JP4385167B2 - テンショナー - Google Patents

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Description

本発明は、無端状のベルトやチェーンの張力を一定に保つテンショナーに関する。
テンショナーは、例えば、自動車のエンジンに使用されるタイミングチェーンやタイミングベルトを所定の力で押しており、これらに伸びや緩みが生じた場合に、その張力を一定に保つように作用する。
図10及び図11はテンショナー100を自動車のエンジン本体200に実装した状態であり、図10は2輪自動車の場合、図11は4輪自動車の場合を示している。
これらの図において、エンジン本体200の内部には、一対のカムスプロケット210,210とクランクスプロケット220とが配置されており、これらのスプロケット210,210,220の間にタイミングチェーン230が無端状となって掛け渡されている。また、タイミングチェーン230の移動路上には、チェーンガイド240が揺動自在に配置されており、タイミングチェーン230はチェーンガイド240を摺動するようになっている。なお、エンジン本体200の内部には、潤滑用のオイル(図示省略)が封入されている。
2輪自動車の場合には、図10に示すように、エンジン本体200に取付面250が形成されており、テンショナー100は取付面250の取付孔260を貫通するボルト270によって取付面250に固定される。4輪自動車の場合には、図11に示すように、テンショナー100がエンジン本体200の内部に配置された状態で同様にボルトによって固定される。
図12及び図13は、従来から用いられているテンショナー100を示し、ケース110の内部には、回転シャフト120及び推進シャフト130が組み付けられて配置されている。ケース110は、これらのシャフト120,130を挿入するために軸方向に延びる本体部111と、本体部111から軸方向と交差する方向に延びるフランジ部112とを有している。フランジ部112はテンショナー100をエンジン本体200に対する取り付けを行うものであり、このため、フランジ部112には、エンジン本体200に螺合するボルトが貫通するための取付孔113が形成されている。
一方、本体部111は後述する各部品を収納するものであり、このため、内部には同一径の収納孔114が軸方向に沿って形成されている。また、本体部111の外形としては、エンジン本体200に取り付けられるフランジ部112を境として、先端側に突出する首部111aと、後端側に突出する胴部111bとに分かれており、2輪自動車のエンジンでは、図10に示すように、首部111aが取付面250を貫通してエンジン本体200に取り付けられるようになっている。
回転シャフト120及び推進シャフト130の組み付けは、回転シャフト120の外面に雄ねじ部121を形成する一方、推進シャフト130の内面に雌ねじ部131を形成し、これらのねじ部121,131を螺合させることによって行われる。回転シャフト120の基端側の端部に対応したケース110の内部には、受け座140が収納孔114内に位置するように設けられており、この受け座140によって回転シャフト120の基端部が支持されている。組み付け状態では、推進シャフト130は回転シャフト120の前側略半分部分に螺合しており、推進シャフト130が螺合していない後側の略半分部分には捩りばね150が配置されている。
捩りばね150は一端のフック部151が回転シャフト120の基端部に形成されているスリット123に挿入されて係止され、他端のフック部152がケース110に係止されている。従って、捩りばね150を捩って所定のトルクを付与させた状態で組み立てると、捩りばね150の付勢力によって回転シャフト120が回転する。
ケース110の先端部分には、軸受160が止め輪170によって固定されており、推進シャフト130は軸受160の摺動孔161を貫通している。軸受160の摺動孔161の内面及び推進シャフト130の外面は、略小判形状や平行カット、その他の非円形に形成されており、これにより推進シャフト130は回転が拘束された状態となっている。
