JP3725234B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子核スピンの磁気共鳴現象に基づく医用の磁気共鳴イメージングに係り、とくに、複数種類の原子核スピン間の相互干渉に関する現象を積極的に取り入れて、インバージョンパルスを用いたIR(反転回復)系列のパルスシーケンスを実行する磁気共鳴イメージング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、医用磁気共鳴イメージングの一手法として、MT(Magnetization Transfer)効果を利用し生体のMT効果の有無による異なるコントラスト像を得る手法が知られている。このイメージング法の具体的な一例は米国特許公報第5、050、609号(”Magnetization Transfer Contrast and Proton Relaxation and Use Thereof In Magnetic Resonance Imaging,” by Robert S.Balaban et al.)で開示されている
MTC効果は"Forsen & Hoffman"によるST(Saturation Transfer)法に端を発しており(Forsen et al., Journal of Chemical Physics, vol.39(11), pp.2892-2901(1963))参照)、複数種の原子核プールとしての例えば自由水と高分子間のプロトン同士の化学的交換(chemical exchange)及び/又は交差緩和(cross relaxation)に基づいている。
【0003】
自由水と高分子のプロトンのMR(Magnetic Resonance)関係は、T緩和(横緩和)時間の長い自由水(T=約100msec)とT緩和時間の短い高分子(T=約0.1〜0.2msec)が同じ周波数に共鳴している。図24(a)の左側コラムに自由水と高分子の周波数スペクトラム上の関係を、同図(a)の右側コラムに磁化の交換・緩和関係を各々示す(同図(b)(c)についても同様)。自由水の信号値は、そのT緩和時間が長いことに因って、フーリエ変換後の信号値は図示のように半値幅の狭い鋭いピークを示す。これに対し、プロテイン等の高分子間で動きの制限された(restricted)プロトンの信号値は、T緩和時間が短いため、フーリエ変換後の信号値は半値幅が広く、スペクトラム上でピークとしては現れない。
【0004】
従来のMT効果を利用したイメージング法では、自由水のピ−クを中心周波数と考えたとき、同図(b)に示すように周波数選択的プリパルス(MTCパルス)で自由水の共鳴周波数から例えば500Hzずれた周波数を励起する(off-resonance励起)。これにより自由水の磁化Hfが高分子の磁化Hrに移動し、同図(c)に示すように高分子のプロトンからのMR信号値は低下するが、自由水のプロトンからのMR信号値はそれ以上の割合で低下する。したがって自由水と高分子間の化学的交換及び/又は交差緩和が反映される部位とそうでない部位とで信号値に差が生じるので、異なるコントラスト像が得られ、生体などの病巣部と正常組織との識別などに使用できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記MT効果は、異なる複数種類の原子核プールのスピン相互間の干渉の結果としてもたらされるものであるから、従来、MT効果の格別な影響を意識していなかったイメージングにおいても、実際はこのMT効果の影響を受けている。
【0006】
とくに、例えば、FLAIR(Fluid-Attenuated Inversion-Recovery)法や高速FLAIR(fast FLAIR)法では、印加する多数のインバージョンパルス(例えば180°RFパルス)が隣接したスライス面に対してMT効果を引き起こし、信号強度の低下を招いている。しかし、従来ではこのMT効果を考慮しておらず、インバージョンパルスの印加間隔の不均一に因ってスライス間に感度むらを生じている。
【0007】
また、高速FLAIR法で実施するインバージョンパルスのみならず、FSE(高速SE)法に係る複数の180°リフォーカスパルスもMT効果を発生することが分かっており、これにより、例えば白質−灰白質間のコントラストに影響を及ぼす。逆の観点に立てば、MT効果を利用することで、画像化する組織間のコントラストを変えられる訳である。しかし、従来、IR系列のシーケンスにおいては、MT効果を活用したイメージング法の開発はなされていないのが現状である。
【0008】
そこで、本発明の主目的は、インバージョンパルスを含むIR系列のシーケンスを用いた磁気共鳴イメージングにおいて、MT効果に代表される、複数種類の原子核プール間の化学的交換及び/又は交差緩和の現象を積極的に利用したイメージングを行うようにすることである。
【0009】
本発明の別の目的は、IR系列のシーケンスを用いた磁気共鳴イメージングにおいて、複数種類の原子核プール間の化学的交換および/または交差緩和の現象を利用して、例えば、白質/灰白質間などのコントラストを向上させたMR画像を得ることである。
【0010】
また本発明の別の目的は、IR系列のシーケンスを用いた磁気共鳴イメージングにおいて、複数種類の原子核プール間の化学的交換および/または交差緩和の現象を利用して、S/N比を向上させ、例えば、能神経組織の描出能を向上させたMR画像を得ることである
【0011】
さらに本発明の別の目的は、IR系列のシーケンスを用いた磁気共鳴イメージングにおいて、T1強調像のコントラストをさらに強調するようにすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置は、静磁場中に置かれた被検体からMR信号を収集するようにした装置であり、MT(magnetization transfer)効果を実質的に強調する1250Hzよりも広く且つ1538Hzよりも狭く設定されるか、又はRMT(reverse magnetization transfer)効果を実質的に強調する1000Hzよりも狭く且つ227Hzよりも広く設定された周波数帯域のインバージョンパルスを含むインバージョンシーケンスを前記被検体に実行する手段と、このインバージョンシーケンスの実行後に、前記被検体から前記MR信号を収集するためのイメージングシーケンスを実行する手段と、を備えたことを特徴とする。
好適には、前記イメージングシーケンスは、エコー信号を収集するシーケンスである。このイメージングシーケンスは、例えば、高速SE法によるシーケンスである。この高速SE法の場合、高速SE法によるシーケンスにて印加する複数のRFリフォーカスパルスのそれぞれのフリップ角は、例えば、MT効果の抑制を考慮して、180°よりも小さい値に設定してある。また例えば、インバージョンパルスの周波数帯域は800Hz以下であって且つ227Hzよりも広い帯域に設定される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第1実施例を、図1〜図24を参照して説明する。
