JP4393712B2 - 電池用炭素材料及び該炭素材料を用いた電池 - Google Patents

電池用炭素材料及び該炭素材料を用いた電池 Download PDF

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彰孝 須藤
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム電池用炭素材料に関し、特に放電容量及び充放電効率が高く、サイクル特性に優れたリチウム電池用炭素材料に関する。
本明細書は日本国への特許出願(特願平10−287397)に基づくものであり、当該日本出願の記載内容は本明細書の一部として取りこまれるものとする。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話、小型ビデオカメラ、携帯型ノートパソコン等のポータブル機器の発展が著しく、それに使用する電源としてNi−水素二次電池やリチウム二次電池等の小型二次電池の需要が高まっている。
【0003】
特に最も卑な金属であるリチウムを用いた非水溶媒系のリチウム電池は、小型、軽量、かつ高エネルギー密度の電池を実現できる可能性が高く、盛んに開発されている。
【0004】
しかし金属リチウムを負極として用いたリチウム二次電池は、充放電を繰り返すことにより、デンドライト状の針状リチウム結晶を生じやすく、それがセパレーターを突き破って短絡しショートすることがあった。
【0005】
その問題を解決する有効な方法として、負極に炭化あるいは黒鉛化された炭素材料を用い、リチウムイオンを含有する非水溶媒を電解液とするリチウムイオン二次電池が提案され実用化されている。
【0006】
すなわち、炭素内にリチウムイオンがドーピング、挿入(インターカレーション)等をした場合充電、脱ドーピング、放出(デインターカレーション)した場合放電となるように充放電反応を起こさせることで、金属リチウムの析出を抑制し、完全に使用することを可能にしたのである。ただしこの反応機構については盛んに研究されているものの現時点では完全に解明されていない。このリチウム二次電池は負極に天然黒鉛、人造黒鉛、ピッチ系炭素粒子、ピッチ系炭素繊維、気相法炭素繊維から、更に難黒鉛系の低温処理焼成品などの炭素材料を、その活物質にリチウムを用いる。
【0007】
リチウム電池において放電容量を高めるためには、できるだけ炭素内に取込まれるリチウムの量を多くする必要がある。また取込まれたリチウムは放電時に容易に放出される必要があり、この取込みと放出とが円滑に行われ、繰り返しによっても両者のバランスがあまり変わらないのが望ましい。それによって電流効率が高く、またサイクル寿命が長くなる。
【0008】
炭素(黒鉛)材料に取込まれるリチウムの量は黒鉛の結晶性が高い程多くなると云われている。一般に黒鉛の結晶性は、黒鉛化温度が高い程よくなるが、通常黒鉛化温度は3200℃位が限度であり、温度条件だけでは黒鉛の結晶化には一定の限界がある。これを打開するために特開平8−31422に記載された方法では、炭素粉末にほう素(B)を添加し、黒鉛化処理することにより結晶性を上げている。また特開平9−259886に記載された方法では、特殊な炭素を処理することにより黒鉛粉末の結晶性をよくするとともに比表面積を小さくしている。
【0009】
リチウム電池において黒鉛粉末はバインダーを用いてペーストにし、これを金属箔又は金属メッシュ等に塗布成形して電極(負極)にされるが、その粉末は比表面積が小さい方が望ましいとされている。その理由は、黒鉛の粉末表面には電解液等からなる不動態皮膜が形成され、それが粉末の比表面積が大きくなるにしたがって多くなるからである。この不動態皮膜の生成は、リチウムの利用効率を下げる大きな要因となっている。炭素材料は、活性が高いと電解液を分解し、サイクル寿命を短くするので、できるだけ活性は低い方が望ましい。それには化学的な活性(反応性)の低い炭素材料を用いること、また比表面積は小さい方がよい。さらに、粉体の比表面積が大きくなると極板に成形するときのバインダーの使用量が多くなり、それだけ黒鉛粒子がバインダーにより被覆される割合が高くなる。その結果、黒鉛粒子と電解液との接触割合が低下するために、充放電容量が低下する。
【0010】
電池は高容量になればなるほど、大量の電流を充放電するので、従来にも増して、高い電極の導電性が要求される。即ち、材料の導電性が悪かったり、塗布性が不良で、大量のバインダーを要する材料では、電極板自体の抵抗値も高くなり、放電容量やクーロン効率の低下を招くだけでなく、発熱量のアップや部分的な発熱、また、デンドライトの生成の危険性があり、安全上も好ましくない。そのため、炭素自身の導電性が良く、塗布性能も優れた材料であり且つ、充放電能力も共に向上できる炭素材料の開発が必要となる。黒鉛粉末を得る方法については、コークス等を粉砕してから黒鉛化する方法と、黒鉛化してから粉砕する方法があり、特開平6−295725では後者の方法を採用している。黒鉛化処理した後、粉砕すると、結晶がよく発達し、硬く強度があるために粉砕が容易ではない。しかも、黒鉛材を粉砕するには、大きな力が必要であるだけでなく、力を加えれば加えるほど粉砕時に微粉が多く発生し、粒子の形状が鱗片状に成り易く、アスペクト比も大きくなる。そしてアスペクト比が大きいということは板状晶の粉末が多いことにつながり、粉末の比表面積が大きくなって電池の性能が低下する。
【0011】
黒鉛の結晶性を高め、また黒鉛粉末の比表面積を小さくすることにより、放電容量を上げることができるが、それだけでは十分ではない。黒鉛粉末の形状に由来する電解液の浸透性、あるいは電極に形成する際の黒鉛粒子の充填率なども電池特性に関与する。上記の特許ではこのような問題については特に触れられていない。その他、黒鉛粉末の活性(反応性)、導電性なども考慮する必要がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、黒鉛化される前の炭素粉末特性をあらかじめ制御することにより、放電容量が大きく、充放電効率、サイクル特性に優れ、塗布性能が良好で、更に電極中の炭素密度を高められるリチウム電池用炭素材料を提供することを目的とする。さらに本発明は活性の低い炭素材料、粉末の電気比抵抗の低い炭素材料を提供することを目的とする。また、それら炭素材料を原料として用いた負極用ペースト、及びそれらを主原料に用いた負極を使用した電池を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の各発明からなる。
