JP4230875B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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本発明は、磁気共鳴イメージング(MRI)装置に関し、特にマルチプルRF受信コイルを用いたパラレルイメージングが可能であるMRI装置に関する。
MRI装置を用いた高速撮影方法の一つに、複数のエレメントよりなるマルチプルRF受信コイルを用いるパラレルイメージングがある。この方法は、マルチプルRF受信コイルを用いて、位相エンコードを等間隔に間引いたシーケンスを実行し、取得した信号を各エレメントの感度分布を用いて行列演算により展開し画像化するものであり、シーケンスの繰り返し時間を低減し撮影時間を短縮する。通常、位相エンコードを間引いて計測を行うと、画像には折り返しが発生するが、パラレルイメージングでは各エレメントの感度分布をもとに行列演算を行うことにより画像を展開し、折り返しを除去する。このようなパラレルイメージングについては、例えば、非特許文献1、特許文献1に詳細が記載されている。
各エレメントの感度分布は、予めファントム等を用いて測定したものを使用することも可能であるが、感度分布を求めるための前計測シーケンスを実行し、それによって測定した分布を用いる方法が一般的であり、また好ましい。さらに本出願人により、前計測シーケンスを撮影のための本計測シーケンスに組み込む手法(セルフキャリブレーション)も提案されている(特許文献2)。この方法では、k空間の低周波域から高周波域を含む本計測のうち低周波域については位相エンコードを密に計測し、低周波域の情報を用いて実質的な感度分布を作成するようにしている。
Klaas P. Pruessmann et al: SENSE: Sensitivity Encoding for Fast MRI, Magnetic Resonance in Medicine 42, 952-962 (1999) 特表2002―505613号公報 特開2001−161657号公報
一方、MRI装置による別な高速撮影方法の一つとして、グラディエントエコー法を基本とする短TRの撮影があり、心電同期撮影やフルオロスコピーなど種々の撮影に利用されている。短TR撮影の典型的なものとして、例えば「trueFISP法」と呼ばれる撮影方法がある。この撮影方法では、短い繰り返し時間(TR)でRF励起を繰り返し、撮影対象であるスピンが定常状態自由歳差運動(Steady State Free Precession: SSFP)にあるときに信号を計測する。定常状態に達するまでの過程を過渡状態というが、過渡状態では信号の振動が強いので、通常、エコー信号は取得せずRFパルスによる磁化の励起のみ(空打ち)を行う。即ち、SSFPのエコー信号を用いる撮影では、過渡状態の分だけ撮影時間が延長することになる。
過渡状態における信号の振動を抑制する技術も提案されている。例えば、フリップ角がα/2の高周波パルスを、撮影シーケンスの最初に印加する高周波パルスよりTR/2前に印加することが非特許文献2や特許文献3に記載されている。しかし、この場合、過渡状態の信号の振動は抑制されるものの信号値の大きさは定常状態における信号値の大きい差とは差があり、この差が画像コントラストの差となるため、振動抑制後にもさらに空打ちすることが好ましい。
M. Deimling and O. Heid: Magnetization Prepared True FISP Imaging, Proc., SMRM, 2nd Annual Meeting, 495 (1994) 特開平8−56932号公報
ところで、上述したSSFP型のシーケンスにパラレルイメージングを適用しようとした場合、次のような問題がある。即ち、上述のようにパラレルイメージングでは、各エレメントの感度分布を求めるために前計測を行う必要があるが、例えばフルオロスコピーシーケンスを用いて被検体の動態を観察する場合などは前計測の時と本計測の時では被検体の位置や状態が変わり正しく折り返しを除去できない場合がある。またフルオロスコピーシーケンスを利用して撮影断面をリアルタイムで変更するインタラクティブスキャンなどでは前計測で用いた感度分布情報を利用することができない。さらに本計測に先行して前計測を行った場合には、前計測の時間に加えて所定の空打ち期間を要することになるため、計測時間が延長し、高速化の妨げとなる。
そこで本発明は、短TRシーケンスを利用した撮影において、計測時間の延長を招くことなくパラレルイメージングを実現するとともに、適切な折り返し除去を行い高品質のMR画像を得ることを目的とする。
