JP2891514B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JP2891514B2
JP2891514B2 JP2137669A JP13766990A JP2891514B2 JP 2891514 B2 JP2891514 B2 JP 2891514B2 JP 2137669 A JP2137669 A JP 2137669A JP 13766990 A JP13766990 A JP 13766990A JP 2891514 B2 JP2891514 B2 JP 2891514B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気共鳴現象を利用して被検体の所望部位
の断層像を得る磁気共鳴イメージング装置に関する。
〔従来技術〕 従来、この種の磁気共鳴イメージング装置において
は、被検体の動きによって発生する画面上のアーチファ
クトが診断の障害になるとして問題になっていた。
例えば第2図に示すように、y軸方向に載置された被
検者30の腹部の矢状断像を撮像する場合、腹壁31は被検
者の呼吸動作によりz軸方向に呼吸周期で矢印32のよう
に往復動する。これによって、第3図に示すように、z
軸方向すなわち位相エンコード方向にアーチファクト33
が発生してしまうことになる。なお、第2図および第3
図において符号40は被検者の脊椎、符号37は脂肪部を示
す。
ここで、このアーチファクトの原因を、第4図に示す
ように、スピンエコー法(以下SE法と呼ぶ)シーケンス
の場合を例にとって説明する。
同図(a)は、被検体に印加された静磁場によって生
じる巨視的磁化を静磁場方向に対して任意角度倒す高周
波磁場の印加タイミングを示している。なお、巨視的磁
化を90°倒す高周波磁場を90°パルス、また、180°倒
す高周波磁場を180°パルスと呼ぶ。
同図(b)は、撮像する断層面の位置を決定するスラ
イス方向傾斜磁場21、22の印加タイミングを示してい
る。
同図(c)は、断層面内の1方向の位置を決定する位
相エンコード方向傾斜磁場23の印加タイミング及びその
振幅を変えて計測することを示している。
同図(d)は、断層面内の位相エンコード方向と直交
方向の位置を決定する周波数エンコード方向傾斜磁場2
4、25の印加タイミングを示している。
同図(e)は、計測される磁気共鳴信号26を示してい
る。
同図(f)は、前記各高周波磁場及び傾斜磁場印加に
よる個々の原子核スピン(以下、単にスピンと呼ぶ)及
びそれらの集合としてみた場合の巨視的磁化の挙動を示
している。なお同図(f)において太い矢印27はスピン
の磁気モーメントの集合としてみた巨視的磁化、細い矢
印28はスピンの磁気モーメントを示す。
このようなパルスシーケンス図において、まず、90°
パルスを印加した後、エコータイムをTeとしたときのTe
/2の時点で180°パルスを印加すると、スピンは、同図
(f)に示すように、静磁場の方向に対して90°倒れ、
その状態で静磁場の方向を軸として歳差運動を行う。各
スピンはそれぞれに固有の速度で歳差運動を行うため、
時間の経過と共にスピン間に位相差を生じるようにな
る。ここで180°パルスが印加されるとスピンは、同図
(f)に示すようにx軸に対称に反転し、その後も同じ
速度で回転を続けるため前記エコータイムTeでスピンは
再び収束し、同図(e)に示すように磁気共鳴信号26を
形成するようになる。
このようにして前記磁気共鳴信号26を得るようにする
が、断層画像を構成するためには該信号の空間的(3次
元的)な分布を求める必要がある。このためには、まず
1方向の位置決定として画像化する断層面を選択する。
このために第4図(b)に示すスライス選択方向に線形
の傾斜磁場21、22を印加する。この場合、均一な静磁場
に線形傾斜磁場を重畳することで空間的に線形な磁場的
勾配ができる。磁気共鳴現象の原理よりスピンの歳差運
動の回転周波数すなわち磁気共鳴現象における共鳴周波
数は受ける磁場強度に比例するので、傾斜磁場が加わっ
た状態においてはスピンの共鳴周波数は空間的に異な
り、磁場の傾斜の方向に沿って1次的に変化する。そこ
