JP4397800B2 - 半導体素子洗浄用組成物 - Google Patents

半導体素子洗浄用組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4397800B2
JP4397800B2 JP2004348980A JP2004348980A JP4397800B2 JP 4397800 B2 JP4397800 B2 JP 4397800B2 JP 2004348980 A JP2004348980 A JP 2004348980A JP 2004348980 A JP2004348980 A JP 2004348980A JP 4397800 B2 JP4397800 B2 JP 4397800B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
sulfur
protective film
cleaning
aluminum wiring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004348980A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005210082A (ja
Inventor
敦司 田村
康広 土井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2004348980A priority Critical patent/JP4397800B2/ja
Publication of JP2005210082A publication Critical patent/JP2005210082A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4397800B2 publication Critical patent/JP4397800B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Detergent Compositions (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)

Description

本発明は、アルミニウム配線表面上に保護膜を有する半導体素子、ならびに該保護膜を形成する工程を有する半導体素子の製造方法に関する。
さらに、本発明は、アルミニウム配線を有する半導体素子の洗浄に用いるための含硫黄洗浄剤組成物に関する。
シリコンウエハなどの半導体基板上への半導体素子の製造において、スパッタリングなどの方法で薄膜を形成し、リソグラフィーにより薄膜上に所定のパターンをレジストで形成する。これをエッチングレジストとして下層部の薄膜を選択的にエッチングで除去した後、アッシングにてレジストを除去し、このエッチングまたはアッシングの後に発生する残渣を洗浄剤によって除去する。これらの一連の工程が繰り返されて半導体素子の製品が製造される。
一方、半導体素子の高速化および高集積化の要求が高まるにつれてアルミニウム配線の微細化が進み配線幅が狭くなる傾向にある。しかしながら、配線幅が狭い場合、半導体素子の製造に用いられる洗浄剤による配線腐食が生じやすくなる。従って、近年、洗浄剤による配線腐食の許容レベルが非常に厳しくなってきている。
例えば、現在広く用いられている含フッ素化合物やアミンを用いた洗浄剤(例えば、特許文献1、2を参照)は、前記のような狭い幅の配線を有する半導体素子において、残渣を完全に除去しようとすると配線腐食についての要求レベルには十分応えられない。
また、金属膜の腐食抑制を目的とした洗浄剤として、四級アンモニウム塩または有機カルボン酸アンモニウム塩、フッ化アンモニウム、水溶性有機溶剤、および無機酸または有機酸で構成された洗浄剤組成物が開示されている(特許文献3)。しかしながら、狭い幅の配線を有する半導体素子では、フッ化アンモニウムによるアルミニウム配線の腐食性が大きいために問題の解決には至っていない。
従って、今後ますます必要とされることが予想される狭い幅の配線を有する半導体素子を形成した半導体基板を特に工業的な規模で得るためには、従来の洗浄液を工夫するだけでは、限界があった。
特開平11−67632号公報 特開平6−266119号公報 特開平10−55993号公報
本発明者らは、前記に鑑みて、半導体素子表面上に、洗浄剤による腐食に対して抵抗力のある保護膜を極めて容易に形成させる手段を見出した。それにより本発明を完成させた。
従って、本発明の目的は、アルミニウム配線表面に、硫黄原子を含有する保護膜を有する半導体素子、およびその製造方法を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、アルミニウム配線を有する半導体素子の洗浄に用いるための含硫黄洗浄剤組成物を提供することにある。
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 アルミニウム配線の表面に硫黄原子を含有する保護膜を有してなる半導体素子であって、該保護膜の表面からその厚さ方向に少なくとも5nm以内の領域に硫黄原子を含有する半導体素子、
〔2〕 自然電位が-0.45〜-0.25Vである含硫黄保護膜を形成し得る含硫黄洗浄剤組成物をアルミニウム配線に接触させて該アルミニウム配線の表面に形成された含硫黄保護膜を有する半導体素子、
〔3〕 半導体素子のアルミニウム配線に、酸と、有機酸塩および/または無機酸塩と、少なくとも50重量%の水とを含有する含硫黄洗浄剤組成物を接触させて、該アルミニウム配線の表面に含硫黄保護膜を形成させる工程を有する半導体素子の製造方法、
〔4〕 アルミニウム配線に、自然電位が-0.45〜-0.25Vである含硫黄保護膜を形成し得る含硫黄洗浄剤組成物を接触させて、該アルミニウム配線の表面に含硫黄保護膜を形成させる工程を有する半導体素子の製造方法、ならびに
〔5〕 アルミニウム配線を有する半導体素子の洗浄に用いるための含硫黄洗浄剤組成物であって、保護膜形成試験においてアルミニウム膜の表面に硫黄原子を含有する保護膜を形成し得る含硫黄洗浄剤組成物
に関する。
本発明の半導体素子において、アルミニウム配線の表面に腐食に対して抵抗力のある含硫黄保護膜が形成されている。かかる半導体素子を用いることで、半導体素子形成時に発生する残渣の残留がなく、アルミニウム腐食量が許容値内に抑制された、品質の良好な半導体素子を低コストで工業的に製造することができるという効果が奏される。