上記課題を解決する本発明のMRI装置は、被検体の置かれる空間に静磁場及び傾斜磁場を発生する磁場発生手段と、前記被検体の磁化を励起し核磁気共鳴信号を発生させるための高周波パルス発生手段と、複数のエレメントからなるマルチプルRF受信コイルを備え前記被検体が発生する核磁気共鳴信号を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した核磁気共鳴信号を信号処理し、被検体の断層像を再構成する信号処理手段と、前記高周波パルス発生手段、受信手段及び信号処理手段を所定のパルスシーケンスに従い制御する制御手段と、前記マルチプルRF受信コイルの感度分布データを用いて位相エンコードを間引いた時に得られる画像上の折り返しを除去する処理を行う演算手段とを備え、前記制御手段は、スピンを定常状態にして画像再構成用の核磁気共鳴信号の計測を行うパルスシーケンスの実行において、位相エンコードを間引いて画像再構成用の核磁気共鳴信号を取得する第1の期間と、前記感度分布データの少なくとも一部を取得する第2の期間を設け、前記第1の期間と第2の期間を連続して実行し、前記演算手段は、前記第1の期間に取得された画像再構成用の核磁気共鳴信号から再構成された画像に生じる折り返しを前記第2の期間に取得された感度分布データを用いて除去することを特徴とする。
RF励起パルスの印加を短い繰り返し時間で連続して行うパルスシーケンスは、例えば、グラディエントエコー系シーケンスを基本とするフルオロスコピーシーケンスや「trueFISP」と呼ばれる励起パルスの極性を交互に反転させて印加するSSFP型シーケンスであり、定常状態自由歳差運動を維持するために、或いは定常状態自由歳差運動に至るまでにRF励起パルスを印加するがエコー信号を計測しない期間(空打ち期間)を伴うパルスシーケンスである。
このようなパルスシーケンスの実行において、従来空打ち期間として利用されなかった期間を感度分布用データの計測に充てることにより、撮影時間の延長を伴うことなく画像再構成用核磁気共鳴信号の計測(本計測)とほぼ同じタイミングで感度分布計測を行うことができ、パラレルイメージングによる適正な折り返し除去を行うことができる。
本発明のMRI装置において、感度分布データを取得する第2の期間は、画像再構成用の核磁気共鳴信号を取得する第1の期間の前段であっても後段であってもよく、さらに前後に分けて行ってもよい。
本発明のMRI装置は、例えば被検体の周期動(心周期、呼吸周期)などに同期する撮影方法を実行するMRI装置に好適であり、その場合、制御手段は被検体からの生体信号を入力し、生体信号に同期して前記パルスシーケンスを実行する。
また本発明のMRI装置において、パルスシーケンスは本計測の前にプリパルスの印加を含むものであってもよい。プリパルスとは、本計測の対象スピン或いは対象以外のスピンの磁化を本計測の時点で特定の磁化状態にするために印加される励起パルスで、例えば、CHESSと呼ばれる脂肪信号抑制パルスや反転回復法によるIRパルスなどがある。このMRI装置では、本計測をプリパルスとの関係で決まる適切なタイミングで実行し、本計測が行われない空打ち期間で感度分布用データの計測を行う。これにより、プリパルス印加による本計測タイミングを逸することなく感度分布計測を行うことができる。
以下、本発明のMRI装置の実施の形態を説明する。
図1は、本発明が適用される典型的なMRI装置の概要を示す図である。このMRI装置は、被検体101が置かれる空間に均一な静磁場を発生する磁石102と、静磁場空間に傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル103と、被検体101に高周波磁場を照射するRFコイル104と、被検体101が発生するNMR信号を検出するRFプローブ105と、被検体101を静磁場空間に搬入するためのベッド112とを備えている。
磁石102には、永久磁石方式、常電導磁石方式、超電導磁石方式のいずれかを採用してもよく、被検体101の体軸方向或いはそれと直交する方向に均一な静磁場を発生する。傾斜磁場コイル103は、互いに直交するx、y、z三方向の傾斜磁場コイルで形成されている。これら三方向の傾斜磁場コイルは、それぞれ傾斜磁場電源109に接続されており、傾斜磁場電源109からの信号により駆動され傾斜磁場を発生する。傾斜磁場の印加の仕方により、被検体の撮影面を選択し、またNMR信号に位置情報を付加することができる。
