JP4396831B2 - フルオロアルキルケトンの水和物の製造方法 - Google Patents

フルオロアルキルケトンの水和物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はフルオロアルキルケトン類、特に、ヘキサフルオロアセトン(以下「HFA」と略記することがある)の水和物の製法に関する。
さらに詳しくは3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸の有効利用を目的とするHFAの水和物の製法に関する。
HFA水和物は、種々のフッ素化合物の合成中間体として有用であり、例えばHFAは各種芳香族化合物と反応させてゴムの架橋剤やフッ素含有ポリイミドのモノマーとして利用出来る。
また、HFA水和物は水素還元反応により、ヘキサフルオロイソプロパノールに還元され、麻酔薬原料として利用できる。
HFAの製法としては、従来から種々の方法が知られており、例えば特許文献1〜4にはヘキサフルオロプロピレンオキシドを異性化させる方法が提案されている。ヘキサフルオロプロピレンオキシドはヘキサフルオロプロペンの酸素酸化によって得られることが知られているが、酸化での収率が低く高価であるという問題がある。
この他の方法としてヘキサフルオロチオアセトンダイマーを酸化する方法(特許文献5〜8等)も知られているが、収率が低いことや精製が困難である等の問題がある。また、ヘキサクロロアセトンをHFでフッ素化する方法も知られているが、精製が容易ではないという問題がある(特許文献9)。
このような背景からヘキサフルオロプロペン製造時の副生成物であるオクタフルオロイソブテンの誘導体を原料としてヘキサフルオロアセトンを製造しようとする試みがなされてきている。 例えば、特許文献10はオクタフルオロイソブチルメチルエーテルを活性炭触媒存在下に酸素酸化する方法を開示しているが、この方法を発明者らが追試したところ、一時的にはヘキサフルオロアセトンが得られるものの、活性炭の触媒活性の劣化が著しく、工業的に実施できるものではないことがわかった。この他にも、特許文献11〜14等にオクタフルオロイソブチルメチルエーテル誘導体からヘキサフルオロアセトンを製造する方法が開示されているが、いずれの方法も収率が低く、低コストで工業的にヘキサフルオロアセトンを製造する方法としては満足のゆくものではない。
カルボン酸類の塩を水溶液中でフッ素ガスと反応させ脱炭酸を行う反応は、非特許文献1に報告されているが、このような脱炭酸反応は塩素ガスでは進行しないことが記載されている。
米国特許第3321515号 特開昭53-25512号公報 特開昭58-62130号公報 WO 03/008366 米国特許第4337361号 米国特許第4334099号 特開昭57-158736号公報 特開昭57-203026号公報 特公昭40−27173号 特開平01-203339号公報 特開昭61-277645号公報 特開昭64-26527号公報 特表平9-509425号公報 特開2001-81056号公報 J.Org.Chem.34,2446 (1969)
本発明は、フルオロアルキルケトンの水和物を高収率で簡便に製造することを目的とする。
本発明者らはフルオロアルキルヒドロキシカルボン酸の塩をハロゲンまたはハロゲン系酸化剤と反応させると対応するケトンの水和物が生成することを見出した。
本発明は、以下の方法に関する。
1. 一般式(1):[CF3(CF2)n][CF3(CF2)m]C(OH)COOH(式中 、n、mは0〜10を示す。)で表される化合物の塩をハロゲンまたはハロゲン系酸化剤と反応させることを特徴とする一般式(2):[CF3(CF2)n][CF3(CF2)m]C(OH)2 (2)(式中、n、mは0〜10を示す。)で表される化合物の製造方法。
2. 一般式(1)の化合物の塩が3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸塩(n=m=0)であることを特徴とする項1に記載の方法。
3. ハロゲンまたはハロゲン系酸化剤が不活性ガスで希釈されたフッ素である項1または2に記載の方法。
4. ハロゲンまたはハロゲン系酸化剤が塩素である項1または2に記載の方法。
5. ハロゲンまたはハロゲン系酸化剤が次亜塩素酸塩あるいは次亜臭素酸塩である項1または2に記載の方法。
6. 一般式(1)の化合物の塩をハロゲンまたはハロゲン系酸化剤と反応させる溶媒が水であることを特徴とする項1〜5のいずれかに記載の方法。
7. 一般式(1)の化合物の塩がLi塩,K塩またはNa塩であることを特徴とする項1〜6のいずれかに記載の方法。
8. ハロゲンまたはハロゲン系酸化剤と反応させるときの溶媒のpHが4以上である項1〜6のいずれかに記載の方法。
