JP2007058008A - クロスダイクロイックプリズムの製造方法、クロスダイクロイックプリズム、光学装置、及びプロジェクタ - Google Patents

クロスダイクロイックプリズムの製造方法、クロスダイクロイックプリズム、光学装置、及びプロジェクタ Download PDF

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Abstract


【課題】良好な画質のクロスダイクロイックプリズムを製造する方法、クロスダイクロイックプリズム、光学装置、およびプロジェクタを提供すること。
【解決手段】クロスダイクロイックプリズム34は、4個のダイクロイックプリズム341のうち2個をそれぞれ接合形成面342Dを基準面に対向させて載置し、赤色光反射膜343Aおよび接着面342Cの間と、接合形成面342Dおよびフィルムの間とに接着層344を形成し、接合形成面342D側の接着層344を研磨して平滑な接合面342Eを形成してこの接合面342Eの全面に青色光反射膜343Bを形成する。これにより、接合面342Eを確実に平滑に研磨でき、このような接合面342Eに波長選択性反射膜を設けることで良質な画質のカラー画像を形成できる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、4個の三角柱プリズムを備えたクロスダイクロイックプリズムを製造する方法、このクロスダイクロイックプリズムの製造方法で製造されたクロスダイクロイックプリズム、このクロスダイクロイックプリズムを備えた光学装置、この光学装置を備えたプロジェクタに関する。
従来、光の色合成や色分離するクロスダイクロイックプリズムが知られている。このようなクロスダイクロイックプリズムには、2つの断面直角二等辺三角形の三角柱プリズムの頂角同士が近接するように接着固定したプリズムペアを2つ接着固定することで形成されるタイプのものが知られている。
このようなタイプのクロスダイクロイックプリズムのプリズムペアでは、2つの三角柱プリズムのうち一方の一面に、所定の波長の光を反射してその他の波長の光を透過させる波長選択性反射膜が形成され、この波長選択性反射膜と他方の三角柱プリズムの対向面との間に接着剤による接着層が形成されている。また、2つのプリズムペアのうち一方の一面に波長選択性反射膜が形成され、この波長選択性反射膜と他方のプリズムペアの対向面との間に接着層が形成されている。
このようなタイプのクロスダイクロイックプリズムの製造方法として、プリズムペアを形成した後に、プリズムペア同士を接着固定する方法が知られている(例えば特許文献1)。
この特許文献1に記載のクロスダイクロイックプリズムの製造方法では、同一平面となる2つの基準面部が溝部を介して形成された組み立て治具が用いられる。まず、2つの直角プリズムの貼り合せ面に接着剤を塗布して貼り合せる。この後、貼り合せ面が溝部の上方に配置されるように基準面部に載置し、これらの2つのプリズムを基準面部に押し付けて、接着剤を固化させる。ここで、溝部側に余分な接着剤がはみ出たり、プリズムを押し付ける力により2つのプリズムに段差が生じたりする場合があり、このような場合、プリズムおよびはみ出た接着剤およびプリズムを研磨して平坦な接合面となるように加工し、プリズム対が形成される。この後、形成された2つのプリズム対のうち一方の接合面に反射膜を形成し、この反射膜と他方のプリズム対の接合面との間を接着剤により固着させてクロスダイクロイックプリズムが製造される。
特開平11−352440号公報(段落番号「0050」および図5参照)
ところで、2つのプリズム対のうち一方のプリズム対の接合面に波長選択性反射膜を連続して形成されるため、接合面を平坦面にする必要がある。しかしながら、特許文献1に記載のような従来の製造方法では、溝部側に余分な接着剤がはみ出たり、2つのプリズムに段差が生じたりした場合、はみ出た接着剤だけでなくプリズムまでをも研磨して、接合面を平坦面にする。このような方法では、接着剤とガラスから成形されるプリズムとの強度の差により、プリズムを研磨している時に、強度が弱い接着層にひびが入るなどして欠損してしまったり、接着層が余分に研磨されたりして接合面の表面に凹溝部が形成されてしまう場合がある。このような凹溝部が形成された状態で波長選択性反射膜を形成すると、この凹溝部における波長選択性反射膜が破損されたりして形成が困難になる。このようなプリズム対を用いてクロスダイクロイックプリズムを製造すると、波長選択性反射膜が形成されなかった部分で所定の波長の光が反射されず、クロスダイクロイックレンズから投射されるカラー画像が色ずれを起したり、画質が低下したりする虞があるという問題がある。
本発明は、良好な画質のクロスダイクロイックプリズムを製造する方法、クロスダイクロイックプリズム、光学装置、およびプロジェクタを提供することを目的とする。
本発明のクロスダイクロイックプリズムの製造方法は、第1面と第2面とが略直角の頂角を挟んで設けられるとともに前記頂角同士を中心に近接配置し底面部を外側に配置した三角柱プリズム4個と、これらの三角柱プリズムの間に波長選択性反射膜と接着層とがそれぞれ設けられたクロスダイクロイックプリズムを製造する方法であって、前記三角柱プリズムの2個を、それぞれ前記第1面をプリズム製造治具における基準面に対向させるとともに前記第2面同士を接着剤で接着してプリズムペアを成形し、このプリズムペアを成形する際に接着剤を前記プリズムペアの前記第1面に亘って塗布して前記プリズムペアの前記第1面の略全面に接着層を形成した後、この接着層を平滑に形成し、波長選択性反射膜を前記プリズムペアの前記第1面の上の前記接着層表面に亘って形成するとともに、この波長選択性反射膜と残り2個の前記三角柱プリズムの前記第1面とを接着剤で接着してクロスダイクロイックプリズムを製造することを特徴とする。
