JP4379180B2 - バーレル形多段タービンポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、バーレル形多段タービンポンプに係り、火力発電所のボイラ給水ポンプや原子炉給水ポンプなどに好適なバーレルケーシング形多段タービンポンプに関する。
従来の一般的なバーレル形タービンポンプのディフューザ及びステージの構造を図7に示す(従来技術1)。この従来技術1のタービンポンプは、羽根車から遠心方向に流出した流体を、羽根車外周部に設けた羽根付きディフューザ4の拡大流路で圧力回復させ、さらにディフューザ外周側のステージ3に形成したUターン通路18で径方向内側に転向させた後、Uターン通路の下流側に設けた返し羽根2で次段の羽根車へと導いている。しかし、この従来技術1では、ディフューザ外周側のステージ3に形成したUターン通路18により外径が大きいという課題があった。
これに対応すべく、性能を低下させることなく小型化を図るディフューザ付きポンプとして、特開平2−283900号公報(特許文献1)に開示されたものが提唱されている(従来技術2)。この従来技術2のディフューザ付きポンプは、ディフューザ後段側板のうちの最外周部分を削除して軸方向の流路を形成することにより、Uターン流路を廃止して径方向の小型化を図っている。そして、ディフューザの拡大通路の出口部分に軸方向に傾斜したガイド面を備えたガイド翼を設け、出口部分から流出する流体を円滑に導き返し羽根へ流入させることにより、流体の転向における損失を低減するようになっている。しかし、この従来技術2のディフューザ付きポンプでは、ディフューザ拡大通路の出口部分にガイド翼を設けることにより、出口部分から返し羽根にかけての流路面積を十分に確保することが困難となるため、この流路面積の縮小によって損失が増大し、全体としては損失の低減が不十分となる、という課題があった。
これに対応すべく、流体損失を低減しつつ小型化を図れる遠心形ターボ機械として、特開平11−324987号公報(特許文献2)に開示されたものが提案されている(従来技術3)。この従来技術3の遠心形ターボ機械は、複数段に設けられた遠心羽根車と、各遠心羽根車の下流側に設けられたディフューザと、このディフューザの下流側に設けられ流体の流れを次段遠心羽根車に導く戻り流路と、この戻り流路に配置された返し羽根とを有している。そして、各部の構成は次の通りである。各ディフューザは、戻り流路との仕切壁をなすディフューザ側板と、円形翼列状に配置された複数のディフューザ羽根とを備える。このディフューザ側板は、一のディフューザ羽根とこれに隣接するディフューザ羽根との間で挟まれる拡大通路に臨む部分のうち一のディフューザ羽根の負圧面の後縁より出口側に、流れを略遠心方向から略軸方向に転向させつつ前記戻り流路へと導く半開部通路を備えている。各ディフューザ羽根は、圧力面のうち前記半開部通路に臨む部分が、軸方向下流側に向かって漸次テーパー状に薄肉化されている。
また、従来の一般的なバーレル形タービンポンプの軸封冷却構造を図8に示す(従来技術4)。この従来技術4のタービンポンプは、外ケーシング14と別に分割構造とした軸封ケース21を、回転軸6の外周に配置すると共に、外ケーシング14の内周に嵌合している。軸封ケース21の外周側には冷却室15が設けられ、軸封ケース21の内周側には軸封室16が設けられている。この冷却室15には外ケーシング14に形成された通水路15aが連通され、冷却水が供給される。軸封ケース21と外ケーシング14との嵌合面の冷却室15の周囲にOリング19が設けられている。軸封室16には軸封ケース21に形成された通水路16aが連通され、軸封水が供給される。通水路16aは通水路15aおよび冷却室15を避ける必要があるため、これらに対して軸方向にずらして設けられている。
