JP4395855B2 - クロムを含むフェライト酸化物分散強化組織を有する合金の製造方法 - Google Patents

クロムを含むフェライト酸化物分散強化組織を有する合金の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロムを含み、また酸化物が分散されて強化されたいわゆる酸化物分散強化(「ODS」と記す)合金である改善されたフェライトまたはマルテンサイト合金を製造する方法に係わり、特に高温および(または)中性子放射下でのこの合金の使用と両立する強度を十分に保証する等方性のミクロ組織および粒径を有した単相のフェライトまたはマルテンサイトのマトリックスを有する鉄およびクロムを基材にした大きな結晶粒のフェライトまたはマルテンサイトの酸化物分散強化合金の製造方法に関する。
【0002】
酸化物分散強化合金は体心立方晶組織を有する金属マトリックスで作られている。この組織は、中間温度および高温度において優れた機械的および化学的性質を与えるY23 、TiO2 などの種類の酸化物で強化される。
【0003】
これらの合金の酸化に対する抵抗性は、特にクロムの存在による。この抵抗性は、クロムの濃度が合金中で8重量%より高いときにのみ有効である。しかしながら、この濃度が12重量%より高いと、合金は脆性になる。
【0004】
さらに、それらの結晶組織によってこれらの合金は中性子照射下での膨張即ちスエリング(swelling)およびクリープに対する良好な抵抗力を有している。
【0005】
これらの合金は、例えば原子力発電所の炉心即ちコアー内部材の構造材料として使用することができる。何故なら、それらの部材は例えば400〜700゜Cの高温で大きな機械的強度を有していなければならず、中性子放射に対する抵抗力を有していなければならず、ナトリウム環境中での使用と両立しなければならず、また酸化に対する抵抗性を有していなければならないからである。
【0006】
一般的に、これらの合金は、火力発電所の部材や、ガラス工業、ガス工業または航空工業などに使用される部材のように、大きな機械的および熱的応力を受ける部材の製造にも有用である。
【0007】
【従来の技術】
クロムを含む多くの種類の酸化物分散強化合金が従来技術において既に開発されている。それらは13〜20重量%のCr濃度を有し、またさまざまな含有量でMo、W、AlおよびTiを有し、また少量の、一般に0.02重量%(200ppm)未満のCを有する。この種の合金では、どのような処理温度においてもマトリックスは全体的にフェライトである。
【0008】
それ故に、米国特許第4075010号は、Fe−14 Cr−1 Ti−0.3 Mo−0.25Y23 の組成を有する合金を記載している。
【0009】
この合金は、その合金の形成即ちフォーミング(forming)の軸線に平行な方向における強度と延性との間に非常に良好な妥協を示している。しかしながら、それを作る結晶粒は形成即ちフォーミングの方向に細長く、このことはその機械的性質に大きな異方性をもたらす。この異方性は形成方向即ちフォーミング方向に対して直角な方向に沿う機械的強度をあまりに小さくしてしまう。このような合金はそれ故に例えば原子炉用のクラッドチューブ即ち燃料被覆管を作るのに使用されない。何故なら、反応路におけるそれらのチューブの機械的応力の主方向は半径方向だからである。さらにクロムを高レベルで含んでおり、このクロム元素の富化された相が析出することで中性子放射のもとで脆性化が生じることになる。
【0010】
この種類の合金は一般に、元素または予備合金化された粉末からはじめて、構成要素を機械的に合金化することで製造される。この形式の合金では、機械的合金化は酸化物の微細で均質な分散を金属マトリックスに導入する方法であり、これが非常に高温での強度を合金に与える。このように準備される粉末は高温および高圧で成形(compacted)され、延伸(drawn)される。
【0011】
しかしながらこの製造方法は、平均粒径が一般に小さすぎる、すなわち1μm未満であり、またマトリックスの初期化学組成がフェライト組織を有することを示しているときは、異方性のミクロ組織を有する。このような状態のもとでは、粒径が過小であることは、特に500゜Cを超える高温において合金の機械的強度の低下を生じる。さらに、この粒径の異方性は合金の機械的性質に異方性をもたらす。
【0012】
特に、12%を超えるクロムを含有する例においては、この初期フェライト組織は免れ得ない。
【0013】
これらの異方性の問題を回避するために、当業者はCrの富化されていないマルテンサイト材料の使用に向けられたが、この場合には、平均粒径の制御は不可能であることが立証された。実際に、この形式の材料では、1250゜Cと高い温度での通常の熱処理の後に、粒径の変化は見られなかった。
【0014】
英国特許出願GB−A−2219004は、Cr濃度が8〜12重量%で、(Mo+W)濃度およびC濃度がそれぞれ0.1〜4重量%、0.05〜0.25重量%である焼戻しマルテンサイトマトリックスを有する酸化物分散強化合金を記載している。さらに、記載された合金は、Y23 およびTiO2 の酸化物粒子を0.1〜1重量%の濃度で分散させて強化されている。明細書に記載されているその出願の例には、10重量%を超えるCr濃度および2〜4重量%の範囲のMoおよびWの濃度が含まれている。記載された合金の準備方法は、アトリションミルすなわちアトリター(attritor)での合金の機械的合金化、真空中での合金成形、および900〜1200゜Cの範囲の温度での延伸(drawing)を含んで成る。この方法に続いて、950〜1200゜Cの範囲の温度での焼ならし(normalization)処理および750〜820゜Cの範囲の温度での焼戻しが行われる。
