JP4375450B2 - 光学補償素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学補償素子の製造方法及びプロジェクタに関する。
従来、プロジェクタの投写画像のコントラスト向上が求められており、その要求に応えるものとして、液晶光変調装置に光学補償素子が配置されたプロジェクタが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。従来のプロジェクタによれば、光学補償素子を備えているため、液晶パネルのプレチルト角に起因する複屈折(液晶分子によって生ずる光学的な位相差)を補償することができ、その結果、投写画像のコントラストを向上することが可能となる。
光学補償素子としては、有機材料系の光学補償素子(例えば延伸位相差フィルム)のほかに、無機材料系の光学補償素子が知られている。無機材料系の光学補償素子は、例えば、水晶やサファイア等の複屈折性の無機光学補償板を有する。このような無機材料系の光学補償素子は、有機材料系の光学補償素子に比べて、耐熱性、放熱性及び耐光性に優れ、長寿命であり、屈折率異方性の面内均一性がよいという長所を有する。
なお、光学補償素子における無機光学補償板は、例えば研削・研磨装置で研削・研磨して薄くしているが、そのように薄片化された無機光学補償板は単独では扱いづらいことから、所定の厚みを有する透光性支持基板の表面に当該薄片化された無機光学補償板を貼り付けた状態で用いている。
特開2003−131320号公報
ところで、従来、無機光学補償板と透光性支持基板とを備える光学補償素子を製造する方法として、複屈折性を有する無機材料からなる無機基板を研削・研磨皿に仮着して所定の厚みとなるまで研削・研磨した後、研削・研磨後の無機基板を研削・研磨皿から剥離して、剥離した無機基板と透光性支持基板とを例えば接着剤によって接着する方法がある。
しかしながら、従来の光学補償素子の製造方法においては、研削・研磨後の無機基板は非常に薄い(例えば10μm以下)ものであるため、研削・研磨後の無機基板を研削・研磨皿から剥離する際や剥離した無機基板を透光性支持基板に接着する際のハンドリングが容易ではなく、光学補償素子を製造するのが容易ではない。
また、従来の光学補償素子の製造方法においては、研削・研磨後の無機基板を単独でハンドリングするのが容易ではないことから、研削・研磨後の無機基板を損傷する危険性が高く、製造コストの低減を図ることが容易ではないという問題がある。
そこで、本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、従来よりも容易に製造することが可能で、製造コストの低減を図ることが可能な光学補償素子の製造方法を提供することを目的とする。また、このような優れた製造方法によって製造された光学補償素子を備えるプロジェクタを提供することを目的とする。
本発明の光学補償素子の製造方法は、複屈折性を有する無機材料からなる無機基板を、仮着剤を用いてベース材に仮着する無機基板仮着工程と、前記無機基板が仮着された前記ベース材を研削・研磨装置にセットして前記無機基板を研削・研磨する無機基板研削・研磨工程と、研削・研磨後の前記無機基板における前記ベース材とは反対側の面に透光性支持基板を貼り付ける透光性支持基板貼付工程と、前記ベース材に仮着された前記無機基板を前記透光性支持基板とともに前記ベース材から剥離する剥離工程とをこの順序で含むことを特徴とする。
このため、本発明の光学補償素子の製造方法によれば、一旦、無機基板をベース材に仮着した状態で研削・研磨してから、研削・研磨後の無機基板と透光性支持基板とを貼り合わせた後、無機基板を透光性支持基板とともにベース材から剥離することとしているため、研削・研磨後の無機基板を単独でハンドリングする必要が無い。その結果、光学補償素子を従来よりも容易に製造することが可能となる。
また、本発明の光学補償素子の製造方法によれば、研削・研磨後の無機基板を単独でハンドリングするのが不要であることから、研削・研磨後の無機基板を損傷する危険性が低くなり、結果として、製造コストの低減を図ることが可能となる。
本発明の光学補償素子の製造方法においては、前記ベース材は、前記無機基板が仮着される側の面が擦りガラス状に加工されたガラス材であることが好ましい。
このような方法とすることにより、例えば仮着剤として水溶性仮着剤を用いた場合に、ベース材と仮着剤との界面に水が浸透しやすくなるため、ベース材から無機基板を剥離するのが容易となる。また、ベース材と無機基板との接触面積が増えるため、研削・研磨時のベース材と無機基板との密着度を向上させることが可能となる。
本発明の光学補償素子の製造方法において、前記透光性支持基板貼付工程においては、接着剤を用いて、前記無機基板と前記透光性支持基板とを接着することが好ましい。
このような方法とすることにより、無機基板と透光性支持基板との界面における表面反射の発生が抑制され、光透過率を高めることが可能になる。
また、無機基板及び透光性支持基板の線膨張係数がそれぞれ異なる場合であっても、各基板間の貼り合わせ面における剥離が起こりにくくなり、長期信頼性の低下を抑制することが可能になる。
本発明の光学補償素子の製造方法において、前記透光性支持基板貼付工程においては、前記無機基板の外形サイズよりも大きな外形サイズを有する透光性支持基板を前記無機基板に接着することが好ましい。
このような方法とすることにより、無機基板と透光性支持基板とを接着した際に無機基板と透光性支持基板との間から接着剤が流れ出たとしても、当該接着剤が無機基板とベース材との間に侵入したりベース材に付着したりするのを抑制することが可能となるため、剥離工程において無機基板がベース材から剥がれにくくなるのを抑制することが可能となる。