また、従来の一般的なバーレル形タービンポンプの外ケーシング吐出口構造を図9に示す(従来技術5)。この従来技術5のタービンポンプでは、外ケーシング14の厚肉円筒の吐出口12が外ケーシング14の円筒外周面に溶接されている。この吐出口12の溶接開先形状は外ケーシング14の外周面に一致するように鞍形に形成されている。
特開平2−283900号公報
特開平11−324987号公報
近年、ポンプの小型化の要請が高まっており、これに対応すべく、従来技術3の遠心形ターボ機械が提案されたが、従来技術3では、ディフューザ羽根の圧力面のうち半開部通路に臨む部分が軸方向下流側に向かって漸次薄肉化されているので(特許文献2の図3参照)、ディフューザ羽根の薄肉化された部分の根本部(ディフューザ側板側の部分)の強度が弱くなるだけでなく、鋳物で成形する上で欠陥が出易くなることから、信頼性が低下してしまうものであった。この部分は、鋳物製作上、厚肉にした方が製作しやすい。また、従来技術3では、ディフューザ羽根の薄肉化が単にテーパー状に形成にされているため、上述した流れの転向が必ずしもスムースに行なわれていなかった。この流れの転向をさらにスムースにすることによってさらなる流路損失の低減を図ることが望まれる。
また、従来技術4では、通水路16aと冷却室15および通水路15aとが軸方向にずらして互いに干渉しないように設けているので、冷却室15と軸封ケース部21とを構成要素とする軸方向寸法が大きくなり、ポンプ全長が長くなっていた。また、これに伴って、軸封部の両側に備える軸受の軸受スパンが拡大することとなり、回転軸6のたわみ量拡大、曲げ応力の増大につながり、信頼性が低下するものであった。
また、従来技術5では、外ケーシング14の外周面が円弧となっていることから、吐出口12の溶接開先形状が鞍形で複雑な形状となり、吐出口12の開先加工が難しいと共に、組立溶接時の作業性も悪く、製造コストが高くなる要因となっていた。
本発明の目的は、小型化を図りつつ、信頼性を向上すると共に、流路損失の低減を可能とするバーレル形タービンポンプを提供することにある。
なお、本発明のその他の目的と有利点は以下の記述から明らかにされる。
前記目的を達成するために、本発明は、回転軸に複数段に設けられた遠心羽根車と、前記遠心羽根車を覆う内ケーシングと、流体の吸込口および吐出口を有する外ケーシングとを備え、前記内ケーシングは、各遠心羽根車の下流側に設けられた複数段のディフューザと、これらのディフューザの下流側に設けられ流体の流れを次段遠心羽根車に導く戻り流路と、これらの戻り流路に配置された返し羽根とを有し、前記各ディフューザは、前記戻り流路との仕切壁をなすディフューザ側板と、円形翼列状に配置された複数のディフューザ羽根とを一体に備え、前記ディフューザ側板は、一つの前記ディフューザ羽根とこれに隣接する前記ディフューザ羽根との間で挟まれる拡大流路に臨む部分のうち、前記一つディフューザ羽根の後縁より出口側に流れを略遠心方向から略軸方向に転向させつつ前記戻り流路への導く半開部通路を備えたバーレル形多段タービンポンプにおいて、前記返し羽根の羽根枚数と前記ディフューザ羽根の羽根枚数とを同一枚数とすると共に、前記各返し羽根を前記各ディフューザ羽根の後縁を起点として前記ディフューザ側板の前記各半開部通路を形成する縁部に沿って延びるように形成しており、前記各ディフューザ羽根の前記半開部通路に臨む部分を径方向外方に漸次厚く且つ径方向の各位置における軸方向にほぼ同じ厚さとすると共に、前記各ディフューザ羽根の前記半開部通路に臨む部分の圧力面を径方向外方且つ軸方向下流側に向かって漸次曲率が小さくなる円弧面で形成し、前記各ディフューザ羽根の前記半開部通路に臨む部分の負圧面も径方向外方且つ軸方向下流側に向かって漸次曲率が小さくなる円弧面で形成しているバーレル形多段タービンポンプとしたものである。
