JPH0421491B2 - - Google Patents
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- JPH0421491B2 JPH0421491B2 JP59228572A JP22857284A JPH0421491B2 JP H0421491 B2 JPH0421491 B2 JP H0421491B2 JP 59228572 A JP59228572 A JP 59228572A JP 22857284 A JP22857284 A JP 22857284A JP H0421491 B2 JPH0421491 B2 JP H0421491B2
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Description
イ 「発明の目的」
〔産業上の利用分野〕
本発明は、核磁気共鳴(nuclear magnetic
resonance)(以下これを「NMR」と略称する)
現象を利用して、被検体内における特定原子核分
布等を被検体外部より知るようにしたNMR画像
装置に関するものである。特に、医療用装置に適
するNMR画像装置の改良に関する。 〔従来の技術〕 NMR画像装置は、生体(通常は患者)をある
磁場中におく。そして、生体に所定のパルス状の
電磁波を印加し、生体を構成している各種の原子
の中で、対象とする特定の原子核のみを励起す
る。いつたん励起された原子核は、再びもとのエ
ネルギー状態に復帰するが、このとき、外部に、
吸収したエネルギーを電磁波として放出する。
NMR画像装置では、この放出される磁界をコイ
ルで検出する。この検出信号が核磁気共鳴信号
(NMR信号…エコー信号とFID信号:free
induction decayとがある)と言われ、対象とす
る原子核について種々の情報を含んでいる。
NMR画像装置は、これを解析し、生体の一部を
断層画像として映像化し、生体の診察、治療等に
役立てる装置である。 ここで、PR法(projection reconstruction
method…投影復元法とも言う)と呼ばれる検査
手法が公知であるが、これを用いたNMR画像装
置の動作を例に上げて従来技術を説明する。第2
図はこの装置の動作波形図、第3図は磁化Mを回
転座標系に表示した図である。 初めに、z軸方向に平行で一様な強さの静磁場
H0中に配置した被検体へ、第2図ロに示すよう
にZ勾配磁場Gz +と、イに示すように狭い周波数
スペクトルfjの高周波パルス、即ち、RFパルス
(90°パルス)を印加する。 生体のZ軸方向(体軸方向)には、勾配磁場
Gzが印加されており、プロトンは、磁界の強さ
に比例した周期で歳差運動をしている。ここでZ
軸の或る位置(H0+△Gz)における断面部だけ
は、印加されたRFパルスの周波数(ωj=2πfj)
と同一のラーモア角速度 ωj=γ(H0+△Gz) γ:磁気回転比(原子核種ごとに固有の定数) で歳差運動をしている。従つて、この周波数を中
心周波数とする近傍の角速度で歳差運動をしてい
るプロトンだけが、周波数fjのRFパルスにより
励起される。そして励起されたプロトンの磁化M
を、第3図イに示すような角速度ωjで回転する
回転座標系上に示せば、y′軸方向に90°向きを変
えたものとなる。 続いて、第2図ハ,ニに示すようにx勾配磁場
Gxとy勾配磁場Gyを同時に加える。この2つの勾
配磁場により、NMR信号読取り用の合成の2次
元勾配磁場を作り、この環境下でホに示すような
NMR信号を検出する。ここで、磁化Mは、第3
図ロに示すように、磁場の不均一性によつて、
x′−y′面内で矢印方向に次第に分散して行くの
で、やがてNMR信号は減少し、第2図ホに示す
ように時間Tsを経過して無くなる。このように
して得られたNMR信号をフーリエ変換すれば、
x勾配磁場Gx、y勾配磁場Gyにより合成された
勾配磁場と直角方向へのプロジエクシヨンとな
る。 その後、所定の時間Tdだけ待つて、上述と同
様の動作にて、次のシーケンスを繰返す。各シー
ケンスにおいては、Gx、Gyの値を少しずつ変え、
合成勾配磁界の向きをいろいろにとる。これによ
つて、各プロジエクシヨンに対応するNMR信号
を被検体の数多くの方向について求めることがで
きる。 このような動作をなす従来装置においては、第
2図において、NMR信号が無くなるまでの時間
Tsは、10〜20msであるが、次のシーケンスに
移るまでの所定時間Tdは、縦緩和時間T1のため
1sec程度は必要となる。この縦緩和時間T1が長
時間である理由は次の通りである。 緩和時間は、スピン−格子緩和時間(縦緩和時
間)T1と、スピン−スピン緩和時間(横緩和時
間)T1と、スピン−スピン緩和時間(横緩和時
間)T2とに分類される。一般に固体では、スピ
ンは結晶格子の上に決つた位置にほぼ固定されて
いるので、スピン同士の相互作用が起こりやす
い。従つて緩和時間T2は短く、縦緩和時間T1は
横緩和時間T2に比べて著しく大きい。 それゆえに、一つの被検体断面を、例えば128
プロジエクシヨンで再構成するものとすれば、そ
の測定には少なくとも2分以上の長い時間を必要
とし、高速化を実現する際の大きな障害の一つと
なつている。 このような障害を解決するため、本出願人は、
「核磁気共鳴による検査方法及び装置…特願昭58
−190581」を出願した。この特願昭58−190581で
開示されたNMR画像装置は、特殊なシーケンス
機能を備えており、このシーケンス機能により、
縦緩和時間T1を経過して磁化Mが熱平衡状態
(Mがz軸方向を向く)になるまで待たず、磁化
Mをz′軸方向へ強制的に向けるようにすることが
出来るようになつている。 磁化Mをz′軸方向へ強制的に向けてしまう(短
時間内に熱平衡状態とする)ポイントの1つは、
所定のシーケンスにしたがつてRFパルスを印加
して、被検体の組織を構成する原子核のスピンの
向きを、例えば、90°…180°…90°…180°の順に変
化させるようにしていることである。しかし、
RFパルスによつて生じる撮像領域内のRF磁場強
度の精度は、以下の理由により良くない。 RFパルスを印加する励磁コイルのQは、人
体などにより、スキヤンごとに多少変化する。 励磁コイルは、一般にサドル形やソレノイド
形が使用されるが、撮像領域内で、RF磁場強
度に空間分布がある。 以上のような原因により、NMR画像装置を実
用化するとなると、90°パルス、180°パルスを印
加しても、正確に所定の角度が得られるとは限ら
ない。 特に180°パルスの場合、正確に磁化Mの向きが
180°変化しないと、磁化Mの構成分(Mxy)が信
号として現れる。この結果、不要な成分が、
NMR信号にノイズとして入り込むので、好まし
くない。 第4図と第5図を用いて、180°パルスに誤差が
あつた場合、ノイズ分が生じる原因を説明する。
第4図は(RFパルス高×パルス長)を横軸にと
り、縦軸として(RFパルス印加直後のNMR信
号値)を示した図である。第5図は磁化Mを回転
座標系上に表わしたものである。 後述するが、本発明に係るNMR画像装置にお
ける第1の180°パルスは、非選択励起であるの
で、スライス面外の磁化Mは−z方向を向く。し
かし、ここで、180°パルスの精度に誤差がある
と、横方向の成分(第5図ではMxy)が生じる。
これは、検出コイルがNMR信号を検出する方向
と同一であるので、NMR信号に対して、ノイズ
となる。 また、本発明に係る装置は、スピン−格子緩和
時間T1より短い待ち時間Tdでシーケンスを繰り
返し、高速化することを特徴とする。従つて、第
2の180°パルスの印加後に磁化Mが完全に熱平衡
状態に戻らず、動的平衡状態でシーケンスを繰返
すことになる。磁化Mはコヒーレント
(coherent)であるため、シーケンス間に相関性
