JP4387983B2 - 作業機械の作動油タンク構造 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、作業装置(油圧アクチュエータ)からの戻り油が流入する流入室の上部側に、作動油フィルタ装置が装着されるフィルタ装着領域を設け、一方、流入室の下部側に、作動油フィルタ装置を通過した作動油を貯留する貯留領域を設けた構成が記載されている。
ところで近年、市街地等の狭隘な場所での作業に適した油圧ショベルとして、旋回半径の小径な小型油圧ショベルが開発されている。
この上部旋回体40の機体中央部には、図示しない下部走行体上に載架されるセンターフレーム34が設けられている。センターフレーム34上には、鉛直に立設されて機体前後方向に延在する支持プレート36が、機体左右方向に平行となるように一対備えられている。これらの一対の支持プレート36の各々には、機体左右方向に同軸貫通する軸孔27が形成されており、この軸孔27を貫通してブームフートピン35が各支持プレート36に対して固定されるようになっている。
機体後方には機体の重量バランスを取るためのカウンタウェイト31が備えられている。また、カウンタウェイト31の前方に隣接するように、エンジン30や各種冷却装置が設置されるエンジンルームと、各作業装置へ作動油を供給する作動油ポンプ29が配設されている。なお、センターフレーム34よりも左側は、乗員が搭乗するキャブが設けられるスペースとなっており、一方、センターフレーム34よりも右側は、燃料タンク33及び作動油タンク21が左右方向に並んで設置されているスペースとなっている。
また、該作動油フィルタ装置は、該作動油タンクの内部における該第2上面部に上端を固定されるとともに、該配管接続口に内部配管を介して接続されるハウジングと、該ハウジングに内蔵され、該配管接続口から流入する該作動油を濾過するフィルタエレメントとを有し、該開口孔は、該フィルタエレメントを該ハウジングの中から取出し可能に開口されることが好ましい(請求項3)。
さらに、該第1上面部と該第2上面部との段差量が、該作動油フィルタ装置の上下長に応じて設定されることが好ましい(請求項6)。
また、本発明の作動油タンク構造(請求項3)によれば、一般的な作動油フィルタ装置を適用することができ、製造のための労力及びコストをより削減できる。
また、本発明の作動油タンク構造(請求項4)によれば、作動油ホースと作動油タンクとの干渉を防止することができ、レイアウト上の自由度を大きくすることができる。
また、本発明の作動油タンク構造(請求項6)によれば、作動油フィルタ装置の上下長に応じた段差量の設定により、作動油フィルタ装置の容量を問わず、メンテナンス性の確保,作業機械の小型化及びコストダウンが可能となる。
図3には、上部旋回体の内部構成を説明するために、その外装カバー,キャブ及び作業機械としてのブーム等を取り外した状態が示されており、上部旋回体20は、骨組みとしてのスイングフレーム12上に様々な装置を積載した状態で下部走行体(図示せず)上に設けられている。まず、スイングフレーム12は、下部走行体に対して旋回可能に載架されるセンターフレーム14と、センターフレーム14の左右側方に各々固定される左サイドフレーム14a,右サイドフレーム14bとを備えて構成される。
また、燃料タンク13の左側方に隣接設置された作動油タンク1の内部には、ブームやスティック等の油圧アクチュエータや旋回モータ,走行モータ等の油圧モータ(油圧駆動装置)を駆動するための作動油が貯留されている。この作動油は、図1に示すように、作動油タンク1よりも機体後方側に位置する作動油ポンプ9へ吸い込まれてから各種油圧駆動装置へ供給され、その後、戻り油として再び作動油タンク1内へ還流するようになっている。つまり、油圧駆動装置の作動油は、所定の油圧回路内を繰り返し循環する。なお、ここでは前述の通り図示を省略しているが、左サイドフレーム14a上の機体前方には、乗員が搭乗するキャブが設置されている。
図2に示すように、作動油タンク1は、ブームフートピン15の支軸Cの延長線に対して後方に位置するように配設される。また、図1に示すように、作動油タンク1のタンク上面2は、その上端に位置して上端面を形成する第1上面部2bと、第1上面部2bに対し機体前方側への段差を介して下方に配置された第2上面部2aとを備えて構成されている。このタンク上面2は、第1上面部2bを上段とし該第2上面部2aを下段とする階段状に形成されている。これにより第2上面部2aは、作動油タンク1の上部前端角に設けられることになり、段差によって下方へ凹んだ第2上面部2aの上方には何もない空間が形成される。
これにより、作動油フィルタ装置4の上下長が長い場合には段差量Sが小さく設定され、作動油フィルタ装置4の上下長が短い場合には段差量Sが大きく設定されるようになっている。
なお、配管接続口3の設定高さは、図1に示すように、配管接続口3に接続される配管材とブームフートピン15とが干渉しない高さに設定されている。例えばここでは、ブームフートピン15の下縁に対し、鉛直方向に所定の離隔距離Hが確保されるように、配管接続口3の取付高さが設定されている。
また、流出口4cは、フィルタエレメント4bを通過した作動油を作動油タンク1内へ流出させる作動油の通路として、作動油フィルタ装置4の下面に設けられている。
本発明の一実施形態にかかる作業機械の作動油タンク構造は、上述のように構成されて、以下のような作用・効果を奏する。
まず、配管接続口3は、ブームフートピン15の支軸Cの延長線よりも下方において、配管接続口3に接続される配管材とブームフートピン15の下縁とが干渉しない高さで、作動油タンク1の前面に設けられる。これにより、ブームフートピン15の軸心の延長線上付近に何もない空間を設けることができ、例えば、各種整備点検,部品交換のためにブーム17を上部旋回体20から取り外す際には、ブームフートピン15を軸方向へ容易に引き出すことができる。
また、この第2上面部2aは、作動油タンク1の第1上面部2bから下方へ向けて階段状に形成された階段状のシンプルな形状であり、製造・加工が容易であるとともに、フィルタサイズの変更(例えば、作動油フィルタ装置4の上下長やその取付け高さの変更)に容易に対応できる。さらに、階段状の第2上面部2aを備えたことによって、第2上面部2aの上方に何もない空間が形成されることになる。つまり、従来、作動油タンク1の上面に突出していた作動油フィルタ装置4の開口蓋6を収容する空間を形成することができ、開口蓋6の突出量を減少させたり、全く突出させないようにすることもできる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
つまり、タンク上面2のうち、作動油フィルタ装置4の上端を固定する部分を周囲よりも低くすることによって、上記の作動油フィルタ装置4に要求される配置上の制約のうちの条件(2)を実質的に緩和することができ、上述の実施形態と同等の効果を得ることができる。
2 タンク上面
2a 第2上面部
2b 第1上面部
3 配管接続口
4 作動油フィルタ装置
4a ハウジング
4b フィルタエレメント
4c 流出口
5 開口孔
6 開口蓋
7 ブームフートピンの軸孔
8 コントロールバルブ
9 作動油ポンプ
10 エンジン
11 カウンタウェイト
12 スイングフレーム
13 燃料タンク
14 センターフレーム
14a 左サイドフレーム
14b 右サイドフレーム
15 ブームフートピン
16 一対の支持プレート
17 ブーム
18 収納ボックス
19 作動油ホース
20 上部旋回体
25 内部配管
Claims (6)
- 作業機械の前方において上下方向へ回動可能に軸支されたブームの支軸の延長線に対して後方配置される、油圧駆動装置の作動油タンクと、
該作動油タンクの上部に設けられ、該作動油タンクの上端に位置する第1上面部と、該第1上面部に対して段差を介して下方に配置された第2上面部とからなるタンク上面と、
該支軸の延長線よりも下方における該作動油タンクの前面に固設され、作動油の戻り油管路を接続する配管接続口と、
該作動油タンクの内部において該配管接続口に接続されるとともに該第2上面部に上端を取付けられ、該配管接続口から流入する該作動油を濾過する作動油フィルタ装置と、
該第2上面部における該作動油フィルタ装置との固定面に開口された該作動油フィルタ装置の内部点検用の開口孔と、
該開口孔を開閉自在に覆う開口蓋と
を備えたことを特徴とする、作業機械の作動油タンク構造。 - 該タンク上面が、該第1上面部を上段とし該第2上面部を下段とする階段状に形成される
ことを特徴とする、請求項1記載の作業機械の作動油タンク構造。 - 該作動油フィルタ装置は、
該作動油タンクの内部における該第2上面部に上端を固定されるとともに、該配管接続口に内部配管を介して接続されるハウジングと、
該ハウジングに内蔵され、該配管接続口から流入する該作動油を濾過するフィルタエレメントとを有し、
該開口孔は、該フィルタエレメントを該ハウジングの中から取出し可能に開口される
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の作業機械の作動油タンク構造。 - 該作動油タンクの前面近傍に配設されて該油圧駆動装置へ流通する該作動油の流量をコントロールするコントロールバルブと、
該コントロールバルブと該油圧駆動装置とを接続する作動油ホースとを備え、
該作動油タンクが、該油圧駆動装置の側方に配置されるとともに、
該作動油ホースが、該作動油タンクの上端面近傍を通って該油圧駆動装置へ配設される
ことを特徴とする、請求項2又は3記載の作業機械の作動油タンク構造。 - 該第1上面部と該第2上面部との段差内の空間に設置される収納箱を備える
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の作業機械の作動油タンク構造。 - 該第1上面部と該第2上面部との段差量が、該作動油フィルタ装置の上下長に応じて設定される
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の作業機械の作動油タンク構造。
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