係る本発明のより好ましい具体例は次の通りである。
(1)前記返し羽根は、前記返し羽根は、前記ディフューザ側板の前記半開部通路を形成する縁部に沿って外周部まで延び、前記ディフュ−ザ羽根同様に全て円弧面で形成され、軸方向下流側に向かい羽根が円周方向にずれるように形成されている
)前記複数段のステージの途中段に構成した抽出段ステージの外周面に段部を形成し、この段部の外周面と前記外ケーシングの内周面とによって嵌合面を形成し、この嵌合面に設けた凹部内にOリングを収納して前記嵌合面をシールしたこと。
)前記外ケーシングは端部に軸封部を有し、この軸封部は、前記回転軸との間に形成される軸封室と、この軸封室の外周に形成される冷却室とを有し、前記軸封室と前記冷却室とは軸方向に重なり合うように形成されると共に、前記軸封室への通水路は前記冷却室を通して形成されていること。
)前記軸封部は前記軸封室および前記冷却室を形成した軸封ケースを前記外ケーシングに溶接して一体に結合して形成されていること。
)前記軸封室への通水路は前記冷却室への通水路と周方向にずらして前記冷却室を通して形成されていること。
)前記外ケーシングの円筒状の外周面の一部が平坦部に形成され、開先形状が平面で形成された吐出口が前記外ケーシングの平坦部に溶接されている。
本発明によれば、返し羽根の羽根枚数とディフューザ羽根の羽根枚数とを同一枚数とすると共に、各返し羽根を各ディフューザ羽根の後縁を起点としてディフューザ側板の各半開部通路を形成する縁部に沿って延びるように形成しており、各ディフューザ羽根の半開部通路に臨む部分を径方向外方に漸次厚く且つ径方向の各位置における軸方向にほぼ同じ厚さすると共に、各ディフューザ羽根の半開部通路に臨む部分の圧力面を径方向外方且つ軸方向下流側に向かって漸次曲率が小さくなる円弧面で形成しているので、従来技術3と比較して、ディフューザ羽根の半開部通路に臨む部分の強度を十分に確保して高い信頼性を維持しつつ、半開部通路の流路面積の増大および流れの転向を滑らかに行なうことができ、流路損失の大幅な低減を行なうことができる。
本発明の好ましい具体例によれば、返し羽根は、ディフューザ側板の半開部通路を形成する縁部に沿って外周部まで延び、ディフュ−ザ羽根同様に全て円弧面で形成され、軸方向下流側に向かい羽根が円周方向にずれるように形成されているので、ディフューザで圧力回復された流体を戻り流路に確実に流すことができ、性能向上を図ることができる。
本発明の好ましい具体例によれば、複数段のステージの途中段に構成した抽出段ステージの外周面に段部を形成し、この段部の外周面と外ケーシングの内周面とによって嵌合面を形成し、この嵌合面に設けた凹部内にOリングを収納して嵌合面をシールしているので、軸方向の寸法を大きくすることなく、簡単な構造で、抽出室と吐出室とを仕切って確実にシールすることができる。
本発明の好ましい具体例によれば、軸封室と冷却室とが軸方向に重なり合うように形成されると共に、軸封室への通水路が冷却室を通して形成されているので、軸封部の軸方向寸法を縮減でき、小型化を図ることができる。
本発明の好ましい具体例によれば、軸封部は軸封室および冷却室を形成した軸封ケースを外ケーシングに溶接して一体に結合して形成されているので、軸封ケースと外ケーシングとの間にOリングなどのシール部材を必要とせず、安価で信頼性の高いものとすることができる。
本発明の好ましい具体例によれば、軸封室への通水路は冷却室への通水路と周方向にずらして冷却室を通して形成されているので、軸封ケース21を鋳物で簡単に製作することができる。
本発明の好ましい具体例によれば、外ケーシングの円筒状の外周面の一部が平坦部に形成され、開先形状が平面で形成された吐出口が外ケーシングの平坦部に溶接されているので、部品コストの低減、製作時の作業効率の向上を図ることができる。