で画像化したい断層面の位置に対応する周波数の高周波
磁場を印加することにより、所望の断層面のスピンのみ
を選択的に励起できることになる。
2方向目及び3方向目は特定された前記断層面内の2
次元的な位置を決定すればよいことになる。2方向目の
位置決定のために第4図(c)に示すように線形の位相
エンコード方向傾斜磁場23を磁気共鳴信号計測の手前で
印加する。この傾斜磁場印加中にスピンはその位置に従
った強度の磁場を受けるが、磁気共鳴現象の原理よりス
ピンの回転周波数は受ける磁場強度に比例するので、本
傾斜磁場印加後にはスピンの持つ位相はその位置に従っ
て1次的に変化する。前記磁気共鳴信号26の計測後にこ
の位相情報を調べることにより、断層面内の2次元のう
ち1次元の空間的位置を決定することができるようにな
る。
次に、3方向目の位置決定のために第4図(d)に示
すように線形の周波数エンコード方向傾斜24,25を磁気
共鳴信号計測中に印加する。磁場強度の傾斜の方向は、
前記位相エンコード傾斜磁場の傾斜の方向に対して直交
する方向とする。この際、磁気共鳴現象の原理よりスピ
ンの歳差運動の回転周波数は受ける磁場強度に比例する
ので、この傾斜磁場印加中に磁気共鳴信号を計測すれば
スピンの放出する磁気共鳴信号の周波数はその位置に従
って1次的に変化する。磁気共鳴信号計測後にその周波
数を調べることにより、断層面内の2次元のうち残りの
1次元の空間的位置を決定することができるようにな
る。
このように断層面内のスピンの位相エンコード方向の
空間的位置は、スピンが磁気共鳴信号計測までに受けた
傾斜磁場によって生じる位相回転量に応じてフーリエ変
換によって決定されることになる。
しかしながら、第2図に示したように、腹壁31が動い
ている場合、時間に従って異なる強度の磁場を受けるた
め、静止している場合に持つ位相回転量に対して誤差が
生じることになる。このため該スピンは本来存在する位
置とは異なる位置に存在するものと判別され、画像上に
表示される。この像がフーリエ変換によってその誤差量
に応じて位相エンコード方向の位置に画像として再構成
され、アーチファクト33となってしまう。
このアーチファクト33を低減するための方法として、
関心領域外に存在するスピンの位相を撮像シーケンスに
先立って飽和させることによってアーチファクトを低減
するプリサチュレーション法を用い、これにより、動く
部分の信号の低減する方法が知られている(特願昭62−
231644、特願昭64−20436参照)。
このプリサチュレーション法をSE法シーケンスに適用
した場合の概略を第5図に従って説明する。第5図
(a)は被検体に印加された静磁場によって生じる巨視
的磁化を静磁場方向に対して所定の角度倒す高周波磁場
の印加タイミングを示している。第5図(b)はプリサ
チュレーション法が適用されない領域内の個々のスピン
及び巨視的磁化の挙動を示している。第5図(c)はプ
リサチュレーション法が適用される領域内の巨視的磁化
の挙動を示している。
同図において、プリサチュレーション適用領域内の巨
視的磁化だけを選択的にα°倒す高周波磁場34を印加す
ることにより、それまで静磁場(z軸)方向に向いてい
た巨視的磁化は同図(c)に示すように選択的α°倒さ
れる。
ここで、設定されるα°の設定範囲について説明す
る。前記高周波磁場を印加すると、その強さに応じた角
度で巨視的磁化は傾斜することになるが、その後におい
て、緩慢な速度でもとの状態に戻ろうとする性質がある
ことが知られている。それ故、前記高周波磁場を印加し
た後90°パルス35を印加するまでの時間Tpの戻り角度β
°を見越してα°を90°+β°に設定する。このことか
ら、該α°は前記時間Tpとの関係から設定されるように
なる。
このようにして前記高周波磁場34を印加してからTp
間後、90°パルス35の印加時には縦磁化(z軸方向)成
分が零になり、横磁化(xy面内)成分だけを持たせるこ
とができるようになる。90°パルス35の印加以後の高周
波パルス及び傾斜磁場の印加パターンは上述したSE法シ
ーケンスと同様である。このように設定することによっ
て90°パルス35の印加後、プリサチュレーション適用領
域の巨視的磁化は、同図(c)に示すように、縦磁化成