本発明の光学補償素子の製造方法において、前記透光性支持基板貼付工程においては、直接接合によって、前記無機基板と前記透光性支持基板とを接合することが好ましい。
このような方法とすることによっても、無機基板と透光性支持基板との界面における表面反射の発生が抑制され、光透過率を高めることが可能になる。また、無機基板と透光性支持基板とを強固に貼り合わせることができる。また、接着剤を用いた場合に起こりうる接着剤の厚みバラつきが生じないため、研削・研磨後の無機基板の面内厚みむらを低減することが可能となる。
本発明の光学補償素子の製造方法において、前記無機基板研削・研磨工程においては、研削又は粗研磨の段階で前記無機基板の研削・研磨を終了することが好ましい。
本発明の光学補償素子の製造方法においては、無機基板と透光性支持基板とを貼り合わせたとき、無機基板の研削・研磨面が透光性支持基板との貼り合わせ面となるため、無機基板を鏡面研磨までせずに研削又は粗研磨の段階で終了したとしても、光学特性がそれほど劣化することはない。すなわち、本発明の光学補償素子の製造方法によれば、光学特性をそれほど劣化させることなく、研削・研磨加工に要する時間を短縮することが可能となる。
また、無機基板を鏡面研磨すると、研磨パッドの形状によっては、無機基板における中央部分の厚みに比べて外周部分の厚みが薄くなってしまう場合がある。この場合には、無機基板の面内厚みむらが発生してしまうことから、光学補償素子の光学特性が低下してしまう。
これに対し、本発明の光学補償素子の製造方法によれば、無機基板研削・研磨工程において、無機基板を鏡面研磨までせずに研削又は粗研磨の段階で終了することとしているため、鏡面研磨に起因した無機基板の面内厚みむらが発生することもなく、光学補償素子の光学特性が低下することもない。
本発明の光学補償素子の製造方法においては、前記無機基板として、水晶基板又はサファイア基板を用いることが好ましい。
このため、本発明の光学補償素子の製造方法によれば、水晶又はサファイアからなる無機光学補償板を備える光学補償素子を従来よりも容易に、かつ、安価に製造することが可能となる。
本発明のプロジェクタは、本発明の光学補償素子の製造方法によって製造された光学補償素子を備えることを特徴とする。
このため、本発明のプロジェクタは、投写画像のコントラストを向上することが可能で、かつ、従来よりも安価なプロジェクタとなる。
以下、本発明の光学補償素子の製造方法及びプロジェクタについて、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
[実施形態1]
まず、実施形態1に係るプロジェクタ1000の構成について、図1を用いて説明する。
図1は、実施形態1に係るプロジェクタ1000を説明するために示す図である。図1(a)はプロジェクタ1000の光学系を示す図であり、図1(b)はプロジェクタ1000の要部を示す図である。
実施形態1に係るプロジェクタ1000は、図1に示すように、照明装置100と、照明装置100からの照明光束を赤色光、緑色光及び青色光の3つの色光に分離して被照明領域に導光する色分離導光光学系200と、色分離導光光学系200で分離された3つの色光のそれぞれを画像情報に応じて変調する3つの液晶光変調装置400R,400G,400Bと、3つの液晶光変調装置400R,400G,400Bによって変調された色光を合成するクロスダイクロイックプリズム500と、クロスダイクロイックプリズム500によって合成された光をスクリーンSCR等の投写面に投写する投写光学系600とを備えたプロジェクタである。
照明装置100は、被照明領域側に照明光束を射出する光源装置110と、光源装置110から射出される照明光束を複数の部分光束に分割するための複数の第1小レンズ122を有する第1レンズアレイ120と、第1レンズアレイ120の複数の第1小レンズ122に対応する複数の第2小レンズ132を有する第2レンズアレイ130と、第2レンズアレイ130からの各部分光束を偏光方向の揃った略1種類の直線偏光に変換して射出する偏光変換素子140と、偏光変換素子140から射出される各部分光束を被照明領域で重畳させるための重畳レンズ150とを有する。
光源装置110は、楕円面リフレクタ114と、楕円面リフレクタ114の第1焦点近傍に発光中心を有する発光管112と、発光管112から被照明領域側に向けて射出される光を発光管112に向けて反射する副鏡116と、楕円面リフレクタ114からの集束光を略平行光として射出する凹レンズ118とを有する。光源装置110は、照明光軸100axを中心軸とする光束を射出する。
発光管112は、管球部と、管球部の両側に延びる一対の封止部とを有する。管球部は、球状に形成された石英ガラス製であって、この管球部内に配置された一対の電極と、管球部内に封入された水銀、希ガス及び少量のハロゲンとを有する。発光管112としては、種々の発光管を採用でき、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を採用できる。
楕円面リフレクタ114は、発光管112の一方の封止部に挿通・固着される筒状の首状部と、発光管112から放射された光を第2焦点位置に向けて反射する反射凹面とを有する。
副鏡116は、発光管112の管球部の略半分を覆い、楕円面リフレクタ114の反射凹面と対向して配置される反射手段である。副鏡116は、発光管112の他方の封止部に挿通・固着されている。副鏡116は、発光管112から放射された光のうち楕円面リフレクタ114に向かわない光を発光管112に戻し楕円面リフレクタ114に入射させる。
