JP4395628B2 - 自動車塗装表面の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車塗装表面の処理方法に関する。具体的には、持続性に優れた撥水性被膜を形成させる自動車塗装表面の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の塗膜を通常自然界に放置しておくと、ほこり、砂塵、泥、タールやピッチなどの汚染物が付着し、またこれらの汚染物によって塗装表面に細かな傷が無数にできる。このような傷は塗膜の光沢を著しく低下させるだけでなく、上記汚染物が強固に固着し、酸性雨や太陽光線、酸素と共に働き塗膜表面の成分を化学分解し劣化させる原因となる。従って、塗膜に付着した汚染物を効果的に除去し、また塗装表面にできた無数の傷を速やかに除去する必要がある。この場合、洗剤を含んだ水を用いてスポンジやブラシなどで擦り取り、塗装表面に付着したほこりやどろなどの付着物を洗い流していたが、この方法だけでは十分に付着物を洗い流すことができなかった。このため、微細な研摩粒子を含むいわゆるバフ研磨剤を用いて塗膜表面をわずかながら削り取ることによって、塗膜表面にこびりついた付着物を除去していた。
【0003】
しかしこのバフ研摩剤を用いて研磨した状態では、塗膜自体の劣化が生じやすくなると共に、この状態で放置すれば何日か経過すると再び塗膜表面に細かな傷が付いたりする。このため、バフ研磨した塗膜表面をワックス剤などによってコーティングする必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のワックス剤によるコーティングだけでは耐久性が弱く、すぐにその効果が薄れてしまうという問題があった。すなわち、バフ研摩した後にコーティングしたとしても、1ヶ月も経過すればその効果がなくなってしまう。このため、約1ヶ月に1回程度新たに洗車して再びワックス掛けなどのコーティング作業を行わなければならず、バフ研磨して付着物を除去した後の塗膜表面を十分に保護することができなかった。
【0005】
本発明は叙上の従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、バフ研摩剤により研摩され付着物が除去された塗膜表面を保護するコーティング効果を、長期に渡り維持させることを目的とするものである。
【0006】
そこで本願発明者らは鋭意努力した結果、下地処理方法、つまりコーティング時の前処理方法を検討したところ、W/O型エマルジョンであるバフ研磨用組成物を用いることにより、コーティング効果を持続させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の自動車塗装表面の処理方法は、塗装表面をバフ研摩用組成物を用いて表面研摩した後、撥水性被膜を形成する自動車塗装表面の処理方法であって、前記バフ研摩用組成物として、界面活性剤、5〜20重量%の粒径が0.1〜50μmの研摩粒子、油性成分並びに60重量%以下の水を含有するW/O型エマルジョンを用い、前記撥水性被膜は、ワックス及びシリコーン化合物を主成分とし、かつ、水酸基で変成したフッ素化合物を含有する撥水性被膜形成剤を、塗装表面の表面研摩した後乾拭きすることなく、塗布することによって形成することを特徴している。
【0008】
また本発明においては、前記研摩粒子として、アルミナ、シリカ、カオリン、珪藻土からなる群から選ばれた何れか1種若しくは2種以上を用いるのが好ましい
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、コーティング処理の前処理としてW/O型エマルジョンであるバフ研摩剤を用いることを特徴とするものであるが、本発明においては、研摩前に予め自動車の塗装表面を洗浄しておくことが望ましい。この洗浄工程により、塗装表面に付着したほこりやチリ、タールなどの付着物によって新たな傷や汚れを防止する。
【0010】
当該洗浄方法としては、従来から行われている方法と同様に、塗装表面を水で濡らした後、一般に市販されている洗車用シャンプーと洗車用スポンジ、洗車用ブラシ等を用いて塗装表面のほこりやチリなどの汚れを擦り落とすことが考えられる。
【0011】