(1)1200℃を超える熱履歴をもたない非針状コークスをレーザー回折散乱法による平均粒径10〜25μmの粒子に粉砕及び分級し、次いで2500〜3200℃の温度で黒鉛化することを特徴とする製造方法で得られた、比表面積が3m/g以下、アスペクト比が6以下、タッピング密度が0.8g/cm以上、酸化開始温度が600℃以上、及び嵩密度が1.5g/cm としたときの加圧方向に対して直角方向の粉末電気比抵抗が0.06Ωcm以下である黒鉛粉末からなるリチウム電池用炭素材料。
)黒鉛粉末のレーザー回折散乱法による平均粒径が8〜30μmである上記(1)に記載のリチウム電池用炭素材料。
)黒鉛粉末がレーザー回折散乱法による粒径3μm以下及び/または53μm以上の粒子を実質的に含まない上記(1)または(2)に記載のリチウム電池用炭素材料。
)黒鉛粉末のCo値が6.745Å以下である上記(1)〜()のいずれかに記載のリチウム電池用炭素材料。
)黒鉛粉末にほう素を含む上記(1)〜()のいずれかに記載のリチウム電池用炭素材料。
)上記(1)〜()のいずれかに記載の黒鉛粉末を主原料とし、ポリビニリデンフルオライド粉末を添加、混練した電池負極用ペースト。
)上記(1)〜()のいずれかに記載の黒鉛粉末を負極の主原料として作製された電池。
)上記(1)〜()のいずれかに記載の黒鉛粉末を負極の主原料として作製されたリチウム電池。
(9)1200℃を超える熱履歴をもたない非針状コークスをレーザー回折散乱法による平均粒径10〜25μmの粒子に粉砕及び分級し、次いで2500〜3200℃の温度で黒鉛化することを特徴とするリチウム電池用炭素材料の製造方法。
(10)1200℃を超える熱履歴をもたない非針状コークスをレーザー回折散乱法による平均粒径10〜25μmに粉砕及び分級し、その後にほう素化合物を添加し、次いで2500〜3200℃の温度で黒鉛化することを特徴とするリチウム電池用炭素材料の製造方法。
【0014】
本発明の黒鉛粉末はアスペクト比が小さいことから、粒子は鱗片状のものが少ない。粒子が鱗片状であると、電極の表面層で粒子が面に沿って配列し、そのために電解液の浸透性が悪くなる。本発明の黒鉛粉末の粒子は、球状に近いものなので、電解液の浸透性は良好である。
また鱗片状粒子が少ないこと、及び粒径が5μm以下のような微細な粒子を除く等により、粉末の嵩密度が高い。嵩密度が高ければ、単位容積当りの黒鉛粒子が多く、したがってリチウムのインターカレーション率を挙げることができる。
本発明の黒鉛粉末は、コークス等を粉砕後に黒鉛化すること、及び微細な粒子を除く等により、比表面積が小さく、そのために粒子表面に電解液による不動態皮膜が形成されることがなく、また比表面積が小さいことから、電極形成の際、バインダーが少なくてすみ、黒鉛粒子と電解液との接触がバインダーによって妨げられることが少ない。
またコークス等の粉末にほう素を添加し、黒鉛化することにより黒鉛化度(結晶性)を上げることができ、これによって黒鉛格子内へのリチウムのインターカレーション率が高まる。
今一つの重要な発明はBを添加することによって、耐酸化性を向上させたことと、粉体の電気抵抗を下げ、導電性を著しく向上させたことである。
そして、耐酸化性の向上は粒子表面の活性を低下させることに、また導電性の向上はインターカレーション能力アップにつながる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の第1は上記した特定の比表面積、アスペクト比、タッピング嵩密度を有する黒鉛粉末からなるリチウム電池用炭素材料であり、この炭素材料は特にリチウム電池の負極として適したものである。
【0016】
リチウム電池の電極では黒鉛粉末の比表面積は小さい方がよい。本発明の黒鉛粉末の比表面積(BET法)は3m/g以下である。比表面積が3m/gを超えると、黒鉛粉末の表面活性が高くなり、電解液の分解等によって、クーロン効率が低下する。更には、電極に成形する際にバインダーを多く必要とし、バインダーによる黒鉛粒子の被覆率が高くなり、電池の放電容量が低下する。また前記したように、活性が高くなると電解液等による黒鉛粒子表面が不動態化し、性能低下も起り易くなる。この比表面積を小さくするには、粒子径、粒子形状、粒度分布、表面性状等は重要な因子であり、中でもできるだけ球状に近い粒子にすることが好ましい。
【0017】
更に電池の容量を高めるためには、黒鉛粒子の充填密度を上げることが重要である。そのためにも黒鉛粉末粒子は鱗片状でなく、できるだけ球状に近いものが好ましい。この粒子の形状をアスペクト比で表わすと、本発明の黒鉛粉末粒子のアスペクト比は6以下、好ましくは5以下である。アスペクト比は、一般に粒子の(長軸の長さ)/(短軸の長さ)の比で表わされ、その値は粒子の顕微鏡写真等から求めることもできるが、本発明ではアスペクト比を次のようにして算出した。
【0018】
まず、レーザー回折散乱法で算出した平均粒子径Aと、電気的検地法(コールタ・カウンタ法)により算出した平均粒子径Bを求める。ここで各測定原理から、Aは粒子の最大長さとした球の直径、Bは粒子と体積を同じにした球の直径と見なせる。そして粒子を円板と仮定し、この円板の底面直径をA、体積を4/3×(B/2)π=Cとした場合、円板の厚みT=C/(A/2)πで算出できる。したがってアスペクト比はA/Tで得られる。
【0019】
一般に、黒鉛を粉砕すると、鱗片状になる場合が多く、特に高温処理すればする程、黒鉛化後に粉砕した際に鱗片状になり易い傾向がある。またその粉末は粒度が細かいもの程、粉砕に強力な力がかかるため、鱗片状になり易い。電池の電極板は、黒鉛粉末を含むペーストを、アルミ等の金属メッシュあるいは金属板の表面に塗布し、圧着して作られるが、その際に黒鉛粉末のアスペクト比が6を超えると、鱗片状黒鉛粒子が配向し、表面が鏡面のようになる傾向がある。その結果、電極板中への電解液の浸透性が悪くなり、電池の放電容量が下がる。また鱗片状黒鉛は粒子充填性が悪く、電極中の黒鉛密度を下げることにもなる。
【0020】
