JP2709767B2 - 磁気共鳴イメージング装置における傾斜磁場印加方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置における傾斜磁場印加方法

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JP2709767B2
JP2709767B2 JP3261238A JP26123891A JP2709767B2 JP 2709767 B2 JP2709767 B2 JP 2709767B2 JP 3261238 A JP3261238 A JP 3261238A JP 26123891 A JP26123891 A JP 26123891A JP 2709767 B2 JP2709767 B2 JP 2709767B2
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    • G01MEASURING; TESTING
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    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/44Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance using nuclear magnetic resonance [NMR]
    • G01R33/48NMR imaging systems
    • G01R33/54Signal processing systems, e.g. using pulse sequences ; Generation or control of pulse sequences; Operator console
    • G01R33/56Image enhancement or correction, e.g. subtraction or averaging techniques, e.g. improvement of signal-to-noise ratio and resolution
    • G01R33/565Correction of image distortions, e.g. due to magnetic field inhomogeneities
    • G01R33/56509Correction of image distortions, e.g. due to magnetic field inhomogeneities due to motion, displacement or flow, e.g. gradient moment nulling

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核磁気共鳴(以下「N
MR」と略記する)現象を利用して被検体(人体)の所
望部位の断層像を得る磁気共鳴イメージング装置におい
て撮像のための傾斜磁場印加のパルスシーケンスの中
で、核スピンの一定速度での移動により拡散した位相を
再整相し、動きや流れに起因するアーチファクトを低減
するためのグラジェント モーメント ナリング(Gradi
ent Moment Nulling)法を適用した傾斜磁場印加方法
に関し、特にスピンエコー法に適用した場合に180°励
起高周波パルスの不完全性によって生じる自由誘導減衰
信号(FID信号)が信号サンプリングの間に再整相さ
れて結像しアーチファクトとなるのを抑制することがで
きる傾斜磁場印加方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージング装置は、NMR現
象を利用して被検体中の所望の検査部位における原子核
スピンの密度分布、緩和時間分布等を計測して、その計
測データから被検体の任意断面を画像表示するものであ
る。そして、従来の磁気共鳴イメージング装置は、図1
に示すように、被検体1に静磁場及び傾斜磁場を与える
磁場発生手段(2,3)と、上記被検体1の生体組織を
構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせるために
高周波信号を照射する送信系4と、上記核磁気共鳴によ