軸受160は所定厚さの平板形状に成形されており、外周側には複数の固定片162が形成されている。そして、この固定片162がケース110(首部111a)の先端部分に形成されている切欠溝115に嵌合することにより、軸受160の全体が回転止めされた状態となっている。このように軸受160がケース110に対して回転止めされることにより、軸受160を貫通した推進シャフト130が軸受160を介してケース110に回転拘束されるため、この回転拘束状態で推進シャフト130がケース110に対して進退する。なお、推進シャフト130の先端には、キャップ180が取り付けられ、このキャップ180が上述したエンジン本体200内のチェーンガイド240と接触している。
さらに、ケース110の内部には、スペーサ190が配置されている。スペーサ190は特許文献1及び2に記載されるように、回転シャフト120及び推進シャフト130の周囲を囲んだ状態で軸方向(推進方向)に延びた筒状となっており、その先端部が軸受160近辺まで延びている。このスペーサ190は本体部111の首部111a内に位置しており、螺合状態のシャフト120,130がケース110の先端部分から抜け出ることを防止する必須部品となっている。この場合、シャフト120,130の抜け止めを行うため、回転シャフト120はスペーサ190との突き当てが可能な鍔付き形状に成形されている。
このような構造のテンショナー100では、捩りばね150の付勢力によって回転シャフト120が回転し、この回転力が推進シャフト130の推進力に変換されるため、推進シャフト130が進出する。これにより、推進シャフト130はキャップ180及びチェーンガイド240を介してタイミングチェーン230を押し付けるため、タイミングチェーン230に張力を付与することができる。
国際公開第00/34685号パンフレット 特開平11−63125号公報
近年においては、排ガス等の環境対策の観点から、小排気量の2輪車における4サイクルエンジン化が進んでいるが、小排気量のエンジンは、それ自体が小型であるため、そのテンショナーとしても小型となる必要がある。特に、2輪自動車では、図10に示すようにエンジン本体200の取付面250をケース110の首部111aが貫通しているが、小型化したエンジンに対しては、テンショナーの先端部分(すなわち首部111a)の径を細くする必要がある。
しかしながら、従来のテンショナー100では、回転シャフト120、推進シャフト130、軸受160、スペーサ190等の主要部品がケース110の本体部111における首部111aに収納されているところから、先端部分(首部111a)の縮径に限界があり、推進シャフト130の径が、例えば12mmの場合には、その径を例えば、直径22mm未満とすることができない。このため、小排気量の小型エンジンに適用することができない問題を有している。
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、先端部分の径を細くすることができ、これにより、小排気量の小型エンジンに適用することが可能なテンショナーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明のテンショナーは、ねじ部によって螺合した一対のシャフト部材における一方のシャフト部材がばねによって回転付勢され、他方のシャフト部材がケースに取り付けた軸受によって回転拘束された状態で軸受を貫通し、前記一対のシャフト部材のケースからの抜け止めを行うスペーサがケースの内部に配置されており、前記ケースがエンジン本体に取り付けられることにより他方のシャフト部材がエンジン本体内を推進する構造であって、前記軸受は、ケースに回転止めされた状態でケースに固定される固定部と、ケースの先端部分よりも前記他方のシャフト部材の推進方向に向かって前記固定部から一体的に延び、エンジン本体へのケースの取り付けによりエンジン本体内に挿入される筒状部とを有し、前記スペーサは全体が前記固定部よりも後側に位置するようにケースの内部に配置されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のテンショナーであって、前記スペーサは、一対のシャフト部材の内の少なくとも一方のシャフト部材が貫通する筒体部と、前記固定部と対向するように筒体部の先端部が屈曲されて形成された第1の対向部と、前記一方のシャフト部材と対向するように筒体の後端部が屈曲されて形成された第2の対向部とを備えていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載のテンショナーであって、前記筒体部の外面に前記ばねが巻き付けられていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載のテンショナーであって、前記筒体部が略ラッパ形状に形成され、その外面に前記ばねが巻き付けられていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項2記載のテンショナーであって、前記第1の対向部は、前記固定部及びケースに挟まれていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1記載のテンショナーであって、前記軸受は、前記他方のシャフト部材が回転拘束された状態で摺動する摺動孔を前記筒状部の先端部に有しており、前記筒状部は摺動孔を除く部分が前記他方のシャフト部材と間隙を有していることを特徴とする。
本発明によれば、他方のシャフト部材が軸方向に移動可能に挿入される筒状部を軸受に形成し、エンジン本体へのケースの取り付けによって筒状部をエンジン本体内に挿入する構造としているため、ケースには、エンジン本体内に挿入するための首部が不要となり、その分、テンショナーの先端部分の径を細くすることができる。又、一対のシャフト部材の抜け止めを行うスペーサを軸受の固定部よりも後側に位置するように配置しているため、スペーサが軸受の固定部よりも先端側の筒状部に入り込むことがない。従って、スペーサがテンショナーの先端部分に位置することがなく、その分、テンショナーの先端部分の径を細くすることができる。以上により、テンショナーの先端部分を細くすることができるため、小排気量の小型エンジンに適用することが可能となる。
以下、本発明を図示する実施形態により具体的に説明する。なお、各実施形態において、同一の部材には同一の符号を付して対応させてある。
(第1実施形態)
図1〜図4は、本発明の第1実施形態のテンショナーA1を示し、図1は図2のR−R線における縦断面図、図2は平面図であり、図3は軸受、図4はスペーサを示す。この実施形態のテンショナーA1は、ケース2、一対のシャフト部材3,4、捩りばね5、軸受6及びスペーサ7を備えている。
ケース2は胴部2aの先端からフランジ部2bが略直交方向に延びた断面略T字形に成形されている。そして、胴部2aからフランジ部2bの形成部位にかけて、軸方向(推進方向)に延びる収納孔2cが形成されている。収納孔2cの先端部分は開放されており、この開放部分から一対のシャフト部材3,4、捩りばね5、軸受6及びスペーサ7が収納孔2c内に収納される。
ケース2のフランジ部2bは、エンジン本体への取り付けを行うものであり、エンジン本体に螺合するボルト(図示省略)が貫通する取付孔2dが形成されている。この取り付けに際しては、フランジ部2bの先端面がエンジン本体の取付面250(図10参照)と接触する。
一対のシャフト部材3,4は、一方のシャフト部材である第1のシャフト部材3と、他方のシャフト部材である第2のシャフト部材4とからなり、第1のシャフト部材3が回転する一方、第2のシャフト部材4が軸方向に推進(前進及び後退)するようになっている。
第1のシャフト部材3は、後端側のシャフト部3aと、先端側のねじ部3bとが軸方向に一体的に形成されており、先端側のねじ部3bの外周には、雄ねじ8が形成されている。シャフト部3aは、大径となっているフランジ部3cを長さ方向の中間部分に有しており、このフランジ部3cに続く基端側がケース2内に設けた受け座19に当接することにより、第1のシャフト部材3の回転が支承される。また、このシャフト部3aの後端面には、第1のシャフト3を回転させるための巻締め治具(図示省略)の先端が挿入されるスリット3eが形成されている。スリット3eはケース2の胴部2aの後端面に開設した治具孔2eと連通しており、巻締め治具の先端を治具孔2eからスリット3eに挿入し、スリット3eを介して第1のシャフト部材3を回転させることにより、後述する捩りばね5を巻締めることができる。
第2のシャフト部材4は筒状に形成されており、その内面には、第1のシャフト部材3の雄ねじ8が螺合する雌ねじ9が形成されている。一対のシャフト部材3,4は、雌ねじ9及び雄ねじ8を螺合させた状態でケース2の収納孔2c内に挿入される。この第2のシャフト部材4の先端には、キャップ10が取り付けられている。
キャップ10は頭部10a及び脚部10bからなり、頭部10aが第2のシャフト部材4の先端部分を覆うようになっている。一方、脚部10bは第2のシャフト部材4の先端部分に嵌め込んだ状態で、これらにスプリングピン11を圧入することによりキャップ10を抜け止めして第2のシャフト部材4に固定するように作用する。
