JPH11281806A - 光学ブロック - Google Patents

光学ブロック

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JPH11281806A
JPH11281806A JP10086882A JP8688298A JPH11281806A JP H11281806 A JPH11281806 A JP H11281806A JP 10086882 A JP10086882 A JP 10086882A JP 8688298 A JP8688298 A JP 8688298A JP H11281806 A JPH11281806 A JP H11281806A
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JP
Japan
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light
film
optical
glass
transparent substrate
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Withdrawn
Application number
JP10086882A
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English (en)
Inventor
Masato Shinoda
真人 篠田
Shige Kanamori
樹 金森
Yasuyuki Sugano
靖之 菅野
Atsushi Iwamura
厚志 岩村
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学的な効果を維持するとともに低コスト化
を図る。 【解決手段】 表面に反射防止膜、ダイクロイックミラ
ーが形成されている透明基体3、11、16を、ガラス
製光学部材2、10、15の所定の面に対して接着剤に
よって貼り付けて多面体プリズム1、9、14を形成
し、多面体プリズム1、9、14の所定の面同士を貼り
合わせることによって光学ブロック8を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶プロジェクタ
装置などの光学系に用いて好適な光学ブロックに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】最近では、光源とされるランプから出射
された光を、例えば液晶パネル等の光変調手段によって
光変調して、投写レンズによって拡大投影する液晶プロ
ジェクタ装置が知られている。この液晶プロジェクタ装
置は、例えばテレビジョン受像機や、パーソナルコンピ
ュータ装置を用いたプレゼンテーンョン用表示装置とし
て広く普及している。また、例えば比較的広い場所など
でプレゼンテーンョンを行なう場合が増えており、これ
に対応した大画面を形成するために、大型の液晶パネル
が用いられた液晶プロジェクタ装置も知られている。
【0003】このような液晶プロジェクタ装置の構成に
ついては、例えば特開昭62−316710号公報など
に詳しく開示されているが、ここで、図7にしたがい、
3板方式の液晶プロジェクタ装置の構成例を説明する。
メタルハライドランプやハロゲンランプ等によって構成
されるランプ70から出射される光(白色光)は、色分
離手段とされるダイクロイックミラー71a、71bに
よってR、G、Bの各色光に分解される。
【0004】ダイクロイックミラー71aは例えばR光
を反射、ダイクロイックミラー71bはB光を反射する
ように構成される。したがって、ダイクロイックミラー
71aによって反射されたB光は、ミラー72c、ミラ
ー72dで反射されて、液晶パネル73bに入射する。
また、ダイクロイックミラー71bによって反射された
R光は、ミラー72a、ミラー72bで反射されて液晶
パネル73Bに入射する。さらに、ダイクロイックミラ
ー71a、72bを透過した例えばG光は液晶パネル7
3Gに入射する。
【0005】各液晶パネル73(R、G、B)は、入射
した各色光に対して光変調を行ない、各色の画像光とし
て出射して、色合成手段としてのクロスプリズム74に
よって合成される。クロスプリズム74に形成されるダ
イクロイック膜75aは例えばR光を反射、ダイクロイ
ック膜75bは例えばB光を反射するようにされてい
