JPS598267B2 - コウガクカツセイアルフア − アミノサンノ セイゾウホウホウ - Google Patents

コウガクカツセイアルフア − アミノサンノ セイゾウホウホウ

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JPS598267B2
JPS598267B2 JP3380975A JP3380975A JPS598267B2 JP S598267 B2 JPS598267 B2 JP S598267B2 JP 3380975 A JP3380975 A JP 3380975A JP 3380975 A JP3380975 A JP 3380975A JP S598267 B2 JPS598267 B2 JP S598267B2
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Description

【発明の詳細な説明】 J〕 発明の背景 本発明は光学活性のα−アミノ酸の製造方法に関するも
のである。
近年、不斉合成による光学活性α−アミノ酸の合成法が
いろいろ研究されている。
特に抗生物質の重要な製造用原料の一つであるD配位の
α−アミノ酸の有利な製造方法が要望されており、その
不斉収率を上げるべく種々の不斉合成による光学活性α
−アミノ酸合成がなされている。アルデヒドから不斉試
薬を用いてアミノニトリル体となし、それを加水分解し
、更に水素化分解することによりα−アミノ酸を合成す
る方法が、例えばM.S.Patel,.M.WOr$
1ey,.Can.J.Chem.、先旦 1881(
1970) J.C.Fiand,.A.HOreau
,.Tetrahedr′0n.Lett.、1972
.2565K.Harada,.T.0kawara,
.J.・0rg.Chem.、1旦 707(1973
)K.Harada.T.Okawal′A,.K.M
atsumOtO.、BullChem.SOc.Ja
IlBn,.Ul7l(1973)に記載されている。
これら公知の方法では、下式に示すように不斉試薬に活
性アミン類を使用しシアン化水素を用いてアミノニトリ
ル体を生成後、加水分解してからアミノ基を古い不斉中
心から新たな不斉中心へ移すため、不斉試薬のアミンの
ベンジル炭素の活性を利用して、加水素化分解のような
還元的方法によりC−N結合を切断している。フエネチ
ルアミン(〈○〉−CH−CH3)、α−(1−ナフチ
ル)一エチルアミン(し○↓○] )またはフ
エニルグリシン(〈○〉←CH−COOH)のようにア
ミノ基がベンジル炭素に置換しているものでなければな
らない。
一方フエニルグリシンのようにアミノ基がベンジル炭素
に置換している光学活性α−アミノ酸の合成を5目的と
して、ベンズアルデヒドを原料として公知の還元方法を
遂行しようと思うと、上式の5の部分のC−N結合の選
択的切断が起らず、式の4の部分も切断されてしまい、
目的とするフエニルグリシンのようなアミノ基がベンジ
ル炭素に置換している光学活性α−アミノ酸は得られな
い。
更に、これら公知の方法の光学活性α−アミノ酸の生成
収率及び不斉収率は未だ満足すべきもの本発明の概要上
記公知方法の欠点を補い、生成収率及び不斉収率を向上
させるべく、鋭意研究を重ねた結果、近年安価にかつ大
量に入手可能となつた光学活性α−アミノ酸エステルを
不斉試薬に用い、その脱炭酸を利用することによりC−
N結合を選択的に切断することを見出し本発明に到達し
た。
即ち、本発明はアルデヒドと光学活性α−アミノ酸エス
テルと青酸又は青酸塩とを反応させ、下記一般式で示さ
れるN一置換α−アミノ酸エステル(所謂アミノニトリ
ル体)となし、(式中R3、R1及びR2は置換もしく
は非置換アルキル又はアリール基を表わす。
以下の式についても同じ。)更に、これを加水分解して
エステル基をカルボキシル基に変換して、下記一般式で
示されるニトリル置換α−アミノ酸あるいはアミ ド置換α アミノ酸となし となし、次にこれを脱炭酸することにより、一アミノ酸