RFコイル104は、RF送信部110に接続され、RF送信部110からの信号に応じて高周波磁場を発生する。RFプローブ105は、増幅器、直交位相検波器、A/D変換器などからなる信号検出部106に接続されており、RFプローブ105からの信号は、信号検出部106で検出され、信号処理部107に送られる。信号処理部107は、信号検出部106からの信号に補正計算や画像再構成演算を行い、画像信号に変換する。画像は表示部108に表示される。本発明のMRI装置は、RFプローブ105として、図2に示すような、複数のエレメント2021〜2024からなるマルチプルRF受信コイル201を備え、各エレメント毎に増幅器203、A/D変換器、直交位相検波器204が接続されている。信号処理部107は、上述した画像再構成演算等のほかに、このマルチプルRF受信コイルからの信号を用いて感度分布計算を行うとともに感度分布を用いて、画像の折り返し除去のための行列演算を行う。
傾斜磁場電源109、RF送信部110及び信号検出部106の動作は、パルスシーケンスと呼ばれる制御のタイムチャートに従い制御部111により制御される。パルスシーケンスは、撮像方法によって種々のものがあり、予めプログラムとして制御部111に付属する記憶装置内に格納されている。また図示していないが、撮影方法として心電計等の外部モニターからの信号に同期した撮影(心電同期撮影)を行う場合には、制御部111は外部モニターからの信号を入力し、この信号を制御信号としてパルスシーケンスの開始を制御する。撮影方法の選択や撮影パラメータの設定は、図示しないキーボード等の入力装置を介して制御部111に入力される。本発明においては、パルスシーケンスとしてSSFP型等の短TRシーケンスが格納されている。
図3に、本発明による撮影方法で採用するSSFP型のパルスシーケンスの一例を示す。図中、「RF」、「Gs」、「Gp」、「Gr」は、それぞれRFパルス、スライス方向傾斜磁場、位相エンコード方向傾斜磁場及び読み出し方向傾斜磁場の印加タイミングを示し、「A/D」及び「echo」はデータ読み出しとエコー信号発生のタイミングを示している。
このパルスシーケンスは、trueFISPと呼ばれるグラディエントエコー系シーケンスで、被検体を励起するRFパルスの極性を反転させながら印加し、RFパルスを中心として傾斜磁場が時間的に対称に配置された構成を有している。具体的には、スライス傾斜磁場301を印加しながらフリップ角αのRF励起パルス302を印加し、位相エンコード傾斜磁場303と読み出し方向のディフェイズパルス304を印加しながら、A/D間隔306の間にエコー信号307の読み出しを行う。次に位相エンコード方向の傾斜磁場308及び読み出し方向の傾斜磁場309を印加してリフェイズを行い、続いてフリップ角−αのRF励起パルス310を印加する。このようなRF励起パルス302印加からRF励起パルス310印加までを、位相エンコード傾斜磁場強度を変えながら繰り返し時間TRで繰り返し、1枚の画像再構成に必要なエコー信号を取得する。
通常の撮影では位相エンコード数は、128、256、512等に設定され、また各エコー信号は128、256、512又は1024個のサンプリングデータからなる時系列信号として得られる。本発明では、例えばマルチプル受信RFコイルのエレメント数をNとするとき位相エンコードを1/M(N≧M)に等間隔で間引いて印加し、パラレルイメージングを行う。この際、SSFP型シーケンスにおいて信号が定常状態に達するまでの待ち時間(空打ち期間)或いは定常状態を保つための空打ち期間を利用して、パラレルイメージングに必要な受信コイル感度分布を求めるための計測を行う。
次に、このような本発明の撮像方法を心電同期マルチフェイズ撮影に適用した実施形態について説明する。
心電同期マルチフェイズ撮影は、心電計からの信号(R波)をトリガーとし、R波発生から所定のディレイ時間経過後の所定時間パルスシーケンスを実行し、複数の心時相の画像を得る撮影である。図4にその一例を示す。図中、「心電」は心電計における信号の発生タイミング、「RF」はRF励起パルスの印加タイミング、「echo」はエコー信号の発生タイミングを示している。図示する例では、一心周期に4心時相分の画像を取得する場合を示しており、各時相において実行されるパルスシーケンスは同様であるので、第1心時相についてのみ拡大して示している。
即ち、R波を検出してから所定のディレイ時間後、所定の間隔(ゲートインターバル)でSSFP型シーケンスを実行する。SSFP型シーケンスは図3に示すものと同様であるが、この実施形態ではシーケンスの最初のRF励起パルス(フリップ角α)に先だってフリップ角が−α/2のRFパルス(以下、−α/2パルスという)をTR/2前に印加する。本発明において−α/2パルスの印加は必須ではないが、これにより過渡状態における信号の振動を早期に抑制することができるので好ましい。−α/2パルスに続けて、所定の期間401、RF励起パルスを空打ち(エコー信号を計測することなく印加)した後、信号強度が一定となるまでの期間402に感度分布のためのエコー信号の計測を行う。その後、所定の期間403、画像用のエコー信号の計測(本計測)を行う。