さらに、本発明の洗浄剤組成物は、保護膜形成試験においてアルミニウム膜の表面の腐食に対して抵抗力のある含硫黄保護膜を形成するものであり、かかる洗浄剤組成物をアルミニウム配線を有する半導体素子の洗浄に用いることで、半導体素子形成時に発生する残渣の残留がなく、アルミニウム腐食量が許容値内に抑制された、品質の良好な半導体素子を低コストで工業的に製造することができるという効果が奏される。
さらに、本発明の半導体素子を用いることで、配線抵抗の上昇やリーク電流の増加など、電気特性不良を発生することなく、優れた品質のLCD、メモリ、CPUなどの電子部品を製造することができるという効果が奏される。
1.半導体素子
本発明の半導体素子は、アルミニウム配線の表面に硫黄原子を含有する保護膜(以下、含硫黄保護膜ともいう)を有してなる半導体素子であって、該保護膜の表面からその厚さ方向に少なくとも5nm以内の領域に硫黄原子を含有する点に特徴がある。
本発明における含硫黄保護膜とは、X線分光分析などの元素分析により硫黄原子が検出される部分をいう。
また、前記含硫黄保護膜において「該保護膜の表面からその厚さ方向に少なくとも5nm以内の領域に硫黄原子が含有されている」とは、アルミニウム配線表面に形成された含硫黄保護膜の表面から、その表面と垂直方向のアルミニウム配線中心部へ向かう方向に少なくとも5nm以内の領域に硫黄原子が含有されている状態をいい、この状態は、X線分光分析などの元素分析によって確認することができる。
また、前記保護膜が形成されていることは、その自然電位を測定することでも確認することができる。すなわち、前記保護膜の自然電位は、-0.45〜-0.25Vであれば、該保護膜が形成されていると考えられる。測定方法としては、後述の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、この自然電位はアルミニウムの自然電位よりも大きく、アルマイト属の自然電位の範囲を含む。
また、本発明における含硫黄保護膜中の硫黄原子の含有量は、洗浄剤によるアルミニウム腐食の抑制の観点から0.1〜20重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましく、2〜20重量%がさらに好ましく、5〜20重量%がさらにより好ましく、10〜20重量%がさらにより好ましい。さらにより好ましくは、含硫黄保護膜中の硫黄原子の含有量は、洗浄剤によるアルミニウム腐食の抑制の観点から、該保護膜の表面からその厚さ方向で5nm以内で、0.1〜20重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましく、2〜20重量%がさらに好ましく、5〜20重量%がさらにより好ましく、10〜20重量%がさらにより好ましい。
含硫黄保護膜中の硫黄原子以外の成分としては、アルミニウム原子、酸素原子などが挙げられる。これらの含有量としては、含硫黄保護膜中80〜99重量%が好ましく、80〜95重量%がより好ましく、80〜90重量%がさらに好ましい。
含硫黄保護膜の厚みは、1〜10nmが好ましく、3〜8nmがより好ましい。
また、本発明の半導体素子は、前記のようにアルミニウム配線を含むものであるが、その他の配線用金属として銅、チタン、タングステンなどを含んでもよい。なお、配線の形状としては、特に限定はなく、公知のものであればよい。
アルミニウム配線などの配線幅には、特に制限はなく、500nm、250nm、180nm、130nm、110nm、90nm、70nmなどの配線幅が対象となるが、中でも許容腐食量が厳しい180nm以下の微細配線の場合に、従来の洗浄剤に比べ配線保護効果が顕著である。
本発明の半導体素子において、前記含硫黄保護膜、アルミニウム配線以外の構成部材としては、公知のものであればよく、特に限定はない。
2.含硫黄洗浄剤組成物
本発明において、前記含硫黄保護膜は、前記アルミニウム配線に、酸と、有機酸塩および/または無機酸塩と、少なくとも50重量%の水とを含有する含硫黄洗浄剤組成物を接触させることで、該アルミニウム配線の表面に形成させることができる。
かかる含硫黄洗浄剤組成物を用いることにより、優れた洗浄性と、アルミニウム配線表面に、含硫黄保護膜が極めて容易に形成されアルミニウム配線に対する腐食抑制とを両立することができる。
なお、本発明に用いられる含硫黄洗浄剤組成物は、シリコンウエハ基板のポリッシングなどで発生したパーティクル除去や、配線間をつなぐための埋め込み金属研磨(CMP研磨)後のパーティクルおよび金属不純物除去用洗浄剤とは異なるものである。
また、本発明における含硫黄洗浄剤組成物は、水で希釈して用いても配線に対する腐食抑制性が低下することがなく、廃液処理の問題を発生しない観点から、含フッ素化合物を実質的に使用しないことが好ましい。特に、フッ化水素、フッ化アンモニウム、フッ化水素のアミン塩などの含フッ素化合物を混合して得られうる水系の洗浄剤組成物においては、水の含有率が増加するにつれて金属の腐食がより顕著に発生するようになるという傾向がある。従って、本発明の組成物は、含フッ素化合物を実質的に含有しないことが好ましい。具体的には、含フッ素化合物の含有量は、組成物中、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下、さらに好ましくは0.01重量%以下、さらにより好ましくは0.001重量%以下であり、さらにより好ましくは含フッ素化合物を含有しないことである。
また、本発明における含硫黄洗浄剤組成物は、金属不純物の付着を低減する観点から、NaOHなどの金属原子を含有する無機塩基を実質的に含有しないことが好ましい。具体的には、NaOHの含有量は、組成物中、好ましくは100ppb以下、より好ましくは50ppb以下、さらに好ましくは20ppb以下であり、さらにより好ましくは無機塩基を含まないことである。
前記含硫黄洗浄剤組成物は、例えば、アルミニウム配線のフォトリソグラフ工程とエッチング工程を経てアッシング工程後に発生する残渣を洗浄する際にアルミニウム配線と接触させることにより、含硫黄保護膜をアルミニウム配線表面上に形成することができる。
酸としては、アルミニウム配線形成時に発生する残渣(以下、残渣と呼ぶ)を溶解する能力と、水への溶解性の観点から、シュウ酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、硫酸、硝酸およびホスホン酸が好ましい。シュウ酸、硫酸およびホスホン酸がより好ましく、シュウ酸および硫酸がさらに好ましい。これらの酸は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
酸の含有量としては、水への溶解性、アルミニウムの防食性、および残渣に対する溶解性の観点から、含硫黄洗浄剤組成物中、0.01〜10重量%が好ましく、0.05〜5重量%がより好ましく、0.1〜2重量%がさらに好ましい。