り放出されるエコー信号を検出する受信系5と、この受
信系5で検出したエコー信号を用いて画像再構成演算を
行う信号処理系6とを備え、核磁気共鳴により放出され
るエコー信号を計測するシーケンスを繰り返し行って断
層像を得るようになっていた。
【0003】上記の磁気共鳴イメージング装置において
用いられる計測シーケンスの一つであるスピンエコー法
のパルスシーケンスにおいて、一定速度で移動するスピ
ンの位相の拡散を再整相するためにグラジェント モー
メント ナリング法を周波数エンコード方向に適用する
場合の周波数エンコード方向傾斜磁場の印加のタイミン
グを示すと、図4及び図5のようになる。この場合、エ
コー時間の変化によって再整相の効果が変化しないよう
にするためには、両図の(a)に示す90°励起高周波パ
ルス(以下単に「90°パルス」という)及び180°励起
高周波パルス(以下単に「180°パルス」という)の印
加に対して、図4(b)又は図5(b)に示すように周
波数エンコード方向傾斜磁場Gfを印加し、エコー時間
の延長分は、図4(b)においては、負の傾斜磁場パル
ス21の直前のあるいは正の傾斜磁場パルス22の直
後のに1/2を挿入し、次の負の傾斜磁場パルス23
の直前のの位置に1/2を挿入していた。
【0004】すなわち、図4に示すパルスシーケンスで
は、同図(a)に示す90°パルスを印加した後、(b)
に示すように負の傾斜磁場パルス21を印加し、その直
後に正で強度及び面積(傾斜磁場強度×印加時間で表さ
れる)が上記傾斜磁場パルス21と等しい傾斜磁場パル
ス22を印加する。次に、(a)に示すように180°パ
ルスを印加し、その後、(b)に示すように負の傾斜磁
場パルス23を印加する。このとき、この傾斜磁場パル
ス23は、その強度及び面積が前記傾斜磁場パルス21
と等しくされている。更にその直後に、信号読み出し傾
斜磁場パルスとなる正の傾斜磁場パルス24を印加す
る。この傾斜磁場パルス24は、強度は前記傾斜磁場パ
ルス21と等しく、面積はその傾斜磁場パルス21の2
倍とされている。なお、前記90°パルスの印加時点から
180°パルスの印加時点までの間隔Ti1と、180°パルス
の印加時点から正の傾斜磁場パルス24の中央点までの
間隔Ti2とは、等しくされている。
【0005】また、図5に示すパルスシーケンスでは、
同図(a)に示す90°パルス及び180°パルスを印加し
た後、(b)に示すように正の傾斜磁場パルス25を印
加し、その直後に負の傾斜磁場パルス26を印加し、更
にその直後に信号読み出し傾斜磁場パルスとなる正の傾
斜磁場パルス27を印加する。このとき、上記傾斜磁場
パルス26,27は、強度は一番目の傾斜磁場パルス2
5と等しく、面積はその傾斜磁場パルス25の2倍とさ
れている。なお、前記90°パルスの印加時点から180°
パルスの印加時点までの間隔Ti1と、180°パルスの印
加時点から正の傾斜磁場パルス27の中央点までの間隔
Ti3とは、等しくされている。
【0006】ここで、一般に、一定速度で移動する核ス
ピンの位相変化φは、次式によって表される。 ただし、G:傾斜磁場強度、γ:磁気回転比、X0:核
スピンの初期位置、v:核スピンの移動速度、t0
1:傾斜磁場の印加開始、終了時刻 この結果、図4及び図5の両図において、(c)に示す
本来のエコー信号28を形成する核スピンの位相変化の
様子は、それぞれの(d)に実線29(移動する核スピ
ンを表す)及び破線30(静止した核スピンを表す)で
示すように、上記エコー信号28のピーク位置で位相変
化量が零に戻り(これを「再整相された」と呼ぶ)、位
相の乱れのないエコー信号28が得られるようになって
いた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような傾
斜磁場印加方法におけるパルスシーケンスでは、180°
パルスによる核スピンの励起からエコー信号28のピー
ク位置、すなわち信号サンプリング時間の中央点までの
間における傾斜磁場パルスの面積(傾斜磁場強度×印加
時間)の関係は、図4(b)においては(傾斜磁場パル
ス23の面積)=(傾斜磁場パルス24の斜線部の面
積)となっており、図5(b)においては(傾斜磁場パ
ルス25の面積+傾斜磁場パルス27の斜線部の面積)
=(傾斜磁場パルス26の面積)となっている。このた