軸受6は第2のシャフト部材4の回転拘束を行うものであり、筒状部13及び固定部14とにより構成され、固定部14がケース2に固定され、筒状部13がエンジン本体内に挿入されるようになっている。
固定部14は筒状部13の後端部に形成されるものであり、図1〜図3に示すように、筒状部13の後端部から放射状に屈曲した複数(4枚)の固定片16を有している。固定部14を構成する各固定片16は、筒状部13の後端部から外方に向かって略直角となるように屈曲している。この実施形態において、各固定片16は平面から見て矩形状となっていると共に、側面から見たとき、図3に示すように筒状部13から略直角に屈曲した屈曲部16aと、各屈曲部16aの端部から筒状部13の立ち上がり方向に折り返された折り返し部16bとを有した形状となっている。そして、この固定片16がケース2に取り付けられることにより軸受6がケース2に固定される。
固定片16のケース2への取り付けは、図1に示すようにケース2の先端面に形成した切欠溝18によって行われる。切欠溝18は図2に示すように、ケース2の先端面における固定片16に対応した位置で、且つ固定片16に対応した矩形の溝形状に形成されている。そして、それぞれの固定片16が切欠溝18に圧入されることにより、その折り返し部16bが切欠溝18の内面と密に接触して固定される。固定片16の切欠溝18への固定によって、軸受6はその全体が回転止めされた状態となってケースの先端面に装着される。そして、ケース2をエンジン本体の取付面に当接させてケース2をボルト締めすると、固定片16はケース2とエンジン本体の取付面との間に挟み込まれた状態となり、この挟み込みによって軸受6はさらに確実にケース2に固定される。
なお、固定片16の固定に際しては、切欠溝18への固定片16の圧入だけでなく、他の手段を用いることが可能である。例えば、固定片16を切欠溝18に挿入した後、切欠溝18の一部を加締めて変形させて切欠溝18を固定片16に係合させても良い。
軸受6の筒状部13は、第2のシャフト部材4を回転拘束するした状態で第2のシャフト部材4の推進を案内する。この筒状部13は固定部14から第2のシャフト部材4の推進方向に沿って直線状に一体的に延びる略筒状(袋状)となっており、図1に示すように、その全体がケース2の先端部分から先方に向かって立ち上がっている。
図3に示すように、筒状部13の先端部には、第2のシャフト部材4が摺動自在に貫通する摺動孔15が形成されている。摺動孔15の内面は、略小判形状、平行カット、矩形状、その他の非円形に形成されるものであり、この実施形態では、円を平行カットした非円形となっている。摺動孔15を貫通する第2のシャフト部材4の外面も、摺動孔15に相応した非円形に形成されており、これにより、軸受6は第2のシャフト部材4の回転拘束を行うようになっている。従って、上述した捩りばね5のばね力によって第1のシャフト部材3が回転すると、第1のシャフト部材3と螺合している第2のシャフト部材4は回転することなく、軸方向に直線的に推進し、この推進によってタイミングチェーンに張力を作用させることができる。
図1に示すように、軸受6の筒状部13には、第2のシャフト部材4が軸方向に挿入された状態で貫通している。筒状部13は第2のシャフト部材4の外径よりも大きな内径となっており、第2のシャフト部材4は筒状部13とは間隙Sを有した状態で筒状部13の内部を移動することができる。このように間隙Sを有した状態での移動では、上記摺動孔15を除いた筒状部13の内面と第2のシャフト部材4の外面とが摺動することがなく、摺動孔15以外では、第2のシャフト部材4は筒状部13との間に摩擦抵抗が発生しないか、極めて小さな摩擦抵抗となる。従って、第2のシャフト部材4が円滑に移動することが可能となる。
スペーサ7は螺合状態の一対のシャフト部材13,14がケース2から抜け出ることを防止するものであり、ケース2の収納孔2c内に配置されている。図4はスペーサ7を示しており、軸方向に延びる筒体部7aと、筒体部7aの両端部に折り曲げによって一体的に形成された第1の対向部7d及び第2の対向部7bとを有している。
スペーサ7の筒体部7aは、一対のシャフト部材3,4が貫通するものである。この場合、一対のシャフト部材3,4が貫通する必要はなく、第1のシャフト部材3だけが貫通しても良く、その底部(後端部)には、第1のシャフト部材3が貫通する貫通孔7cが開口されている。第1の対向部7dは、筒体部7aの先端部を屈曲することにより形成されている。
