JP4263015B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)に係り、特に定常状態自由歳差運動(SSFP)において計測したエコー信号を用いて画像を再構成するMRI装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
MRI装置は、人体等の組織を構成する原子(通常、プロトン)の原子核スピンに核磁気共鳴を生じさせ、それにより発生するNMR信号を計測し、画像化する装置であり、組織の種類や性質に応じて種々の撮像方法がある。それら撮像方法の代表的なひとつであるグラディエントエコー法は、傾斜磁場の反転によりエコー信号を発生させるものであり、高周波励起パルス印加から次の高周波励起パルス印加までの繰り返し時間TRを短縮することにより高速撮影が可能である。
【0003】
ところでこのように短い繰り返し時間で高周波励起パルスを印加しスピンを励起すると、磁化はしばらくの間振動した後、撮影対象の縦緩和時間T1と横緩和時間T2とで決まる所定の時間を経た後に定常状態に達する。この定常状態をSteady State Free Precession: SSFPといい、SSFPにおいてデータ取得する高速撮影法が広く実用化されている。例えば、高周波磁場パルスの極性を交互に反転するとともに3軸(スライス方向、位相エンコード方向および読み出し方向)のリワインドパルスを用い、SSFPで画像を収集するグラディエントエコー法のシーケンスは、特に「TrueFISP」と呼ばれ、脂肪抑制画像や血管描出に用いられ、また心臓シネ撮影などに臨床応用されている。
【0004】
しかしSSFPに達するまでの状態(過渡状態)では信号の振動が強いため、従来、この状態ではエコー信号を計測せずに一定の繰り返し時間TRで高周波励起パルスを繰り返し照射し(即ち、空打ちし)、ほぼSSFPに達するのを待ってエコー信号の計測を開始していた。この場合、SSFPに達するまでの時間が長く、プリパルスとエコー信号の間隔が長くなり、プリパルスの効果が低減してしまうため、過渡状態の振動を抑制し、撮像開始後できるだけ短い時間でエコー信号の計測を開始できるようにした手法が提案されている。
【0005】
そのひとつは、文献1に記載されるα/2パルス法といわれる手法である。この方法では、図7に示すように、本来の高周波パルス701、702のフリップ角(α)の半分のフリップ角(α/2)の高周波パルス703を、第1回目の高周波パルス701の印加時刻よりもTR/2前の時刻に追加する。撮像手法のひとつに、プリパレーションパルスにより画像に特定のコントラストをつける手法があるが、この手法にα/2パルスを併用することにより、プリパレーションパルスの効果を高めることができることが文献2に報告されている。
【非特許文献1】
M. Deimling and O. Heid: Magnetization Prepared True FISP Imaging, Proc., SMRM, 2nd Annual Meeting, 495(1994)
【特許文献2】
特開平8-56932号公報
【0006】
しかしα/2パルスを用いる場合、次のRFパルス印加までの時間はTR/2としなければならないため、高周波パルス、スライス選択傾斜磁場、スライス選択に対するリワインド傾斜磁場の印加に強い制限が課せられる。すなわち、傾斜磁場性能がさほど高くないMRI装置ではα/2法は実現が困難である。
【0007】
一方、文献3にはα/2法とは別の振動抑制方法が提案されている。この方法は、図8に示すように、エコー信号を計測せずに高周波パルス801を繰り返し時間TRの間隔で印加し、その際に高周波パルスのフリップ角を順次線形に増加させるもので、LFA(Linear Flip Angle)法と呼ばれる。この方法では、エコー信号計測のときの繰り返し時間TRと同じ間隔で高周波パルスを印加するので、α/2法のような装置の制限がなく、しかも過渡状態での信号抑制効果が得られる。
【非特許文献3】
V.S. Deshpande: 3D Magnetization Prepared True FISP Using a Linear Flip Angle Series, Proc., ISMRM, 10. 1586(2002)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし本発明者らが、上述した従来技術の信号抑制効果および画質に与える影響を詳細に検討した結果、α/2法とLFA法とでは得られる画像の組織コントラストが異なることがわかった。たとえば非特許文献3に記載されるような、「trueFISP法」のシーケンスで心臓短軸を撮影した場合、LFA法を用いた場合はα/2法を用いた場合に比べ心筋と心室内腔のコントラストが劣っていた。MRI装置で得られた画像をもとに心機能を自動解析するソフト(心機能解析用ポストプロセスソフト:たとえばMEDIS社製MASS)が一般に実用化されているが、このようなソフトを用いて自動的に心機能解析を行う場合、心筋と心室内腔とのコントラストが高いことはきわめて重要である。
