またスライス励起順序をサイクリックにするこ
とにより、スライス毎の画像コントラストを均一にする
ことができる。以上説明した図1及び図7の実施例で
は、180゜パルスとして非選択パルスを用いた場合を説
明したが、180゜パルスは全て非選択励起パルスであっ
ても、またスライス選択パルスによって励起されたスラ
イス群を選択的に1度に励起するパルスであってもよ
い。図8に図1の例における180゜パルスによる励起を
選択的励起とした場合を示す。この実施例では、複数の
スライスを選択的に1度に励起する点のみが図1の実施
例と異なり、その他は同様である。このように複数のス
ライスを選択的に1度に励起する場合には、スライス位
置及びスライス厚さに相当する励起周波数(f3)とエ
ンベロープ形状を有するRFパルス111〜115を、各々ス
ライス方向の傾斜磁場Gs124、127、130、133、136の
印加に同期して照射する。この際、図3(a)に示すよ
うに、2つのスライスが隣接している場合には、第1及
び第2スライスの90゜パルス励起時の励起周波数をそ
れぞれf1、f2とすると、180゜パルスの励起周波数
f3は、f3=(f1+f2)/4となり、それと同時に印
加される傾斜磁場Gs124、127、130、133、136の強度
は、90゜パルスと同時に印加される傾斜磁場Gs12
1、122の強度の1/2とする。また図3(b)に示すよ
うに、2つのスライス間にギャップ(幅d)がある場合
には、励起周波数f3は、
【数1】 となり、傾斜磁場Gs124、127、130、133、136の強度
は、傾斜磁場Gs121、122の強度の{△Z/(2・△Z
+d)}倍となる。この他、スライス間にギャップがあ
る場合には、それぞれの励起プロファイルを逆フーリエ
変換したRFパルスを合成して照射するなどの方法をとっ
てもよい。図8に示す例では、180゜パルスとして選択
的励起パルスを用いることにより、他の領域を励起する
ことなく該当する2スライスのみを励起する。この選択
励起パルスの適用は、図7に示すセントリックの計測デ
ータ配置法の場合も同様に行うことができる。ところで
図1、図7及び図8に示した実施例では、複数のスライ
スを励起するステップと複数の180゜パルスを照射する
とともに180゜パルス後にスライス分のエコー信号を計
測するステップとを繰り返しの1単位として所定の繰り
返し時間Trの経過後繰り返して各スライスについて計
測空間分のデータを取得する場合を説明したが、T2強
調画像の取得を目的とした場合などでは、繰り返し時間
Trを数秒以上の長めの値に設定するため、全ての計測
を終了する時間も長くなる。従ってこのような場合に
は、1つの繰り返し時間内に1つのスライス群(複数の
スライス)についての計測を、対象とするスライス群を
変えて複数回行うことも可能である。図9に1度に複数
のスライス群の計測を行うマルチスライス群計測法の一
例を示した。この方法は、上記図1や図7、8のような
一連のパルス列を一単位として、得られる複数のスライ
スを一つの群と考えて、その群を従来のマルチスライス
計測法と同様に順次励起・計測する方法である。図示す
る実施例では、まず2つのスライスS1、S2についてそ
れぞれ90゜パルスにより選択励起した後、両スライス
を選択励起する180゜パルスを4回照射して、各スラ
イス毎に異なるエコー時間で180゜パルスと同数のエ
コー信号を取得する。このスライスS1、S2についての
繰り返し時間Tr内で、スライスS1、S2とは異なるス
ライス群(スライスS3、S4)について同様の計測を行
い、エコー信号を取得する。同様に第3のスライス群
(スライスS5、S6)、第4のスライス群(スライスS
7、S8)についてもこの繰り返し時間Tr内で同様の計
測を行う。図9では、励起パルスのタイミングのみ示さ
れ、各傾斜磁場及びエコー信号の計測は示されていない
が、これらは例えば図8に示す一連のパルス列から成っ
ており、次の繰り返し時間Trでは位相エンコード傾斜
磁場を変えながら同様のパルス列による計測を、4つの
スライス群についてそれぞれ実行する。この繰り返し
を、1枚の画像を得るために必要な位相エンコードステ
ップ数を180゜パルスの数で割った回数(例えば図示す
る実施例では256/4回)、繰り返すことにより、各
スライス群について画像再構成に必要なエコー信号を計
測することができる。このマルチスライス群計測法によ
れば、1つのスライス群について見ると1回の励起ステ
ップから次の励起ステップまでに比較的長い繰り返し時
間を設定することができ、しかもその待ち時間を利用し
て、第2、第3・・のスライス群についての計測を行う
ことができるので、繰り返し時間Trの比較的長い画像
取得の場合でも、計測時間を短縮し高速化することがで
きる。このマルチスライス群計測法においても、繰り返
し毎にスライス励起順序をサイクリックにすることによ
り、スライス毎の画像コントラストを均一にすることが
できる。尚、図示する実施例では2つのスライスから成
るスライス群4つについて計測する例を示しているが、
スライス群を構成するスライス数、1繰り返し時間内に
計測するスライス群の数はこれらに限定されるものでは
ない。また180゜パルスの数も4に限定されるもので
はない。
は、傾斜磁場Gs121、122の強度の{△Z/(2・△Z
+d)}倍となる。この他、スライス間にギャップがあ
る場合には、それぞれの励起プロファイルを逆フーリエ
変換したRFパルスを合成して照射するなどの方法をとっ
てもよい。図8に示す例では、180゜パルスとして選択
的励起パルスを用いることにより、他の領域を励起する
ことなく該当する2スライスのみを励起する。この選択
励起パルスの適用は、図7に示すセントリックの計測デ
ータ配置法の場合も同様に行うことができる。ところで
図1、図7及び図8に示した実施例では、複数のスライ
スを励起するステップと複数の180゜パルスを照射する
とともに180゜パルス後にスライス分のエコー信号を計
測するステップとを繰り返しの1単位として所定の繰り
返し時間Trの経過後繰り返して各スライスについて計
測空間分のデータを取得する場合を説明したが、T2強