分だけを持つ。磁気共鳴信号を発生するのは横磁化成分
だけであることから、プリサチュレーションを受けない
領域の巨視的磁化は信号を発生するが、プリサチュレー
ションを受けた領域の巨視的磁化は信号を発生しないと
いうことになる。被検体の複数個所の信号を低減したい
場合には第5図(c)に示すP部の動作を各領域に対応
させて所望の回数繰り返す。グラジエントフィールドエ
コー法などではSE法シーケンスの90°パルス35に相当す
る横磁化生成パルスは90°パルスとは限らないが、それ
ぞれのパルスに応じて角度α及び時間間隔Tpを設定すれ
ばよいことになる。
このようにして任意に設定した領域の信号を低減する
ことができるプリサチュレーション法を呼吸動などの動
きのある部分に適用することにより上記アーチファクト
を著しく低減することができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このプリサチュレーション法にあって
は、信号を低減する領域を設定する操作が以下に示すよ
うに複雑なものとなっていた。
すなわち、 所望する断層像と同一断面の像を予め撮像し、オペレ
ータは、その撮像画面を確認しなければならなかった。
動きによるアーチファクト及びそのアーチファクトの
原因となる動きのある部分をオペレータが確認しなけれ
ばならなかった。
プリサチュレーション法を適用する領域をオペレータ
が前記画面から判断しなければならなかった。
プリサチュレーション法を適用する領域をオペレータ
が入力しなければならなかった。
という手順を必要とした。
この一連の操作はオペレータの手間と時間を必要と
し、オペレータに大きな負担を強いるものであった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされ
たものであり、その目的とするところのものは、極めて
簡単かつ短時間の操作によって、アーチファクトを除い
た断層像を、得ることのできる磁気共鳴イメージング装
置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
このような目的を達成するために、本発明は、基本的
には、被検体の特定された断面にて周期的な動きのある
方向に周波数エンコード方向を設定しそれにより得られ
る磁気共鳴信号を一次元フーリエ変換して前記動きの範
囲を判定する動き範囲判定手段と、前記動きの範囲内に
て磁気共鳴信号を取り出せないようにしたプリサチュレ
ーシュン手段と、前記動き範囲判定手段とプサーチュレ
ーション手段をそれぞれ前記特定された断面の断層像を
得る前段階に順次作動させる手段と、を備えたことを特
徴とするものである。
〔作用〕
このように構成した磁気共鳴イメージング装置によれ
ば、被検体の特定された断面の断層像を得る前段階に次
の動作が自動的に行われることになる。
まず、動き範囲判定手段により、前記特定された断面
にて周期的な動きのある方向に周波数エンコード方向を
設定しそれにより得られる磁気共鳴信号を一次元フーリ
エ変換して前記動きの範囲を判定することができる。こ
の場合、周期的な動きのある方向に周波数エンコード方
向を設定していることから、これにより得られる一の磁
気共鳴信号は前記動きの過程の一つを表すものが得られ
るようになる。このため前記磁気共鳴信号を複数たとえ
ば10回程度取り出すことにより、前記動きの範囲を判定
することができる。
次に、前記判定が終わった後、プリサチュレーション
手段により、前記動きの範囲内にて磁気共鳴信号を取り
出せないようにできる。
さらに、このようなプリサチュレーションが終了した
後、自動的に、前記特定された断面における断層像情報
が磁気共鳴信号として取り出されるようになる。この磁
気共鳴信号から得られる断層像は、前記動き範囲判定手
段により判定された範囲内において、前記プリサチュレ
ーション手段により画像情報が取り出されていない画像
となる。
このようなことから、極めて簡単かつ短時間の操作に
よって、アーチファクトを除いた断層像を得ることがで
きるようになる。
〔発明の実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面を用いて具体的に説明