【0014】
この実施例にかかる磁気共鳴イメージング装置の概略構成を図1に示す。この磁気共鳴イメージング装置は、静磁場発生用の磁石部と、静磁場に位置情報を付加するための傾斜磁場部と、MR信号受信用の送受信部と、システムコントロール及び画像再構成を担う制御・演算部とを備えている。
【0015】
磁石部は、例えば超電導方式の磁石1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部のZ軸方向に静磁場H0を発生させる。なお、この磁石部には、脂肪抑制を行う場合に必要な一次のシミング用のシムコイル14が設けられ、このシムコイル14に供給する電流を調整することで、シミングが行えるようになっている。
【0016】
傾斜磁場部は、磁石1に組み込まれたX、Y、Z軸方向の3組の傾斜磁場コイル3x〜3zと、この傾斜磁場コイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源4と、この電源4を制御するためのシーケンサ5内の傾斜磁場シーケンサ5aとを備える。この傾斜磁場シーケンサ5aはコンピュータを備え、装置全体のコントローラ6(コンピュータを搭載)から高速FLAIR法などに係る収集パルスシーケンスを指令する信号を受ける。これにより、傾斜磁場シ−ケンサ5aは、指令されたパルスシーケンスにしたがってX、Y、Z軸方向の各傾斜磁場の印加及びその強度を制御し、それらの傾斜磁場が静磁場Hに重畳可能になっている。この実施例では、互いに直交する3軸の内のZ軸方向の傾斜磁場をスライス用傾斜磁場Gとし、X軸方向のそれを読出し用傾斜磁場Gとし、さらにY軸方向のそれを位相エンコ−ド用傾斜磁場Gとする。
【0017】
送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検体Pの近傍に配設される高周波コイル7と、このコイル7に接続された送信機8T及び受信機8Rと、この送信機8T及び受信機8Rの動作を制御するためのシ−ケンサ5内のRFシーケンサ5b(コンピュータを搭載)とを備える。この送信機8T及び受信機8Rは、RFシーケンサ5bの制御のもと、核磁気共鳴(NMR)を励起させるためのラーモア周波数のRF電流パルスを高周波コイル7に供給する一方、高周波コイル7が受信したMR信号(高周波信号)を受信し、各種の信号処理を施して、対応するデジタル信号を形成するようになっている。
【0018】
さらに、制御・演算部は、上述したコントローラ6のほか、受信機8Rで形成されたMR信号のデジタルデータを入力し、画像データを演算する演算ユニット10と、演算した画像データを保管する記憶ユニット11と、画像を表示する表示器12と、入力器13とを備えている。演算ユニット10は、具体的には、メモリ空間である2次元フーリエ空間への実測データの配置、画像再構成のためのフーリエ変換などの処理を行う。コントローラ6は傾斜磁場シーケンサ5a及びRFシーケンサ5bの同期をとりながら、両者の動作内容及び動作タイミングを制御する。またコントローラ6は、入力器13を介する対話形式で、図18に示すスキャン計画の処理を実行する。
【0019】
ここで、本実施形態で採用するイメージング法に関わる幾つかの特徴を説明しておく。
【0020】
(1)適用できるシーケンス
本実施形態の磁気共鳴イメージング装置に適用できるシーケンスは、インバージョンパルス(IRパルス)を用いたIR(反転回復)系列のパルスシーケンスである。具体的には、インバージョンパルスとFE法(またはfast FE法)とを組み合わせたシーケンス、インバージョンパルスとSE法とを組み合わせたFLAIR法のシーケンス、インバージョンパルスと高速SE法とを組み合わせた高速FLAIR法のシーケンス、インバージョンパルスとEPI(エコープラナーイメージング)法を組み合わせたシーケンスなどがある。
【0021】
高速FLAIR法の一つの態様として、その高速SE法をPASTA(polarity altered spectral and spatial selective acquisition)法で実施するIR系列シーケンスもある。
【0022】
(2)シーケンスの入れ子構造
本実施形態ではマルチスライススキャンを、インバージョンパルスを使ったシーケンスで実行する。複数のスライス面それぞれに印加するインバージョンパルスを含む反転シーケンスと、その後のイメージング(信号収集)シーケンスはスライス面に対する印加順において入れ子方式(nesting)を採用している。この入れ子方式として、ここでは、2通りのモード(シーケンシャルモード、インターリーブモード)が用意されている。
【0023】
図2,図3にはシーケンシャルモードの入れ子方式のシーケンス例を示す。図2に示すように、インバージョンパルスを含む反転シーケンスをInv1〜Inv7までの7個、これに対応するイメージングシーケンスをImaging1〜Imaging7までの7個で表している。このシーケンスによりマルチスライススキャンされる隣接した7枚のスライス面1〜7を図3(a)に示す。
【0024】
最初に、1番目のスライス面1に反転シーケンスInv1が印加され、その後、第1の調整時間TiWaitを置いて、既に反転シーケンスInv6を印加していたスライス面6にイメージングシーケンスImaging6を実行する。さらに、第2の調整時間TrWaitを置いて、2番目のスライス面2に反転シーケンスInv2を印加する。この後、第1の調整時間TiWaitを置いて、既に反転シーケンスInv7を印加していたスライス面7にイメージングシーケンスImaging7を実行する。さらに第2の調整時間TrWaitを置いて、3番目のスライス面3に反転シーケンスInv3を印加する。さらに再び、第1の調整時間TiWaitの後、先程、反転シーケンスInv1を印加したスライス面1にイメージングシーケンスImaging1を実行する。そして、再び第2の調整時間TrWaitの後、4番目のスライス面4に反転シーケンスを印加する。以下、同様にしてパルス印加およびMR信号収集を行い、5番目のスライス面にイメージングシーケンスImaging5を実行して、繰返し時間TRを終える。
【0025】
このように、シーケンシャルモードの入れ子方式のシーケンスの場合、一つの反転シーケンスInv1とそのイメージングシーケンスImaging1との反転時間TIの間に、ほかの2面(スライス面6,7)に対するイメージングシーケンス(Imaging6,7)と別のほかの2面(スライス面2,3)に対する反転シーケンス(Inv2,3)が交互に入り、オフセット枚数Offsetとしての2スライス面分のシーケンスが入れ子になる。しかも、収集されるスライス面の順序は、スライス面6、7、1〜5と連続的になる。スライス面1〜7に対する反転シーケンスの印加とイメージングシーケンスの実行とのタイミングを図3(b)に模式的に示す。
【0026】