この発明によれば、三角柱プリズムの2個をそれぞれ第1面をプリズム製造治具における基準面に対向させて、第2面同士を接着させる接着剤とプリズムペアの第1面の略全面にも亘って塗布し接着層を形成する。この後、この接着層を平滑に形成し、波長選択性反射膜を平滑な接着層の上からプリズムペアの第1面の全面に亘って形成する。これにより、三角柱プリズムを削らずに、接着層のみを平滑に形成するので、素材の違いによるひび割れなどの欠損部や凹状部ができない。したがって、第1面に凹凸などができず、平滑になるので、この第1面に形成する波長選択性反射膜も容易に全面に平滑に形成することが可能となる。よって、このような波長選択性反射膜により所定の波長の光を、色ずれなどを起すことなく良好に反射させることが可能となり、画質も良好になる。
また、本発明のクロスダイクロイックプリズムの製造方法において、前記プリズムペアの前記第1面に接着層を形成するために前記基準面の上に基材を配置し、この基材と前記第1面との間に接着層を設け、前記波長選択性反射膜を形成する前に前記基材を前記接着層から剥がすことが好ましい。
この発明によれば、基準面の上に基材を配置し、この基材と第1面との間に接着剤を注入して接着層を形成している。これにより、基準面とプリズムペアが接着剤により接着されず、プリズムペアを基準面から容易に取り外し可能となる。また、この基材を接着剤により接着しにくい素材とすることで、プリズムペアと基材とを容易に取り外し可能となり、生産性も良好になる。
さらに、本発明のクロスダイクロイックプリズムの製造方法では、前記基材は可撓性フィルムであることが好ましい。
この発明によれば、基材が可撓性フィルムで形成されているので、プリズムペアの接着層から取り外しやすくなる。
そして、本発明のクロスダイクロイックプリズムの製造方法では、前記基準面は連続した平面であることが好ましい。
この発明によれば、基準面が連続した平面なので、その上においた基材も平面にすることができ、プリズムペアの第1面の接着層も容易に平面に形成することが可能となる。
また、本発明のクロスダイクロイックプリズムの製造方法では、前記接着層を平滑にする作業はバフ研磨で行うことが好ましい。
この発明によれば、第一面の接着層をバフ研磨により平滑にする。これにより、接着層の表面に傷をつけることなく、容易に表面を平滑に仕上げることが可能となる。
さらに、本発明のクロスダイクロイックプリズムの製造方法では、前記プリズムペアの前記第1面と前記波長選択性反射膜との間の接着層と前記第2面の間の接着層とは略T字形に連続形成されていることが好ましい。
この発明によれば、プリズムペアの第1面と第2面との接着層が連続してT字形に形成されている。これにより、接着剤を第1面側もしくは第2面側のどちらかから注入するだけで第1面と第2面との双方に接着層を形成することが可能となる。したがって、接着層の形成が容易になり、クロスダイクロイックプリズムの生産性も良好になる。
さらには、本発明のクロスダイクロイックプリズムの製造方法では、前記プリズムペアを予め2組用意し、これらのプリズムペアの一方に前記波長選択性反射膜を形成し、この波長選択性反射膜と残りのプリズムペアの前記第1面との間に接着層を形成することが好ましい。
この発明では、2つのプリズムペアのうち一方の第1面に波長選択性反射膜を形成し、この一方のプリズムペアの第1面の波長選択性反射膜と他方のプリズムペアの第1面との間に接着層を形成してクロスダイクロイックプリズムを形成している。これにより、一方のプリズムペアにだけ波長選択性反射膜を形成すればよく、容易にクロスダイクロイックプリズムを形成することが可能となる。
そして、本発明のクロスダイクロイックプリズムは、上述したようなクロスダイクロイックプリズムの製造方法で製造されたことを特徴とする。
この発明によれば、クロスダイクロイックプリズムを構成するプリズムペアの第1面に形成される接着層が平坦面となるように形成され、この接着層の面に波長選択性反射膜が形成されている。このため、クロスダイクロイックに光を入射させた場合に、所定の波長の光が良好にこの波長選択性反射膜により反射される。したがって、クロスダイクロイックプリズムにて形成されるカラー画像には色ずれがなく、画質も低下しない。
また、本発明の光学装置は、上記のクロスダイクロイックプリズムと、このクロスダイクロイックプリズムの外側に位置している4面のうち3面にそれぞれ近接配置される液晶パネルと、前記クロスダイクロイックプリズムのうち残り1面に対向配置される投射レンズとを備えたことを特徴とする。
さらに、本発明のプロジェクタは、上記光学装置を備えたことを特徴とする。
この発明では、上記のようにクロスダイクロイックプリズムで形成されるカラー画像には、色ずれや画質低下がないため、このようなクロスダイクロイックプリズムを格納する光学装置やプロジェクタは、良画質なカラー画像を投射可能となる。
以下、本発明の一実施の形態に係るプロジェクタについて図面に基づいて説明する。
[プロジェクタの構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係るプロジェクタの内部に設けられる光学系を模式的に示す図である。図2は、クロスダイクロイックプリズムを模式的に示す斜視図である。図3は、クロスダイクロイックプリズムの光軸面での断面を模式的に示す断面図である。