する。
第1図は、本発明による磁気共鳴イメージング装置の
全体構成を示すブロック図である。この磁気共鳴イメー
ジング装置は、磁気共鳴現象を利用して被検体の断層像
を得るもので、第1図に示すように、静磁場発生磁石2
と、磁場勾配発生系3と、送信系4と、受信系5と、信
号処理系6と、シーケンサ7と、中央処理装置(CPU)
8とを備えて成る。
上記静磁場発生磁石2は、被検体1の周りにその体軸
と直交する方向に均一な静磁場を発生させるもので、上
記被検体1の周りのある広がりをもった空間に永久磁石
方式または常電導方式あるいは超電導方式の磁場発生手
段が配置されている。磁場勾配発生系3は、x,y,zの三
軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜
磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源10とから成り、後述
のシーケンサ7からの命令に従ってそれぞれのコイルの
傾斜磁場電源10を駆動することにより、x,y,zの三軸方
向の傾斜磁場Gx,Gy,Gzを被検体1に印加するようになっ
ている。従来技術の項で述べたようにこの傾斜磁場の加
え方により被検体1に対する断層面を設定することがで
きる。シーケンサ7は、上記被検体1の組織を構成する
原子の原子核に磁気共鳴を起こさせる高周波磁場パルス
をある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加するもの
で、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層像のデータ収
集に必要な種々の命令を、送信系4及び磁場勾配発生系
3並びに受信系5に送るようになっている。送信系4
は、上記シーケンサ7から送り出される高周波磁場パル
スにより被検体1の組織を構成する原子核に磁気共鳴を
起こさせるために高周波磁場パルスを照射するもので、
高周波発振器11と変調器12と高周波増幅器13と送信側の
高周波コイル14aとから成り、上記高周波発振器11から
出力された高周波パルスをシーケンサ7の命令にしたが
って変調器12で振幅変調し、この振幅変調された高周波
パルスを高周波増幅器13で増幅した後に被検体1に近接
して配置された高周波コイル14aに供給することによ
り、電磁波が上記被検体1に照射されるようになってい
る。
受信系5は、被検体1の組織の原子核の磁気共鳴によ
り放出されるエコー信号を検出するもので、受信側の高
周波コイル14bと増幅器15と直交位相検波器16と、A/D変
換器17とから成り、上記送信側の高周波コイル14aから
照射された電磁波による被検体1の応答の電磁波は被検
体1に近接して配置された高周波コイル14bで検出さ
れ、増幅器15及び直交位相検波器16を介してA/D変換器1
7に入力してディジタル量に変換され、されにシーケン
サ7からの命令によるタイミングで直交位相検波器16に
よりサンプリングされた二系列の収集データとされ、そ
の信号が信号処理系6に送られるようになっている。こ
の信号処理系6は、CPU8と、磁気ディスク18及び磁気テ
ープ19等の記録装置と、CRT等のディスプレイ20とから
成り、上記CPU8でフーリエ変換、補正係数計算、像再構
成等の処理を行い、任意断面の信号強度分布あるいは複
数の信号に適当な演算を行って得られた分布を画像化し
てディスプレイ20に断層像として表示するようになって
いる。なお、第1図において、送信側の高周波コイル14
a、14bと傾斜磁場コイル9は、被検体1の周りの空間に
配置された静磁場発生磁石2の磁場空間内に配置されて
いる。
第1図に示した構成は、プログラムに沿ってCPU8が一
連の動作をすることによって動くものであるが、その動
きは第6図に示すブロック図と同様のものとなってい
る。
第6図において、装置本体61がある。この装置本体61
は、第1図の静磁場発生磁石2、磁場勾配発生系3、送
信系4、および受信系5からなっている。また、断層面
における情報である磁気共鳴信号を得るためのシーケン
ス71が備えられている。そして、このような装置本体61