【0009】
そこで本発明は、α/2法のような装置の制限がなく、しかもα/2法と同様の振動抑制効果を得ることができ、コントラストの高い組織画像を得ることができるMRI装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、エコー信号計測前に照射する高周波パルスのフリップ角、回数、間隔等について実験を重ねた結果、フリップ角を漸増するように高周波パルスを印加した後、一定のフリップ角の高周波パルスの印加を追加することにより、LFA法に比べ少ない数の高周波パルスで、しかも組織コントラストを大幅に向上させることができることを見出し、本発明にいたったものである。すなわち、本発明のMRI装置は、被検体のおかれる空間に静磁場、傾斜磁場および高周波磁場の各磁場を発生する磁場発生手段と、被検体を構成するスピンから発生する核磁気共鳴信号をエコー信号として計測する手段と、前記高周波磁場および傾斜磁場の印加ならびに核磁気共鳴信号の計測を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、高周波励起パルスの極性を交互に変えながら短い繰り返し時間TRで連続的に印加し、前記スピンの定常状態自由歳差運動におけるエコー信号を計測するシーケンスを有し、前記シーケンスは、前記エコー信号の計測に先立ち、エコー信号を計測することなく高周波励起パルスの極性を交互に変えながら前記TRで連続的に印加する第1の過程および第2の過程を含み、前記第1の過程ではフリップ角の絶対値を変化させながら複数の高周波励起パルスを印加し、第2の過程ではフリップ角の絶対値を一定として複数の高周波励起パルスを印加するものである。
【0011】
第1の過程において、好適には高周波励起パルスのフリップ角をその絶対値が漸増するように、より好適には線形に漸増するように、変化させる。第1の過程において印加する高周波パルスの数は、撮像対象の縦緩和時間T1によっても異なるが、好適には5以下である。
【0012】
また本発明のMRI装置は、制御手段は、高周波磁場パルスの極性を交互に変えながら短い繰り返し時間TRで連続的に印加し、前記スピンの定常状態自由歳差運動におけるエコー信号を計測するパルスシーケンスを有し、このパルスシーケンスの実行に際し、エコー信号の計測に先立ち、高周波磁場パルスのフリップ角の絶対値を変化させながら複数の高周波励起パルスを印加する第1の過程と、フリップ角の絶対値を一定として複数の高周波励起パルスを印加する第2の過程とを設定し、前記第1の過程及び第2の過程における高周波励起パルスの印加数の入力を受け付ける手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
或いは、前記シーケンスの実行に際し、エコー信号の計測に先立ち、高周波磁場パルスのフリップ角の絶対値を変化させながら複数の高周波励起パルスを印加する第1の過程と、フリップ角の絶対値を一定として複数の高周波励起パルスを印加する第2の過程とを設定するとともに、入力された撮影条件に応じて前記第1の過程及び第2の過程における高周波励起パルスの印加回数を設定することを特徴とする。
【0014】
このような本発明のMRI装置によれば、SSFPにおいて信号の振動抑制過程を含むシーケンスを実行するに際し、高周波励起パルスの空打ち回数を撮影条件、例えば撮像対象の縦緩和時間T1、k空間計測オーダリング(セントリックオーダリング又はシーケンシャルオーダリング)、繰り返し時間TR等に対応して、ユーザー設定により或いは自動的に設定することができるので、常に良好なコントラストの画像を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明が適用されるMRI装置の全体概要を示す図である。このMRI装置は、図示するように、被検体101が挿入される空間に均一な静磁場を発生する磁石102と、この空間に傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル103と、被検体101を構成する組織の原子核の原子核スピン(単にスピンという)を励起する高周波磁場を発生するRFコイル104と、被検体101が発生する核磁気共鳴信号(エコー信号)を検出するRFプローブ105と、被検体101を静磁場空間に搬入、搬出するためのベッド112とを備えている。
【0016】