このときの信号強度の変化を図5に示す。図示するように、短TRのRF励起を繰り返すと各TRの終わりでも横磁化が消失せず残留するため、信号強度が減少するが、RF励起を続けると撮影対象の縦緩和時間T1と横緩和時間T2で決まる時間を経た後に定常状態に到達する。この定常状態に達するまでの過渡状態で信号強度が振動するが、−α/2パルスを印加した場合(503)には、−α/2パルスを印加しない場合(501)に比べ、早期に信号の振動を抑制することができる。しかし信号強度は定常状態に達するまでは減衰し続けるので、通常、良好な画質を得るために、この期間505は画像用信号を取得しない。そこで本発明においては、振動抑制後、信号強度が定常状態に達するまでの期間505を利用して感度分布のためのエコー信号計測を行う。
信号が定常状態になったところで本計測を開始する(期間403)。画像用のエコー信号は、上述のように、位相エンコードを所定の間引き率(M)で間引いて計測する。感度分布計測の位相エンコード数は、撮像のための位相エンコード数と同じでも少なくてもよく、例えば、撮像のための位相エンコード数の数分の一程度でもよい。一心時相内の各期間のTR数は、マルチフェイズの心時相数によっても異なるが、−α/2パルスを採用した場合、一例として空打ち期間401が数回程度、感度分布計測期間402が5〜20TR程度、本計測が5〜20TR程度である。
本計測について予め設定された数のTRが終了したならば、続く第2、第3及び第4のゲートインターバルでも、それぞれ空打ち401、感度分布用エコー信号の計測402、画像用エコー信号の計測403を行い、第2、第3及び第4心時相の感度分布データ及び画像用データを取得する。このような計測を各心時相について1枚の画像に必要なエコー信号が得られるまで、複数の心周期にわたって行い、同一心時相について得られたエコー信号を用いて感度分布計算とそれを用いた画像再構成演算を行う。
次に感度分布計算を含む信号処理について説明する。この処理は、公知のパラレルイメージングの手法を採用することができ、図6にその手順を示す。ここではマルチプルRF受信コイルのエレメント数が3である場合を示すが、エレメント数は3に限定されない。まずマルチプルRF受信コイルの各エレメントから得られた感度分布用エコー信号を用いて感度分布計算を行う。典型的な感度分布計算では、予め全身用ボディコイルを用いて感度画像C(x,y)601を作成しておき、各エレメント毎に求めた感度画像ci(x,y)(i=1,2,…N:Nはエレメント数、ここでは3)6021、6022、6023から、例えば次式(1)により各エレメントの感度分布Ci(x,y)6051、6052、6053を求める(ステップ6041、6042、6043)。なお感度画像は、感度分布用データにローパスフィルタをかけたものを2次元フーリエ変換することにより得られる。
Figure 0004230875
一般に受信した信号Si(x,y)は、受信コイルの感度分布Ci(x,y)と被検体のプロトン密度分布P(x,y)との積で表わすことができる。但し、ここでは間引きした画像の位相エンコード方向のマトリクス数はY’≡Y/M(Mは間引き率)となり、その画像の画素値S'i(x,y')は、式(2)となる。
Figure 0004230875
即ちCijは、式(3)のようなM行、N列の行列で表わすことができ(ステップ606)、この逆行列を計算することにより(ステップ607)、折り返しを除去した信号が結果画像608として得られる。
Figure 0004230875
なお図6では、各エレメントの感度分布を求める方法として、予め求めた全身用コイルの感度分布を用いる方法を説明したが、全身用コイルの感度分布を用いずに、画像の背景部分についてマスクを作成し、アーチファクトを軽減した各エレメントの感度分布を求める手法(特開2001−315731号公報記載の技術)を採用してもよい。この手法はMRI装置が全身用コイルを備えない場合や、予め感度分布を求める手順を省略する場合に好適である。また折り返し除去処理において、感度分布データのマトリクスが本計測データのマトリクスよりも小さい場合(位相エンコード数が少ない場合)には、位相エンコード方向のデータを補間することにより同様に処理することができる。
こうして得られる各心時相の画像は、当該心時相で得られた感度分布を用いて折り返し除去補正が行われているので、感度分布計測と本計測との時間ずれによる影響を受けることなく高画質の画像が得られる。しかも感度分布計測は、本来空打ちとして利用されない期間を利用して行われるので実質的な計測時間の延長を伴うことがない。
次に本発明のMRI装置による撮影方法の別の実施形態を説明する。
この実施形態も心電同期撮影に適用したものであるが、本計測に先立って脂肪信号を抑制するCHESSや反転回復法によるIRパルス等のプリパルスを用いている点及び感度分布計測を本計測の後に行う点が図4の実施形態とは異なる。