調画像の取得を目的とした場合などでは、繰り返し時間
Trを数秒以上の長めの値に設定するため、全ての計測
を終了する時間も長くなる。従ってこのような場合に
は、1つの繰り返し時間内に1つのスライス群(複数の
スライス)についての計測を、対象とするスライス群を
変えて複数回行うことも可能である。図9に1度に複数
のスライス群の計測を行うマルチスライス群計測法の一
例を示した。この方法は、上記図1や図7、8のような
一連のパルス列を一単位として、得られる複数のスライ
スを一つの群と考えて、その群を従来のマルチスライス
計測法と同様に順次励起・計測する方法である。図示す
る実施例では、まず2つのスライスS1、S2についてそ
れぞれ90゜パルスにより選択励起した後、両スライス
を選択励起する180゜パルスを4回照射して、各スラ
イス毎に異なるエコー時間で180゜パルスと同数のエ
コー信号を取得する。このスライスS1、S2についての
繰り返し時間Tr内で、スライスS1、S2とは異なるス
ライス群(スライスS3、S4)について同様の計測を行
い、エコー信号を取得する。同様に第3のスライス群
(スライスS5、S6)、第4のスライス群(スライスS
7、S8)についてもこの繰り返し時間Tr内で同様の計
測を行う。図9では、励起パルスのタイミングのみ示さ
れ、各傾斜磁場及びエコー信号の計測は示されていない
が、これらは例えば図8に示す一連のパルス列から成っ
ており、次の繰り返し時間Trでは位相エンコード傾斜
磁場を変えながら同様のパルス列による計測を、4つの
スライス群についてそれぞれ実行する。この繰り返し
を、1枚の画像を得るために必要な位相エンコードステ
ップ数を180゜パルスの数で割った回数(例えば図示す
る実施例では256/4回)、繰り返すことにより、各
スライス群について画像再構成に必要なエコー信号を計
測することができる。このマルチスライス群計測法によ
れば、1つのスライス群について見ると1回の励起ステ
ップから次の励起ステップまでに比較的長い繰り返し時
間を設定することができ、しかもその待ち時間を利用し
て、第2、第3・・のスライス群についての計測を行う
ことができるので、繰り返し時間Trの比較的長い画像
取得の場合でも、計測時間を短縮し高速化することがで
きる。このマルチスライス群計測法においても、繰り返
し毎にスライス励起順序をサイクリックにすることによ
り、スライス毎の画像コントラストを均一にすることが
できる。尚、図示する実施例では2つのスライスから成
るスライス群4つについて計測する例を示しているが、
スライス群を構成するスライス数、1繰り返し時間内に
計測するスライス群の数はこれらに限定されるものでは
ない。また180゜パルスの数も4に限定されるもので
はない。
【発明の効果】本発明のMRI装置によれば、1の繰り
返し時間内に複数のスライスを順次励起するとともに各
スライスについて180゜パルスの数だけエコー信号を計
測するとともに、各スライスを励起する順序を繰り返し
毎にサイクリックに変更するようにしたマルチスライス
計測シーケンスを採用することにより、従来のスピンエ
コー法と同等のコントラストを有する画像をマルチスラ
イスで短時間で撮像できる。さらに従来の高速スピンエ
コー法シーケンスに対して180゜パルスの照射回数を低
減できるために、SARやMTC効果を抑制できる他、
送信系として高強度のパワーアンプを必要とせずコスト
を抑制し、照射時間節減による計測時間の有効利用によ
る画像のS/N向上が期待できる。
返し時間内に複数のスライスを順次励起するとともに各
スライスについて180゜パルスの数だけエコー信号を計
測するとともに、各スライスを励起する順序を繰り返し
毎にサイクリックに変更するようにしたマルチスライス
計測シーケンスを採用することにより、従来のスピンエ
コー法と同等のコントラストを有する画像をマルチスラ
イスで短時間で撮像できる。さらに従来の高速スピンエ
コー法シーケンスに対して180゜パルスの照射回数を低
減できるために、SARやMTC効果を抑制できる他、
送信系として高強度のパワーアンプを必要とせずコスト
を抑制し、照射時間節減による計測時間の有効利用によ
る画像のS/N向上が期待できる。
【図1】本発明の1実施例である高速マルチスライス計
測パルスシーケンスを模式的に表わしたタイミング線
図。
測パルスシーケンスを模式的に表わしたタイミング線
図。
【図2】本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示
すブロック図。
すブロック図。
【図3】本発明において用いられるRFパルスの周波数
と傾斜磁場印加強度の関係を説明する図で、(a)は複
数のスライスが隣接する場合、(b)はスライス間にギ
ャップがある場合である。
と傾斜磁場印加強度の関係を説明する図で、(a)は複
数のスライスが隣接する場合、(b)はスライス間にギ
ャップがある場合である。
【図4】本発明の最も単純な例である2スライス計測時
のエコー発生機序を説明する図。
のエコー発生機序を説明する図。
【図5】本発明の高速マルチスライス計測法におけるパ
ルスシーケンスの動作と得られたエコー信号の計測空間
上への配列を説明する図。
ルスシーケンスの動作と得られたエコー信号の計測空間
上への配列を説明する図。
【図6】本発明の他の実施例の計測シーケンスの一部を
模式的に表わしたタイミング線図。
模式的に表わしたタイミング線図。
【図7】本発明の他の実施例である高速マルチスライス
計測パルスシーケンスを模式的に表わしたタイミング線
図。
計測パルスシーケンスを模式的に表わしたタイミング線
図。
【図8】本発明の高速マルチスライス計測パルスシーケ
ンスの他の実施例を模式的に表わしたタイミング線図。
ンスの他の実施例を模式的に表わしたタイミング線図。
【図9】本発明の他の実施例のマルチスライス群計測シ
ーケンスを模式的に表わしたタイミング線図。
ーケンスを模式的に表わしたタイミング線図。
1・・・被検体 2・・・磁場発生装置 3・・・磁場勾配発生系 4・・・シーケンサ 5・・・送信系 6・・・受信系 7・・・信号処理系 8・・・CPU