傾斜磁場コイル103は、X、Y、Zの三方向の傾斜磁場を発生する3組のコイルで構成され、これら3組の傾斜磁場コイルはそれぞれ傾斜磁場電源109に接続され、傾斜磁場電源109からの信号に応じて傾斜磁場を発生する。RFコイル104は、RF送信部110に接続され、RF送信部110の信号に応じて、所定の周波数、所定強度の高周波磁場パルス(以下、RFパルスという)を発生する。高周波磁場の強度は、スピンを励起する際のフリップ角を規定する。
RFプローブ105が検出したエコー信号は、信号検出部106で検出され、信号処理部107で信号処理され、また計算により画像信号に変換される。画像は表示部108で表示される。
【0017】
傾斜磁場電源109、RF送信部110および信号検出部106の動作は、制御部111で制御される。制御のタイムチャートはパルスシーケンスと呼ばれ、撮像法によって決まる種々のパルスシーケンスが制御部111に付随する記憶装置に格納され、図示しない入力装置を介して、選択され必要なパラメータを設定することができる。本発明のMRI装置は、撮像法としてグラディエントエコー法を基本としたSSFPのパルスシーケンスを備えており、このパルスシーケンスにおけるRF励起パルスの印加に特徴を有している。
【0018】
次にこのような構成のMRI装置を用いた撮像法を説明する。図2は、本発明のMRI装置が採用するtrueFISP法のパルスシーケンスの一例を示す図、図3は振動抑制過程を含むパルスシーケンスを示す図である。図2中、RFは高周波励起パルス、Gsはスライス方向傾斜磁場、Gpは位相エンコード方向傾斜磁場、Grは読み出し方向傾斜磁場、A/D、echoはデータ読み出しタイミングとエコー信号発生タイミングを示す。図3では、RF励起パルスのタイミングのみを示し、傾斜磁場、データ読み出しは省略してある。
【0019】
本発明のMRI装置では、制御部111の入力装置(図示せず)を介してtrueFISP法のパルスシーケンスが選択されると、後述する磁化の振動抑制過程を含むtrueFISP法のパルスシーケンスが実行される。一般にtrueFISP法のパルスシーケンスでは、図2に示すようなスライス選択傾斜磁場201を印加しながら、RF励起パルス202を印加する。次いで位相エンコード方向と読み出し方向のディフェーズパルス203、204を印加した後、読み出し傾斜磁場205を印加しながらA/D間隔206の間にエコー信号207の読み出しを行う。その後、位相エンコード方向と読み出し方向の傾斜磁場208、209を印加してリフェーズを行い、最初のRF励起パルス202からTR時間後に次のRF励起パルス210を印加する。同様に傾斜磁場のディフェーズとリフェーズを繰り返しながら、繰り返し時間TRでRF励起パルスを印加する。ここでRF励起パルスは、交互に極性が反転するものとし、そのフリップ角αの絶対値は一定である。
【0020】
このようなtrueFISPのパルスシーケンスに先立って、磁化の振動を抑制するための過程を設ける。この振動抑制過程は、図3に示すようにRF励起パルスのフリップ角を順次増加させて印加する第1の過程301と、フリップ角を一定にして印加する第2の過程302とからなる。これら第1及び第2の過程では、エコー信号の計測を行わずに、図2に示すようなスライス傾斜磁場(Gs)とRF励起パルスをその後の計測における繰り返し時間TRと同じ繰り返し時間で繰り返し印加する。
【0021】
その際、第1の過程301では、図示するようにRF励起パルスのフリップ角が漸増するようにその強度を変化させる。漸増の仕方は、線形増加、指数関数等に従った非線形増加のいずれでもよいが、図示する例では線形増加としている。その場合、具体的には第1過程におけるRF励起パルスによる励起回数をn回、最終的なSSFPシーケンスにおけるフリップ角をαとするとき、RF励起パルスのフリップ角がα/n、2α/n、・・・(n-1)α/n、αとなるようにする。或いはα/(n+1)、2α/(n+1)、・・・nα/(n+1)、αとなるようにする。第1過程301における励起回数nは2以上であればよく、好適には5以下とする。
【0022】
第1の過程301においてRF励起パルスのフリップ角がαに達した時点で、第2の過程302に移行し、第2の過程302では一定のフリップ角αでRF励起パルスを繰り返し印加する。第2の過程302の励起回数は、多いほど磁化の振動が抑制されるが、数回以下でも従来法(LFA法)よりも高い抑制効果が得られる。従って第2の過程の励起回数は、第1の過程における最後のRF励起パルスの印加を初回の励起と数えたときに、1回以上であればよい。
【0023】
図4に、本発明のMRI装置が採用する好適なパルスシーケンスの一例を示す。この例では、第1の過程301は2回で、フリップ角がα/2のパルス401とフリップ角がαのパルス402のみを印加し、第2の過程302では数回のフリップ角αのパルスのみを印加している。
