JP3194606B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JP3194606B2 JP31146991A JP31146991A JP3194606B2 JP 3194606 B2 JP3194606 B2 JP 3194606B2 JP 31146991 A JP31146991 A JP 31146991A JP 31146991 A JP31146991 A JP 31146991A JP 3194606 B2 JP3194606 B2 JP 3194606B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核磁気共鳴(以下、N
MRと略記する)現象を利用して被検体の所望部位の断
層画像を得る磁気共鳴イメージング装置に関し、特に血
流描画手段を有する磁気共鳴イメージング装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージング装置は、NMR現
象を利用して被検体中の所望の検査部位における原子核
スピン(以下、単にスピンと称する)の密度分布、緩和
時間分布等を計測して、その計測データから被検体の任
意の断面を画像表示するものである。そして、従来の磁
気共鳴イメージング装置は、図3に示すように、被検体
1に静磁場を与える静磁場発生磁石2と、該被検体1に
傾斜磁場を与える磁場勾配発生系3と、上記被検体1の
生体組織を構成する原子の原子核にNMRを起こさせる
高周波パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し
印加するシーケンサ7と、このシーケンサ7からの高周
波パルスにより被検体1の生体組織を構成する原子の原
子核にNMRを起こさせるために高周波磁場を照射する
送信系4と、上記のNMRにより放出されるエコー信号
を検出する受信系5と、この受信系5で検出したエコー
信号を用いて画像再構成演算を行う信号処理系6とを備
え、NMRにより放出されるエコー信号の計測を繰り返
し行って断層像を得るようになっていた。
【0003】この装置では、図3に示すように0.02
〜2テスラ程度の静磁場を発生させる静磁場発生磁石2
の中に被検体1が置かれる。この時、被検体1中のスピ
ンは静磁場の強さH0によって決まる周波数で静磁場の
方向を軸として歳差運動を行う。この周波数をラーモア
周波数と呼び、ラーモア周波数ν0は、 ここにH0:静磁場強度 γ :磁気回転比 で表わされる原子核の種類ごとに固有の値をもってい
る。また、ラーモア歳差運動の角速度をω0とすると、 ω0=2πν0 の関係にあるため、 ω0=γ・H0 (2) で与えられる。
【0004】そして送信系4内の高周波照射コイル14
aによって計測しようとする原子核のラーモア周波数ν
0に等しい周波数f0の高周波磁場(電磁波)を加える
と、スピンが励起され高いエネルギー状態に遷移する。
この高周波磁場を打ち切ると、スピンはそれぞれの状態
に応じた時定数でもとの低いエネルギー状態に戻る。こ
の時に放出される電磁波を受信系5内の高周波受信コイ
ル14bで受信し、増幅器15で増幅、波形整形した
後、A/D変換器17でデジタル化して中央処理装置
(以下、CPUと称する)8に送る。CPU8では、こ
のデータを基に画像を再構成演算し、被検体1の断層画
像をディスプレイ(以下、CRTと称する)20に表示
する。上記の高周波磁場は、CPU8により制御される
シーケンサ7が送り出す信号を図示省略の高周波送信コ
イル用電源によって増幅したものを高周波送信コイル1
4aに送ることで得られる。
【0005】また、上記の磁気共鳴イメージング装置に
おいては、以上の静磁場と高周波磁場の他に、空間内の
位置情報を得るための傾斜磁場を作るために、傾斜磁場
コイル9を備えている。これらの傾斜磁場コイル9は、
シーケンサ7からの信号で動作する傾斜磁場電源10か
ら電流を供給され、傾斜磁場を発生するものである。
【0006】ここで、磁気共鳴イメージング装置の撮像
原理について図4を参照して説明する。まず、図4
(a)に示すようにZ方向の静磁場H0中に置かれた原
子核は、古典物理学的に見ると1個の棒磁石のように振
る舞い、先に述べたラーモア周波数ν0でZ軸の周りに
歳差運動を行っている。この周波数は前記第(2)式で
与えられ、静磁場の強度H0に比例している。第(1)
式及び第(2)式におけるγは磁気回転比と呼ばれ、原
子核に固有の値をもっている。一般には測定対象の原子