リチウム電池の電極となる黒鉛粉末は、できるだけ充填性がよい。即ち嵩密度が高い程、電池の放電容量は高くなる。本発明の黒鉛粉末はタッピング嵩密度が0.8g/cm以上、好ましくは0.9g/cm以上である。
【0021】
本発明におけるタッピング嵩密度は次のようにして測定する。
【0022】
まず、一定量の黒鉛粉末(6.0g)を秤量して、15mmφの測定用セルに入れ、タッピング装置にセットする。落下高さを45mm、タッピング速度を2sec/回とし、400回自由落下させた後、その体積を測定する。そして重量と体積の関係から嵩密度を算出する。
【0023】
黒鉛粉末のタッピング嵩密度は、粉末の粒径、形状、更には表面性状等に関係し、粒子の平均粒径が同一でも粒度分布によって異なる。従って、鱗片状の粒子が多かったり、微粉が多いとタッピング嵩密度は上らない。例えば、単に黒鉛材料を平均粒径10〜30μm程度に粉砕したのでは、微粉が多く含まれ、タッピング嵩密度を0.8g/cm以上にすることはかなり困難である。本発明の黒鉛粉末は微粉はできるだけ少なく、タッピング嵩密度は高いがアスペクト比が上記したように黒鉛粉末としては小さく、即ち鱗片状でないが、あるいは鱗片の程度が低いので電解液の浸透を妨げるようなことはないし、充填密度も高くできる。
【0024】
リチウム電池に使用される黒鉛粉末は、上記したように活性が低い方がよい。また導電性は高いほうがよい。この活性の指標として、黒鉛粉末の酸化開始温度を取り上げることができる。活性が高いと一般的には酸化開始温度が低い。
【0025】
上記した比表面積、アスペクト比、タッピング嵩密度をもつ本発明の黒鉛粉末は酸化開始温度(測定条件は後述)が好ましくは600℃以上であり、また電気比抵抗(測定条件は後述)で表わした導電性は、好ましくは0.06Ωcm以下である。
【0026】
本発明の第2は、前記した特定の酸化開始温度とタッピング嵩密度とを有するリチウム電池用炭素材料である。黒鉛粉末の酸化開始温度は、黒鉛の活性度の一つの尺度であり、酸化開始温度が高いものは活性度が低く電池として望ましい。
【0027】
本発明において、酸化開始温度は以下の測定法及び条件で測定するものとする。即ち通常のTG/DTA測定装置(熱重量測定/示差熱分析)を用いて、Air気流中で温度上昇させたときの酸化による発熱量と重量減を測定する。このときの定性的な状態を図1に示す。図1において、横軸は所定の昇温速度による温度、曲線Aは示差熱分析による発熱量曲線(縦軸左対応)、曲線Bは熱重量測定による重量減曲線(縦軸右対応)である。試料を昇温していくと酸化により発熱し、その開始温度が図1のT点に現れる。また試料が酸化されると重量減が生じ、曲線Bのようになるが、重量減はT点よりやや遅れ、しかもその減少開始点も発熱量の開始点ほど鋭敏でない。そこで本発明では、この発熱量の開始点Tをもって酸化開始温度とする。測定条件は試料5mgで、空気の流量は100ml/min.、昇温速度は10℃/min.である。試料はリチウム電池に使用される夫々の粒度の黒鉛粉末である。したがって、同じ材料の黒鉛粉末であっても、例えば粒度が小さくなると、多少酸化開始温度は低くなる傾向がある。
【0028】
上記の測定法において、本発明の第2の黒鉛粉末の酸化開始温度は、600℃以上である。酸化開始温度は、黒鉛粉末の化学的な活性のみならず、粉末形状、比表面積等にも関係する。化学的な活性を低くするには、コークス等の易黒鉛化炭素材料等を原料とした黒鉛が好ましい。粉末の形状については、前記の規定によるアスペクト比が6以下が好ましく、また比表面積は3m/g以下が好ましい。
【0029】
黒鉛粉末の嵩密度は、電池の容量を高めるため、第1発明同様0.8g/cm以上、好ましくは0.9g/cm以上とする。また後述する黒鉛粉末の電気比抵抗を0.06Ωcm以下とすることもできる。
【0030】
本発明の第3は、前記した特定の電気比抵抗、比表面積、タッピング嵩密度とを有するリチウム電池用炭素材料である。黒鉛粉末の電気比抵抗が高い、即ち導電性か低いと、電池の放電容量やクーロン効率の低下を招くだけでなく、発熱量が増大する。第3の発明における電気比抵抗は、0.06Ωcm以下である。この電気比抵抗は次のようにして測定する。その測定法を図2に示す。
【0031】
図2において1は銅板からなる電極、2は樹脂からなる圧縮ロッド、3は受け台、4は側枠で、いずれも樹脂からなる。5は試料の黒鉛粉末である。6は試料の下端で、紙面に垂直方向の中央部に設けられている電圧測定端子である。
この図2に示す四端子法を用いて、以下のようにして試料の電気比抵抗を測定する。試料を圧縮ロッド2により圧縮する。電極1より電流(I)を流す。端子6により端子間の電圧(V)を測定する。このときの電圧は試料を圧縮ロッドにより嵩密度を1.5g/cmとしたときの値を用いる。試料の電気抵抗(端子間)をR(Ω)とするとR=V/Iとなる。これからρ=R・S/Lにより電気比抵抗を求めることができる。(ρ:電気比抵抗、S=試料の通電方向、即ち加圧方向に対し、直角方向の断面積(cm)、Lは端子6間の距離(cm)である。)実際の測定では試料は直角方向の断面は横が約1cm、縦(高さ)が約0.5〜1cm、通電方向の長さ4cm、端子間の距離(L)は1cmである。
【0032】
黒鉛粉末の導電性を高めるには、黒鉛自体の導電性を高めることが必要であり、そのためには結晶性の向上が必要である。そのため、例えば、易黒鉛化性の原料から製造された黒鉛を用いたり、あるいは黒鉛化の温度を高める。さらにほう素(B)等の黒鉛化触媒を用いて、黒鉛の結晶性を高めることも効果がある。また黒鉛の粒子同士の接点数を少なくすること、即ち微粉の含有量を少なくすることも有効である。導電性の点からは、黒鉛粒子は大きい方がよいが、電池の電極として塗布される黒鉛粉末の層の厚さには制限があり、あまり大きな黒鉛粒子を用いることはできない。したがって、電極として支障のない範囲で、黒鉛粉末の平均粒径をできるだけ大きくする。
【0033】
第3の発明における比表面積、タッピング嵩密度は、第1の発明と同様、夫々3m/g以下、0.8g/cm以上、好ましくは0.9g/cm以上である。またアスペクト比は6以下が好ましく、さらに好ましくは5以下である。さらに黒鉛粉末の酸化開始温度を、前記同様600℃以上とすることができる。
【0034】