【0024】
本発明者らの実験によれば、最良のコントラストが得られる空打ち励起回数(第1の過程と第2の過程の励起回数)は、撮影対象の縦緩和時間T1、データ取得のオーダリング(k空間の低周波域から計測を開始するセントリックオーダリング、k空間を高周波域−低周波域−高周波域と順番に計測するシーケンシャルオーダリング等)、繰り返し時間TRによって異なることがわかった。従って、これら撮影条件に応じて空打ち回数を設定することが好ましい。空打ち回数の設定は、制御部111の入力装置に、撮影法の選択の際にユーザーに所望の回数の入力を促すようなGUIを設けても良いし、撮影条件が設定されると自動的に回数が設定されるようにしてもよい。例えば、SSFP法の撮影ではシーケンシャル撮影の方がアーチファクトがでにくいことが分かったので空打ち回数は、シーケンシャル撮影の場合には少なめに、セントリック撮影の場合には多めに自動設定する。またTRが長い場合には空打ち回数を少なめに、TRが短い場合には空打ち回数を多めに設定することが好ましい。
【0025】
このように第1の過程301と第2の過程302を設定し、その振動抑制過程を終了したならば、データの取得303を開始する。すなわち、図3ではRF励起パルスのみを示し傾斜磁場は省略しているが、図2のパルスシーケンスと同様であり、RF励起パルスとともにスライス傾斜磁場を印加し、次いで位相エンコード傾斜磁場及び読み出し傾斜磁場を印加してエコー信号を計測し、さらに3軸のリワインド傾斜磁場を印加する。このような高周波励起パルスによる励起とエコー信号の計測からなる繰り返しを、所望の回数繰り返し、画像再構成に必要な数のエコー信号を計測する。こうして得られたエコー信号は、図1の信号処理部107で信号処理され、画像信号に変換され、画像として表示部108で表示される。また必要に応じて、遠隔地に画像信号として送られる。
【0026】
この改良されたtrueFISP法によるパルスシーケンスによれば、データ取得に先立って、RF励起パルスのフリップ角を漸増させながら空打ちする第1の過程とフリップ角を一定にして空打ちする第2の過程とを組み込んだことにより、従来のLFA法に比べ少ない励起回数(空打ち回数)でSSFPに達するまでのスピンの振動(すなわち、信号値の変動)を効果的に抑制することができ、取得したデータのコントラストを大幅に向上することができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0028】
実施例1
図1に示すようなMRI装置(静磁場強度0.7T、傾斜磁場性能:強度=22mT/m、スルーレート=55T/m/s)を用い、被検体として生体等価ファントム(MRI頭部ファントム87-501型:日興ファインズ工業株式会社)を用い、下記の撮影パラメータで図3に示すtrueFISPシーケンスを実行した。この実施例では図3のシーケンスの第1過程(フリップ角を漸増するステップ)における励起回数を変化させるとともに第1過程の開始直後からエコー信号を計測し、第1過程の励起回数による信号の変化の相違を計測した。結果を図5に示す。図5において、グラフ501〜506は、それぞれ第1過程の励起回数5回、10回、15回、20回、25回、30回の測定結果を表すグラフである。またグラフ507は、同じ撮像パラメータでα/2法シーケンス(TR/2でα/2パルスを印加し、以後はαパルスを繰り返し印加する)により計測した結果を表すグラフである。
撮影パラメータ
FOV=410mm、TR/TE=5.0ms/2.5ms、フリップ角(固定後)=90°、スライス厚=5.0mm、帯域幅=140kHz、データマトリックス=128×128
【0029】
図5の結果からわかるように、全体としての励起回数が増加するにつれ、信号値は一定値に収束し、すなわちSSFPとなるが、励起回数の少ない段階では信号値の変化は大きく異なり、第1過程の励起回数が少ないほうが早く収束することがわかった。
【0030】
第1過程の励起回数が5回及び15回であるグラフ501、503とα/2法の場合のグラフ507を抜き出して図6に示す。この図で示す励起回数15回の時点508でデータ計測を開始するとすると、第1過程の励起回数が15回の場合(グラフ503)は図3における第2過程がないので従来のLFA法シーケンスと同等であり、データ計測開始時点での信号値が高く、α/2法との差が大きいことがわかる。一方、第1過程の励起が5回の場合(グラフ501)は、時点508でデータ計測を開始することは、第2過程として10回の空打ちを行った場合と同等であり、この場合には、信号がα/2法に近いことがわかる。
【0031】