図1において、プロジェクタ1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し、スクリーン等の投射面上に拡大投射する。このプロジェクタ1は、図示しない外装ケースと、光学ユニット2と、図示しない電源ユニットおよび冷却ユニットとを含んで構成される。
光学ユニット2は、インテグレータ照明光学系21と、色分離光学系22と、リレー光学系23と、光学装置3と、光学部品用筐体25とに機能的に大別される。
インテグレータ照明光学系21は、光源から射出された光束を照明光軸直交面内における照度を均一にするための光学系である。このインテグレータ照明光学系21は、光源装置211、第1レンズアレイ212、第2レンズアレイ213、偏光変換素子214、及び重畳レンズ215を備えて構成される。
光源装置211は、光源ランプ216およびリフレクタ217を備えている。そして、光源ランプ216から射出された放射状の光束は、リフレクタ217で反射されて略平行光束とされ、外部へと射出される。本実施の形態では、光源ランプ216として、高圧水銀ランプを採用し、リフレクタ217として、放物面鏡を採用している。なお、光源ランプ216としては、高圧水銀ランプに限らず、例えばメタルハライドランプやハロゲンランプ等を採用してもよい。また、リフレクタ217として放物面鏡を採用しているが、これに限らず、楕円面鏡からなるリフレクタの射出面に平行化凹レンズを配置した構成を採用してもよい。
第1レンズアレイ212は、照明光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備する。各小レンズは、光源ランプ216から射出された光束を部分光束に分割し、照明光軸方向に射出する。
第2レンズアレイ213は、第1レンズアレイ212と略同様の構成であり、小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備する。この第2レンズアレイ213は、重畳レンズ215とともに、第1レンズアレイ212の各小レンズの像を光学装置3の後述する液晶パネル31上に結像させる機能を有する。
偏光変換素子214は、第2レンズアレイ213からの光を略1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、光学装置3での光の利用効率が高められている。具体的に、偏光変換素子214によって略1種類の偏光光に変換された各部分光束は、重畳レンズ215によって最終的に光学装置3の後述する液晶パネル31上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル31を用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源ランプ216からの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換素子214を用いることにより、光源ランプ216から射出された光束を略1種類の偏光光に変換し、光学装置3における光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子214は、例えば、特開平8−304739号公報に紹介されている。
色分離光学系22は、2枚のダイクロイックミラー221,222と、反射ミラー223とを備える。インテグレータ照明光学系21から射出された複数の部分光束は、2枚のダイクロイックミラー221,222により赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離される。
リレー光学系23は、入射側レンズ231と、リレーレンズ233と、反射ミラー232,234とを備える。このリレー光学系23は、色分離光学系22で分離された色光である青色光を光学装置3の後述する青色光用の液晶パネル31まで導く機能を有している。
この際、色分離光学系22のダイクロイックミラー221では、インテグレータ照明光学系21から射出された光束のうち、青色光成分と緑色光成分とは透過し、赤色光成分は反射する。ダイクロイックミラー221によって反射した赤色光は、反射ミラー223で反射し、フィールドレンズ218を通って、後述する赤色光用の液晶パネル31に到達する。このフィールドレンズ218は、第2レンズアレイ213から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光、青色光用の液晶パネル31の光入射側に設けられたフィールドレンズ218も同様である。
また、ダイクロイックミラー221を透過した青色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー222によって反射し、フィールドレンズ218を通って、後述する緑色光用の液晶パネル31に到達する。一方、青色光は、ダイクロイックミラー222を透過してリレー光学系23を通り、さらにフィールドレンズ218を通って、後述する青色光用の液晶パネル31に到達する。
なお、リレー光学系23には、3つの色光のうちの青色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、赤色光を通す構成としてもよい。