本発明(上記の第1〜第3の発明)の黒鉛粉末は、できるだけ結晶性がよいものが望ましく、六角網面層が積み重なった黒鉛構造の格子間隔(Co)が6.745Å以下が好ましく、より好ましくは6.730Å以下、さらに好ましくは6.720Å以下である。このように黒鉛粉末の結晶化を高めることにより電池の充放電容量が向上し、また電気比抵抗を下げることができる。
黒鉛粉末にはほう素(B)、ベリリウム、アルミニウム、ケイ素、その他の黒鉛化触媒を含有させることができる。なかでも、ほう素は効果的で炭素粉末にBを添加し、黒鉛化すると黒鉛化度(結晶化度)が上り、Co値が小さくなる。また同じ結晶化度の黒鉛にするのにBを添加した場合は、添加しない場合に比べて処理温度を低くできる。Bの含有量は黒鉛結晶内に固溶する範囲でよく、それ以上多くしても触媒としての作用は上らない。その上限は10重量%程度である。即ち本発明の黒鉛粉末にはBを10重量%以下程度、好ましくは5重量%以下含有させることができる。
【0035】
本発明における黒鉛粉末の粒度は、平均粒径で8〜30μmが好ましく、さらに好ましくは10〜25μmである。この平均粒径は、レーザー回折散乱法、具体的には日機装(株)製のマイクロトラックHRA装置で測定した。その測定条件は、サンプル50mgを秤量し、50mlの蒸留水に添加する。更に2%Triton(界面活性剤)水溶液0.2mlを加えて3分間超音波分散させた後、本装置で測定したものである。
【0036】
黒鉛粉末の平均粒径が8μmより小さいと、アスペクト比が大きくなり易いだけでなく、比表面積が大きくなり、その値を本発明の範囲である3m/g以下とするのが難しくなり、また粉末のタッピング嵩密度も上らない。その結果電圧の平坦性が悪く、電池を組み難くなる。電圧の平坦性とは、充放電カーブの平坦性のことである。即ち金属Liを基準電極とし、炭素電極にLiをインターカレーション/デインターカレーションさせることで、定電流充放電を行う電池の場合、この充放電カーブには100mV付近にプラトーな領域が長く続く。この部分の電圧変化が小さく、長いことが好ましく、平坦性の指標になる。電池の容量は、このプラトー領域とそれに続く急激な電圧上昇をともなった粒子表面へのLiの吸着/脱離によるトラッピングの領域との和になる。トラッピング領域は粒子の表面積が大きくなると増大し、結果として平坦性の低下を招く。そして平坦性の低下は、電池に組んだ場合電圧変動となって現れ、安定した電圧を必要とする装置の場合には、使用できる領域がせばめられて容量低下となるので好ましくない。
【0037】
黒鉛粉末を用いて電極を形成するには、一般に黒鉛粉末をバインダーによりペーストとし、それを金属板等の上に塗布する方法が採られている。粉末の平均粒径が8μm未満の場合だと、8μmより小さい微粉がかなり含まれていることになり、ペーストの粘性が上り塗布性も悪くなる。したがってこの点からも粉末の平均粒径は8μm以上が好ましい。また平均粒径が8μmより小さかったり、あるいは3μmより小さい粒子を含むと粉末の活性が高くなり、また粉末の電気比抵抗が高くなる。この場合に粒径が8μm未満の粒子は分級等により除去すればさらに好ましい。
【0038】
黒鉛粉末の粒度の上限は、上記のペーストにより形成される黒鉛粉末層の厚さが通常50〜200μm程度であるので、この点から制限される。黒鉛粒子をできるだけ均一に分布させるには、黒鉛粉末の平均粒径は30μm以下が好ましい。さらに黒鉛粉末の中に53μm以上のような大きな粒子が混入していると電極表面に凹凸が多くなり、電池に使用されるセパレーターを傷つける原因ともなる。
【0039】
これらのことから、本発明の黒鉛粉末は平均粒径が8〜30μmが好ましく、さらに好ましくは3μm以下の粒子及び/または53μm以上の粒子を除去し、これらの粒子が実質的に含まない(5重量%以下)黒鉛粉末である。3μm以下の粒子及び53μm以上の粒子を除いた場合の黒鉛粉末の平均粒径は10〜25μmとなる。
【0040】
本発明の黒鉛粉末は以下のようにして製造することができる。
【0041】
黒鉛粉末を得るには、通常は先ずコークスを製造する。コークスの原料は石油系ピッチ、石炭系のピッチなどが用いられる。これらの原料を炭化してコークスとする。コークスから黒鉛粉末にするには一般的にはコークスを粉砕後黒鉛化処理する方法、コークス自体を黒鉛化した後粉砕する方法、あるいはコークスにバインダーを加え成形、焼成した焼成品(コークス及びこの焼成品を併せてコークス等という)を黒鉛化処理後粉砕して粉末とする方法等がある。
【0042】
ところがコークス等を黒鉛化後に粉砕すると、結晶が発達しているので、粉砕した際に鱗片状の粉末になり易い。したがって本発明においてアスペクト比の小さい、即ちできるだけ球状に近い粉末粒子とするためには、黒鉛化していないコークス等を粉砕し、これを分級等して所定の粒度と比表面積に調整した後、これを黒鉛化処理するのが望ましい。原料のコークス等はできるだけ、結晶の発達していない方が良いので、2000℃以下、好ましくは1200℃以下で加熱処理したものが適する。
【0043】
また粉砕後のアスペクト比は、原料コークスの種類によっても異なる。コークスには易黒鉛化性のいわゆる針状コークスと、これよりも黒鉛化性の悪い非針状コークスがあることが知られている。本発明者の知見によればコークスを粉砕し、粉末とする場合、非針状コークスがアスペクト比の小さい、即ち球状により近い粉末粒子を得るのに適していることがわかった。したがって原料コークスとしては2000℃以下、好ましくは1200℃以下で加熱処理した非針状コークスが好ましい。
【0044】
コークス等の粉末を黒鉛化処理すると結晶化が進むだけでなく、同時に粒子の表面積が小さくなり、この点においても都合がよいことを見出した。例えばコークスを粉砕して得た平均粒径約10μmのコークス粉末の比表面積は約14m/gであるが、これを2800℃以上で黒鉛化すると、比表面積は2〜3m/gとなる。しかし、黒鉛化してから粉砕した場合には、粒径によっても異なるが、少なくとも5m/g以上、場合によっては10m/g以上になる。これに比較して、粉砕後に黒鉛化する方法では、黒鉛化するときに炭素原子が再配列され、また高温で表面の一部が蒸発することによって、表面が清浄あるいは平滑化されたため、比表面積が低下すると考えられる。
【0045】