一方、図4,図5にはインターリーブモードの入れ子方式のシーケンス例を示す。図4では上述と同じように、IRパルスを含む反転シーケンスInv1〜Inv7で示し、これに対応するイメージングシーケンスをImaging1〜Imaging7で示す。図5(a)には、このシーケンスによりマルチスライススキャンされる隣接した7枚のスライス面1〜7を示している。
【0027】
最初に、1番目のスライス面1に反転シーケンスInv1が印加され、その後、第1の調整時間TiWaitを置いて、既に反転シーケンスInv4を印加していた4番目のスライス面4にイメージングシーケンスImaging4を実行する。さらに、第2の調整時間TrWaitを置いて、3番目のスライス面3に反転シーケンスInv3を印加する。この後再び、第1の調整時間TiWaitを置いて、既に反転シーケンスInv6を印加していた6番目のスライス面6にイメージングシーケンスImaging6を実行する。さらに第2の調整時間TrWaitを置いて、5番目のスライス面5に反転シーケンスInv5を印加する。さらに再び、第1の調整時間TiWaitの後、先程、反転シーケンスInv1を印加した1番目のスライス面1にイメージングシーケンスImaging1を実行する。そして、再び第2の調整時間TrWaitの後、7番目のスライス面7に反転シーケンスを印加する。以下、同様にしてパルス印加およびMR信号収集を行い、2番目のスライス面にイメージングシーケンスImaging2を実行して、繰返し時間TRを終える。
【0028】
このインターリーブモードの入れ子方式の場合、一つの反転シーケンスInv1とそのイメージングシーケンスImaging1との反転時間TIの間に、ほかの2面(スライス面4,6)に対するイメージングシーケンス(Imaging4,6)とは別のほかの2面(スライス面3,5)に対する反転シーケンス(Inv3,5)が交互に入り、オフセット枚数Offsetとしての2スライス面分のシーケンスが入れ子になる。しかも、収集されるスライス面の順序は、スライス面4、6、1、3、5、7と1枚置きになる。スライス面1〜7に対する反転シーケンスの印加とイメージングシーケンスの実行とのタイミングを図5(b)に模式的に示す。
【0029】
(3)2つの調整時間TiWait及びTrWaitの考慮
入れ子方式がシーケンシャルモードであってもインターリーブモードであっても、上述したように(図2、4)、2つの調整時間TiWait、TrWaitが各スライス面のイメージングシーケンス(または反転シーケンス)の時間的前後に設定されている。
【0030】
これは、スライス枚数の極大化、複数のスライス面それぞれへのMT効果の低減化かつ平均化、さらに繰返し時間TRおよび反転時間TIのユーザからみた設定の容易化を図ることを目的としたものである。本実施形態では、2つの調整時間TiWait及び調整時間TrWaitを使って、かかる目的を達成しており、その設定は以下の式に基づいている。
【0031】
繰返し時間をTR、反転時間をTI、マルチスライス数をNS、一つのスライス面に対する反転時間TI内に含まれる反転シーケンスInvの数をTIoffset、反転シーケンスInvの持続時間をInvTime、イメージングシーケンスImagingの持続時間をScanTime、および第1、第2の調整時間をTiWait、調整時間TrWaitとすると、繰返し時間TRおよび反転時間TIについて、次式が成立する。
【0032】
【数1】
TR=NS(Invtime+ScanTime+TrWait+TiWait) ……(1)
【数2】
TI=TIoffset(Invtime+TiWait)+(TIoffset-1)(ScanTime+TrWait) ……(2)
この2式から第1の調整時間をTiWait、第2の調整時間TrWaitが演算され、イメージングシーケンス(または反転シーケンス)の時間的前後に設定される。
【0033】
ただし、後述するように、繰返し時間TRおよび反転時間TIとして、ユーザが最初に任意の値を指定するようにしている。このため、上記2式から演算される2つの調整時間TiWait、TrWaitは計算上では正、負、または零を取り得る。しかし、物理的な調整時間を設定するのであるから、調整時間TiWait、TrWaitの負の値は排除される(すなわち、正の値または零のみが採用される)。
【0034】
この時間値の条件を加味すると、スライス枚数NSが指定値に一致するとは限らない。そこで、本実施形態では、指定された繰返し時間TR,反転時間TI、イメージングシーケンスImagingの持続時間をScanTime、および反転シーケンスInvの持続時間をInvTimeの基で、上記2つの式から演算される可能なスライス枚数NS、オフセット枚数Offset(反転時間TI内に入れ子にされるスライス枚数)、第1、第2の調整時間をTiWait、TrWaitを提示する。
【0035】
したがって、スライス枚数NSは通常離散的となり、そのスライス枚数NSとオフセット枚数Offsetとの組として与えられる(図19参照)。例えば、TR=8000ms、TI=2000ms、ScanTime=240ms、InvTime=15msの場合、スキャン可能な最大スライス枚数(計算上、同一のオフセット枚数に対して最大に確保できるスライス枚数)NS=25枚を採るには、そのときのオフセット枚数=7枚にする必要がある。また離散的なスライス枚数NSは3枚、7枚、10枚、14枚、17枚、21枚、および25枚となり、それらのスライス枚数NSに対するオフセット枚数はそれぞれ1枚、…、7枚となる。つまり、スライス枚数と入れ子の数はセットで自動的に決定される。
【0036】
このように自動設定されたスライス枚数NSに対して、ユーザの所望するスライス枚数が必ずしも一致するとは限らない。収集したMRデータを記憶する記憶装置のメモリ領域の節約のためにも、スライス枚数は1枚ずつ可変できることが望ましい。この1枚可変の条件とMT効果の平均化の条件とを両立させるために、本実施形態では以下の方式を採用する。すなわち、「ユーザが所望するスライス枚数NSdesを満足させ(含む)かつ必要最小限の、自動演算されたスライス枚数(最大スライス枚数)NSを自動的に指定するとともに、不要なスライス面が生じる場合、このスライス面を自動的に指定して、空打ちを指令する。」というものである。ここでの「空打ち」は、不要なスライス面に対して実際にRFパルスや傾斜磁場を印加するが、その結果生じるエコー信号は収集しない、または、収集したとしても記憶せず、画像再構成に関与させない、ことを言う。
【0037】
(4)MT効果とRMT(Reverse MT)効果
MT(Magnetization Transfer)効果は、例えば自由水と高分子のように、異なる種類の原子核プール間におけるプロトン同士の化学的交換および/または交差緩和の現象として説明されている。つまり、MT効果は、図6に示す如く設定された広帯域幅のインバージョンパルスを使って、例えば、自由水のプロトンの磁化を高分子のプロトンの磁化に移動させるもので、自由水からの信号値が下がる現象として知見されている(図24参照)。
【0038】
これに対し、上記の自由水と高分子との組み合わせで言えば、自由水からの信号値を上昇させるMT効果(以下、この効果を「RMT(Reverse MT)効果」と呼ぶ)が分かっている。