以下、本発明の一実施形態のバーレル形多段タービンポンプについて図を用いて説明する。各実施形態の図および従来技術の図における同一符号は同一物または相当物を示す。なお、本発明は、この一実施形態に開示した形態に限られるものではなく、公知技術などに基づく変更を許容するものである。
本発明の第1実施形態のバーレル形多段タービンポンプを図1から図3を用いて説明する。
まず、本実施形態のバーレル形多段タービンポンプ(二重胴ケーシング形タービンポンプ)1の全体構成に関して図1を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態のバーレル形多段タービンポンプの断面図である。
バーレル形多段タービンポンプ1は、いわゆる遠心多段ポンプであり、複数段(この実施形態では5段)に設けられた遠心羽根車7と、遠心羽根車7を覆う内ケーシング5と、内ケーシング5を覆う外ケーシング14と、外ケーシング14の両側端部を軸封する軸封部50とを備えて構成されている。
遠心羽根車7は、回転軸6に固定されており、それぞれ複数枚の羽根が設けられている。
内ケーシング5は、各遠心羽根車7の下流側に設けられたディフューザ4と、このディフューザ4の下流側に設けられ流体の流れを次段遠心羽根車7に導く戻り流路2と、この戻り流路2に配置された返し羽根22と、各段においてディフューザ4の外周側を覆うように設けられるステージ3とを備えて構成されている。ディフューザ4は、遠心羽根車7の外周側に設けられており、それぞれ、戻り流路2との仕切壁をなすディフューザ側板41と、円形翼列状に配置された複数のディフューザ羽根42とを一体に備えている。返し羽根22は、ディフューザ羽根42の反対側に位置してディフューザ側板41に一体に形成されている。
外ケーシング14は、加圧対象である流体が導入される吸込口13と、加圧された流体が吐出される吐出口12とを備えて構成されている。また、外ケーシング14は、吸込口13および吐出口12を有する外ケーシング本体14aと、吐出室10の高圧流体の外部への流出を押えるケーシングカバー14bとをボルト締結することにより構成されている。流体は、吸込口13から流入され、各段の遠心羽根車7、ディフューザ4、ステージ3を介して吐出口12から流出される。
外ケーシング14の一側には外ケーシング本体14aの端部を構成するように軸封部50が設けられ、外ケーシング14の他側にはケーシングカバー14bの端部を構成するように軸封部50が設けられている。軸封部50は、軸封室16および冷却室15を形成した軸封ケース21と、軸封室16内に収納された軸封装置51とを備えて構成されている。軸封ケース21は外ケーシング本体14aもしくはケーシングカバー14bと溶接されて一体に結合され、それぞれの端部を構成している。係る構成によって、軸封ケース21と外ケーシング14との間にOリングなどのシール部材を必要とせず、安価で信頼性の高いものとすることができる。
次に、ディフューザ4の詳細に関して図1および図2を参照しながら説明する。図2Aは図1のディフューザ部の断面図である。図2Bは同ディフューザ部の要部斜視図で、(a)はディフューザ羽根42が垂直より圧力面側に傾いた状態の例を示し、(b)はディフューザ羽根42が垂直より負圧面側に傾いた状態の例を示す。
