JP3201649B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JP3201649B2
JP3201649B2 JP13650892A JP13650892A JP3201649B2 JP 3201649 B2 JP3201649 B2 JP 3201649B2 JP 13650892 A JP13650892 A JP 13650892A JP 13650892 A JP13650892 A JP 13650892A JP 3201649 B2 JP3201649 B2 JP 3201649B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気共鳴イメージング
装置に係り、特に、高速スピンエコー法によって撮像を
行なう磁気共鳴イメージング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージング装置は、いわゆる
磁気共鳴現象を利用して被検体中の所望の検査部位にお
ける原子核スピン(以下、単にスピンと称す)から放出
される核磁気共鳴信号を計測し、該スピンの密度分布、
緩和時間分布等を断層像として画像表示するものであ
る。
【0003】この装置では、図3に示すように静磁場を
発生させる静磁場発生装置4の中に検査の対象となる被
検体7が置かれる。この時、被検体7中のスピンは静磁
場の強さH0によって定まる周波数で静磁場の方向を軸
として歳差運動を行なう。この周波数はラーモア周波数
と称される。ここで、ラーモア周波数ν0は、 ν0=γ/2π・H0 …………(1) で表せる。ここで、γは磁気回転比で原子核の種類毎に
固有の値を持つ。また、ラーモア歳差運動の角速度をω
0とすると、 ω0=2πν0 …………(2) の関係があるため、 ω0=γH0 …………(3) で与えられる。
【0004】ここで、高周波照射コイル11によって計
測しようとする原子核のラーモア周波数ν0に等しい周
波数の高周波磁場(電磁波)を加えると、スピンが励起
され高いエネルギー状態に遷移する。この高周波磁場を
打ち切ると、スピンは元の低いエネルギー状態に戻る。
このときに放出される電磁波を高周波受信コイル14で
受信し、増幅器15で増幅、波形整形した後、A/D変
換器17(以下、ADCと称す)でディジタル化して中
央処理装置1(以下、CPUと称す)に送る。CPU1
では、このデータを基に再構成演算し、この演算された
データが被検体7の断層画像としてディスプレィ18に
表示される。上記の高周波磁場は、CPU1により制御
されるシーケンサ2が送り出す信号を高周波送信コイル
用増幅器10によって増幅したものを高周波送信コイル
11に送ることで得られる。
【0005】MRI装置においては、以上の静磁場4と
高周波磁場の他に、空間内の位置情報を得るための傾斜
磁場を作るために傾斜磁場コイル群21を備えている。
これらの傾斜磁場コイル13は、シーケンサ2からの信
号で動作する傾斜磁場コイル用電源12から電流を供給
され、傾斜磁場を発生するものである。
【0006】次に、MRI装置の撮像原理を述べる。静
磁場H0(Z軸方向)中に置かれた原子核は、古典物理
学的に見ると1個の棒磁石のように振舞い、先に述べた
ラーモア周波数ν0でZ軸の回りに歳差運動を行なって
いる。この周波数は前記(2)式で与えられ、静磁場の
強度に比例している。(1)式および(2)式における
γは磁気回転比と称され、原子核に固有の値である。一
般には測定対象の原子核は膨大な数にのぼり、それぞれ
がランダムな位相で回転しているために、全体で見ると
X−Y面内の成分は打ち消しあい、Z軸方向成分のみの
巨視的磁化が残る。この状態でX方向にラーモア周波数
ν0に等しい周波数の高周波磁場H1を印加すると、巨視
的磁化はY方向に倒れ始める。この倒れる角度はH1
振幅と印加時間との積にほぼ比例し、パルス印加時点に
対し90°倒れる時のH1を90°パルス、180°倒
れるときのH1を180°パルスと称する。
