JP3108430B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JP3108430B2
JP3108430B2 JP02286427A JP28642790A JP3108430B2 JP 3108430 B2 JP3108430 B2 JP 3108430B2 JP 02286427 A JP02286427 A JP 02286427A JP 28642790 A JP28642790 A JP 28642790A JP 3108430 B2 JP3108430 B2 JP 3108430B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気共鳴イメージング装置に係り、特に、
動きや流れ等によるアーチファクトを低減させるための
いわゆるプリサチュレーション方法を適用させた磁気共
鳴イメージング装置に関するものである。
〔従来の技術〕
磁気共鳴イメージング装置は、磁気共鳴現象を利用し
て被検体中の所望の検査部位における原子核スピン(以
下、単にスピンと称す)の密度分布、緩和時間分布等を
計測して、その計測データから、被検体の断面を画像表
示するものである。
そして、近年では、該計測データを得る計測パルスシ
ーケンスの前に、任意の部位を予測励起することによ
り、その部位の信号を消失させるプリサチュレーション
方法を行なう技術が知られてきた。
このプリサチュレーション方法を行なうことにより、
スライス面内の動き・流れのアーチファクトの除去、あ
るいはスライス面外からの動き・流れのアーチファクト
の除去を行なうことができるようになる。
たとえば、第8図を用いて、スライス面内の動き・流
れによるアーチファクト除去について説明する。第8図
(a)、(b)は、腹部の動きのアーチファクトとその
除去についての説明図である。腹部において符号40のよ
うに動きが生じているとする。この動き40の周期と計測
の周期、つまり繰り返し時間TRが異なるとアーチファク
トは、位相エンコード方向41に画像全体に広がり、動き
のある部位のみならず、静止部位の画質も劣化させてし
まう。そこで、第8図(b)に示す符号43の領域(プリ
サチュレーション)においてスピンの予備励起を行なう
ことにより、動きのある腹部の信号をを消失させ、これ
により、動きによるアーチファクト42は消失することに
なる。
この場合において、断層像情報を得るためのシーケン
ス等との関係とともにスピンの挙動を第9図を用いて説
明する。第9図は、いわゆるSE法にプリサチュレーショ
ン法を適用したときのスピンの挙動を示す模式図であ
る。ここでは、判り安くするため、スライス面内で説明
を行なうが、他の場合でも同様である。SE法は、高周波
パルスとして、90゜パルス30と、その後に印加される18
0゜パルス31を用いてエコー信号34を計測する方法であ
る。ここでプリサチュレーションを受けないスピン(プ
リサチュレーション領域43以外の領域のスピン)は、通
常のSE法の信号を形成する。すなわち、静磁場方向を向
いている{スピン第9図(f)}は、90゜パルス30によ
り90゜倒され{第9図(g)}、次の180゜パルス31に
より反転し{第9図(h)}、エコー信号を形成する。
そして、プリサチュレーションを受けたスピン、つま
り、プリサチュレーションパルス29と傾斜磁場32により
選択的に励起されたプリサチュレーション領域43のスピ
ンは、90゜パルスである該プリサチュレーションパルス
29を受けることにより、90゜倒される{第9図
(a)}。次に、いわゆるスポイル傾斜磁場と称される
傾斜磁場33により、位相を拡散させ、磁化は、全体でみ
ると零になる{第9図(b)}。このため、信号計測時
(d)には信号を発生しなくなる。したがって、プリサ
チュレーションパルス29を受けた不要な領域43(プリサ
チュレーション領域)の信号は発生しないことになる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記傾斜磁場33によって、位相を拡散
させても、現実においては、スピンの縦方向における成
分が若干存在してしまうことが判明した{第9図(b)
参照}。
そして、これにより、プリサチュレーションパルス29
を受けた不要な領域43(プリサチュレーション領域)か
らの信号は完全には除去されていないものであった。
この理由は、プリサチュレーションパルス29の印加
後、断層像情報を得るための最初のパルスである90゜パ
ルス30の印加直前までに、熱平衡状態(パルスを全く加
えていない静磁場内での状態)に戻っていく過程にあ
り、これにより、スピンの縦方向の成分が増加してくる
ことによることが明らかにされた。
それ故、本発明は、このような事情に基づいてなされ
たものであり、その目的とするところのものは、プリサ