コークス等の粉砕には、高速回転粉砕機(ハンマーミル、ピンミル、ケージミル)や、各種ボールミル(転動ミル、振動ミル、遊星ミル)、撹拝ミル(ビーズミル、アトライター、流通管型ミル、アニュラーミル)等が使用できる。また、微粉砕機のスクリーンミル、ターボミル、スーパーミクロンミル、ジェットミルでも条件を選定することによって使用可能である。
【0046】
これらの粉砕機を用いてコークス等を粉砕し、その際の粉砕条件の選定、及び必要により粉末を分級し、平均粒子径が好ましくは8〜30μmの範囲に入るようにする。さらに好ましくは粒径が3μm以下及び/または53μm以上の粒子を実質的に除去し、これらの粒子が各々5重量%以下、好ましくは1重量%以下になるようにする。3μm以下の粒子及び53μm以上の粒子を除いた場合の平均粒径は10〜25μmとなる。
【0047】
コークス粉末等を分級する方法としては、分離が可能であれば何れでも良いが、例えば、箭分法や強制渦流型遠心分級機(ミクロンセパレーター、ターボプレックス、ターボクラシファイアー、スーパーセパレーター)、慣性分級機(改良型バーチュウアルインパクター、エルボジェット)等の気流分級機が使用できる。また湿式の沈降分離法や遠心分級法等も使用できる。
【0048】
コークス等の粉末の黒鉛化温度は高い方が好ましいが、装置等の制約があるので、2500〜3200℃の範囲が好ましい。黒鉛化方法は、コークス等の粉末を黒鉛ルツボに入れ直接通電するアチソン炉を用いる方法、黒鉛発熱体により粉末を加熱する方法等を用いることができる。
【0049】
黒鉛粉末にほう素(B)を含有させる場合は、コークス等の粉末にほう素源としてB単体、HBO、B、BC、BN等を添加し、よく混合して黒鉛化する。B化合物の混合が不均一だと、製品自体が不均一になるだけでなく、黒鉛化時に焼結する可能性が高くなる。しかも、Bの添加量も少ないので、これらのほう素源は50μm以下、好ましくは20μm以下程度の粉末にしてコークス等の粉末に混合することが好ましい。ほう素の量は、黒鉛粉末に10重量%以下を含有させれば十分であるので、コークス等に添加するほう素源の量は黒鉛化後の黒鉛粉末中にB元素として10重量%以下になるように定める。
【0050】
黒鉛粉末の比表面積は上記した平均粒径の制御、微細な粒子の除去、コークス粉砕後の粉末の黒鉛化及びこれらの組み合せにより、3m/g以下とすることができる。
【0051】
黒鉛粉末粒子のアスペクト比は、結晶が十分に発達していない黒鉛化前のコークス等を粉砕することにより、鱗片状の粒子を少なくすることによって小さくすることができ、また3μm以下のような微粉を除くことによっても大きくなる。これらの方法によって、黒鉛粉末のアスペクト比を6以下、好ましくは5以下とすることができる。
【0052】
黒鉛粉末の嵩密度は、アスペクト比が小さいもの程高くなる。粒径については、微細な粒子が多いと嵩密度は小さくなる。同じ平均粒径の粉末でも粒度分布によっても変わる。また粉砕後に黒鉛化することにより、結晶化が進むと同時に表面が平滑化され、凹凸が少なくなることによっても嵩密度が高くなる。
【0053】
上記のようなアスペクト比及び平均粒径の制御、分級等による粒度分布の調整等によってタッピング嵩密度を高め0.8g/cm以上、好ましくは0.9g/cm以上とする。
【0054】
本発明の電池は、上述の黒鉛粉末を負極の主原料として作製された電池である。
【0055】
本発明の電池において、正極材料は、金属酸化物、金属硫化物、導電性高分子あるいは炭素材科のような高酸化還元電位の電極活物貫(正極活物質)を用いることにより、高電圧、高容量の電池が得られるので好ましい。このような電極活物質の中では、充填密度が高くなり、体積容量密度が高くなるという点では、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化バナジウム、酸化ニッケル、酸化モリブデン等の金属酸化物、硫化モリブデン、硫化チタン、硫化バナジウム等の金属硫化物が好ましく、特に酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化コバルト等が高容量、高電圧という点から好ましい。
【0056】
この場合の金属酸化物や金属硫化物を製造する方法は特に限定されず、例えば、「電気化学、第22巻、574頁、1954年」に記載されているような、一般的な電解法や加熱法によって製造される。また、これらを電極活物質としてリチウム電池に使用する場合、電池の製造時に、例えば、LiCoOやLiMnO等の形でLi元素を金層酸化物あるいは金属硫化物に挿入(複合)した状態で用いるのが好ましい。このようにLi元素を挿入する方法は特に限定されず、例えば、電気化学的にLiイオンを挿入する方法や、米国特許第4357215号に記載されているように、LiCO等の塩と金属酸化物を混合、加熱処理することによって実施できる。
【0057】
また柔軟で、薄膜にし易いという点では、正極材料として、導電性高分子が好ましい。導電性高分子の例としては、ポリアニリン、ポリアセチレン及びその誘導体、ポリパラフェニレン及びその誘導体、ポリピロール(ポリピロリレン)及びその誘導体、ポリチエニレン及びその誘導体、ポリピリジンジイル及びその誘導体、ポリイソチアナフテニレン及びその誘導体、ポリフリレン及びその誘導体、ポリセレノフェン及びその誘導体、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリフリレンビニレン、ポリナフテレンビニレン、ポリセレノフェンビニレン、ポリピリジンジイルビニレン等のポリアリーレンビニレン及びそれらの誘導体等が挙げられる。中でも有機溶媒に可溶性のアニリン誘導体の重合体が特に好ましい。これらの電池あるいは電極において電極活物質として用いられる導電性高分子は、化学的あるいは電気化学的方法あるいはその他の公知の方法に従って製造される。
【0058】
また、その他の有機物として2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールのようなジスルフィド化合物及びこれらと導電性高分子の混合物が高容量であるため好ましい。
【0059】