ディフューザ羽根42は、負圧面42と圧力面42とを備え、径方向に漸次厚く且つ径方向の各位置における軸方向にほぼ同じ厚さを有するように形成されている。また、各ディフューザ羽根42は、この種のディフューザ羽根として公知であるものと同様に、拡大流路で流れの主に周方向成分を減速して圧力回復するために、出口側になるほどステージ3の内周面3aとなす角度が小さくなるように形成されている。また、ディフューザ側板41は、そのディフューザ羽根42とこれに隣接するディフューザ羽根42との間で挟まれる拡大通路に臨む部分のうち、ディフューザ羽根42の負圧面42の後縁より出口側に、流れを略遠心方向から略軸方向に転向させつつ戻り流路2へと導く半開部通路30を備えている。この半開部通路30により従来技術1に示すようなUターン通路を必要とすることがなく、内ケーシング5の外径を小さくすることができ、これに伴ってバーレル形多段タービンポンプ1の小形化を図ることができる。さらに、各ディフューザ羽根42は、それらの圧力面42のうち半開部通路30に臨む部分が、径方向且つ軸方向下流側に向かって漸次圧力面側が滑らかに拡大されるように形成されている。
また、返し羽根22は、円形翼列状に周方向に配列されると共に、ディフューザ側板41の半開部通路30を形成する縁部に沿って外周部まで延びている。
以上のように構成したバーレル形多段タービンポンプ1の動作及び作用を説明する。
回転軸6が駆動されると、各遠心羽根車7が回転し、吸込口13から各段の遠心羽根車7へ加圧対象流体が順次導かれる。このとき、各段において、遠心羽根車7から略遠心方向に流出した流体は、羽根車7の下流側のディフューザ4に流入される。この流体は、ディフューザ羽根42の間に周方向に挟まれ且つディフューザ側板41で軸方向下流側を画定された拡大流路に流入され、この拡大流路内を外周方向(遠心方向)へ向かって進んで周方向速度成分を減速し圧力回復された後、出口側にある半開部通路30へ導入される。半開部通路30を通過した流体は、さらにディフューザ4の下流側の戻り流路2に配置された返し羽根22によって次段の遠心羽根車7に導かれる。
このとき、半開部通路30へ導入された流体の流れの径方向内側は隣接するディフューザ羽根42の圧力面42に接すると共に、その流れの径方向外側はステージ3の内周面3aに接し、その流れはその圧力面42とステージ内周面3aとによって略遠心方向から略軸方向へと転向される。このように、ディフューザ側板41の遠心方向出口側に半開部通路30を設けることにより、ステージ3に流れを転向させるためのUターン通路を設ける必要がなくなるため、その分、ステージ3の径方向寸法を小さくすることができる。したがって、バーレル形多段タービンポンプ1全体の小型化を図ることができる。
ここで、ディフューザ羽根42は、前述したように出口側になるほどステージ3の内周面3aとなす角度が小さくなるように形成されているため、半開部通路30の周方向寸法も各ディフューザ羽根42の出口側になるほど小さくなり、その分、流体の流れが転向するときの流路面積が小さくなり増速される傾向となる。そのため、上記拡大流路での減速による圧力回復の効果が犠牲となり損失となる。
そこで、本実施形態においては、ディフューザ羽根42の半開部通路30に臨む部分が、径方向に漸次厚く且つ径方向の各位置における軸方向にほぼ同じ厚さを有すると共に、径方向且つ軸方向下流側に向かって漸次圧力面側を滑らかに拡大するように形成されている。これにより、ディフューザ羽根42の半開部通路30に臨む部分の強度を十分に確保して高い信頼性を維持しつつ、半開部通路30の流路面積の拡大および流れの転向を滑らかに行なうことができ、流路損失の大幅な低減を行なうことができる。特に、この拡大する圧力面は、全て円弧面で形成され、径方向及び軸方向に向かってその円弧面の曲率半径が小さくなるように形成されているので、より一層滑らかな流体の転向が行なうことができる。
さらには、返し羽根22がディフューザ側板41の半開部通路30を形成する縁部に沿って外周部まで延びているので、ディフューザ4で圧力回復された流体を次の戻り流路2側に確実に導くことができ、この点からも性能向上を図ることができる。
次に、外ケーシング1と内ケーシング5とのシールに関して図3を参照しながら説明する。図3は図1の外ケーシングと内ケーシングとのシール部の断面図である。