る。つまり、G光はダイクロイック膜72a、75bを
透過する。したがって、各液晶パネル73(R、G、
B)から出射される画像光として、B画像光はダイクロ
イック膜75aで反射、R画像光はダイクロイック膜7
5bで反射、さらにG画像光はダイクロイック膜75
a、75bを透過することによって各色光が合成されカ
ラー画像光とされる。そして、クロスプリズム74で合
成されたカラー画像光は投写レンズ76によって、例え
ば壁などに掛けられているスクリーン77に拡大投影さ
れる。
【0006】このように、クロスプリズム74を用いる
と、投写レンズ76のバックフォーカスを短くすること
ができるので、光学系の小型化を図ることができる。こ
のため、最近の液晶プロジェクタ装置では、クロスプリ
ズム74を用いて光学系を形成するものが多くなってき
ている。このクロスプリズム74の製造方法としては、
例えば、まずガラス原材料を溶解して作られるガラスブ
ロックから切断機などにより切断するか、或いはプリズ
ム形状の金型に溶融または軟化したガラスを設置した後
に加圧してプリズム原型を作製した後に、研磨機により
プリズムの加工面及び角度をそれぞれ所定の規格内に適
合するように仕上げが行なわれる。続いて、このように
して形成された基本プリズムの特定面にそれぞれ所定の
光透過・反射特性を有する光学多層膜を、真空蒸着法や
スパッタリング法などの真空製膜法により形成して、前
記基本プリズムを4個用意する。そして、最後にこれら
4個の基本プリズムを例えば光硬化型接着剤などにより
接合してクロスプリズム74が完成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、クロスプリ
ズム74はその構造上、光学多層膜を設けた面が2個の
基本プリズムにまたがってしまう。実際の光学系として
は光学多層膜を設けた面は、本来1つの面として光を反
射/透過させるように設計されているため、その面が2
個の基本プリズムにまたがって分割されていても、接合
時にはあたかも1面と見なせるほど平坦になっているこ
とが必要とされる。この面の平坦度が少しでも劣化して
ねじれや折れなどが生じると、このねじれや折れなどに
応じて投影された画像の品質が低下するという問題が生
じる。
【0008】このために、まず頂角部分の角度精度が9
0°に限りなく近いガラス製の基本プリズムを用いる。
特に、研磨機により各面を仕上げる例えば最後の工程に
おいて、最終的に頂角の角度を限りなく90°に近づく
ようにしていく。しかも接合時に各基本プリズムの面が
限りなく平坦に近づくように、例えばオートコリメータ
などの機器を使用して、モニタしながら接合するという
ことが必要になる。
【0009】角度精度がほぼ90°に近いガラス製の基
本プリズムの製造工程は複雑とされ、また工程数も多
い、さらに、先述のように最後の研磨工程では膨大な時
間を必要とするため、加工時間が長くコスト高の要因と
なっている。加えて、基本プリズムの接合時にも多くの
工程数・時間を要するために、これらの基本プリズムを
組み合わせて形成されるクロスプリズムは高コストにな
り、これにともない、液晶プロジェクタ装置も高コスト
になってしまうという問題がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
点を解決するために、表面に所要の光透過/反射特性を
有している光学多層薄膜が形成されている透明基体を、
所要の形状とされるガラス製光学部材の所定の面に対し
て接着手段によって貼り付けて多面体プリズムを形成
し、前記多面体プリズムを複数組み合わせることによっ
て光学ブロックを構成する。
【0011】本発明によれば、ガラス製光学部材の表面
に対して研磨加工を施さなくても、研磨加工を施した場
合と同様の光学的な効果を得ることができる。また、例
えば樹脂フィルムに光学多層膜を形成しているので、こ
の樹脂フィルムを巻き取りながらの連続成膜を行なうこ
とができる。これにより光学多層膜の生産性を向上する
ことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本実施の形態の多面体プリズムを説明する
図である。この図に示されている多面体プリズム1は、
断面形状が直角三角形とされるガラス製光学部材2と、
このガラス製光学部材2の表面に、例えば光の入射部分
に形成される反射防止膜4、色分離/合成を行なうこと
ができるダイクロイックミラー5a、5bなどの光学多