【0039】
例えば、インバージョンパルス(例えば、180゜RFパルス)は図7に示すように、シンク(sinc)関数のサイドロブを長くとって、そのローブ数を増加させ、全体としてパルス長を長く設定してある。このインバージョンパルスのパルス長の励起範囲は、図8に示す如く、被検体の対象とする原子核プール(例えば自由水のプロトンのプール)が有する周波数スペクトラム上の帯域幅に殆ど一致するように狭帯域幅に設定される。
【0040】
いま、被検体内の、化学的交換及び/又は交差緩和の結合関係にある2種類の原子核の一方が自由水のプロトンであり、もう一方が高分子のプロトンであり、いま自由水のプロトンを対象原子核プールとする。この場合、インバージョンパルスのローブ数は例えば(−4、+1)πで、パルス長22msecに設定される。この結果、インバージョンパルスの励起帯域幅は227Hzとなり、図8に示すように自由水のスペクトル曲線の帯域幅とほぼ合致する「狭帯域」となる。また、例えばπ数=±2π且つパルス長=15msecの場合、励起帯域幅=267Hzの「狭帯域」となる。
【0041】
このインバージョンパルスとともにスライス用傾斜磁場を印加することで、被検体の所定スライス幅の領域が選択されるとともに、その面内の自由水のプロトンスピンが周波数選択的に励起され、−z′軸(回転座標)までフリップする。このとき、インバージョンパルスは自由水のみを周波数選択的に充分に励起するのみであり、その帯域幅は図8に示すように狭いことから、高分子のプロトンスピンを励起させるのは極めて狭い帯域に限られる。つまり、高分子のプロトンスピンはインバージョンパルスによっては殆ど励起(飽和)されない。
【0042】
従って、自由水のプロトンスピンによる磁化Hと高分子のプロトンスピンによる磁化Hとは励起前には図9(a)に示す如く互いの化学的な結合関係を維持しながら平衡状態にあったものが、励起後には、同図(b)に示すごとく、励起されていない(飽和していない)高分子の磁化Hから充分に励起(飽和)された自由水の磁化Hに磁化の移動が起こる。
【0043】
つまり、狭帯域インバージョンパルスによる励起時に極力、飽和させないように温存した高分子のスピンによる磁化Hを、励起後に化学的交換及び/又は交差緩和を介して自由水に移動させることができる。これによって、イメージングに反映される自由水のMR信号(エコー信号)の値を従来の“negative”なMT効果を使って収集した場合に比べて、高い信号値を得ることができる。
【0044】
人体においてMT効果が高いと報告されている部位は、脳白質/灰白質、肝臓、軟骨、腎臓等である。従って、これらの部位の信号値は従来の"negative"なMT効果により低くなっていたことになる。RMT効果を用いることでこれらの部位の信号は高くなる。
【0045】
(5)インバージョンパルスの周波数帯域幅(BW)
従来のインバージョンパルスは、シンク関数で形成する場合、約1.0msec〜約0.8msecのローブ長の範囲で通常、使用されていることが知られている。すなわち、周波数帯域幅に直すと、約1000Hz〜約1250Hz(通常帯域幅)に相当する。インバージョンパルスのサイドロブによりスペクトラム波形が整えられる。
【0046】
本発明で着目しているインバージョンパルスの周波数帯域幅は、狭帯域幅側が約1000Hz以下、広帯域幅側が約1250Hz以上である。とくに、狭帯域幅側については、RMT効果が実質的に顕著に現れてくる800Hz以下が望ましい。他方、広帯域幅側については、通常帯域幅の領域で既にある程度のMT効果が在ると考えられるので、その通常帯域幅以上に積極的に設定することが本発明の一つの特徴である。
【0047】
反転シーケンスで使われるインバージョンパルスの周波数帯域幅と原子核スピンの化学的変換および/または交差緩和の現象(MT効果およびRMT効果)との関係を説明する。
【0048】
インバージョンパルスの周波数帯域幅を広帯域(ここでは1000Hz以上)に設定すると、MT効果が増強(またはRMT効果が低下)することが確認されている。
【0049】
図10には、高速FLAIR法におけるインバージョンパルスの周波数帯域幅の変化に対する、頭部の白質(W)および灰白質(G)の信号値(任意値)の変化を表している。この実験は、0.5Tの磁気共鳴イメージング装置を使い、高速FLAIR法のパラメータをTR=6000ms,TI=1700ms,NS=15,インバージョンパルス(±3π、τ長可変)に設定して実施された。インバージョンパルスの周波数帯域幅BWは385Hz〜1538Hzまで変化させた。
【0050】
この実験結果から明らかなように、信号強度はインバージョンパルスの周波数帯域幅の変化に応じて変わることが分かる。周波数帯域幅=800Hz付近ではMT効果とRMT効果が均衡しており、これよりも帯域幅が広くまたは狭くなると、信号値はその帯域幅の変化に応じて上昇する。インバージョンパルスの周波数帯域幅を広くすると(とくに、1000Hz以上)、制限された(restricted)プロトン放射を引き起こし、その結果、MT効果がより高くなり、より短いT1appになる。T1appが短くなると、回復も早くなるから、1700msのTI時間を待つことで、信号値(S/N比)が向上する。
【0051】
反対に、周波数帯域幅を800Hz以下に設定すると、RMT効果により信号値が上がる。
【0052】
(6)IR系列シーケンスにおけるSE(FSE)法の90°RFパルスの周波数帯域幅
FLAIR法またはfast FLAIR法においては、インバージョンパルスの周波数帯域幅を変化させたときの信号値は定性的に図10に示すように、略V字状に変わる。さらに、SE(またはFSE)法の90°RFパルスの周波数帯域幅を変えて、かかる測定を行うと、その略V字状の曲線が図10上で横軸方向に移動して表される。したがって、インバージョンパルスおよび90°RFパルスの両方の周波数帯域幅をパラメータとして画像のコントラストを決めることができる。つまり、コントラストを決める自由度が上がる。
【0053】
(7)MT効果の応用
インバージョンパルスの周波数帯域幅を広帯域化することで、収集する信号値が低下するMT効果をイメージングに反映させることができる。その原理を図11に説明する。同図のグラフは、例えば、1.5T、TR=およそ7000ms、TI=2000msのスキャン条件で得られる。
【0054】
例えば高速FLAIR法の場合、インバージョンパルスのローブ長を短くすることなどによって、周波数帯域幅を例えば1250Hz以上の広帯域に設定する。この広帯域化に拠って、前述したようにMT効果がより高められる。高速FLAIR法の場合、そのFSEシーケンスに因ってもMT効果が高められる。スキャン部位が頭部であるとし、インバージョンパルスの周波数帯域幅を広帯域化しない通常帯域(およそ1000〜1250Hz)のときの白質(W)および灰白質(G)の縦緩和Mz′(すなわち信号値)の曲線をaおよびbとし、広帯域化したときのそれらの曲線をa′およびb′とする。MT効果の発生度合いは白質(W)>灰白質(G)であるから、広帯域化することによって、白質(W)の方が灰白質(G)よりも信号値の低下の度合いが大きい。例えば反転時間TI=2000msで観測した場合、通常帯域幅のときに白質(W)および灰白質(G)間の信号値差が同図中のAであるとすると、広帯域化したときのそれはB(>A)となる。したがって、この信号値差A,Bの大小をコントラストに反映させることができる。つまり、白質/灰白質間のコントラストを向上させる。