複数段のステージ3の途中段(本実施形態では3段目)が抽出段ステージ8として構成されている。抽出段ステージ8は、外ケーシング本体14aと内ケーシング5との間に形成される抽出室(リヒータースプレー抽出室)9に連通する抽出穴8cを有している。抽出室9は外部に連通する抽出口9aに連通されている(図1参照)。
抽出段ステージ8の外周面に段部8aを形成し、この段部8aの外周面と外ケーシング1の内周面とによって嵌合面を限られた領域に部分的に形成している。この嵌合面に凹部8bを設け、この凹部8b内にOリング19及びバックアップリング20を収納し、これらにより嵌合面をシールすることにより、抽出段圧力の抽出室9及び高圧の吐出室10とが仕切られている。係る構成によって、軸方向の寸法を大きくすることなく、簡単な構造で、抽出室9と吐出室10とを仕切って確実にシールすることができる。
次に、軸封部50の冷却構造に関して図4および図5を参照しながら説明する。図4は図1の軸封部50の縦断面詳細図、図5は図4のA−A断面図である。図示された軸封部50は外ケーシング本体14aの端部を構成するように設けられた例である。なお、ケーシングカバー14bの端部を構成する軸封部50は、これに対称でほぼ同じ構造であるので、詳細を図示しての説明を省略する。
軸封部50の軸封室16は、回転軸6を通して流体が外部に漏れるのを防止するためのものであり、軸封ケース21と回転軸6との間に形成されている。軸封部50の冷却室15は、軸封室16に配置された軸封装置51(例えばメカニカルシール等)の冷却を行なうためのものであり、軸封室16の外周側に位置して軸封ケース21の内部に形成されている。軸封室16と冷却室15とは軸方向に重なり合うように形成されている。また、軸封室16への通水路16aは冷却室15を通して形成されている。係る構成によって、軸封部50の軸方向寸法を縮減でき、この点からもバーレル形多段タービンポンプ1の小型化を図ることができる。さらには、軸封室16への通水路16aは冷却室15への通水路15aと周方向にずらして冷却室15を通して形成されている。係る構成によって、軸封ケース21を鋳物で簡単に製作することができる。なお、冷却室15の通水路15a及び軸封室16の通水路16aにはポンプ外部からの軸封水配管もしくは自己循環式閉ループの軸封水配管が接続される。
次に、外ケーシング本体14aに形成される吐出口12に関して図6を参照しながら説明する。図6は図1の吐出口12の部分を示す斜視図である。なお、図6では、外ケーシング本体14aの一部のみを示してある。
外ケーシング本体14aは円筒状の外周面の一部に平坦部60が形成されている。吐出口12は、開先が平面で形成された吐出口12が外ケーシングの平坦部60に溶接されている。係る構成によれば、部品コストの低減、製作時の作業効率の向上を図ることができる。
本発明の第1実施形態のバーレル形多段タービンポンプの断面図である。 図1のディフューザ部の断面図である。 本実施形態のディフューザ部の要部斜視図である。 図1の外ケーシングと内ケーシングとのシール部の断面図である。 図1の軸封部の縦断面詳細図である。 図4のA−A断面図である。 図1の吐出口の部分を示す斜視図である。 従来の一般的なバーレル形多段タービンポンプのディフューザ部の断面図である。 従来の軸封部の縦断面図である。 従来の吐出口の部分を示す斜視図である。
符号の説明
1…バーレル形多段タービンポンプ、2…戻り流路、3…ステージ、4…ディフューザ、5…内ケーシング、6…回転軸、7…遠心羽根車、8…抽出段ステージ、9…抽出室、10…吐出室、11…吸込室、12…吐出口、13…吸込口、14…外ケーシング、14a…外ケーシング、14b…ケーシングカバー、15…冷却室、16…軸封室、17…Oリングシール、18…Uターン通路、19…Oリング、20…バックアップリング、21…軸封ケース、22…返し羽根、30…半開部通路、41…ディフューザ側板、42…ディフューザ羽根、50…軸封部、51…軸封装置、60…平坦部。