のC−N結合部分を選択的に切跨下記一般式で示される
α−アミノニトリルあるいはα−アミノ酸アミド となし、 更にこれを加水分解することを特イ ′ ノ る光学活性α−アミノ酸の製造方法である。
本発明の方法は、所謂アミノニトリル体と称されるN一
置換α−アミノ酸エステルを生成させ、これを加水分解
して、不斉試薬として用いた光学活性α−アミノ酸エス
テルのエステル基をカルボキシル基に変換し、遊離とな
つたカルボキシル基の脱炭酸を利用して該α−アミノ酸
のC−N結合を選択的に切断することにより、アミノ基
を古い不斉中心から新しい不斉中心へ移行しているので
、アミノ基がベンジル炭素に置換している光学活性α−
アミノ酸の合成も可能である。更に、入手容易なL一配
位のα−アミノ酸エステルを不斉試薬として用いると意
外にも収率良く、D一配位のα−アミノ酸が得られるこ
とがわかつた。
勿論D一配位のα−アミノ酸エステルを不斉試薬として
用いるとL一配位のα−アミノ酸が得られる。従つて本
発明は、抗生物質として有効なアンピンリン、セフアロ
グリシンあるいはセフアレキシン等の製造用原料として
重要なD配位のフエニルグリシンを効率良く合成する方
法としても画期的なものであるといわねばならない。
また、不斉試薬としての光学活性α−アミノ酸エステル
としては種々のものが使用できるので、工業的にも非常
に価値あるものである。皿発明の具体的説明 本発明の反応は次式のように進行するものと考えられる
(式中R3、R1およびR2は置換もしくは非置換アル
キル基又はアリール基を表わす。
)〔1〕 N一置換−α−アミノ酸エステル(所謂アミ
ノニトリル体()の製造本工程ではアルデヒドとα−ア
ミノ酸エステルと青酸もしくは青酸塩とから、一般式(
)で表わされるN一置換−α−アミノ酸エステルを製造
することを目的とする。
本発明で使用される前記の一般式(1)で表わされるア
ルデヒドは特に限定するものでなく、目的とする光学活
性α−アミノ酸に対応する種種のアルデヒド類を用いる
事ができる。
又これらのアルデヒドは、反応に関与しない置換基があ
つても差支えない。従つて、一般式(1)で示されるア
ルデヒドのR1としてはアルキル基、例えばメチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ
ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシ
ル等、アリール基としてはフエニル、トルイル、キシリ
ル、ナフチル基等であり、置換アルキル基及び置換アリ
ール基とは上述のアルキル基及びアリール基にハイドロ
キシ基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基
、アシルアミノ基、ニトロ基、アリール基あるいはこれ
らの基が置換したアリール基等が置換したものであり、
例えばアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチ
ルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、イソバレルアル
デヒド、メチルメルカプトプロピオンアルデヒド、ベン
ズアルデヒド、ベンジルアルデヒド、p−ハイドロキシ
ベンジルアルデヒド、ナフチルアルデヒド、サリチルア
ルデヒド、アニスアルデヒド等が挙げられる。本発明に
於ては、不斉試薬として用いられる光学活性α−アミノ
酸エステルを使用することが極めて重要であり、以後の
脱炭酸によるC−N結合の選択的切断工程を行なうため
に必須不可欠である。
従つて、本発明で使用される光学活性α−アミノ酸エス
テル()は、L一配位、D一配位の何れのアミノ酸も使
用出来るが、アミノニトリル体()を合成し易いもの、
又脱炭酸工程で容易に脱炭酸が行なわれ、その結果光学
活性α−アミノ酸のC−N結合が選択的に容易に切断さ
れる為に、加水分解工程でエステル基を容易にカルボキ
シル基に変換できるものが好ましい。即ち、本発明で使
用される光学活性α−アミノ酸エステルのα−アミノ酸