第1の対向部7dは筒体部7aの先端部における4等分位置を外側方向に屈曲することにより形成されるものであり、スペーサ7を収納孔2c内に挿入したとき、軸受6の固定部14に対向するようになっている(図1参照)。固定部14に対向することにより、第1の対向部7dは、軸受6の固定部14とケース2とに挟まれる。このため、第1の対向部7dは固定部14の固定片16と対応するように屈曲位置が設定されている。さらに、ケース2の収納孔2cの先端側には、フランジ部2d方向に向かう段部2iが形成されており、第1の対向部7dはこの段部2iにも対応している。これらにより、スペーサ7を収納孔2c内に挿入すると、第1の対向部7dはその後にケース2に挿入される軸受6の固定部14(固定部14における固定片16の屈曲部16a)と、ケース2の段部2iとに挟まれた状態となってケース2内に固定され、ケース2から抜け出ることがなくなると共に、スペーサ7のがたつきを防止している。このようにスペーサ7ががたつくことがなくなることにより、テンショナー作動時のがたつき音の発生を抑制することができる。
第2の対向部7bは、筒体部7aの後端部(底部)を内方に屈曲することにより形成される。この内方への屈曲により、第2の対向部7bは第1のシャフト部材3に形成されているフランジ部3cに対向しており、フランジ部3dの先端面に当接する。この当接により、第1のシャフト部材3のケース2からの抜け止めが行われ、結果としてスペーサ7は一対のシャフト部材3,4の抜け止めを行うようになっている。
以上の構造からなるスペーサ7は、先端部の第1対向部7dが軸受6の固定部14とケースの段部2iとに挟まれてケース2内に配置されることから、スペーサ7の全体は軸受6の固定部14よりも後側に位置するように配置される。従って、スペーサ7が軸受6の筒状部13側に延びることがない。
捩りばね5は以上のスペーサ7の筒体部7aの外周に沿って配置される。捩りばね5は、一方のフック部(図示省略)がケース2に係止される一方、他方のフック部5bが第1のシャフト部材3底部のスリット3eに挿入されて係止されている。従って、捩りばね5を巻締めてトルクを付与することにより第1のシャフト部材3に回転力を付与することができる。又、このように捩りばね5がスペーサ7の筒体部7aの外周に沿って配置されることによって、筒体部7aによって捩りばね5がガイドされる。これにより、捩りばね5はその回転中心がスペーサ7の筒体部7aにガイドされるため、捩りばね5の作動が安定し、捩りばね5は第1のシャフト部材3を安定して回転付勢することができる。
この実施の形態のテンショナーA1では、図1に示すように、一対のシャフト部材3,4、スペーサ7及び捩りばね5を組み付けて推進アッシーとし、この推進アッシーをケース2の先端部分から収納孔2cに挿入する。そして、軸受6に対して第2のシャフト部材4を摺動孔15に貫通させ、その後、ケース2に組み付ける。組み付けに際しては、固定片16をケース2の切欠溝18に圧入することにより、回転止めした状態で軸受6をケース2の先端部分に固定する。かかる軸受6の固定では、推進方向に沿って延びている筒状部13の内部に螺合状態の一対のシャフト部材3,4が収納された状態となっており、スペーサ7は筒状部13よりも後側に位置して筒状部13に収納されることがない。
次に、エンジン本体20へテンショナーA1を装着する際には、軸受6をエンジン本体の取付孔(図示省略)に挿入しながら、ケース2のフランジ部2bをエンジン本体取付面に当接させ、この状態で取付孔2dへのボルト締結を行う。
かかるエンジン本体への装着状態では、捩りばね5のばね力によって第1のシャフト部材3が回転し、軸受6の摺動孔15によって回転が拘束されている第2のシャフト部材4が軸受6の筒状部13に案内されて推進する。これにより、タイミングチェーンに張力を付与することができる。