【0007】ここで、MRI装置による撮影で一般的に
用いられている方法にいわゆる2次元フーリエイメージ
ング法がある。この方法のうち代表的なスピンエコー法
の模式的なパルスシーケンスを図11に示す。なお、R
Fはスピンを励起するための高周波磁場パルスの印加タ
イミングを示し、Gs,Gp,Gfはそれぞれスライス
位置選択のための傾斜磁場パルス、位相エンコード方向
の位置決定のための傾斜磁場パルス、周波数エンコード
方向の位置決定のための傾斜磁場パルスの印加タイミン
グを示し、Signalはエコー信号の発生を示す。こ
のパルスシーケンスでは、まず、90°パルス28を印
加した後、エコー時間をTe1としたときのTe1/2の
時間後に180°パルス29を加える。90°パルス2
8を加えた後、各スピンはそれぞれが受ける磁場強度に
比例する固有の速度でX−Y面内で回転を始めるため、
時間の経過とともに各スピン間に位相差を生じる。ここ
で180°パルス29がx’軸方向に加わると、各スピ
ンはx’軸に対称に反転し、その後も同じ速度で同じ方
向に回転を続けるために時刻Teでスピンは収束し、エ
コー信号を形成する。
【0008】さらに、図12に第3エコーまで計測する
場合のマルチエコー計測のパルスシーケンスの模式図を
示す。マルチエコー計測では、さらに180°パルス3
0,31を印加し時刻Te2,Te3,………でもスピン
を収束させ、エコー信号を計測する。この結果マルチエ
コー計測では90°パルスによる1回の励起によって異
なるエコー時間における複数のエコー信号が一群として
計測、収集される。第2、第3エコーの各エコー時間は
2番目以降の180°パルスの印加タイミングを調節す
ることにより、変化させることが可能である。
【0009】このようにして信号は計測されるが、断層
画像を構成するためには信号の空間的な分布を求めねば
ならない。このために空間的に線形な強度分布を持つ傾
斜磁場を用いる。先にも述べたようにスピンの回転周波
数は受ける磁場強度に比例しているから傾斜磁場が加わ
った状態においては、各スピンの回転周波数は空間的に
異なる。従って、この周波数を調べることによって各ス
ピンの位置を知ることができる。この目的のために位相
エンコード傾斜磁場36、周波数エンコード傾斜磁場3
8,39,40が用いられている。
【0010】以上に述べたパルスシーケンスを基本単位
として、位相エンコード傾斜磁場の強度を毎回変えなが
ら一定の繰り返し時間(TR)毎に、所定回数、たとえ
ば256回繰り返す。こうして得られた計測信号を2次
元フーリエ変換することで巨視的磁化の空間的分布を求
める。なお、以上のMRI基本原理に関しては、たとえ
ば「NMR医学」(基礎と臨床)(核磁気共鳴医学研究
会編、丸善株式会社、昭和59年1月20日発行)に詳
述されている。
【0011】次に、一般的に用いられている高速スピン
エコー法について説明する。高速スピンエコー法は高速
撮像法の一手法であり、マルチエコー計測の各エコー番
号のデータ毎に位相エンコードを変えることによってK
空間上に振り分けた後に一枚の画像として再構成する事
により、撮像時間を短縮しつつ所望の画質を実現する方
法である。高速スピンエコー法のパルスシーケンスの概
略を図4に示す。図4において、高速スピンエコー法で
は通常のスピンエコー法のマルチエコー計測のように1
80°パルスを複数回印加し、エコー時間の異なる複数
のエコー信号を得る。そして、各エコー信号計測毎に位
相エンコード方向に所定の傾斜磁場を所定の時間印加す
ることにより、各エコーの信号を所望の画質が得られる
ようにK空間上の位相エンコード方向に振り分ける。各
エコー番号のデータのK空間上での並び順は、使用する
エコー数、および所望する画質を決定するエコー時間を
有するエコー番号により決められる。なぜなら高速スピ
ンエコー法で得られる画像の画質はK空間上の中央付近
(直流〜低周波領域)に位置する信号データによって概
ね決定されるからである。このため、K空間の中央付近
に所望の画質を提供するエコー時間を有するエコー番号