があり、信号の減少、スライス形状の乱れが生じ
る。 〔解決しようとする問題点〕 本発明は、従来装置の欠点である応答性の悪さ
を改善するとともに、RFパルスによる磁化Mの
回転角度が不正確なことに基因して発生するノイ
ズの除去をし、更に各シーケンス間での相関を除
去することができるNMR画像装置を提供するこ
とを目的とする。 ロ 「発明の構成」 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、上記問題点を解決すめために、次の
カツコに示すようなシーケンス機能を有した制御
手段を備えるようにしたものである。 制御手段のシーケンス機能とは 『まず、被検体の特定のスライス面に在る原子
核を、選択的に励起する第1の90°パルスを印加
し、 次に前記特定スライス面以外に在る原子核をも
励起する第1の180°パルスを印加し、 次に前記スライス面と同一の特定のスライス面
に在る原子核を、選択的に励起する第2の90°パ
ルスを印加し、 次に前記特定スライス面以外に在る原子核をも
励起する第2の180°パルスを印加し、 更に、第1の180°パルスの直前と直後に、勾配
磁場を与える手段を動作させて、NMR信号の読
取りとは別な{(磁場強度)×(時間)}が同一な勾
配磁場パルスを印加すること』 〔実施例〕 以下、図面を用いて本発明を説明する。 第1図は、本発明に係る装置の一実施例の構成
を示すブロツク図である。同図において、1は一
様な静磁場H0(この場合の方向をZ方向とする)
を発生させるための静磁場用コイル、2はこの静
磁場用コイル1の制御回路で、例えば直流安定化
電源を含んでいる。静磁場用コイル1によつて発
生する磁束の密度H0は0.1T程度であり、また均
一度は10-4以上であることが望ましい。 3は勾配磁場用コイルを総括的に示したもの、
4はこの勾配磁場用コイル3の制御回路である。 本発明の装置においては、第1、第2、第3の
勾配磁場を発生させるが、単に第1、第2、第3
の勾配磁場と記載して説明すると抽象的であり、
発明が分りにくい。そこで、本明細書では、第1
の勾配磁場をz勾配磁場とし、第2の勾配磁場を
x勾配磁場とし、第3の勾配磁場をy勾配磁場と
して説明を行なう。ただし、この組合せは、どん
なものでも良く、第1、2、3のそれぞれ勾配磁
場が異なつた方向の磁場であれば良い。もつと
も、特にx、y、zの区別をすることのない場合
は、単に「勾配磁場」と記載する。 また、本明細書では、第1、2、3の勾配磁場
を発生させる手段として、それぞれ専用のコイル
手段(z勾配磁場用コイル、x勾配磁場用コイ
ル、y勾配磁場用コイル)が設けられている例で
説明するが、これに限定するわけではない。即
ち、第1、2、3の勾配磁場を発生させるのに、
例えば、1つの手段でそれぞれ第1、2、3の勾
配磁場を発生させるようにしても良い。具体例を
上げれば、1つのコイル手段の位置を移動させる
ことにより、第1、2、3の勾配磁場を発生させ
ることもできる。 第6図イは勾配磁場用コイル3の一例を示す構
成図である。同図イに示すコイルは、z勾配磁場
用コイル31と、y勾配磁場用コイル32,33
とを含んでいる。更に、図示していないがy勾配
磁場用コイル32,33と同じ形であつて、90°
回転して設置されるx勾配磁場用コイルも含んで
いる。この勾配磁場用コイル3は、一様な静磁場
H0と同一方向で、x、y、z軸方向にそれぞれ
直線勾配をもつ磁場を発生する。制御回路4はコ
ントローラ20によつて制御される。 5は被検体に狭い周波数スペクトルfの高周波
パルス、即ち、RFパルスを電磁波として与える
励磁コイルで、その構成を第6図ロに示す。 6は測定しようとする原子核のNMR共鳴条件
に対応する周波数(例えばプロトンでは、42.6M
Hz/T)の信号を発生する発振器で、その出力
は、コントローラ20からの信号によつて開閉が
制御されるゲート回路30と、パワーアンプ7を
介して励磁コイル5に印加されている。8は被検
体におけるNMR信号を検出するための検出コイ
ルで、その構成は第6図ロに示す励磁コイルと同
じで、励磁コイル5に対して90°回転して設置さ
れている。なお、この検出コイル8は、被検体に
できるだけ近接して設置されることが望ましい
が、必要に応じて、励磁コイル5と兼用させても
よい。 9は検出コイル8から得られる核磁気共鳴信号
(NMR信号…FID信号・エコー信号)を増幅する
増幅器、10は位相検波回路、11は位相検波さ
れた増幅器9からの波形信号を記憶するウエーブ
メモリ回路で、A/D変換器を含んでいる。13
はウエーブメモリ回路11からの信号を例えば光
フアイバで構成される伝送路12を介して入力
し、所定の信号処理を施して断層像を得るコンピ
ユータ、14は得られた断層像を表示するテレビ
ジヨンモニタのような表示器である。また、コン
トローラ20からコンピユータ13へは、信号線
21により、必要な情報が伝送される。 コントローラ20は、勾配磁場Gz、Gx、Gy、
RFパルスの振幅を制御するために必要な信号
(アナログ信号)、及びRFパルスの送信やNMR
信号の受信に必要な制御信号(デジタル信号)を
出力することができるように構成されたものであ
る。このコントローラ20は、本発明に係る装置
の特徴とするシーケンス機能、即ち、RFパルス
の動作タイミングや各勾配磁場の動作タイミング
や値を制御する機能を有している。ただし、この
シーケンス機能を果す素子は、コントローラ20
に限定するものでなく、他の素子、例えば、コン
ピユータ13にこの機能をもたせても本発明は成
立する。 このように構成された本発明の装置の動作を、
第7図及び第1表ないし第3表を参照し、段階を
追つて順次説明する。 <> 時点t0 時点t0は、制御回路2から静磁場用コイル1
に電流を流し、被検体(被検体は各コイルの円
筒内に設置)に静磁場H0を与えた状態におい
て、コントローラ20より制御回路4を介して
z勾配磁場用コイル31に電流を流し、第7図
ロに示すように、z勾配磁場Gz +を与えた時点
である。なお、上述したが、被検体の体軸とz
軸とは一致する方向である。 このとき、 スライス面中央(90°パルス印加により磁化
Mが正しく90°回転する部分)、 スライス面境界(90°パルス印加時に、磁化
Mがθ°回転し、また180°パルス印加時にはGz=
0となつているため180°回転する部分)、 スライス面外(90°パルス印加では影響を受
けず、180°パルスによつて磁化Mの方向が反転
する部分) での各磁化Mの方向は、第7図のヘ,ト,チに
示すように、全てz軸の正方向(上向き)とな
つている。 <> 時点t1 Gz +が与えられている下で、ゲート回路30
において選択し、出力された位相差0°の所定の
形(例えばガウシアン形)に変調されたRF信
号により、被検体の特定の一面(スライス面)
の原子核を励起する。即ち、第7図のイのよう
に第1の90°xパルスを与える。続いてx勾配磁
場用コイル及びy軸勾配磁場用コイル32,3
3を付勢し、第7図のハ,ニに示すように所定
の大きさのNMR信号読取り用の勾配磁場Gx、
Gyを印加する。 なお、第7図ロにおいて、Gz +に続くGz -は、
被検体の異なる部分からのNMR信号の位相を
一致させるための波形信号であつて、この技術
は公知の技術である。 この磁場Gx,Gyを印加する時点をt1とすれ
ば、この時点t1では、各部の磁化Mは第7図
ヘ,ト,チに示すような向きとなる。 時点t1以降では第7図のホに示すような第1
の核磁気共鳴信号(FID信号)が検出コイル8
により検出され、その信号は増幅器9を介し位
相検波回路10に導かれ、ここで位相検波され
た後ウエーブメモリ回路11に格納される。格
納されたデータはコンピユータ1により適宜の
タイミングで読み取られ、ここでフーリエ変換