このような実施の形態では、第2のシャフト部材4の回転拘束を行う軸受6に推進方向に沿って延びる筒状部13を形成したため、この筒状部13内に一対のシャフト部材3,4を収納して推進を行うことができる。このため、従来のテンショナーのように、一対のシャフト部材を収納する首部をケースの先端部分に形成する必要がなく、テンショナーの先端部分の径を小さくすることができる。又、この実施形態では、一対のシャフト部材3,4の抜け止めを行うスペーサ7を軸受6の固定部14の後側に配置しているため、スペーサ7が軸受6の筒状部13に入り込んだり、筒状部13と重なり合うことがなく、その分、テンショナーA1の先端部分の径を細くすることができる。そして、このように先端部分が細いテンショナーA1とすることができるため、小排気量の小型エンジンに適用することが可能となる。
(第2実施形態)
図5及び図6は、本発明の第2実施形態のテンショナーA2を示し、図5は図6におけるG−G線断面図、図6は平面図である。この実施の形態においても、筒状部13と筒状部13の基端側の固定部14とによって軸受6が形成されている。筒状部13は間隙Sを有して一対のシャフト部材3,4を収納すると共に、先端部に設けた非円形の摺動孔15によって第2のシャフト部材4を回転拘束した状態で推進を案内している。
固定部14は筒状部13の基端側から軸方向と交差する方向に延びた固定片16となっているが、この実施の形態の固定片16は図6に示すように、筒状部13の基端側を囲むリング状となっている。リング状の固定片16には、係合孔31が対向した2箇所に形成されている。
一方、ケース2のフランジ部2bの先端面には、リング状の凹部32がリング状の固定片16に対応するように形成されている。リング状の凹部32は固定片16が嵌め込まれるものであるが、固定片16の厚さと略同じ深さとなるように形成されている。従って、固定片16を凹部32に嵌め込んでも、フランジ部2bの先端面が面一となるようになっている。
また、凹部32には、固定片16の係合孔31に対応して係合孔31に嵌合する係合突起33が形成されている。この係合突起33が係合孔31に嵌合することにより、軸受6は回転止めされてケース2の先端部分に固定される。さらに、係合突起33の先端部分を加締めて潰すことにより、固定片16の抜け止めを行うことができる。
この実施形態においても、スペーサ7は一対のシャフト部材3,4が貫通する筒体部7aと、筒体部7aの先端部で外方に屈曲する第1の対向部7dと、筒体部7aの後端部で内方に屈曲する第2の対向部7bとを備えている。第1の対向部7dは軸受6の固定部14である固定片16に対向し、第2の対向部7bは第1のシャフト部材3におけるシャフト部3aの先端部分に対向しており、これにより、スペーサ7自体のケース2からの抜け止めと、一対のシャフト部材3,4のケース2からの抜け止めを行っている。又、スペーサ7の全体は、軸受6の固定部14よりも後側に位置するように配置されている。
この実施の形態においては、スペーサ7の筒体部7aが軸方向に幾分長くなっていると共に、推進方向に向かって径が広がる先端部が略ラッパ形状となるように成形されている。これに加えて、第1のシャフト部材3を回転付勢する捩りばね5のコイル部が第1のシャフト部材3のシャフト部3aを覆うだけなく、スペーサ7の筒体部7aの略全長を覆う長さとなっており、その先端の固定端を筒体部7aに巻き付かせている。この巻き付かせにより、捩りばね5の巻締め時におけるコイルうねりを軽減させることが可能となっている。これに加えて、捩りばね5のコイル部の巻数を多くすることができるため、ばね定数を小さくすることが可能となる。
この実施の形態においても、推進方向に沿って延びる筒状部13を軸受6に形成し、この筒状部13をエンジン本体内に挿入すると共に、一対のシャフト部材3の抜け止めを行うスペーサ7を軸受6の固定部14よりも後側に配置し、軸受6の筒状部13と重ならないようにしたため、テンショナーA2の先端部分を細くすることができる。このため、小排気量の小型エンジンに適用することが可能となる。
(第3実施形態)
図7〜図9は、本発明の第3実施形態のテンショナーA3を示し、図7はその正面図、図8は平面図、図9は図8におけるE−E線断面図である。
この実施形態のテンショナーA3は、回転止め状態でケース2の先端部分に固定される軸受6の固定片16が60°間隔で放射状に形成されている。一方、第2のシャフト部材4を回転拘束しながら推進を案内する軸受6の筒状部13は、固定片16から推進方向に延びている。この第2のシャフト部材4と筒状部13との間には、間隙Sが形成されている。また、第2のシャフト部材4の先端には、先端部材23が被せられている。