Claims (5)
- 【請求項1】 被検体に静磁場及び傾斜磁場をそれぞれ
与える各磁場発生手段と、被検体の生体組織の原子核に
核磁気共鳴を起こさせるために高周波磁場を照射する送
信系と、前記核磁気共鳴により放出されるエコー信号を
検出する受信系と、これら傾斜磁場及び高周波磁場を所
定のパルスシーケンスで繰り返し印加するために前記磁
場発生手段、送信系及び受信系を制御するシーケンサ
と、前記受信系で検出したエコー信号を用いて画像再構
成演算を行う信号処理系と、得られた画像を表示する手
段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、前記
シーケンサは、 1)複数のスライスを励起するためのスライス数と同数
の高周波磁場パルスを印加し、 2)次いで全てのスライスを同時に励起する180゜パル
スを複数個、順次印加しながら、各スライス毎に前記18
0゜パルスと同数のエコー信号をエコー時間に依存して
異なる位相エンコードを付与して計測するシーケンスを
繰り返し、 3)受信した各エコー信号を、スライス毎に各々1画像
分のデータとして付与された位相エンコード量に応じて
計測空間上に配置し、前記画像再構成演算に供すること
を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 【請求項2】 前記シーケンスの繰り返しごとに励起す
るスライスの順序をサイクリックに変更することを特徴
とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。 - 【請求項3】 前記180゜パルスは全て非選択励起パル
スであることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気共
鳴イメージング装置。 - 【請求項4】 前記180゜パルスは全て該当するスライ
ス群を選択的に1度に励起するパルスであることを特徴
とする請求項1又は2記載の磁気共鳴イメージング装
置。 - 【請求項5】 前記シーケンサは、1)複数のスライス
からなるスライス群を励起するためのスライス数と同数
の高周波磁場パルスを印加するステップと、2)次いで
1スライス群内の全てのスライスを同時に励起する180
゜パルスを複数個、順次印加しながら、各スライス毎に
前記180゜パルスと同数のエコー信号をエコー時間に依
存して異なる位相エンコードを付与して計測するステッ
プとを1単位として、3)前記シーケンスの1繰り返し
時間内に励起するスライス群の位置を変えながら複数の
単位の計測を行い、4)複数のスライス群の断層画像を
作成することを特徴とする請求項1又は2記載の磁気共
鳴イメージング装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8226829A JPH1066684A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 磁気共鳴イメージング装置 |
US08/918,973 US6097185A (en) | 1996-08-28 | 1997-08-27 | Magnetic resonance imaging apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8226829A JPH1066684A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 磁気共鳴イメージング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1066684A true JPH1066684A (ja) | 1998-03-10 |
Family
ID=16851238
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8226829A Pending JPH1066684A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 磁気共鳴イメージング装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6097185A (ja) |
JP (1) | JPH1066684A (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6853188B2 (en) * | 1999-12-31 | 2005-02-08 | Advanced Mri Technologies, Llc | Method and apparatus for removing specific stimulated echoes in simultaneous image refocusing |
DE10133491B4 (de) * | 2001-07-10 | 2004-06-03 | Universitätsklinikum Freiburg | Bildgebendes Mehrschicht-Verfahren der Magnetresonanz mit unabhängiger Wahl von TR(TRIM) |
US7660618B2 (en) * | 2002-06-07 | 2010-02-09 | Hitachi Medical Corporation | Magnetic resonance imaging device |
WO2009032336A1 (en) * | 2007-09-07 | 2009-03-12 | The Johns Hopkins University | Sar dosimeter for rf power deposition in mri and methods and systems related thereto |
KR101463420B1 (ko) * | 2013-01-04 | 2014-11-19 | 삼성전자주식회사 | 자기 공명 영상 촬영 방법 및 장치 |