め、上記180°パルスの不完全性によって、図4(e)
又は図5(e)に示すように自由誘導減衰信号(以下
「FID信号」と呼ぶ)31が生じた場合に、グラジェ
ントエコー法の原理から上記FID信号31の静止した
核スピンの位相は、両図の(f)に示すように変化して
信号サンプリング時間の中央点で零となり、90°パルス
によって励起された本来のエコー信号28のピークと同
じ位置でピークを持つようなエコー信号32を結像する
ことがあった。このときは、上記本来のエコー信号28
の上にFID信号31によるエコー信号32が重なった
形となり、このエコー信号32による像がアーチファク
トとなるものであった。従って、得られる断層像の画質
が劣化するものであった。
【0008】そこで、本発明は、このような問題点に対
処し、グラジェント モーメント ナリング法をスピンエ
コー法に適用した場合に180°パルスの不完全性によっ
て生じるFID信号が信号サンプリングの間に再整相さ
れて結像し、アーチファクトとなるのを抑制することが
できる磁気共鳴イメージング装置における傾斜磁場印加
方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による磁気共鳴イメージング装置における傾
斜磁場印加方法は、被検体に静磁場及び傾斜磁場を与え
る磁場発生手段と、上記被検体の生体組織を構成する原
子の原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波信号
を照射する送信系と、上記の核磁気共鳴により放出され
るエコー信号を検出する受信系と、この受信系で検出し
たエコー信号を用いて画像再構成演算を行う信号処理系
とを備えて成る磁気共鳴イメージング装置において、上
記信号処理系内の制御手段からの制御指令により、周波
数エンコード方向に三つの傾斜磁場パルスを印加すると
共に三つ目の傾斜磁場パルスは上記エコー信号を読み出
すためのパルスとする過程をパルスシーケンスに設け、
上記第一のパルス及び第二のパルス並びに第三のパルス
が以下の四つの条件 第一のパルスと第二のパルスと第三のパルスの傾斜磁
場の強度比をk:n:1としたとき、 の関係が成り立つこと、 第三のパルスの印加時間を2Tとしたとき、第一のパ
ルス及び第二のパルスの印加時間がそれぞれT/k,2
T/nであること、 第一のパルスの印加開始と第二のパルスの印加開始と
の時間間隔が、第二のパルスの印加開始と第三のパルス
の印加開始との時間間隔と等しいこと、 エコー時間を変更する場合は、時間変化量の1/2ず
つを、第一のパルスと第二のパルスとの間及び第二のパ
ルスと第三のパルスとの間にそれぞれ挿入すること、を
満たすものとして傾斜磁場を印加するものである。
【0010】また、上記傾斜磁場を印加するパルスシー
ケンスをスピンエコー法系のシーケンスに適用し、第一
のパルスを90°励起高周波パルスの後でかつ180°励起
高周波パルスの前に印加し、第二のパルス及び第三のパ
ルスを180°励起高周波パルスの後で印加するものとし
てもよい。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。図1は本発明による傾斜磁場印加方法
が適用される磁気共鳴イメージング装置の全体構成を示
すブロック図である。この磁気共鳴イメージング装置
は、核磁気共鳴(NMR)現象を利用して被検体の断層
像を得るもので、図1に示すように、静磁場発生磁気回
路2と、傾斜磁場発生系3と、送信系4と、受信系5
と、信号処理系6と、シーケンサ7と、中央処理装置
(CPU)8とを備えて成る。
【0012】上記静磁場発生磁気回路2は、被検体1の
周りにその体軸方向または体軸と直交する方向に均一な
静磁場を発生させるもので、上記被検体1の周りのある
広がりをもった空間に永久磁石方式又は常電導方式ある
いは超電導方式の磁場発生手段が配置されている。傾斜
磁場発生系3は、X,Y,Zの三軸方向に巻かれた傾斜
磁場コイル9と、それぞれのコイルを駆動する傾斜磁場
電源10とから成り、後述のシーケンサ7からの命令に
従ってそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動する
ことにより、X,Y,Zの三軸方向の傾斜磁場Gs,G
p,Gfを被検体1に印加するようになっている。この傾