第6図及び第8図において、25は第1のシャフト部材3の回転を固定するストッパであり、その先端がケース2の治具孔2eを通過して第1のシャフト部材3のスリット3eに挿入される。このようにストッパ25を挿入することにより、第1のシャフト部材3の回転を一時的にロックして、テンショナーをエンジン本体へ組み込むまでの間、第2のシャフト部材4の進出を停止している。
この実施形態においても、一対のシャフト部材3、4の抜け止めを行うスペーサ7は、軸方向に延びた筒体部7aと、筒体部7aの先端部で外方に屈曲されて軸受6の固定部14(固定片16)と対向する第1の対向部7dと、筒体部7aの後端部で内方に屈曲されて第1シャフト部3のシャフト部3aと対向する第2の対向部7bを有するように形成されている。そして、スペーサ7の全体は、軸受6の固定部14よりも後側に位置されるように配置されている。
このような実施の形態においても、推進方向に沿って延びる筒状部13を軸受6に形成し、筒状部13をエンジン本体内に挿入し、スペーサ7を軸受6の固定部14よりも後側に配置して軸受6の筒状部13と重ならないようにしたため、テンショナーA2の先端部分を細くすることができる。このため、小排気量の小型エンジンに適用することが可能となる。
さらに、この実施の形態では、ケース2の全体が丸みを帯びた小径に形成されており、これに伴って、軸受6の筒状部13の径も小さくなっており、小型のエンジンに良好に適用することが容易となっている。
本発明の第1実施形態のテンショナーを示す断面図である。 第1実施形態のテンショナーの平面図である。 (a),(b),(c)は軸受の平面図、D−D線断面図は底面図である。 (a),(b)はスペーサの平面図及び縦断面図である。 本発明の第2実施形態のテンショナーを示す断面図である。 第2実施形態のテンショナーの平面図である。 第3実施形態のテンショナーの正面図である。 第3実施形態のテンショナーの平面図である。 図8におけるE−E線断面図である。 テンショナーを2輪自動車のエンジン本体に実装した状態を示す部分破断正面図である。 テンショナーを4輪自動車のエンジン本体に実装した状態を示す部分破断正面図である。 従来のテンショナーを示す平面図である。 図12におけるQ−Q線断面図である。
符号の説明
A1,A2,A3 テンショナー
2 ケース
3 第1のシャフト部材
4 第2のシャフト部材
5 捩りばね
6 軸受
7 スペーサ
7a 筒体部
7b 第2の対向部
7d 第3の対向部
8 雄ねじ
9 雌ねじ
13 筒状部
14 固定部
16 固定片

Claims (6)

  1. ねじ部によって螺合した一対のシャフト部材における一方のシャフト部材がばねによって回転付勢され、他方のシャフト部材がケースに取り付けた軸受によって回転拘束された状態で軸受を貫通し、前記一対のシャフト部材のケースからの抜け止めを行うスペーサがケースの内部に配置されており、前記ケースがエンジン本体に取り付けられることにより他方のシャフト部材がエンジン本体内を推進する構造であって、
    前記軸受は、ケースに回転止めされた状態でケースに固定される固定部と、ケースの先端部分よりも前記他方のシャフト部材の推進方向に向かって前記固定部から一体的に延び、エンジン本体へのケースの取り付けによりエンジン本体内に挿入される筒状部とを有し、
    前記スペーサは全体が前記固定部よりも後側に位置するようにケースの内部に配置されていることを特徴とするテンショナー。
  2. 前記スペーサは、一対のシャフト部材の内の少なくとも一方のシャフト部材が貫通する筒体部と、前記固定部と対向するように筒体部の先端部が屈曲されて形成された第1の対向部と、前記一方のシャフト部材と対向するように筒体の後端部が屈曲されて形成された第2の対向部とを備えていることを特徴とする請求項1記載のテンショナー。
  3. 前記筒体部の外面に前記ばねが巻き付けられていることを特徴とする請求項2記載のテンショナー。
  4. 前記筒体部が略ラッパ形状に形成され、その外面に前記ばねが巻き付けられていることを特徴とする請求項2記載のテンショナー。
  5. 前記第1の対向部は、前記固定部及びケースに挟まれていることを特徴とする請求項2記載のテンショナー。
  6. 前記軸受は、前記他方のシャフト部材が回転拘束された状態で摺動する摺動孔を前記筒状部の先端部に有しており、前記筒状部は摺動孔を除く部分が前記他方のシャフト部材と間隙を有していることを特徴とする請求項1記載のテンショナー。
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