核は膨大な数にのぼり、それぞれが勝手な位相で回転し
ているために、全体で見るとX−Y面内の成分は打ち消
し合い、Z方向成分のみの巨視的磁化が残る。この状態
で図4(b)に示すように、X方向にラーモア周波数ν
0に等しい周波数の高周波磁場H1を印加すると、巨視的
磁化はY方向に倒れ始める。この倒れる角度は上記高周
波磁場H1の振幅と印加時間の積に比例し、パルス印加
時点に対し90°倒れる時の高周波磁場H1を90°パ
ルス、180°倒れる時の高周波磁場H1を180°パ
ルスと呼ぶ。なお、図4(a),(b)におけるX,
Y,Z三軸は、それぞれ直交したデカルト座標軸であ
る。
【0007】このような磁気共鳴イメージング装置にお
ける撮像で一般的に用いられる方法には、二次元フーリ
エイメージング法がある。図5は上記二次元フーリエイ
メージング法のうち代表的なスピンエコー法のパルスシ
ーケンスを模式的に示したタイミング線図である。図5
において、(a)図は高周波磁場の信号の照射タイミン
グ及び被検体のスライス位置を選択的に励起するための
エンベロープを示している。(b)図はスライス方向の
傾斜磁場Gzの印加のタイミングを示し、(c)図は位
相エンコード方向傾斜磁場Gyの印加のタイミング及び
その振幅を変えて計測することを示しており、(d)図
は周波数エンコード方向傾斜磁場Gxの印加のタイミン
グを示している。また、(e)図は計測されるエコー信
号(NMR信号)を示している。
【0008】図5に示すパルスシーケンスでは、まず、
90°パルスを印加した後、エコータイムをTeとした
ときのTe/2の時点で180°パルスを加える。上記
90°パルスを加えた後、各スピンはそれぞれに固有の
速度でX−Y面内で回転を始めるため、時間の経過とと
もに各スピン間に位相差が生じる。ここで180°パル
スが加わると各スピンはX軸に対称に反転し、その後も
同じ速度で回転を続けるために図5に示す時刻Teでス
ピンは再び収束し、図5(e)に示すようにエコー信号
を形成する。上記のようにして信号は計測されるが、断
層画像を構成するためには信号の空間的な分布を求めね
ばならない。このために線形の傾斜磁場を用いる。均一
な静磁場に傾斜磁場を重畳することで空間的な磁場勾配
ができる。先にも述べたようにスピンの回転周波数は磁
場強度に比例しているから、傾斜磁場が加わった状態に
おいては、各スピンの回転周波数は空間的に異なる。従
って、この周波数を調べることによって各スピンの位置
を知ることができる。この目的のために、図5に示す位
相エンコード方向傾斜磁場Gyと周波数エンコード方向
傾斜磁場Gxが用いられている。
【0009】以上に述べたパルスシーケンスを基本単位
として、位相エンコード方向傾斜磁場Gyの強度を毎回
変えながら一定の繰り返し時間Tr毎に、所定回数、例
えば256回繰り返す。こうして得られた計測信号を二
次元逆フーリエ変換することで図4(a)に示す巨視的
磁化の空間的分布が求められる。以上の説明において、
3種類の傾斜磁場は互いに重複しなければ、X,Y,Z
のいずれであってもよく、あるいはそれらの複合された
ものであっても構わない。なお、以上の磁気共鳴イメー
ジングの基本原理については、「NMR医学(基礎と臨
床)」(核磁気共鳴医学研究会編・丸善株式会社・昭和
59年1月20日発行)において詳述されている。
【0010】次に、磁気共鳴イメージング装置における
血流描画原理について説明する。磁気共鳴イメージング
装置における血流描画手法としては、第一にスライス面
への流入効果を用いたTime-of-flight法、第二に血流に
よる位相拡散の有無を用いて差分を行なうPhase-sensit
ive法、第三に血流による位相拡散の極性を反転し、差
分を行なうPhase-contrast法、の3種類の方法が主に用
いられている。
【0011】まず、第一のTime-of-flight法について簡
単に説明する。磁気共鳴イメージング装置においては、
同一の領域に対して、高周波磁場による励起を、短時間
例えば数10msで連続的に行なった場合、当該領域の
組織に含まれるスピンは飽和状態となり、発せられる信
号は低いものとなる。これに対して、血流に含まれるス
ピンは随時当該領域から流出し、新たに未飽和のスピン
が流入してくるため、相対的に他の組織より高信号を発
する。この流入効果を利用して、複数枚のスライスにつ
いて撮像を行ない、得られた画像を重ねあわせ投影処理
を行なえば、血流の描画が可能となる。この流入効果に
よる血流の高信号化は”Magnetic Resonance Imaging.