また、有機酸塩および無機酸塩としては、上記酸との組み合わせによるアルミニウム配線表面への効果的な含硫黄保護膜形成と高い水溶性の観点から、シュウ酸アンモニウム、硫酸アンモニウムおよび硝酸アンモニウムが好ましい。これらの塩は、単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
有機酸塩および無機酸塩の含有量としては、水への溶解性とアルミニウムの防食性の観点から、前記含硫黄洗浄剤組成物中、1〜20重量%が好ましく、2〜15重量%がより好ましく、3〜10重量%がさらに好ましい。
前記含硫黄洗浄剤組成物における酸と有機酸塩および/または無機酸塩との重量比率(酸/塩)は、洗浄性とアルミニウムの腐食抑制とを両立させる観点から、1/100〜5/1が好ましく、1/50〜2/1がより好ましく、1/25〜1/2がさらに好ましい。
また、前記含硫黄洗浄剤組成物における酸と有機酸塩および/または無機酸塩の組み合わせとしては、アルミニウム配線表面へ含硫黄保護膜を形成するために、酸として硫酸以外の酸を用いた場合には、少なくとも無機酸塩として硫酸アンモニウムを含有する。
前記含硫黄洗浄剤組成物における水は、酸と有機酸塩および/または無機酸塩を均一に溶解させる溶媒として用いられる。例えば、超純水、純水、イオン交換水、蒸留水などを用いることができる。
前記水の含有量としては、均一に酸と有機酸塩および/または無機酸塩を溶解する観点から、前記組成物中、50〜98.99重量%が好ましく、60〜97.95重量%がより好ましく、68〜96.9重量%がさらに好ましい。
また、含硫黄洗浄剤組成物の他の成分として、酸と、有機酸塩および/または無機酸塩と、水以外に、ジメチルスルフォキシドやグリコールエーテルなどの溶剤やカテコールやソルビトールなどの防食剤を必要に応じて添加してもよい。
なお、前記含硫黄洗浄剤組成物中の各成分の濃度は、使用時における好ましい濃度である。該含硫黄洗浄剤組成物の使用に際しては、例えば、濃縮形態で製造したものを希釈して使用することもできる。
かかる組成を有する含硫黄洗浄剤組成物のpHは、残渣の洗浄性とアルミニウム配線の防食性を両立させる観点から、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
前記含硫黄洗浄剤組成物は、前記酸、有機酸塩および/または無機酸塩、水、ならびに必要に応じて他の成分を公知の方法で混合して得られうる。
また、前記含硫黄洗浄剤組成物とアルミニウム配線との接触により形成された含硫黄保護膜はその自然電位を測定することによって特性化でき、その自然電位が-0.45〜-0.25Vの場合にアルミニウム腐食抑制効果が大きいことを見出した。
すなわち、本発明は、自然電位が-0.45〜-0.25Vである含硫黄保護膜を形成し得る含硫黄洗浄剤組成物をアルミニウム配線に接触させて該アルミニウム配線の表面に形成された含硫黄保護膜を有する半導体素子に関する。
残渣の洗浄性とアルミニウム防食性を両立させる観点から、前記自然電位は-0.4〜-0.3Vであることがさらに好ましい。なお、自然電位は、後述の実施例に記載の方法に基づいて測定することができる。
前記含硫黄洗浄剤組成物を用いることにより、残渣の洗浄と含硫黄保護膜の形成とを同時に行うことができるため、好ましい。例えば、前記含硫黄洗浄剤組成物は、半導体素子の製造工程におけるいずれの工程、具体的には、半導体素子製造工程、例えば、レジスト現像後、ドライエッチング後、ウェットエッチング後、アッシング後などの工程で使用することができる。中でも、洗浄性とアルミニウム腐食抑制両立の観点から、アッシング後の洗浄工程で用いることが好ましい。
前記含硫黄洗浄剤組成物とアルミニウム配線とを接触させる方法としては、例えば、浸漬洗浄、スプレー洗浄などの通常の半導体素子の洗浄方法であればよく、例えば、半導体素子を含硫黄洗浄剤組成物に5分程度浸漬させる浸漬洗浄法や揺動洗浄法を用いることができる。
また、洗浄時の含硫黄洗浄剤組成物の温度としては、アルミニウム配線形成時に発生する残渣の溶解性、アルミニウム腐食抑制、安全性および操業性の観点から、20〜60℃の範囲が好ましい。なお、洗浄装置などの他の条件については、特に限定はない。
以上のような方法で形成される含硫黄保護膜は、アルミニウム配線表面に形成されたものである。洗浄液に曝される際、エッチングまたはアッシングの後に発生する残渣を剥離しながら、アルミニウム配線の腐食を防止できるという優れた特性を有する膜である。
このような特性が発現する詳しい機構については明らかではない。例えば、前記含硫黄洗浄剤組成物が残渣などの洗浄対象の物質に接触した際に、これらの物質を剥離しながら、他方で接触しているアルミニウム配線の表面において、その表面を変性して、その部分に洗浄剤組成物中の硫黄原子が取込まれて含硫黄保護膜が形成されることが考えられる。
前記含硫黄洗浄剤組成物は、酸と、有機酸塩および/または無機酸塩と、少なくとも50重量%の水を混合して得られうる。
さらに、該組成物を別の視点から捉えると、該組成物は、分子性酸の共役塩基、分子性塩基の共役酸および少なくとも50重量%の水を含有し、標準試験によるアルミナ溶解量が10ppm以上の組成物である。
本発明における標準試験の手順を説明する。
1)100ml容のポリエチレン容器に、洗浄剤組成物20gを入れ、40℃の恒温槽中で恒温化する。
2)次に、アルミナ粉末(フジミコーポレーション社製:商品名「WA-10000」;平均粒径0.5μm)0.1gを添加し、30分間十分撹拌する。
3)上澄み10gを遠心チューブに分取し、遠心分離装置(日立製作所社製:商品名「himac CP56G」)を用い、20000r/min、15分間の条件で分離を行い、その結果生じた上澄み液をICP発光分析装置(堀場製作所社製:商品名「JY238」)を用いてアルミニウムの発光強度を測定する。
4)アルミナの溶解量は、既知の濃度のアルミニウム水溶液により作成した検量線から求める。
なお、測定をより良好に行う観点から、3)においてアルミニウムの発光強度を測定する際には、上澄み液を超純水を用いて10倍に希釈して測定を行い、検量線範囲(0〜2ppm)を超えた場合は、再度10倍希釈し測定する。また、4)においてはアルミニウム水溶液(1000ppm)をそれぞれ超純水にて10000倍希釈(0.1ppm)、500倍希釈(2.0ppm)したものを原子吸光分析して検量線(3点検量)を作成する。
本発明における含硫黄洗浄剤組成物の標準試験によるアルミナ溶解量は、好ましくは10ppm以上であり、洗浄性を高める観点から、より好ましくは12ppm以上、さらに好ましくは15ppm以上である。
本発明において分子性酸とは、ブレンステッド酸であり分子のものをいう。分子性酸としては、例えば、ホスホン酸、硫酸、硝酸、リン酸、塩酸などの無機酸、および有機硫酸、有機ホスホン酸、カルボン酸などの有機酸が挙げられる。