凹レンズ118は、楕円面リフレクタ114の被照明領域側に配置されている。そして、楕円面リフレクタ114からの光を第1レンズアレイ120に向けて射出するように構成されている。
第1レンズアレイ120は、凹レンズ118からの光を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、複数の第1小レンズ122が照明光軸100axと直交する面内に複数行・複数列のマトリクス状に配列された構成を有する。図示による説明は省略するが、第1小レンズ122の外形形状は、後述する液晶パネル410R,410G,410Bの画像形成領域の外形形状に関して相似形である。
第2レンズアレイ130は、重畳レンズ150とともに、第1レンズアレイ120の各第1小レンズ122の像を液晶パネル410R,410G,410Bの画像形成領域近傍に結像させる機能を有する。第2レンズアレイ130は、第1レンズアレイ120と略同様な構成を有し、複数の第2小レンズ132が照明光軸100axに直交する面内に複数行・複数列のマトリクス状に配列された構成を有する。
偏光変換素子140は、第1レンズアレイ120により分割された各部分光束の偏光方向を、偏光方向の揃った略1種類の直線偏光として射出する偏光変換素子である。
偏光変換素子140は、光源装置110からの照明光束のうち一方の偏光成分(例えばP偏光成分)を有する光を透過し他方の偏光成分(例えばS偏光成分)を有する光を照明光軸100axに垂直な方向に反射する偏光分離層と、偏光分離層で反射された他方の偏光成分を有する光を照明光軸100axに平行な方向に反射する反射層と、偏光分離層を透過した一方の偏光成分を有する光を他方の偏光成分を有する光に変換する位相差板とを有する。
重畳レンズ150は、第1レンズアレイ120、第2レンズアレイ130及び偏光変換素子140を経た複数の部分光束を集光して液晶パネル410R,410G,410Bの画像形成領域近傍に重畳させるための光学素子である。重畳レンズ150の光軸と照明装置100の照明光軸100axとが略一致するように、重畳レンズ150が配置されている。なお、重畳レンズ150は、複数のレンズを組み合わせた複合レンズで構成されていてもよい。
色分離導光光学系200は、ダイクロイックミラー210,220と、反射ミラー230,240,250と、入射側レンズ260と、リレーレンズ270とを有する。色分離光学系200は、重畳レンズ150から射出される照明光束を、赤色光、緑色光及び青色光の3つの色光に分離して、それぞれの色光を照明対象となる3つの液晶光変調装置400R,400G,400Bに導く機能を有する。

ダイクロイックミラー210,220は、基板上に所定の波長領域の光束を反射し、他の波長領域の光束を透過する波長選択膜が形成された光学素子である。光路前段に配置されるダイクロイックミラー210は、赤色光成分を反射し、その他の色光成分を透過させるミラーである。光路後段に配置されるダイクロイックミラー220は、緑色光成分を反射し、青色光成分を透過させるミラーである。
ダイクロイックミラー210で反射された赤色光成分は、反射ミラー230により曲折され、集光レンズ300Rを介して赤色光用の液晶光変調装置400Rに入射する。集光レンズ300Rは、重畳レンズ150からの各部分光束を各主光線に対して略平行な光束に変換するために設けられている。なお、他の集光レンズ300G,300Bも、集光レンズ300Rと同様に構成されている。
ダイクロイックミラー210を通過した緑色光成分及び青色光成分のうち緑色光成分は、ダイクロイックミラー220で反射され、集光レンズ300Gを通過して緑色光用の液晶光変調装置400Gに入射する。一方、青色光成分は、ダイクロイックミラー220を透過し、入射側レンズ260、入射側の反射ミラー240、リレーレンズ270、射出側の反射ミラー250及び集光レンズ300Bを通過して青色光用の液晶光変調装置400Bに入射する。入射側レンズ260、リレーレンズ270及び反射ミラー240,250は、ダイクロイックミラー220を透過した青色光成分を液晶光変調装置400Bまで導く機能を有する。
液晶光変調装置400R,400G,400Bは、画像情報に応じて照明光束を変調するものであり、照明装置100の照明対象となる。
液晶光変調装置400R,400G,400Bは、液晶パネル410R,410G,410Bと、液晶パネル410R,410G,410Bの光入射側に配置される入射側偏光板420R,420G,420Bと、液晶パネル410R,410G,410Bの光射出側に配置される射出側偏光板430R,430G,430Bと、入射側偏光板420R,420G,420Bと液晶パネル410R,410G,410Bとの間に配置される光学補償素子440R,440G,440Bと、液晶パネル410R,410G,410Bと射出側偏光板430R,430G,430Bとの間に配置される光学補償素子450R,450G,450Bとを有する。
液晶パネル410R,410G,410Bは、ここでは図示による説明を省略するが、一対の透明なガラス基板(対向基板とTFT基板)に電気光学物質である液晶を密閉封入したものであり、TN型の液晶パネルである。例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として、与えられた画像情報に従って、入射側偏光板420R,420G,420Bから射出される1種類の直線偏光の偏光方向を変調する。また、液晶パネル410R,410G,410Bの光入射側及び光射出側には、それぞれ防塵ガラス(図示せず。)が設けられている。
入射側偏光板420R,420G,420B、液晶パネル410R,410G,410B及び射出側偏光板430R,430G,430Bによって入射する各色光の光変調が行われる。