自動車用シャンプーとしては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩や高級脂肪酸石けん等のアニオン系界面活性剤、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルやアルキルグルコシド等のノニオン系界面活性剤などを水に溶解させたものが挙げられる。こうして洗浄された塗装表面に対して、本発明に係る表面処理を施すのが好ましい。
【0012】
本発明における第1の工程は、塗装表面をバフ研磨用組成物を用いて表面研磨を行う工程である。この工程は、塗装表面に付着した付着物を完全に除去すると共に塗装表面に付いた細かな傷を除去する工程であって、次の第2の工程であるコーティング処理のためのものである。この工程によって、その後に形成される撥水性被膜の持続性向上が図られる。
【0013】
この工程に用いられるバフ研摩用組成物は、界面活性剤、粒径が0.1〜50μmの研摩粒子、油性成分並びに60重量%以下の水を含有するW/O型エマルジョンが用いられる。このバフ研磨用組成物は、従来から公知の界面活性剤や研摩粒子、油性成分を組み合わせることによって製造される。
【0014】
界面活性剤としては、W/O型エマルジョンとすることができるものであればよく、例えば、脂肪族4級アミン塩を始めとする陽イオン界面活性剤、高級アルコール硫酸エステル塩を始めとする陰イオン界面活性剤、カルボキシベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤が挙げられる。またこれらの各種脂肪酸エステルにおいては、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、セスキオレイン酸などの脂肪酸とのエステル体が挙げられる。
【0015】
これらの界面活性剤は1種のみならず2種以上用いることができる。主として、油性成分とその量に応じて適宜決定されるが、その配合量は組成物中概ね、0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%である。
【0016】
これらの界面活性剤の中でも、特に非イオン界面活性剤が好ましく用いられる。非イオン界面活性剤は油性成分との相性がよく、W/O型エマルジョンを容易に調整できる点で好ましい。特に、W/O型エマルジョンを得やすく安定なエマルジョンとすることができるとの理由から、低HLB(親水性親油性バランス)のもの、具体的にはHLBが1〜9であるものが好適に用いられる。
【0017】
研摩粒子としても従来からバフ研摩用組成物として使用可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、アルミナ、シリカ、カオリン、珪藻土、ケイ石、珪藻土、バーライト、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、水酸化アルミニウム、含水ケイ酸、酸化クロム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニム、酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化マグネシウム、フッ化カルシウム、ベントナイト、モンモリロナイト、シラスバルーン、雲母、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ダイヤモンド、ガラス、セラミックなどの各種天然、合成の無機パウダーを挙げることができる。これらのうち1種若しくは2種以上を用いることができ、特に安価かつ安定に入手可能なことより、アルミナ、シリカ、カオリン、珪藻土からなる群から選ばれるものを1種若しくは2種以上を用いるのが望ましい。これらの研摩粒子によって、塗装表面に付着したタールや泥、表面酸化物を除去可能となる。
【0018】
これらの研摩粒子は、その粒径が大き過ぎると塗装表面に深い傷を付けてしまう場合が多く、一方細かくしてしまうと研摩効果を充分に発揮できない。また、大きなものはすぐに沈降してしまうため、その粒径は50μm以下のもの、より好ましくは20μm以下のものが使用される。また、0.1μm未満のものはほとんど研摩効果がない。なお本発明における粒径とは体積換算により測定されたものを意味する。また、粒径が0.1〜50μmというのは、体積に換算した場合に、配合中の粒子全体の総体積に対して当該範囲の粒子によって90%以上の体積を占める場合を意味する。また研摩粒子の配合量としては、バフ研摩用組成物中概ね5〜20重量%の範囲内で用いられる。