斜磁場の加え方により、被検体1に対するスライス面を
設定することができる。
【0013】送信系4は、後述のシーケンサ7から送出
される高周波磁場パルスにより被検体1の生体組織を構
成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高
周波信号を照射するもので、高周波発振器11と変調器
12と高周波増幅器13と送信側の高周波コイル14a
とから成り、上記高周波発振器11から出力された高周
波パルスをシーケンサ7の命令に従って変調器12で振
幅変調し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増
幅器13で増幅した後に被検体1に近接して配置された
高周波コイル14aに供給することにより、電磁波が上
記被検体1に照射されるようになっている。
【0014】受信系5は、被検体1の生体組織の原子核
の核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信
号)を検出するもので、受信側の高周波コイル14bと
増幅器15と直交位相検波器16とA/D変換器17と
から成り、上記送信側の高周波コイル14aから照射さ
れた電磁波による被検体1の応答の電磁波(NMR信
号)は被検体1に近接して配置された高周波コイル14
bで検出され、増幅器15及び直交位相検波器16を介
してA/D変換器17に入力してディジタル量に変換さ
れ、さらにシーケンサ7からの命令によるタイミングで
直交位相検波器16によりサンプリングされた二系列の
収集データとされ、その信号が信号処理系6に送られる
ようになっている。
【0015】この信号処理系6は、CPU8と、磁気デ
ィスク18及び磁気テープ19等の記録装置と、CRT
等のディスプレイ20とから成り、上記CPU8でフー
リエ変換、補正係数計算、画像再構成等の処理を行い、
任意断面の信号強度分布あるいは複数の信号に適当な演
算を行って得られた分布を画像化してディスプレイ20
に断層像として表示するようになっている。
【0016】シーケンサ7は、上記被検体1の生体組織
を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周
波磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し
印加する制御手段となるもので、CPU8の制御で動作
し、被検体1の断層像のデータ収集に必要な種々の命令
を送信系4及び傾斜磁場発生系3並びに受信系5に送る
ようになっている。
【0017】ここで、本発明の傾斜磁場印加方法は、上
記の構成の磁気共鳴イメージング装置において、図2に
示すようなパルスシーケンスで周波数エンコード方向の
傾斜磁場を印加するものである。図2はスピンエコー法
のパルスシーケンスを示しており、同図(a)は高周波
パルスのうち90°パルス及び180°パルスの印加タイミ
ングを示し、(b)は周波数エンコード方向傾斜磁場G
fの印加タイミングを示し、(c)は計測される本来の
エコー信号を示し、(d)は上記エコー信号を形成する
核スピンの位相変化の様子を示し、(e)は180°パル
スにより生じるFID信号を示し、(f)は上記FID
信号を形成する核スピンの位相変化の様子を示してい
る。
【0018】本発明によれば、図2(b)に示すよう
に、周波数エンコード方向に三つの傾斜磁場パルス3
3,34,35を印加すると共に、三つ目の傾斜磁場パ
ルス35はエコー信号を読み出すためのパルスとする過
程を設けたものである。そして、第一のパルス33は、
(a)に示す90°パルスと180°パルスとの間に位置
し、その傾斜磁場強度は信号読み出し傾斜磁場パルスと
なる第三のパルス35のk倍(kは正の定数)であり、
その印加時間は上記第三のパルス35の印加時間を2T
とするとT/kである。また、第二のパルス34は、
(a)に示す180°パルスの後に位置し、その傾斜磁場
強度は上記第三のパルス35のn倍(nは正の定数)で
あり、その印加時間は第三のパルス35の印加時間を2
Tとすると2T/nである。なお、前記90°パルスの印
加時点から180°パルスの印加時点までの間隔Ti1と、1
80°パルスの印加時点から第三のパルス35の中央点ま