【0055】
(8)RMT効果の応用
また、インバージョンパルスの周波数帯域幅を狭帯域化することで、収集する信号値が上がるRMT効果をイメージングに反映させることができる。その原理を図12に説明する。スキャン条件は例えば図11と同じに設定される。
【0056】
例えば高速FLAIR法の場合、インバージョンパルスのローブ長を長く設定することなどによって、周波数帯域幅を1000Hz以下の狭帯域に設定する。この狭帯域化に拠って、前述したようにRMT効果が一層顕著になる。高速FLAIR法の場合、そのFSEシーケンスに因ってもRMT効果が高められる。スキャン部位が頭部であるとし、インバージョンパルスの周波数帯域幅を広帯域化しない通常帯域幅(およそ1000〜1250Hz)のときの白質(W)および灰白質(G)の縦緩和Mz′(すなわち信号値)の曲線をaおよびbとし、狭帯域化されたときのそれらの曲線をa′およびb′とする。RMT効果の発生度合いは白質(W)>灰白質(G)であるから、狭帯域化することによって、白質(W)の方が灰白質(G)よりも信号値の上昇の度合いが大きい。例えば反転時間TI=2000msで観測した場合、通常帯域幅のときに脳基底核と白質(W)との間の信号値差が同図中のAであるとすると、狭帯域化したときのそれはB(>A)となる。したがって、脳基底核と白質(W)とのコントラストが向上し、白質(W)の中に在る神経組織の描出度が良くなる。これは、RMT効果に拠り、白質の見掛け上のT1が長くなり、信号値を長く維持できるので、白質/脳神経組織のコントラストが向上するためであると考えられる。
【0057】
(9)インバージョンパルスのフリップ角
IR系列による頭部撮影の場合、通常、インバージョンパルスは脳脊髄液(CSF:Cerebral Spinal Fluid)からのMR信号を零にするために使用される。このため、反転時間TI(インバージョンパルスからFESシーケンスまでの時間)は、図13に示すように、縦緩和の回復曲線上のナル・ポイント(Null Point)までの時間に設定される。「インバージョンパルスのフリップ角FA<180°」に設定すると、MT効果またはRMT効果を強調した上で、ナル・ポイントを速めることができる。インバージョンパルスのフリップ角としては、150°に下げることで、フリップ角180°の場合よりも繰返し時間TRを短縮できるから、スキャン時間が短くなる。
【0058】
(10)反転時間TIの調整
「FLAIR法」または「高速FLAIR法」としてIR系列を実施する場合、反転時間TIはインバージョンパルスからナル・ポイント(Null Point)までの期間に設定される(図13参照)。しかし、反転時間TIをそれよりも短くする「short TI時間」とすることで、異なるパラメータを強調できる。FLAIR法において「short TI時間」に設定すると、T1コントラストがさらに強調されたT1強調像が得られる。また高速FLAIR法において「short TI時間」に設定すると、T2コントラストが強調されたT2強調像が得られる。
【0059】
この「short TI時間」の手法にも、インバージョンパルスの周波数帯域幅を広帯域化(MT効果の促進)または狭帯域化(RMT効果の促進)する技術を使うことができる。
【0060】
(11)PASTA法による脂肪抑制
上述したIR系列のパルスシーケンスに、脂肪抑制法の一つであるPASTA(Polarity altered spectral and spatial selective acquisition)法を組み込みことができる。PASTA法は例えば、「SMR 1995 #657“A polarity Altered Spectral and Spatial Selective Acquisition Technique”」により示されているが、その概要を図14〜図17に基づいて説明する。
【0061】
図14はSE法を使って実施される、脂肪抑制効果を有するPASTA法のパルスシーケンスを示す。図15は90°RF励起パルス及び180°RFリフォーカスパルスのスピン反転の周波数帯域を示す。90°RFパルスは周波数帯域で矩形を示すようにシンク関数波形で形成され、エコー時間TEを短縮させるため、時間軸上で左右非対象に整形される。例えば90°RFパルスは、1.5Tに対して、パルス全長16ms、τ長=4ms、BW=250Hzに設定される。90°RFパルスはまた、その周波数帯域がスライス方向の第1の傾斜磁場G90の存在下ではスライス中心において水スピンを励起し、かつ脂肪スピンを励起しない狭帯域ΔF90に設定される。これに対し、180°RFパルスの帯域ΔF180は90°RFパルスのそれΔF90より広く設定される。
【0062】
脂肪信号の収集を抑制するため、スライス方向の第2の傾斜磁場G180は第1の傾斜磁場G90に対して極性を反転するとともに、第2の傾斜磁場G180の強度は第1の傾斜磁場G90の強度のn倍(n>2)に設定されている。この強度比に基づくスライス位置と周波数の関係を図16に示す。
【0063】
次いでスピンの挙動を説明する。図17(a)の初期状態から第1の傾斜磁場G90の存在下で90°RF励起パルスが印加されると、水スピンは図16のA−A′のスライス位置で(図17(b))、脂肪スピンは化学シフトのために図16のC−C′のスライス位置で(図17(d)、それぞれ回転座標のX′軸上に倒される。
【0064】
次いで、逆極性の第2の傾斜磁場G180の存在下で180°RFリフォーカスパルスが印加されると、水スピンは図16のH−H′のスライス位置で(図17(c))、脂肪スピンは化学シフトに因り図16のI−I′のスライス位置で(図17(e))180°反転される。
【0065】
つまり図16に示すように、スライス位置H−H′はA−A′に含まれるので、スライス位置H−H′の範囲の水スピンはX′軸から−X′軸に反転され、位相収束に拠りエコーを発生させる。これに対して、スライス位置I−I′はC−C′とはスライス位置的に重ならないので、スライス位置I−I′の範囲の脂肪スピンは90°RFパルスの影響を受けておらず、180°RFパルスによってZ′軸から−Z′軸に反転するのみである。つまり、この脂肪スピンはX′Y′回転成分を持たないので、XY面に平行に配置された高周波コイル7にはエコー信号として検出されない。さらに、スライス位置C−C′の範囲の脂肪スピンは90°RFパルスの影響を受けるのみであり、180°RFパルスの影響を受けないから、X軸上にフリップした後、図17(e)に示すようにX′軸の回りにばらついていくだけで、エコー信号を発生させない。これにより、収集するエコー信号はその殆どがスライス面A−A′の水のエコー信号のみとなり、脂肪からのエコー信号の混濁を効率良く抑制できる。