され1プロジエクシヨンの信号となる。 <> 時点t2 前記時点t1から核磁気共鳴信号が無くなるま
でのTs1時間経過後にx勾配磁場用コイル及び
y勾配磁場用コイルの付勢を止め、ゲート回路
30において選択し出力される位相差180°の矩
形状に変調されたRF信号で被検体を励起する。
この場合、z勾配磁場Gzは動作させず、第7
図のイに示すように被検体全体に第1の180°-x
パルスを与える。即ち、前記特定スライス面以
外に在る原子核をも励起する。 この場合、時点t2の直前において、勾配磁場
Gz=Hz1、Gx=Hx1、Gy=Hy1なるパルスを印
加する。このパルスGx=Hx1、Gy=Hy1は、
NMR信号読取り用の勾配磁場Gx=gx0、Gy=
gy0とは別のものである。これらの勾配磁場を
印加したことによる動作については、次の時点
t3の所で説明する。 <> 時点t3 前記180°-xパルスを与えた後は、t2とt3の中
央の時刻を中心として、時間軸を反転して期間
Ts1で印加したと同じ大きさの勾配磁場Gz、
Gx、Gyを印加する。180°パルスを与えた後に、
勾配磁場Gz、Gx、Gyを印加した時点をt3とす
る。即ち、第7図に示すように、本発明では、
第1の180パルスを挟んで勾配磁場Gz=Hz1…
Hz2とGx=Hx1…Hx2と、Gy=Hy1…Hy2とが印
加される。ここで、Hz2、Hx2、Hy2のパルスを
スポイルパルスと呼ぶ。 180°パルスに多少の誤差があつて、第4図と
第5図で説明したようなノイズが生じても、こ
のスポイルパルスの作用により、このノイズを
早急に除去することができる。その理由は次の
通りである。 例えば、第5図に示す如く、180°パルスの誤
差により、スライス面外に在る原子核のスピン
に横方向の成分Mxyが生じたとする。この時、
本発明では、スポイルパルスを印加しているの
で、この磁場を受けて第5図に示す横方向成分
Mxyは分散させられる。即ち、横方向成分Mxy
の位相は乱され、その結果ノイズは消失する。 なお、本発明では、第1の180パルスの印加
後Ts2に、正確にエコーを生じさせるため、ス
ポイパルスHz2、Hx2、Hy2とそれぞれ(磁場強
度)×(時間)の値が同じHz1、Hx1、Hy1を第1
の180パルスの前に印加する必要がある。即ち、
次の関係が成立している必要がある。 gx1・tn1=gx2・tn2 gy1・tn1=gy2・tn2 gz1・tn1=gz2・tn2 ただし、 tn1、tn2:磁場印加時間 gx1、gx2:Gx磁場の強さ gy1、gy2:Gy磁場の強さ gz1、gz2:Gz磁場の強さ なお、第7図では、スポイルパルスとして、
3つのパルスHz2、Hx2、Hy2を印加するとして
説明した。しかし、この記載に限定するもので
はない。即ち、Hz2、Hx2、Hy2の、いずれか1
つ、又は任意の組合せで印加し、これにより横
方向成分Mxyの位相を乱しても良い。 第7図において、例えば、パルスHy1、Hy2
の極性と、Gy=gy0の極性が反対の場合には、
不都合なことが生じる。その理由は以下の通り
である。 第1の180°パルスの誤差のため発生した横方
向成分Mxyは、スポイルパルスHy2により位相
が拡散方向に移動し、ノイズは消滅する。しか
し、スポイルパルスHy2の後に加えられる勾配
磁場gy0の極性がスポイルパルスHy2と逆であれ
ば、拡散方向に向かつていたMxyの位相は反転
し、再び集合し始める。そして、 |(Hyzの強度)×(パルス幅)| =|(gyの強度)×(時間)| のところで、Mxyのエコー信号が最大となつて
ノイズとなる。同様にHx1、Hx2の極性とgx0の
極性が反対の場合も、ノイズのエコー信号が発
生するので好ましくない。 従つて、スポイルパルスの極性と、NMR信
号読取り用勾配磁場の極性はシーケンスごと
に、同一極性にすることが必要である。 以上のように、本発明では、スポイルパルス
の作用により、180°パルスに誤差があつてもノ
イズは発生しない。 第1の180°パルスにより、磁化Mは第7図
ヘ,ト,チのように回転する。 時点t3以降は、分散する方向に向かつていた
磁化Mが、180°パルスによつて向きが全て反転
し、集合する方向に向かう。従つて、検出コイ
ル8からは、第7図ホに示すように次第に増大
する第2の核磁気共鳴信号(エコー信号)が検
出される。時点t2の前と時点t3の後で印加した
Gx、Gyがそれぞれ同じであり、その期間、被
検体の状態が変らないものとすれば、このエコ
ー信号と、前記第1の核磁気共鳴信号とは、t2
とt3の中央の時刻について対称な信号波形とな
る。 <> 時点t4 時点t3より(t2−t1)時間経過した時コント
ローラ20の制御により磁場Gx、Gyの印加を
止める。この時点をt4とする。磁化Mは図示の
通りである。 この時点の後Gz -、Gz +を与え、その状態下
で、ゲート回路30において位相差180°で第1
の90°パルスと同様に変調されたRF信号を用い
て被検体に第2の90°-xパルスを与え、第1の
90°パルスで励起されたスライス面を再び励起
する。この励起の終りを時点t5とする。この
時、スライス面内、外、境界、つまり被検体全
部の磁化Mの向きが−z軸方向に揃う。 <> 時点t6 Gz +の印加終了後、ゲート回路30より位相
差0°で矩形波状に変調されて出力されるRF信
号にて被検体を励起する(180°パルス励起)。
即ち、z勾配磁場が無い状態だから、前記特定
のスライス面以外に在る原子核をも励起する。
この励起の終了時点をt6とする。 この第2の180°パルスの印加により磁化Mは
一斉に+z軸方向に向きが揃う。 しかし、本発明に係る装置は、スピン−格子
緩和時間T1より短い待ち時間Tdでシーケンス
を繰返し、高速化することを特徴とする。従つ
て、磁化Mが完全に熱平衡状態に戻らず、動的
平衡状態でシーケンスを繰返すことになる。磁
化Mはコヒーレント(coherent)であるため、
シーケンス間に相関性があり、信号の減少、ス
ライス形状の乱れが生じる。そこで、第2の
180°パルスの後にスポイルパルスHz3、Hx3、
Hy3を印加し、スピンの位相を乱してシーケン
ス間の相関をなくしている。スポイルパルス
は、上記の3つのどの組合せでも良いが、シー
ケンスごとにランダムな(磁場強度)×(時間)
とすると、シーケンス間の相関が、更になくな
り効果的である。 このように時点t6で始めの時点t0と同じ状態
に復帰し、そこで、時点t6の後に上記したTdと
なる待ち時間を設け、1回のシーケンスを終了
し、以後同様のシーケンスを繰り返す。
resonance)(以下これを「NMR」と略称する)
現象を利用して、被検体内における特定原子核分
布等を被検体外部より知るようにしたNMR画像
装置に関するものである。特に、医療用装置に適
するNMR画像装置の改良に関する。 〔従来の技術〕 NMR画像装置は、生体(通常は患者)をある
磁場中におく。そして、生体に所定のパルス状の
電磁波を印加し、生体を構成している各種の原子
の中で、対象とする特定の原子核のみを励起す
る。いつたん励起された原子核は、再びもとのエ
ネルギー状態に復帰するが、このとき、外部に、
吸収したエネルギーを電磁波として放出する。
NMR画像装置では、この放出される磁界をコイ
ルで検出する。この検出信号が核磁気共鳴信号
(NMR信号…エコー信号とFID信号:free
induction decayとがある)と言われ、対象とす
る原子核について種々の情報を含んでいる。
NMR画像装置は、これを解析し、生体の一部を
断層画像として映像化し、生体の診察、治療等に
役立てる装置である。 ここで、PR法(projection reconstruction
method…投影復元法とも言う)と呼ばれる検査
手法が公知であるが、これを用いたNMR画像装
置の動作を例に上げて従来技術を説明する。第2