分子性酸の共役塩基としては、ホスホン酸の共役塩基であるホスホン酸イオン;硫酸の共役塩基である硫酸水素イオンおよび硫酸イオン;硝酸の共役塩基である硝酸イオン;リン酸の共役塩基であるリン酸水素イオンおよびリン酸イオン;塩酸の共役塩基である塩素イオン;メチル硫酸の共役塩基であるメチル硫酸イオン;1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸の共役塩基である1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸イオン;酢酸の共役塩基である酢酸イオン;シュウ酸の共役塩基であるシュウ酸イオン;スルホン酸の共役塩基であるスルホン酸イオンなどが挙げられる。中でも、アルミニウム配線形成時に発生する残渣を溶解する能力と、水への溶解性の観点から、分子性酸の共役塩基は、シュウ酸イオン、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオンおよびホスホン酸イオンが好ましく、シュウ酸イオン、硫酸イオンおよびホスホン酸イオンがより好ましく、シュウ酸イオンおよび硫酸イオンがさらに好ましく、硫酸イオンがさらにより好ましい。
本発明において分子性塩基とは、ブレンステッド塩基であり分子のものをいう。分子性塩基としては、例えば、アンモニア、アルキルアミン類、ヒドロキシルアミン類、アルカノールアミン類、ポリアミン類、芳香族アミン類、アルキルアンモニウムヒドロキシド類、アルキルモノアミン類、環状アミン類などが挙げられる。
分子性塩基の共役酸としては、アンモニアの共役酸であるアンモニウムイオン、アルキルアミン類の共役酸であるアルキルアンモニウムイオン、ヒドロキシルアミン類の共役酸であるヒドロキシルアンモニウムイオン、アルカノールアミン類の共役酸であるアルカノールアンモニウムイオン、ポリアミン類の共役酸であるポリアンモニウムイオン、芳香族アミン類の共役酸である芳香族アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムヒドロキシド類の共役酸である第四級アンモニウムイオン、環状アミン類の共役酸である環状アンモニウムイオンなどが挙げられる。
共役塩基と共役酸の組み合わせは、硫黄原子を含有する保護膜を形成する観点から、硫黄原子を有する共役塩基とその他の共役塩基と共役酸との組み合わせが好ましい。組み合わせは、アルミニウム配線の腐食を抑制する観点から、硫酸イオンおよび硫酸水素イオンからなる群より選択される1種以上とシュウ酸イオン、ホスホン酸イオン、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸イオンおよび硝酸イオンからなる群より選択される1種以上とアンモニウムイオンとの組み合わせがより好ましく、硫酸イオンとシュウ酸イオンおよびホスホン酸イオンからなる群より選択される1種以上とアンモニウムイオンとの組み合わせがさらにより好ましく、硫酸イオンとシュウ酸イオンとアンモニウムイオンとの組み合わせがさらにより好ましい。
本発明における含硫黄洗浄剤組成物は、分子性酸の共役塩基、分子性塩基の共役酸および水、ならびに必要に応じて前記他の添加剤を公知の方法で混合して得られうる。
かかる場合、前記共役塩基は、酸由来であっても、酸の塩由来であっても、塩基の塩由来であってもよい。また、前記共役酸は、塩基由来であっても、塩基の塩由来であっても、酸の塩由来であってもよい。例えば、硝酸イオン(NO3 -)およびアンモニウムイオン(NH4 +)を混合して含硫黄洗浄剤組成物を調製する場合は、硝酸イオンは、酸である硝酸(HNO3)由来の硝酸イオンであっても、酸の塩であり塩基の塩でもある硝酸アンモニウム(NH4NO3)由来の硝酸イオンであってもよい。アンモニウムイオンは、塩基であるアンモニア(NH3)由来のアンモニウムイオンであっても、塩基の塩であり酸の塩でもある硝酸アンモニウム(NH4NO3)由来のアンモニウムイオンであってもよい。
前記共役塩基および前記共役酸は、シュウ酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、硫酸、硝酸、ホスホン酸などの酸と、シュウ酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムなどの有機酸塩および/または無機酸塩由来であることが好ましい。
この場合、酸は、アルミニウム配線形成時に発生する残渣(以下、残渣と呼ぶ)を溶解する能力と、水への溶解性の観点から、シュウ酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、硫酸、硝酸およびホスホン酸が好ましく、シュウ酸、硫酸およびホスホン酸がより好ましく、シュウ酸および硫酸がさらに好ましい。これらの酸は、単独でまたは2種以上で使用することができる。酸を単独で使用する場合、硫酸が好ましく、2種以上で使用する場合は、シュウ酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、硝酸およびホスホン酸からなる群より選択される少なくとも1種と硫酸との組み合わせが好ましい。
有機酸塩および無機酸塩は、上記酸との組み合わせによるアルミニウム配線表面への効果的な含硫黄保護膜形成と高い水溶性の観点から、シュウ酸塩、硫酸塩および硝酸塩が好ましい。これらの有機酸塩および無機酸塩は、単独でまたは2種以上で使用することができる。無機酸塩を単独で使用する場合、硫酸塩が好ましく、有機酸塩および無機酸塩を2種以上で使用する場合は、シュウ酸塩、および硝酸塩からなる群より選択される少なくとも1種と硫酸塩との組み合わせが好ましい。
硫酸塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムのヒドロキシ化合物、アンモニウム、プロパンジアミン、メチルジエタノールアミンなどと硫酸との塩が挙げられる。シュウ酸塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムのヒドロキシ化合物、アンモニウム、プロパンジアミン、メチルジエタノールアミンなどとシュウ酸との塩が挙げられる。硝酸塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムのヒドロキシ化合物、アンモニウム、プロパンジアミン、メチルジエタノールアミンなどと硝酸との塩が挙げられる。
上記酸と有機酸塩および/または無機酸塩との組み合わせは、酸が硫酸で、無機酸塩が硫酸塩および/または硝酸塩の組み合わせ、酸が硫酸およびシュウ酸で、無機酸塩が硫酸塩の組み合わせ、あるいは酸が1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸およびシュウ酸で、無機酸塩が硫酸塩の組み合わせが好ましい。