光学装置3は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像(光学像)を形成し、形成したカラー画像を拡大投射する。この光学装置3は、図1に示すように、3つの液晶パネル31(赤色光用の液晶パネルを31R、緑色光用の液晶パネルを31G、青色光用の液晶パネルを31Bとする)と、これら液晶パネル31の光束入射側および光束射出側にそれぞれ対向配置される入射側偏光板32および光学変換板33と、クロスダイクロイックプリズム34と、ヘッド体4と、投射レンズ5とを備える。そして、これらのうち、3つの液晶パネル31、3つの光学変換板33、およびクロスダイクロイックプリズム34は一体化され、光学装置本体30を構成する。なお、光学装置本体30は、具体的な構成は後述するが、液晶パネル31、光学変換板33、およびクロスダイクロイックプリズム34以外に、液晶パネル31を保持する保持枠、第2光学変換板33Bを保持するとともに液晶パネル31をクロスダイクロイックプリズム34に取り付ける保持部材等を備える。
入射側偏光板32は、偏光変換素子214で偏光方向が略一方向に揃えられた各色光が入射され、入射された光束のうち、偏光変換素子214で揃えられた光束の偏光軸と略同一方向(第1偏光方向)の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。この入射側偏光板32は、図示を省略するが、透光性基板上に偏光膜が貼付された構成を有している。なお、本実施形態では、入射側偏光板32を光学装置本体30と別体で構成しているが、光学装置本体30と一体化する構成を採用してもよい。また、透光性基板を用いずに、偏光膜をフィールドレンズ218に貼り付ける構成を採用してもよい。
液晶パネル31は、図示は省略するが、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有し、前記制御基板から出力される駆動信号に応じて、前記液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板32から射出された偏光光束の偏光方向を変調する。
光学変換板33は、第1光学変換板33Aと、第2光学変換板33Bとから構成されている。
第1光学変換板33Aは、前述の入射側偏光板32と略同様の構成を有し、入射された光束のうち、所定方向(第2偏光方向)の偏光光のみを透過させ、その他の光束を吸収するものである。
第2光学変換板33Bは、液晶パネル31から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみを透過させ、その他の光束を吸収するとともに、液晶パネル31から射出された光束の視野角を拡大する。
クロスダイクロイックプリズム34は、光学変換板33から入射される赤色光、青色光、および緑色光を合成してカラー画像を形成し、投射レンズ5に出射する。なお、クロスダイクロイックプリズム34の詳細な説明については後述する。
投射レンズ5は、先端部分が図示しない外装ケースから露出可能に配置され、クロスダイクロイックプリズム34にて形成されたカラー画像を拡大投射する。この投射レンズ5は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成されている。また、この投射レンズ5には、複数のレンズの相対位置を変更するレバーが設けられ、投射像のフォーカス調整、および倍率調整可能に構成されているものであってもよい。
ヘッド体4は、例えばアルミニウム合金またはマグネシウム合金等の金属材料から構成され、光学装置本体30および投射レンズ5を一体化するとともに、一体化したユニットを光学部品用筐体25に対して取り付けるものである。
光学部品用筐体25は、合成樹脂製の成形品であり、内部に所定の照明光軸が設定され、上述した光学部品31〜34を照明光軸に対する所定位置に配置する。なお、光学部品用筐体25は、合成樹脂製の成形品に限らず、その他、金属製部材から構成してもよい。
[クロスダイクロイックプリズムの構成]
クロスダイクロイックプリズム34は、光学変換板33から射出された各色光がそれぞれ入射される3つの入射端面を備え、色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム34は、図2に示すように、4つの三角柱プリズムとしてのダイクロイックプリズム341の頂角同士を中央部に近接させて貼り合わせ、平面視正方形状に形成されている。すなわち、赤色光用の液晶パネル31Rからの赤色光が入射する赤色光側ダイクロイックプリズム341Aと、青色光用の液晶パネル31Bからの青色光が入射する青色光側ダイクロイックプリズム341Bと、緑色光が入射する緑色光側ダイクロイックプリズム341Cと、合成された光が出射する投射レンズ側ダイクロイックプリズム341Dとの頂角同士を近接させて平面視正方形状に形成されている。
また、このようなクロスダイクロイックプリズム34は、赤色光側ダイクロイックプリズム341Aおよび緑色光側ダイクロイックプリズム341Cを組み合わせた第一プリズムペア345Aと、青色光側ダイクロイックプリズム341Bおよび投射レンズ側ダイクロイックプリズム341Dを組み合わせた第二プリズムペア345Bとを接着することにより形成される。なお、クロスダイクロイックプリズム34の詳細な製造方法については後述する。
これらのダイクロイックプリズム341には、図3に示すように、光学変換板33からの光が入射または投射レンズ5に光を出射する入出射面342Aが設けられている。
また、第一プリズムペア345Aにおける緑色光側ダイクロイックプリズム341Cの赤色光側ダイクロイックプリズム341Aに対向する面、および第二プリズムペア345Bにおける青色光側ダイクロイックプリズム341Bの投射レンズ側ダイクロイックプリズム341Dに対向する面には、波長選択性反射膜343が設けられる第2面としての反射膜形成面342Bが設けられている。この反射膜形成面342Bの表面には、赤色光のみを反射し、他の波長の光を透過する赤色光反射膜343Aが形成されている。なお、この赤色光反射膜343Aは、第1および第2プリズムペア345A,345Bを貼りつけてクロスダイクロイックプリズム34とした際に、同一平面上で配置されるように形成されている。