DE102014202606B4 (de) * | 2014-02-13 | 2015-10-01 | Siemens Aktiengesellschaft | Erstellung von Magnetresonanzaufnahmen unter Verwendung von Aufnahmeblöcken aus unterschiedlichen Schichten in unterschiedlichen Reihenfolgen |
DE102015206874B4 (de) * | 2015-04-16 | 2017-04-13 | Siemens Healthcare Gmbh | Zeitaufgelöste MR-Abbildungen bei zyklischer Bewegung |
EP3462205A1 (de) * | 2017-09-29 | 2019-04-03 | Siemens Healthcare GmbH | Simultane magnetresonanz-multi-kontrastaufnahme |
DE102017221608A1 (de) * | 2017-11-30 | 2019-06-06 | Siemens Healthcare Gmbh | Vorrichtung und Verfahren zum Erzeugen von Anregungspulsen |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FI67449C (fi) * | 1982-12-17 | 1985-03-11 | Instrumentarium Oy | Foerfarande foer utredning av objektets struktur och egenskaper |
US4717879A (en) * | 1986-05-05 | 1988-01-05 | Duke University | Pulse sequence for NMR image acquisition |
US5749834A (en) * | 1996-12-30 | 1998-05-12 | General Electric Company | Intersecting multislice MRI data acquistion method |
-
1996
- 1996-08-28 JP JP8226829A patent/JPH1066684A/ja active Pending
-
1997
- 1997-08-27 US US08/918,973 patent/US6097185A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US6097185A (en) | 2000-08-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3529446B2 (ja) | Epi及びgrase mriにおける読み出し傾斜磁界極性の補正方法 | |
EP2199815A1 (en) | MR imaging with CEST contrast enhancement | |
WO2000032107A1 (fr) | Dispositif de diagnostic par imagerie a resonance magnetique | |
US6169398B1 (en) | Magnetic resonance imaging apparatus and imaging method | |
JP3276669B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
JPH07116144A (ja) | 核磁気共鳴撮影方法及び装置 | |
US5655532A (en) | Magnetic resonance imaging apparatus and its method | |
JPH1066684A (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
JP3516421B2 (ja) | Mri装置 | |
JP4462781B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
JP4609975B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
JP3440134B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
JP3201649B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
JP3163125B2 (ja) | Mri装置 | |
JP3332951B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
JPH0245448B2 (ja) | ||
JP3499927B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
JPH07163541A (ja) | 磁気共鳴イメージング装置における血流描出方法 | |
JP3194606B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
JP3478867B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
JPH07227387A (ja) | 磁気共鳴イメージング方法 | |
JP3317552B2 (ja) | Mri装置 | |
JPH08266509A (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
JP3322695B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
JPH0470013B2 (ja) |