【0015】
しかしながら記載されている方法は、合金の粒径を制御できるようになされていない。
【0016】
それ故に従来技術の方法はいずれも、以下の欠点を1つ以上有しているのである。すなわち、
− 形成された合金の等方性ミクロ組織が得られないこと、
− 合金の粒径を特定化したり、制御することができないこと、
− 過小のままとされる粒径を生じること。
【0017】
この結果、従来技術はいずれも以下の欠点を1つ以上有する。すなわち、
− ミクロ組織が異方性であることによって高温での機械的強度が不十分であること、
− 高温および(または)中性子照射のもとでは、特にCr過剰により合金中に脆弱化相が析出して脆弱化すること、
− 特に合金粒径の制御を得られず、粒径が過小になることにより、高温および(または)中性子照射のもとでの使用と機械的性質がかならずしも両立するわけではないこと。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の厳密な目的は、クロムを含むフェライト酸化物分散強化合金を製造する方法、およびクロムを含むマルテンサイト酸化物分散強化合金を製造する方法であって、上述した欠点を有さず、また特に連続した相変態にわたって制御することで製造される合金の粒径を特定化および制御できるようにする方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、クロムを含むフェライト酸化物分散強化組織を有する合金の製造方法は、クロムを含むマルテンサイト酸化物分散強化ブランクの準備、およびマルテンサイト酸化物分散強化ブランクに少なくとも1回の熱サイクルを加える段階を含み、前記少なくとも1回の熱サイクルはオーステナイトを得られるようにその合金のAC3点以上の温度で行うマルテンサイト酸化物分散強化ブランクのオーステナイト化と、それに続くそのオーステナイトの冷却とを含み、オーステナイトの冷却はフェライト酸化物分散強化組織を有する合金を得られるようにそのオーステナイトがフェライトへ変態される臨界冷却速度以下のゆっくりした冷却速度で行われ、前記ゆっくりした臨界冷却速度は連続冷却でのそのオーステナイトの相変態図によって定められる。
【0020】
本発明の方法で製造された合金は著しく改善される。何故なら、高温および(または)中性子照射のもとでのその合金の使用と両立する機械的強度を十分に保証する等方性ミクロ組織および粒径を有した単相フェライトマトリックスを有するからである。さらに、大気温度での形成即ちフォーミング(forming)を受けるのに十分な延性を有する。
【0021】
本発明によれば、クロムを含むマルテンサイト酸化物分散強化ブランクは、酸化物が金属マトリックス中に微細且つ均質に分散されたブランクを得ることのできるいずれの方法によっても準備することができる。
【0022】
有利な方法において、ブランクは機械的な合金化によって得られる予め合金化された粉末から準備することができる。実際に機械的合金化は、酸化物分散強化合金の準備に必要とされるY23 のような酸化物の分散を可能にする。
【0023】
この機械的合金化は、アトリターにおいて、例えばアルゴンのような中性雰囲気のもとで、製造されたブランクの組成と同じ組成を有するインゴットの例えばアルゴン中でのアトマイゼーションと、Y23 のような酸化物の付加とによって得られた粉末で開始されて、実施することができる。この粉末はまた購入できる純粋または予備合金化された粉末を混合することでも得られる。
【0024】
本発明によれば、マルテンサイト酸化物分散強化ブランクは、例えば延伸および熱間形成によって予備合金化された粉末を圧密化(consolidating)する従来技術によって準備することができる。
【0025】
本発明によれば、クロムを含むマルテンサイト酸化物分散強化ブランクはまたMo、W、Ni、Mn、Si、C、O、N、Y、Ti、Ta、V、Nb、Zrを含んで成る群から選ばれた1以上の元素も含むことができる。例えば、酸化物を分散することで強化された合金の製造に現在使用されている酸化物、例えばY23 、TiO2 、MgO、Al23 、MgAl24 、HfO2 、ThO2 およびZrO2 の1つ以上を含むことができる。マルテンサイト酸化物分散強化ブランクにおけるこれらの元素および酸化物の各々の機能は当業者に知られている。したがって、本明細書では説明しない。
【0026】
本発明によれば、クロムを含むマルテンサイト酸化物分散強化ブランクは、合金中に、例えば約7〜約12重量%、例えば約8〜約11重量%のクロム当量、すなわち約7〜約12重量%、例えば約8〜約11重量%のクロム量に等しい量のアルファ型元素を含むことができる。このアルファ型元素はオーステナイトが存在する領域の面積を減少させることのできる注目される元素である。本発明による方法はそれ故に9Cr形式の合金に有利に適用することができる。
【0027】