チュレーション領域における信号を安全に除去させるこ
とができる磁気共鳴イメージング装置に提供することに
ある。
また、本発明の他の目的は、プリサチュレーション領
域における信号の完全除去を種々の態様において、即、
対応できるようにするとともに、特殊な計測等もできる
ようにした磁気共鳴イメージング装置に提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
このような目的を達成するために、本発明は、基本的
には、照射コイルに、プリサチュレーションパルスを印
加した後、断層像情報を得るための最初のパルスを印加
するようにした磁気共鳴イメージング装置において、前
記プリサチュレーションパルスの1回の印加で、該プリ
サチュレーションパルス印加後から前記最初のパルス印
加直前までの時間に該スピンにおける縦方向の成分が零
になるように、前記プリサチュレーションパルスのパワ
ーを設定したことを特徴とするものである。
また、本発明は、照射コイルに、プリサチュレーショ
ンパルスを印加した後、断層像情報を得るための最初の
パルスを印加するようにした磁気共鳴イメージング装置
において、プリサチュレーションパルス印加後前記最初
のパルス印加直前までの時間を任意に設定できる手段
と、該時間内に核スピンが熱平衡状態に戻る現象度合を
加味して、前記最初のパルス印加直前の時点で前記核ス
ピンにおける縦方向の成分が零になるように前記プリサ
チュレーションパルスのパワーが自動設定できる手段と
を備えたことを特徴とするものである。
〔作用〕
このように、プリサチュレーションパルスの印加を1
回とし、そのときのプリサチュレーションパルスのパワ
ーを、断層像情報を得るための最初のパルス印加直前の
時点で前記核スピンにおける縦方向の成分が零になるよ
うに、設定することにより、プリサチュレーション領域
における信号を完全に除去させることができる。
従来にあっては、プリサチュレーションパルスとし
て、90゜パルスが用いられていたものであるが、該90゜
パルスを印加した後前記最初のパルスを印加するまでの
間に、核スピンが熱平衡状態に戻ろうとする状態が加味
されていなかったため、前記核スピンにおける縦方向の
成分が存在し、この縦方向の成分によってプリサチュレ
ーション領域における信号が生じていたものであった。
このことから、核スピンにおける縦方向の成分が零に
なるようにプリサチュレーションのパワーを設定する場
合において、1回のプリサチュレーションパルスの印加
で印加後の前記最初のパルス印加直前までに核スピンが
熱平衡状態に戻る現象度合を加味してなされるようにし
たものである。
したがって、核スピンにおける縦方向の成分が完全に
零になった状態で、断層像情報を得るための動作に入れ
ることから、該断層像情報にプリサチュレーション領域
における信号が含まれるようなことは全くなくなる。
また、本発明は、上述した技術思想を基にして、プリ
サチュレーションパルス印加後前記最初のパルス印加直
前までの時間を任意に設定できるようにしたものであ
る。
このようにした場合、断層像情報を得るための動作前
において、種々の要請からプリサチュレーションパルス
印加後を任意に変えたいような場合があっても、即、対
応することができるようになるとともに、診断上におい
て、特殊な計測等ができるようになる。
なお、この場合において、プリサチュレーションパル
ス印加後前記最初のパルス印加直前までの時間内に核ス
ピンが熱平衡状態に戻る現象度合を加味して、前記最初
のパルス印加直前の時点で前記核スピンにおける縦方向
の成分が零になるように前記プリサチュレーションパル
スのパワーが自動設定できるようにしていることはいう
までもない。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面を用いて具体的に説明
する。
第2図は、本発明による磁気共鳴イメージング装置を
示す全体構成のブロック説明図である。この磁気共鳴イ
メージング装置は、大別すると、中央処理装置(CPU)1
1と、シーケンサ12と、送信系13と、静磁場発生磁石10
と、受信系15と、信号処理系16とを備えて構成されたも
のとなっている。
中央処理装置(CPU)11は、予め定められたプログラ
ムに従ってシーケンサ12、送信系13、受信系15、信号処
理系16の各々を制御するようになっている。
シーケンサ12は、中央処理装置11からの制御指令に基
づいて動作し、被検体1の断層画像のデータ収集に必要
な種々の命令を、後述の第3図に示すシーケンスに基づ
いて、送信系13、静磁場発生磁石10の傾斜磁場発生系1
4、受信系15に送るようにしている。ここで、前記静磁
場発生装置10は、たとえば0.02〜2テスラ程度の静磁場
を発生するものとなっている。
送信系13は、高周波発信器17と変調器18と高周波コイ