【0066】
PASTA法の場合には、静磁場をシミングしなくても水の周波数選択励起が的確に掛かり、効果的な脂肪抑制が可能になる。
【0067】
次に、本実施形態の全体動作を図18〜図23を参照して説明する。
【0068】
コントローラ6はマルチスライススキャンに係る図18の処理を実施する。まず、同図のステップ101にて、入力器13を介してオペレータから指令されるスキャン条件を入力する。このスキャン条件としては、IR系列のパルスシーケンス、このシーケンスで使うインバージョンパルスの周波数帯域幅(広い、通常、狭い)およびフリップ角、ならびにPASTA法の実施の有無などである。指定シーケンスがFLAIR法またはfast FLAIR法の場合、SE法またはFSE法の90°RFパルスの周波数帯域幅の値も広い、通常、または狭い値に指定される。この周波数帯域幅、フリップ角の大きさ、およびPASTA法の実施の有無がMR画像に及ぼす影響は前述した通りである。そこで、これらのパラメータは、得たいMR画像の特質に応じてオペレータにより指定される。
【0069】
次いでステップ102に移行し、コントローラは、入力器13を通して、マルチスライススキャンに関する入れ子方式の指定情報を入力する。入れ子方式としては、前述したように、「シーケンシャル・モード」(図2、3参照)および「インターリーブ・モード」(図4、5参照)が用意されている。この情報入力により、いずれかの入れ子方式が決定される。
【0070】
さらにステップ103にて、指定されたIR系列のパルスシーケンスに関わるパラメータを入力器13から入力する。このパラメータには、例えば図19に示すように(同図は高速FLAIR法を例示している)、繰返し時間TR,反転時間TI、反転シーケンスの時間InvTime、およびイメージングシーケンス(例えばFSE法)の時間ScanTimeが含まれる。
【0071】
繰返し時間TR,反転時間TIについては、オペレータが任意の時間を指定できる。このため、多くの場合、TR=8000ms、TI=2000msといった、きっかりした切りの良い時間値を指定できる。
【0072】
これらステップ101〜103の入力処理が済むと、コントローラ6はその処理をステップ104、105に順次移行させる。ステップ104では、入力データTR,TI,InvTime,ScanTimeを使い、前記(1),(2)式に基づいてスライス枚数NSと、このスライス枚数NSと組を成すオフセット枚数Offset、調整時間TrWait,TiWaitとの推奨する一覧データが演算される。ステップ105では、それらの一覧データが装置側からオペレータへの推奨値リストとして表示器12を介して表示される。この表示例を図20に示す。
【0073】
次いで、コントローラはステップ106にてオペレータからの応答を待つ。オペレータが、推奨値リストに所望枚数(スライス枚数、オフセット枚数)の組を見い出せず、パラメータを変えて再度、演算を行いたいとするとき(ステップ106でNO)、その処理はステップ103に戻される。これに対して、推奨値リストに所望枚数の組が在るとき(ステップ106でYES)、ステップ107の処理に移行する。
【0074】
ステップ107では、オペレータの指定する所望スライス枚数NSdesを入力する。この後、ステップ108にて、その所望スライス枚数NSdesを包含する最小のスライス枚数NSsel(同一組で指定されたオフセット枚数に対しては最大のスライス枚数)を、推奨値リストのデータ組から選択する。
【0075】
そしてステップ109で、NSdes<NSselか否かを判断する。この判断がNOとなるときは、NSdes=NSselである。すなわち、オペレータが所望するスライス枚数NSdesが推奨値リストのあるスライス枚数にそのまま一致する場合である。このときは続くステップ110の処理がスキップされる。
【0076】
反対にステップ109でYESとなるときは、装置側で自動的に決めた推奨スライス枚数NSselがオペレータの所望するスライス枚数NSdesよりも多い。例えば、オペレータがNSdes=15枚を所望したのに、装置側の自動指定がNSsel=17枚となっている場合である。
【0077】
この場合、コントローラ6はステップ110の処理を行う。いま、NSdes=15枚およびNSsel=17枚であるとすると、2枚多いことになる。そこで、この多い分の2枚のスライス面を空打ちの面として指定する。この空打ちのスライス面の枚数および位置は、コントローラ6が予め記憶している設定モードに基づいて自動的に決める。この設定モードとして、空打ちスライス面を、i)スライス方向の両端部に設定する、ii)スライス方向の片側端部に設定する、iii)空打ち枚数が1枚となる場合には、スライス方向の予め決めた片側端部に設定する、などがある。なお、この設定モードもその都度オペレータに指定させるようにすることも可能である。
【0078】
このようにしてスキャン準備が済むと、ステップ111で、指定されたIR系列のマルチスライススキャンが実施される。このスキャンでは、上述の処理で指定されたスキャン条件、入れ子方式、シーケンスパラメータ、空打ち(必要ある場合のみ)が取り込まれる。
【0079】
いま、「高速FLAIR法」が「シーケンシャル」な入れ子方式の基で指定されているとして、その具体的なシーケンス例を図2、3、19に基づき説明する。このシーケンスは、傾斜磁場シーケンサ5a及びRFシーケンサ5bが共働して担当する。
【0080】
最初に、スライス面1に対する反転シーケンスInv1が実施される。この反転シーケンスInv1は、例えば180°RFパルスで構成されるインバージョンパルスIPとスライス用傾斜磁場Gsとから成り、両者が並行して印加される。インバージョンパルスInv1は送信機8Tから高周波コイル7を介して、またスライス用傾斜磁場Gsは傾斜磁場電源4から傾斜磁場コイル3z、3zを介してそれぞれ印加される。
【0081】
インバージョンパルスIPは、オペレータからの入力情報に応じて、その周波数帯域幅が広帯域化または狭帯域化され、および/またはそのフリップ角が180°または180°よりも小さい値に自動的に設定されている。そのほかのインバージョンパルスも同様である。スライス用傾斜磁場Gsはスライス面1を選択励起できるようにその波形面積が設定されている。
【0082】
この反転シーケンスInv1が終わると、自動的に演算された第1の調整時間TiWaitの間待機する。この待機の後、前回の繰返し時間TRの間に反転励起させていたスライス面6のイメージングシーケンスImaging6をFSE法で実施する。
【0083】
すなわち、最初にスライス用傾斜磁場Gsとともに90°RFパルスが印加される。これにより、被検体のスライス面6が選択されるとともに、その面内のプロトンスピンが励起され、y′軸(回転座標)までフリップする。シーケンス上では次いで、スライス用傾斜磁場Gsが反転される。その後、読出し用傾斜磁場Grが傾斜磁場コイル3x、3xを介して印加される。これはスライス面内のGr方向に並んだスピンの位相が各エコーの中心時刻においてそろうようにするための印加である。