光学補償素子440R,440G,440B,450R,450G,450Bは、液晶パネル410R,410G,410Bのプレチルト角に起因する複屈折(液晶分子によって生ずる光学的な位相差)を補償するための素子であり、ここでは詳細な説明を省略するが、複屈折性の無機材料からなる無機光学補償板と、無機光学補償板を支持する透光性支持基板とを有する。無機光学補償板は、例えば水晶からなる無機光学補償板であり、透光性支持基板は、例えば石英ガラスからなる透光性支持基板である。
なお、これら光学補償素子440R,440G,440B,450R,450G,450Bの製造方法については、詳細に後述する。
クロスダイクロイックプリズム500は、射出側偏光板430R,430G,430Bから射出された各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム500は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。略X字状の一方の界面に形成された誘電体多層膜は、青色光を反射するものであり、他方の界面に形成された誘電体多層膜は、赤色光を反射するものである。これらの誘電体多層膜によって青色光及び赤色光は曲折され、緑色光の進行方向と揃えられることにより、3つの色光が合成される。
クロスダイクロイックプリズム500から射出されたカラー画像は、投写光学系600によって拡大投写され、スクリーンSCR上で大画面画像を形成する。
次に、光学補償素子440R,440G,440B,450R,450G,450Bを製造するための製造方法(実施形態1に係る光学補償素子の製造方法)について、図2〜図4を用いて説明する。なお、光学補償素子440R,440G,440B,450R,450G,450Bは、以下の説明における光学補償素子1と同一の構成からなるとともに、同一の製造方法によって製造されたものである。
図2は、光学補償素子1の構成を示す図である。
図3は、実施形態1に係る光学補償素子の製造方法を示すフローチャートである。
図4は、実施形態1に係る光学補償素子の製造方法を説明するために示す図である。図4(a)〜図4(f)は各工程を模式的に示す図であって、図4(a)はベース材50に無機基板30を仮着した状態を示す斜視図であり、図4(b)はベース材50に無機基板30を仮着した状態を示す断面図であり、図4(c)は無機基板30を研削・研磨している様子を示す図であり、図4(d)は研削・研磨後の無機基板30及びベース材50を示す図であり、図4(e)は透光性支持基板仮着工程を示す図であり、図4(f)は剥離工程を示す図である。
なお、図2及び図4においては、説明を簡略化するため、各部材(無機光学補償板10、透光性支持基板20、無機基板30など)の厚みや大きさなどについては誇張して図示している。
実施形態1に係る光学補償素子の製造方法は、図2に示すように、無機光学補償板10と、無機光学補償板10を支持する透光性支持基板20とを有する光学補償素子1を製造するための製造方法であって、図3に示すように、「無機基板仮着工程」、「無機基板研削・研磨工程」、「透光性支持基板貼付工程」及び「剥離工程」が順次実施される。以下、これら各工程を順次説明する。
1.無機基板仮着工程
まず、図4(a)及び図4(b)に示すように、複屈折性を有する無機材料からなる無機基板30を、仮着剤Dを用いてベース材50に仮着する(図3のステップS10)。このとき、複数の無機基板30をベース材50上に仮着すれば、全工程終了後には複数の光学補償素子1を同時に得ることができる。
無機基板30としては、例えば水晶基板を用いている。研削・研磨前の無機基板30の厚みは、例えば500μmである。仮着剤Dとしては、例えば水溶性仮着剤(株式会社アーデル製、K40)を用いている。ベース材50としては、所定の厚み(例えば30mm)を有する青板ガラスを用いている。なお、ここでは図示による説明を省略したが、ベース材50における無機基板30が仮着される側の面は、擦りガラス状に加工されている。
2.無機基板研削・研磨工程
次に、図4(c)に示すように、無機基板30が仮着されたベース材50を研削・研磨装置(図示せず。)にセットして無機基板30を所定の厚み(例えば7μm)となるまで研削・研磨する(図3のステップS20)。
研削・研磨装置は、無機基板30を研削及び研磨するための装置であり、ベース材50を所定方向に回転させる自転部710と、自転部710の回転方向とは逆方向に回転するように構成されてなる公転部720とを備える。公転部720上には複数個の自転部710が配設されており、各自転部710と公転部720とはちょうど自転・公転の関係となるように構成されている。公転部720上には目的に併せて研削パッド又は研磨パッドが配置されている。
無機基板研削・研磨工程においては、鏡面研磨まで行わずに研削又は粗研磨の段階で無機基板30の研削・研磨を終了することとしている。
無機基板研削・研磨工程が終了したら、無機基板30の研削・研磨面をアルコールで拭いたり洗浄したりすることが好ましい。
3.透光性支持基板貼付工程
次に、図4(e)に示すように、接着剤Cを用いて、研削・研磨後の無機基板30におけるベース材50とは反対側の面に透光性支持基板20を接着する(図3のステップS30)。
透光性支持基板20としては、例えば石英ガラス基板を用いている。透光性支持基板20の厚みは、例えば500μmである。接着剤Cとしては、紫外線硬化性の樹脂接着剤を用いている。なお、当該接着剤を硬化する方法としては、蛍光灯下で接着剤を仮硬化した後、UVベルト炉で本硬化することが好ましい。このように仮硬化を行うことによって、連鎖反応を促進して樹脂の分子量を大きくすることができ、接着力を高めることができる。