ルとしての照射コイル20aを有し、シーケンサ12の指令
により高周波発振器17からの高周波パルスを変調器18で
振幅変調、もしくは周波数変調し、この変調された高周
波パルスを高周波増幅器19を介して照射コイル20aに供
給することにより、所定のパルス状の電磁波を被検体1
に照射するようにしている。高周波増幅器19の利得は、
CPU11により求められ、シーケンサ12により制御するよ
うにしている。
なお、照射コイル20aに印加するパルスは、そのパワ
ーの度合いにより、たとえば90゜パルスあるいは180゜
パルスとすることができる。そして、パルスのパワーの
度合いとは、その一実施例として照射コイル20aに流す
電流値に対応するものである。
静磁場発生磁石10は、被検体1の回りに任意の方向に
均一な静磁場を発生させるためのものである。この静磁
場発生磁石10の内部には、照射コイル20aのほか、傾斜
磁場を発生させる傾斜磁場コイル群21と、受信系15の受
信コイル20bが設置されている。傾斜磁場発生系14は互
いに直交するデカルト座標軸方向にそれぞれ独立に傾斜
磁場を印加できる構成を有す傾斜磁場コイル群21とは傾
斜磁場コイルに電流を供給する傾斜磁場電源22と、傾斜
磁場電源22を制御するシーケンサ12により構成されてい
る。
受信系15は、高周波コイルとしての受信コイル20bと
該受信コイル20bに接続された増幅器23と直交位相検波
器24とA/D変換器25とを有し、被検体1からのNMR信号を
受信コイル20bが検出するとその信号を増幅器23、直交
位相検波器24、A/D変換器25を介しディジタル量に変換
するとともに、シーケンサ12からの指令によるタイミン
グで直交位相検波器24によってサンプリングされた二系
列の収集データに変換して中央処理装置11に送るように
している。
信号処理系16は、磁気ディスク26、光ディスク27等の
外部記憶装置と、CRT等からなるディスプレイ28とを有
し、受信系15からのデータが中央処理装置11に入力され
ると、該中央処理装置11が信号処理、画像再構成等の処
理を実行し、その結果の被検体1の所望の断面像をディ
スプレイ28に表示するとともに、外部記憶装置の磁気デ
ィスク26等に記録するようになっている。
このような構成において、静磁場発生装置10内に載置
された被検体1中のスピンは静磁場の強さH0によって決
まる周波数で静磁場の方向を軸として歳差運動を行な
う。この周波数をラーモア周波数と称す。ラーモア周波
数νは、 ν=(γ/2π)・H0 ……(1) で表される。ここで、γは磁気回転比で原子核の種類毎
に固有の値を持つ。また、ラーモア歳差運動の角速度を
ωとすると、 ω=2πν ……(2) の関係があるため、 ω=γH0 ……(3) で与えられる。
ここで、高周照射コイル20aによって計測しようとす
る原子核のラーモア周波数νに等しい周波数の高周波
磁場(電磁波)を加えると、スピンが励起され高いエネ
ルギー状態に移る。この高周波磁場を打ち切ると、スピ
ンはもとの低いエネルギー状態に戻る。この時に放出さ
れる電磁波を高周波受信コイル20bで受信するようにな
っている。
また、第3図はシーケンサ12に格納されているシーケ
ンスについての説明図である。同図において、区間I、
IIは、プリサチュレーションを行なう区間であり、ま
た、区間IIIないしVIは断層像情報を得るための区間と
なっている。
ここで、最初に区間IIIないしVIである断層像情報を
得るためのシーケンスについて説明する。
この区間のシーケンスを取り出したのが第4図であ
る。
第4図は、2次元フーリエイメージング法のうちの代
表的なスピンエコー法を示したパルスシーケンスであ
る。このパルスシーケンスでは、まず、90゜パルス30を
印加した後、エコー時間をTeとしたときTe/2の時間後に
180゜パルス31を加える。90゜パルス30を加えた後、各
スピンはそれぞれに固有の速度でX−Y面内で回転を始
めるため、時間の経過とともに各スピン間に位相差が生
じる。ここで180゜パルス31が加わると、各スピンは第
5図(d)に示すようにX軸に対称に反転し、その後も
同じ速度で回転を続けるために時間Teでスピンは再び収
束し、エコー信号34を形成するようになる。
ここで、上述のようにしてエコー信号34は計測される
が、断層画像を構成するためには信号の空間的な分布を
求めねばならない。このために線形な傾斜磁場を用い
る。均一な静磁場に傾斜磁場を重畳することで空間的な
磁場勾配ができる。先にも述べたようにスピンの回転周
波数は磁気強度に比例しているから傾斜磁場が加わった
状態においては、各スピンの回転周波数は空間的に異な
る。従って、この周波数を調べることによって各スピン
の位置を知ることができる。この目的のために、位相エ
ンコード傾斜磁場35、周波数エンコード傾斜磁場36、37
が用いられている。