前記共役塩基および前記共役酸の好適な含有量は、前記好適含有量の酸と前記好適含有量の有機酸塩および/または無機酸塩に含有される共役塩基と共役酸の含有量に相当する含有量が好ましい。
以上のことから、本発明はさらに、アルミニウム配線を有する半導体素子の洗浄に用いるための含硫黄洗浄剤組成物であって、保護膜形成試験においてアルミニウム膜の表面に硫黄原子を含有する保護膜を形成し得る含硫黄洗浄剤組成物を提供する。なお、保護膜形成試験は、後述の実施例に記載の方法に基づいて試験され得る。
前記含硫黄洗浄剤組成物により形成されたアルミニウム膜の表面の含硫黄保護膜の自然電位は、優れたアルミニウム腐食抑制効果を得る観点から、-0.45〜-0.25Vであることが好ましい。
一態様において、前記含硫黄洗浄剤組成物は、酸と、有機酸塩および/または無機酸塩と、少なくとも50重量%の水とを含有することが好ましい。
すなわち、前記含硫黄洗浄剤組成物は、酸と、有機酸塩および/または無機酸塩と、少なくとも50重量%の水とを混合して得られうる。
前記含硫黄洗浄剤組成物において、酸は、シュウ酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、硫酸、硝酸、およびホスホン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、有機酸塩および/または無機酸塩は、シュウ酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、および硝酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
中でも、酸が硫酸単独またはシュウ酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、硝酸、およびホスホン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種と硫酸との組み合わせであることがさらに好ましい。また、無機酸塩が硫酸塩単独またはシュウ酸塩、および硝酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種と硫酸塩との組み合わせであることがさらに好ましい。
酸と無機酸塩との組み合わせは、好ましくは、
(I)酸が硫酸で、無機酸塩が硫酸塩および/または硝酸塩、
(II)酸が硫酸およびシュウ酸で、無機酸塩が硫酸塩、あるいは
(III)酸が1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸およびシュウ酸で、無機酸塩が硫酸塩である。
前記含硫黄洗浄剤組成物のpHは、残渣の洗浄性とアルミニウム配線の防食性を両立させる観点から、好ましくは1〜5である。
別の態様において、前記含硫黄洗浄剤組成物は、好ましくは、分子性酸の共役塩基、分子性塩基の共役酸および少なくとも50重量%の水を含有し、標準試験におけるアルミナ溶解量が10ppm以上の組成物である。なお、標準試験は、前述の方法に基づいて試験され得る。
前記含硫黄洗浄剤組成物において、分子性酸の共役塩基のうち少なくとも1種は硫酸イオンであることが好ましく、より好ましくは、該共役塩基はシュウ酸イオン、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸イオン、硝酸イオン、およびホスホン酸イオンからなる群より選ばれる少なくとも1種ならびに硫酸イオンである。
前記含硫黄洗浄剤組成物に含有される分子性塩基の共役酸としては、前述の共役酸が挙げられる。
前記含硫黄洗浄剤組成物のpHは、残渣の洗浄性とアルミニウム配線の防食性を両立させる観点から、好ましくは1〜5である。
3.半導体素子の製造方法
本発明の半導体素子の製造方法としては、アルミニウム配線に、酸と、有機酸塩および/または無機酸塩と、少なくとも50重量%の水とを含有する含硫黄洗浄剤組成物あるいは前記自然電位が-0.45〜-0.25Vである含硫黄保護膜を形成し得る含硫黄洗浄剤組成物を接触させて、該アルミニウム配線の表面に含硫黄保護膜が形成される工程を有することを特徴とする。本発明の半導体素子の製造方法はまた、保護膜形成試験においてアルミニウム膜の表面に含硫黄保護膜を形成し得る含硫黄洗浄剤組成物を接触させて、アルミニウム配線の表面に含硫黄保護膜が形成される工程を有することを特徴とする。
含硫黄組成物、アルミニウム配線、含硫黄保護膜、および該組成物とアルミニウム配線との接触方法については、前記と同様であればよい。また、含硫黄保護膜の形成工程以外の工程は、公知のものであればよい。保護膜形成試験においてアルミニウム膜の表面に含硫黄保護膜を形成し得る含硫黄洗浄剤組成物についても、前記と同様であればよい
前記製造方法により得られうる半導体素子は、アルミニウム配線形成時に発生する残渣の残留がなく、アルミニウム腐食が少ない。従って、配線抵抗の上昇やリーク電流の増加など、電気特性不良を発生することなく、優れた品質のLCD、メモリ、CPUなどの電子部品の製造に好適に使用される。中でも微細化が進んだ高集積半導体の製造に好適に使用される。
実施例1〜8および比較例1〜5
1.洗浄剤組成物の調製
下記に示した組成を有する洗浄剤組成物(数値は重量%)を調製し、以下の洗浄(保護膜形成)工程に用いた。
実施例1:シュウ酸/硫酸アンモニウム/超純水=0.2/4.0/95.8
実施例2:シュウ酸/硫酸アンモニウム/超純水=0.2/10.0/89.8
実施例3:シュウ酸/硫酸アンモニウム/超純水=2.0/2.0/96.0
実施例4:1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸/硫酸アンモニウム/超純水=0.2/2.0/97.8
実施例5:硫酸/硝酸アンモニウム/超純水=0.2/4.0/95.8
実施例6:シュウ酸/硫酸/硫酸アンモニウム/超純水=0.2/0.2/4.0/95.6
実施例7:シュウ酸/硫酸アンモニウム/ジエチレングリコールモノブチルエーテル/ソルビトール/超純水=0.2/4.0/30.0/5.0/60.8
実施例8:1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸/硫酸アンモニウム/超純水=0.2/4.0/95.8
比較例1:シュウ酸/超純水=0.2/99.8
比較例2:硫酸アンモニウム/超純水=4.0/96.0
比較例3:フッ化アンモニウム/ジメチルホルムアミド/超純水=0.5/75.0/24.5
比較例4:ヒドロキシルアミン/2-アミノ-2-エトキシエタノール/カテコール/超純水=20/55/5/20