の信号データを配置し、その隣接する部分は、隣接する
エコー番号の信号データとする。すなわち中央付近に第
nエコーの信号データを配置した場合、隣接する領域に
は第(n+1)エコーあるいは第(n−1)エコーの信
号データを配置する。また、K空間上の端部と他の端部
もエコー番号が相等しいか、あるいは隣接するものとす
る。
【0012】図7に第3エコーまで使用して、第3エコ
ーのエコー時間の画質を得る時の、K空間上のデータの
並び方の一例を示す。各エコー番号のデータは、ほぼ同
数とする。まず、中央付近に所望の第3エコーのデータ
26を配置する。その隣接する領域には、第2エコーの
データ25とし、さらに外側(高周波領域)に向かうに
従い、第1エコーのデータ24とする。これにより、最
外側は両側とも第1エコーとなり、同じエコー番号とな
る。所望の画質を提供する信号データのエコー番号が他
のエコー時間の時は、図7を位相エンコード方向に順次
シフトさせ、所望のエコー番号の信号データが中央付近
に位置するように配置する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の方法で高速スピンエコー法を実現する際に、
以下のような問題点が残されていた。
【0014】すなわち、高速スピンエコー法において用
いる各エコー番号で得られる信号は、各エコー番号ごと
に異なった一定のエコー時間を有する。この結果高速ス
ピンエコー法の信号データを図7に示すようにK空間上
に配列した場合、各々の信号データのエコー時間を位相
エンコード方向に観察すると、図8に示すように、番号
の異なる各エコーの境界部であるB、Cにおいて階段状
の不連続性をもって変化する。ここにおいて磁気共鳴信
号はエコー時間が長いほどT2緩和などの原因により信
号強度が低減するため、それぞれの平均信号強度はエコ
ー番号ごとに異なる。このため図7に示すように異なる
エコー番号の信号データを連続して並べた場合、その信
号強度の分布を直線Aに沿って位相エンコード方向に観
察すると位相エンコード傾斜磁場による信号強度の変化
も考慮して図9の実線85,86,87で示すようにな
り、エコー時間の変化に対応して番号の異なる境界部で
あるB,Cにおいて不連続な変化を示す。なお、図中、
破線81,82,83は、それぞれ第1,2,3エコー
信号のみでK空間上の全てのデータを満たした場合の信
号強度の変化を示す。このような位相エンコード方向に
対する信号強度の不連続な変化は2次元フーリエ変換に
よる画像再構成をした場合、図10の実線で示した実像
に対して、破線で示すように位相エンコード方向に流れ
るリンギング状のアーチファクトが生じる。
【0015】それ故、本発明は、このような事情に基づ
いてなされたものであり、その目的とするところのもの
は、位相エンコード方向に流れるリンギング状のアーチ
ファクトを生じさせることのない磁気共鳴イメージング
装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明の内、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以
下の通りである。 (1)複数のエコー信号が得られるシーケンスを繰り返
し、その繰り返された各シーケンス毎に検出されるエコ
ー信号に関する信号データをK空間上に配置し、該K空
間上の信号データをフーリエ変換することにより画像再
構成する磁気共鳴イメージング装置において、繰り返さ
れる前記各シーケンスのエコー時間を変化させる手段を
設け、これにより全シーケンスにおける各エコー信号の
時間幅の割合を連続関数の関係にする。 (2)複数のエコー信号が得られるシーケンスを複数回
繰り返し、各シーケンスにより得られたエコー信号をフ
ーリエ変換し画像再構成をする磁気共鳴イメージング装
置において、エコー信号の取得タイミングを各シーケン
ス毎に順次変化させる手段を設け、前記エコー時間が位
相エンコード方向に対し曲線に従って変化するようにし
た。 (3)複数のエコー信号が得られるシーケンスを複数回