本発明によれば、Crは約7〜約12重量%、例えば約8〜約12重量%の濃度とされることができ、Moは約0.3〜約1.5重量%の濃度、Wは約0.5〜約3重量%の濃度、Niは約1重量%までの濃度、Mnは約1重量%までの濃度、Siは約1重量%までの濃度、Cは約0.02〜約0.2重量%の濃度、Oは約0.02〜約0.3重量%の濃度、Nは約0.15重量%までの濃度、Yは約1重量%までの濃度、Tiは約1重量%までの濃度とされることができ、残部はFeとされる。
【0028】
本発明によればこの合金は、それぞれ約0.2重量%までの濃度でTaおよびNbを、約0.4重量%までの濃度でVを、そして約0.4重量%までの濃度でZrを含むこともできる。
【0029】
本発明による少なくとも1回の熱サイクルはマルテンサイト酸化物分散強化ブランクにマルテンサイトのオーステナイトへの変態を発生させ、その後低温での安定した結晶粒成長によってオーステナイトのフェライトへのゆっくりした変態を生じさせる。
【0030】
本発明によれば、その少なくとも1回の熱サイクルは、オーステナイトを得られるように、その合金のAC3点以上の温度でのマルテンサイト酸化物分散強化ブランクのオーステナイト化を含んで成る。この合金のAC3点は、加熱中にフェライトがオーステナイトへ完全に変態する温度に等しい。この合金が上述したような合金である場合、このオーステナイト化は約950〜約1150゜Cの温度、例えば約1000〜約1100゜Cの温度、例えば約1000゜Cの温度で、約15〜約120分間、例えば約30〜90分間、例えば約30分間にわたって実施できるのであり、15分間より短い時間はしばしばオーステナイト組織を与えるには不十分であり、120分間を超える長い時間は必要ない。何故なら、オーステナイト組織はしばしば早期に得られるからである。
【0031】
本発明によれば、このオーステナイト化に引き続いて、得られたオーステナイトの冷却が行われるのであり、この冷却はこのオーステナイトをフェライトへ変態させる臨界冷却速度以下のゆっくりした冷却速度で行われ、このゆっくりした冷却速度は連続冷却でのこのオーステナイトの相変化図から決定される。この相変態図、すなわちTRC、は通常の方法で得ることができる。
【0032】
オーステナイトの冷却速度は、本発明によるマルテンサイト酸化物分散強化合金の製造方法における以下に説明するマルテンサイト変態のための「急速」冷却速度と区別するために「ゆっくりした」と表現されている。
【0033】
このゆっくりした冷却は、高温相であるオーステナイト相のフェライト相への変態を誘発するのであり、フェライト相はマルテンサイトよりも結晶粒成長に都合がよい。
【0034】
例えばこれまで説明した組成のような合金組成に関しては、ゆっくりした冷却速度は例えば280゜C/時間以下とされることができる。例えば少なくとも1回の熱サイクルに関しては、約250゜C/時間未満、例えば約100゜C/時間以下、例えば約20゜C/時間以下とされることができる。さらに注目すべきことは、冷却速度は製造された合金の組成だけでなく、この合金のアトマイゼーション温度によって決まるということである。工業的製造上の制約により、また合金組成により、当業者はオーステナイト化温度および本発明の方法のゆっくりした冷却速度を適用できることが容易に理解できるであろう。
【0035】
発明者は、冷却速度がオーステナイトの相変態の臨界速度未満であるとき、合金中の粒径が増大するということを観察した。発明者はまた冷却速度が遅くなればなるほど、合金中の結晶粒成長が大きくなることを意外にも観察した。
【0036】
例えば非常に良好な結晶粒成長は約5〜約20゜C/時間の冷却速度において発明者により観察された。例えば、先に説明したような組成の合金組成に関しては、100゜C/時間未満のゆっくりした冷却速度は、製造されたフェライト合金の粒径を増大させ、それ故に平均粒径はこの合金で3〜8μmに達する。
【0037】
この冷却は、例えば先に説明した組成に関して650゜Cである限り、すなわち相変態が終了する温度である限り、制御できる。
【0038】
この例では、650゜C未満では、急速冷却が適用される。
【0039】
本発明による第1熱サイクルの後、マルテンサイト酸化物分散強化ブランクは古いオーステナイトの粒径よりも大きい粒径のフェライト酸化物分散強化組織を有する合金へ変態される。
【0040】
本発明によれば、熱サイクルは第1サイクル時に形成されたフェライト酸化物分散強化組織を有する合金の粒径における付加的な成長を得られるようにする識別された、すなわち区別されたゆっくりした冷却速度で数回繰り返される。この成長が終了するまで、すなわち酸化物分散強化合金の粒径の最適化が達成されるまで、繰り返されることができる。本発明によれば、熱サイクルは先に注目した組成のような合金組成で例えば2回、3回または4回ほど繰り返され、この例において最適化は4回のサイクルが終わったときに得られる。
【0041】
例えば、先に説明した合金組成に関して、また約6゜C/時間のゆっくりした冷却速度での冷却を含む1つのサイクルに関して、本発明により製造されたフェライト合金は約8μmに等しい平均粒径をすることができる。例えば、1つのおよび同じ合金組成、および4回繰り返されるそのようなサイクルに関して、本発明により製造されたフェライト合金は約10μmまで、またはそれ以上の平均粒径を有することができる。