Stark DD et al. edited, The C.V.Mosby Company, pp1
08〜137,1988"に詳しい。
【0012】次に、第二のPhase-sensitive法について
簡単に説明する。磁気共鳴イメージング装置において
は、エコー信号(NMR信号)の計測にあたって上述の
ように数種類の傾斜磁場を印加するが、それらの傾斜磁
場の印加により、励起されたスピンは、位置及び移動速
度に依存した位相回転を受ける。すなわち、図6に示す
ように、例えば時刻t1においてX0の位置に2個のスピ
ンS1,S2が存在するとし、一方のスピンS1は静止し
ており、他方のスピンS2は速度vでX方向に移動して
いるとした場合、図7に示すように、時刻t1からt2
での周波数エンコード方向の傾斜磁場Gxの印加によ
り、それぞれ次式に示す位相変化Φs,Φfを受ける。 この第(3)式と第(4)式から、 となる。そして、この第(5)式から、静止スピンΦs
(S1)と移動スピンΦf(S2)との位相差は、移動速
度vに比例していることがわかる。
【0013】従って、図8(a)〜(e)に示す標準的
スピンエコーシーケンスにおいては、エコー信号Eの計
測の際に、図8(e)に示すように、静止スピンΦs
(破線のカーブで示す)と移動スピンΦf(実線のカー
ブで示す)との位相が揃わないこととなる。ここで、上
記標準的スピンエコーシーケンスにおける傾斜磁場に対
して、図9(b)に示すように負方向の傾斜磁場A,B
を追加することにより、図9(e)に示すようにエコー
信号Eのピーク(図9(a)参照)に一致して静止スピ
ンと移動スピンとの位相が揃うこととなる。以下、図8
(a)〜(e)に示すパルスシーケンスを位相感応型
(Phase sensitive)シーケンスと呼び、図9(a)〜
(e)に示すパルスシーケンスを位相不感型(Phase in
sensitive)シーケンスと呼ぶ。位相不感型シーケンス
では、静止部分については位相感応型シーケンスで得ら
れる信号強度と等強度の信号が得られ、移動磁化の存在
部位では、位相拡散による信号の欠損を抑え、位相感応
型シーケンスより高い信号が得られる。従って、図10
に示すように、位相感応型シーケンスで計測した位相感
応画像I1と、位相不感型シーケンスで計測した位相不
感画像I2との差をとって差分画像I3を得ることによ
り、例えば血管21内の血流のような移動部分のみを画
像化することができる。このような位相感応型シーケン
ス及び位相不感型シーケンスによって得られた画像間の
差から血管像を得る手法については、「Cerebral MR A
ngioimaging(脳血管磁気共鳴画像法)の研究−第1報
−」(福井啓二 他、CT研究10(2) 1988年)の第133
頁から第142頁に詳述されている。
【0014】第3のPhase-contrast法について説明す
る。上述したように、傾斜磁場の印加により血流内のス
ピンは位相回転を受ける。従って、図11に示すような
正負1対の傾斜磁場パルスを印加した場合、その印加順
序によって、血流内のスピンは、流速に応じた位相回転
Фf-またはФf+を受ける。この正負1対の傾斜磁場パル
スはフローエンコードパルスと呼ばれる。フローエンコ
ードパルスの極性を反転(すなわち+−の順序を逆転)
すれば、上記のように位相回転の極性も反転するため、
これらを交互に印加し得られる信号の複素差分を取れ
ば、位相回転を受けない静止部分の信号は除去され、血
流信号のみ検出される。この得られる信号強度は流速に
依存して変化し、Фf-とФf+の位相差がπとなる流速を
有するとき信号強度は最大となる。この Phase Contras
t 法については、” Magnetic resonance angiography.