【0019】
油性成分は、塗装表面の油性成分を除去するために添加されるものである。当該油性成分としても特に限定されるものではないが、例えば、工業ガソリン、灯油、ミネラルスピリッツ、ストレートソルベント、ノルマルパラフィン系やイソパラフィン系、ナフテン系、無臭系等の各種脂肪族溶剤、塩素系溶剤、芳香族系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、シリコーン系溶剤、フッ素系溶剤等が挙げられる。これらは、水と乳化させて用いられるため、通常は常温で液状のものが好ましく用いられるが、乳化状態を均一に保てるものであれば、液状のものに限られるものではない。また、研磨後の拭き取りを不要にするためには、揮発性の高いものがより好ましく用いられる。
【0020】
これらの油性成分は、界面活性剤と共に水からなる媒体中に乳化されて、W/O型のエマルジョンにされる。水の配合量として概ね60重量%以下に設定するのが好ましい。この量よりも水の配合量が多くなると、形成されたW/O型エマルジョンが分離しやすくなり、安定性が悪くなる場合がある。
【0021】
当該W/O型エマルジョンは常法によって得られる。例えば、界面活性剤を予め溶解させておいた油性成分中に水を投入し、充分に撹拌させてエマルジョンを形成した後に研摩粒子を配合したり、予め研摩粒子を分散させた水を、界面活性剤を予め溶解させておいた油性成分中に投入し、充分に撹拌させることにより得ることができる。研摩粒子の分散性を考慮した場合には、一般的には後者の方が安定したバフ研摩用組成物を得ることができる。
【0022】
またこのバフ研摩用組成物は、塗布効率等を考慮して必要に応じて粘度調整が行なわれる。このときの粘度範囲は、通常100〜3000センチポイズ、好ましくは100〜1000センチポイズに調整される。当該粘度調整として、まず第1に上記油性成分の種類や配合量を替えることにより容易に調整できる。また、含水ケイ酸アルミニウム、モンモリロナイト粘土のジメチルジオクタデシル塩、アルカリ可溶性アクリル重合体エマルジョン、コロイドシリカ、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなどの各種粘度調整剤を添加することにより調整することも可能である。
【0023】
もちろん、上記成分以外に顔料や染料、香料、その他の安定剤、防腐剤、あるいは凍結防止剤として、エチレングリコールやプロピレングリコール等の多価アルコール類が配合されたバフ研磨用組成物を用いても差し支えないものである。
【0024】
このようなハブ研磨物組成物を用いて自動車の塗装表面を研摩する。研摩は通常、その適量をスポンジやウエスなどのいわゆる研摩用バフに取り、あるいは自動車の塗装表面にその適量を取り前記研摩用バフを用いて研摩される。この際、バフ研磨機を用いて研磨されるがバフの回転速度は1000〜2000rpmが好ましい。1000rpm以下であると十分な研磨力が得られずに表面研摩の仕上がりが悪く、撥水性被膜の持続性向上が臨めない場合がある。また2000rpmを越えると研磨力が強すぎるために塗膜を必要以上に研磨するために好ましくない。このようにして洗車のみでは十分に落とせなかった付着物や傷を擦り落として塗装表面を平滑にする。この後、第2の工程を実施する。なおW/O型エマルジョンであるバフ研摩剤を用いた場合には、研磨後の表面には水滴が残り難く、拭き上げ用のウエス等で拭き上げることなく、次の工程に移ることもできる。
【0025】
また、本発明においてはオルガノポリシロキサンやその数々の誘導体であるシリコーン化合物が配合されたバフ研磨用組成物を用いて研磨するのがよい。それらの中でもオイル状となったいわゆるシリコーンオイルが好適に用いられる。当該シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイルやその各種変性シリコーンオイル、例えば、メチルフェニル変性シリコーンオイル、メチルハイドロジェン変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アルキルアラルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、その他メタクリロキシ基、ハロゲン基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、イミド基、メタクリル基等の種々の有機官能基が導入された変性シリコーンオイルが挙げられる。