【0042】
それ故に本発明の方法は大きな結晶粒を有する最適化されたフェライト組織を得られるようにする。
【0043】
本発明の方法の第1の変形例によれば、クロムを含むフェライト酸化物分散強化組織を有する合金の製造方法は、本発明による少なくとも2つの熱サイクルを含み、前記2つの熱サイクルはフェライト酸化物分散強化組織を有して得られた合金の少なくとも1回の形成処理即ちフォーミング処理で切り離されている。
【0044】
一方において、先に説明したように、本発明による熱サイクルは合金の粒径の成長を可能にする。他方において、この少なくとも1回の熱サイクルは、特にその延性によって本発明の方法の変形例による成形処理即ちフォーミング処理の実行を可能にするフェライト酸化物分散強化組織を得られるようにする。実際に、この少なくとも1回の熱サイクルは、例えば上述したような組成を有する合金によって240以下の硬さを得られるようにする。
【0045】
本発明による形成処理は、フェライト酸化物分散強化合金の形成、および恐らくはその合金の熱応力解除処理を含むことができる。例えば、フェライト酸化物分散強化合金には、延伸、ハンマーリング(hammering)、スピニング、圧延を実施することができ、また一般的にその合金から例えば800゜Cまでの温度範囲においてシート、チューブまたは他の部材を形成することのできるいずれの形成方法も実施できる。この形成方法は、例えば核燃料用のクラッドチューブを形成するために延伸または圧延によって実施されることができる。本発明によれば、フェライト酸化物分散強化組織を有して製造された合金は、冷間加工できるような十分大きな延性を有する。
【0046】
それ故に本発明の方法によれば、この形成は例えば大気温度のもとで実施できる。
【0047】
本発明によれば、成形処理は、形成された合金のAC1点の温度未満の温度での熱応力解除処理を付随的に含む。
【0048】
この熱応力解除処理は例えば合金の古典的な軟化処理とされることができる。特に、合金組織におけるいかなる変化も伴わずに、合金形成後に残留応力の解除可能にする。
【0049】
AC1点の温度は、加熱時にオーステナイトが形成され始める温度である。例えば、先に説明したような合金組成の場合、AC1点の温度は775゜Cに等しい。またこの例では、熱軟化処理は例えば約775゜Cより低い温度、例えば約720〜約750゜Cの温度で実施できる。
【0050】
本発明によれば、熱応力解除処理は約15〜約120分間の時間にわたり、例えば約60分間にわたって実施できる。
【0051】
それ故にフェライト酸化物分散強化合金を形成するこの中間段階は、先に説明したような合金組成に関して、約1μm以上、例えば3μmの粒径のフェライト組織を有する例えばチューブまたはシートに形成できるようにする。
【0052】
本発明によれば、少なくとも1回の形成処理を受けたフェライト酸化物分散強化組織を有するこの合金は、その後にその組織の粒径を最適化させるために、例えば先に説明した例では約10μmまでの粒径とするために、本発明による少なくとも1回の熱サイクルを受けることができる。
【0053】
本発明の方法によれば、得られたフェライト酸化物分散強化合金のこの少なくとも1回の形成処理は、例えば50〜250゜C/時間のゆっくりした冷却速度を含む熱サイクルとされ、その合金の形成処理に引き続いて例えば約20〜約5゜C/時間のさらにゆっくりした冷却速度を含むことのできる少なくとも1回の熱サイクルが行われるのが有利である。それ故に、合金形成を先行させるこの少なくとも1回のサイクルが延性のフェライト合金の迅速形成を可能にし、また成形に引き続く少なくとも1回の熱サイクルが合金の粒径の最適化を可能にする。
【0054】
本発明の方法のこの第1の変形実施例によれば、先に説明したような組成を有するマルテンサイト酸化物分散強化ブランクは、例えば3μmにほぼ等しい平均粒径のフェライト酸化物分散強化組織を有する延性合金を得るために、約100゜C/時間のゆっくりした冷却を有する本発明による第1の熱サイクルを受けることができる。この延性合金はその後、例えば1以上の冷間での形成処理および典型的に720〜750゜Cで1時間にわたる軟化処理で形成されることができる。形成された合金はその後、その合金の粒径を例えばこの例では4回の熱処理で最適化するために、約10゜C/時間のゆっくりした冷却速度で1回以上の熱サイクルを受けることができる。
【0055】
この実施例は、例えば約10μmの粒径の大きな結晶粒で最適化されたフェライト組織を有して形成された合金の製造を可能にする。
【0056】
本発明はまた、本発明によるフェライト酸化物分散強化組織を有する合金の製造方法を含み、引き続いてマルテンサイト変態段階、および製造されたマルテンサイト酸化物分散強化合金の焼戻しが行われるクロムを含むマルテンサイト酸化物分散強化合金を製造する方法であって、前記マルテンサイト変態段階がオーステナイトを得られるようにその合金のAC3点以上の温度で行うフェライト酸化物分散組織を有する合金のオーステナイト化と、それに続くそのオーステナイトの冷却とを含み、オーステナイトの冷却はそのオーステナイトがマルテンサイトへ変態される臨界冷却速度以上の急速な冷却速度で行われ、前記急速な冷却速度は連続冷却でのその合金の相変態図によって定められるクロムを含むマルテンサイト酸化物分散強化合金の製造方法に関する。
