JP4395955B2 - α−アミノ酸アミド類の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はα−アミノ酸アミド類の製造法に関する。α−アミノ酸アミド類は各種工業薬品などの中間体ならびに、農薬、化粧品、飼料添加物、食品添加物、および医薬品として重要なα−アミノ酸類の製造原料として極めて重要な物質である。
【0002】
【従来の技術】
α−アミノ酸アミド類の製造法としては、従来、カルボニル化合物の存在下α−アミノニトリルよりα−アミノ酸アミド類を製造する方法が知られている。例えば、α−アミノニトリルとケトンとを水性媒体中PH11〜14に於いて反応させ、α−アミノ酸アミドを得る方法(特公昭59−36899)、α−アミノニトリル1モルに対して0.05〜0.3モルの水酸基イオンの存在に於いてカルボニル誘導体とα−アミノニトリルとを反応させ、α−アミノ酸アミドを得る方法(特開昭53−82707)、および強塩基性物質の使用量をα−アミノニトリル1モルに対して0.01モル以下の割合とし、反応液のPHが14を越えるように反応系へケトン類を添加してα−アミノ酸アミドを得る方法(特開昭57−158743)、などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のα−アミノ酸アミド類の製造法は、いずれもα−アミノニトリルを原料としているが、α−アミノニトリルはシアン化水素、アルデヒドおよびアンモニアから、あるいはシアン化水素とアルデヒドからシアンヒドリンを合成した後アンモニアと反応させる、といった方法により合成される。しかし、アミノニトリル類は極めて不安定であり、室温以下に保存していても次第に赤褐色に着色し、ついには黒変しタール状物を生成する、という取り扱い上の問題点を有する。
本発明の目的は、これらの問題点を有するα−アミノニトリル合成工程を必要としない、α−アミノ酸アミド類の簡略化された製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の如き課題を有するα−アミノ酸アミド類の製造方法について鋭意検討を行った結果、ケトン類の存在下、アルデヒドのシアンヒドリン類とアンモニア水とを反応させることにより、α−アミノニトリル合成工程を必要とすることなく、α−アミノ酸アミド類が容易に高収率で得られることを見出し、本発明に到達した。
【0005】
即ち本発明は、ケトン類の存在下、一般式(1)で表されるアルデヒドのシアンヒドリン類とアンモニア水とを触媒を用いて反応させることを特徴とする、一般式(2)で表されるα−アミノ酸アミド類の製造法であり、反応に触媒を用いることが好ましく、該触媒として有機あるいは無機の強塩基性物質が用いられる。
【0006】
(化3)
R1 CH(CN)OH (1)
(R1 は水素原子、低級アルキル基、置換低級アルキル基、シクロヘキシル基、置換シクロヘキシル基、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル基、置換ベンジル基、複素環基および置換複素環基である)
【0007】
(化4)
R1 CH(NH2 )CONH2 (2)
(R1 は水素原子、低級アルキル基、置換低級アルキル基、シクロヘキシル基、置換シクロヘキシル基、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル基、置換ベンジル基、複素環基および置換複素環基である)
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の方法は通常、ケトン類とアルデヒドのシアンヒドリン類の混合液へ触媒およびアンモニア水を添加することにより行われる。
【0009】
一般式(1)で示されるアルデヒドのシアンヒドリン類のR1 の低級アルキル基には特に制限はないが、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチルおよびt-ブチルなどのC1 〜C4 の直鎖または分枝した低級アルキル基であり、複素環基としては、フリル基、ピリジル基、チアゾリル基、イミダゾリル基およびインドリル基であり、また、置換低級アルキル基、置換シクロヘキシル基、置換フェニル基、置換ベンジル基および置換複素環基のそれぞれに含まれる置換基は、例えばヒドロキシ、メトキシ、メルカプト、メチルメルカプト、アセタール、カルボキシル、カルボクサミド、ハロゲン、イミダゾリルおよびインドリルなどである。
反応系へ加えられるケトン類は特に制限はないが、脂肪族ケトンおよび環状脂肪族ケトンが好適に使用される。例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル-t- ブチルケトンおよびシクロヘキサノンなどが挙げられる。ケトン類の使用量は、少ないと反応が遅く、多いと経済的ではないことから、アルデヒドのシアンヒドリン1モルに対して0.1〜5モルの範囲、通常は0.5〜2モルである。
本発明の一般式(2)で示されるα−アミノ酸アミド類の代表例としては、グリシンアミド、アラニンアミド、バリンアミド、ロイシンアミド、イソロイシンアミド、t-ロイシンアミド、セリンアミド、スレオニンアミド、システインアミド、シスチンアミド、メチオニンアミド、アリシンエチレンアセタールアミド、アスパラギンアミド、グルタミンアミド、フェニルグリシンアミド、フェニルアラニンアミド、チロシンアミド、トリプトファンアミドおよびヒスチジンアミドなどが挙げられる。
【0010】
本発明で用いられるアンモニア水のアンモニア濃度は、特に限定されないが、通常は市販の25〜28wt%アンモニア水が用いられる。アンモニア水の使用量は、原料のアルデヒドのシアンヒドリン1モルに対してアンモニア1〜10モルの範囲、好適には2〜5モルである。