4.剥離工程
そして、図4(f)に示すように、ベース材50に仮着された無機基板30(無機光学補償板10)を透光性支持基板20とともにベース材50から剥離する(図3のステップS40)。具体的には、無機基板30(無機光学補償板10)及び透光性支持基板20をベース材50ごと超音波印加機能付きの温水槽に入れて、無機基板30(無機光学補償板10)及び透光性支持基板20をベース材50から剥離する。温水槽の温度や温浴時間については、仮着剤Dの種類等に応じて適宜調整すればよい。
以上の工程を実施することにより、図2に示す光学補償素子1(光学補償素子440R,440G,440B,450R,450G,450B)を製造することができる。
このように、実施形態1に係る光学補償素子の製造方法によれば、一旦、無機基板30をベース材50に仮着した状態で研削・研磨してから、研削・研磨後の無機基板30と透光性支持基板20とを貼り合わせた後、無機基板30を透光性支持基板20とともにベース材50から剥離することとしているため、研削・研磨後の無機基板30を単独でハンドリングする必要が無い。その結果、光学補償素子を従来よりも容易に製造することが可能となる。
また、実施形態1に係る光学補償素子の製造方法によれば、研削・研磨後の無機基板30を単独でハンドリングするのが不要であることから、研削・研磨後の無機基板30を損傷する危険性が低くなり、結果として、製造コストの低減を図ることが可能となる。
また、実施形態1に係る光学補償素子の製造方法によれば、透光性支持基板貼付工程を行う前に、研削・研磨後の無機基板30の研磨不良などの有無について確認することができる。これにより、仮に研削・研磨後の無機基板30に研磨不良などが生じたとしても、光学補償素子としての不良とせずに済むため、製造コストの低減をそれほど阻むこともない。
実施形態1に係る光学補償素子の製造方法においては、ベース材50は、無機基板30が仮着される側の面が擦りガラス状に加工されたガラス材であるため、ベース材50と仮着剤Dとの界面に水が浸透しやすくなり、ベース材50から無機基板30を剥離するのが容易となる。また、ベース材50と無機基板30との接触面積が増えるため、研削・研磨時のベース材50と無機基板30との密着度を向上させることが可能となる。
実施形態1に係る光学補償素子の製造方法において、透光性支持基板貼付工程においては、接着剤Cを用いて、無機基板30と透光性支持基板20とを接着することとしているため、無機基板30と透光性支持基板20との界面における表面反射の発生が抑制され、光透過率を高めることが可能になる。
また、無機基板30及び透光性支持基板20の線膨張係数がそれぞれ異なる場合であっても、各基板間の貼り合わせ面における剥離が起こりにくくなり、長期信頼性の低下を抑制することが可能になる。
実施形態1に係る光学補償素子の製造方法において、無機基板研削・研磨工程においては、研削又は粗研磨の段階で無機基板30の研削・研磨を終了することとしている。
実施形態1に係る光学補償素子の製造方法においては、無機基板30と透光性支持基板20とを貼り合わせたとき、無機基板30の研削・研磨面が透光性支持基板20との貼り合わせ面となるため、無機基板30を鏡面研磨までせずに研削又は粗研磨の段階で終了したとしても、光学特性がそれほど劣化することはない。すなわち、実施形態1に係る光学補償素子の製造方法によれば、光学特性をそれほど劣化させることなく、研削・研磨加工に要する時間を短縮することが可能となる。
また、実施形態1に係る光学補償素子の製造方法によれば、無機基板研削・研磨工程において、無機基板30を鏡面研磨までせずに研削又は粗研磨の段階で終了することとしているため、鏡面研磨に起因した無機基板30の面内厚みむらが発生することもなく、光学補償素子の光学特性が低下することもない。
実施形態1に係る光学補償素子の製造方法においては、無機基板30として、水晶基板を用いているため、水晶からなる無機光学補償板10を備える光学補償素子1を従来よりも容易に、かつ、安価に製造することが可能となる。
実施形態1に係る光学補償素子の製造方法においては、透光性支持基板20として、石英ガラス基板を用いている。石英ガラス基板は複屈折が小さいため、透光性支持基板20を通過する光束の品質低下を抑制することができ、高品質な光学補償素子を製造することができる。
実施形態1に係るプロジェクタ1000は、実施形態1に係る光学補償素子の製造方法によって製造された光学補償素子440R,440G,440B,450R,450G,450Bを備えるため、投写画像のコントラストを向上することが可能で、かつ、従来よりも安価なプロジェクタとなる。
[実施形態2]
図5は、実施形態2に係るプロジェクタ1002を説明するために示す図である。図5(a)はプロジェクタ1002の光学系を示す図であり、図5(b)はプロジェクタ1002の要部を示す図である。
なお、図5において、図1と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
実施形態2に係るプロジェクタ1002は、基本的には実施形態1に係るプロジェクタ1000とよく似た構成を有しているが、光学補償素子の構成が、実施形態1に係るプロジェクタ1000とは異なる。
すなわち、実施形態1に係るプロジェクタ1000においては、液晶パネル410R,410G,410Bの光入射側及び光射出側にそれぞれ光学補償素子440R,440G,440B,450R,450G,450Bが配置されているのに対し、実施形態2に係るプロジェクタ1002においては、光射出側にのみ光学補償素子460R,460G,460Bが配置されている。