9. 塩素あるいは臭素を反応系中で発生させることを特徴とする、項1〜8のいずれかに記載の方法。
以下、本発明をより詳細に説明する。
理論により拘束されることを望むわけではないが、本発明者は本反応の機構を、脱炭酸ハロゲン化の後、ハロゲンの加水分解によって進行しているのではないかと考える。一方、J.Org.Chem.34,2446 (1969)の報告ではカルボン酸類の塩は水溶液中でのハロゲン化脱炭酸反応はフッ素ガスでは進行するものの、塩素や臭素では中間体の過ハロゲン化物(-COOX)が加水分解してカルボン酸となるために進行しないということが記載されている。
驚くべきことに、本発明の方法では、フッ素のみでなく、塩素や臭素によっても反応が容易に進行することが確認されており、このような中間体を経るものかどうかは明らかではない。
Figure 0004396831
(式中、Xはハロゲンを表し、Mは1価(M+)、2価(1/2M2+)または3価(1/3M3+)のイオンを示し、好ましいM+はLi+、K+、Na+、NH4 +、Ag+などの1価のカチオン、1/2Mg2+、1/2Ca2+、1/2Sr2+、1/2Ba2+、1/2Pb2+、1/2Cu2+などの2価のカチオン、1/3Al3+などの3価のカチオンを示す。)
本発明者らはハロゲン化の条件を詳細に検討した結果、一般式(1)のカルボン酸化合物はハロゲンのみではなく、ハロゲン系酸化剤として次亜塩素酸塩/次亜臭素酸塩を使用した場合にもヘキサフルオロアセトン水和物を生成することを見出した。次亜塩素酸塩は酸性で塩素を発生するため、反応系中で塩素を発生している可能性もあるが、本反応はアルカリ性でも進行するものであり、次亜塩素酸塩との反応がどのような機構で進行しているかは明らかではない。
一般式(1)の化合物の塩は、下記の一般式(1A)で表され、該塩は、特開2002−234860号公報に開示されている公知物質であるか、或いは該公知の塩または対応するカルボン酸化合物から塩交換反応もしくは塩形成反応により容易に得ることができる。
一般式(1A):[CF3(CF2)n][CF3(CF2)m]C(OH)COO-M+
(式中 、n、mは0〜10を示す。Mは、1価(M+)、2価(1/2M2+)または3価(1/3M3+)のイオンを示し、好ましいM+はLi+、K+、Na+、NH4 +、Ag+などの1価のカチオン、1/2Mg2+、1/2Ca2+、1/2Sr2+、1/2Ba2+、1/2Pb2+、1/2Cu2+などの2価のカチオン、1/3Al3+などの3価のカチオンを示す。)
上記で具体的に例示された以外の塩は、一般式(1)の化合物または一般式(1A)の塩から常法に従い容易に得ることができる。
上記式(2)において、n、mがともに0であるHFA水和物は特に有用な化合物であり、その原料となる3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸エステルの製造方法は、特開昭61−286348号、特開2002−234860号等に開示されているように、オクタフルオロイソブテンをメタノールと反応させてオクタフルオロイソブチルメチルエーテルとした後、アルカリ金属水酸化物と反応させて脱フッ化水素を行いヘプタフルオロイソブテニルメチルエーテルとし、これを酸化することによって得られることが知られている。
(CF3)2C=CF2 +MeOH → (CF3)2CHCF2OMe → (CF3)2C=CFOMe → (CF3)2C(OH)-CO2Me
上記3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸エステルよりエステル部を加水分解して得られる原料のカルボン酸塩としてはLi、K、Na、Mg、Ca、Sr、Ba、Pb、Cu、Al、NH4またはAgの塩等であるが、その中で、本発明の方法の原料としては、Li塩、K塩、Na塩、Ca塩、Mg塩が好ましく、Na塩、K塩がより好ましい。
原料のカルボン酸塩は溶媒による抽出などの常法によって精製したものを用いることが出来るが、メチルエステルをKOHやNaOH等アルカリ金属水酸化物で加水分解した溶液をそのまま用いても良い。過剰に使用したアルカリ水酸化物はハロゲンとの反応の際にハロゲンの分解を促進する為、塩酸や硫酸などの酸を用いて中和して使用しても良い。
本ハロゲン化反応の溶媒としては水が好ましいが、その水溶液中に、3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸エステルよりそのカルボン酸塩を合成する際に使用されるような有機溶剤、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルなどが含まれていても特に問題はない。