図はこの装置の動作波形図、第3図は磁化Mを回
転座標系に表示した図である。 初めに、z軸方向に平行で一様な強さの静磁場
H0中に配置した被検体へ、第2図ロに示すよう
にZ勾配磁場Gz +と、イに示すように狭い周波数
スペクトルfjの高周波パルス、即ち、RFパルス
(90°パルス)を印加する。 生体のZ軸方向(体軸方向)には、勾配磁場
Gzが印加されており、プロトンは、磁界の強さ
に比例した周期で歳差運動をしている。ここでZ
軸の或る位置(H0+△Gz)における断面部だけ
は、印加されたRFパルスの周波数(ωj=2πfj)
と同一のラーモア角速度 ωj=γ(H0+△Gz) γ:磁気回転比(原子核種ごとに固有の定数) で歳差運動をしている。従つて、この周波数を中
心周波数とする近傍の角速度で歳差運動をしてい
るプロトンだけが、周波数fjのRFパルスにより
励起される。そして励起されたプロトンの磁化M
を、第3図イに示すような角速度ωjで回転する
回転座標系上に示せば、y′軸方向に90°向きを変
えたものとなる。 続いて、第2図ハ,ニに示すようにx勾配磁場
Gxとy勾配磁場Gyを同時に加える。この2つの勾
配磁場により、NMR信号読取り用の合成の2次
元勾配磁場を作り、この環境下でホに示すような
NMR信号を検出する。ここで、磁化Mは、第3
図ロに示すように、磁場の不均一性によつて、
x′−y′面内で矢印方向に次第に分散して行くの
で、やがてNMR信号は減少し、第2図ホに示す
ように時間Tsを経過して無くなる。このように
して得られたNMR信号をフーリエ変換すれば、
x勾配磁場Gx、y勾配磁場Gyにより合成された
勾配磁場と直角方向へのプロジエクシヨンとな
る。 その後、所定の時間Tdだけ待つて、上述と同
様の動作にて、次のシーケンスを繰返す。各シー
ケンスにおいては、Gx、Gyの値を少しずつ変え、
合成勾配磁界の向きをいろいろにとる。これによ
つて、各プロジエクシヨンに対応するNMR信号
を被検体の数多くの方向について求めることがで
きる。 このような動作をなす従来装置においては、第
2図において、NMR信号が無くなるまでの時間
Tsは、10〜20msであるが、次のシーケンスに
移るまでの所定時間Tdは、縦緩和時間T1のため
1sec程度は必要となる。この縦緩和時間T1が長
時間である理由は次の通りである。 緩和時間は、スピン−格子緩和時間(縦緩和時
間)T1と、スピン−スピン緩和時間(横緩和時
間)T1と、スピン−スピン緩和時間(横緩和時
間)T2とに分類される。一般に固体では、スピ
ンは結晶格子の上に決つた位置にほぼ固定されて
いるので、スピン同士の相互作用が起こりやす
い。従つて緩和時間T2は短く、縦緩和時間T1は
横緩和時間T2に比べて著しく大きい。 それゆえに、一つの被検体断面を、例えば128
プロジエクシヨンで再構成するものとすれば、そ
の測定には少なくとも2分以上の長い時間を必要
とし、高速化を実現する際の大きな障害の一つと
なつている。 このような障害を解決するため、本出願人は、
「核磁気共鳴による検査方法及び装置…特願昭58
−190581」を出願した。この特願昭58−190581で
開示されたNMR画像装置は、特殊なシーケンス
機能を備えており、このシーケンス機能により、
縦緩和時間T1を経過して磁化Mが熱平衡状態
(Mがz軸方向を向く)になるまで待たず、磁化
Mをz′軸方向へ強制的に向けるようにすることが
出来るようになつている。 磁化Mをz′軸方向へ強制的に向けてしまう(短
時間内に熱平衡状態とする)ポイントの1つは、
所定のシーケンスにしたがつてRFパルスを印加
して、被検体の組織を構成する原子核のスピンの
向きを、例えば、90°…180°…90°…180°の順に変
化させるようにしていることである。しかし、
RFパルスによつて生じる撮像領域内のRF磁場強
度の精度は、以下の理由により良くない。 RFパルスを印加する励磁コイルのQは、人
体などにより、スキヤンごとに多少変化する。 励磁コイルは、一般にサドル形やソレノイド
形が使用されるが、撮像領域内で、RF磁場強
度に空間分布がある。 以上のような原因により、NMR画像装置を実
用化するとなると、90°パルス、180°パルスを印
加しても、正確に所定の角度が得られるとは限ら
ない。 特に180°パルスの場合、正確に磁化Mの向きが
180°変化しないと、磁化Mの構成分(Mxy)が信
号として現れる。この結果、不要な成分が、
NMR信号にノイズとして入り込むので、好まし
くない。 第4図と第5図を用いて、180°パルスに誤差が
あつた場合、ノイズ分が生じる原因を説明する。
第4図は(RFパルス高×パルス長)を横軸にと
り、縦軸として(RFパルス印加直後のNMR信
号値)を示した図である。第5図は磁化Mを回転
座標系上に表わしたものである。 後述するが、本発明に係るNMR画像装置にお
ける第1の180°パルスは、非選択励起であるの
で、スライス面外の磁化Mは−z方向を向く。し
かし、ここで、180°パルスの精度に誤差がある
と、横方向の成分(第5図ではMxy)が生じる。
これは、検出コイルがNMR信号を検出する方向
と同一であるので、NMR信号に対して、ノイズ
となる。 また、本発明に係る装置は、スピン−格子緩和
時間T1より短い待ち時間Tdでシーケンスを繰り
返し、高速化することを特徴とする。従つて、第
2の180°パルスの印加後に磁化Mが完全に熱平衡
状態に戻らず、動的平衡状態でシーケンスを繰返
すことになる。磁化Mはコヒーレント
(coherent)であるため、シーケンス間に相関性
があり、信号の減少、スライス形状の乱れが生じ
る。 〔解決しようとする問題点〕 本発明は、従来装置の欠点である応答性の悪さ
を改善するとともに、RFパルスによる磁化Mの
回転角度が不正確なことに基因して発生するノイ
ズの除去をし、更に各シーケンス間での相関を除
去することができるNMR画像装置を提供するこ
とを目的とする。 ロ 「発明の構成」 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、上記問題点を解決すめために、次の
カツコに示すようなシーケンス機能を有した制御
手段を備えるようにしたものである。 制御手段のシーケンス機能とは 『まず、被検体の特定のスライス面に在る原子
核を、選択的に励起する第1の90°パルスを印加
し、 次に前記特定スライス面以外に在る原子核をも
励起する第1の180°パルスを印加し、 次に前記スライス面と同一の特定のスライス面
に在る原子核を、選択的に励起する第2の90°パ
ルスを印加し、 次に前記特定スライス面以外に在る原子核をも
励起する第2の180°パルスを印加し、 更に、第1の180°パルスの直前と直後に、勾配
磁場を与える手段を動作させて、NMR信号の読
取りとは別な{(磁場強度)×(時間)}が同一な勾
配磁場パルスを印加すること』 〔実施例〕 以下、図面を用いて本発明を説明する。 第1図は、本発明に係る装置の一実施例の構成
を示すブロツク図である。同図において、1は一
様な静磁場H0(この場合の方向をZ方向とする)
を発生させるための静磁場用コイル、2はこの静
磁場用コイル1の制御回路で、例えば直流安定化
電源を含んでいる。静磁場用コイル1によつて発
生する磁束の密度H0は0.1T程度であり、また均
一度は10-4以上であることが望ましい。 3は勾配磁場用コイルを総括的に示したもの、
4はこの勾配磁場用コイル3の制御回路である。 本発明の装置においては、第1、第2、第3の
勾配磁場を発生させるが、単に第1、第2、第3
の勾配磁場と記載して説明すると抽象的であり、
発明が分りにくい。そこで、本明細書では、第1
の勾配磁場をz勾配磁場とし、第2の勾配磁場を
x勾配磁場とし、第3の勾配磁場をy勾配磁場と
して説明を行なう。ただし、この組合せは、どん
なものでも良く、第1、2、3のそれぞれ勾配磁