としては、α−アミノ酸エステルになつた場合、アルデ
ヒドと青酸あるいは青酸塩と反応してアミノニトリル体
を作り得るものであればよい。
従つて反応に関与しない官能基を持つものであつても差
支えない。従つて、一般式()で示される光学活性α−
アミノ酸エステルのR2としては、アルキル基、例えば
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブ
チル、イソブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシ
ル、ドデシル等、アリール基としてはフエニル、トルイ
ル、キシリル、ナフチル基等であり、置換アルキル基及
び置換アリール基とは上述のアルキル基及びアリール基
にハイドロキシ基、メルカプト基、アルコキシ基、アル
キルチオ基、アシルアミノ基、ニトロ基、アリール基あ
るいはこれらの基が置換したアリール基等が置換したも
のであり、例えばアラニン、セリン、システイン、アミ
ノ酪酸、バリン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン
、F−ロイシン、フエニルアラニン、チロシン等の中性
アミノ酸、あるいはアスパラギン酸、グルタミン酸等の
酸性アミノ酸、あるX,杜リジン、アルギニン等の塩基
性アミノ酸が挙げられる。
このうち塩基性アミノ酸はα−アミノ酸エステルになつ
た場合、アルデヒドと青酸あるいは青酸塩と反応してア
ミノニトリル体をつくり得る程度の塩基性を示すα−ア
ミノ酸であれば何れも使用出来、先述のリジン、オルニ
チン等を用いる時はw位のアミノ基をベンゾイル等で保
護しておけばよい。
特に好ましいα−アミノ酸は、アラニン、セリン、シス
テイン、アミノ酪酸、バリン、メチオニン、ロイシン、
イソロイシン、V−ロイシン、フエニルアラニン等であ
る。本発明で使用される光学活性α−アミノ酸エステル
のエステル基は、加水分解で容易にカルボキシル基に変
換できるもの、即ち、加水分解の工稼1)でニトリルが
全くそのままであるか加水分解されてもカルボン酸迄行
かず、アミドで止まる程度の加水分解で容易にカルボキ
シル基に変換できるようなエステル基であることが好ま
しい。
一般式()で示される光学活性α−アミノ酸エステルの
R3としては例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、T
ert−ブチル基、シクロヘキシル基等のアルキルエス
テル基が挙げられるが、特に第二級、第三級アルコール
のエステルが好ましく、例えばTert−ブチルエステ
ルは加水分解によるカルボキシル基への変換が容易であ
るので、ニトリルが加水分解によリアミドになることは
あるが、更にカルボン酸へまで分解される必配がなく、
最も好ましいものである。
以上の種々の条件を満足した光学活性α−アミノ酸エス
テルとしては、バリン−Tert−ブチルエステル、バ
リンイソプロピルエステル、W−ロイシン−Tert−
ブチルエステル、W−ロイシンシクロヘキシルエステル
、ロイシンTert−ブチルエステル、フエニルアラニ
ン一Tert−ブチルエステル、フエニルアラニンイソ
ブチルエステル、グルタミン酸一ジ一Tertブチルエ
ステル、アスパラギン酸−ジ一Tert−ブチルエステ
ル、チロシン−Tert−ブチルエステル、イソロイシ
ン−Tert−ブチルエステル、アラニン−Tert−
ブチルエステル、セリン−Tert−ブチルエステル、
システイン一Tert−ブチルエステル、メチオニン−
Tertーブチルエステル等がある。
これらの光学活性α−アミノ酸エステルのL一配位のも
のを不斉試薬として用いると有効な光学活性−D配位一
α−アミノ酸が得られるが、特にL−バリン−Tert
−ブチルエステル及びL−W−ロイシン−Tert−ブ
チルエステルを用いた場合に、際立つて高いD配位一α
−アミノ酸の光学収率が得られることがわかつた。また
、アルデヒド(1)のR1と不斉試薬の光学活性α−ア
ミノ酸エステル()のR2が同じものを使用すれば、副