Dumoulin CL, et al.Radiology 161:717〜720,1986"に
詳しい。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、特
に2次元のTime-of-flight法において、被検体の心臓の
拍動周期を無視して各スライスの計測を行なった場合、
心時相に応じて血流速度が異なるために、各位相エンコ
ードステップにおいて流速が異なり、流入効果が変化
し、血流に由来する信号も変化する。この場合、各スラ
イスにおいては、0位相エンコード付近での流速に依存
した信号強度を呈する。0位相エンコード付近の流速は
スライスごとに不定であるから、特にスピードの変化の
激しい血管では、スライスごとに血管内の信号強度が変
化することになり、投影により作成する血管像が、図1
3に示すように不均一に描出されることになる。一方こ
れを避けるために、図14に示す心電同期撮像を行なっ
た場合、計測期間(以下、TRと称する)は心拍周期と
同じ、または整数倍となり、Time-of-flight法に要求さ
れる短TRが実現不可能となる。また、撮像時間も膨大
なものとなる。
【0016】本発明はこのような撮像時間の増大もな
く、Time-of-flight法に要求される短TRも保ちなが
ら、不均一のない良好な血管像を提供することを目的と
する。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、被検体に静磁場を与える静磁場発生手段と、該被検
体に傾斜磁場を与える傾斜磁場発生手段と、上記被検体
の生体組織を構成する原子の原子核にNMRを起こさせ
る高周波パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返
し印加するシーケンサと、このシーケンサからの高周波
パルスにより被検体の生体組織の原子核にNMRを起こ
させるために高周波磁場を照射する送信系と、上記のN
MRにより放出されるエコー信号を検出する受信系と、
この受信系で検出したエコー信号を用いて画像再構成演
算を行う信号処理系と、得られた画像を表示する手段と
を備え、NMRにより放出されるエコー信号の計測を繰
り返し行って断層像を得る磁気共鳴イメージング装置に
おいて、上記シーケンサは上記被検体内の血流を描出す
るパルスシーケンスを備え、該パルスシーケンスを用い
ての計測に際しては撮像対象スライスの最初のエコー信
号計測のみ心電図に同期して計測を開始するものとし、
同一スライスにおいてその後繰り返される計測は、全て
心電図に非同期で設定された繰り返し時間に従い計測を
行なうことにより、心電図略同期血管撮像を可能とした
ものである。
【0018】さらに上記血流描出パルスシーケンスは、
流入効果を用いた二次元フーリエ変換法に基づくパルス
シーケンスであり、複数枚の隣接する薄スライスを順次
連続的に撮像することとし、各スライスの撮像開始時の
みに心電図に同期してエコー信号を採集すると共に、リ
フェイズ法及びディフェイズ法による画像の差分により
血流の画像化を行なう二次元フーリエ変換法に基づくパ
ルスシーケンスであり、複数枚の隣接する薄スライスを
順次連続的に撮像することとし、各スライスの撮像開始
時のみに心電図に同期してエコー信号を採集するもので
ある。
【0019】
【作用】このように構成された磁気共鳴イメージング装
置は、まず所定の前計測が終了した後、各スライスの計
測に移る。該計測においては、上記シーケンサが、心電
計から送られる心電図R波または、R波から生成したゲ
ート信号を受け取り、計測を制御する。図1を用いて更
に詳しく説明すると、上記ゲート信号を受け取ったシー
ケンサはただちに1枚目の第1エンコードステップにお
ける信号計測を行なう。続いて、所定のTRをおいて第
2エンコードステップの信号計測を心電図とは非同期で
計測を行なう。これを繰り返し、例えば256エンコー
ド分のデータ収集が終了すれば、シーケンスは第2スラ
イスの計測に移る。第2スライスの計測に当たっても、
第1エンコードステップにおける信号計測は心電図に同
期して行なう。このように各スライスにおいて、常に第
1エンコードのみ心電図に同期して撮像を行なう。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。図3は本発明による磁気共鳴イメージ
ング装置の全体構成を示すブロック図である。この磁気
共鳴イメージング装置は、NMR現象を利用して被検体
の断層像を得るもので、図3に示すように、静磁場発生
磁石2と、磁場勾配発生系3と、送信系4と、受信系5
と、信号処理系6と、シーケンサ7と、CPU8とを備
えて成る。上記静磁場発生磁石2は、被検体1の周りに
その体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場
を発生させるもので、上記被検体1の周りのある広がり
をもった空間に永久磁石方式または常電導方式あるいは
超電導方式の磁場発生手段が配置されている。磁場勾配
発生系3は、X,Y,Zの三軸方向に巻かれた傾斜磁場
コイル9と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜
磁場電源10とから成り、後述のシーケンサ7からの命
令に従ってそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動