繰り返し、各シーケンスにより得られたエコー信号をフ
ーリエ変換し画像再構成をする磁気共鳴イメージング装
置において、エコー信号の取得タイミングを各シーケン
ス毎に順次変化させる手段を設け、前記エコー時間が位
相エンコード方向に対し線形に変化するようにした。 (4)被検体内のスピンを励起させる第1の高周波パル
スと、励起されたスピンを反転させる複数の第2の高周
波パルスとを照射し、高周波パルスの照射タイミングに
合わせてスライス方向傾斜磁場を印加し、前記第2の高
周波パルスの照射前に位相エンコード方向傾斜磁場を印
加し、前記第2の高周波パルスの照射後に周波数エンコ
ード方向傾斜磁場を印加してエコー信号を取得するシー
ケンスを複数回実行し、該シーケンス毎に位相エンコー
ド方向傾斜磁場の印加量を異ならせることで被検体の画
像データを取得する磁気共鳴イメージング装置におい
て、前記シーケンス毎に、前記第1の高周波パルスの照
射からエコー信号の取得までの時間が連続関数となるよ
うに変化させる。 (5)前述した(4)に記載の磁気共鳴イメージング装
置において、前記第1の高周波パルスの照射からエコー
信号の取得までの時間の変化は、前記高周波パルスの照
射及び傾斜磁場の印加が行われない時間を変化させる。
【0017】
【作用】前述した(1)の手段によれば、繰り返される
各シーケンスのエコー時間を変化させて、これにより全
シーケンスにおける各エコー信号の時間幅の割合が連続
関数の関係にあるように構成される。 このような構成と
することにより、各エコー信号に関する信号データが配
置されるK空間上において、その位相エンコード方向に
対する信号強度の変化が段差のない滑らかな状態にな
る。 したがって、このようなK空間上の信号データをフ
ーリエ変換して画像再構成した際に、位相エンコード方
向に流れるリンギング状のアーチファクトを生じさせる
ようなことはなくなる。
【0018】前述した(2)及び(3)の手段によれ
ば、各シーケンス毎にエコー信号の取得タイミングが順
次変化する構成となる。 このような構成とすることによ
り、全シーケンスで得られたエコー信号の時間幅に対す
る各シーケンスで得られるエコー信号の時間幅の割合が
連続関数の関係となるので、各エコー信号に関する信号
データが配置されるK空間上において、その位相エンコ
ード方向に対する信号強度の変化が段差のない滑らかな
状態になる。 したがって、このようなK空間上の信号デ
ータをフーリエ変換して画像再構成した際に、位相エン
コード方向に流れるリンギング状のアーチファクトを生
じさせるようなことはなくなる。 このとき、エコー時間
が位相エンコード方向に対し線形に変化するように設定
することにより、全シーケンスにおける各エコー信号を
等間隔に配列することができる。
【0019】前述した(4)及び(5)の手段によれ
ば、シーケンス毎に第1の高周波パルスの照射からエコ
ー信号の取得までの時間を変化させることによって、全
シーケンスで得られたエコー信号の時間幅に対する各シ
ーケンスで得られるエコー信号の時間幅の割合が連続関
数の関係となるので、各エコー信号に関する信号データ
が配置されるK空間上において、その位相エンコード方
向に対する信号強度の変化が段差のない滑らかな状態に
なる。 したがって、このようなK空間上の信号データを
フーリエ変換して画像再構成した際に、位相エンコード
方向に流れるリンギング状のアーチファクトを生じさせ
るようなことはなくなる。 このとき、休止期間である高
周波パルスの照射及び傾斜磁場の印加が行われない時間
を変化させることにより、第1の高周波パルスの照射か
らエコー信号の取得までの時間を容易に変化させること
ができる。
【0020】
【実施例】図3は、本発明が適用される磁気共鳴イメー
ジング装置の一実施例を示す概略構成図である。この磁
気共鳴イメージング装置は、大別すると、中央処理装置
(CPU)1と、シーケンサ2と、送信系3と、静磁場
発生磁石4と、受信系5、信号処理系6とを備えて構成
される。
【0021】CPU1は、予め定められたプログラムに