場が異なつた方向の磁場であれば良い。もつと
も、特にx、y、zの区別をすることのない場合
は、単に「勾配磁場」と記載する。 また、本明細書では、第1、2、3の勾配磁場
を発生させる手段として、それぞれ専用のコイル
手段(z勾配磁場用コイル、x勾配磁場用コイ
ル、y勾配磁場用コイル)が設けられている例で
説明するが、これに限定するわけではない。即
ち、第1、2、3の勾配磁場を発生させるのに、
例えば、1つの手段でそれぞれ第1、2、3の勾
配磁場を発生させるようにしても良い。具体例を
上げれば、1つのコイル手段の位置を移動させる
ことにより、第1、2、3の勾配磁場を発生させ
ることもできる。 第6図イは勾配磁場用コイル3の一例を示す構
成図である。同図イに示すコイルは、z勾配磁場
用コイル31と、y勾配磁場用コイル32,33
とを含んでいる。更に、図示していないがy勾配
磁場用コイル32,33と同じ形であつて、90°
回転して設置されるx勾配磁場用コイルも含んで
いる。この勾配磁場用コイル3は、一様な静磁場
H0と同一方向で、x、y、z軸方向にそれぞれ
直線勾配をもつ磁場を発生する。制御回路4はコ
ントローラ20によつて制御される。 5は被検体に狭い周波数スペクトルfの高周波
パルス、即ち、RFパルスを電磁波として与える
励磁コイルで、その構成を第6図ロに示す。 6は測定しようとする原子核のNMR共鳴条件
に対応する周波数(例えばプロトンでは、42.6M
Hz/T)の信号を発生する発振器で、その出力
は、コントローラ20からの信号によつて開閉が
制御されるゲート回路30と、パワーアンプ7を
介して励磁コイル5に印加されている。8は被検
体におけるNMR信号を検出するための検出コイ
ルで、その構成は第6図ロに示す励磁コイルと同
じで、励磁コイル5に対して90°回転して設置さ
れている。なお、この検出コイル8は、被検体に
できるだけ近接して設置されることが望ましい
が、必要に応じて、励磁コイル5と兼用させても
よい。 9は検出コイル8から得られる核磁気共鳴信号
(NMR信号…FID信号・エコー信号)を増幅する
増幅器、10は位相検波回路、11は位相検波さ
れた増幅器9からの波形信号を記憶するウエーブ
メモリ回路で、A/D変換器を含んでいる。13
はウエーブメモリ回路11からの信号を例えば光
フアイバで構成される伝送路12を介して入力
し、所定の信号処理を施して断層像を得るコンピ
ユータ、14は得られた断層像を表示するテレビ
ジヨンモニタのような表示器である。また、コン
トローラ20からコンピユータ13へは、信号線
21により、必要な情報が伝送される。 コントローラ20は、勾配磁場Gz、Gx、Gy、
RFパルスの振幅を制御するために必要な信号
(アナログ信号)、及びRFパルスの送信やNMR
信号の受信に必要な制御信号(デジタル信号)を
出力することができるように構成されたものであ
る。このコントローラ20は、本発明に係る装置
の特徴とするシーケンス機能、即ち、RFパルス
の動作タイミングや各勾配磁場の動作タイミング
や値を制御する機能を有している。ただし、この
シーケンス機能を果す素子は、コントローラ20
に限定するものでなく、他の素子、例えば、コン
ピユータ13にこの機能をもたせても本発明は成
立する。 このように構成された本発明の装置の動作を、
第7図及び第1表ないし第3表を参照し、段階を
追つて順次説明する。 <> 時点t0 時点t0は、制御回路2から静磁場用コイル1
に電流を流し、被検体(被検体は各コイルの円
筒内に設置)に静磁場H0を与えた状態におい
て、コントローラ20より制御回路4を介して
z勾配磁場用コイル31に電流を流し、第7図
ロに示すように、z勾配磁場Gz +を与えた時点
である。なお、上述したが、被検体の体軸とz
軸とは一致する方向である。 このとき、 スライス面中央(90°パルス印加により磁化
Mが正しく90°回転する部分)、 スライス面境界(90°パルス印加時に、磁化
Mがθ°回転し、また180°パルス印加時にはGz=
0となつているため180°回転する部分)、 スライス面外(90°パルス印加では影響を受
けず、180°パルスによつて磁化Mの方向が反転
する部分) での各磁化Mの方向は、第7図のヘ,ト,チに
示すように、全てz軸の正方向(上向き)とな
つている。 <> 時点t1 Gz +が与えられている下で、ゲート回路30
において選択し、出力された位相差0°の所定の
形(例えばガウシアン形)に変調されたRF信
号により、被検体の特定の一面(スライス面)
の原子核を励起する。即ち、第7図のイのよう
に第1の90°xパルスを与える。続いてx勾配磁
場用コイル及びy軸勾配磁場用コイル32,3
3を付勢し、第7図のハ,ニに示すように所定
の大きさのNMR信号読取り用の勾配磁場Gx、
Gyを印加する。 なお、第7図ロにおいて、Gz +に続くGz -は、
被検体の異なる部分からのNMR信号の位相を
一致させるための波形信号であつて、この技術
は公知の技術である。 この磁場Gx,Gyを印加する時点をt1とすれ
ば、この時点t1では、各部の磁化Mは第7図
ヘ,ト,チに示すような向きとなる。 時点t1以降では第7図のホに示すような第1
の核磁気共鳴信号(FID信号)が検出コイル8
により検出され、その信号は増幅器9を介し位
相検波回路10に導かれ、ここで位相検波され
た後ウエーブメモリ回路11に格納される。格
納されたデータはコンピユータ1により適宜の
タイミングで読み取られ、ここでフーリエ変換
され1プロジエクシヨンの信号となる。 <> 時点t2 前記時点t1から核磁気共鳴信号が無くなるま
でのTs1時間経過後にx勾配磁場用コイル及び
y勾配磁場用コイルの付勢を止め、ゲート回路
30において選択し出力される位相差180°の矩
形状に変調されたRF信号で被検体を励起する。
この場合、z勾配磁場Gzは動作させず、第7
図のイに示すように被検体全体に第1の180°-x
パルスを与える。即ち、前記特定スライス面以
外に在る原子核をも励起する。 この場合、時点t2の直前において、勾配磁場
Gz=Hz1、Gx=Hx1、Gy=Hy1なるパルスを印
加する。このパルスGx=Hx1、Gy=Hy1は、
NMR信号読取り用の勾配磁場Gx=gx0、Gy=
gy0とは別のものである。これらの勾配磁場を
印加したことによる動作については、次の時点
t3の所で説明する。 <> 時点t3 前記180°-xパルスを与えた後は、t2とt3の中
央の時刻を中心として、時間軸を反転して期間
Ts1で印加したと同じ大きさの勾配磁場Gz、
Gx、Gyを印加する。180°パルスを与えた後に、
勾配磁場Gz、Gx、Gyを印加した時点をt3とす
る。即ち、第7図に示すように、本発明では、
第1の180パルスを挟んで勾配磁場Gz=Hz1…
Hz2とGx=Hx1…Hx2と、Gy=Hy1…Hy2とが印
加される。ここで、Hz2、Hx2、Hy2のパルスを
スポイルパルスと呼ぶ。 180°パルスに多少の誤差があつて、第4図と
第5図で説明したようなノイズが生じても、こ
のスポイルパルスの作用により、このノイズを
早急に除去することができる。その理由は次の
通りである。 例えば、第5図に示す如く、180°パルスの誤
差により、スライス面外に在る原子核のスピン
に横方向の成分Mxyが生じたとする。この時、
本発明では、スポイルパルスを印加しているの
で、この磁場を受けて第5図に示す横方向成分
Mxyは分散させられる。即ち、横方向成分Mxy
の位相は乱され、その結果ノイズは消失する。 なお、本発明では、第1の180パルスの印加
後Ts2に、正確にエコーを生じさせるため、ス
ポイパルスHz2、Hx2、Hy2とそれぞれ(磁場強
度)×(時間)の値が同じHz1、Hx1、Hy1を第1
の180パルスの前に印加する必要がある。即ち、