には、断面を特定するデータ、および90°パルスを入力
させる入力手段62からの出力が入力されるようになって
いる。また、y軸方向に対して周波数エンコード方向
を、z軸方向に対して位相エンコード方向を設定するデ
ータを入力させる入力手段63があり、この入力手段63か
らの出力は、エンコード方向変換部64に入力されてい
る。このエンコード方向変換部64の出力はシーケンス設
定回路65に入力され、このシーケンス設定回路65では、
第10図(A)に示すシーケンスが設定されるようになっ
ている。
前記シーケンス設定回路65からの出力は前記装置本体
61に入力され、この装置本体61では、前記90°パルスの
入力とともに前記シーケンスに基づいて動作するように
なっている。
ここで、前記シーケンスについて説明すると、第10図
(A)は、被検体30の動き測定のためのシーケンスを示
す部分である。前記したように通常動きの方向であるz
軸に位相エンコード方向を、y軸に周波数エンコード方
向を設定するのに対し、ここでは、z軸に周波数エンコ
ード方向を、y軸に位相エンコード方向を設定してい
る。そして、入力手段62によって、設定された断面と同
一の断面を選択するように90°パルス41及びx軸方向に
スライス選択傾斜磁場42を印加するようになっている。
つづいてスライス選択傾斜磁場42による位相回転量を補
正して零に戻すためのスライス方向傾斜磁場43と、信号
計測時にz軸方向に印加する周波数エンコード傾斜磁場
45による位相回転量を補正して零に戻すための周波数エ
ンコード傾斜磁場44を印加するようになっている。この
ように位相回転量を補正するのは、巨視的磁化を90°傾
斜させた時点以降、スピンの拡散が生じ、該巨視的磁化
のxy平面における投影値の絶対値が小さくなり、磁気共
鳴信号を強くとれなくなることから、該絶対値をもとに
戻すために行うものである。また、この際、信号強度を
最大にするためにy軸方向には位相エンコード傾斜磁場
は印加しないようになっている。その後、周波数エンコ
ード傾斜磁場45を印加することにより、磁気共鳴信号46
が得られる。
このような操作は、前記被検体30の1呼吸周期あるい
はそれ以上の時間内において、比較的短い時間間隔で複
数回繰り返して行われようになっており、それに応じた
数の磁気共鳴信号46が得られるようになっている。前記
操作の回数としては、たとえば10回程度で充分であると
考えられる。
なお、これに対して、z軸に位相エンコード方向を、
y軸に周波数エンコード方向を設定した場合を想定する
と、被検体の動きが周波数エンコード方向と直行する関
係にあることから、該動きの範囲を定めるのに、極めて
膨大な回数で操作しなければならなくなるものである。
このようにして得られた磁気共鳴信号は、順次、各磁
気共鳴信号毎に1次元フーリエ変換処理部66に入力され
るようになっている。そして、この1次元フーリエ変換
処理部66によりフーリエ変換された各出力は、順次、プ
ロファイル処理部67に入力されるようになっている。こ
のプロファイル処理部67では、各磁気共鳴信号毎に第7
図に示すようになデータが得られ、このうち同図(a)
に示すように最大吸気時に相当するデータと、同図
(b)に示すように最大呼気時に相当するデータとが選
択されるようになっている。同図においては、腹壁31に
付着した脂肪部37から比較的高い信号が検出されている
ことが判かる。
このようなことから、z軸を周波数エンコード方向に
設定することにより、極めて短時間に腹壁31の動きを得
るようにすることができるようになる。なお、被検体1
の背側は通常ベッドで固定されているため、被検体30及
びその腹壁31の絶対位置がわかるようになる。また呼吸
時には腹壁31のみが動くため、この測定により腹壁のz
軸方向の動作範囲29が得られるようになる。
さらに、第7図に示すデータに対応する信号は差分演
算処理部68に入力されるようになっており、この差分演
算処理部68では、第7図の符号29に相当する腹壁31の動
きの範囲が求められるようになっている。さらに、前記
腹壁31に対応する信号はプリサチュレーション位置の判
定回路69に入力されるようになっており、この判定回路