生の化合物()はアルデヒド(1)として再使用出来、
効率良く、光学活性α−アミノ酸を合成することが出来
る。
本発明で使用される青酸塩としてはシアン化カリウム、
シアン化ナrリウムまたはシアン化銅等が挙げられる。
アミノニトリル体()の製造方法としては、通常(,A
)アルデヒドとα−アミノ酸エステルと液体青酸もしく
は青酸塩の三者を同時に反応させる方法、(B)まずア
ルデヒドとα−アミノ酸エステルからシツフ塩基を合成
し、これに青酸もしくは青酸塩を付加する方法、あるい
は(0アルデヒドと青酸もしくは青酸塩からシアンヒド
リンをつくり、これにα−アミノ酸エステルを反応させ
る方法等があるが、本発明ではこれら通常の方法いずれ
もとりうる。
また、その反応条件も通常のアミノニトリル体の製造に
おける一般的条件を適用すればよい。即Aの場合は反応
温度をO〜50℃に冷却して行う。
(8)の場合はアルデヒドとα−アミノ酸エステルの混
合物を、モレキユラーシーブス3Aあるいは、無水硫酸
マグネシウム等通常用いられる脱水剤の存在下でO〜1
50℃、好ま 二しくは10〜30゜Cに保つて反応を
行い、更に得られたシツプ塩基と液体青酸もしくは青酸
塩を−78〜0℃で反応させアミノニトリル体()を合
成する。また(C)の場合はO〜120℃の反応温度で
シアンヒドリンを得、同温度で更にシアンヒドリンとα
−アミノ酸エステルとからアミノニトリル体を合成する
。この反応は通常水溶液あるいは有機溶媒あるいはそれ
らの混合溶媒を用いて行う。
本反応で使用される有機溶媒としては、極性 5プロト
ン溶媒であるアルコール類(例えばメタノール、エタノ
ール、イソプロパノール等)、極性非プロトン溶媒であ
るニトリル類(例えばアセトニトリル)、エーテル類(
例えばジエチルエーテル、ジグリコールジメチルエーテ
ル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン)、アミド
類(例えばジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホ
ルアミド)、ニトロ化合物類(例えばニトロメタン、ニ
トロベンゼン)、非極性溶媒である炭化水素類(例えば
n−ヘキサン)、ハロゲン化炭化水素類(例えばクロロ
ホルム、メチレンクロリド、四塩化炭素等)が使用でき
る。
本発明者等が検討したところ、これらを溶媒とした場合
、光学活性α−アミノ酸の反応収率には殆んど差異がな
いがn−ヘキサンを用いた場合に最も高い不斉収率が得
られた。
又、生成したアミノニトリル体()はそのまま次の加水
分解工程及び脱炭酸によるC−N結合切断工程に供して
も良いが、ここで光学分割しておけば光学純度を著しく
向上することができる。
ね 加水分解(1) この工程では不斉試薬として用いた光学活性α−アミノ
酸エステルに起因する、N−置換α−アミノ酸エステル
()のエステル基を加水分解によりカルボキシル基に変
換して、前記一般式()あるいは()で表わされる、ニ
トリル置換α−アミノ酸あるいはアミド置換α−アミノ
酸を製造することを目的とする。
この際、N一置換の部分の存在するニトリル基又はアミ
ド基までも加水分解をうけてカルボキシル基へ変換して
しまうと、次工程の脱炭酸によるC一N結合の切断が選
択的に行われず、本発明の目的を達成することは出来な
い。従つて、本工程の加水分解はエステル基をカルボン
酸に変換するがニトリル基又はアミド基はカルボキシル
基に迄変換せず、そのままか或はニトリル基の場合はア
ミド基で停止する程度のものでなければならない。本加
水分解工程で使用される酸としては、塩酸、硫酸、臭素
酸等の無機酸あるいはトリフルオロ酢酸、臭化水素一酢
酸等の有機酸を用いることができるが、後処理等を考慮
すると、塩酸を使用するのが便利である。
又、本加水分解を円滑に進行させる為には溶媒を使用す
ることが好ましく、溶媒としてはN一置換α−アミノ酸
エステル()を溶解し、かつ水と混和可能なものでなけ
ればならない。使用される溶媒は、環状エーテル類、例
えばジオキサン、テトラヒドロフラン;ハロゲン化酢酸