比較例5:フッ化アンモニウム/酢酸/ジメチルホルムアミド/テトラメチルアンモニウム酢酸塩/超純水=10.0/0.1/45.0/3.0/41.9
2.半導体ウェハ
配線幅500nm、180nm、および110nmのアルミニウム(Al)配線を有し、アルミニウム配線形成時に発生する残渣を洗浄除去していない、パターン付きウェハを1cm角に分断して洗浄工程に供した。なお、配線の構造は以下の通りである。
TiN/Al-Cu/TiN/SiO2/下地
3.洗浄工程(洗浄性およびアルミニウム配線防食性評価)
以下の条件で洗浄し評価を行った。
(1)洗浄:30mlの洗浄剤組成物に、ウェハを40℃で30分間浸漬、静置した。ただし、比較例3と5は25℃で30分間、比較例4は65℃で30分間浸漬、静置した。
(2)すすぎ:ウェハを洗浄剤組成物から取りだし、30mlの超純水に25℃で1分間浸漬し、その後取り出したウェハについて同じ操作を繰り返した。
(3)評価:すすぎを終えたウェハを窒素ブローで乾燥後、FE-SEM(電界放射型走査電子顕微鏡)を用いて50,000倍〜100,000倍の倍率下で残渣の洗浄性およびアルミニウム配線に対する防食性の評価を下記の4段階で行った。
<洗浄性>
◎:残渣が全く確認されない
○:残渣が極めて微量確認される
△:残渣が一部、確認される
×:残渣が多い
<アルミニウム(Al)配線防食性>
◎:Al配線の孔蝕、腐食共に全く確認されない
○:Al配線に微小な孔蝕が一部発生している
△:Al配線の腐食が一部発生している
×:Al配線の腐食が発生している
なお、合格品は洗浄性とアルミニウム配線防食性のいずれも◎あるいは○であるものである。
4.洗浄剤組成物が形成する保護膜の自然電位の測定
以下のようにして洗浄剤組成物の保護膜形成能を評価した。
保護膜形成試験
(1)試験アルミニウム膜の調製
シリコン基板上にTiN膜(50nm)とその上にさらにアルミニウム膜(500nm)を化学蒸着(CVD)で形成した。得られた基板を15×50mmに割断したものを測定用の試料とした。
(2)試料の前処理(自然酸化膜の除去)
上記アルミニウム膜を0.5重量%の希フッ化水素に室温で10秒間浸漬し、その後超純水ですすぎ、窒素ブローで乾燥させた。
(3)保護膜の自然電位の測定
上記前処理後のアルミニウム膜を直ちに、図1に示す電気化学測定装置の測定槽に置いた前記1.で調製した洗浄剤組成物(300ml、40℃;ただし、比較例3と5は25℃、比較例4は65℃)に浸漬した(浸漬する試料面積は15×15mm)。自然電位の経時変化をポテンショスタット(電位・電流測定装置:北斗電子(株)製「HAB-151」)で追い、浸漬時から60分後の値を表に示した。
なお、図1に示すように、電気化学測定装置は、作用極(アルミニウム膜:膜厚500nm)1、対極(白金)3およびカロメル参照電極7を具備した電位・電流測定装置8を有する。これらの電極のうち、作用極1および対極3を、測定槽4内に設置し、カロメル参照電極7を、参照電極槽6内に設置した。この測定槽4と参照電極槽6を、ルギン管2(測定槽4側)および該ルギン管2に連結した塩橋5とで接続した。
そして、作用極1、ルギン管2および対極3が浸かるように洗浄剤組成物を測定槽4内に、カロメル参照電極7が浸かるように飽和塩化カリウム水溶液を参照電極槽6内に、それぞれ入れた。前処理後のアルミニウム膜を測定槽4に入れて測定を開始した。
電位・電流測定装置8において、1分ごとに自然電位を読みとった。
5.保護膜中の硫黄原子含有量測定
(1)測定試料の前処理
前記2.のウェハを用い、前記3.の洗浄工程のうち、(1)洗浄、(2)すすぎ、および(3)評価の窒素ブローでの乾燥までを前処理として行った。
(2)分析方法
前処理を行った試料をウェハの厚さ方向に樹脂で包埋し、その断面をイオン研磨装置(Arイオンビーム、加速電圧2kV、試料に対する照射角度5.8°)にてエッチングすることにより薄膜断面試料(試料厚み約70nm)を作製した。この薄膜断面試料をTEM(透過電子顕微鏡)で観察しながら組成分析(エネルギー分散型X線分光分析:加速電圧200kV、電流30μA、ビーム径2nm)した。組成分析はアルミニウム配線上の保護膜表面からその厚さ方向に5nmまでの領域内で5点測定し、この測定セットを少なくとも3ヶ所の異なる場所について行った。これら少なくとも計15点の測定から、アルミニウム原子、酸素原子、硫黄原子のそれぞれの重量%を平均値として求めた。表1に硫黄原子の含有量を示す。
<分析装置>
イオン研磨装置:691型精密ポリッシング装置
TEM組成分析:日立分析電子顕微鏡HF-2000
Figure 0004397800
表1の結果より、実施例1〜8で得られた半導体素子は、比較例1〜5のものに比べて、いずれも含硫黄保護膜が形成されており、アルミニウム配線の腐食やアルミニウム配線形成時に発生する残渣が極めて少ないものであることがわかる。
実施例9および10
実施例1および実施例6で調製した洗浄剤組成物30mlに、前記2.における配線幅180nmのウェハを40℃で15分間浸漬し、静置した。次いで、前記3.と同様にすすぎおよび評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0004397800
表2の結果より、実施例1および6で調製した洗浄剤組成物は、15分という短い浸漬時間でも、アルミニウム配線形成時に発生する残渣のほとんどを除去することができ、さらに、アルミニウム配線の防食性にも優れることがわかる。また、洗浄剤組成物を調製するための原料の一つとして硫酸を使用する(実施例10)ことにより、短時間でも非常に優れた洗浄性が得られることがわかる。
試験例1〜3
表3に示す組成(数値は重量%)の洗浄剤組成物を調製した。得られた組成物のアルミナ溶解量を前記標準試験に従って測定し、その結果を表3に示す。
Figure 0004397800
表3の結果より、試験例で調製した洗浄剤組成物は全て10ppm以上のアルミナ溶解量を有していることがわかる。
実施例1〜8および試験例1〜3で使用した洗浄剤組成物を別の視点から捉えると、該組成物は、表4に示すような分子性酸の共役塩基および分子性塩基の共役酸を含有する。
Figure 0004397800
本発明の半導体素子は、LCD、メモリ、CPUなどの電子部品の製造に好適に使用され、中でも微細化が進んだ高集積半導体の製造に好適に使用される。
図1は、実施例において、保護膜の自然電位の測定に使用した電気化学測定装置の概略図である。
符号の説明
1 作用極(アルミニウム膜:膜厚500nm)
2 ルギン管
3 対極(白金)
4 測定槽(洗浄剤組成物)
5 塩橋
6 参照電極槽(飽和塩化カリウム水溶液)
7 カロメル参照電極
8 電位・電流測定装置