本発明において利用される電解液としては、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のオリゴエーテル類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、炭酸ビニレン、(メタ)アクリロイルカーボネート等のカーボネート類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、ベンゾニトリル、トルニトリル等の芳香族ニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N−ビニルピロリドン、スルホラン等の含硫黄または含窒素化合物、リン酸エステル類、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類が挙げられる。この中で、オリゴエーテル類及びカーボネート類及びラクトン類が好ましい。
【0060】
セパレーターとしては、ポリエチレン製多孔質膜(PE)、ポリプロピレン製多孔質膜(PP)、PP/PE/PP多孔質膜、及びエチレンオキサイド基を含む高分子固体電解質フィルムが使用される。
【0061】
電解質塩として用いられるアルカリ金属塩の例としては、例えばLiCFSO、LiPF,LiPF,LiClO,LiI,LiBF,LiSCN,LiAsF、LiN(CFSO等をあげることができる。
【0062】
【実施例】
以下実施例により、本発明を具体的に説明する。
【0063】
以下の実施例、比較例に用いたコークスは非針状コークス(仮焼品)である新日鉄化学(株)製LPC−Sコークス(以下コークスAという)と針状コークス(仮焼晶)である同社製LPC−ULコークス(以下コークスBという)である。夫々の実施例、比較例において上記コークス30kgを試験に供した。(電池特性の測定)
【0064】
以下の実施例、比較例における電池特性の測定にあたっては、すべて次のような電池を作成し、同条件にて行った。
【0065】
黒鉛粉末に対してポリビニリデンフルオライド粉末を3重量%添加し、これに少量のN−メチルピロリドン(NMP)を用いて混練し、銅メッシュ上に圧着乾燥して電極とした。この電極の特性を評価するために対極、参照極にリチウム金属を用いた三極セルを作製した。
【0066】
電解液には1モル/リットルのLiPFを溶解したエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶液(体積比で1:1)を用いた。電池の組立ては、露点−60℃以下に乾燥しAr雰囲気に調整したグローブボックス中で行った。電池の充放電は電位を0〜1.5Vの範囲で規制し、充放電とも電流密度0.2mA/cmで実施した。表において充放電効率は充電した電気容量に対して放電した電気容量の割合を示す。
【0067】
[実施例1]
コークスAをパルベライザー(ホソカワミクロン(株)製)で2〜3mm以下の大きさに粗粉砕した。この粗粉砕品をジェットミル(IDS2UR、日本ニューマチック(株)製)で微粉砕した。このとき連続して35μm以上の粗粉の96%(%は重量%、以下同じ)を除去した。次にターボクラシファイアー(TC15N日清エンジニアリング(株)製)で気流分級し、5μm以下の微粒子を除去した。このときの粒子の平均アスペクト比は4.0であった。この微粉砕品の一部15kgを内径40cm、容積40リットルの蓋付き黒鉛ルツボに封入し、黒鉛ヒーターを用いる黒鉛化炉に入れて2800℃の温度で黒鉛化した。これを放冷後粉末を取り出し、14kgの粉末を得た。この粉末をASTM規格270メッシュ(53μm)を用いて黒鉛化の際凝集してわずかに生じた53μm以上の粒子を除去した。得られた黒鉛粉末の特性を表1に示す。
【0068】
本粉末は粉砕して粒子制御した後黒鉛化したものであり、比表面積、アスペクト比、嵩密度ともに良好で、塗布性に優れ、カーボン密度があげられる粉末であった。しかしホウ素(B)を使っていないだけ、放電容量は281mAh/g程度であった。しかし比較例1と比べると放電容量は高かった。
【0069】
[実施例2]
コークスAをパルベライザー(ホソカワミクロン(株)製)で2〜3mm以下の大きさに粗粉砕した。この粗粉砕品をジェットミル(IDS2UR、日本ニューマチック(株)製)で微粉砕した。このとき連続して、50μm以上の粗粉の95%を除去した。ターボクラシファイアー(TC15N、日清エンジニアリング(株)製)で気流分級し、5μm以下の微粒子を除去した。このときの粒子の平均アスペクト比は3.9であった。この微粉砕品の一部15kgを、内径40cm、容積40リットルの蓋付き黒鉛ルツボに封入し、アチソン炉に入れて2900℃の温度で黒鉛化した。これを放冷後粉末を取り出し、スパルタンリューザーを用いて解砕し14kgの粉末を得た。この粉末をASTM規格270メッシュ(53μm)を用いて53μm以上の粒子を除去した。得られた黒鉛粉末の特性を表1に示す。実施例1と同様に粉砕後黒鉛化ので、比表面積、アスペクト比、嵩密度ともに良好な粉末であった。
【0070】
[実施例3]
コークスAをパルベライザー(ホソカワミクロン(株)製)で2〜3mm以下の大きさに粗粉砕した。この粗粉砕品をジェットミル(IDS2UR、日本ニューマチック(株)製)で微粉砕した。このとき連続して50μm以上の粗粉の95%を除去した。ターボクラシファイアー(TC15N、日清エンジニアリング(株)製)で気流分級し、5μm以下の粒子を除去した。このときの粒子の平均アスペクト比は4.0であった。この微粉砕品の一部14.4kgに炭化ホウ素(BC)0.6kgを加え、ヘンシェルミキサーにて800rpmで5分間混合した。これを内径40cm、容積40リットルの蓋付き黒鉛ルツボに封入し、黒鉛ヒーターを用いた黒鉛化炉に入れて2900℃の温度で黒鉛化した。これを放冷後、粉末を取り出し、14kgの粉末を得た。この粉末をASTM規格270メッシュ(53μm)を用いて53μm以上の粒子を除去した。得られた黒鉛粉末の特性を表1に示す。
【0071】
この例は粉砕し、粒度調整した後、BCを加えて黒鉛化しているので、塗布性に優れ、かつ放電容量335mAh/g、初期効率91.%と電池性能も優れた、負極材が得られた。更に粉体抵抗が0.0030Ωcmと小さく、又酸化開始温度が631℃と高く、通常のコークス系の黒鉛化粉では得られない、導電性が優れ、安定性の優れた材料であった。
【0072】
[実施例4]
コークスAをパルベライザー(ホソカワミクロン(株)製)で2〜3mm以下の大きさに粗粉砕した。