層膜が形成されている透明基体3、3、3が接着剤6に
よって貼り付けられている。
【0013】ガラス製光学部材2は、少なくとも可視光
領域において透明とされ、例えば切断、研削によって成
形される。すなわち、本発明ではガラス製光学部材2の
表面は円A、及び円Bに拡大して示されているように、
研磨されない粗面状態とされているが、その表面に接着
剤6が均等に塗布されることで、この接着剤6によって
凹凸が埋まる。さらに透明基体3、3、3が貼り付けら
れることから、光学的には凹凸が存在しないようにな
る。つまり、あたかも研磨を行なった場合と同様の光学
効果を得ることができる。
【0014】透明基体3、3、3は、少なくとも可視光
領域において透明とされる、例えばガラス板などとして
形成される。例えば樹脂板としては、特に透明性とコス
トの面からポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポ
リカーボネート(PC)、ポリオレフィンなどが挙げら
れる。また、樹脂フィルムとしては、例えばフィルム形
状成形し易いことや、フィルム状である程度の可塑性を
有すること、またコストの面などから。一般的にはポリ
エチレンフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ
ート(PEN)、ポリカーボネートなどが挙げられる。
【0015】透明基体3の表面に形成される光学多層膜
としては、低屈折率材料と高屈折率材料を交互に積層し
て光の干渉効果を利用することにより、所定の光の透過
/反射特性を実現するものとされる。低屈折率材料とし
ては例えばSiO2、ZrO2、MgF2などが、また
高屈折率材料としては例えばTiO2、NbO2などが
好適とされる。そして各層の厚みなどを制御して積層す
ることで、表面の反射率を低減する反射防止膜4や、所
定の色帯域のみを透過/反射させることができる特性を
有するダイクロイックミラー5、5などを形成すること
ができる。またこの他にも、光の偏光成分を所定の効率
で分離する偏光ビームスプリッタなどを形成することも
可能である。
【0016】ガラス製光学部材2と透明基体3との接合
に用いる接着剤6としては、例えば紫外線や可視光線の
照射により硬化する、紫外線硬化型接着剤や、主剤と硬
化剤の2液を混ぜ合わせることにより硬化が開始するエ
ポキシ系接着剤、あるいは加熱することによって硬化す
る熱硬化型接着剤などの透明なものとされる。
【0017】このように、ガラス製光学部材2の表面に
対して研磨加工を施さず鏡面状態としなくても透明基体
3や接着剤6によって十分に使用可能とされる。先述し
たように研磨加工には多くの時間が費やされるので、こ
の工程を省略することができることによって、例えば透
明基体3を接着剤6によって貼り合わせる工程が増加し
たとしても、全体の工程を考えると大幅な加工時間の短
縮を図ることができる。これにより多面体プリズム1の
製造時間も短縮することができる。
【0018】なお、接着剤6の屈折率は、厳密にはガラ
ス製光学部材2、透明基体3の屈折率とは異なっている
ため、ガラス製光学部材2の表面の粗さRmaxが例え
ば50μmより大きいと、この凹凸部分での光の散乱が
より大きくなり透過率低下などといった問題が生じる。
ただし、表面粗さRmaxとは、接触式または非接触式
の表面粗さ計などにより、一定距離の表面粗さのプロフ
ァイルを求め、最も大きい山の高さから最も小さい山の
高さを引いた差として定義しており、Rmaxが大きい
ほど表面が粗いことを示している。したがって、後述す
るように機械加工または研削加工によってガラス製光学
部材2を形成する場合、光の散乱などを考慮して、その
表面としては表面粗さRmaxが例えば50μm以下と
なるようにされ、かつその表面粗さRmaxは接着剤6
などの屈折率などに対応して形成されることが望まし
い。
【0019】ところで、透明基体3に形成される光学多
層膜(本例では反射防止膜4、ダイクロイックミラー
5)は、真空蒸着法やスパッタリング法などにより形成
される。この場合、真空装置という限られた大きさの容
器内に被蒸着物とされる透明基体を設置すると、容器の
構造上、設置することができる数に制限が生じる場合が
有り、この結果として光学多層膜の生産効率が悪く、コ
スト高になる場合がある。しかし、本発明では、例えば
板形状などとされ体積が小さい透明基体3に対して光学
多層膜を形成したうえで、透明基体3をガラス製光学部
材2の表面に貼り付けて多面体プリズムを形成してい