ここで、第4図における各区間IIIないしVIのそれぞ
れのスピンの挙動について、それぞれ第5図(b)ない
し(e)に対応づけて示している。なお、第5図(a)
は、90゜パルスを印加する直前の熱平衡状態を示すもの
である。
次に、第3図に戻り、区間IおよびIIについて説明す
る。
区間Iにおいて、プリサチュレーションパルス29と傾
斜磁場32を印加させるようになっている。この場合にお
けるプリサチュレーションパルス29は、90゜パルスより
も若干大きめのパルスが用いられる。90゜パルスよりも
大きくなる程度は、断層像情報を得るための最初のパル
スである90゜パルスまでの時間TPに応じて設定されるも
のである。
すなわち、従来、プリサチュレーションパルスとし
て、90゜パルスを用いた場合、該プリサチュレーション
パルス印加後、断層像情報を得るための最初のパルスの
印加までの時間(TP)にスピンが熱平衡状態に戻る過程
にあることが全く考慮されていなかったものである。
それ故、この実施例におけるプリサチュレーションパ
ルス29のパワーとしては、該プリサチュレーションパル
ス印加後前記最初のパルス印加直前までにスピンが熱平
衡状態に戻る現象度合いを加味して、前記最初のパルス
印加直前の時点で前記スピンにおける縦方向の成分が零
になるように設定されたものとなっている。
この場合におけるプリサチュレーションパルス印加後
断層像情報を得るための最初のパルスの印加までの時間
tと、プリサチュレーションパルスのパワーPとの関係
は実験により次のように設定できることが判明した。
P={A×EXP(t)+B} あるいは、 P=(A×t+B) あるいは、 P=(At2+Bt+C) あるいは、 P=(Atn+Btn-1+…+C) ここで、上式において、A、B、…は、それぞれ定数
である。この定数は、前もって、撮像部位とほぼ同一の
緩和時間を持つ物質を用いて、信号消失が最大となるプ
リサチュレーションパワーを時間TPを変化させることに
より、最小誤差2乗近似で求めておいてもよいし、ま
た、計測の直前に予備計測を行っては求めてもよい。
なお、プリサチュレーションパルス29のパワーは、た
とえば照射コイル20aに流す電流によって任意に設定で
きるものである。
このようにして前記プリサチュレーションパルス29と
傾斜磁場32によって選択的に励起されたプリサチュレー
ション領域43のスピンは、上記第9図と対応づけて記載
した第1図の(b)に示すように、断層像情報を得るた
めの最初の90゜パルス30の印加の直前において、全く縦
方向の成分が発生しないようになる。
したがって、その後、断層像情報を得るための90゜パ
ルス30、および180゜パルス31を印加した後に発生するN
MR信号34にはプリサチュレーション領域43からの信号が
全く含まれないことになる。
なお、区間IIにおいて、各軸に印加される傾斜磁場は
いわゆるスポイル傾斜磁場と称され、スピンのスポイル
をおこなうものである。
以上説明したように、本実施例によれば、プリサチュ
レーションパルス29のパワーを、断層像情報を得るため
の最初のパルス印加直前の時点で前記核スピンにおける
縦方向の成分が零になるように、設定することにより、
プリサチュレーション領域における信号を完全に除去さ
せることができるようになる。
従来にあっては、プリサチュレーションパルスとし
て、90゜パルスが用いられていたものであるが、該90゜
パルスを印加した後前記最初のパルスを印加するまでの
間に、核スピンが熱平衡状態に戻ろうとする状態が加味
されていなかったため、前記核スピンにおける縦方向の
成分が存在し、この縦方向の成分によってプリサチュレ
ーション領域における信号が生じていたものであった。
このことから、核スピンにおける縦方向の成分が零に
なるようにプリサチュレーション29のパワーを設定する
場合において、プリサチュレーションパルス印加後前記
最初のパルス印加直前までに核スピンが熱平衡状態に戻
る現象度合を加味してなされるようにしたものである。
したがって、核スピンにおける縦方向の成分が完全に
零になった状態で、断層像情報を得るための動作に入れ
ることから、該断層像情報にプリサチュレーション領域
における信号が含まれるようなことは全くなくなる。
上述した実施例では、断層像情報を得るための方法の
一実施例として、いわゆるスピンエコー法を用いたもの
であるが、これに限定されることはなくたとえばグラジ
ェント・エコー法を用いたものであってもよい。
また、本実施例では、プリサチュレーション法とし
て、スライス面内の動き・流れのアーチファクトを除去
するものについて説明したものであるが、これに限定さ
れることなく、たとえば、スライス面外からの動き・流
れのアーチファクトを除去するものであってもよいこと
はもちろんである。
ここで、スライス面外からの流れによるアーチファク
ト除去について第6図を用いて説明する。