さらに、赤色光側ダイクロイックプリズム341Aおよび投射レンズ側ダイクロイックプリズム341Dの反射膜形成面342Bに対向する面には、第2面としての接着面342Cが形成されている。そして、この接着面342Cおよび赤色光反射膜343Aの間には、接着剤が注入されて接着層344が形成されている。
さらには、赤色光側ダイクロイックプリズム341Aおよび緑色光側ダイクロイックプリズム341Cの第2プリズムペアに対向する面と、青色光側ダイクロイックプリズム341Bおよび投射レンズ側ダイクロイックプリズム341Dの第1プリズムペアに代行する面とには、第1面としての接合形成面342Dが形成されている。これらの接合形成面342Dにも接着剤による接着層344が形成されており、これらの接着層344の互いに対向する面には平坦な接合面342Eが形成されている。そして、これらの接合面342Eのうち一方、例えば本実施形態では、第2プリズムペア345Aの接合面342Eの表面の全面に青色光反射膜343Bが形成されている。なお、上述した波長選択性反射膜343(青色光反射膜343B)および接着層344の厚み寸法は、1.5μmないし3.7μmに形成されている。
なお、図3において、波長選択性反射膜343および接着層344は、説明を分かりやすくするため厚み寸法を大きく表示しているが、実際にはダイクロイックプリズム341の表面に厚み寸法が1.5μmないし3.7μmとなるように膜状に形成されるものであり、ダイクロイックプリズム341の大きさに対して微小寸法に形成されている。
以上の構成により、クロスダイクロイックプリズム34は、赤色光側ダイクロイックプリズム341Aに入射した赤色光を赤色光反射膜343Aで投射レンズ側ダイクロイックプリズム341Dに反射させ、青色光側ダイクロイックプリズム341Bに入射した青色光を青色光反射膜343Bで投射レンズ側に反射させ、緑色光側ダイクロイックプリズム341Cから入射した緑色光をそのまま投射レンズ側ダイクロイックプリズムに透過させて、各色光を合成してカラー画像を形成し、投射レンズ側ダイクロイックプリズム341Dの入出射面342Aから出射する。
[クロスダイクロイックプリズムの製造]
次に上述したようなクロスダイクロイックプリズム34の製造方法について、図4ないし図7に基づいて説明する。図4は、クロスダイクロイックプリズムを製造する製造治具およびこの製造治具に載置されたダイクロイックプリズムの概略を模式的に示す斜視図である。図5は、クロスダイクロイックプリズムの製造工程を示す図であり、(A)は2個のダイクロイックプリズムを接着する工程を示す図、(B)は、接着された2個のダイクロイックプリズムからフィルムを剥がすフィルム除去工程を示す図、(C)は、接合面に波長選択性反射膜を形成する反射膜成形工程を示す図、(D)は第1および第2プリズムペアを組み合わせて接着した接着工程を示す図である。図6は、接着層の接合面研磨工程を示す図であり、(A)は図5(B)においてフィルムを剥がした状態の第2プリズムペアを示す図、(B)は第2プリズムペアの接合面の研磨中の状態を示す図、(C)は第2プリズムペアの接合面の研磨終了時の状態を示す図、(D)は第2プリズムペアの接合面に波長選択反射膜を形成した状態を示す図である。図7は、接着工程で接着固定されたクロスダイクロイックプリズムを示す斜視図である。なお、図4ないし図6においては、説明を分かり易くするため、図3と同様に波長選択性反射膜343および接着層344の厚み寸法は実際よりも誇張して大きく表示している。
クロスダイクロイックプリズム34を製造するためには、先ず、4つのダイクロイックプリズム341を製作する。すなわち、例えばガラスを切削および研磨することで断面略直角二等辺三角形の三角柱のダイクロイックプリズム341を製造する。
次に、このようにして製作されたダイクロイックプリズム341のうち、緑色光側ダイクロイックプリズム341Cおよび青色光側ダイクロイックプリズム341Bの反射膜形成面342Bの表面に、誘電多層膜を蒸着またはスパッタなどすることで、波長選択性反射膜343(赤色光反射膜343A)を形成する。
この後、図4に示すような製造治具100に各ダイクロイックプリズム341を載置する。この製造治具100は、2つのダイクロイックプリズム341を接着してプリズムペア345A,345Bを製作するための治具であり、例えばガラスなどにて形成されている。この製造治具100は、平坦面状の基準面101を備えており、この基準面101は、表面全体が研磨されて平滑に形成されている。また、この基準面の上面には、基材、および可撓性フィルムとしてのフィルム110が載置されている。このフィルム110としては、接着剤が嫌気性であるため、酸素透過度が低い素材、例えば、有機ポリマーおよび無機化合物からなるハイブリッドコート層を持つガスバリア性フィルムである商品名コージンコーバリア(株式会社 興人製)、ONYフィルム(二軸延伸ナイロンフィルム)、OPPフィルム(二軸延伸ポリプロピレンフィルム)、PETフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)などが用いられる。このようなフィルム110は、固化された接着剤に対して容易に剥がすことが可能であるため、プリズムペア345を容易に取り外すことが可能となる。