る。
【0020】ここで、多面体プリズム1の製造方法の一
例を説明する。まず、溶解炉から出た溶融ガラスからガ
ラスブロックを製造する。このガラスブロックの製造方
法としては、例えば、溶解炉から出た溶融ガラスを金型
に直接入れた後に圧力を加えながら冷却する方法(ダイ
レクトプレス法、DP法)や、また例えば溶融ガラスを
一度直方体または棒形状とした後に機械加工を施す方法
が知られている。しかし後者の方法では、複雑な形状の
ガラスブロックを形成するためには手間がかかる場合が
ある。そこで、例えば前記直方体や棒形状とされている
ガラスブロックから、機械加工によってより小さな立方
体、または直方体を製造した後、これらを再加熱して軟
化させた段階で金型に入れ、圧力を加えながら冷却する
という方法(リヒートプレス法、RP法)を採る。
【0021】続いて、このガラスブロックを研削機によ
り研削加工して多面体プリズム1の原形となるガラス製
光学部材2が完成する。なお、機械加工のみで製造され
るガラス製光学部材に対して研削加工は必要ない。この
段階では、ガラス製光学部材2の表面は、機械加工また
は研削加工したままの状態とされており、すなわち粗面
化されていて入射した光は散乱するのみである。そこ
で、ガラス製光学部材2の表面に、光学多層膜が形成さ
れている透明基体3を接着剤6によって貼り合わせるよ
うにする。透明基体3の表面に光学多層膜を形成する方
法としては、まず例えばイソプロピルアルコール、エタ
ノールなどにより表面を十分に脱脂した後に、真空蒸着
器またはスパッタリング装置内に配置する。そして、真
空排気した後に所定の真空度まで排気が終了した時点で
成膜工程を開始する。
【0022】このようにして形成された光学多層膜が透
明基体3をガラス製光学部材2の表面に貼り合わせる場
合は、まず、貼り合わせを行なう面に接着剤6を数滴滴
下する。そして、貼り合わせ面同士を接合させ、さら
に、各接合面に圧力を加えていき、内部に発生した泡な
どを取り除くようにしながら接着剤6を接合面に均一に
伸ばす。接着剤6が例えば光硬化型の場合には、紫外線
または可視光線を照射して硬化を開始させる。また、熱
硬化型の場合は、恒温層に入れて硬化を促進させる。さ
らに、エポキシ型の場合は、主剤と硬化剤とに別れてい
る場合が多く、この場合これらの2液を混合した時点で
硬化が始まるので、まずこれらの2液を混ぜて接着剤を
作製したうえで接着作業を行なう。
【0023】図2は形状の異なる3種類の多面体プリズ
ム1、9、14を貼り合わせることによって形成される
光学ブロック8を示す図である。なお、多面体プリズム
1は図1に示したものと同様のものとされる。多面体プ
リズム9は例えば断面形状が台形とされるガラス製光学
部材10に対して、光学多層膜としての反射防止膜1
2、12が形成されている透明基体11a、11bを接
着剤13、13によって貼り付けられている。また、多
面体プリズム1との接合部分は、円Eとして拡大して示
されているように、接着剤13によって貼り付けられて
いる透明基体13cがダイクロイックミラー5aに接着
された状態とされる。
【0024】また、多面体プリズム14は例えばガラス
製光学部材2とは大きさが異なる直角三角形の断面形状
とされるガラス製光学部材15に対して、光学多層膜と
しての反射防止膜17が形成されている透明基体16a
が接着剤18によって貼り付けられている。また、多面
体プリズム1との接合部分、すなわち円Fで示されてい
る部分は、円Eで示されている部分と同じような構成に
なる。すなわち、接着剤18によって貼り付けられてい
る透明基体16bがダイクロイックミラー5bに接着さ
れた状態とされる。つまり、この光学ブロック8は、後
述するように例えば青色光Bの入射面を有している透明
部材とされている多面体プリズム9、例えば赤色光Rの
入射面を有している多面体プリズム14、及び例えば緑
色光Gの入射面を有している多面体プリズム1によって
外形が形成されている。なお、図中円Gで示されている
部分は、図1に示した円Aに示した部分と同じような構
成となる。
【0025】この光学ブロック8は、二つの多面体プリ
ズムにまたがってしまうという、クロスプリズムの構造
上の問題点がない。したがって、多面体プリズム1、1
a、1b自体の角度精度や貼り合わせ時の精度がそれほ
ど、要求されないので、クロスプリズムよりも容易に組
み立てることができるようになる。
【0026】なお、この光学ブロック8において、多面