することにより、X,Y,Zの三軸方向の傾斜磁場G
x,Gy,Gzを被検体1に印加するようになってい
る。この傾斜磁場の加え方により被検体1に対するスラ
イス面を設定することができる。
【0021】シーケンサ7は、上記被検体1の生体組織
を構成する原子の原子核にNMRを起こさせる高周波磁
場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加
するもので、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層
像のデータ収集に必要な種々の命令を、送信系4及び磁
場勾配発生系3並びに受信系5に送るようになってい
る。送信系4は、上記シーケンサ7から送り出される高
周波パルスにより被検体1の生体組織を構成する原子の
原子核にNMRを起こさせるために高周波磁場を照射す
るもので、高周波発振器11と変調器12と高周波増幅
器13と送信側の高周波コイル14aとから成り、上記
高周波発振器11から出力された高周波パルスをシーケ
ンサ7の命令にしたがって変調器12で振幅変調し、こ
の振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器13で増
幅した後に被検体1に近接して配置された高周波コイル
14aに供給することにより、電磁波が上記被検体1に
照射されるようになっている。
【0022】受信系5は、被検体1の生体組織の原子核
のNMRにより放出されるエコー信号(NMR信号)を
検出するもので、受信側の高周波コイル14bと増幅器
15と直交位相検波器16と、A/D変換器17とから
成り、上記送信側の高周波コイル14aから照射された
電磁波による被検体1の応答の電磁波(NMR信号)は
被検体1に近接して配置された高周波コイル14bで検
出され、増幅器15及び直交位相検波器16を介してA
/D変換器17に入力してディジタル量に変換され、さ
らにシーケンサ7からの命令によるタイミングで直交位
相検波器16によりサンプリングされた二系列の収集デ
ータとされ、その信号が信号処理系6に送られるように
なっている。この信号処理系6は、CPU8と、磁気デ
ィスク18及び磁気テープ19等の記録装置と、CRT
20とから成り、上記CPU8でフーリエ変換、補正係
数計算像再構成等の処理を行い、任意断面の信号強度分
布あるいは複数の信号に適当な演算を行って得られた分
布を画像化してCRT20に断層像として表示するよう
になっている。
【0023】なお、図3において送信側及び受信側の高
周波コイル14a,14bと傾斜磁場コイル9は、被検
体1の周りの空間に配置された静磁場発生磁石2の磁場
空間内に設置されている。また心電検出系31は、被検
体1の心電図を検出し心電計30に電気信号として送出
する。心電計30は受け取った心電図信号をモニタに表
示するとともに、心電図R波から生成したゲート信号を
シーケンサ7に送出する。
【0024】ここで本発明においては、上記シーケンサ
7は、上記ゲート信号に略同期して血管描出シーケンス
を起動する。この際の血管描出シーケンスは、上述の3
種類の血管描出手法のいずれに基づいたものであっても
よい。以下、例として2次元のTime-of-flight法に関し
て説明する。図1は本発明の心電図略同期撮像における
各スライスのエコー信号計測過程と心電図との関係を模
式的に示したタイミング線図であり、図2はそれを更に
位相エンコードごとの詳細なレベルで示したタイミング
線図である。2次元のTime-of-flight法においては、短
いTR(数10ms程度)の撮像をスライス枚数分だけ
位置を移動しながら、繰り返し行ない、3次元のデータ
とする。
【0025】図1において、(a)は心電波形を示し、
(b)はRFパルスによる励起、傾斜磁場の印加、エコ
ー信号計測を全て含む信号計測のタイミングを示し、
(c)はその時点で撮像対象となるスライスの番号を示
している。図2において、(a)は心電波形を示し、
(b)はRFパルスの照射タイミングを示し、(c)は
位相エンコード傾斜磁場の印加タイミングと強度を示
し、(d)はエコー信号の出現のタイミングを示し、
(e)は各TRの位相エンコードステップ番号を示して
いる。図1において、ゲート信号の出現とともに、第1
スライスの計測を開始する。計測の開始は、図2で第1
エンコードステップの信号計測と同じである。第1エン
コードステップの計測が終了すると(第1の励起からT
R時間後に)、引き続き第2エンコードステップ以降の
計測を行なう。この際、心電計からのゲート信号に対し
てシーケンスは完全に無関係となる。これは、第1スラ
イスの所定の位相エンコード数分の信号計測が終了する
まで持続される。
【0026】第1スライスの信号計測が全て終了した
後、シーケンサは第2スライス計測のため、ゲート信号
を待つ、この待ち時間が、図1のゲート待ち時間であ
る。ゲート信号が出現し、第2スライスの計測が開始さ
れれば、上記の第1スライスと全く同様の手順で計測を
行なう。これをスライス枚数分繰り返すことにより、ス
ライス枚数分の2次元画像が得られる。これらの2次元
画像は血流が相対的に高信号として描出された画像であ
り、これらを順に積み重ねたものが血管の3次元データ
となる。この3次元血管データは、図12に示す投影処
理により、任意の2次元投影像に変換される。