での間隔Ti2とは、等しくされている。そして、(b)
に示すように三つの傾斜磁場パルス33,34,35を
印加することにより、第二のパルス34の面積は、第三
のパルス35の全印加時間と等しくなるため、(e)に
示すように、前記180°パルスの不完全性によるFID
信号31が生じても、このFID信号31を形成する静
止した核スピンの位相は、前述の第(1)式に従って、
(f)に示すように第三のパルス35の印加終了時に零
となってエコー信号32を形成する。従って、上記第三
のパルス35による信号サンプリング時間内に結像する
ことはない。このことから、上記エコー信号32が
(c)に示す本来のエコー信号28に対してアーチファ
クトとして重なることはない。
【0019】この場合、図2のように構成されたパルス
シーケンスにより、周波数エンコード方向に一定速度で
移動する核スピンの位相変化の様子は、位相変化量をφ
として前記第(1)式に従い次式で表される。 ここで、t1−t0=T/k,t3−t2=2T/nの関係
を用いると、 ただし、t0,t1,t2,t3,t4,t5は、それぞれ三
つの傾斜磁場の印加開始又は終了時刻となる。この第
(2)式から、位相変化量φを零にするための条件を求
めると、上式の中かっこ内に着目して、 の両式が成り立てばよい。従って、上記第(3)式及び
第(4)式の条件を満足することにより、核スピンの位
相変化量φは零に保たれる。
【0020】上記第(3)式は、第二のパルス34の印
加開始時刻t2が第一のパルス33の印加開始時刻t0
第三のパルス35の印加開始時刻t4との中央に位置す
れば、その式の値が“0”に保たれることを示す。この
ため、エコー時間を延長する場合は、その延長時間分を
2等分してt1とt2との間及びt3とt4との間に挿入す
ることにより、時刻t2は時刻t0とt4との中央に保た
れ、第(3)式の値が常に“0”になる。また、上記第
(4)式は、傾斜磁場の強度k及び印加時間を調整する
ことにより、その式の値を常に“0”にすることが可能
である。そして、このようなパルスシーケンスを採用す
ることにより、エコー時間が変化しても位相変化量φは
常に“0”に保たれ、再整相の効果が低下しないように
することができる。
【0021】なお、通常グラジェント モーメント ナリ
ング法では、印加する傾斜磁場パルスの符号が正、負、
(負)、正となるように設定するが、図2においては
負、負、正の順になっている。これは、第一のパルス3
3と第二のパルス34との間に180°パルスが位置して
いるためで、この180°パルスにより(d)に示すよう
に核スピンの位相変化において位相の正負が反転するこ
ととなる。
【0022】次に、本発明による傾斜磁場印加方法の具
体的な実施例について、図3を参照して説明する。図3
は、本発明の傾斜磁場印加方法をスピンエコー法のパル
スシーケンスに用いた場合の高周波磁場パルス(同図
(a)参照)と3方向の傾斜磁場パルス(同図(b)〜(d)
参照)の印加タイミング、及び計測されるエコー信号
(同図(e)参照)と、(a)に示す180°パルスの不完全
性によって生じるFID信号(同図(g)参照)の様子を
示したタイミング線図である。
【0023】以下、本発明の傾斜磁場印加方法の動作を
図3に基づき時間の経過に従って説明する。まず、タイ
ミングT1において(a)に示すように90°パルスを印
加すると同時に、(b)に示すように符号が正である第
一のスライス方向傾斜磁場のパルス36を印加する。次
に、タイミングT2で、符号が負である第二のスライス
方向傾斜磁場のパルス37を印加する。このパルス37
の面積Sx2は、上記第一のスライス方向傾斜磁場36に
おける90°パルスの中央位置より後の部分の面積Sx1
略等しくなっている。次のタイミングT3は休止期間で
ある。その後、タイミングT4において、(c)に示す
ように、位相エンコード方向傾斜磁場のパルス40を印
加する。次のタイミングT5は休止期間である。その
後、タイミングT6では、符号が負である第一の周波数
エンコード方向傾斜磁場のパルス33を印加する。この
第一のパルス33の面積Sz1は、後述する第二のパルス
34の面積Sz2の1/2であり、後述する第三のパルス
35の(e)に示すエコー信号28のピーク位置までの
面積(斜線を付して示す)Sz3と等しくされている。次
のタイミングT7は休止期間であり、エコー時間を変化
