JP4375722B2 - 銅配線用残渣洗浄剤 - Google Patents
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Description
〔1〕 銅とのキレート安定度定数が15以上であり、かつチオール基を有しないアミノ酸を含有する銅配線用残渣洗浄剤、
〔2〕 前記〔1〕記載の銅配線用残渣洗浄剤を用いて、銅配線及び絶縁膜を有する半導体基板又は半導体素子を洗浄する工程を有する、半導体基板又は半導体素子の洗浄方法、並びに
〔3〕 前記〔2〕記載の洗浄方法を用いた洗浄工程を含む、半導体基板又は半導体素子の製造方法
に関する。
本発明の銅配線用残渣洗浄剤(以下、単に洗浄剤という)は、前記のように、銅とのキレート安定度定数が15以上であり、かつチオール基を有しないアミノ酸を含有することを特徴とするものであり、かかる特徴を有することで、銅配線半導体基板の製造工程におけるエッチングやアッシング処理後の銅配線残渣を、銅配線やlow−k膜等の絶縁膜にダメージを与えず、効果的に除去できるという効果が奏される。
また、銅配線や低誘電率絶縁膜へのダメージを低減する観点から、水(25℃)に溶解した際にその1重量%の水溶液のpHが5〜8となるものが好ましい。
これらのアミノ酸は、単独で又は2種以上を併用することができる。
したがって、従来知られていなかった特定のアミノ酸の洗浄性に着目することで、初めて、有効な銅配線及び、絶縁膜としてlow−k膜等の低誘電率膜を含む半導体基板用の洗浄剤を開発することが可能になった。
1)100ml容のポリエチレン容器に、洗浄剤20gを入れ、40℃の恒温槽中で恒温化する。
2)次に、酸化銅(II)粉末(和光純薬製:038-04345 ;平均粒径 約3μm)0.1gを添加し、30分間十分に撹拌する。
3)上澄み10gを遠心チューブに分取し、遠心分離装置(日立製作所製:商品名「himac CP56G」)を用い、20000 r/min、15分間の条件で分離を行い、その結果生じた上澄み液をICP 発光分析装置(堀場製作所(株)製、商品名「JY238 」)を用いて銅の発光強度を測定する。
4)銅の溶解量は、既知の濃度の銅水溶液により作成した検量線から求める。
1)シリコン(厚さ0.7mm)上にメッキ法により製膜した銅メッキ層(厚さ約500nm )を形成させた基板から、3cm角に切り出し、試験片を作製する。
2)試験片を、0.1 重量%フッ化水素酸水溶液に室温下30秒間浸漬し、水ですすぎ、窒素ブローで乾燥することにより前洗浄を行う。その試験片について蛍光X線測定装置(理学電機工業製:「ZSX100e 」)を用い銅の強度測定を行う(試験水溶液浸漬前の膜厚測定)。
3)その後、恒温化された40℃の洗浄液20gに試験片を30分間浸漬し、イオン交換水ですすぎ、窒素ブローにより乾燥した後、浸漬前に測定した場所と同一場所を蛍光X線測定装置を用い銅の強度測定を行う(洗浄液浸漬後の膜厚測定)。
4)あらかじめ既知の膜厚の銅メッキ膜について蛍光X線測定装置を用いて作成した検量線から洗浄液浸漬前後での膜厚を算出して、銅の腐食量を算出する。
本発明の半導体基板又は半導体素子の洗浄方法は、本発明の洗浄剤を用いて、半導体基板又は半導体素子を洗浄することを特徴とする。かかる洗浄手段としては、特に限定されるものではなく、浸漬剥離洗浄、揺動剥離洗浄、枚葉剥離洗浄、スピナーのような回転を利用した剥離洗浄、パドル洗浄、気中又は液中スプレーによる剥離洗浄、超音波を用いた剥離洗浄等が挙げられるが、中でも、浸漬剥離洗浄と揺動剥離洗浄に好適である。
尚、前記の絶縁膜は、バリア膜、ストッパー膜、層間絶縁膜等に用いることができる。
本発明の半導体基板又は半導体素子の製造方法は、前記洗浄方法を用いた洗浄工程を含むものであり、具体的には、前記洗浄剤を用いて、半導体基板又は半導体素子を洗浄する工程を有することを特徴とする。
該製造方法に用いられる半導体基板又は半導体素子の洗浄方法は、前記方法と同じであることが好ましい。前記洗浄剤、及び前記半導体基板又は半導体素子の洗浄方法を用いて得られる半導体基板又は半導体素子は、残渣の残留がなく、金属配線材料の腐食が極めて少ないものであり、従来の洗浄剤では適用できなかった配線幅が非常に微細な半導体基板又は半導体素子の洗浄にも使用でき、かつlow−k膜へのダメージも小さいため、より小型で高性能なLCD、メモリ、CPU等の電子部品の製造に好適に使用できる。さらには、次世代の絶縁膜として開発が進められているUltra―low−k等のダメージを受けやすいポーラス材料を用いた半導体基板又は半導体素子の製造にも好適に使用することができる。