反応温度は、溶媒の凝固点以上であれば特に制限されないが通常-20〜100℃で実施可能であるが、-5〜50℃が好ましい。また、反応溶媒が水の場合、反応温度は凝固点降下により水が凝固しない限り特に制限されず、−20℃程度まで冷却可能であるが通常-5〜80℃、好ましくは0〜50℃である。反応温度が高いと望ましくない副反応が起こり、低すぎるとハロゲンまたはハロゲン系酸化剤のロスが多くなる。最適な温度はハロゲンまたはハロゲン系酸化剤にも依存するが、ハロゲンまたはハロゲン系酸化剤として塩素を用いる場合、反応温度は30-50℃が好ましい。
反応液中の原料濃度には特に制限はないが、5〜60mass%で実施するのが好ましい。希薄な溶液では
ハロゲンの反応効率が悪く、ロスが増える為、濃度が高い方が好ましい。カルボン酸塩が飽和して析出している状態でハロゲンを加えても特に問題なく反応は進行する。
ハロゲンまたはハロゲン系酸化剤としては特に制限はないが、ハロゲンとしてフッ素、塩素、臭素が好適に用いられ、ハロゲン系酸化剤として次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸リチウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウムなどの次亜塩素酸塩、次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸リチウム、次亜臭素酸カリウム、次亜臭素酸カルシウム等の次亜臭素酸塩が好適に用いられる。価格が安価なことから、塩素が特に好適である。塩素は精製されたガスをそのまま用いることも出来るが、反応系中で発生させながら反応に使用することも出来る。反応系中で塩素を発生させる方法としては、例えばアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩化物を反応系中に加えておき、これを電解する等の方法がある。臭素についても同様の方法を行うことが出来る。
ハロゲンとしてF2ガスを使用する場合、F2ガスはフッ素に対して不活性なガスで希釈して使用することが望ましい。希釈ガスとしては窒素、ヘリウム、空気、あるいはハイドロフルオロアルカン、パーフルオロアルカン、パーフルオロケトンから選択出来るが、コスト上から窒素が最も好ましい。F2の濃度は1〜30mass%、好ましくは4-20mass%で実施するのが好ましい。F2濃度が高い場合、燃焼等の激しく望まない副反応が起こりやすく危険である。希薄な場合特に問題はないが、希釈ガスによるHFA水和物などの目的物の同伴ロスが大きくなる。
反応に使用されるハロゲンまたはハロゲン系酸化剤の量には特に制限はないが、0.5〜10モル当量で実施するのが好ましい。より好ましくは0.9〜2モル当量である。
使用するハロゲンの当量を高くすれば原料の転化率を向上させることが出来る。
ハロゲンまたはハロゲン系酸化剤の添加速度は特に制限がないが、1当量のハロゲンを0.5時間から50時間程度の速度、より好ましくは0.5-10時間かけて添加するのが一般的である。
希釈したF2ガスを使用する場合、流量は反応器の容量に対して毎分0.1-5倍、好ましくは0.5-2倍の範囲とすることが出来る。流量が大きい場合にはF2ガスのロスが大きくなる。また、小さい場合には反応時間が長くなり、生産性が悪くなる。塩素ガスの場合は流量は反応器の容量に対して毎分0.01〜5倍、好ましくは0.1〜1倍の範囲とすることが出来る。
反応時間には特に制限がなく通常は0.5時間から50時間程度で行うことが出来る。
本反応はバッチでも可能であるが、原料のカルボン酸溶液及びハロゲンを反応器に供給しつつ、反応溶液を抜き出すという方法で連続的に行うことも可能である。
本反応を行う際の溶液、特に水溶液ないし含水溶液の好ましいpHとしては3.0〜13.0であり、より好ましくは4.0-11.0である。pHが低いと反応の進行が遅くなり、ハロゲンまたはハロゲン系酸化剤のロスが多くなる。また、pHが高すぎるとアルカリによる、フルオロアルキルケトンの水和物(特にヘキサフルオロアセトン水和物)の分解が進行する。反応の進行に伴ってpHが低下するのを防ぐ為に、反応前あるいは反応中に適宜アルカリ性の化合物を添加することが好ましい。添加するアルカリとしてはアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素塩、セスキ炭酸塩、リン酸塩、水酸化物等が好ましい。ハロゲンやフルオロアルキルケトンの水和物(特にヘキサフルオロアセトン水和物)を分解しないため炭酸塩、炭酸水素塩は特に好ましい。アルカリ性化合物の添加量はハロゲンまたはハロゲン系酸化剤に対して0.5-5.0当量程度、好ましくは1.0-2.0当量程度である。