これらは1種又は2種以上併用して使用できる。また、これらの配合量としては、0.2〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。0.2重量%より少ない場合には、シリコーンオイルを添加する効果を十分に発揮できない。一方、20重量%を越えるとシリコーンオイルの影響が大きくなり、シリコーン被膜が残った状態となる。この結果、その後に形成した撥水性被膜にムラができやすくなるなど、表面処理後の仕上がり状態が悪くなる恐れが大きくなる。このようなシリコーン化合物を配合することにより、研磨作業性が容易なものとなる。
【0026】
本発明の第2の工程は、付着物や細かな傷を除去した後に撥水性被膜形成剤による撥水性被膜を形成し、研磨表面に光沢を出させると共に、ほこりやチリなどの汚れ物質の再付着を防止する工程である。
【0027】
当該工程としては、例えば上記第1の工程で平滑にした塗装表面に撥水性被膜形成剤をスポンジ等を用いて均一に塗布した後、約5〜15分の間乾燥させた後、きれいなウエス等で拭き上げることが挙げられる。
【0028】
用いられる撥水性被膜形成剤としてはワックス及びシリコーン化合物を主成分とし、撥水性被膜を形成できるものであれば特に限定されるものではなく、一般的にカーワックス剤として市販されており、具体的には石油系溶剤にポリエチレン系ワックス及びシリコーン化合物を溶解又は混合させたものであって、被膜形成能の高いものが好ましく用いられる。
【0029】
シリコーン化合物としては例えば、各種のオルガノポリシロキサンが挙げられ、その中でも特にジメチルポリシロキサンが好ましく、さらにはジメチルポリシロキサンの一部を有機官能基で変性させた変性ジメチルポリシロキサンが好適に用いられる。
【0030】
当該変性ジメチルポリシロキサンとしては例えば、アミノ変性ジメチルポリシロキサン、アルキル変性ジメチルポリシロキサン、アルキルアラルキル変性ジメチルポリシロキサン、フッ素変性ジメチルポリシロキサン、エポキシ変性ジメチルポリシロキサン、カルボキシ変性ジメチルポリシロキサン、メタクリロキシ変性ジメチルポリシロキサン、エステル変性ジメチルポリシロキサン、アミド変性ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、アルコール変性ジメチルポリシロキサン、フェノール変性ジメチルポリシロキサン、メチルフェニル変性ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェン変性ジメチルポリシロキサン、メルカプト変性ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
【0031】
これらのシリコーン化合物は1種若しくは2種以上を必要に応じて、ポリエチレン系ワックスや界面活性剤、溶剤などと組み合わせて撥水性被膜形成剤とされる。さらに、仕上げとしての拭き取り作業性やワックス全体の硬さ(塗布しやすさ)を考慮した場合には、これらに少量の合成又は天然系ワックスを添加するのが好ましい。
【0032】
このような合成又は天然系ワックスとしては例えば、ビースワックスやカルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、硬化ヒマシ油、オゾケライト、セレシン、モンタンワックス、マイクロクリスタリン、フィッシャートロプシュワックス、ポリプロピレンワックス、パラフィンワックスなどの炭化水素系ワックスやこれらの誘導体などが挙げられる。
【0033】
また、撥水性被膜の塗装表面への定着性を向上させるため、これらの成分にさらに定着性樹脂を含有させたものを用いるのが望ましい。当該定着性樹脂とは、石油系溶剤に溶解又は分散され、溶剤が揮散することにより硬化して形成された被膜を塗膜表面に定着させることができる樹脂であって、一般的には各種石油系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコーン樹脂などが用いられるが、もちろんこれらの樹脂に限定されるものではない。
【0034】
さらに当該撥水性被膜形成剤として、より撥水性を高めるべくフッ素化合物が添加されたものを用いるのが好ましい。当該フッ素化合物としては例えば、パーフルオロアルキルポリエーテルの末端に水酸基を導入した各種パーフルオロアルキルポリエーテルの誘導体を挙げることができる。水酸基で変性したフッ素化合物は上記研摩処理面への定着性が優れており、撥水性被膜の持続性をより一層向上することができる。