光学補償素子460R,460G,460Bは、液晶パネル410R,410G,410Bのプレチルト角に起因する複屈折(液晶分子によって生ずる光学的な位相差)を補償するための素子であり、ここでは詳細な説明を省略するが、複屈折性の無機材料からなる2つの無機光学補償板と、2つの無機光学補償板を支持する透光性支持基板とを有する。2つの無機光学補償板は、例えば水晶からなる無機光学補償板であり、透光性支持基板は、例えば石英からなる透光性支持基板である。
光学補償素子460R,460G,460Bを製造するための製造方法(実施形態2に係る光学補償素子の製造方法)について、図6〜図8を用いて説明する。なお、光学補償素子460R,460G,460Bは、以下に説明する実施形態2に係る光学補償素子の製造方法によって製造された光学補償素子2と同一の構成からなるとともに、同一の製造方法によって製造されたものである。
図6は、光学補償素子2の構成を示す図である。
図7は、実施形態2に係る光学補償素子の製造方法を示すフローチャートである。
図8は、実施形態2に係る光学補償素子の製造方法を説明するために示す図である。図8(a)〜図8(h)は各工程を模式的に示す図であって、図8(a)はベース材50に無機基板32を仮着した状態を示す断面図であり、図8(b)はベース材52に無機基板34を仮着した状態を示す断面図であり、図8(c)は無機基板32,34を研削・研磨している様子を示す図であり、図8(d)は研削・研磨後の無機基板32,34及びベース材50,52を示す図であり、図8(e)は透光性支持基板仮着工程(その1)を示す図であり、図8(f)は剥離工程(その1)を示す図であり、図8(g)は透光性支持基板仮着工程(その2)を示す図であり、図8(h)は剥離工程(その2)を示す図である。
なお、図6及び図8においては、説明を簡略化するため、各部材(無機光学補償板12,14、透光性支持基板22、無機基板32,34など)の厚みや大きさなどについては誇張して図示している。
実施形態1に係る光学補償素子の製造方法は、図2に示すように、透光性支持基板20の片面に無機光学補償板10が配置された光学補償素子1を製造するための製造方法であったのに対し、実施形態2に係る光学補償素子の製造方法は、図6に示すように、透光性支持基板22の両面に無機光学補償板12,14が配置された光学補償素子2を製造するための製造方法である。
実施形態2に係る光学補償素子の製造方法は、図7に示すように、「第1の無機基板仮着工程」、「第2の無機基板仮着工程」、「無機基板研削・研磨工程」、「透光性支持基板貼付工程(その1)」、「剥離工程(その1)」、「透光性支持基板貼付工程(その2)」及び「剥離工程(その2)」を含んでいる。以下、これら各工程を順次説明する。
1.第1の無機基板仮着工程
まず、図8(a)に示すように、複屈折性を有する無機材料からなる無機基板32を、仮着剤Dを用いてベース材50に仮着する(図7のステップS110)。
無機基板32としては、例えば水晶基板を用いている。研削・研磨前の無機基板32の厚みは、例えば500μmである。
2.第2の無機基板仮着工程
次に、図8(b)に示すように、複屈折性を有する無機材料からなる無機基板34を、仮着剤Dを用いてベース材52に仮着する(図7のステップS112)。
無機基板34としては、例えば水晶基板を用いている。研削・研磨前の無機基板34の厚みは、例えば500μmである。ベース材52は、ベース材50と同様に、所定の厚み(例えば30mm)を有する青板ガラスであり、ベース材52における無機基板34が仮着される側の面が擦りガラス状に加工されている。
なお、第2の無機基板仮着工程は、第1の無機基板仮着工程よりも前に行ってもよい。
3.無機基板研削・研磨工程
次に、図8(c)に示すように、無機基板32が仮着されたベース材50及び無機基板34が仮着されたベース材52を研削・研磨装置(図示せず。)にセットして、無機基板32,34を所定の厚み(例えば7μm)となるまで研削・研磨する(図7のステップS120)。
無機基板研削・研磨工程においては、鏡面研磨まで行わずに研削又は粗研磨の段階で無機基板32,34の研削・研磨を終了することとしている。
無機基板研削・研磨工程が終了したら、無機基板32,34の研削・研磨面をアルコールで拭いたり洗浄したりすることが好ましい。
なお、無機基板32の研削・研磨と無機基板34の研削・研磨とは、上記のように同時に行ってもよいし、別のタイミングで行ってもよい。
4.透光性支持基板貼付工程(その1)
次に、図8(e)に示すように、接着剤Cを用いて、研削・研磨後の無機基板32におけるベース材50とは反対側の面に透光性支持基板22を接着する(図7のステップS130)。
透光性支持基板22としては、例えば石英ガラス基板を用いている。透光性支持基板22の厚みは、例えば500μmである。
5.剥離工程(その1)
次に、図8(f)に示すように、ベース材50に仮着された無機基板32(無機光学補償板12)を透光性支持基板22とともにベース材50から剥離する(図7のステップS140)。具体的な剥離の方法については、実施形態1で説明した方法と同様である。
6.透光性支持基板貼付工程(その2)
次に、図8(g)に示すように、接着剤Cを用いて、研削・研磨後の無機基板34と無機基板32が接着された透光性支持基板22とを接着する(図7のステップS150)。
7.剥離工程(その2)
そして、図8(h)に示すように、ベース材52に仮着された無機基板34(無機光学補償板14)を無機基板32(無機光学補償板12)及び透光性支持基板22とともにベース材52から剥離する(図7のステップS160)。具体的な剥離の方法については、実施形態1で説明した方法と同様である。