【0027】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されたので、
シーケンサによるパルスシーケンスの制御によって、心
拍動に影響されず、各スライス間で血流の信号強度がほ
ぼ一様となり、2次元投影血管像もむらのない一様な像
として得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気共鳴イメージング装置における心
電図略同期血管撮像パルスシーケンスの全体を模式的に
表わしたタイミング線図
【図2】本発明の磁気共鳴イメージング装置における心
電図略同期血管撮像パルスシーケンスと心電図との関係
を模式的に表わしたタイミング線図
【図3】本発明及び従来の磁気共鳴イメージング装置の
全体構成を示すブロック図
【図4】磁気共鳴イメージング装置の撮像原理を説明す
るためにスピンの挙動を示す説明図
【図5】一般的な磁気共鳴イメージング装置における二
次元フーリエイメージング法のうち代表的なスピンエコ
ー法のパルスシーケンスを模式的に表わしたタイミング
線図
【図6】傾斜磁場中でスピンが移動する様子を示す説明
【図7】傾斜磁場中の移動スピン及び静止スピンの位相
回転を示す説明図
【図8】位相感応型シーケンスによる移動スピンの位相
回転の様子を示す説明図
【図9】位相不感型シーケンスによる移動スピンの位相
回転の様子を示す説明図
【図10】Phase-sensitive法における画像間差分を示
す説明図
【図11】Phase-contrast法におけるフローエンコード
パルスの位相差抽出の原理を示す説明図
【図12】3次元血管データから任意投影角の2次元血
管像を作成するための投影処理を示す説明図
【図13】本発明による血管の一様な描出の様子を示す
説明図
【図14】従来法における心電同期撮像パルスシーケン
スを模式的に示す説明図
【符号の説明】
1 被検体 2 磁場発生装置 3 磁場勾配発生系 4 送信系 5 受信系 6 信号処理系 7 シーケンサ 8 CPU 9 傾斜磁場コイル 10 傾斜磁場電源 14a 送信側の高周波コイル 14b 受信側の高周波コイル 30 心電計 31 心電検出系

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検体に静磁場を与える静磁場発生手段
    と、該被検体に傾斜磁場を与える傾斜磁場発生手段と、
    上記被検体の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気
    共鳴を起こさせる高周波パルスをある所定のパルスシー
    ケンスで繰り返し印加するシーケンサと、このシーケン
    サからの高周波パルスにより被検体の生体組織の原子核
    に核磁気共鳴を起こさせるために高周波磁場を照射する
    送信系と、上記の核磁気共鳴により放出されるエコー信
    号を検出する受信系と、この受信系で検出したエコー信
    号を用いて画像再構成演算を行う信号処理系と、得られ
    た画像を表示する手段とを備え、核磁気共鳴により放出
    されるエコー信号の計測を繰り返し行って断層像を得る
    磁気共鳴イメージング装置において、上記シーケンサは
    上記被検体内の血流を描出するパルスシーケンスを備
    え、該パルスシーケンスを用いての計測に際しては撮像
    対象スライスの最初のエコー信号計測のみ心電図に同期
    して計測を開始するものとし、同一スライスにおいてそ
    の後繰り返される計測は、全て心電図に非同期で設定さ
    れた繰り返し時間に従い計測を行なうことにより、心電
    図略同期血管撮像を可能としたことを特徴とする磁気共
    鳴イメージング装置。
  2. 【請求項2】上記血流描出パルスシーケンスは、流入効
    果を用いた二次元フーリエ変換法に基づくパルスシーケ
    ンスであり、複数枚の隣接する薄スライスを順次連続的
    に撮像することとし、各スライスの撮像開始時のみに心
    電図に同期してエコー信号を採集することを特徴とする
    請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 【請求項3】上記血流描出パルスシーケンスは、リフェ
    イズ法及びディフェイズ法による画像の差分により血流
    の画像化を行なう二次元フーリエ変換法に基づくパルス
    シーケンスであり、複数枚の隣接する薄スライスを順次
    連続的に撮像することとし、各スライスの撮像開始時の
    みに心電図に同期してエコー信号を採集することを特徴
    とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2570060A (en) * 2017-08-18 2019-07-10 Nanjing Hydraulic Res Inst Experimental device and experimental method for studying quantitative relationship between parent fish spawning and flow rate stimulation

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