従って、シーケンサ2、送信系3、受信系5、信号処理
系6を各々を制御する。シーケンサ2は、CPU1から
の制御指令に基づいて動作し、被検体7の断層画像のデ
ータ収集に必要な種々の命令を送信系3、傾斜磁場発生
系21、受信系5に送る。
【0022】送信系3は、高周波発振器8と変調器9と
高周波コイルとしての照射コイル11を有し、シーケン
サ2の指令により高周波発振器8からの高周波パルスを
変調器9で振幅変調し、この振幅変調された高周波パル
スを高周波増幅器10を介し増幅して照射コイル11に
供給することにより、所定のパルス状の電磁波を被検体
7に照射するようにしている。
【0023】静磁場発生磁石4は、被検体7の回りに所
定の方向に均一な静磁場を発生させるためのものであ
る。この静磁場発生磁石4の内部には、照射コイル11
の他に、傾斜磁場を発生させる傾斜磁場コイル13と、
受信系5の受信コイル14が設置されている。傾斜磁場
発生系21は互に直行するデカルト座標軸方向にそれぞ
れ独立に傾斜磁場を印加できる構成を有する傾斜磁場コ
イル13と傾斜磁場コイルに電流を供給する傾斜磁場電
源12と、傾斜磁場電源2を制御するシーケンサ2によ
り構成する。
【0024】受信系5は、高周波コイルとしての受信コ
イル14と該受信コイル14に接続された増幅器15と
直交位相検波器6とADC17とを有し、被検体7から
のNMR信号を受信コイル14が検出すると、その信号
は増幅器15で増幅され直交位相検波器16へ入力され
る。直交位相検波器24は高周波発振器8の出力信号に
同期制御され、入力した高周波信号を波形整形するとと
もに、sin成分とcos成分との2系統の信号に分離
して出力する。これらの2系統の信号はADC17へ入
力され、シーケンサ2の命令に従ってサンプリングさ
れ、2系統のディジタル信号に変換されて出力される。
これらの信号はCPU1でフーリエ変換の実部データ、
虚部データとして用いられるが、一旦、CPU1内の図
示を省略したメモリデバイスへ記憶される。
【0025】信号処理系6は、磁気ディスク20、光デ
ィスク19等の外部記憶装置と、CRT等からなるディ
スプレィ18とを有し、受信系5からのデータがCPU
1に入力されると、該CPU1が信号処理、画像再構成
等の処理を実行し、その結果の被検体7の所望の断面像
をディスプレィ18に表示するとともに、外部記憶装置
の磁気ディスク20等に記録する。
【0026】そして、本実施例では、特に前記シーケン
サ2におけるシーケンスは図4に示すように構成されて
いる。ここでは、第3エコーまでを用いて高速スピンエ
コー法を実施する場合を示している。図中、T1は休止
期間である。T2では被検体7内のスピンを励起して信
号を発生させるための90°パルス50を印加するとと
もに、所望の断層面の位置を特定するためにスライス選
択傾斜磁場(以下、Gsと称す)55を印加する。T3
は休止期間である。T4では位相エンコード傾斜磁場
(以下、Gpと称す)60を印加するとともに、周波数
エンコード傾斜磁場(以下、Gfと称す)65を印加す
る。Gp60は後に得られる第1エコー信号70をK空
間上の所望の位置に配置するために印加し、Gf65は
第1エコー信号70において計測されるスピンの位相が
信号収集の中心(T8の中心)で収束するように予め拡
散させておくために印加する。T5は休止期間である。
T6では180°パルス51を印加するとともにGs5
6を印加する。T7は休止期間である。T8ではGf6
6を印加しつつ、発生する第1エコー信号70を収集す
る。T9は休止期間である。T10ではGp61を印加
し、後に得られる第2エコー信号71をK空間上の所望
の位置に設定する。T11は休止期間である。T12で
は第2エコー信号71を得るために第2の180°パル
ス52を印加するとともに、Gs57を印加する。T1
3は休止期間である。T14ではGf67を印加しつ
つ、発生する第2エコー信号71を収集する。T15は
休止期間である。T16ではGp62を印加し、後に得
られる第3エコー信号72をK空間上の所望の位置に設