ハロゲンとして、塩素または臭素を用いる場合またはハロゲン系酸化剤を使用する場合、水として緩衝液を用いることもできる。好ましい緩衝液としては、クエン酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、Tris塩(例えばTris塩酸塩)、ホウ酸塩、酢酸塩、乳酸塩、プロピオン酸塩、などの有機酸または無機酸の塩と対応する酸の混合液が例示される。
本発明の目的物であるフルオロアルキルケトンの水和物は、公知の方法、例えば、特開昭57―81433号公報に示されるようなHFA水和物に塩化カルシウム等の塩を加えて分液させる方法、あるいはジイソプロピルエーテルやメチルtブチルエーテル等のエーテル系溶媒で抽出し、有機溶媒と蒸留分離する等の方法で精製することが出来る。
本発明によれば、一般式(1):[CF3(CF2)n][CF3(CF2)m]C(OH)COOH(式中 、n、mは0〜10を示す。)で表される化合物の塩から一般式(2):[CF3(CF2)n][CF3(CF2)m]C(OH)2 (2)(式中、n、mは0〜10を示す。)で表される化合物を高収率で得ることが出来る。
特に、産業廃棄物から容易に合成される3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸の塩より有用物質であるHFA水和物を高収率で得ることが出来る。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。
参考例1:3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸K塩水溶液の調製
500mLの3口フラスコに3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸メチル79.2g(0.35mol)を仕込み、水50ml及びメタノール50mlを加えた後、40℃の温浴で加熱・撹拌下、25%KOH水溶液166g(0.742mol 2.1当量)をゆっくりと加えた。4時間反応した後、反応液をGCで分析し原料のエステルが消失しているのを確認した。反応液をエバポレーターで濃縮してメタノール及び水を留去し、154.3gのカリウム塩水溶液を得た。
本水溶液をNMR分析で定量した結果、3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸カリウム塩濃度は56.8%であった(87.9g 0.35mol)。
参考例2:3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸Na塩水溶液の調製
50mLの3口フラスコに7.63MNaOH水溶液(8.26ml、63mmol)を加え、内温40℃から65℃で3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸メチル13.6g(60mmol)を15分かけて滴下し、その後、反応液を73-74℃で3時間加熱還流した。反応液をGCで分析し原料のエステルが消失しているのを確認した。本水溶液をNMR分析で定量した結果、3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸ナトリウム塩が60mmol、定量的に生成していた。
実施例1―4 F2による脱炭酸反応
100mlの4つ口フラスコに、参考例1で調製した3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸のカリウム塩溶液及び水を加えた。加水分解時に過剰に使用したKOHの為、混合溶液のpHは13となった。これに、氷冷・撹拌下、窒素で5.7vol%に希釈したF2を吹き込み反応を行った。所定量のF2を流通した後、反応系を窒素パージした後、反応液を分析した。
結果を下記表1に示した。
Figure 0004396831
実施例5 Cl2による脱炭酸反応
50mlの3つ口フラスコに、参考例1で調製した3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸カリウム56.8%溶液7.85g(17.8mmol)及び炭酸カリウム2.46g(17.8mmol)を仕込み、水16gを加えて溶解した。pHは13であった。水浴で温度40℃に加熱しつつ、攪拌しながら塩素ガスを20mL/minで37分間(33mmol 1.85当量)吹き込み反応を行った。反応終了時のpHは6.6であった。原料の転化率は99.7%、選択率99%以上でヘキサフルオロアセトン水和物が得られた。

実施例6 Cl2による脱炭酸反応