69では、前記腹壁31の動きの範囲及び前記腹壁31に対応
する信号から求められる腹壁部の脂肪厚さに基づいて第
9図に示すプリサチュレーション法適用領域38が設定さ
れるようになっている。
そして、前記プリサチュレーション法適用領域38に対
応する出力がプリサチュレーションシーケンス設定回路
70に入力されるようになっている。このプリサチュレー
ションシーケンス設定回路70では、第10図(B)に示す
シーケンスが作成されるようになっている。
このシーケンスについて説明すると、第9図に示す適
用領域38内のスピンを選択的に所定の角度α°倒すよう
なα°パルス47及びz軸方向にスライス選択傾斜磁場48
を印加するようになっている。前記角度α°は、上述し
たようにα°パルス印加から次の90°パルス印加までの
時間において巨視的磁化が緩やかに戻る角度を見越して
前記90°パルス印加時に90°傾斜するように決定される
角度である。また、前記スライス選択傾斜磁場48は、そ
の傾きの設定により、第9図に示す適用領域38に相当す
る幅のスピンを励起させるようにしているものである。
このようにしてプリサチュレーション法適用領域38内
の巨視的磁化を静磁場の方向から倒した後に比較的強い
傾斜磁場49,50,51を印加する。なお、このような傾斜磁
場49,50,51を印加する理由としては、スピン位相を充分
拡散させて該適用領域38内における情報を取り出せない
ようにするためである。これにより領域38内の巨視的磁
化は90°パルス52の印加時には縦磁化成分が零になるだ
けでなく、位相も十分拡散されて横磁化成分も零になっ
ている。
このような状態で、次にシーケンス71に基づいて装置
本体61が動作するようになっている。このシーケンス71
は、従来から用いられている断層像形成のためのシーケ
ンスである。本発明では全ての測定シーケンスを使用で
きるが、本実施例においてはスピンエコー法のシーケン
スを示している。第4図(C)において、同図(A)で
選択したと同一断面を選択するように90°パルス52及び
x軸方向にスライス選択傾斜磁場53を印加するようにな
っている。これにより巨視的磁化は静磁場の方向に対し
て90°倒れて横磁化を生じ、磁気共鳴信号を放出できる
状態になる。この際、上記のようにプリサチュレーショ
ンを受けた領域の巨視的磁化は横磁化を生じない。これ
に続いてy軸方向に位相エンコード傾斜磁場54を印加す
るようになっている。また同時に、信号計測時にz軸方
向に印加する周波数エンコード傾斜磁場58による位相回
転量を補正して零に戻すための周波数エンコード傾斜磁
場55を印加するようになっている。次に、90°パルス52
によって選択された断層面と同一断面内のスピンの位相
を180°反転してエコー信号を得るために必要な180°パ
ルス56とスライス選択傾斜磁場57を印加するようになっ
ている。またこの際スライス選択傾斜磁場57はスライス
選択傾斜磁場53による位相回転量を補正し、零に戻す効
果も果している。これらのパルス等に続いてz軸方向に
周波数エンコード方向傾斜磁場58を印加することによ
り、所望の断層像を得るための磁気共鳴信号59が得られ
るようになる。
この磁気共鳴信号59は、2次元フーリエ変換処理部72
に入力されるようになっている。この2次元フーリエ変
換処理部72では、前記特定された断面における2次元情
報が作成され、この2次元情報は画像処理部73に入力さ
れるようになっている。この画像処理部73では、前記2
次元情報に適当な画像処理をおこないその処理された情
報をCRT74に入力させるようにしている。
このように上述した実施例による磁気共鳴イメージン
グ装置によれば、被検体の特定された断面の断層像を得
る前段階に次の動作が自動的に行われることになる。
まず、動き範囲判定手段により、前記特定された断面
にて周期的な動きのある方向に周波数エンコード方向を
設定しそれにより得られる磁気共鳴信号を一次元フーリ
エ変換して前記動きの範囲を判定することができる。こ
の場合、周期的な動きのある方向に周波数エンコード方
向を設定していることから、これより得られる一の磁気
共鳴信号は前記動きの過程の一つを表すものが得られる