以上の工程を実施することにより、図6に示す光学補償素子2(光学補償素子460R,460G,460B)を製造することができる。
このように、実施形態2に係る光学補償素子の製造方法によれば、一旦、無機基板32,34をベース材50,52に仮着した状態で研削・研磨してから、研削・研磨後の無機基板32,34と透光性支持基板22とを貼り合わせた後、無機基板32,34を透光性支持基板22とともにベース材50,52から剥離することとしているため、研削・研磨後の無機基板32,34を単独でハンドリングする必要が無い。その結果、無機光学補償板12,14が透光性支持基板22の両面に配置された光学補償素子2を従来よりも容易に製造することが可能となる。
また、実施形態2に係る光学補償素子の製造方法によれば、研削・研磨後の無機基板32,34を単独でハンドリングするのが不要であることから、研削・研磨後の無機基板32,34を損傷する危険性が低くなり、結果として、製造コストの低減を図ることが可能となる。
したがって、実施形態2に係る光学補償素子の製造方法は、実施形態1に係る光学補償素子の製造方法の場合と同様に、従来よりも容易に製造することが可能で、製造コストの低減を図ることが可能な光学補償素子の製造方法となる。
実施形態2に係る光学補償素子の製造方法は、透光性支持基板の両面に無機光学補償板が配置された光学補償素子を製造するための製造方法である点以外の点では、実施形態1に係る光学補償素子の製造方法で用いた材料と同様の材料を用いるとともに、実施形態1に係る光学補償素子の製造方法と同様の工程を行うものであるため、実施形態1に係る光学補償素子の製造方法が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
実施形態2に係るプロジェクタ1002は、実施形態2に係る光学補償素子の製造方法によって製造された光学補償素子460R,460G,460Bを備えるため、投写画像のコントラストを向上することが可能で、かつ、従来よりも安価なプロジェクタとなる。
以上、本発明の光学補償素子の製造方法及びプロジェクタを上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記各実施形態においては、透光性支持基板貼付工程として、接着剤を用いて無機基板と透光性支持基板とを接着する場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、直接接合によって無機基板と透光性支持基板とを接合してもよい。直接接合としては、分子間力による接合やプラズマ接合などを例示することができる。
(2)上記各実施形態においては、無機基板として、水晶基板を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、サファイア基板を用いてもよいし、他の複屈折性を有する無機材料(例えば、ウルツ鉱、金紅石、チリ硝石、電気石、硫化カドミウム等)からなる無機基板を用いてもよい。
(3)上記各実施形態においては、透光性支持基板として、石英ガラス基板を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、白板ガラス、パイレックス(登録商標)、結晶化ガラス、立方晶の焼結体からなる基板を用いてもよい。
(4)上記各実施形態においては、仮着剤として、水溶性仮着剤を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、熱軟化性仮着剤(例えば、株式会社テスク製、A−1579)やワックス(ろう)などを用いてもよい。
(5)上記各実施形態においては、無機基板の外形サイズと略同一の外形サイズを有する透光性支持基板を無機基板に接着する場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、無機基板の外形サイズよりも大きな外形サイズを有する透光性支持基板を無機基板に接着してもよい。この場合には、無機基板と透光性支持基板とを接着した際に無機基板と透光性支持基板との間から接着剤が流れ出たとしても、当該接着剤が無機基板とベース材との間に侵入したりベース材に付着したりするのを抑制することが可能となるため、剥離工程において無機基板がベース材から剥がれにくくなるのを抑制することが可能となる。
(6)上記各実施形態においては、ベース材として、無機基板が仮着される側の面が擦りガラス状に加工されたベース材を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。研削・研磨中はベース材と無機基板とが仮着剤によって確実に固定され、研削・研磨後にはベース材から無機基板を剥離するのが容易となるように所定の加工が施された他のベース材を用いてもよい。
(7)上記実施形態1においては、液晶パネルの光入射側及び光射出側にそれぞれ1枚ずつ光学補償素子が配置されている場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。光学補償素子の枚数及び配置位置については、液晶パネルの種類等に応じて適宜変更してもよい。
(8)上記各実施形態においては、液晶パネルと光学補償素子とは離隔して配置されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、液晶パネルと光学補償素子とを貼り合わせ、当該光学補償素子を液晶パネルに設けられる防塵ガラスの代わりとして用いてもよい。
(9)上記実施形態2においては、各光学補償素子460R,460G,460Bの回転位置を調整可能な回転位置調整装置をさらに備えていてもよい。この場合には、光学補償素子が最適な回転位置となるように調整することができ、投写画像のコントラストをさらに向上することが可能となる。