【0057】
本発明によるこの方法は、先に説明したようなフェライト酸化物分散強化組織を有する合金から、マルテンサイト酸化物分散強化組織を有し、また大きな結晶粒を有する合金を得られるようにする。本発明によるフェライト酸化物分散強化組織への転換は、大気温度でのその合金のフォーミング即ち形成すら可能にする。
【0058】
本発明によれば、AC3点の温度に以上の温度でのフェライト酸化物分散強化組織を有する、および大きい結晶粒を有する合金のオーステナイト化は、先に説明したように行える。
【0059】
本発明によれば、オーステナイトをマルテンサイトへ転換する臨界冷却速度は、先に説明したように相変態図から定めることができる。この速度は、本明細書においては先に説明した理由で「急速」と称する。この急速速度は、例えば先に説明したような組成に関しては約700゜C/時間以上とすることができる。
【0060】
本発明によれば、焼戻しは通常の調質処理であり、例えば約750゜Cで約1時間にわたって焼戻しすることができる。これは組織の応力解放を可能にする。
【0061】
この方法は、高温、例えば400゜Cを超える温度、例えば400〜700゜Cの温度で、および(または)中性子照射下でのこの合金の使用と両立する機械的強度を十分に保証できる等方性ミクロ組織および平均粒径を有するマルテンサイト酸化物分散強化合金の製造を可能にする。この平均粒径は本発明の方法によりフェライト酸化物分散強化組織で得られる平均粒径と等しい。
【0062】
それ故にこの方法は、例えば高温および(または)中性子照射を受ける原子力発電所の部材、例えば核燃料用のクラッドチューブに使用される合金を製造できるようにする。しかしながらこれらの部材の製造に制限されることはなく、一般的にその使用において大きな機械的および熱的応力を受けるあらゆる部材、例えば航空工業におけるタービンブレード、火力発電所の部材、ガラスおよびガス工業などにおいて使用される物品を製造可能にする。
【0063】
本発明はまた、1μmを超える平均粒径を有し、1μmを超える平均粒径を有する合金まで、および約10μmまで、またはそれ以上の範囲の平均粒径を有する合金まで本発明の方法で製造することができるクロムを含むフェライト酸化物分散強化組織、またはクロムを含むマルテンサイト酸化物分散強化組織を有する合金に関する。
【0064】
本発明によれば、フェライト酸化物分散強化組織またはマルテンサイト酸化物分散強化組織を有するこの合金は、例えば9Cr合金、9Cr−Mo合金、9Cr−W合金、または9Cr−Mo−W合金を含んで成る群から選ばれることができる。9Cr−W形式の合金は「低レベル放射性合金(low activity alloys)」と呼ばれている。何故なら、それらは放射性崩壊時間すなわち壊変時間が短いからである。本発明を順応するこれらの合金は、それ故に特に原子力発電所に使用される部材の製造に関心が持たれる。
【0065】
本発明によれば、これらの合金はさらに、例えばCr、Mo、W、Ni、Mn、Si、C、O、N、YおよびTi、Ta、V、NbおよびZrを含んで成る群から選ばれた少なくとも1つの元素を含むことができる。合金中のこれらの元素のそれぞれの濃度は、本発明による方法で先に説明した濃度とされることができる。
【0066】
それ故に本発明による合金は、核燃料のクラッド材の製造に使用でき、また一般に先に説明したような部材の製造に使用できる。
【0067】
本発明の合金は、高温および(または)中性子照射下で顕著に非常に機械的に強く、化学的な抵抗力が大きい。さらにそれらは、大きな結晶粒を有すると共にクロム量を減少された等方性組織を有する。
【0068】
本発明の他の利点および特徴は、図解を目的として限定するものではなく、添付図面を参照した以下に与えられた詳細な説明を読むことで明白となろう。
【0069】
例1:フェライト−マルテンサイト合金の準備およびFe−9Cr−1Mo合金の例
本発明の方法によりこの例で製造された合金は、9Cr−1Mo形式の鉄基合金であり、以下の説明でEM10と名前を付されており、またイットリウム酸化物の粒子で強化されている。
【0070】
これらの合金の各々は機械的合金化方法によって製造されている。所望の合金組成を有するインゴットが9Cr−1Mo形式の予備合金化された粉末を得るために、アルゴン中でアトマイゼーション処理された。この予備合金化された粉末はアルゴン雰囲気中でアトリターにおいてすり砕かれ、粉末状のイットリウム酸化物(Y23 )と混合された。こうして得た粉末は、クロムを含むと共に酸化物粒子を分散されて強化されたマルテンサイトブランクを得るために、15〜30の延伸比で、1100゜Cの温度で延伸されて成形された。
【0071】
幾つかの合金が製造された。それらの合金の化学組成が以下の図1に示されている。この合金はY23 のような分散された酸化物を含み、これらの酸化物は予備合金化された粉末がアトリターですりつぶされるときに機械的に付加された。これらの合金は、以下にEM10+Y23 酸化物分散強化およびEM10+Y23 +Ti酸化物分散強化と名前を付されている。酸化物を全く含まない合金は以下にEM10と名前を付されている。
【0072】
表1は、従来のEM10合金、すなわち機械的合金化以外の方法、例えば溶融工程によって得た合金の組成、およびカンパニー・インコ・アロイス(米国)から購入できる以下にODS−MA957(登録商標)と名前を付した酸化物の分散された形式のFe−13Cr合金の組成の両方を示している。