体プリズム1、9、14の所定の面を貼り合わせる場合
についても、図示していないがその接合面に所要の接着
剤が介在している。したがって、ガラス製光学部材2と
透明基体3について説明した場合と同様に、接合面に接
着剤を数滴滴下したうえで、接合面同士を接合させ、さ
らに、各接合面に圧力を加えていき、内部に発生した泡
などを取り除くようにしながら接着剤6を接合面に均一
に伸ばす。そして、所要の方法で接着剤を硬化させるこ
とで光学ブロック8が形成される。
【0027】図3は、例えば図2に示した光学ブロック
8を用いて構成した3板式の液晶プロジェクタ装置の光
学系を摸式的に示す平面図である。液晶プロジェクタ装
置18において、ランプ19から出射された光の中で、
赤外領域及び紫外領域の不要光線はUV−IRカットフ
ィルタ20によって遮断され有効な光線のみが前方の偏
光変換ユニット21に導かれることになる。
【0028】偏光変換ユニット21からは、例えばP偏
光波のみが出射し、光束を液晶パネルの有効開口部に集
光するコンデンサレンズ22、光をRGB各色毎に分解
するダイクロイックミラー23、27などの各種光学素
子を経て液晶パネル26、29、35に照射される。
【0029】この図に示す例では、まずダイクロイック
ミラー23で青色光Bを反射し赤色光R及び緑色光Gを
透過している。このダイクロイックミラー23で反射し
た青色光Bはミラー24により進行方向を90゜曲げら
れてコンデンサレンズ25で収束されて青色用液晶パネ
ル26に入射する。
【0030】一方、ダイクロイックミラー23を透過し
た赤色光R及び緑色光Gはダイクロイックミラー27に
より分離されることになる。すなわち、赤色光Rは反射
されて進行方向を90゜曲げられて、コンデンサレンズ
28を介して赤色用液晶パネル29に導かれる。そして
緑色光Gはダイクロイックミラー27を透過して直進
し、リレーレンズ30、ミラー31、リレーレンズ3
2、ミラー33、及びコンデンサレンズ34を介して緑
色用液晶パネル35に導かれる。
【0031】液晶パネル26、29、35の前段には、
偏波面が一定となっている光を透過する偏光板が、また
後段には出射した光の所定の偏波面を持つ光のみを透過
する偏光板(図示せず)が配置され、映像信号等によっ
て液晶を駆動する回路の電圧により光の通過特性を変調
するように構成されている。
【0032】そして液晶パネル26、29、35で光変
調された3色の光は、光学ブロック8によって合成され
ることになる。この光学ブロック8において、青色光B
はダイクロイックミラー5aで反射し、赤色光Rはダイ
クロイックミラー5a、5bを透過する。また緑色光G
はダイクロイックミラー5bで反射した後にダイクロイ
ックミラー5aを透過することで、RGB各光を1つの
光軸に合成してカラー光として出射する。そして合成さ
れたカラー光は投射レンズ50によって図示されていな
いスクリーンにカラー映像が拡大投影されるようにな
る。
【0033】図4は、図3に示す光学系によって形成さ
れる液晶プロジェクタ装置20を備える、背面透写型の
テレビジョン受像機の外観を示す、また図5は図4に示
すテレビジョン受像機の一部内部構造を示す図である。
図5に示すテレビジョン受像機51は、外観を構成する
キャビネット52、例えばフレネルレンズ、レンチキュ
ラーレンズなどによって構成されるスクリーンユニット
53を備え、キャビネット52内には破線で示されてい
るように液晶プロジェクタ装置20が配置されている。
【0034】液晶プロジェクタ装置20から出力された
画像光は、図6に示されているように、ミラー54によ
って折り返されて、スクリーンユニット53の背面側か
ら透過することになる。このときプロジェクタ装置20
で形成された画像光がスクリーンユニット53において
集光/拡散されることによって画像が形成される。
【0035】図6は本発明の変形例として光学多層膜と
される、反射防止膜4、及びダイクロイックミラー5、
5を樹脂フィルム60上に形成して透明基体3上に貼り
付けて構成した多面体プリズムを示す図である。すなわ
ち、予め樹脂フィルム60上に光学多層薄膜を形成した
うえで、樹脂フィルム60を透明基体3に貼り付けて構
成される。
【0036】この場合、透明基体3を用いずに樹脂フィ
ルム60のみで光学多層膜を形成することも考えられる
が、樹脂フィルム60単体では剛性に乏しく、さらに単
体では形状保持などの面で、組み立てなどの作業性など