以上の結果から、空打ち回数(第1過程と第2過程の合計)が一定という条件のもとでは、第1過程に続けて一定のフリップ角の高周波励起パルスを空打ちする第2過程を設けることにより、第2過程がない場合(従来のLFA法)に比べ、より振動が抑制された安定した状態でデータの計測をすることができることがわかる。またその場合、第1過程での励起回数が少ないほど、より安定した状態でのデータの計測をすることができることがわかる。
【0032】
実施例2
図3のパルスシーケンスにおける第1過程の励起回数及び第2過程の励起回数を15回に固定し、両者の割合を変えて心臓部短軸像を撮影した。撮影パラメータは、FOV=310mm、TR/TE=4.8ms/2.4ms、フリップ角(固定後)=90°、スライス厚=8.0mm、帯域幅=140kHz、データマトリックス=160×160、画像マトリックス=256×256とし、シングルスライス・シングルフェーズで計測した。得られた画像について心室内腔と心筋との信号比(コントラスト)を計算した。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0004263015
【0034】
心室と心筋のコントラストについても、従来のLFA(第1過程15回)に比べ、良好な結果が得られた。特に第1過程の励起回数が2回のときに最良の結果が得られた。
【0035】
実施例3
図3のパルスシーケンスにおける第1過程の励起回数を2回に固定し、第2過程の励起回数を変えて、実施例3と同じ撮影パラメータで心臓部短軸像を撮影し、得られた画像について心室内腔と心筋との信号比(コントラスト)を計算した。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
Figure 0004263015
【0037】
その結果、第2過程の励起回数が3回(全体としての励起回数が5回)で従来のLFA法と同等かそれ以上のコントラストが得られた。励起回数としてはLFA法に比べ1/3の短縮になっている。第2過程の励起回数が多いほどコントラストは良好であり、13回でα/2法と同等かそれ以上のコントラストが得られた。
【0038】
実施例4
実施例2と同様に、図3のパルスシーケンスにおける第1過程の励起回数及び第2過程の励起回数を15回に固定し、両者の割合を変えて冠状動脈を含む断面(ダブルオブリーク)を2D−trueFISPで撮影した。得られた画像について大動脈と冠状動脈周辺組織との信号比(コントラスト)及び大動脈と肝実質との信号比(コントラスト)をそれぞれ計算した。結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
Figure 0004263015
【0040】
この場合にも、従来のLFA(第1過程15回)に比べ、良好な結果が得られ、特に第1過程の励起回数が2〜5回のときに良好な結果が得られた。
以上の実施例1〜4の結果から、フリップ角を異ならせてRF励起パルスを印加する第1の過程と、フリップ角を一定にしてRF励起パルスを印加する第2の過程とを組み合わせることにより、従来のLFAに比べ早期に振動の抑制を行なうことができ、コントラストの良好な画像が得られること、最適なコントラストが得られる励起回数(第1過程の回数と第2過程の回数との割合)は撮影対象組織のT1値によって異なり、T1値に応じて最適な励起回数を設定することにより、常に良好なコントラストが得られることがわかった。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、SSFPにてデータ取得を行なうパルスシーケンスを備えたMRI装置において、当該パルスシーケンスの前段に、フリップ角を異ならせてRF励起パルスを印加する第1の過程と、フリップ角を一定にしてRF励起パルスを印加する第2の過程とからなる磁化振動抑制過程を挿入したことにより、装置による制限を受けることなく、効果的に短い時間で信号値の安定した状態を達成することができ、良好なコントラストの画像を得ることができる。これにより、市販ソフトを用いた心機能解析の精度を向上することができる。また空打ち回数を低減できるので、プリパレーションパルスの効果を高めることができる。
【0042】
さらに本発明によれば、上記磁化振動抑制過程のRFパルス印加回数を任意に或いは自動で設定することができ、撮影条件に対応して常に良好なコントラストの画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示す図
【図2】 trueFISP法のパルスシーケンスを示す図
【図3】 本発明のMRI装置が採用する改良されたtrueFISP法のパルスシーケンスを示す図
【図4】 本発明のMRI装置が採用する改良されたtrueFISP法のパルスシーケンスの別の例を示す図
【図5】 実施例1における励起回数と信号値との関係を示すグラフ