【表1】
Figure 0004395855
【0073】
表1に組成が与えられているEM10+Y23 酸化物分散強化合金のAC1およびAC3における温度は、それぞれ775〜800゜Cおよび815〜840゜Cの範囲内である。
【0074】
このEM10+Y23 酸化物分散強化合金を1000゜Cで30分間にわたってアトマイゼーションした後に得た連続冷却での相変態図から、全体的なマルテンサイト製品を得るための700゜C/時間以上のVr(m)で以下に示される臨界冷却速度と、オーステナイトをフェライトすなわち(α)フェライトへ全体的に変態させるための280゜C/時間以下のVr(α)で以下に示される臨界冷却速度とを決定することができる。
【0075】
フェライトまたはマルテンサイト組織のこのEM10+Y23 酸化物分散強化合金の硬さの性質が測定された。フェライト組織を有する合金では、HV(α)で以下に示される硬さは244以下であり、マルテンサイト組織を有する合金では、HV(m)で以下に示される硬さは244以下で460以上である。
【0076】
例2:フェライト組織を有するEM10+Y23 酸化物分散強化合金の粒径に与える本発明による冷却速度の影響
この実施例では、製造された合金はフェライト組織を有する合金である。
【0077】
一連の試験は、製造された合金の粒径に与える冷却速度の影響を測定するために、表1に記載された組成を有するマルテンサイトのEM10+Y23 酸化物分散強化ブランクで開始されて、行われた。
【0078】
EM10+Y23 酸化物分散強化合金の4つのサンプルが、1000゜Cの温度で30分間のアトマイゼーションに続き、各サンプルで異なる速度で650゜Cまで冷却され、また3゜C/秒の急速冷却で650゜Cから冷却される段階を含んで成る本発明による第1の熱サイクルを受けた。
【0079】
以下の表2は650゜Cまでの各サンプル(E1 ,E2 ,E3 およびE4 で示されている)の冷却速度を示す。
【表2】
Figure 0004395855
【0080】
図1はこの例で実施されたE2 ,E3 およびE4 の熱サイクルを示すグラフである。
【0081】
この図において、A−B−Cで示された線は、1000゜Cまでの加熱(線A−B)した後、その合金をその温度で30分間保持(線B−C)して得たマルテンサイトブランクのオーステナイト化を示す。この後の温度はその合金のAC3点の温度に等しい。
【0082】
曲線E2 ,E3 およびE4 はサンプルE2 ,E3 およびE4 の冷却速度を示している。650゜Cまでは異なり、その温度からは同じである。
【0083】
サンプルの粒径は各サンプルを特徴づける冷却速度に関して画像分析技術を使用して測定された。
【0084】
以下の表3はその沿って結果を一緒にして示している。
【表3】
Figure 0004395855
【0085】
図2は製造された合金の粒径に与える本発明による冷却速度の影響を示すグラフであり、特に曲線Iは上記表3に与えられた値を示すグラフである。
【0086】
この結果は冷却速度が遅くなるほど合金の粒径が増大することを示している。
【0087】
この結果は、1000〜1250゜Cの範囲内の温度が使用され、引き続き急速冷却されたEM10+Y23 酸化物分散強化合金の通常処理後に得られた1μm以下の大きさの粒径と比較されるべきである。
【0088】
例3:フェライト酸化物分散強化組織を有する合金に対する本発明による熱サイクルの繰り返し
この例は上記表1に記載されたようなEM10+Y23 酸化物分散強化合金を使用する。
【0089】
合金の粒径に対するこの繰り返しの影響を測定するために、ゆっくりした冷却による熱サイクルがこの合金に繰り返し与えられた。
【0090】
図3は例3を図解的に示しており、符号1はゆっくりした熱サイクルを示す。この熱サイクルは、符号2で示される1000゜Cの温度までの合金の加熱と、符号3で示されるその温度での30分間にわたる合金保持と、符号4で示されたその後のこの合金の6゜C/時間でのゆっくりした速度での冷却とを含む。この図において、このサイクルが3回繰り返される。
【0091】
画像分析技術を使用して作成した平均粒径の測定値は、本発明による熱サイクルの繰り返しが合金の結晶粒の付随的な成長を促すことを示している。さらに、合金の硬さの測定値は、それが受ける熱サイクルの回数に関係して、合金の硬さが熱サイクル回数で低下することを示している。以下の表4はそれらの測定値を一緒に示している。
【表4】
Figure 0004395855
【0092】
図4はこの表からの結果を示している。この図において、符号10で示される曲線はその合金に加えられた熱サイクルの回数に関係した合金の平均粒径の変化を示し、符号20で示される曲線はその合金に加えられた熱サイクルの回数に関係した合金の硬さの変化を示している。
【0093】
これらの結果は、合金の結晶粒の付随的な成長が本発明による4回の熱サイクルの終わりで飽和したことを示し(曲線10)、また合金の硬さが本発明の熱サイクルの各付加時に減少して(曲線20)、4回の熱サイクルの終わりで安定することを示している。本発明による6回の熱サイクルで達成された粒径は10μmであり、これと同じ回数の熱サイクルで合金の硬さは185である。