【0073】
この粗粉砕品をジェットミル(IDS2UR日本ニューマチック(株)製)で微粉砕した。このとき連続して50μm以上の粗粉の95%を除去した。このときの粒子の平均アスペクト比は3.9であった。この微粉砕品に、4wt%のBCを混合し、その一部15kgを内径40cm、容積40リットルの蓋付き黒鉛ルツボに封入し、黒鉛ヒーターを用いた黒鉛化炉に入れて、2800℃の温度で黒鉛化した。これを放冷後、粉末を取り出し、14kgの粉末を得た。この粉末をASTM規格270メッシュ(53μm)を用いて53μm以上の粒子を除去した。得られた黒鉛粉末の特性を表1に示す。実施例3と同様に導電性が良く、安定性の優れた電極が得られる材料であった。
【0074】
[実施例5]
コークスAをパルベライザー(ホソカワミクロン(株)製)で2〜3mm以下の大きさに粗粉砕した。この粗粉砕品をジェットミル(IDS2UR、日本ニューマチック(株)製)で50μm以下に粉砕した。得られた粒粒子の一部14.4kgに炭化棚朋素(BC)を0.6kg加えて、実施例3と同様に混合した。この微粉砕品を内径40cm、容積40リットルの蓋付き黒鉛ルツボに封入し、同様の黒鉛化炉に入れて2900℃の温度で黒鉛化した。これを放冷後粉末を取り出し、ジェットミルにて微粉砕し、テイプレックス(ホソカワミクロン製)を用いて5μm以下の微粉を除去した。この粉末をASTM規格270メッシュ(53μm)を用いて53μm以上の粒子を除去した。得られた黒鉛粉末の特性を表1に示す。本粉末は比較例1、2と同様、黒鉛化後に微粉砕したため、アスペクト比6.1、比表面積4.1m/gと不十分であったが、BCを添加して黒鉛化しているので、放電容量345mAh/g、初期効率89%、更に粉体抵抗0.0033Ωcm、酸化開始温度633℃と良好であり、性能としては、実施例3、4と同等であった。
【0075】
[実施例6]
コークスAをパルベライザー(ホソカワミクロン(株)製)で2〜3mm以下の大きさに粗粉砕した。この粗粉砕品をジェットミル(IDS2UR、日本ニューマチック(株)製)て微粉砕した。このとき連続して、50μm以上の粗粉の95%を除去した。ターボクラシファイアー(TC15N、日清エンジニアリング(株)製)で気流分級し、5μm以下の粒子を除去した。このときの粒子の平均アスペクト比は4.5であった。この微粉砕品の一部14.4kgに炭化ホウ素(BC)0.6kgを加え、ヘンシェルミキサーにて800rpmで5分間混合した。これを内径40cm、容積40リットルの蓋付き黒鉛ルツボに封入し、同様の黒鉛化炉に入れて2850℃の温度で黒鉛化した。これを放冷後、粉末を取り出し、14kgの粉末を得た。この粉末をASTM規格270メッシュ(53μm)を用いて53μm以上の粒子を除去した。得られた黒鉛粉末の特性を表1に示す。実施例3、4と同様良好な結果が得られた。
【0076】
[実施例7]
コークスAをパルベライザー(ホソカワミクロン(株)製)で2〜3mm以下の大きさに粗粉砕した。この粗粉砕品をジェットミル(IDS2UR、日本ニューマチック(株)製)で15μm以下に微粉砕した。同時にテイプレックス(ホソカワミクロン製)を用いて3μm以下の微粉を除去した。このときの粒子の平均アスペクト比は6.2であった。この微粉砕品の一部14.4kgに、BC0.6kgを加えて混合後、15kgを内径40cm、容積40リットルの蓋付き黒鉛ルツボに封入し、アチソン炉に入れて2800℃の温度で黒鉛化した。これを放冷後粉末を取り出し、スパルタンリューザーで解砕後、この粉末をASTM規格270メッシュ(53μm)を用いて53μm以上の粒子を除去した。得られた黒鉛粉末の特性を表1に示す。本粉末は微粉であるが、粉砕後にB添加して黒鉛化しているので、アスペクト比は6.0以上であるが、容量、効率、粉体抵抗、酸化開始温度はともに良好であった。
【0077】
[実施例8]
コークスAをパルベライザー(ホソカワミクPン(株)製)で2〜3mm以下の大きさに粗粉砕した。この粗粉砕品をジェットミル(IDS2UR、日本ニューマチック(株)製)で、平均粒径を50μm以下になるように粉砕した。ターボクラシファイアー(TC15N、日清エンジニアリング(株)製)で気流分級し、3.0μm以下の粒子の98%を除去した。このときの粒子の平均アスペクト比は4.1であった。この微粉砕品の一部14.4kgに炭化ホウ素(BC)0.6kgを加え、ヘンシェルミキサーにて800rpmで5分間混合した。これを内径40cm、容積40リットルの蓋付き黒鉛ルツボに封入し、黒鉛化炉に入れて2900℃の温度で黒鉛化した。これを放冷後、粉末を取り出し、スパルタンリューサーを用いて解砕し14kgの粉末を得た。この粉末をASTM規格270メッシュ(53μm)を用いて53μm以上の粒子を除去した。得られた黒鉛粉末の特性を表1に示す。本粉末は微粉を4.1%程度含むが、粒径が大きいため、比表面積、アスペクト比等は良好で、容量、効率、粉体抵抗、酸化開始温度ともに良好である。
【0078】
[比較例1]
コークスAをそのまま同様の黒鉛化炉に入れて、2800℃の温度で黒鉛化した。これを放冷後、粉末を取り出し、その一部15kgの粉末を、パルベライザー(ホソカワミクロン(株)製)で2〜3mm以下の大きさに粗粉砕した。この粗粉砕品をジェットミル(IDS2UR、日本ニューマチック(株)製)で微粉砕した。このとき連続して35μm以上の粗粉の95%を除去した。次にターボクラシファイアー(TC15N日清エンジニアリング(株)製)で気流分級し、5μm以下の粒子の95%を除去した。このときの粒子の平均アスペクト比は5.1であった。この粉末をASTM規格270メッシュ(53μm)を用いて53μm以上の粒子を除去した。得られた黒鉛粉末の特性を表1に示す。本粉末は、黒鉛化後粉砕したために比表面積が大きく、嵩密度が小さく、放電容量が小さかった。しかも粉体抵抗も0.101Ωcmと大きかった。
【0079】
[比較例2]