定する。T17は休止期間である。T18では第3エコ
ー信号72を得るために第3の180°パルス53を印
加するとともに、Gs58を印加する。T19は休止期
間である。T20ではGf68を印加しつつ、発生する
第3エコー信号72を収集する。T21は休止期間であ
る。たとえばT3,T5,T7,T9,T11,T1
3,T15,T17,T19,T21等の休止期間の長
さを変えることによって第1、2、3エコー時間を所望
の長さに設定することができる。
【0027】この第1、2、3エコー時間の長さについ
ては後に詳述する。
【0028】次に、本発明の課題であるK空間上の位相
エンコード方向において不連続な信号強度の変化を低減
する方法について図1、図4、図5を用いて説明する。
【0029】まず、既に述べたようにエコー信号の信号
強度は、他の条件を同一とすればエコー時間が長くなる
につれて減弱する。このため位相エンコード方向に見た
エコー時間が連続的に変化するようにエコー信号の生成
および収集したエコー信号データのK空間上への配置を
行なえば前記課題は達成できることになる。
【0030】第3エコーまでを用いた従来の高速スピン
エコー法では、K空間上の位相エンコード方向に対する
エコー時間の変化の様子は、図8に示したようにステッ
プ状となるので、この変化の様子が連続的になるように
任意にその変化曲線を設定する。この変化の様子は連続
的に変化する関数であれば何でもよい。
【0031】本実施例ではたとえば図1に示すような直
線45を仮定する。また同図中の白丸印46は信号計測
を行なうことを示し、各白丸に対応するエコー時間のデ
ータを対応するK空間上の位相エンコード方向位置に配
置する。
【0032】次に、各エコー番号のエコー信号に与える
エコー時間を決定するために、図1においてK空間上の
位相エンコード方向の領域をE1,E2,E3の三つに
分割する。ただし、これら三つの領域に含まれる位相エ
ンコード数はそれぞれほぼ同数とし、さらに各領域に含
まれるエコー信号のエコー時間は全て、E1<E2<E
3となるようにする。
【0033】このように各エコー番号に対してカバーす
るエコー時間範囲を割り振り、信号計測においてはパル
スシーケンスにおいて1回の励起で得られる3エコー分
のエコー信号に対してそれぞれE1,E2,E3の各領
域に含まれるエコー時間の中から1つずつを組み合わ
せ、全計測が終了するまでに全てのエコー信号が得られ
るように上記休止期間の長さを決定する。
【0034】より具体的に示すと、図2に示すように、
1回目のシーケンスにおける第1エコー51、第2エコ
ー52、第3エコー53に対して、2回目のシーケンス
における第1、第2、第3エコーを所定間隔分だけ若干
ずらすようにし、この所定間隔分のずらしはn回目のシ
ーケンスに到るまでなされるようにする。このようにし
た場合、n回からなる全シーケンスにおける各エコー信
号は等間隔に配列されることになる。
【0035】また、このように収集する信号データを後
に説明する方法によりK空間上の所定の位置に配置す
る。全てのエコー時間でのエコー信号を得るためには、
たとえばE3領域内のエコー時間を長い方からTe3
1,Te32,Te33,………Te3N、Te21,
Te22,Te23,………,Te2N、およびTe1
1,Te12,Te13,・・・・,Te1Nとした場
合、(Te31,Te21,Te11),(Te32,
Te22,Te12),………,(Te3N,Te2
N,Te1N)と組み合わせて計測すれば最終的に全て
のエコー時間でのエコー信号が得られることになる。
【0036】なお、各信号データを上記のようにK空間
上に位相エンコード方向の所望の位置に配置するために
は、以下のようにGp(位相エンコード傾斜磁場)を印
加する。すなわち中心から位相エンコード方向に1つず
れた所に配置するエコー信号に対しては、スピンが撮像
領域(F.O.V.)の両端で1回転するような位相方
向の傾斜磁場を感じるようにGpを印加する。式にする
と、 2π=γΣ(Gpn・tn・(F.O.V.)) ………(6) となる。ここで、γは磁気回転比、Gpnはn番目の位