本実施形態のタイミングチャートを図7に示す。図示するように、この実施形態でも一心周期内で4心時相のマルチフェイズ撮影を行う点は図4の実施形態と同様である。但し、ここでは各心時相の計測で、まずプリパルス701を印加する。ここでプリパルス701がCHESSであればパルス印加後できるだけ早くに本計測信号を取得する必要がある。またプリパルス701がIRパルスである場合には特定の組織の信号が0に近くなるタイミングで本計測信号を取得する必要がある。一方、感度分布計測にはこのような厳格なタイミングは要求されない。そこでこの実施形態では感度分布計測に先行して本計測を行う。即ち、プリパルス701印加後、−α/2パルスを印加し、TR/2経過後にRF励起パルスをTRで繰り返し印加する。この繰り返しにおける最初の数回程度は空打ち期間702とし、その後、本計測(期間703)を行う。本計測に割り当てた所定数のTRの後、ゲートインターバルの残り時間を利用してRF励起を繰り返し、その間704に感度分布用のエコー信号を計測する。ここでも本計測では位相エンコードを等間隔に間引いて計測すること、また画像用エコー信号の数や感度分布用エコー信号の数は、図4の実施形態と同様である。
このような心時相の計測を第2、第3及び第4の心時相でも繰り返し、4心時相それぞれの画像用データ及び感度分布用データを取得する。これらデータを用いた信号処理は、上述した実施形態と同様である。
この実施形態においても、実質的な計測時間の延長を伴うことなく、同一心時相で得られた感度分布を用いて適正な折り返し除去補正が行われるという効果が得られる。さらにプリパルス印加による本計測タイミングを逸することなく感度分布計測を行うことができる。
なお図7では本計測後に感度分布計測を行う場合を示したが、感度分布計測を空打ち期間702と本計測後の余剰期間704に分けて行うことも可能である。
以上、本発明のMRI装置を用いた撮像方法を心電同期撮影、特にマルチフェイズ撮影に適用した実施形態を説明したが、本発明は非同期撮影にも適用可能である。また心臓撮影のみならず腎動脈や肺動脈の撮影にも同様に適用することができる。さらにtrueFISPのようなSSFP型のシーケンスのみならず、空打ちを必要とするシーケンスであれば適用することができる。例えば、短TRシーケンスを用いた呼吸同期、呼吸非同期のインタラクティブスキャンコントロールのようにリアルタイムで撮影断面を変えながら撮影する方法にも好適である。この場合にも、連続撮影におけるRF励起パルスの空打ち期間を利用して撮影断面毎の感度分布計測を行うことにより、本撮影の時間分解能を下げることなく、即時に当該撮影断面の情報を反映した感度データを取得することができる。
このように本実施形態によれば、短TRでRF励起パルスを連続して印加するシーケンスにおいて、空打ち期間を利用して感度分布用のエコー信号を取得するので、実質的な計測時間の延長を招くことなく折り返し除去補正を行うことができる。また感度分布用エコー信号は本計測とほぼ同じタイミングで得られた感度分布を用いているので高精度の折り返し除去補正を行うことができる。
本発明が適用されるMRI装置の全体概要を示すブロック図 本発明のMRI装置で用いる受信コイルの一実施形態を示す図 本発明のMRI装置で実行されるパルスシーケンスの一例を示す図 本発明のMRI装置による撮影方法の一実施形態を示す図 図4の実施形態における信号強度の変化を示す図 本発明のMRI装置による信号処理の手順を示すフロー図 本発明のMRI装置による撮影方法の他の実施形態を示す図
符号の説明
101・・・被検体、102・・・磁石、103・・・傾斜磁場コイル、104・・・高周波コイル、105・・・高周波プローブ、106・・・信号検出部、107・・・信号処理部、108・・・表示部、109・・・傾斜磁場電源、110・・・高周波送信部、111・・・制御部

Claims (4)

  1. 被検体の置かれる空間に静磁場及び傾斜磁場を発生する磁場発生手段と、前記被検体の磁化を励起し核磁気共鳴信号を発生させるための高周波パルス発生手段と、複数のエレメントからなるマルチプルRF受信コイルを備え前記被検体が発生する核磁気共鳴信号を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した核磁気共鳴信号を信号処理し、被検体の断層像を再構成する信号処理手段と、前記高周波パルス発生手段、受信手段及び信号処理手段を所定のパルスシーケンスに従い制御する制御手段と、前記マルチプルRF受信コイルの感度分布データを用いて位相エンコードを間引いたときに得られる画像上の折り返しを発生させない処理を行なう演算手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