【0094】
例4: 本発明によるマルテンサイト酸化物分散強化組織の獲得
マルテンサイト酸化物分散強化組織は、先の例で製造した8μmの粒径を有すフェライト酸化物分散強化組織から得られた。フェライト組織は、約1000゜Cの温度で30分間のオーステナイト化と、それに引き続くVr(m)より速い速度、この例では700゜C/時間での急速冷却とを含む本発明による熱処理を受けた。
【0095】
本発明の方法はEM10+Y23 酸化物分散強化合金の延伸組織(as-drawnstructure)をオーステナイト化した後に得たレース長さ(lathe lengths)よりも格段に長いレース長さの単相マルテンサイト組織を有したマトリックスを有する合金を得られるようにする。大きい結晶粒を有すフェライト酸化物分散強化組織を通すことで、古いオーステナイト結晶粒の粒径、すなわちマルテンサイト相のレース長さを定める高温相の粒径を増大させることができる。
【0096】
透過電子顕微鏡による観察は、Y23 酸化物粒子の分散が本発明の方法によって変化しないことのチェックを可能にする。
【0097】
一方、本発明の方法で製造された等軸結晶粒の存在を特徴とする合金のミクロ組織は、この合金から製造されたバーの延伸方向と平行および直角な断面の両方において等方性となる。
【0098】
それ故に、本発明の方法は従来技術によって製造された合金における異方性の存在を消滅させ、その合金に付加された荷重方向がいずれであっても等価の機械的な振る舞いが保証される。本発明によって製造されたマルテンサイト合金は、オーステナイト化および焼戻しの後は300以上の硬さを有する。
【0099】
それ故に、本発明の方法により製造された合金の適用に応じて、この合金はフェライト相または焼戻しされたマルテンサイト相のいずれかで使用できる。
【0100】
例5: EM10+Y23 酸化物分散強化マルテンサイト合金の引張り特性に与える粒径の影響
上記例4で製造されたこの合金は高温での引張り強度の測定が行われた。これらの測定はさまざまな粒径のもとのオーステナイト結晶粒を有する成形されたバーで650〜750゜Cの温度で行われた。
【0101】
以下の表5はこの例の測定値を集めて示している。この表において、Rp0.2%は0.2%での弾性限界を示し、Rm は最大引張り強度を示している。合金ODS−MA957は再結晶化された、すなわち機械的な高温強度を改善するために特定の熱処理を受けた。この合金の測定値はチューブすなわちバーの形成即ちフォーミングの軸線に平行な方向に沿って得た測定値に対応している。それは異方性であるために、これらの値はODS−MA957の機械的強度に関して得ることのできる最大値を表している。
【表5】
Figure 0004395855
【0102】
これらの値は本発明によるマルテンサイト合金のEM10+Y23 酸化物分散強化が従来技術のODS−MA957合金よりも優れた高温の機械的性質を有することを示しており、ODS−MA957はさらに中性子照射下において先に説明した異方性および脆弱化の欠点を有する。
【0103】
応用例:
本発明で特許請求された方法は、例えば旧式の急速中性子炉またはさらに進んだ世代のハイブリッド反応炉用の燃料のクラッド材に使用できるにチューブの製造に直接に応用できる。これらの反応炉に対して、材料は400〜700゜Cの温度範囲で中性子の照射に非常に強い抵抗力を有することを要求される。例えば15−15Ti形式のオーステナイト鋼の基準材料として一般に使用されているオーステナイト鋼に比較すると、この発明で特許請求されているマルテンサイト酸化物分散強化合金は200dpaより高い所要の高レベルの中性子照射量に耐えることができる。
【0104】
本発明による製造方法はクラッド材よりも肉厚の構造材を製造するのに適用できる。特に、マルテンサイト酸化物分散強化合金は中性子照射下で良好な機械的特性を要求するあらゆる原子力応用例、例えば、加圧水型反応容器の内側のナットおよびボルト、および溶融反応炉内の高応力を受ける構造材に好適である。
【0105】
これらの全ての応用例に関して、特許請求の範囲の欄に記載された範囲から逸脱せずに、9Cr−Mo材料および「低レベル放射性」の9Cr−W形式の合金に基づくその他の化学組成を想像できるであろう。
【0106】
最後に、原子力の分野から離れて、本発明によるフェライト−マルテンサイト酸化物分散強化合金は高温度で高い機械的強度を要求する全ての応用例に対して、特に火力発電所や、ガラス、ガスおよび航空工業で使用される部材を製造するために、好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】オーステナイトからフェライトへの変態を生じるために異なる冷却速度を使用した熱サイクルを示すグラフ。
【図2】冷却速度に関係した平均粒径の変化を示すグラフ。
【図3】6゜C/秒の冷却速度を含む熱サイクルの幾つかの適用例を示すグラフ。
【図4】図3に示された熱サイクルの回数に関係した平均粒径および硬さの変化を示すグラフ。
【符号の説明】
A−B 加熱曲線
B−C 保持曲線
1 ,E2 ,E3 ,E4 サンプルおよび冷却曲線
I 冷却速度と粒径との関係を示す曲線
10 熱サイクルの回数に関係した合金の平均粒径の変化を示す曲線
20 熱サイクルの回数に関係した合金の硬さの変化を示す曲線