次の関係が成立している必要がある。 gx1・tn1=gx2・tn2 gy1・tn1=gy2・tn2 gz1・tn1=gz2・tn2 ただし、 tn1、tn2:磁場印加時間 gx1、gx2:Gx磁場の強さ gy1、gy2:Gy磁場の強さ gz1、gz2:Gz磁場の強さ なお、第7図では、スポイルパルスとして、
3つのパルスHz2、Hx2、Hy2を印加するとして
説明した。しかし、この記載に限定するもので
はない。即ち、Hz2、Hx2、Hy2の、いずれか1
つ、又は任意の組合せで印加し、これにより横
方向成分Mxyの位相を乱しても良い。 第7図において、例えば、パルスHy1、Hy2
の極性と、Gy=gy0の極性が反対の場合には、
不都合なことが生じる。その理由は以下の通り
である。 第1の180°パルスの誤差のため発生した横方
向成分Mxyは、スポイルパルスHy2により位相
が拡散方向に移動し、ノイズは消滅する。しか
し、スポイルパルスHy2の後に加えられる勾配
磁場gy0の極性がスポイルパルスHy2と逆であれ
ば、拡散方向に向かつていたMxyの位相は反転
し、再び集合し始める。そして、 |(Hyzの強度)×(パルス幅)| =|(gyの強度)×(時間)| のところで、Mxyのエコー信号が最大となつて
ノイズとなる。同様にHx1、Hx2の極性とgx0の
極性が反対の場合も、ノイズのエコー信号が発
生するので好ましくない。 従つて、スポイルパルスの極性と、NMR信
号読取り用勾配磁場の極性はシーケンスごと
に、同一極性にすることが必要である。 以上のように、本発明では、スポイルパルス
の作用により、180°パルスに誤差があつてもノ
イズは発生しない。 第1の180°パルスにより、磁化Mは第7図
ヘ,ト,チのように回転する。 時点t3以降は、分散する方向に向かつていた
磁化Mが、180°パルスによつて向きが全て反転
し、集合する方向に向かう。従つて、検出コイ
ル8からは、第7図ホに示すように次第に増大
する第2の核磁気共鳴信号(エコー信号)が検
出される。時点t2の前と時点t3の後で印加した
Gx、Gyがそれぞれ同じであり、その期間、被
検体の状態が変らないものとすれば、このエコ
ー信号と、前記第1の核磁気共鳴信号とは、t2
とt3の中央の時刻について対称な信号波形とな
る。 <> 時点t4 時点t3より(t2−t1)時間経過した時コント
ローラ20の制御により磁場Gx、Gyの印加を
止める。この時点をt4とする。磁化Mは図示の
通りである。 この時点の後Gz -、Gz +を与え、その状態下
で、ゲート回路30において位相差180°で第1
の90°パルスと同様に変調されたRF信号を用い
て被検体に第2の90°-xパルスを与え、第1の
90°パルスで励起されたスライス面を再び励起
する。この励起の終りを時点t5とする。この
時、スライス面内、外、境界、つまり被検体全
部の磁化Mの向きが−z軸方向に揃う。 <> 時点t6 Gz +の印加終了後、ゲート回路30より位相
差0°で矩形波状に変調されて出力されるRF信
号にて被検体を励起する(180°パルス励起)。
即ち、z勾配磁場が無い状態だから、前記特定
のスライス面以外に在る原子核をも励起する。
この励起の終了時点をt6とする。 この第2の180°パルスの印加により磁化Mは
一斉に+z軸方向に向きが揃う。 しかし、本発明に係る装置は、スピン−格子
緩和時間T1より短い待ち時間Tdでシーケンス
を繰返し、高速化することを特徴とする。従つ
て、磁化Mが完全に熱平衡状態に戻らず、動的
平衡状態でシーケンスを繰返すことになる。磁
化Mはコヒーレント(coherent)であるため、
シーケンス間に相関性があり、信号の減少、ス
ライス形状の乱れが生じる。そこで、第2の
180°パルスの後にスポイルパルスHz3、Hx3、
Hy3を印加し、スピンの位相を乱してシーケン
ス間の相関をなくしている。スポイルパルス
は、上記の3つのどの組合せでも良いが、シー
ケンスごとにランダムな(磁場強度)×(時間)
とすると、シーケンス間の相関が、更になくな
り効果的である。 このように時点t6で始めの時点t0と同じ状態
に復帰し、そこで、時点t6の後に上記したTdと
なる待ち時間を設け、1回のシーケンスを終了
し、以後同様のシーケンスを繰り返す。
【表】
【表】
【表】
なお、動的平衡状態が得られるまで、最初の数
回(例えば、10回)のシーケンスで得られる
NMR信号は、データとして使用しなくても良
い。 また、上述では、第7図ホに示す第1と第2の
NMR信号を検出し、これをフーリエ変換して、
画像の再構成に役立てると説明したが、この記載
に限定するわけではなく、例えば、次のような各
種の場合でも本発明は成立する。 <> 第1と第2のNMR信号のうち、いずれ
か一方を検出し、この検出信号を利用して画像
の再構成を行なう。 <> 第1と第2のNMR信号の両方を検出
し、このうち、いずれか一方の検出信号を利用
して画像の再構成を行なう。 <> 第1と第2のNMR信号の両方を検出
し、この2つの検出信号のデータを加算、平均
して画像の再構成を行なう。 <> 第1と第2のNMR信号の両方を検出
し、この2つの検出信号をフーリエ変換した後
に、プロジエクシヨンの状態で加算、平均して
画像の再構成を行なう。または、2つの画像の
状態で加算、平均する方法。 このようなシーケンスにおいては、待ち時間
Tdは従来のものに比べて非常に短くなる。第8
図はその様子を示すもので、被検体として卵白
(縦緩和時間T1=693ms、横緩和時間T2=262m
s)を使用し、Ts1+Ts2=30msとした場合を
図示してある。図において、横軸は待ち時間Td、
縦軸は動的平衡状態に達した後の信号強度で、鎖
線の曲線Aが従来の方式での実測値(理論値と一
致)、実線の曲線Bが本発明の方式による場合の
実測値(理論値と一致)を表わす。図から明らか
なように、同じ信号強度を得るためには本発明の
方式による場合の方がはるかに短い時間(Td)
で済むことがわかる。 なお、実施例では、1回のシーケンスにおい
て、印加するRFパルスを90°x…180°-x…90°-x・
180°xとしたが、本発明に係る装置の特徴は、第
2の90°パルスで磁化Mを全て下方に向けること
にある。従つて、例えば、90°x…180°y…90°x・
180°-x(180°yのRFパルスは、位相差90°のRF信号
を用いて作られる)の位相関係で、所定の原子核
にパルスを加えるようにしても良い。 ここで例えば、“90°-x”のRFパルスの表わす
意味は、このパルスが印加されると、磁化Mが、
x軸を回転軸として、反時計回りに90°回転した
位置へ移動することを意味する。 また、“90°y”は、磁化Mが、y軸を回転軸と
して、時計回りに90°回転した位置へ移動するこ
とを意味する。 なお、“90°x”のRFパルスとするか“90°y”と
するかは、RFパルスにおける高周波波形の位相
を調整することにより、選択することができる。
例えば、この2つのパルスの場合は、高周波の位
相を90°変えれば良い。通常、この選択は、第1
図のゲート回路30で行なつている。 第9図は本発明に係る装置のパルスシーケンス
を示す図である。同図は、一般に2次元フーリエ
変換法と呼ばれる範疇に属する検査手法により勾
配磁場Gx,Gyを印加して、被検体の原子核を励
起し、NMR信号を読取るものである。この第9
図の検査手法は、勾配磁場Gzを印加するととも
に90°パルスを加えて、被検体の特定のスライス
面を切出し、勾配磁場Gxを加えることで、この
切出したスライス面に在るプロトンの回転を位相
コード化する。更に、勾配磁場Gyを加えること
で、位相コード化されたプロトンの配列方向と直
角方向について、磁化Mの回転周波数を変えるよ
うにしている。 このようにすることで、2次元フーリエ変換法
は、磁化Mの回転周波数と、回転位相の相違とか