【0084】
次いで、スライス用傾斜磁場Gsとともに最初の180゜RFパルスが印加される。これにより、プロトンスピンが180度、y′軸の回りに回転する。さらに、最初の位相エンコード用傾斜磁場Ge=Aが傾斜磁場電源4から傾斜磁場コイル3y、3yを介して被検体Pに印加された後、傾斜磁場コイル3x、3xを介して印加される読出し用傾斜磁場Grとともに、最初のスピンエコー信号R1が高周波コイル7を介して収集される。
【0085】
この後、反転させた位相エンコード用傾斜磁場Ge=−Aを印加させる。これは疑似エコー(stimulated echo)による画質劣化を避けるため、180゜RFパルスの印加時にk空間上の位相エンコード方向の中心位置(ke=0)にエンコード位置を引き戻すためである。
【0086】
次いで、スライス用傾斜磁場Gsとともに2番目の180゜RFパルスを印加した後、2番目の位相エンコード用傾斜磁場Ge=Bを印加する。そして、2番目のスピンエコー信号R2が、読出し用傾斜磁場Grの印加とともに、高周波コイル7を介して収集される。
【0087】
同様に、3番目及び4番目のスピンエコー信号R3、R4が収集される。
【0088】
なお、このイメージングシーケンスは、前述した図18の処理で脂肪抑制のためのPASTA法が指令されていた場合、図19には示していないが、90°RF励起パルスが狭帯域に設定され、しかも、90°RF励起パルスと180°RFリフォーカスパルスに並行して印加するスライス用傾斜磁場Gs90、Gs180の大きさ及び極性が前述したものに調整される。
【0089】
このようにしてスライス面6に対するイメージングシーケンス6が実行された後、第2の調整時間TrWaitの間待機する。この待機が完了すると、今度はスライス面2に対するインバージョンパルスIPがスライス用傾斜磁場Gsとともに印加される。この磁場Gsは、スライス面1に隣接するスライス面2を選択励起するようにその磁場波形の大きさが設定されている。
【0090】
この反転シーケンスInv2の後、再び第1の調整時間TiWaitの間待機する。そして、前回の繰返し時間TRで反転励起されていたスライス面7のイメージングシーケンスImaging7が実行される。
【0091】
以下、同様の繰返しであることから、図3(a)に示す7枚のスライス面1〜7のプロトンが、同図(b)に示すように、隣接順にかつ一定間隔ta毎に反転され、イメージング処理も隣接順にかつ一定間隔tb毎に実行される。
【0092】
これらの処理はさらに、一定の繰返し時間TR毎に7枚のスライス面1〜7に対して繰り返される。
【0093】
このように収集されたマルチスライススキャンのエコー信号は順次、受信機8Rに送られ、そこで増幅、中間周波変換、位相検波、低周波増幅などの処理を受けた後、A/D変換されてエコーデータに生成される。このエコーデータは演算ユニット10で、フーリエ変換可能な、k空間に対応したメモリ領域にデータが配置される。そして2次元フーリエ変換により実空間の画像に再構成される。この画像は記憶ユニット13に記憶されるとともに、表示器14に表示される。
【0094】
なお、「インターリーブ」モードの入れ子方式が指定された場合、図5(a)に示す7枚のスライス面1〜7のプロトンが、同図(b)に示すように、1枚置きに反転され、イメージング処理も1枚置きに実行される。「シーケンシャル」モードとは異なり、1スライス面置きの反転および信号収集となるから、隣接スライス間の反転までの空き時間は一定間隔ta′(>ta:図3(b))であり、そのイメージング処理までの空き時間は一定間隔tb′(>tb:図3(b))である。つまり、それらの時間は「シーケンシャル」モードのときに比べて長くなる。
【0095】
なお、診断のときには、インバージョンパルスの周波数帯域幅を通常幅からずらしてMT効果またはRMT効果を強調した場合と、その周波数帯域幅を通常幅に設定した場合との両方についてイメージングが実施される。これにより得られるコントラストの異なる複数種の画像が読影に供される。
【0096】
本実施形態によれば、以下の利点がある。
【0097】
最初に、上述した入れ子方式の利点を、従来のIR系列のマルチスライススキャンとの対比で説明する。図22は従来の通常の(入れ子方式ではない)方式であり、一定の繰返し時間TRの間に、反転シーケンスとイメージングシーケンスとの対が、一つの調整時間TrWaitを置きながら順に繰り返される。図23は入れ子方式の従来例を示すものである。しかしながら、図22の例では、マルチスライス枚数が少ないし、図23の例では、隣接スライス間に印加されるシーケンスが不定期になるから、スライス間の感度むらが生じる。
【0098】
しかし、本実施形態によれば、シーケンシャルモード、インターリーブモードいずれの入れ子方式においても、隣接したスライス面に印加されるインバージョンパルスの周期ta,ta′が極力長く設定されているため、あるスライス面に印加されるインバージョンパルスが隣接したスライス面に及ぼすMT効果(またはRMT効果)の影響を極力低減させることができる。とくに、インターリーブモードのときにその効果が顕著になる。加えて、全てのスライス面でMT効果(またはRMT効果)の影響が均一化されているため、かかる効果に因るスライス面間の感度むらが殆ど無く、安定した画質を提供できる。
【0099】
ところで、高速FLAIR法における入れ子方式として、J.Listerudらにより一つの提案がなされている(#643 SMR′95,abstract "Optimized Inter-Leaved Fluid Attenuation with Inversion Recovery (OIL FLAIR)")。しかし、この従来方式では、繰返し時間TRをオペレータが任意に設定できる方式になっていない。繰返し時間TRはシーケンスの組み方の結果として得られる方式であるため、繰返し時間TRの値が半端になり、その設定の自由度が非常に低く、使用上の制約が多い。さらに、上述したMT効果やRMT効果への配慮はなされておらず、それらを無視した状態でシーケンスが決められている。
【0100】
これに対して、本実施形態における入れ子方式では、繰返し時間TRおよび反転時間TIをオペレータが最初に設定できる。このため、多くの場合、TR=8000ms、TI=2000msなど、切りの良いきっかりした時間を設定でき、その設定自由度も高い。その上、MT効果やRMT効果を前述した如くスライス面間において最低レベルで均一化させ、感度むらを排除できる。
【0101】