類、例えばトリフルオロ酢酸、酢酸と臭化水素酸との混
合物:ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、例
えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル等であり
、特にジオキサンを溶媒とし酸として塩酸を使用した場
合は、後処理で塩酸をジオキサンと共に容易に留去する
ことができるので好ましい。使用する酸と溶媒との割合
は、例えば濃塩酸とジオキサンの場合、容積比(濃塩酸
/ジオキサン)として2.0−0.2、特に1.5〜0
.5が好ましい。
反応圧、温度は特に限定するものでなく、常圧、室温で
反応を行えば容易にニトリルまたはアミド置換α−アミ
ノ酸(または)の酸塩が得られる。
以上、N一置換α−アミノ酸(α−アミノニトリル体)
()の第二級、第三級アルコールのエステル基を酸で加
水分解するのが最も便利であるが、場合によりアルカリ
で加水分解してもよい。
(3)脱炭酸によるC−N結合の切断 本発明の最も重要な工程であり、理論的には前工程で得
られたニトリル置換α−アミノ酸あるいはアミド置換α
−アミノ酸の遊離のカルボキシル基の脱炭酸により、不
斉試薬として使用した光学活性α−アミノ酸のC−N結
合を選択的に切断し光学活性α−アミノニトリル()あ
るいは光学活性α−アミノ酸アミド()を製造すること
を目的とするものである。
脱炭酸の方法としては、酸化的脱炭酸と加熱による脱炭
酸があるが、ここでは前者の実用的な酸化的脱炭酸を詳
しく説明する。本工程で使用される酸化剤は、通常のア
ミノ酸の酸化的脱炭酸に使用できるものであれば全て使
用できる。
その具体的な酸化剤を例示すると、例えば次亜塩素酸ナ
トリウム、次亜塩素酸Tert−ブチル、次亜塩素酸メ
チル、次亜塩素酸エチル、コハク酸イミドクロリド、コ
,、ク酸イミドプロミド、コハク酸イミドヨード、ヨー
ド一四酢酸鉛、臭素一酸化銀、臭素一酸化水銀、塩化リ
チウム一四酢酸鉛、四酢酸鉛、二酸化マンガン、過マン
ガン酸カリ、クロラミンT等が挙げられる。これらのう
ち特にPH7〜9で、ハロゲンの付加を利用して酸化的
に脱炭酸を行うのが有利である。即ち、アルカリ物質の
存在下、ハロゲン含有酸化剤を反応させると容易に酸化
的脱炭酸が起り、反応は円滑に進行する。使用されるア
ルカリ物質は、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等である。市販の次亜塩素酸ナトリウムを使用する場
合は、アルカリ溶液となつているので改めてアルカリ物
質を加える必要はない。上記酸化剤の使用量はニトリル
置換α−アミノ酸()あるいはアミド置換α−アミノ酸
(V)に対してやや過剰が好ましい。
即ち、酸化剤/ニトリル置換α−アミノ酸()あるいは
アミド置換α−アミノ酸()は1〜1.5当量、特に1
〜1.3当量が好ましい。上記アルカリ物質の使用量は
、アルカリ物質/ニトリル置換α−アミノ酸()あるい
はアミド置換αアミノ酸()として1〜5当量、特に2
.0〜3.0当量が好ましい。
本反応は、光により酸化剤が分解されるので遮光して、
低温で行つた方が良い。
反応温度は−10〜30℃、特にO〜15℃が好ましい
反応終了後は過剰な酸化剤を適当な試薬で分解してから
有機溶媒による抽出法で光学活性αアミノニトリル()
あるいは光学活性α−アミノ酸アミド()を分離し次の
工程に供する。
聾 加水分解(2) 前工程で得られたα−アミノニトリル()あるいはα−
アミノ酸アミド()を加水分解し、目的の光学活性α−
アミノ酸とするものであり、その加水分解方法はニトリ
ルあるいはアミドからカルボン酸を得る通常の方法を行
えばよく、反応条件も一般的な条件を適用すれば良い。
即ち、ニトリルあるいはアミドのカルボン酸への加水分
解は、酸または塩基の存在下で水中、またはアルコール
性媒質中で、還流して行う。
酸としては、例えば塩酸、臭化水素のようなハロゲン化
水素酸、または例えば硫酸または硝酸のような酸素酸を