ようになる。このため前記磁気共鳴信号を複数たとえば
10回程度取り出すことにより、前記動きの範囲を判定す
ることができる。
次に、前記判定が終わった後、プリサチュレション手
段により、前記動きの範囲内にて磁気共鳴信号を取り出
せないようにできる。
さらに、このようなプリサチュレーションが終了した
後、自動的に、前記特定された断面における断層像情報
が磁気共鳴信号として取り出されるようになる。この磁
気共鳴信号から得られる断層像は、前記動き範囲判定手
段により判定された範囲内において、前記プリサチュレ
ーション手段により画像情報が取り出されていない画像
となる。
このようなことから、極めて簡単かつ短時間の操作に
よって、アーチファクトを除いた断層像を得ることがで
きるようになる。
上述した実施例では、第10図(B)において、位相を
拡散させて強い磁気共鳴信号を得るため、x、y、zの
各軸方向にそれぞれ傾斜磁場49、50、51を印加させてい
るものであるが、これに限定されるものではなく、必要
に応じて一方向あるいは二方向にのみ印加するようにし
てもよいことはいうまでもない。
また、上述した実施例では、第10図(C)に示すよう
に、特定された断面の断層像の磁気共鳴信号を得るの
に、いわゆるSE法シーケンスを用いているものである
が、他のシーケンスであってもよいことはいうまでもな
い。また、上述した実施例において、第10図(B)及び
(C)は腹壁の脂肪部からのアーチファクトを除去する
ために連続して実施する必要があるが、同図(A)は同
図(B)及び(C)と連続して実施する必要はなく、被
験者が装置ガントリ内の断層像撮影位置に設定された
後、上記腹壁の脂肪部からのアーチファクトが画像に影
響を及ぼす断層像撮影の開始までの間に実施すればよい
ことはいうまでもない。
〔発明の効果〕
以上、説明したことから明らかなように、本発明によ
る磁気共鳴イメージング装置によれば、極めて簡単かつ
短時間の操作によって、アーチファクトを除いた断層像
を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による磁気共鳴イメージング装置の一
実施例を説明するための概略構成図、 第2図および第3図は、従来の磁気共鳴イメージング装
置における問題点を説明するための説明図、 第4図は、従来から行われているいわゆるSE法を示す説
明図、 第5図は、従来から行われているいわゆるプリサチュレ
ーション法を示す説明図、 第6図は、本発明による磁気共鳴イメージング装置の一
実施例をさらに具体適的に説明するための構成図、 第7図は、被検体の動きの範囲を判定するデータの説明
図、 第8図は、従来において、周波数エンコード方向と位相
エンコード方向の設定方向を示した説明図、 第9図は、被検体の動きの範囲の判定からプリサチュレ
ーション方法を行う範囲を示した説明図、 第10図は、本発明による磁気共鳴イメージング装置のシ
ーケンスを示した説明図である。 64……エンコード方向変換部、65……シーケンス設定回
路、66……一次元フーリエ変換処理部、67……プロファ
イル処理部、68……差分演算処理部、69……プリサチュ
レーション位置の判定回路、70……プリサチュレーショ
ンシーケンス設定回路、72……2次元フーリエ変換処理
部、73……画像処理部、74……モニタ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検体の特定された断面にて周期的な動き
    のある方向に周波数エンコード方向を設定しそれにより
    得られる磁気共鳴信号を一次元フーリエ変換して前記動
    きの範囲を判定する動き範囲判定手段と、前記動きの範
    囲内にて磁気共鳴信号を取り出せないようにしたプリサ
    チュレーシュン手段と、前記動き範囲判定手段およびプ
    リサチュレーション手段をそれぞれ前記特定された断面
    の断層像を得る前段階に順次作動させる手段と、を備え
    たことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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