に問題が生じる場合がある。このため、ある程度の剛性
を有している透明基体3と樹脂フィルム60を貼り合わ
せた構成を採っている。
【0037】樹脂フィルム60の材料としては、可視光
領域で透明な材料とされ、加工の容易さやコストの面な
どからポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエ
チレンナフタレート(PEN)などが好適に用いられ
る。樹脂フィルム60と透明基体3を貼り合わせるに
は、接着剤などを用いる。この接着剤としては、先述し
た光硬化型接着剤、エポキシ系接着剤、または熱硬化型
接着剤などを用いる。
【0038】樹脂フィルム60の表面に光学多層膜を形
成する方法としては、樹脂フィルム60を円柱状のドラ
ムに所定の長さ巻き取つけてロール状とし、このロール
から樹脂フィルム60を真空容器内に連続的に導入す
る。そして成膜終了と同時に別のドラムに巻き取らせる
様にすることにより、連続的な薄膜形成が可能である。
したがって、連続成膜により短時間で光学多層膜を形成
することができ、結果として低コストになるというメリ
ットがある。
【0039】この場合、予め樹脂フィルム60が所定の
長さだけ送出用のドラムに巻き取っておき、巻き取られ
ている樹脂フィルム60の端部を引き出して真空容器内
に通した後、巻き取り用のドラムに前記端部を固定す
る。成膜が開始されると巻き取り用のドラムを回転さ
せ、樹脂フィルム60の巻き取りを開始する。これによ
り、真空容器内に樹脂フィルム60を連続的に導入する
ことができ、連続導入されているフィルムに対して連続
成膜を行なうことが可能になる。このときの、フィルム
巻き取り速度は成膜速度に適応させ制御する。
【0040】蒸発源としては、基本的には光学多層膜を
構成するために必要とされる層数だけ必要になるが、同
じ材料を数回に分けて繰り返して積層することになる。
したがって1回の蒸着工程において、高屈折率材料、低
屈折率材料に対応した数個の蒸発源を用意する。そして
形成する層数に応じて連続成膜を繰り返せば良い。樹脂
フィルム60表面に光学多層膜が形成されると、接着剤
などを用いて透明基体3に貼り合わせる。この場合、透
明基体3の形状に対応させ、樹脂フィルム60を切り出
しておく。
【0041】このようにして形成された透明基体3を図
1に示した多面体プリズム1の場合と同様に、接着剤に
よってガラス製光学部材2に貼り付ける方法は、上述し
た場合と同様である。
【0042】なお、変形例では樹脂フィルム60を透明
基体3に貼り付ける例を挙げて説明したが、透明基体3
の板厚が薄くなるようにして、フィルム状に形成するこ
とでも多層光学薄膜の連続的な形成が可能になる。すな
わち、樹脂フィルムについて上述した場合と同じよう
に、フィルム状に形成された透明基体3自体をドラムに
巻き付けてロール状として、このロールから透明基体3
を所定量づつ繰り出して、連続的な成膜を行なえば良
い。そして、光学多層膜が形成された透明基体3をガラ
ス製光学部材に貼り付けることで、多面体プリズムを形
成することができる。
【0043】以下、本実施の形態の光学ブロック8の具
体的な構成例を挙げる。 1.ガラス製光学部材2、10、12の表面粗さRma
xを約30μmとして、反射防止膜4、12、17、及
びダイクロイックミラー5a、5bは、低屈折率材料と
してSiO2、高屈折材料としてTiO2を用いて、ガ
ラス板としての各透明基体3(a、b、c)、11
(a、b、c)、16(a、b、c)に形成する。そし
て、各透明基体3、11、16を紫外線硬化型接着剤を
用いてそれぞれガラス製光学部材2、10、12の所定
の面に貼り付ける。
【0044】2.ガラス製光学部材2、10、12の表
面粗さRmaxを約15μmとして、反射防止膜4、1
2、17、及びダイクロイックミラー5a、5bは、低
屈折率材料としてSiO2、高屈折材料としてTiO2
を用いて、PMMA製樹脂板としての各透明基体3、1
1、16に形成する。そして、各透明基体3、11、1
6を紫外線硬化型接着剤を用いてそれぞれガラス製光学
部材2、10、12の所定の面に貼り付ける。
【0045】3.ガラス製光学部材2、10、12の表
面粗さRmaxを約40μmとして、反射防止膜4、1
2、17、及びダイクロイックミラー5a、5bは、低
屈折率材料としてSiO2、高屈折材料としてTiO2
を用いて、PET製樹脂によるフィルム形状とされる各
透明基体3、11、16に形成する。そして各透明基体