このような製造治具100の基準面101のフィルム110に、図4および図5(A)に示すように、第1プリズムペア345Aまたは第2プリズムペア345Bを形成するための2つのダイクロイックプリズム341の接合形成面342Dを対向させて載置する。この後、赤色光反射膜343Aおよび接着面342Cとの間、および接合形成面342Dおよびフィルム110の間に接着剤を注入する。この際、接合形成面342Dおよびフィルム110の間と、赤色光反射膜343Aおよび接着面342Cとの間とに形成される接着層344が略T字型に連続するように接着剤を注入する(接着剤注入工程)。なお、この接着剤としては、透光性、ガラス接着性、精密性が良好な接着剤、例えば商品名UT20(株式会社アーデル製)などが用いられる。そして、ダイクロイックプリズム341を基準面101側に押し付けるとともに、2つのダイクロイックプリズム341を互いに近接させる方向に押し付ける(押圧工程)。これにより、接着剤を赤色光反射膜343Aおよび接着面342Cの間、および接合形成面342Dおよびフィルム110の間全体に均一に充填させることが可能となり、T字形の接着層344が形成される。
この後、接着剤が固化し、赤色光反射膜343Aおよび接着面342Cの間、および接合形成面342Dおよびフィルム110の間に接着層344が形成されると、基準面101からフィルム110とともに第1および第2プリズムペア345A,345Bを取り出し、図5(B)に示すように、フィルム110を剥がして除去する(フィルム除去工程)。
ここで、押圧工程において、ダイクロイックプリズム341を押し付ける力の差や、接着剤の注入量や充填量の差などにより、プリズムペア345A,345Bを構成する2つのダイクロイックプリズム341に段差が生じたり、接合面342Eに凹凸ができたりする場合がある。このような場合、図6(A)ないし図6(C)に示すように、これらのプリズムペア345A,345Bの接合面342Eを研磨する(接合面研磨工程)。この接合面研磨工程では、柔らかい布などに研磨剤を付けて表面を研磨する、いわゆるバフ研磨が実施される。また、この接合面研磨工程では、2つの接合形成面342Dのうち、いずれか一方に形成される接着層344の厚み寸法が所定寸法、例えば1.5μmないし3.7μmとなるまで研磨が続けられる。これにより、接着層344のみが研磨され、接合形成面342Dが研磨されることがない。そして、この接合面研磨工程において平坦な接合面345Eが形成される。
次に、図5(C)および図6(D)に示すように、第2プリズムペア345Bにおいて、接合面研磨工程にて形成された接合面345Eに青色光反射膜343Bを形成する。青色光反射膜343Bの形成も、赤色光反射膜343Aの形成と同様に、誘導多層膜を例えば蒸着、スパッタなどすることにより形成される(反射膜形成工程)。これにより、第1および第2プリズムペア345A,345Bが形成される。
この後、上記において作成された2つのプリズムペア345を組み合わせて、図5(D)に示すように、第2プリズムペア345Bの接合面342Eに形成された青色光反射膜343Bと、第1プリズムペア345Aの接合面345Eとの間に接着剤を注入し、接着層344を形成させてこれらの第1および第2プリズムペア345A,345Bを接着固定する。これには、例えば、2つのプリズムペア345の両端位置346(図7参照)において、接着層344が形成される位置に図示しない保持部材を挿入し、プリズムペア345の位置を決定し、接着剤を注入して接着層344を形成する。これにより図7に示すような柱状のクロスダイクロイックプリズム347が形成される。この後、この柱状のクロスダイクロイックプリズム347を光学装置3に装着可能な大きさに切断(図7中破線で示す)する。
以上により本実施形態のクロスダイクロイックプリズム34が製造される。
[実施形態の作用効果]
上述したような本実施形態のプロジェクタ1のクロスダイクロイックプリズム34では、4個のダイクロイックプリズム341のうち2個、例えば青色光側ダイクロイックプリズム341Bおよび投射レンズ側ダイクロイックプリズム341Dをそれぞれ接合形成面342Dを基準面101に対向させて載置し、赤色光反射膜343Aおよび接着面342Cとの間に接着剤を注入して接着させる。また、接合形成面342Dにも接着剤を充填させ、接着層344を形成する。そして、接合形成面342D側の接着層344を研磨して平滑な接合面342Eを形成し、この平滑な接合面342Eの全面に青色光反射膜343Bを連続形成する。
このため、ダイクロイックプリズム341を削らずに、接着層344のみを平滑に研磨して接合面342Eを形成できるので、素材の違いによるひび割れなどの欠損部や凹状部ができない。したがって、接合面342Eが確実に平滑に形成されるので、容易にこの接合面342Eの全面に青色光反射膜343Bを形成できる。よって、青色光反射膜343Bに凹状孔部や凹溝部がないため、青色光の色ずれなどを起すことなく良好に青色光を反射させることができる。
また、このようなクロスダイクロイックプリズム34を搭載される光学装置3やプロジェクタ1は、カラー画像も色ずれなどが生じず、良質な画質のカラー画像を投射できる。
また、基準面101の上にフィルム110を載置し、このフィルム110と接合形成面342Dとの間に接着剤を注入して接着層を形成している。このため、基準面101とプリズムペア345が接着剤により接着されず、プリズムペア345を基準面101から容易に取り外しすることができる。また、このフィルム110は、可撓性を有しているため、接合形成面342Dおよびフィルム110の間に接着層344を形成した後に、フィルム110だけを容易に取り剥がすことができる。従って、容易にプリズムペア345を形成でき、ひいてはクロスダイクロイックプリズム34の生産性をも向上させることができる。