コークスAを同様の黒鉛化炉に入れて、2900℃の温度で黒鉛化した。これを放冷後粉末を取り出し、その一部15kgの粉末を、パルベライザー(ホソカワミクロン(株)製)で2〜3mm以下の大きさに粗粉砕した。この粗粉砕品をジェットミル(IDS2UR、日本ニューマチック(株)製)で約20μmに微粉砕した。このとき連続して、50μm以上の粗粉の95%を除去した。次にターボクラシファイアー(TC15N、日清エンジニアリング(株)製)で気流分級し、8μm以下の粒子の98%を除去した。このときの粒子の平均アスペクト比は5.4であった。この粉末をASTM規格270メッシュ(53μm)を用いて53μm以上の粒子を除去した。得られた黒鉛粉末の特性を表1に示す。実施例1と同様に、黒鉛化後粉砕したが比表面積が大きく、嵩密度が小さいため、放電容量があがらない。
【0080】
[比較例3]
コークスBをパルベライザー(ホソカワミクロン(株)製)で2〜3mm以下の大きさに粗粉砕した。この粗粉砕品をジェットミル(IDS2UR、日本ニューマチック(株)製)で15μm以下に微粉砕した。このとき連続して、10μm以上の粗粉の95%を除去した。ターボクラシファイアー(TC15N、日清エンジニアリング(株)製)で気流分級し、1.0μm以下の粒子の98%を除去した。このときの粒子の平均アスペクト比は7.8であった。この微粉砕品の一部15kgを、内径40cm、容積40リットルの蓋付き黒鉛ルツボに封入し、黒鉛化炉に入れて2800℃の温度で黒鉛化した。これを放冷後、粉末を取り出し、14kgの粉末を得た。この粉末をASTM規格270メッシュ(53μm)を用いて53μm以上の粒子を除去した。得られた黒鉛粉末の特性を表1に示す。本粉末は粉砕後、黒鉛化した。実施例1、2と比較すると比表面積が大きいため、放電容量が非常に悪い。
【0081】
[比較例4]
コークスBをパルベライザー(ホソカワミクロン(株)製)で2〜3mm以下の大きさに粗粉砕した。この粗粉砕品をジェットミル(IDS2UR、日本ニューマチック(株)製)で微粉砕した。このとき連続して、50μm以上の粗粉の95%を除去した。ターボクラシファイアー(TC15N、日清エンジニアリング(株)製)で気流分級し、5μm以下の粒子の98%を除去した。このときの粒子の平均アスペクト比は6.4であった。この微粉砕品の一部15kgを内径40cm、容積40リットルの蓋付き黒鉛ルツボに封入し、アチソン炉に入れて2800℃の温度で黒鉛化した。これを放冷後、粉末を取り出し、14kgの粉末を得た。この粉末をASTM規格270メッシュ(53μm)を用いて53μm以上の粒子を除去した。得られた黒鉛粉末の特性を表1に示す。本粉末のアスペクト比は6.4と大きいため、嵩密度は0.71m/gと小さかった。
【0082】
[比較例5]
コークスBをパルベライザー(ホソカワミクロン(株)製)で2〜3mm以下の大きさに粗粉砕した。この粗粉砕品をジェットミル(IDS2UR、日本ニューマチック(株)製)で平均粒径が40μm以下になるように微粉砕した。このときの粒子の平均アスペクト比は6.0であった。この微粉砕品の一部15kgを内径40cm、容積40リットルの蓋付き黒鉛ルツボに封入し、黒鉛ヒーター黒鉛化炉に入れて2800℃の温度で黒鉛化した。これを放冷後、粉末を取り出し、14kgの粉末を得た。この粉末を、ASTM規格270メッシュ(53μm)を用いて、53μm以上の粒子を除去した。得られた黒鉛粉末の特性を表1に示す。本粉末は、粒径は大きいが、微粉が多く嵩密度は小さかった。
【0083】
【表1】
Figure 0004393712
【0084】
【発明の効果】
本発明の黒鉛粉末を負極に用いたリチウム電池は、放電容量が大きく、サイクル特性(電池寿命)が良好であり、かつ初期充放電効率(最初の1〜3回位の充電容量に対する放電容量)が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、TG/DTA測定による黒鉛粉末の発熱量と重量減を表わす曲線である。
【図2】 図2は、黒鉛粉末の電気抵抗測定装置の断面図である。

Claims (10)

  1. 1200℃を超える熱履歴をもたない非針状コークスをレーザー回折散乱法による平均粒径10〜25μmの粒子に粉砕及び分級し、次いで2500〜3200℃の温度で黒鉛化することを特徴とする製造方法で得られた、
    比表面積が3m/g以下、
    アスペクト比が6以下、
    タッピング密度が0.8g/cm以上、
    酸化開始温度が600℃以上、
    及び
    嵩密度が1.5g/cm としたときの加圧方向に対して直角方向の粉末電気比抵抗が0.06Ωcm以下
    である黒鉛粉末からなるリチウム電池用炭素材料。
  2. 黒鉛粉末のレーザー回折散乱法による平均粒径が8〜30μmである請求項1に記載のリチウム電池用炭素材料。
  3. 黒鉛粉末がレーザー回折散乱法による粒径3μm以下及び/または53μm以上の粒子を実質的に含まない請求項1または請求項2に記載のリチウム電池用炭素材料。
  4. 黒鉛粉末のCo値が6.745Å以下である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のリチウム電池用炭素材料。
  5. 黒鉛粉末にほう素を含む請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のリチウム電池用炭素材料。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の黒鉛粉末を主原料とし、ポリビニリデンフルオライド粉末を添加、混練した電池負極用ペースト。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の黒鉛粉末を負極の主原料として作製された電池。
  8. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の黒鉛粉末を負極の主原料として作製されたリチウム電池。
  9. 1200℃を超える熱履歴をもたない非針状コークスをレーザー回折散乱法による平均粒径10〜25μmの粒子に粉砕及び分級し、次いで2500〜3200℃の温度で黒鉛化することを特徴とするリチウム電池用炭素材料の製造方法。
  10. 1200℃を超える熱履歴をもたない非針状コークスをレーザー回折散乱法による平均粒径10〜25μmに粉砕及び分級し、その後にほう素化合物を添加し、次いで2500〜3200℃の温度で黒鉛化することを特徴とするリチウム電池用炭素材料の製造方法。
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