相方向傾斜磁場強度(ただし、スピンが感じる強度とす
るため、180°パルスを1回印加する毎に正負が一回
反転するものとする)、tnはGpnの印加時間、Σは
目的のエコー番号のエコー信号を計測するまでの位相方
向に印加する傾斜磁場を全て加えあわせたものを目的の
エコー番号のエコー信号に対する位相エンコード方向傾
斜磁場とすることを示す。(F.O.V.)は、撮像領
域の一辺の長さとする。同様にK空間上で中心からm番
目に配置する信号データに対しては、 2πm=γΣ(Gpn・tn・(F.O.V.)) ……(7) が成立するように、位相方向の傾斜磁場強度、印加時間
を決定するものとする。
【0037】使用するエコー数と所望のエコー時間のエ
コー番号に応じて並び順は変化する。その並びに応じて
位相エンコード方向の傾斜磁場の印加時間、強度等を変
化させることはいうまでもない。
【0038】このようにして収集およびK空間上に配置
されたエコー信号強度をK空間上の位相エンコード方向
に観察すると、図5の実線80で示すように連続的に変
化し、このような信号データを用いて2次元フーリエ変
換法により画像再構成を行なっても画像上にリンギング
状アーチファクトを生じることはない。なお、破線8
1,82,83はそれぞれ第1,第2,第3エコーのみ
でK空間上のデータを満たした場合の信号強度変化を示
す。
【0039】図6は本発明の他の実施例を示すものであ
る。上述した実施例ではK空間上の位相エンコード方向
に対するエコー時間の変化の様子を表す関数を一次関数
(直線状)と仮定して述べたが、この関数は図6に示す
ように連続関数であればどのようなものでもよく、上述
の実施例と同様の効果が得られる。
【0040】すなわち、繰り返される各シーケンスのエ
コー時間を変化させた結果、これにより全シーケンスに
おける各エコー信号の時間幅の割合が連続関数の関係に
あればよい。
【0041】また、上述に示した実施例ではK空間上の
位相エンコード方向の領域をE1,E2,E3の三つに
分割する際に各領域に含まれる全てのエコー時間がE1
<E2<E3となるように設定したが、計測する全ての
エコー時間をカバーすることができるならばこの関係を
満たす必要がないことはもちろんである。
【0042】上述した実施例では全てのエコー時間をカ
バーするために各領域内の長いエコー時間から順に組み
合わせたが、エコー時間の設定が可能であればどのよう
な組み合わせ方でもよいことはもちろんである。
【0043】上述した実施例では第3エコーまでのエコ
ー信号を用いて第3のエコー時間に相当する画質の画像
を得るときの高速スピンエコー法を実現する場合につい
て述べたが、第3エコーまでの場合に限ることなく、ま
た第3エコーに相当する画質を得る場合に限ることなく
どのような場合に対しても本発明を適用することができ
る。
【0044】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明による磁気共鳴イメージング装置によれば、位相
エンコード方向に流れるリンギング状のアーチファクト
を生じさせることのないものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の説明図で、各エコー信号の
エコー時間が位相エンコード方向に見て直線的に変化す
る様子を示した説明図である。
【図2】本発明の一実施例の説明図で、各シーケンスに
おけるエコー信号のエコー時間を示した説明図である。
【図3】本発明の一実施例の説明図で、磁気共鳴イメー
ジング装置の概略構成を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施例の説明図で、高速スピンエコ
ー法のパルスシーケンスを示す説明図である。
【図5】本発明の一実施例の説明図で、各エコー信号の
信号強度が位相エンコード方向に見て連続的に変化する
様子を示した説明図である。
【図6】本発明の他の実施例の説明図で、各エコー信号