使用する。塩基としては、水酸化ナトリウムまたは水酸
化カリウムのようなアルカリ水酸化物を使用する。(V
実施例 以下に実施例を掲げて、本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれらの実施例になんら制約されるものではな
い。
〔不斉試薬の調製〕
L−バリン、ロイシン、フエニルアラニンの谷Tert
−ブチルエステルR.W.ROeske,.Chemi
stry&Industryll959ll2lに記載
の如くジオキサン中、硫酸を触媒として各アミノ酸をイ
ソブチレンと反応させることにより容易に製造されるも
のである。
以下に沸点を記す。L−W−ロイシン−Tert−ブチ
ルエステルF.KnOOpandG.Land.man
n,.Z.Physical.Chem.、89157
(1914)に従い、ピナコロンを出発原料とし、過マ
ンガン酸カリウムで酸化してβ一トリメチルピルピン酸
とし、更にヒドロキシルアミンでオキシム体とした後、
50%酢酸中亜鉛末で還元することにより得られるDL
−W−ロイシン(収率50〜55%)をH.Prace
jusandS.Winter.Ber.、97317
3(1964)に記載されている方法で分割し、常法に
よりイソブチレンと反応させることにより製造される。
(ハ)−ジベンゾイル酒石酸一水和物による光学分割で
得られるL−W−ロイシンは〔α〕−6.94で(C3
.l9、水)であるので、その光学純度は68.0%で
ある。〔ジアゾ化水素の調製〕 0rg.Sym.、COll.VOll3される。
〔ハロゲン化剤の調製〕
次亜塩素酸−Tret−ブチル 0rg.Sym.、COll.VOl4ll4に従い製
造 25に従い製造 した。
コハク酸イミドクロリド、コハク酸イミドプロミド、次
亜塩素酸ナトリウム溶液市販のものを使用する。
太施例 1 不斉試薬にL−バリン−Tert−ブチルエステルを用
いる光学活性フエニルグリシンの製造1〕 α−アミノ
ニトリル体()の製造(1)シツフ塩基を中間体とする
製造方法(イ)シツフ塩基の製造 ベンズアルデヒド5.307(0.05モル)とL−バ
リン−Tert−ブチルエステル8.65y(0.05
モル)をモレキユラーシーブス3A137を含むメタノ
ール80m1に溶解し、室温にて一夜放置する。
濾過後、濾液及び洗液を減圧濃縮するとMp64〜66
℃のシツフ塩基12.9V(収率99%)が得られる。
(ロ) α−アミノニトリル体()の製造シツフ塩基1
0.57(0.04モル)をn一ヘキサン300meに
溶解し、−23℃にて撹拌下液体シアン化水素9.50
m1(0.241モル)を加え、密栓して5時間攪拌す
る。
過剰のシアン化水素及びn−ヘキサンを減圧留去すると
(NaOHのトラツプ使用)Mp57〜59℃のα−ア
ミノニトリル11.87(収率102%)が得られる。
(2)アルデヒド、青酸及びα−アミノ酸を同時に反応
させる製造方法ベンツアルデヒド5,3t,.L−バリ
ン−Tert−ブチルエステル8.65t1液体青酸9
.50d又はシアン化ソーダ4.9yを酢酸液中−10
−0℃で数時間反応を行い低温(40〜50℃)、減圧
下酢酸を留去し、水を加えてエーテルで抽出を行うとα
−アミノニトリル体が得られる。
リ アミド置換アミノ酸・塩酸塩(V)の製造再結晶後
のα−アミノニトリル(Nmr上、単一異性体)5.7
7V(0.02モル)をジオキサン601111に溶か
し、濃塩酸60m1を加え室温にて一夜攪拌する。
塩酸及びジオキサンを減圧留去後、エーテル200m1
及び水100m1を加えエーテル可溶物を除く。水層を
減圧濃縮するとM.p.l84〜187℃のアミド置換
アミノ酸・塩酸塩5.567(収率97%)が得られる
。〔Jフエニルグリシン()の製造(a)次亜塩素酸T
ert−ブチルを使用した場合(2)で得られたアミド
置換アミノ酸・塩酸塩8601n9(0.003モル)
を炭酸水素ナトリウム630〜(0.0075モル)と
共に水40m1に溶かし、アルミ箔にて遮光後、水冷攪
拌下次亜塩素酸Tert−ブチル391TI19(0.