ら、スライス面の各ピクセル情報を識別するもの
である。 以上のような検査手法に、本発明のRFパルス
のシーケンスである90°…180°…90°…180°を適用
した場合、第4図、第5図で説明したものと同様
な不要な成分Mxyが生じる。従つて、この第9図
の場合も第1の180°パルスの後にスポイルパルス
Hz2,Hx2,Hy2を印加し、また、第7図のところ
で説明したと同様な理由で、他のパルスHz1,
Hx1,Hy1とHz3,Hx3,Hy3も印加する。 そして、これらパルスの相互の印加・関係も第
7図で説明したのと同様である。 また、高速化の原理やNMR信号の処理は、第
7図で説明したものと同様であるので省略する。 なお、第7図及び第9図では、第2の90°パル
スの直後に第2の180°パルスを印加しているよう
に描いたが、これに限定するわけではない。例え
ば、第2の90°パルスの直後でなく、時間Ts1以内
に第2の180°パルスを加えるようにしても本発明
の効果は得られる。 ハ 「本発明の効果」 以上述べたように、本発明によれば、例えば、
第7図に示したパルスシーケンスにより、1ビユ
ー分のシーケンスが終了した時点で強制的に、か
つ正確にスライス面内外すべての磁化Mを熱平衡
状態(又はその近傍)にすることができる。その
ため、従来法のようにT1による自然緩和を待つ
必要がなく、パルスシーケンスの間隔を短縮で
き、スキヤンタイムを短縮することができる。し
かも、第1の180°パルスの後に出る不要な成分
Mxyに基づくノイズの発生を押えることができ、
また、第2の180°パルスの後に加えるスポイルパ
ルスによつて、各シーケンス間の相関性を取除く
ことができる。従つて、スキヤンタイムが早いう
えに、得られる映像もノイズのない良質な画面と
することが出来る。
回(例えば、10回)のシーケンスで得られる
NMR信号は、データとして使用しなくても良
い。 また、上述では、第7図ホに示す第1と第2の
NMR信号を検出し、これをフーリエ変換して、
画像の再構成に役立てると説明したが、この記載
に限定するわけではなく、例えば、次のような各
種の場合でも本発明は成立する。 <> 第1と第2のNMR信号のうち、いずれ
か一方を検出し、この検出信号を利用して画像
の再構成を行なう。 <> 第1と第2のNMR信号の両方を検出
し、このうち、いずれか一方の検出信号を利用
して画像の再構成を行なう。 <> 第1と第2のNMR信号の両方を検出
し、この2つの検出信号のデータを加算、平均
して画像の再構成を行なう。 <> 第1と第2のNMR信号の両方を検出
し、この2つの検出信号をフーリエ変換した後
に、プロジエクシヨンの状態で加算、平均して
画像の再構成を行なう。または、2つの画像の
状態で加算、平均する方法。 このようなシーケンスにおいては、待ち時間
Tdは従来のものに比べて非常に短くなる。第8
図はその様子を示すもので、被検体として卵白
(縦緩和時間T1=693ms、横緩和時間T2=262m
s)を使用し、Ts1+Ts2=30msとした場合を
図示してある。図において、横軸は待ち時間Td、
縦軸は動的平衡状態に達した後の信号強度で、鎖
線の曲線Aが従来の方式での実測値(理論値と一
致)、実線の曲線Bが本発明の方式による場合の
実測値(理論値と一致)を表わす。図から明らか
なように、同じ信号強度を得るためには本発明の
方式による場合の方がはるかに短い時間(Td)
で済むことがわかる。 なお、実施例では、1回のシーケンスにおい
て、印加するRFパルスを90°x…180°-x…90°-x・
180°xとしたが、本発明に係る装置の特徴は、第
2の90°パルスで磁化Mを全て下方に向けること
にある。従つて、例えば、90°x…180°y…90°x・
180°-x(180°yのRFパルスは、位相差90°のRF信号
を用いて作られる)の位相関係で、所定の原子核
にパルスを加えるようにしても良い。 ここで例えば、“90°-x”のRFパルスの表わす
意味は、このパルスが印加されると、磁化Mが、
x軸を回転軸として、反時計回りに90°回転した
位置へ移動することを意味する。 また、“90°y”は、磁化Mが、y軸を回転軸と
して、時計回りに90°回転した位置へ移動するこ
とを意味する。 なお、“90°x”のRFパルスとするか“90°y”と
するかは、RFパルスにおける高周波波形の位相
を調整することにより、選択することができる。
例えば、この2つのパルスの場合は、高周波の位
相を90°変えれば良い。通常、この選択は、第1
図のゲート回路30で行なつている。 第9図は本発明に係る装置のパルスシーケンス
を示す図である。同図は、一般に2次元フーリエ
変換法と呼ばれる範疇に属する検査手法により勾
配磁場Gx,Gyを印加して、被検体の原子核を励
起し、NMR信号を読取るものである。この第9
図の検査手法は、勾配磁場Gzを印加するととも
に90°パルスを加えて、被検体の特定のスライス
面を切出し、勾配磁場Gxを加えることで、この
切出したスライス面に在るプロトンの回転を位相
コード化する。更に、勾配磁場Gyを加えること
で、位相コード化されたプロトンの配列方向と直
角方向について、磁化Mの回転周波数を変えるよ
うにしている。 このようにすることで、2次元フーリエ変換法
は、磁化Mの回転周波数と、回転位相の相違とか
ら、スライス面の各ピクセル情報を識別するもの
である。 以上のような検査手法に、本発明のRFパルス
のシーケンスである90°…180°…90°…180°を適用
した場合、第4図、第5図で説明したものと同様
な不要な成分Mxyが生じる。従つて、この第9図
の場合も第1の180°パルスの後にスポイルパルス
Hz2,Hx2,Hy2を印加し、また、第7図のところ
で説明したと同様な理由で、他のパルスHz1,
Hx1,Hy1とHz3,Hx3,Hy3も印加する。 そして、これらパルスの相互の印加・関係も第
7図で説明したのと同様である。 また、高速化の原理やNMR信号の処理は、第
7図で説明したものと同様であるので省略する。 なお、第7図及び第9図では、第2の90°パル
スの直後に第2の180°パルスを印加しているよう
に描いたが、これに限定するわけではない。例え
ば、第2の90°パルスの直後でなく、時間Ts1以内
に第2の180°パルスを加えるようにしても本発明
の効果は得られる。 ハ 「本発明の効果」 以上述べたように、本発明によれば、例えば、
第7図に示したパルスシーケンスにより、1ビユ
ー分のシーケンスが終了した時点で強制的に、か
つ正確にスライス面内外すべての磁化Mを熱平衡
状態(又はその近傍)にすることができる。その
ため、従来法のようにT1による自然緩和を待つ
必要がなく、パルスシーケンスの間隔を短縮で
き、スキヤンタイムを短縮することができる。し
かも、第1の180°パルスの後に出る不要な成分
Mxyに基づくノイズの発生を押えることができ、
また、第2の180°パルスの後に加えるスポイルパ
ルスによつて、各シーケンス間の相関性を取除く
ことができる。従つて、スキヤンタイムが早いう
えに、得られる映像もノイズのない良質な画面と
することが出来る。
第1図は本発明の実施例装置の構成図、第2図
はPR法による従来の検査パルス波形の一例を示
す図、第3図は磁化Mを回転座標系に表示した
図、第4図と第5図は180°パルスに誤差があつた
場合に横方向成分が生じることを説明するための
図、第6図は磁場用コイルの一例を示す構造図、
第7図は本発明に係るシーケンスを説明するため
の動作波形及び磁化ベクトルの図、第8図は待ち
時間と信号強度との関係を示す図、第9図は本発
明に係る別のシーケンス例を説明するための動作
波形図である。 1……静磁場用コイル、2……静磁場用コイル
の制御回路、3……勾配磁場用コイル、4……勾
配磁場用コイルの制御回路、5……励磁コイル、