させる場合には、時間変化量の半分をここに挿入する。
【0024】次に、タイミングT8においては、(a)
に示すように180°パルスを印加すると同時に、(b)
に示すように符号が正である第三のスライス方向傾斜磁
場のパルス38を印加する。このパルス38の傾斜磁場
強度は、前記パルス36の強度と等しい。次に、タイミ
ングT9では、上記パルス38の印加を継続すると共
に、(d)に示すように第二の周波数エンコード方向傾
斜磁場のパルス34を印加する。なお、上記のパルス3
8において、その印加開始から(a)に示す180°パル
スの中央までの面積Sx3は、その180°パルスの中央か
ら印加終了までの面積Sx4の半分に等しい。次に、タイ
ミングT10においては、(b)に示すように符号が負で
ある第四のスライス方向傾斜磁場のパルス39を印加す
ると共に、(d)に示すように周波数エンコード方向の
第二のパルス34の印加を継続する。その後、タイミン
グT11においても、(d)に示すように、上記第二のパ
ルス34の印加を継続する。この第二のパルス34の面
積Sz2は、次の第三のパルス35の全面積Sz4に等し
い。次のタイミングT12は休止期間であり、エコー時間
を変化させる場合には、時間変化量の残りの半分をここ
に挿入する。その後、タイミングT13においては、
(d)に示すように、信号読み出し傾斜磁場となる第三
の周波数エンコード方向傾斜磁場のパルス35を印加す
る。そして、タイミングT14は休止期間であり、所定の
休止の後に最初のタイミングT1に続く。
【0025】図3において、周波数エンコード方向傾斜
磁場のパルスである第一のパルス33,第二のパルス3
4,第三のパルス35が本発明の傾斜磁場印加方法を適
用したものであり、前述の第(2)式及び第(3)式を
満足するように設定されている。すなわち、第一のパル
ス33,第二のパルス34,第三のパルス35の傾斜磁
場強度をそれぞれMz1,Mz2,Mz3とし、第三のパルス
35の印加時間を2Tとすると、前述の第(4)式の条
件を満たした状態で、 Mz1=−k×Mz3 , Mz2=−n×Mz3 (第一のパルス33の印加開始〜第二のパルス34の印
加開始)=(第二のパルス34の印加開始〜第三のパル
ス35の印加開始) …(5) となっている。
【0026】周波数エンコード方向傾斜磁場を上記のよ
うに印加した場合の、図3(e)に示す本来のエコー信
号28の周波数エンコード方向における位相変化の様子
を、同図(f)に実線(移動する核スピンを表す)及び
破線(静止した核スピンを表す)で示す。この場合、前
述の第(4)式及び第(5)式が成り立っているため、
移動する核スピンの位相は、(e)に示すエコー信号2
8のピーク位置すなわち信号サンプリング時間の中央で
位相が零に戻り、再整相される。また、前述のように傾
斜磁場パルスの面積について(Sz1+Sz3=Sz2)の関
係が成り立っているため、静止した核スピンの位相も、
上記エコー信号28のピーク位置で再整相される。一
方、(a)に示す180°パルスの不完全性によって生じ
たFID信号31(図3(g)参照)によるエコー信号3
2の静止した核スピンの位相変化を(h)に示す。この
とき、傾斜磁場パルスの面積について(Sz2=Sz4)の
関係が成り立っているため、核スピンの位相は、(d)
に示す信号サンプリングの終端で零となり、その時点で
結像する。従って、上記エコー信号32が(e)に示す
本来のエコー信号28に対してアーチファクトとして重
なることはない。
【0027】なお、図3(b)においては、スライス方
向傾斜磁場Gsの印加パルスは4パルスとして示した
が、本発明はこれに限らず、2パルス或いは3パルスの
印加としてもよい。また、図3(c)においては、位相
エンコード方向傾斜磁場Gpのパルス40を(d)に示
す第一のパルス33の直前に印加したものとして示した
が、これに限らず、(a)に示す90°パルス又は180°
パルス或いは(d)に示す信号読み出し用の第三のパル
ス35と重複しなければ、印加タイミングはどこに設定
してもよい。さらに、図3は本発明による傾斜磁場印加
方法をスピンエコー法のパルスシーケンスに適用した例
を示したが、これに限らず、グラジェントエコー法系の
パルスシーケンスに適用してもよい。この場合でも、上