Claims (7)

  1. 回転軸に複数段に設けられた遠心羽根車と、
    前記遠心羽根車を覆う内ケーシングと、
    流体の吸込口および吐出口を有する外ケーシングとを備え、
    前記内ケーシングは、各遠心羽根車の下流側に設けられた複数段のディフューザと、これらのディフューザの下流側に設けられ流体の流れを次段遠心羽根車に導く戻り流路と、これらの戻り流路に配置された返し羽根とを有し、
    前記各ディフューザは、前記戻り流路との仕切壁をなすディフューザ側板と、円形翼列状に配置された複数のディフューザ羽根とを一体に備え、
    前記ディフューザ側板は、一つの前記ディフューザ羽根とこれに隣接する前記ディフューザ羽根との間で挟まれる拡大流路に臨む部分のうち、前記一つディフューザ羽根の後縁より出口側に流れを略遠心方向から略軸方向に転向させつつ前記戻り流路への導く半開部通路を備えたバーレル形多段タービンポンプにおいて、
    前記返し羽根の羽根枚数と前記ディフューザ羽根の羽根枚数とを同一枚数とすると共に、前記各返し羽根を前記各ディフューザ羽根の後縁を起点として前記ディフューザ側板の前記各半開部通路を形成する縁部に沿って延びるように形成しており、
    前記各ディフューザ羽根の前記半開部通路に臨む部分を径方向外方に漸次厚く且つ径方向の各位置における軸方向にほぼ同じ厚さとすると共に、前記各ディフューザ羽根の前記半開部通路に臨む部分の圧力面を径方向外方且つ軸方向下流側に向かって漸次曲率が小さくなる円弧面で形成し、前記各ディフューザ羽根の前記半開部通路に臨む部分の負圧面も径方向外方且つ軸方向下流側に向かって漸次曲率が小さくなる円弧面で形成しているバーレル形多段タービンポンプ。
  2. 請求項1に記載されたバーレル形多段タービンポンプにおいて、前記返し羽根は、前記ディフューザ側板の前記半開部通路を形成する縁部に沿って外周部まで延び、前記ディフュ−ザ羽根同様に全て円弧面で形成され、軸方向下流側に向かい羽根が円周方向にずれるように形成されているバーレル形多段タービンポンプ。
  3. 請求項1に記載されたバーレル形多段タービンポンプにおいて、前記複数段のステージの途中段に構成した抽出段ステージの外周面に段部を形成し、この段部の外周面と前記外ケーシングの内周面とによって嵌合面を形成し、この嵌合面に設けた凹部内にOリングを収納して前記嵌合面をシールしたバーレル形多段タービンポンプ。
  4. 請求項1に記載されたバーレル形多段タービンポンプにおいて、前記外ケーシングは端部に軸封部を有し、この軸封部は、前記回転軸との間に形成される軸封室と、この軸封室の外周に形成される冷却室とを有し、前記軸封室と前記冷却室とは軸方向に重なり合うように形成されると共に、前記軸封室への通水路は前記冷却室を通して形成されているバーレル形多段タービンポンプ。
  5. 請求項4に記載されたバーレル形多段タービンポンプにおいて、前記軸封部は前記軸封室および前記冷却室を形成した軸封ケースを前記外ケーシングに溶接して一体に結合して形成されているバーレル形多段タービンポンプ。
  6. 請求項4に記載されたバーレル形多段タービンポンプにおいて、前記軸封室への通水路は前記冷却室への通水路と周方向にずらして前記冷却室を通して形成されているバーレル形多段タービンポンプ。
  7. 請求項1に記載されたバーレル形多段タービンポンプにおいて、前記外ケーシングの円筒状の外周面の一部が平坦部に形成され、開先形状が平面で形成された吐出口が前記外ケーシングの平坦部に溶接されているバーレル形多段タービンポンプ。
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