6……RF発振器、7……パワーアンプ、8……
検出コイル、9……増幅器、10……位相検波回
路、11……ウエーブメモリ回路、13……コン
ピユータ、14……表示器、20……コントロー
ラ、30……ゲート回路、31……z勾配磁場用
コイル、32,33……y勾配磁場用コイル。
はPR法による従来の検査パルス波形の一例を示
す図、第3図は磁化Mを回転座標系に表示した
図、第4図と第5図は180°パルスに誤差があつた
場合に横方向成分が生じることを説明するための
図、第6図は磁場用コイルの一例を示す構造図、
第7図は本発明に係るシーケンスを説明するため
の動作波形及び磁化ベクトルの図、第8図は待ち
時間と信号強度との関係を示す図、第9図は本発
明に係る別のシーケンス例を説明するための動作
波形図である。 1……静磁場用コイル、2……静磁場用コイル
の制御回路、3……勾配磁場用コイル、4……勾
配磁場用コイルの制御回路、5……励磁コイル、
6……RF発振器、7……パワーアンプ、8……
検出コイル、9……増幅器、10……位相検波回
路、11……ウエーブメモリ回路、13……コン
ピユータ、14……表示器、20……コントロー
ラ、30……ゲート回路、31……z勾配磁場用
コイル、32,33……y勾配磁場用コイル。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 被検体に静磁場(H0)を与える手段と、被
検体に勾配磁場を与える手段と、被検体の組織を
構成する原子の原子核に核磁気共鳴を与えるため
の高周波パルスを印加する手段と、を備え、 生じた核磁気共鳴信号を利用して、被検体の組
織に関する画像を得る装置において、 以下のカツコに記載するシーケンス機能を有し
た制御手段を具備し、このシーケンスを繰り返す
とともに、各シーケンスごとに生じる核磁気共鳴
信号のうち必要な信号を、画像再構成のために利
用することを特徴とするNMR画像装置。 『前記勾配磁場を与える手段を動作させ、第1
の勾配磁場を印加するとともに、前記高周波パル
スを印加する手段から第1の90°パルスを印加し
て被検体の特定のスライス面に在る原子核を励起
し、 次に前記勾配磁場を与える手段を動作させず
に、前記高周波パルスを印加する手段から第1の
180°パルスを印加して、前記特定スライス面以外
に在る原子核をも励起し、 次に前記勾配磁場を与える手段を動作させ、第
1の勾配磁場を印加するとともに、前記高周波パ
ルスを印加する手段から第2の90°パルスを印加
して、前記と同一の特定のスライス面に在る原子
核を励起し、 次に前記勾配磁場を与える手段を動作させず
に、前記高周波パルス印加する手段から第2の
180°パルスを印加して、特定スライス面以外に在
る原子核をも励起し、 前記第1の180°パルスの直前と直後に、勾配磁
場を与える手段を動作させてNMR信号の読取り
用の勾配磁場とは別な{(磁場強度)×(時間)}が
同一な勾配磁場パルスを印加するようにしたシー
ケンス機能。』 2 前記4つの高周波パルスの位相関係を90°x…
180°-x…90°-x…180°xとした特許請求の範囲第1項
記載のNMR画像装置。 3 前記4つの高周波パルスの位相関係を90°x位
置…180°y…90°x…180°-xとした特許請求の範囲第
1項記載のNMR画像装置。 4 被検体に静磁場(H0)を与える手段と、被
検体に勾配磁場を与える手段と、被検体の組織を
構成する原子の原子核に核磁気共鳴を与えるため
の高周波パルスを印加する手段と、を備え、 生じた核磁気共鳴信号を利用して、被検体の組
織に関する画像を得る装置において、 以下のカツコに記載するシーケンス機能を有し
た制御手段を具備し、このシーケンスを繰り返す
とともに、各シーケンスごとに生じる核磁気共鳴
信号のうち必要な信号を、画像再構成のために利
用することを特徴とするNMR画像装置。 『前記勾配磁場を与える手段を動作させ、第1
の勾配磁場を印加するとともに、前記高周波パル
スを印加する手段から第1の90°パルスを印加し
て被検体の特定のスライス面に在る原子核を励起
し、 次に前記勾配磁場を与える手段を動作させず
に、前記高周波パルスを印加する手段から第1の
180°パルスを印加して、前記特定スライス面以外
に在る原子核をも励起し、 次に前記勾配磁場を与える手段を動作させ、第
1の勾配磁場を印加するとともに、前記高周波パ
ルスを印加する手段から第2の90°パルスを印加
して、前記と同一の特定のスライス面に在る原子
核を励起し、 次に前記勾配磁場を与える手段を動作させず
に、前記高周波パルスを印加する手段から第2の
180°パルスを印加して、特定スライス面以外に在
る原子核をも励起し、 前記第2の180°パルスの直後に、勾配磁場を与
える手段を動作させて、スポイルパルスを印加す
るようにしたシーケンス機能。』 5 前記4つの高周波パルスの位相関係を90°x…
180°-x…90°−x…180°xとした特許請求の範囲第4
項記載のNMR画像装置。 6 前記4つの高周波パルスの位相関係を90°x…
180°y…90°x…180°-xとした特許請求の範囲第4項
記載のNMR画像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59228572A JPS60166853A (ja) | 1984-10-30 | 1984-10-30 | Nmr画像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59228572A JPS60166853A (ja) | 1984-10-30 | 1984-10-30 | Nmr画像装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58190581A Division JPS6082841A (ja) | 1983-10-12 | 1983-10-12 | 核磁気共鳴による検査装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60166853A JPS60166853A (ja) | 1985-08-30 |
JPH0421491B2 true JPH0421491B2 (ja) | 1992-04-10 |
Family
ID=16878460
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59228572A Granted JPS60166853A (ja) | 1984-10-30 | 1984-10-30 | Nmr画像装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60166853A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6476842A (en) * | 1987-09-18 | 1989-03-22 | Asahi Chemical Ind | Apparatus for obtaining signal containing spin/spin relaxing time data |
JP2007287243A (ja) * | 2006-04-18 | 2007-11-01 | Hitachi Maxell Ltd | 光ディスク記録再生装置およびディスクオートチェンジャ |
-
1984
- 1984-10-30 JP JP59228572A patent/JPS60166853A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60166853A (ja) | 1985-08-30 |
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