そして、基準面101は連続した平坦面に形成されている。このため、基準面101の上に載置されるフィルム110の面も平坦にでき、このようなフィルム110に接着剤を注入するため接着層344の接合面342Eも平面に形成することができる。したがって、接合研磨工程において、予め全体が平面となっているので、凹凸差があまりなく、容易に接合面342Eを研磨して平滑に形成することができる。
また、接合面研磨工程では、接着層344をバフ研磨して接合面342Eを形成している。このため、皮布などで形成された柔らかいバフに研磨材を付けてゆっくり接着層344を研磨するので、接合面342Eに傷などが付きにくく、容易に平滑面を形成することができる。
さらに、プリズムペア345は、赤色光反射膜343Aとこの赤色光反射膜343Aに対向する接着面342Cとの間、および接合形成面342Dとフィルム110との間に連続して接着剤を注入して接着層344を形成している。このため、接着剤を1箇所から赤色光反射膜343Aおよび接着面342Cの間、および接合形成面342Dおよびとフィルム110の間の全体に亘って注入させることができる。従って、接着層344の形成が容易にでき、プリズムペア345の生産性も向上させることができる。
さらには、2つのプリズムペア345A,345Bのうち第二プリズムペア345Bの接合面342Eに青色光反射膜343Bを形成し、この青色光反射膜343Bと第一プリズムペア345Aの接合面342Eとの間に接着層344を形成してクロスダイクロイックプリズム34を形成している。このため、青色光反射膜343Bを第二プリズムペア345Bにだけ形成しているので、青色光反射膜343Bの厚み寸法を小さくできる。
そして、プロジェクタ1や光学装置3は、上記のような製造方法で製造されたクロスダイクロイックプリズム34を内部に格納して、このクロスダイクロイックプリズム34にて形成されたカラー画像を投射している。このため、プロジェクタ1および光学装置3も、色ずれなどがない良質なカラー画像を投射できる。
[実施形態の変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記実施の形態では、赤色光側ダイクロイックプリズム341Aと緑色光側ダイクロイックプリズム341Cを接着して第一プリズムペア345Aを形成し、および青色光側ダイクロイックプリズム341Bおよび投射レンズ側ダイクロイックプリズム341Dを接着して第二プリズムペア345Bを形成し、これらの第一および第二プリズムペア345A,345Bを接着してクロスダイクロイックプリズム34を製造する例を示したが、これに限定されない。
例えば赤色光側ダイクロイックプリズム341Aおよび投射レンズ側ダイクロイックプリズム341Dを接着した第1プリズムペアと、青色光側ダイクロイックプリズム341Bおよび緑色光側ダイクロイックプリズム341Cを接着した第2プリズムペアとを接着してクロスダイクロイックプリズムを形成してもよい。この場合、赤色光側ダイクロイックプリズム341Aおよび投射レンズ側ダイクロイックプリズム341Dのうちいずれか一方に青色光反射膜343Bを形成し、この青色光反射膜343Bと対向する他方のダイクロイックプリズム34との間に接着層344を形成する。同様に、青色光側ダイクロイックプリズム341Bおよび緑色光側ダイクロイックプリズム341Cのうちいずれか一方に青色光反射膜343Bを形成し、この青色光反射膜343Bと他方のダイクロイックプリズム341との間に接着層344を形成する。
このような場合でも第1および第2プリズムペアの接合形成面342Dに接着層344を形成し、表面を研磨して接合面342Eを形成し、これらの接合面342Eのうち一方に赤色光反射膜343Aを全面に形成して接着することで、上記実施形態と同様に、良好な画質のクロスダイクロイックプリズムを製造することができる。
また、上記実施の形態では、赤色光側ダイクロイックプリズム341Aに対向する位置に青色光側ダイクロイックプリズム341Bを配置したクロスダイクロイックプリズム34を例示したが、例えば赤色光側ダイクロイックプリズム341Aに対向する位置に緑色光側ダイクロイックプリズム341Cを配置した構成としてもよい。この場合、青色光反射膜343Bに代わって緑色光のみを反射する緑色光反射膜を設ける構成にすればよい。
さらに、第一および第二プリズムペア345A,345Bのうちいずれか一方の接合面342Eに青色光反射膜343Bを形成する構成を示したが、これに限定されない。例えば、第一および第二プリズムペア345A,345Bの双方の接合面342Eに青色光反射膜343Bが形成される構成であってもよい。
そして、上記実施の形態では、基材として可撓性を有するフィルム110を用いる例を示したが、これに限らない。例えば、表面にロウが塗布された板状部材であってもよい。この場合、基材と接合形成面342Dとの間に接着層344を形成した後、この基材を暖めることで、ロウが解けてプリズムペア345を基材から取り外すことができる。また、塗布したロウの表面を平坦面にすることで、接着層344の表面を平坦にすることができ、接合面研磨工程におけるバフ研磨の労力を少なくすることができる。
また、赤色光反射膜343Aと接着面342Cとの間の接着層344、および接合形成面342Dとフィルム110との間の接着層344とを連続して形成する例を示したがこれに限定されず、例えばこれらの接着層344がそれぞれ別途形成されていてもよい。この場合でも接合形成面342Dとフィルム110との間に接着層344を形成し、この接着層344を研磨して接合面342Eを形成するため、接合面342Eを確実に平坦にすることができる。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明は、プロジェクタに内蔵される光学装置のクロスダイクロイックプリズムに利用することができる。