Claims (9)

  1. 酸と、有機酸塩および/または無機酸塩と、少なくとも50重量%の水とを含有する、pH1〜4.7の含硫黄洗浄剤組成物を半導体素子のアルミニウム配線に接触させて洗浄を行い、それにより該アルミニウム配線の表面に含硫黄保護膜を形成させることを特徴とする、半導体素子の製造方法。
  2. 前記保護膜の自然電位が-0.45〜-0.25Vである請求項1記載の製造方法。
  3. 含硫黄洗浄剤組成物を標準試験に供した場合のアルミナ溶解量が10ppm以上である、請求項1または2記載の製造方法。
  4. 酸が、シュウ酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、硫酸、硝酸、およびホスホン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
  5. 有機酸塩および/または無機酸塩がシュウ酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、および硝酸アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
  6. (I)酸が硫酸で、無機酸塩が硫酸塩および/または硝酸塩、
    (II)酸が硫酸およびシュウ酸で、無機酸塩が硫酸塩、または
    (III)酸が1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸およびシュウ酸で、無機酸塩が硫酸塩である請求項1〜5いずれか記載の製造方法。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の製造方法により得られる、アルミニウム配線の表面に硫黄原子を含有する保護膜を有してなる半導体素子であって、該保護膜の表面からその厚さ方向に少なくとも5nm以内の領域に硫黄原子を含有する半導体素子。
  8. 前記保護膜中の硫黄原子の含有量が0.1〜20重量%である請求項7記載の半導体素子。
  9. 前記保護膜の自然電位が-0.45〜-0.25Vである請求項7又は8記載の半導体素子。
JP2004348980A 2003-12-24 2004-12-01 半導体素子洗浄用組成物 Expired - Fee Related JP4397800B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004348980A JP4397800B2 (ja) 2003-12-24 2004-12-01 半導体素子洗浄用組成物