50mlの3つ口フラスコに、参考例2で調製した3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸ナトリウム溶液20mmol及び炭酸ナトリウム2.12g(20mmol)を仕込み、水20gを加えて溶解した。pHは9.8であった。水浴で温度40℃に加熱しつつ、攪拌しながら塩素ガスを20mL/minで29分間(24.1mmol 1.2当量)吹き込み反応を行った。この時のpHは6.9であった。この水溶液に再度炭酸ナトリウム1.06g(10mmol)を加え溶解した。pHは9.1であった。さらに温度40℃に加熱しつつ、攪拌しながら塩素ガス10mL/minで22分間(9.2mmol 0.46当量)吹き込み反応を行った。反応終了時のpHは6.8であった。原料の転化率は82%、選択率99%以上でヘキサフルオロアセトン水和物が得られた。

実施例7 次亜塩素酸塩による脱炭酸反応
100mlの3つ口フラスコに、参考例1で調製した3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸カリウム56.8%溶液6.52g(14.8mmol)を入れ、ここに35%塩酸1.7g、炭酸水素カリウム0.8gを順に加えpHを8とした。次に水浴で40℃に加熱しつつ10%次亜塩素酸ナトリウム水溶液24.0g(32.3mmol)を1時間かけて加え、さらにそのままの温度を保ちながら5時間かくはんした。反応終了時のpHは8であった。原料の転化率90%、選択率99%以上でヘキサフルオロアセトン水和物が得られた。

実施例8 臭素による脱炭酸反応
50mlの3つ口フラスコに、参考例1で調製した3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸カリウム56.8%溶液7.59g(17.2mmol)及び炭酸カリウム4.98g(36mmol)を仕込み、水25gを加えて溶解した。pHは13であった。水浴で温度40℃に加熱しつつ、攪拌しながら臭素5.75g(36mmol)を60分かけて滴下した。滴下終了後、更に同温度で3時間反応を行い、反応を終了した反応終了時のpHは7〜8であった。原料の転化率は64%、選択率99%以上でヘキサフルオロアセトン水和物が得られた。

実施例9
100mlのPFAボトルに3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸カリウム塩30.9g(123.6mmol)、KCl 6g(80mmol)を含んだ水溶液71.7gを入れ、これに白金電極を通じて1A(8.0〜8.2V)の直流電流を流した。 9時間電気分解を行った後、反応液をNMR分析で定量した結果、反応の転化率は90%、選択率は99%以上であった。 尚、反応は室温下で実施したが、反応液の内温は39〜41℃であった。
また、反応終了時のpHは7〜8であった。

Claims (9)

  1. 一般式(1):[CF3(CF2)n][CF3(CF2)m]C(OH)COOH(式中、n、mは0〜10を示す。)で表される化合物の塩をアルカリ性の化合物の存在下にハロゲンまたはハロゲン系酸化剤と反応させることを特徴とする一般式(2):[CF3(CF2)n][CF3(CF2)m]C(OH)2 (2)(式中、n、mは0〜10を示す。)で表される化合物の製造方法。
  2. 一般式(1)の化合物の塩が3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-2-ヒドロキシプロピオン酸塩(n=m=0)であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. ハロゲンまたはハロゲン系酸化剤が不活性ガスで希釈されたフッ素である請求項1または2に記載の方法。
  4. ハロゲンまたはハロゲン系酸化剤が塩素である請求項1または2に記載の方法。
  5. ハロゲンまたはハロゲン系酸化剤が次亜塩素酸塩あるいは次亜臭素酸塩である請求項1または2に記載の方法。
  6. 一般式(1)の化合物の塩をハロゲンまたはハロゲン系酸化剤と反応させる溶媒が水であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 一般式(1)の化合物の塩がLi塩,K塩またはNa塩であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. ハロゲンまたはハロゲン系酸化剤と反応させるときの溶媒のpHが4以上である請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  9. 塩素あるいは臭素を反応系中で発生させることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
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