Claims (16)

  1. 7〜12質量%のクロムを含むマルテンサイト酸化物分散強化ブランクの準備、およびマルテンサイト酸化物分散強化ブランクに少なくとも1回の熱サイクルを加える段階を含み、前記少なくとも1回の熱サイクルはオーステナイトを得られるようにその合金のAC3点以上の温度で行うマルテンサイト酸化物分散強化ブランクのオーステナイト化と、それに続くそのオーステナイトの冷却とを含み、オーステナイトの冷却はフェライト酸化物分散強化組織を有する合金を得られるようにそのオーステナイトがフェライトへ変態される臨界冷却速度以下のゆっくりした冷却速度で行われ、前記ゆっくりした臨界冷却速度は、連続冷却による該オーステナイトの相変態図によって定められる、上記クロムを含むフェライト酸化物分散強化組織を有する合金の製造方法。
  2. 請求項1に記載された方法であって、クロムを含むマルテンサイト酸化物分散強化ブランクが、Y23 、TiO2 、MgO、Al23 、MgAl24 、HfO2 、ThO2 およびZrO2 を含んで成る群から選ばれた1種以上を含むフェライト酸化物分散強化組織を有する製造方法。
  3. 請求項1又は請求項に記載された方法であって、少なくとも2つの熱サイクルを含み、前記2つの熱サイクルは、フェライト酸化物分散強化組織と共に得られた合金の少なくとも1回の形成処理によって、少なくとも1回だけ切り離されているフェライト酸化物分散強化組織を有する合金の製造方法。
  4. 請求項に記載された方法であって、フェライト酸化物分散強化組織を有する合金の形成処理がフェライト組織を有する合金の形成を含み、これに続いてAC1より低い温度で形成された合金の熱応力解除処理が行われる、フェライト酸化物分散強化組織を有する合金の製造方法。
  5. 請求項に記載された方法であって、前記合金の形成が冷間での形成であるフェライト酸化物分散強化組織を有する合金の製造方法。
  6. 請求項または請求項に記載された方法であって、応力解除処理が775゜Cより低い温度で行われる熱軟化処理であるフェライト酸化物分散強化組織を有する合金の製造方法。
  7. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載された方法であって、少なくとも1回の熱サイクルのゆっくりした冷却速度が280゜C/時間以下であるフェライト酸化物分散強化組織を有する合金の製造方法。
  8. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載された方法であって、少なくとも1回の熱サイクルのゆっくりした冷却速度が100゜C/時間以下であるフェライト酸化物分散強化組織を有する合金の製造方法。
  9. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載された方法であって、少なくとも1回の熱サイクルのゆっくりした冷却速度が20゜C/時間以下であるフェライト酸化物分散強化組織を有する合金の製造方法。
  10. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載されたフェライト酸化物分散強化組織を有する合金の製造方法を含み、引き続いてマルテンサイト変態段階、および製造されたマルテンサイト酸化物分散強化合金の焼戻しが行われるクロムを含むマルテンサイト酸化物分散強化合金を製造する方法であって、前記マルテンサイト変態段階が、オーステナイトを得られるようにその合金のAC3点以上の温度で行うフェライト酸化物分散組織を有する合金のオーステナイト化と、それに続くそのオーステナイトの冷却とを含み、オーステナイトの冷却はそのオーステナイトがマルテンサイトへ変態される臨界冷却速度以上の急速な冷却速度で行われ、前記急速な冷却速度は連続冷却による該合金の相変態図によって定められる、該マルテンサイト酸化物分散強化合金の製造方法。
  11. 請求項10に記載された方法であって、急速な冷却速度が700゜C/時間以上であるマルテンサイト酸化物分散強化合金の製造方法。
  12. 請求項10または請求項11に記載された方法であって、焼戻しが750゜Cの温度で1時間にわたって行われるマルテンサイト酸化物分散強化合金の製造方法。
  13. 請求項2から請求項12までのいずれか一項に記載された方法であって、オーステナイト化が1000゜C〜1250゜Cの温度で15分から120分の時間にわたって行われる製造方法。
  14. 請求項1から請求項13までのいずれか一項に記載された方法であって、オーステナイト化が1000゜Cの温度で30分間にわたって行われる製造方法。
  15. 請求項1から請求項14までのいずれか一項に記載された方法であって、クロムを含むマルテンサイト酸化物分散強化ブランクの準備が、製造された合金の組成と同じ組成を有するインゴットのアルゴン中でのアトマイゼーションにより得た予備合金化された粉末を機械的に合金化し、また酸化物を付加して行われる製造方法。
  16. クロムを含むフェライト酸化物分散強化組織を有する合金を含む核燃料クラッド材を製造する方法であって、請求項1から請求項15までのいずれか一項に記載された前記合金の製造方法を含む製造方法。
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