の信号強度が位相エンコード方向に見て連続関数に従っ
て変化する様子を示した説明図である。
【図7】従来の説明図で、高速スピンエコー法のK空間
上のデータの並び順の説明図である。
【図8】従来の説明図で、K空間上の信号データのエコ
ー時間変化を位相エンコード方向に見た様子を示した説
明図である。
【図9】従来の説明図で、K空間上の信号データの信号
強度変化を位相エンコード方向に見た様子を示す説明図
である。
【図10】従来の説明図で、エコー信号強度のステップ
状変化によって再構成画像に生じるリンギング状アーチ
ファクトを示す説明図である。
【図11】スピンエコー法のパルスシーケンスの模式的
説明図である。
【図12】マルチエコー計測を行なった場合のスピンエ
コー法のパルスシーケンスの模式的説明図である。
【符号の説明】
E1 第1エコー E2 第2エコー E3 第3エコー Te エコー時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のエコー信号が得られるシーケンス
    を繰り返し、その繰り返された各シーケンス毎に検出さ
    れるエコー信号に関する信号データをK空間上に配置
    し、該K空間上の信号データをフーリエ変換することに
    より画像再構成する磁気共鳴イメージング装置におい
    て、繰り返される前記各シーケンスのエコー時間を変化
    させる手段を設け、これにより全シーケンスにおける各
    エコー信号の時間幅の割合を連続関数の関係にすること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 【請求項2】 複数のエコー信号が得られるシーケンス
    を複数回繰り返し、各シーケンスにより得られたエコー
    信号をフーリエ変換し画像再構成をする磁気共鳴イメー
    ジング装置において、 エコー信号の取得タイミングを各シーケンス毎に順次変
    化させる手段を設け、前記エコー時間が位相エンコード
    方向に対し曲線に従って変化するようにしたことを特徴
    とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 【請求項3】 複数のエコー信号が得られるシーケンス
    を複数回繰り返し、各シーケンスにより得られたエコー
    信号をフーリエ変換し画像再構成をする磁気共鳴イメー
    ジング装置において、 エコー信号の取得タイミングを各シーケンス毎に順次変
    化させる手段を設け、前記 エコー時間が位相エンコード
    方向に対し線形に変化するようにしたことを特徴とする
    磁気共鳴イメージング装置。
  4. 【請求項4】 被検体内のスピンを励起させる第1の高
    周波パルスと、励起されたスピンを反転させる複数の第
    2の高周波パルスとを照射し、高周波パルスの照射タイ
    ミングに合わせてスライス方向傾斜磁場を印加し、前記
    第2の高周波パルスの照射前に位相エンコード方向傾斜
    磁場を印加し、前記第2の高周波パルスの照射後に周波
    数エンコード方向傾斜磁場を印加してエコー信号を取得
    するシーケンスを複数回実行し、該シーケンス毎に位相
    エンコード方向傾斜磁場の印加量を異ならせることで被
    検体の画像データを取得する磁気共鳴イメージング装置
    において、 前記シーケンス毎に、前記第1の高周波パルスの照射か
    らエコー信号の取得までの時間が連続関数となるように
    変化させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の磁気共鳴イメージング
    装置において、 前記第1の高周波パルスの照射からエコー信号の取得ま
    での時間の変化は、前記高周波パルスの照射及び傾斜磁
    場の印加が行われない時間を変化させることを特徴とす
    る磁気共鳴イメージング装置。
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