1.洗浄剤の調製
表1に示すアミノ酸を含有する洗浄剤(数値は重量%)を調製し、pHを測定した。得られた洗浄剤の物性について、以下の方法に従って測定し、評価した。これらの結果を表1に示す。
前記標準試験(A)により第二酸化銅の溶解量を、また、前記標準試験(B)により銅メッキ膜の腐食量を測定した。
なお、標準試験(A)における検量線は、Cu含有量が既知の約0、2及び20ppmの標準溶液を用いてICP測定により作成した。洗浄剤の測定は、0〜20ppmの検量線範囲内に測定値が入るように希釈して行った。
また、標準試験(B)における検量線は、銅メッキ膜の厚さが既知の約0、250及び500nmの標準試料を用い、蛍光X線強度を測定することにより作成した。
シリコン上に低誘電率絶縁膜として、ポーラスSiOC(比誘電率2.2)を500 nmの厚さで均一に成膜したウェハ(シリコン厚み:0.7mm)を、1cm角で切り出しサンプルとした。この絶縁膜サンプルの正確な膜厚を、光干渉膜厚計(大日本スクリーン製造(株)製、光干渉式膜厚測定装置「ラムダエースVM−1000」)を用いて正確に測定した後、洗浄剤30g中に25℃、30分間浸漬させた。その後、再び膜厚を測定して浸漬前後での膜厚差を計算することにより、腐食量を求めた。
シリコンウェハ上に銅、窒化珪素膜、低誘電率絶縁膜{(ポーラスSiOC(比誘電率2.2)}、窒化珪素膜の順で成膜し、その上にポリビニルフェノール系のポジ型レジスト組成物を塗布、乾燥してレジスト膜を形成することによりサンプルウェハを調製した。その後、ホールパターンを転写してリソグラフィーを行い、これをマスクとしてレジスト膜のない窒化珪素膜、低誘電率絶縁膜、窒化珪素膜をフッ化炭素系(CF系)や酸素系のエッチングガスでドライエッチングして除去した。最後に、酸素プラズマによるアッシング処理によって、レジスト膜を除去し、ホールパターンを形成させた。これらのウェハをSEM(走査型電子顕微鏡)観察(50000 倍〜100000倍)することにより、ホール内部にエッチング、アッシング後の残渣、つまりポリマーが形成されているのを確認した。
これらのウェハを1cm角に切り出して、洗浄試験に使用した(評価用ウェハ)。
(1)剥離方法:30mlの洗浄剤に25℃で3分間、上記の評価用ウェハを浸漬し、洗浄した。
(2)すすぎ、乾燥方法:洗浄液から取り出した評価用ウェハを、30mlの超純水に25℃で1分間浸漬し、これを2回繰り返した後、窒素ブローにより乾燥した。
(3)評価方法:すすぎを終えた評価用ウェハを乾燥後、FE-SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて50000 倍〜100000倍の倍率下で観察し、銅配線残渣の除去性、銅配線の腐食性、絶縁膜の腐食性、及び表面汚染性の評価を下記の3段階で行った。
○:残渣が全く確認されない。
△:残渣が一部残存している。
×:残渣が大部分残存している。
○:銅配線の腐食が全く確認されない。
△:銅配線の腐食が一部発生している。
×:銅配線の腐食が大きく発生している。
○:絶縁線の腐食が全く確認されない。
△:絶縁膜の腐食が一部発生している。
×:絶縁膜の腐食が大きく発生している。
○:ウェハ表面に付着物はなくきれいである。
△:ウェハ表面に一部、付着物が見られる。
×:ウェハ表面に多量に付着物が見られる。
Claims (5)
- 銅とのキレート安定度定数が15以上であり、かつチオール基を有しないアミノ酸と水のみからなる銅配線用残渣洗浄剤。
- pHが5〜8である請求項1記載の銅配線用残渣洗浄剤。
- アミノ酸の含有量が0.5〜10重量%、かつ水の含有量が90〜99.5重量%である請求項1又は2記載の銅配線用残渣洗浄剤。
- 請求項1〜3いずれか記載の銅配線用残渣洗浄剤を用いて、銅配線及び絶縁膜を有する半導体基板又は半導体素子を洗浄する工程を有する、半導体基板又は半導体素子の洗浄方法。
- 請求項4記載の洗浄方法を用いた洗浄工程を含む、半導体基板又は半導体素子の製造方法。
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