【0035】
このように、W/O型エマルジョンであるバフ研磨用組成物を用いて塗装表面を研摩しておくことより、その後に引き続いて形成した撥水性被膜が塗装表面に十分に定着し、撥水効果の持続性を向上させることができる。またW/O型エマルジョンであるバフ研磨剤を用いているために、研磨中に研磨屑が塗装表面にこびり付かず、研磨作業が容易に行えるメリットも得られる。特にバフ研磨剤中にシリコーンオイルを配合することにより、研磨作業がより一層容易になり、全体の作業効率をさらに向上させることができる。
【0036】
【実施例】
次に実施例に基づいて本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではないのは言うまでもない。
【0037】
購入後間もない自動車(ダークグレーのメタリック車)を使用し、その天井部位に対して、バフ研磨剤と撥水性被膜形成剤を表1に示す組み合わせで次の通り表面処理を行った。
【0038】
車両を自動車用シャンプーを用いて洗浄した後、塗装表面をウエスで拭き上げて塗装表面を乾燥させた。その後バフ研磨用組成物2gをスポンジ製バフに採り、研摩用ロータを用いて回転速度1500rpmで研摩した。そして、乾拭きすることなく直ちに撥水性被膜形成剤を塗布して撥水性被膜を形成した。被膜形成には2gの撥水性被膜形成剤を採り、ウレタンスポンジで薄くムラなく塗り広げた。その後約15分間自然乾燥させ、きれいな綿タオルで磨き上げた。
【0039】
こうして形成した撥水性被膜の持続性について、以下の試験を行って本発明による効果を確認した。
【0040】
(持続性試験)
まず表面処理直後の処理面に水滴を滴下してその水滴の形状について確認した。その後、車両を屋外に駐車すると共に1週間ごとに約100kmをめどに実車走行した。試験開始後1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月経過後、それぞれ洗車した後試験開始直後と同様にして撥水性について確認し、コーティング効果の維持を確認した。なお、撥水性は水滴の形状を処理直後との比較を行い、水滴形状の変化を、初期と同様に良好な水滴を得た(◎)、初期と同様に良好な水滴であったがわずかに広がった(○)、初期と比べて水滴が広がった(△)、ほとんど水滴ができなかった(×)の4段階で評価し、その結果を表1に示す。なお、バフ研磨用組成物及び撥水性被膜形成剤については、以下に示す組成物を用いて試験を行った。
【0041】
〔バフ研磨用組成物〕
(実施例1)
成分名 配合量(重量%)
ソルビタンセスキオレエート(HLB:3.7) 1.0
ターペン油 25.0
アルミナ 10.0
水 59.0
エチレングリコール 5.0
計 100.0
【0042】
上記成分中、水にエチレングルコールを加えて撹拌溶解し、その後アルミナを加えて充分に分散させる。これとは別に、ターペン油中にソルビタンセスキオレエートを加えて均一に撹拌混合する。この液に前記分散液を加えて均一になるまで撹拌し、W/O型エマルジョンのバフ研摩用組成物を得た。
【0043】
(実施例2)
成分名 配合量(重量%)
ソルビタンセスキオレエート(HLB:3.7) 0.8
ジメチルポリシロキサン 5.0
アミノ変性ジメチルポリシロキサン 0.5
ターペン油 23.7
アルミナ 10.0
水 55.0
エチレングリコール 5.0
計 100.0
【0044】
上記成分中、水にエチレングルコールを加えて撹拌溶解し、その後アルミナを加えて充分に分散させる。これとは別に、ターペン油中にソルビタンセスキオレエートとジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサンを加えて均一に撹拌混合する。この液に前記分散液を加えて均一になるまで撹拌し、W/O型エマルジョンのバフ研摩用組成物を得た。
【0045】
(比較例)
成分名 配合量(重量%)
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 3.0
アルミナ 10.0
ターペン油 25.0
水 67.0
エチレングリコール 5.0
計 100.0
【0046】