0036モル)を加え、そのまま7時間攪拌する。
チオ硫酸ナトリウムにて過剰のハロゲン化剤を殺し、P
Hを7にした後、反応液を減圧濃縮し、5%塩酸20m
1を加えエーテル80m1にて抽出する。次に水層をア
ルカリ性とし酢酸エチル100m1にて2回抽出する。
飽和食塩水で洗つた後、酢酸エチルを減圧濃縮して得ら
れるフエニルグリシンアミドを含む淡黄色固体を5N−
HCl25ml中で4時間還流する。反応液を減圧濃縮
して得られるフエニルグリシン塩酸塩を水溶液となし
CIR−120(25m1)のカラムに注ぎ、樹脂に吸
着させ水洗後3%安水にて流出し、流出液を減圧濃縮す
るとMp25l〜253℃(昇華)のフエニルグリシン
262Tf19(収率57.6% 全反応収率39.0
%)が得られる。JIR..NMR共に標準品に一致す
る。〔α〕25−146.3品(CO.8l3、2N一
D ゛ ゜1塩酸) 光学純度95.3% 配位D (b) コハクサンイミドクロリドを使用した場合 J
次亜塩素酸Tert−ブチルの代りにコハク酸イミドク
ロリド480ηを用いた以外は(a)と同様に操作して
Mp25l〜253℃(昇華)のD−フエニルグリシン
216ワ(収率*47,5% 全反応収率32.2%)
を得た。
〔α〕25−145.43(CO.8O4、2N一D
゛ ゝ塩酸) 光学純度94.7% (c) コハクサンィミドプロミドを使用した場合次亜
塩素酸Tert−ブチルの代りにコハク酸イミドプロミ
ド641TT19を用いた以外項a)と同様に操作した
Mp25l〜253℃(昇華)のD−フエニルグリシン
124m9(収率27.3% 全反応収率18,5%)
が得られる。
〔α〕25−144.6ら(CO.79l、2N一D゜
゜ゝ塩酸) 光学純度94.2% (4次亜塩素酸ナトリウム溶液を使用した場合次亜塩素
酸Tert−ブチルと炭酸水素ナトリウムの代りに次亜
塩素酸ナトリウム溶液4.26y(6%の活性塩素を含
む)を用いた以外は(a)と同様に操作した。
Mp25l〜253℃(昇華)のD−フエニルグリシン
130η(収率28.6% 全反応収率19.4%)が
得られる。
〔α〕25−143.8ら(CO.8lOl2ND゜゜
ゝ塩酸) 光学純度93.7% (施例 2〜5 バリン、L−ロイシン、フエニルアラニン、vロイシン
の各Tert−ブチルエステルを不斉試?に用い、又シ
アン化水素付加の際メタノールを史用した以外は実施例
1と同様の方法で酸化的脱(酸反応には次亜塩素酸Te
rt−ブチルを使用しCD−フエニルグリシンを製造し
た。
結果は表1に示した。
表1から明らかなように、いずれのL−α−アミノ酸を
不斉試薬に用いてもD配位のフエニルグリシンが得られ
るが、バリン、W−ロイシンを用いると際立つて高い光
学収率が得られる。
特に後者の場合、実際に使用したのは光学純度68%の
ものであるが、光学純度100%のものを使用すれば光
学収率95%でD配位のフエニルグリシンが得られるこ
とになる。実施例 6〜11 L−バリン不斉試薬に用いシアン化水素付加の貨階で、
各種溶媒を使用した以外は実施例1と同采のシツフ塩基
を中間体とする方法で、酸化的脱延酸反応に次亜塩素酸
Tert−ブチルを使用してe施した。
結果を表2に記す。
表27))ら、極性プロトン溶媒、極性非プロトン溶媒
、非極性溶媒、いずれを用いても得られるフエニルグリ
シンの配位はDであるが、非極性溶媒を用いる場合に高
い光学収率が得られる。
n−ヘキサン中でシアン化水素を付加することにより、
最も高い光学収率が得られている。実施例 12 フエニルアラニンの製造 〔1〕 アミノニトリル体()の製造(シツフ塩基を中
間体とする方法)(イ) シツフ塩基の製造 フエニルアセトアルデヒド2.407(0、02モル)
とL−バリン−Tert−ブチルエステル3.40r(
0.02モル)をモリキユラーシーブス3A5.0yを
含むメタノール45m1に溶解し、窒素気流下室温にて
一夜放置する。
濾過後、濾液及び洗液を減圧濃縮するとシツフ塩基5.