【図6】 図5のグラフの一部を示す図
【図7】 従来の振動抑制法であるα/2法のパルスシーケンスを示す図
【図8】 従来の振動抑制法であるLFA法のパルスシーケンスを示す図
【符号の説明】
101・・・被検体、102・・・静磁場磁石、103・・・傾斜磁場コイル、104・・・RFコイル、105・・・RFプローブ、111・・・制御部

Claims (6)

  1. 被検体のおかれる空間に静磁場、傾斜磁場および高周波磁場の各磁場を発生する磁場発生手段と、被検体を構成するスピンから発生する核磁気共鳴信号をエコー信号として計測する手段と、前記高周波磁場および傾斜磁場の印加ならびに核磁気共鳴信号の計測を制御する制御手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、高周波励起パルスの極性を交互に変えながら短い繰り返し時間TRで連続的に印加し、前記スピンの定常状態自由歳差運動におけるエコー信号を計測するパルスシーケンスを有し、前記パルスシーケンスは、前記エコー信号の計測に先立ち、エコー信号を計測することなく高周波励起パルスの極性を交互に変えながら前記TRで連続的に印加する第1の過程および第2の過程を含み、前記第1の過程ではフリップ角の絶対値を変化させながら複数の高周波励起パルスを印加し、第2の過程ではフリップ角の絶対値を一定として複数の高周波励起パルスを印加することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記第1の過程は、高周波励起パルスのフリップ角をその絶対値が漸増するように変化させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項2記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記第1の過程は、高周波励起パルスのフリップ角をその絶対値が線形に漸増するように変化させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか1項記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記第1の過程において印加する高周波励起パルスの数は5以下であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 被検体のおかれる空間に静磁場、傾斜磁場および高周波磁場の各磁場を発生する磁場発生手段と、被検体を構成するスピンから発生する核磁気共鳴信号をエコー信号として計測する手段と、前記高周波磁場および傾斜磁場の印加ならびに核磁気共鳴信号の計測を制御する制御手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、高周波磁場パルスの極性を交互に変えながら短い繰り返し時間TRで連続的に印加し、前記スピンの定常状態自由歳差運動におけるエコー信号を計測するシーケンスを有し、
    前記シーケンスの実行に際し、エコー信号の計測に先立ち、高周波磁場パルスのフリップ角の絶対値を変化させながら複数の高周波励起パルスを印加する第1の過程と、フリップ角の絶対値を一定として複数の高周波励起パルスを印加する第2の過程とを設定し、前記第1の過程及び第2の過程における高周波励起パルスの印加回数の入力を受け付ける手段を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 被検体のおかれる空間に静磁場、傾斜磁場および高周波磁場の各磁場を発生する磁場発生手段と、被検体を構成するスピンから発生する核磁気共鳴信号をエコー信号として計測する手段と、前記高周波磁場および傾斜磁場の印加ならびに核磁気共鳴信号の計測を制御する制御手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、高周波磁場パルスの極性を交互に変えながら短い繰り返し時間TRで連続的に印加し、前記スピンの定常状態自由歳差運動におけるエコー信号を計測するシーケンスを有し、
    前記シーケンスの実行に際し、エコー信号の計測に先立ち、高周波磁場パルスのフリップ角の絶対値を変化させながら複数の高周波励起パルスを印加する第1の過程と、フリップ角の絶対値を一定として複数の高周波励起パルスを印加する第2の過程とを設定するとともに、入力された撮影条件に応じて前記第1の過程及び第2の過程における高周波励起パルスの印加回数を設定することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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