さらに、時間の高い設定自由度およびスライス間の感度の向上かつ均一化を与えられた条件下で保持した状態にて、最大のスライス枚数を設定できる。仮に、オペレータがその最大のスライス枚数を所望するとき、その枚数のスライス面がスキャンされる。しかし、オペレータが所望する枚数がその最大のスライス枚数よりも少ないときは、余ったスライス面の位置を自動的に決めて、空打ちを指定する。例えば、前述した図3(a)または図5(a)において、最大で7枚のスライス面1〜7をスキャンできるのに、オペレータが5枚をしたとする(オフセット枚数Offset=2)。この場合、例えば両端のスライス面1および7に空打ちが指令される。空打ちを行うと、画像再構成には無関係になるが、スライス面1および7に実際のMT効果またはRMT効果は生じる。これにより、隣接するスライス面2および6に与えるスピンレベルの化学的交換または/および交差緩和の影響が、ほかのスライス面3〜5と殆ど同一になる。したがって、スライス面間の感度むらも極力低く押さえた状態で一定に保持できる。
【0102】
また、本実施形態によれば、必要に応じて、MT効果やRMT効果を積極的に利用しており、これにより、例えば、頭部における白質/灰白質のコントラストや、実質部と脳深部の基底核とのコントラストを向上させることができ、従来に無い診断上有効なMR画像を提供できる。さらに、必要に応じて、インバージョンパルスのフリップ角を180°よりも小さくすることで、CSF信号のナル・ポイントを速め、TI時間を短縮して繰り返し時間TRを短縮させることができる。さらに、必要に応じて、インバージョンパルスの周波数帯域幅を広帯域または狭帯域に設定することで、積極的に「short TI時間」の状態にし、T1強調像を得ることもできる。さらにまた、必要に応じて、IR系列のSEシーケンスまたはFSEシーケンスにPASTA法を実施でき、上述した様々な効果とともに脂肪抑制の効果も得られる。
【0103】
なお、本発明に係る入れ子方式のシーケンス、インバージョンパルスの周波数帯域幅の広狭、インバージョンパルスのフリップ角の設定(<180°)、およびPASTA法の実施の有無は、互いに独立して実施してもよいし、適宜な事項同士を組み合わせて実施してもよい。また、マルチスライススキャンに代えて、シングルスライススキャンを実施してもよい。さらに、イメージングシーケンスとしてEPI法(FE系、SE系)を採用してもよい。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の磁気共鳴イメージング装置によれば、インバージョンパルスを含むIR系列のシーケンスを用いた磁気共鳴イメージングにおいて、複数種類の原子核プール間の化学的交換および/または交差緩和の現象(MT効果、RMT効果)を積極的に利用したイメージングを行うことができ、例えば、白質/灰白質間などのコントラストを向上させたり、S/N比を向上させたりして、例えば、能神経組織の描出能を向上させ、従来には無い高品質のMR画像を得ることができる。
【0105】
また本発明によれば、IR系列のシーケンスを用いた磁気共鳴イメージングにおいてT1強調像の強調度をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の概略ブロック図。
【図2】 入れ子方式(シーケンシャルモード)に係る高速FLAIR法の一例を示すパルスシーケンス。
【図3】 シーケンシャルモードのときの複数のスライス面およびスライス位置と時間の関係を説明する図。
【図4】 入れ子方式(インターリーブモード)に係る高速FLAIR法の一例を示すパルスシーケンス。
【図5】 インターリーブモードのときの複数のスライス面およびスライス位置と時間の関係を説明する図。
【図6】 広帯域幅のインバージョンパルスの周波数特性の一例を示す図。
【図7】 インバージョンパルスの一例を示す波形図。
【図8】 狭帯域インバージョンパルスの励起範囲を示す図。
【図9】 "Reverse MTC効果"に係る励起前後の磁化状態を説明する図。
【図10】 インバージョンパルスの周波数帯域幅の変化とMR信号値の関係例を示す実験グラフ。
【図11】 インバージョンパルスを広帯域に設定したときのMT効果を説明する図。
【図12】 インバージョンパルスを狭帯域に設定したときのRMT効果を説明する図。
【図13】 インバージョンパルスのフリップ角の変化とTI時間の変化を説明する図。
【図14】 PASTA法を説明するパルスシーケンス。
【図15】 PASTA法に係る狭帯域90°RF励起パルスの帯域を説明する図。
【図16】 PASTA法における水と脂肪のスライス位置の違いを説明する図。
【図17】 PASTA法における水と脂肪のプロトンスピンの挙動を説明する図。
【図18】 本実施形態におけるスキャン準備を例示する概略フローチャート。
【図19】 高速FLAIR法の詳細な一例を部分的に示すフローチャート。
【図20】 表示器への推奨データの表示例を示す図。
【図21】 空打ちのスライス位置を例示する説明図。
【図22】 従来のIR系列のシーケンスの一例を本実施形態と対比的に示す図。
【図23】 従来のIR系列のシーケンスの別の例を本実施形態と対比的に示す図。
【図24】 MT効果をスピンの挙動およびスペクトル分布から説明する図。
【符号の説明】
1 磁石
2 静磁場電源
3x〜3y 傾斜磁場コイル
4 傾斜磁場電源
5 シーケンサ
6 コントローラ
7 高周波コイル
8T 送信機
8R 受信機
10 演算ユニット
11 記憶ユニット
13 入力器

Claims (5)

  1. 静磁場中に置かれた被検体からMR信号を収集するようにした磁気共鳴イメージング装置において、
    MT(magnetization transfer)効果を実質的に強調する1250Hzよりも広く且つ1538Hzよりも狭く設定されるか、又はRMT(reverse magnetization transfer)効果を実質的に強調する1000Hzよりも狭く且つ227Hzよりも広く設定された周波数帯域のインバージョンパルスを含むインバージョンシーケンスを前記被検体に実行する手段と、このインバージョンシーケンスの実行後に、前記被検体から前記MR信号を収集するためのイメージングシーケンスを実行する手段と、を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記イメージングシーケンスは、エコー信号を収集するシーケンスである請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記イメージングシーケンスは、高速SE法によるシーケンスである請求項2記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記高速SE法によるシーケンスにて印加する複数のRFリフォーカスパルスのそれぞれのフリップ角は、180°よりも小さい値に設定してある請求項3記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記インバージョンパルスの周波数帯域は800Hz以下であって且つ227Hzよりも広い帯域である請求項1〜4のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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