【0011】
本発明の反応は触媒を用いなくとも進行するが、反応が遅いことから触媒を用いることが好ましい。触媒としては、有機あるいは無機の強塩基性物質であればよく、実用上、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、ならびに水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウムおよび水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウムなどの有機第四級アンモニウム化合物、および強塩基性イオン交換樹脂などが使用される。使用量は少ない方が経済的には有利であるが、少な過ぎると反応が遅いことから、原料のアルデヒドのシアンヒドリン1モルに対して0.001〜0.5モルの範囲、好適には0.01〜0.1モルである。
本発明の方法は溶媒を必要としないが、溶媒を使用することを除くものではない。
【0012】
反応温度は、高いと生成するα−アミノ酸アミドの過剰加水分解によりα−アミノ酸の生成が増大し、このため反応系へ加えられる強塩基性物質がα−アミノ酸の塩となって消費され好ましくないことから、反応温度は比較的低温とされ、0〜20℃が好適である。 反応時間は原料のケトン類またはアルデヒドのシアンヒドリン類の種類、触媒の種類および量、反応温度などにより異なるが、通常は1〜30時間である。
反応で生成したα−アミノ酸アミド含有液は、反応に使用した強塩基性物質を酸で中和後、反応で使用したケトンおよび過剰のアンモニアを減圧蒸発により除去した後、そのまま、あるいは抽出等により不純物を分離精製後、アミノ酸生成反応原料として使用することができる。
【0013】
【実施例】
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例により限定されるものではない。
実施例1
撹拌機および温度計を付した50ml三ツ口フラスコに、アセトン5.81g(0.100モル)およびラクトニトリル7.11g(0.100モル)を加え、5℃で撹拌下、水酸化ナトリウム0.08g(0.002モル)および28%アンモニア水18.2g(NH3 0.300モル)を添加し、そのまま5℃で10時間撹拌した。反応終了後、反応液組成を液体クロマトグラフィーで分析したところ、アラニンアミド8.02gが生成していた。
この結果は、仕込ラクトニトリルに対するアラニンアミドの収率91%である。
【0014】
実施例2
実施例1と同様な反応器に、メチルエチルケトン10.82g(0.150モル)およびイソブチルアルデヒドシアンヒドリン9.91g(0.100モル)を加え、5℃で撹拌下、水酸化カリウム0.17g(0.003モル)および28%アンモニア水30.4g(NH3 0.500モル)を添加し、そのまま15℃で5時間撹拌した。反応終了後、反応液組成を液体クロマトグラフィーで分析したところ、バリンアミド10.8gが生成していた。
この結果は、仕込イソブチルアルデヒドシアンヒドリンに対するバリンアミドの収率93%である。
【0015】
実施例3
実施例1と同様な反応器に、シクロヘキサノン4.91g(0.050モル)およびマンデロニトリル13.31g(0.100モル)を加え、15℃で撹拌下、10%水酸化テトラメチルアンモニウム/MeOH溶液4.56g(0.005モル)および28%アンモニア水18.2g(NH3 0.300モル)を添加し、そのまま15℃で20時間撹拌した。反応終了後、反応液組成を液体クロマトグラフィーで分析したところ、フェニルグリシンアミド12.8gが生成していた。
この結果は、仕込マンデロニトリルに対するフェニルグリシンアミドの収率85%である。
【0016】
実施例4〜10
原料のアルデヒドのシアンヒドリン類に各種シアンヒドリン類を使用した以外は、実施例1と同様にして反応を行った。結果を表1に示す。
【0017】
【0018】
比較例1
触媒を使用しないで、反応時間を20時間とした以外は、実施例1と同様にして反応を行った。反応終了後、反応液組成を液体クロマトグラフィーで分析したところ、アラニンアミド5.73gが生成していた。
この結果は、仕込アセトアルデヒドに対するアラニンアミドの収率65%である。
【0019】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、ケトン類の存在下、アルデヒドのシアンヒドリン類とアンモニア水からα−アミノ酸アミド類が、アミノニトリル合成工程を必要とすることなく簡略化された方法にて、容易に高収率で製造できる。
Claims (2)
- ケトン類ならびに有機もしくは無機の強塩基物質の存在下、一般式(1)で表されるアルデヒドのシアンヒドリン類とアンモニア水とを、0〜20℃で反応させて一般式(2)で表されるα−アミノ酸アミド類を得ることを特徴とする、α−アミノ酸アミド類の製造法。
(化1)
R1CH(CN)OH (1)
(R1 は水素原子、低級アルキル基、置換低級アルキル基、シクロヘキシル基、置換シクロヘキシル基、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル基、置換ベンジル基、複素環基および置換複素環基である)
(化2)
R1CH(NH2)CONH2 (2)
(R1は水素原子、低級アルキル基、置換低級アルキル基、シクロヘキシル基、置換シクロヘキシル基、フェニル基、置換フェニル基、ベンジル基、置換ベンジル基、複素環基および置換複素環基である) - 前記反応の時間が1〜30時間である、請求項1に記載の製造法。
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