本発明の一実施の形態に係るプロジェクタの内部に設けられる光学系を模式的に示す図である。 クロスダイクロイックプリズムを模式的に示す斜視図である。 クロスダイクロイックプリズムの光軸面での断面を模式的に示す断面図である。 クロスダイクロイックプリズムを製造する製造治具およびこの製造治具に載置されたダイクロイックプリズムの概略を模式的に示す斜視図である。 クロスダイクロイックプリズムの製造工程を示す図であり、(A)は2個のダイクロイックプリズムを接着する工程を示す図、(B)は、接着された2個のダイクロイックプリズムからフィルムを剥がすフィルム除去工程を示す図、(C)は、接合面に波長選択性反射膜を形成する反射膜成形工程を示す図、(D)は第1および第2プリズムペアを組み合わせて接着した接着工程を示す図である。 接着層の接合面研磨工程を示す図であり、(A)は図5(B)においてフィルムを剥がした状態の第2プリズムペアを示す図、(B)は第2プリズムペアの接合面の研磨中の状態を示す図、(C)は第2プリズムペアの接合面の研磨終了時の状態を示す図、(D)は第2プリズムペアの接合面に波長選択反射膜を形成した状態を示す図である。 接着工程で接着固定されたクロスダイクロイックプリズムを示す斜視図である。
符号の説明
1…プロジェクタ、3…光学装置、5…投射レンズ、33…液晶パネル、34…クロスダイクロイックプリズム、101…基準面、110…基材、および可撓性フィルムとしてのフィルム、341…三角柱プリズムとしてのダイクロイックプリズム、342B…第2面としての反射膜形成面、342C…第2面としての接着面、342D…第1面としての接合形成面、343…波長選択性反射膜、344…接着層、345…プリズムペア。

Claims (10)

  1. 第1面と第2面とが略直角の頂角を挟んで設けられるとともに前記頂角同士を中心に近接配置し底面部を外側に配置した三角柱プリズム4個と、これらの三角柱プリズムの間に波長選択性反射膜と接着層とがそれぞれ設けられたクロスダイクロイックプリズムを製造する方法であって、
    前記三角柱プリズムの2個を、それぞれ前記第1面をプリズム製造治具における基準面に対向させるとともに前記第2面同士を接着剤で接着してプリズムペアを成形し、このプリズムペアを成形する際に接着剤を前記プリズムペアの前記第1面に亘って塗布して前記プリズムペアの前記第1面の略全面に接着層を形成した後、この接着層を平滑に形成し、
    波長選択性反射膜を前記プリズムペアの前記第1面の上の前記接着層表面に亘って形成するとともに、この波長選択性反射膜と残り2個の前記三角柱プリズムの前記第1面とを接着剤で接着してクロスダイクロイックプリズムを製造することを特徴とするクロスダイクロイックプリズムの製造方法。
  2. 請求項1に記載されたクロスダイクロイックプリズムの製造方法において、
    前記プリズムペアの前記第1面に接着層を形成するために前記基準面の上に基材を配置し、この基材と前記第1面との間に接着層を設け、前記波長選択性反射膜を形成する前に前記基材を前記接着層から剥がすことを特徴とするクロスダイクロイックプリズムの製造方法。
  3. 請求項2に記載されたクロスダイクロイックプリズムの製造方法において、
    前記基材は可撓性フィルムであることを特徴とするクロスダイクロイックプリズムの製造方法。
  4. 請求項2または請求項3に記載されたクロスダイクロイックプリズムの製造方法において、
    前記基準面は連続した平面であることを特徴とするクロスダイクロイックプリズムの製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載されたクロスダイクロイックプリズムの製造方法において、
    前記接着層を平滑にする作業はバフ研磨で行うことを特徴とするクロスダイクロイックプリズムの製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載されたクロスダイクロイックプリズムの製造方法において、
    前記プリズムペアの前記第1面と前記波長選択性反射膜との間の接着層と前記第2面の間の接着層とは略T字形に連続形成されていることを特徴とするクロスダイクロイックプリズムの製造方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載されたクロスダイクロイックプリズムの製造方法において、
    前記プリズムペアを予め2組用意し、これらのプリズムペアの一方に前記波長選択性反射膜を形成し、この波長選択性反射膜と残りのプリズムペアの前記第1面との間に接着層を形成したことを特徴とするクロスダイクロイックプリズムの製造方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載されたクロスダイクロイックプリズムの製造方法で製造されたことを特徴とするクロスダイクロイックプリズム。
  9. 請求項8に記載されたクロスダイクロイックプリズムと、このクロスダイクロイックプリズムの外側に位置している4面のうち3面にそれぞれ近接配置される液晶パネルと、前記クロスダイクロイックプリズムのうち残り1面に対向配置される投射レンズとを備えたことを特徴とする光学装置。
  10. 請求項9に記載された光学装置を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
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