第6図は、スライス面外から流入する血流46によるア
ーチファクト42とその除去についての説明図である。ス
ライス面44に直交して血流が流れているとする。血流46
は、心拍に応じ、流速、流量が周期的に変化し、その周
期が計測の周期と異なるため、位相エンコード方向41に
画像全体にアーチファクト42が発生して、画質を劣化さ
せる。そこで、スライス面外の上流部の領域43を予備励
起することにより、スライス面内に流入する血流46は常
に予め励起することにより、スライス面内に流入する血
流46は常に予め励起されており、信号を発生しない。こ
のため、アーチファクト42は発生しなくなる。
次に、本発明による磁気共鳴イメージング装置の他の
実施例について説明する。
他の実施例としては、プリサチュレーションパルス印
加後前記最初のパルス印加直前までの時間を任意に設定
できる手段と、該時間内に核スピンが熱平衡状態に戻る
現象度合を加味して、前記最初のパルス印加直前の時点
で前記核スピンにおける縦方向の成分が零になるように
前記プリサチュレーションパルスのパワーが自動設定で
きる手段とを備えるようにしたものである。
すなわち、プリサチュレーションパルス印加後前記最
初のパルス印加直前までの時間を、たとえば第2図に示
すCPU11に接続されるキーボード50により入力できるよ
うにする。
そして、該時間が入力されたCPU11では、たとえば上
記演算式等に基づいてプリサチュレーションパルスのパ
ワー値が算出され、この算出値と前記時間値のそれぞれ
のデータでシーケンサ12内のシーケンスを変更するよう
になっている。
このようにした場合、種々の要請からプリサチュレー
ションパルス印加時を任意に変えたいような場合があっ
ても、即、対応することができるようになるとともに、
診断上において、特殊な計測等ができるようになる。
ここで、特殊な計測ができる場合の一実施例について
説明する。第7図(a)において、CRTモニタ60に血管
像61が映像されている。そして、この血管像61とたとえ
ば直交するようにプリサチュレーション領域62を設定す
る。
その後、プリサチュレーションパルスの印加時点を適
当に設定して第7図(b)に示すように映像させる。こ
の場合、血流によって血管像61にはプリサチュレーショ
ンされた部分63が大幅にずれた状態で、しかも充分プリ
サチュレーションされていない状態で映像されることに
なる。
したがって、プリサチュレーションパルスの印加時点
を変化させて前記プリサチュレーションされた部分63に
おいて、第7図(c)に示すように、充分プリサチュレ
ーションされた状態で映像させるようにする。
ここで、断層像の情報を得るための最初のパルスの印
加時点からNMR信号発生の時点までの時間経過と、第7
図(c)においてプリサチュレーション領域62のずれL
とから、血流の正確な速度を算出することができるよう
になる。
上述した実施例では、断層像情報を得るためのシーケ
ンスの前に1個のプリサチュレーションパルスを設けた
ものであるが、この個数は1個に限定されることはなく
複数個であってもよい。また、第3図に示すシーケンス
の区間I,IIは同じようなものを複数個並設させて形成す
るようにしてもよい。
また、プリサチュレーションパルス29としては、単一
周波数の高周波をある有限時間の関数できりだしたも
の、たとえば、SINC関数の二周期で切り出したものでも
良いし、周波数変調した高周波をある有限時間の関数で
切りだしたものでもよいことはいうまでもない。
さらに、時間TPの関数で決定されるプリサチュレーシ
ョンパルスのパワーは、高周波発振器17、あるいは変調
器18の出力電流によって設定してもよいことはもちろん
のこと、これに限らず、出力電圧あるいは出力電力を制
御するようにしてもよい。さらに、高周波増幅器18の利
得を変化させるようにしてもよい。
〔発明の効果〕
以上説明したことから明らかなように、本発明による
磁気共鳴イメージング装置によれば、プリサチュレーシ
ョン領域における信号を完全に除去させることができる
ようになる。
また、プリサチュレーション領域における信号の完全
除去を種々の態様において、即、対応できるようにする
とともに、特殊な計測等もできるようにできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による磁気共鳴イメージング装置の動
作の一実施例を説明した説明図、 第2図は、本発明による磁気共鳴イメージング装置を示
す全体構成のブロック説明図 第3図は、本発明による磁気共鳴イメージング装置のシ
ーケンスの一実施例を説明した説明図、 第4図は、第3図において断層像情報を取り出すシーケ
ンスのみを取り出して説明した説明図、 第5図は、第4図のシーケンスに対応させてスピンの挙
動状態を示した説明図、 第6図は、プリサチュレーション方法の一態様を示した