記スピンエコー法のパルスシーケンスに適用したのと同
様の効果が得られる。
【0028】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されたので、
スピンエコー法のパルスシーケンスに適用した場合に、
180°パルスの不完全性によって生じるFID信号31
によるエコー信号32が、本来のエコー信号28のサン
プリング時間中に再整相されて結像することがなくなる
ので、アーチファクトの発生を抑制することができる。
また、エコー時間を変化させても再整相の効果が低下せ
ずに、動きや流れによるアーチファクトを低減すること
ができる。これらのことから、臨床的に有効な画像を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明及び従来例による傾斜磁場印加方法が
適用される磁気共鳴イメージング装置の全体構成を示す
ブロック図、
【図2】 本発明による傾斜磁場印加方法のパルスシー
ケンス及びこのパルスシーケンスを実施した際のエコー
信号、FID信号の様子を示すタイミング線図、
【図3】 本発明による傾斜磁場印加方法をスピンエコ
ー法のパルスシーケンスに適用した具体的な実施例を示
すタイミング線図、
【図4】 従来例による傾斜磁場印加方法のパルスシー
ケンス及びこのパルスシーケンスを実施した際のエコー
信号、FID信号の様子を示すタイミング線図、
【図5】 他の従来例による傾斜磁場印加方法のパルス
シーケンス及びこのパルスシーケンスを実施した際のエ
コー信号、FID信号の様子を示すタイミング線図。
【符号の説明】
1…被検体、 2…静磁場発生磁気回路、 3…傾斜磁
場発生系、 4…送信系、 5…受信系、 6…信号処
理系、 7…シーケンサ、 8…CPU、28…エコー
信号、 33…第一のパルス、 34…第二のパルス、
35…第三のパルス。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体に静磁場及び傾斜磁場を与える磁
    場発生手段と、上記被検体の生体組織を構成する原子の
    原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波信号を照
    射する送信系と、上記の核磁気共鳴により放出されるエ
    コー信号を検出する受信系と、この受信系で検出したエ
    コー信号を用いて画像再構成演算を行う信号処理系とを
    備えて成る磁気共鳴イメージング装置において、上記信
    号処理系内の制御手段からの制御指令により、周波数エ
    ンコード方向に三つの傾斜磁場パルスを印加すると共に
    三つ目の傾斜磁場パルスは上記エコー信号を読み出すた
    めのパルスとする過程をパルスシーケンスに設け、上記
    第一のパルス及び第二のパルス並びに第三のパルスが以
    下の四つの条件 第一のパルスと第二のパルスと第三のパルスの傾斜磁
    場の強度比をk:n:1としたとき、 の関係が成り立つこと、 第三のパルスの印加時間を2Tとしたとき、第一のパ
    ルス及び第二のパルスの印加時間がそれぞれT/k,2
    T/nであること、 第一のパルスの印加開始と第二のパルスの印加開始と
    の時間間隔が、第二のパルスの印加開始と第三のパルス
    の印加開始との時間間隔と等しいこと、 エコー時間を変更する場合は、時間変化量の1/2ず
    つを、第一のパルスと第二のパルスとの間及び第二のパ
    ルスと第三のパルスとの間にそれぞれ挿入すること、を
    満たすものとして傾斜磁場を印加することを特徴とする
    磁気共鳴イメージング装置における傾斜磁場印加方法。
  2. 【請求項2】 上記傾斜磁場を印加するパルスシーケン
    スをスピンエコー法系のシーケンスに適用し、第一のパ
    ルスを90°励起高周波パルスの後でかつ180°励起高周
    波パルスの前に印加し、第二のパルス及び第三のパルス
    を180°励起高周波パルスの後で印加することを特徴と
    する請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置における
    傾斜磁場印加方法。
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