上記成分中、水にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びエチレングリコールを加えて撹拌溶解し、アルミナを加えて均一になるまで十分に分散させる。さらに撹拌しながら、ターペン油を加えて撹拌し、O/W型エマルジョンのバフ研磨用組成物を得た。
【0047】
(撥水性被膜形成剤1)
成分名 配合量(重量%)
ターペン油 87.7
ポリエチレン系ワックス(分子量655) 3.0
カルナバワックス 0.3
ジメチルポリシロキサン(350cs) 3.5
粒状ポリテトラフルオロエチレン
(粒径約0.3μm、固形分50%) 5.0
メタクリル酸アルキルエステル共重合物
(固形分25%) 0.5
計 100.0
【0048】
上記成分分量を採り、約110℃で加熱して溶解し、その後室温まで冷却して分散液状の撥水性被膜形成剤1を得た。
【0049】
(撥水性被膜形成剤2)
成分名 配合量(重量%)
ターペン油 85.0
ポリエチレン系ワックス(分子量655) 2.0
ポリエチレン系ワックス(分子量500) 3.0
ジメチルポリシロキサン(1000cs) 1.5
ジメチルポリシロキサン(10cs) 3.0
粒状ポリテトラフルオロエチレン
(粒径約4μm、固形分50%) 5.0
OH変性フッ素系樹脂溶液(固形分45%) 0.5
計 100.0
【0050】
上記成分分量を採り、約110℃で加熱して溶解し、その後室温まで冷却して分散液状の撥水性被膜形成剤2を得た。
【0051】
(撥水性被膜形成剤3)
成分名 配合量(重量%)
ターペン油 94.0
カルナバワックス 3.0
ジメチルポリシロキサン(350cs) 3.0
計 100.0
【0052】
上記成分分量を採り、約110℃で加熱して溶解し、その後室温まで冷却して分散液状の撥水性被膜形成剤3を得た。
【0053】
〔試験結果〕
表1から分かるように、O/W型エマルジョンである表面研磨剤を用いた場合にあっては、ほとんどの撥水性被膜形成剤を用いた場合にも概ね1ヶ月経過した後には撥水性が見られず、またフッ素化合物を加えた撥水性被膜形成剤を用いた場合でも2ヶ月経過した後には撥水性が見られず、コーティング効果を持続できなかった。
【0054】
一方、本発明による方法においては、フッ素化合物が添加されていない撥水性被膜形成剤を用いた場合には徐々に撥水性が低下する傾向にあったが、1ヶ月乃至2ヶ月程度は十分にコーティング効果を維持することができた。また、フッ素化合物を加えることにより持続性が向上し、特にOH変性フッ素化合物を加えた場合にはより一層コーティング効果を維持することができた。
【0055】
【表1】
Figure 0004395628
【0056】
【発明の効果】
本発明による自動車塗装表面の処理方法によれば、W/O型エマルジョンであるバフ研摩用組成物を用いて研摩した後に撥水性被膜を形成しているので、その後に形成された撥水性被膜の効果を長期間に渡って維持できる。また、研摩屑等に妨げられることなく短時間で研摩作業を終えることができ、表面処理作業の効率も向上される。
【0057】
特に通常に用いられるワックス及び/又はシリコーン化合物を主成分とする撥水性被膜形成剤からなる撥水性被膜に有効な方法であり、さらにフッ素化合物を含有する被膜形成剤を用いることにより、自動車の塗装表面をより効果的に保護することができる。
【0058】
このように本発明にあっては、バフ研磨作業後に塗膜された撥水性被膜の持続性をより向上させるだけでなく、自動車塗装表面の作業効率をも向上させることができるものである。

Claims (2)

  1. 塗装表面をバフ研摩用組成物を用いて表面研摩した後、撥水性被膜を形成する自動車塗装表面の処理方法であって、
    前記バフ研摩用組成物として、界面活性剤、5〜20重量%の粒径が0.1〜50μmの研摩粒子、油性成分並びに60重量%以下の水を含有するW/O型エマルジョンを用い、
    前記撥水性被膜は、ワックス及びシリコーン化合物を主成分とし、かつ、水酸基で変成したフッ素化合物を含有する撥水性被膜形成剤を、塗装表面の表面研摩した後乾拭きすることなく、塗布することによって形成することを特徴とする自動車塗装表面の処理方法。
  2. 前記研摩粒子は、アルミナ、シリカ、カオリン、珪藻土からなる群から選ばれた何れか1種若しくは2種以上であることを特徴とする請求項1記載の自動車塗装表面の処理方法。
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