517(収率100%)が黄色油状物として得られる。
(ロ) α−アミノニトリル体()の製造(a)メタノ
ールを溶媒とする場合 シツフ塩基2.207(0.008モル)をメタノール
60m1に溶解し、−23℃にて攪拌下液体シアン化水
素5.0m1(0.127モル)を加え密栓して4時間
、更に5℃にて一夜攪拌する。
過剰のシアン化水素及びメタノールを減圧留去すると(
NaOHのトラツプ使用)、α−アミノニトリル体 2.54t(収率105%)が黄色油状物として得られ
る。
(b) n−ヘキサンを溶媒とする場合 シツフ塩基2.207(0.008モル)をn−ヘキサ
ン75m1に溶解し、(a)と同様にしてシアン化水素
と反応させることにより、α−アミノニトリル体2.5
6t(収率106%)を黄色油状物として得る。
Ir,Nmrは(a)で得られるα−アミノニトリル体
に一致する。(2)アミド置換アミノ酸・塩酸塩(V)
の製造(a)(1)一(ロ)一(a)で得られるα−ア
ミノニトリル体2.117(0.007モル)をジオキ
サン20m1に溶かし、濃塩酸20TLIを加え室温に
て一夜攪拌する。
塩酸及びジオキサンを減圧留去後、エーテル80m1及
び水40m1を加えエーテル可溶物を除く。水層を減圧
濃縮するとMplO8〜113℃(分解)のN一置換ア
ミノ酸・塩酸塩1.54t(収率73.1%)が得られ
る。(b)〔0−(口)−(b)からも同様にしてMp
llO〜113゜C(分解)のN一置換アミノ酸・塩酸
塩1.477(収率69.8%)が得られる。
それぞれ35.5%或いは48.7%の光学収率が算出
された。〔(1)フエニルアラニン()の製造 (a)〔匂一(a)で得られたN一置換アミノ酸・塩酸
塩1.207(0.004モル)を炭酸水素ナトリウム
8401T19(0.01モル)と共に水50m1に溶
かし、アルミ箔にて遮光後水冷攪拌下次亜塩素酸−Te
rt−ブチル521Tf19(0.0048モル)を加
え、そのまま7時間攪拌する。
チオ硫酸ナトリウムにて過剰のハロゲン化剤を殺し、P
Hを7にした後反応液を減圧濃縮する。得られる残渣に
5%塩酸20m1を加え、ジエチルエーテル100m1
にてエーテル可溶物を除く。
次に水層をアルカリ性とし酢酸エチル100m1にて2
回抽出する。飽和食塩水洗後、酢酸エチルを減圧濃縮し
て得られるフエニルアラニンアミドを含む淡黄色固体を
5N一塩酸25m1中で4時間還流する。反応液を減圧
濃縮して得られるフエニルアラニン塩酸塩を水溶液とな
し、IR−120(30m1)のカラムに注ぎ、樹脂に
吸着させ水洗後3%安水にて流出し、流出液を減圧濃縮
するとフエニルアラニン237〜(収率35.9% 全
反応収率27.6%)が得られる。
Ir.nmr共に標準品に一致する。〔α〕25+12
.8共(CO.75l、水)D ゛
゜ ゝ光学収率37.6% 配位D (b)〔匂−(b)からも同様にしてフエニルアラニン
226即(収率34.2% 全反応収率25.3%)が
得られる。
〔α〕25+17.52(CO.773、水)D゜゜ゝ
光学収率51.5% 配位D 以上に説明したように、近年安価にかつ大量に入手可能
となつた光学活性α−アミノ酸のTertブチルエステ
ルとアルデヒドから容易に得られるシツフ塩基にシアン
化水素を付加してα−アミノニトリル体とし加水分解後
、脱炭酸によりC一N結合を位置選択的に切断して新た
な光学活性αアミノ酸を製造する本発明によれば、公知
の方法では困難なフエニルグリシンも効率よく製造でき
、しかも抗生物質の構成要素の1つであるD配位のα−
アミノ酸が製造され、更にL−バリン−Tert−ブチ
ルエステルを用いる場合には、不斉誘起、再結晶による
光学分割を組み合わせることにより高収率で100%に
近い光学純度のD−フエニルグリシンを製造することが
できるところから、本発明は工業的にみても非常に価値
あるものといわねばならない。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルデヒドと光学活性α−アミノ酸エステルと青酸
    又は青酸塩とを反応させ、下記一般式で示されるN−置
    換α−アミノ酸エステルとなし、▲数式、化学式、表等
    があります▼(式中R^1、R^2及びR^3は置換も
    しくは非置換アルキル又はアリール基を表わす。 以下の式についても同じ。)これを加水分解してエステ
    ル基をカルボキシル基に変換して、下記一般式で示され
    るニトリル置換α−アミノ酸▲数式、化学式、表等があ
    ります▼ あるいはアミド置換α−アミノ酸となし、▲数式、化学
    式、表等があります▼ 次にこれを脱炭酸することにより該α−アミノ酸のC−
    N結合部分を選択的に切断して、下記一般式で示される
    α−アミノニトリル▲数式、化学式、表等があります▼ あるいはα−アミノ酸アミド ▲数式、化学式、表等があります▼ となし、更にこれを加水分解することを特徴とする光学
    活性α−アミノ酸の製造方法。
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