説明図、 第7図は、本発明による磁気共鳴イメージング装置の他
の実施例を説明した説明図、 第8図は、プリサチュレーション方法の説明をするため
の説明図、 第9図は、従来の磁気共鳴イメージング装置の動作の一
例を説明した説明図である。 図中、 29……プリサチュレーションパルス、30……90゜パルス
(断層像情報を得るための最初のパルス)、31……180
゜パルス、34……NMR信号、43……プリサチュレーショ
ン領域。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】照射コイルに、プリサチュレーションパル
    スを印加した後、断層像情報を得るための最初のパルス
    を印加するようにした磁気共鳴イメージング装置におい
    て、 前記プリサチュレーションパルスの1回の印加で、該プ
    リサチュレーションパルス印加後から前記最初のパルス
    印加直前までの時間に該スピンにおける縦方向の成分が
    零になるように、前記プリサチュレーションパルスのパ
    ワーを設定したことを特徴とする磁気共鳴イメージング
    装置。
  2. 【請求項2】照射コイルに、プリサチュレーションパル
    スを印加した後、断層像情報を得るための最初のパルス
    を印加するようにした磁気共鳴イメージング装置におい
    て、 前記プリサチュレーションパルスの印加から前記最初の
    パルス印加までの時間をtとした場合、前記プリサチュ
    レーションパルスのパワーを{A×EXP(t)+B}に
    対応させた値としたことを特徴とする磁気共鳴イメージ
    ング装置。
  3. 【請求項3】照射コイルに、プリサチュレーションパル
    スを印加した後、断層像情報を得るための最初のパルス
    を印加するようにした磁気共鳴イメージング装置におい
    て、 前記プリサチュレーションパルスの印加から前記最初の
    パルス印加までの時間をtとした場合、前記プリサチュ
    レーションパルスのパワーを(A×t+B)に対応させ
    た値としたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装
    置。
  4. 【請求項4】照射コイルに、プリサチュレーションパル
    スを印加した後、断層像情報を得るための最初のパルス
    を印加するようにした磁気共鳴イメージング装置におい
    て、 前記プリサチュレーションパルスの印加から前記最初の
    パルス印加までの時間をtとした場合、前記プリサチュ
    レーションパルスのパワーを(At2+Bt+C)に対応さ
    せた値としたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装
    置。
  5. 【請求項5】照射コイルに、プリサチュレーションパル
    スを印加した後、断層像情報を得るための最初のパルス
    を印加するようにした磁気共鳴イメージング装置におい
    て、 前記プリサチュレーションパルスの印加から前記最初の
    パルス印加までの時間をtとした場合、前記プリサチュ
    レーションパルスのパワーを(Atn+Btn-1+…+C)に
    対応させた値としたことを特徴とする磁気共鳴イメージ
    ング装置。
  6. 【請求項6】照射コイルに、プリサチュレーションパル
    スを印加した後、断層像情報を得るための最初のパルス
    を印加するようにした磁気共鳴イメージング装置におい
    て、 前記プリサチュレーションパルス印加後前記最初のパル
    ス印加直前までの時間を任意に設定できる手段と、該時
    間内に核スピンが熱平衡状態に戻る現象度合を加味し
    て、前記最初のパルス印加直前の時点で前記核スピンに
    おける縦方向の成分が零になるように前記プリサチュレ
    ーションパルスのパワーが自動設定できる手段とを備え
    たことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  7. 【請求項7】前記プリサチュレーションパルスは、90゜
    よりも大きいパルスであることを特徴とする請求項1に
    記載の磁気共鳴イメージング装置。
  8. 【請求項8】前記プリサチュレーションパルスの印加後
    から前記最初のパルスの印加直前までの時間を入力する
    手段を備え、該入力手段からの入力値に基づいてプリサ
    チュレーションパルスのパワーを設定することを特徴と
    する請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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