(10)上記各実施形態においては、光源装置として、楕円面リフレクタからなる光源装置を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、放物面リフレクタからなる光源装置を用いてもよい。
(11)上記各実施形態においては、光均一化光学系として、レンズアレイからなるレンズインテグレータ光学系を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、インテグレータロッドからなるロッドインテグレータ光学系を用いてもよい。
(12)上記各実施形態においては、3つの液晶光変調装置を用いたいわゆる3板式の液晶プロジェクタに本発明が適用される場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つ、2つ又は4つ以上の液晶光変調装置を用いたプロジェクタにも本発明を適用することができる。
(13)本発明の光学補償素子の製造方法を実施することにより、上述した光透過型の液晶光変調装置に用いる光学補償素子を製造できるのはもちろん、光反射型の液晶光変調装置に用いる光学補償素子も製造することができる。
(14)本発明は、投写画像を観察する側から投写するフロント投写型プロジェクタに適用する場合にも、投写画像を観察する側とは反対の側から投写するリア投写型プロジェクタに適用する場合にも可能である。
実施形態1に係るプロジェクタ1000を説明するために示す図。 光学補償素子1の構成を示す図。 実施形態1に係る光学補償素子の製造方法を示すフローチャート。 実施形態1に係る光学補償素子の製造方法を説明するために示す図。 実施形態2に係るプロジェクタ1002を説明するために示す図。 光学補償素子2の構成を示す図。 実施形態2に係る光学補償素子の製造方法を示すフローチャート。 実施形態2に係る光学補償素子の製造方法を説明するために示す図。
符号の説明
1,2,440R,440G,440B,450R,450G,450B,460R,460G,460B…光学補償素子、10,12,14…無機光学補償板、20,22…透光性支持基板、30,32,34…無機基板、50,52…ベース材、100…照明装置、100ax…照明光軸、110…光源装置、112…発光管、114…楕円面リフレクタ、116…副鏡、118…凹レンズ、120…第1レンズアレイ、122…第1小レンズ、130…第2レンズアレイ、132…第2小レンズ、140…偏光変換素子、150…重畳レンズ、200…色分離導光光学系、210,220…ダイクロイックミラー、230,240,250…反射ミラー、260…入射側レンズ、270…リレーレンズ、300R,300G,300B…集光レンズ、400R,400G,400B,402R,402G,402B…液晶光変調装置、410R,410G,410B…液晶パネル、420R,420G,420B…入射側偏光板、430R,430G,430B…射出側偏光板、500…クロスダイクロイックプリズム、600B…投写光学系、710…自転部、720…公転部、1000,1002…プロジェクタ、C…接着剤、D…仮着剤、SCR…スクリーン

Claims (7)

  1. 複屈折性を有する無機材料からなる無機基板を、仮着剤を用いてベース材に仮着する無機基板仮着工程と、
    前記無機基板が仮着された前記ベース材を研削・研磨装置にセットして前記無機基板を研削・研磨する無機基板研削・研磨工程と、
    研削・研磨後の前記無機基板における前記ベース材とは反対側の面に透光性支持基板を貼り付ける透光性支持基板貼付工程と、
    前記ベース材に仮着された前記無機基板を前記透光性支持基板とともに前記ベース材から剥離する剥離工程とをこの順序で含むことを特徴とする光学補償素子の製造方法。
  2. 請求項1に記載の光学補償素子の製造方法において、
    前記ベース材は、前記無機基板が仮着される側の面が擦りガラス状に加工されたガラス材であることを特徴とする光学補償素子の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の光学補償素子の製造方法において、
    前記透光性支持基板貼付工程においては、接着剤を用いて、前記無機基板と前記透光性支持基板とを接着することを特徴とする光学補償素子の製造方法。
  4. 請求項3に記載の光学補償素子の製造方法において、
    前記透光性支持基板貼付工程においては、前記無機基板の外形サイズよりも大きな外形サイズを有する透光性支持基板を前記無機基板に接着することを特徴とする光学補償素子の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載の光学補償素子の製造方法において、
    前記透光性支持基板貼付工程においては、直接接合によって、前記無機基板と前記透光性支持基板とを接合することを特徴とする光学補償素子の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光学補償素子の製造方法において、
    前記無機基板研削・研磨工程においては、研削又は粗研磨の段階で前記無機基板の研削・研磨を終了することを特徴とする光学補償素子の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の光学補償素子の製造方法において、
    前記無機基板として、水晶基板又はサファイア基板を用いることを特徴とする光学補償素子の製造方法。
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