    前記所定のパルスシーケンスは、同一繰り返し時間内に、スピンが定常状態に達した後に核磁気共鳴信号を取得する第1の期間と、スピンが定常状態に達するまでの過渡的状態である第2の期間とを含み、
    前記制御手段は、前記第1の期間において、位相エンコードを間引いて画像再構成用の核磁気共鳴信号を取得し、前記第2の期間で前記マルチプルRF受信コイルの感度分布データを取得し、
    前記演算手段は、前記第1の期間に取得された画像再構成用の核磁気共鳴信号と前記第2の期間で取得した感度分布データとを用いてパラレルイメージングに基づく演算を行い、折り返しを生じない画像を再構成することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 被検体の置かれる空間に静磁場及び傾斜磁場を発生する磁場発生手段と、前記被検体の磁化を励起し核磁気共鳴信号を発生させるための高周波パルス発生手段と、複数のエレメントからなるマルチプルRF受信コイルを備え前記被検体が発生する核磁気共鳴信号を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した核磁気共鳴信号を信号処理し、被検体の断層像を再構成する信号処理手段と、前記高周波パルス発生手段、受信手段及び信号処理手段を所定のパルスシーケンスに従い制御する制御手段と、前記マルチプルRF受信コイルの感度分布データを用いて位相エンコードを間引いたときに得られる画像上の折り返しを発生させない処理を行なう演算手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
    前記所定のパルスシーケンスは、同一繰り返し時間内に、スピンが定常状態に達した後に核磁気共鳴信号を取得する第1の期間と、スピンが定常状態に達するまでの過渡的状態である第2の期間とを含み、
    前記制御手段は、前記第1の期間において、位相エンコードを間引いて画像再構成用の核磁気共鳴信号を取得し、前記第2の期間および第1の期間の後段で前記マルチプルRF受信コイルの感度分布データを取得し、
    前記演算手段は、前記第1の期間に取得された画像再構成用の核磁気共鳴信号と前記第2の期間および第1の期間の後段で取得した感度分布データとを用いてパラレルイメージングに基づく演算を行い、折り返しを生じない画像を再構成することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 被検体の置かれる空間に静磁場及び傾斜磁場を発生する磁場発生手段と、前記被検体の磁化を励起し核磁気共鳴信号を発生させるための高周波パルス発生手段と、複数のエレメントからなるマルチプルRF受信コイルを備え前記被検体が発生する核磁気共鳴信号を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した核磁気共鳴信号を信号処理し、被検体の断層像を再構成する信号処理手段と、前記高周波パルス発生手段、受信手段及び信号処理手段を所定のパルスシーケンスに従い制御する制御手段と、前記マルチプルRF受信コイルの感度分布データを用いて位相エンコードを間引いたときに得られる画像上の折り返しを発生させない処理を行なう演算手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
    前記所定のパルスシーケンスは、同一繰り返し時間内に、画像再構成用の核磁気共鳴信号を取得する本計測と、前記本計測に先立つプリパルス印加とを含み、且つ、前記本計測は、スピンが定常状態に達した後に核磁気共鳴信号を取得する第1の期間と、スピンが定常状態に達するまでの過渡的状態である第2の期間とを含み、
    前記制御手段は、前記本計測における第1の期間において、位相エンコードを間引いて画像再構成用の核磁気共鳴信号を取得し、第1の期間の後段で前記マルチプルRF受信コイルの感度分布データを取得し、
    前記演算手段は、第1の期間の後段で取得した感度分布データと前記第1の期間に取得された画像再構成用の核磁気共鳴信号とを用いてパラレルイメージングに基づく演算を行い、折り返しを生じない画像を再構成することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか1項記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記制御手段は、前記被検体からの生体信号を入力し、生体信号に同期して前記パルスシーケンスを実行することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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