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003427455 2003-12-24
JP2004348980A JP4397800B2 (ja) 2003-12-24 2004-12-01 半導体素子洗浄用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005210082A JP2005210082A (ja) 2005-08-04
JP4397800B2 true JP4397800B2 (ja) 2010-01-13

Family

ID=34914012

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004348980A Expired - Fee Related JP4397800B2 (ja) 2003-12-24 2004-12-01 半導体素子洗浄用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4397800B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9058975B2 (en) * 2006-06-09 2015-06-16 Lam Research Corporation Cleaning solution formulations for substrates
JP4766114B2 (ja) * 2006-08-24 2011-09-07 ダイキン工業株式会社 半導体ドライプロセス後の残渣除去液及びそれを用いた残渣除去方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005210082A (ja) 2005-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7947638B2 (en) Composition for cleaning semiconductor device
JP6117866B2 (ja) 銅腐食抑制系
TWI393178B (zh) 半導體基板處理用之組成物
JP4628209B2 (ja) 剥離剤組成物
TWI416282B (zh) 用以移除殘餘光阻及聚合物的組合物及使用該組合物的殘餘物移除製程
TW201416436A (zh) 清潔配方
CN107406810A (zh) 清洁制剂
WO2006129538A1 (ja) ホスホン酸を含む半導体ウェハ洗浄用組成物及び洗浄方法
TWI388943B (zh) 剝離劑組合物
KR20120030480A (ko) 포토레지스트 잔사 제거용 액상 조성물과 상기 조성물을 사용한 반도체 회로 소자 제조공정
KR101050011B1 (ko) 박리제 조성물 및 이것을 사용한 박리 세정방법
JP4689855B2 (ja) 残渣剥離剤組成物およびその使用方法
KR101572639B1 (ko) Cmp 후 세정액 조성물
JP4667147B2 (ja) 基板洗浄液
US7252718B2 (en) Forming a passivating aluminum fluoride layer and removing same for use in semiconductor manufacture
JP4270544B2 (ja) 剥離剤組成物
JP4637010B2 (ja) 剥離剤組成物
JP2007173601A (ja) 含リン洗浄剤組成物
JP4397800B2 (ja) 半導体素子洗浄用組成物
JP4375722B2 (ja) 銅配線用残渣洗浄剤
JP2007311729A (ja) 基板洗浄液
JP4577881B2 (ja) 剥離剤組成物、その製造方法、及び、半導体基板または半導体素子の製造方法
JP4667847B2 (ja) 剥離剤組成物及び該剥離剤組成物を用いる半導体基板または半導体素子の製造方法
JP4322070B2 (ja) 半導体基板の洗浄方法
JP2005165263A (ja) 剥離剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090526

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090811

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090908

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091016

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091021

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4397800

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131030

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees