JP4387031B2 - Fpc/ffc用コネクタ - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、フレキシブルプリント回路基板(FPC)やフレキシブルフラットケーブル(FFC)と基板とを接続する際に用いるコネクタに関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
FPC/FFC用コネクタは、インシュレータに、FPC/FFCと基板とを導通させる複数のコンタクトを支持し、このコンタクト群とインシュレータに挿入されたFPC/FFCとを、アクチュエータ(スライダ)によって接触させている(接触圧力を得ている)。アクチュエータには、スライドタイプと回動タイプが知られているが、スライドタイプは、軽薄短小化の進むコネクタでは挿脱作業が困難性を増す。
【0003】
【発明の目的】
本発明は、回動タイプのアクチュエータを有するFPC/FFC用コネクタにおいて、ロック位置に回動させたアクチュエータが不用意にアンロック位置に回動することのない、信頼性及び操作性に優れたFPC/FFC用コネクタを得ることを目的とする。
また、本発明は、コンタクト群よりFPC/FFCが基板側に位置する上接点タイプに適用できる低背化に有利なFPC/FFC用コネクタを得ることを目的とする。
【0004】
【発明の概要】
本発明は、アクチュエータをロック位置に回動させたとき、該アクチュエータがコンタクト群の弾性によりロック方向に回動付勢され、または少なくとも該アクチュエータがアンロック方向の回動付勢力を受けないように、アクチュエータの回転軸位置とアクチュエータがロック位置に回動したときのFPC/FFCとの接触位置とを定めれば、信頼性及び操作性に優れたFPC/FFC用コネクタが得られるという着眼に基づいてなされたものである。
【0005】
すなわち本発明は、FPC/FFCと基板とを導通させる複数のコンタクトを有するインシュレータと;このインシュレータに、ロック位置とアンロック位置との間を回転操作自在に支持され、ロック位置においてFPC/FFCとコンタクト群とに接触圧力を与える押圧突起が形成されたアクチュエータと;を有し、上記アクチュエータの回転軸位置と、該アクチュエータがロック位置に回動したときの上記押圧突起とFPC/FFCとの接触位置とを、該ロック位置においてアクチュエータがコンタクト群の弾性によりロック方向に回動付勢されるように定めた、または少なくとも該アクチュエータがアンロック方向の回動付勢力を受けないように定めたことを特徴としている。
【0006】
アクチュエータには、インシュレータに回動自在に支持される回転軸部を有する両端回転基部と、この両端回転基部間を接続するFPC/FCC押圧部と、このFPC/FCC押圧部と平行をなす着力操作部とを設け、FPC/FCC押圧部を介してコンタクト群による回動付勢力を受けることが好ましい。そして、FPC/FCCは、アクチュエータのこのFPC/FCC押圧部と着力操作部の間を通してインシュレータに挿入する。アクチュエータのFPC/FCC押圧部とコンタクト群の押圧接触部は、基板側からこの順番に並ぶように設け、その間にFPC/FCCを挿脱させることにより、低背化に有利な上接点タイプを得ることができる。
【0007】
【発明の実施形態】
絶縁材料製のインシュレータ10は、全体として略扁平な直方体状をなしており、多数のコンタクト収納溝11が所定間隔で整列させて形成されている。インシュレータ10にはまた、このコンタクト収納溝11の整列方向の両端部に位置させて、該整列方向に向く一対の回動支点壁12が突出形成されている。コンタクト収納溝11は、基板Bに対向する下面が開放されており、その上部には、コンタクト圧入溝11aと、コンタクト変形(露出)溝11bが形成されている。コンタクト変形溝11bの回動支点壁12側の端部は、接続補強壁13によって接続されている。
【0008】
各コンタクト収納溝11にはコンタクト20が挿入支持されている。コンタクト20は、基板B上のランドLに半田付けされる半田付け脚20aと、コンタクト圧入溝11aに圧入される圧入脚20bと、コンタクト変形溝11b内に位置する弾性変形脚20cとを有しており、弾性変形脚20cの先端部には基板B側に突出する押圧接触部20dが形成されている。この押圧接触部20dは、コンタクト20のFPC30との接触位置である。すべてのコンタクト20(コンタクト収納溝11)は一列に整列しており、多数の押圧接触部20dも一直線上に位置している。押圧接触部20dは、FPC/FFC(以下単にFPC)30の対応するランドに接触するもので、FPC30により押圧接触部20dが押圧されると、弾性変形脚20cは弾性変形し、接触圧力が生じる。31はFPC30の裏打ち板である。
【0009】
対をなす回動支点壁12には、同一軸線上に位置する回動軸穴14がそれぞれ形成されている。この回動軸穴14に回動操作可能に支持されるアクチュエータ40は、一対の回動支点壁12の内側に沿う一対の両端回転基部41と、この両端回転基部41間を接続するFPC/FFC押圧部(以下単にFPC押圧部)42と、このFPC押圧部42と平行をなす着力操作部43とを備えており、両端回転基部41に、回動支点壁12の回動軸穴14に回動自在に挿入される回動軸突起44が一体に突出形成されている。従ってアクチュエータ40は、回動軸穴14(回動軸突起44)を中心に回動可能であり、図3、図4に示すアンロック位置と、図2、図5に示すロック位置との間を回動操作される。
【0010】
アクチュエータ40のFPC押圧部42と着力操作部43の間に形成されている空間は、FPC/FFC挿入空間(以下FPC挿入空間)45を構成している。FPC押圧部42は、アクチュエータ40がアンロック位置に位置するときにコンタクト20の弾性変形脚20cと略平行をなす挿入ガイド面42aと、アクチュエータ40がロック位置に位置するときに、FPC30を押し弾性変形脚20c(押圧接触部20d)を弾性変形させる押圧突起42bとを備えている。FPC挿入空間45は、インシュレータ10の接続補強壁13の逃げ部としても作用する。図6は、アクチュエータ40の単体形状を示している。
【0011】
アクチュエータ40の回動軸突起44の位置と、コンタクト20の押圧接触部20dの位置は、アクチュエータ40を図2、図5のロック位置に回動させたとき、弾性変形脚20cがFPC30を介してアクチュエータ40をロック方向に、つまり図5の反時計方向に回動付勢するように定められている。図4、図5のdは、アクチュエータ40にこのロック方向への回動付勢力を与えるための回動軸突起44と押圧突起42bとのオフセット量を示している。
【0012】
上記構成の本コネクタは従って、FPC30をインシュレータ10のコンタクト20に接続する際には、図3、図4のようにアクチュエータ40をアンロック位置に回動させた状態において、FPC30を、インシュレータ10の接続補強壁13とアクチュエータ40のFPC押圧部42の挿入ガイド面42aとの間の隙間(FPC挿入空間45)から、コンタクト20の弾性変形脚20cの下面に挿入する。この状態において、着力操作部43を持ってアクチュエータ40を同図において反時計方向に回動させ、ロック位置とすると、FPC押圧部42の押圧突起42bがFPC30を持ち上げ、押圧接触部20dを介して弾性変形脚20cを弾性変形させる。この弾性変形によって、FPC30の各ランドと各コンタクト20の押圧接触部20dとの接触圧力が得られる(図2、図5)。
【0013】
図2、図5のロック状態では、弾性変形しているコンタクト20の弾性変形脚20cが、FPC30を介して、アクチュエータ40をロック方向に回動付勢している。従って、アクチュエータ40を一旦ロック位置に回動させてしまうと、アクチュエータ40が容易にアンロック位置に回動することはない。勿論、FPC30をインシュレータ10から離脱させるときには、アクチュエータ40に一定以上の力を加えてアンロック方向に回動させればよい。
【0014】
アクチュエータ40の回動軸突起44と押圧突起42b(FPC30が押圧突起42bを押す位置)とのオフセット量dは、d≧0であればよい。d=0であれば、少なくとも、アクチュエータ40のロック位置において、アクチュエータ40にアンロック方向の回動付勢力が加わることがない。
【0015】
図示実施形態では、インシュレータ10とアクチュエータ40に、アクチュエータ40のロック位置で互いに係合する係止凹凸15と46が形成されている。これらの凹凸は、より確実なロックを得るために設けることが好ましい。これらの凹凸あるいは回転軸穴14と回動軸突起44の凹凸の関係は、図示例とは逆にしてもよいことは勿論である。
【0016】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、回動タイプのアクチュエータを有するFPC/FFCコネクタにおいて、ロック位置に回動させたアクチュエータが不用意にアンロック位置に回動することがない信頼性及び操作性に優れたFPC/FFC用コネクタを得ることができる。また、低背化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるFPC/FCCコネクタの一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】 同組立状態においてアクチュエータを閉鎖位置に位置させたときの一部を切断した斜視図である。
【図3】同組立状態においてアクチュエータを開放位置に位置させたときの斜視図である。
【図4】 同組立状態においてアクチュエータを開放位置に位置させたときの一部を縦断面図である。
【図5】同組立状態においてアクチュエータを閉鎖位置に位置させたときの縦断面図である。
【図6】 アクチュエータ単体の斜視図である。
【符号の説明】
B 基板
L ランド
10 インシュレータ
11 コンタクト収納溝
11a コンタクト圧入溝
11b コンタクト変形溝
12 回動支点壁
13 接続補強壁
14 回動軸穴
20 コンタクト
20a 半田付け脚
20b 圧入脚
20c 弾性変形脚
20d 押圧接触部(コンタクトのFPC/FCCとの接触位置)
30 FPC/FCC
40 アクチュエータ
41 両端回転基部
42 FPC/FCC押圧部
42a 挿入ガイド面
42b 押圧突起
43 着力操作部
44 回動軸突起
45 FPC/FCC挿入空間
Claims (4)
- FPC/FFCと基板とを導通させる複数のコンタクトを有するインシュレータと;
このインシュレータに、ロック位置とアンロック位置との間を回転操作自在に支持され、ロック位置においてFPC/FFCとコンタクト群とに接触圧力を与える押圧突起が形成されたアクチュエータと;
を有し、
上記アクチュエータの回転軸位置と、該アクチュエータがロック位置に回動したときの上記押圧突起とFPC/FFCとの接触位置とを、該ロック位置においてアクチュエータがコンタクト群の弾性によりロック方向に回動付勢されるように定めた、または少なくとも該アクチュエータがアンロック方向の回動付勢力を受けないように定めたことを特徴とするFPC/FCC用コネクタ。 - 請求項1記載のコネクタにおいて、アクチュエータは、インシュレータに回動自在に支持される回転軸部を有する両端回転基部と、この両端回転基部間を接続するFPC/FCC押圧部と、このFPC/FCC押圧部と平行をなす着力操作部とを備えており、FPC/FCC押圧部を介してコンタクト群による回動付勢力を受けるFPC/FCC用コネクタ。
- 請求項2記載のコネクタにおいて、FPC/FCCは、アクチュエータのFPC/FCC押圧部と着力操作部の間を通してインシュレータに挿入されるFPC/FCC用コネクタ。
- 請求項2または3記載のコネクタにおいて、アクチュエータのFPC/FCC押圧部とコンタクト群の押圧接触部は、基板側からこの順番に並んでいて、その間にFPC/FCCが挿脱されるFPC/FCC用コネクタ。
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