3、11、16を紫外線硬化型接着剤を用いてそれぞれ
ガラス製光学部材2、10、12の所定の面に貼り付け
る。
【0046】4.ガラス製光学部材2、10、12の表
面粗さRmaxを約30μmとして、反射防止膜4、1
2、17、及びダイクロイックミラー5a、5bは、低
屈折率材料としてSiO2、高屈折材料としてTiO2
を用いて、PET製樹脂フィルム上に形成する。そして
この樹脂フィルムをガラス板としての各透明基体3、1
1、16に貼り付けた後に、各透明基体3、11、16
を紫外線硬化型接着剤を用いてそれぞれガラス製光学部
材2、10、12の所定の面に貼り付ける。
【0047】5.ガラス製光学部材2、10、12の表
面粗さRmaxを約15μmとして、反射防止膜4、1
2、17、及びダイクロイックミラー5a、5bは、低
屈折率材料としてSiO2、高屈折材料としてTiO2
を用いて、PET製樹脂フィルム上に形成する。そして
この樹脂フィルムをPMMA製樹脂板としての各透明基
体3、11、16に貼り付けた後に、各透明基体3、1
1、16を紫外線硬化型接着剤を用いてそれぞれガラス
製光学部材2、10、12の所定の面に貼り付ける。
【0048】6.ガラス製光学部材2、10、12の表
面粗さRmaxを約40μmとして、さらに、反射防止
膜4、12、17、及びダイクロイックミラー5a、5
bは、低屈折率材料としてSiO2、高屈折材料として
TiO2を用いて、PET製樹脂フィルム上に形成し、
この樹脂フィルムをガラス板としての各透明基体3、1
1、16に貼り付けた後に、この各透明基体3、11、
16を紫外線硬化型接着剤を用いてそれぞれガラス製光
学部材2、10、12の所定の面に貼り付ける。
【0049】なお、上記「4.」「5.」「6.」に示
した光学ブロックは図6に示した多面体プリズム1aを
組み合わせた構成とされる。また、上記構成例は一例で
あり、これらの構成に限定されるものではない。
【0050】このように形成した、光学ブロックを用い
て図4に示したテレビジョン受像機51を構成して、所
要の画像をスクリーン53上に投写した場合に得られる
モニタ画像として良好な画像が得られるようになる。例
えば、RGB各色光からなる全白画面を表示した場合で
も、スクリーン53中心部と端部における色調差(色む
ら)が認識することができない画像を得ることができ
る。また、スクリーン53上に例えば画像の解像度をモ
ニタするためのチャート画像を表示した場合でも、中心
部と端部では解像度の差を認識することができない画像
を得ることができる。このようなことから、本発明を用
いた場合でも、研磨加工によって形成された多面体プリ
ズムを用いて構成された光学ブロックと同等の画像を得
ることができる。
【0051】
【発明の効果】以上、説明したように本発明は、ガラス
製光学部材の表面に対して、所要の光学多層膜が形成さ
れている透明基体を貼り付けるように構成している。こ
れによりガラス製光学部材に対して研磨加工する必要が
無く、接着剤及び透明基体によって、研磨加工した状態
と同等の光学的効果を得ることができるようになる。し
たがって、研磨加工に要する時間及び手間を省略するこ
とができるので、製造コストを削減したうえで、光学効
果を維持することが可能である。また、光学多層膜を例
えばフィルム状の透明基体などに形成することで、ロー
ル状にしたフィルムを巻き取りながら成膜工程を行なう
ことができ、多面体プリズムの生産効率を向上すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の多面体プリズムの構成を
説明する図である。
【図2】本実施の形態の多面体プリズムを貼り合わせて
構成した光学ブロックを説明する図である。
【図3】図2に示す光学ブロックを用いた液晶プロジェ
クタ装置の光学系の構成例を示す図である。
【図4】図3に示す液晶プロジェクタ装置を備えた背面
透写型のテレビジョン受像機の外観を説明する図であ
る。
【図5】図4に示すテレビジョン受像機の内部の構成例
を説明する図である。
【図6】本発明の変形例としての多面体プリズムの構成
例を示す図である。
【図7】従来の液晶プロジェクタ装置の光学系の構成例
を説明する図である。
【符号の説明】
1,9,14 多面体プリズム、2,10,15 ガラ
ス製光学部材、3a,3b,3c,11a,11b,1
1c,16a,16b 透明基体、4,12,17 反
射防止膜、5a、5b ダイクロイックミラー、6 接
着剤、8 光学ブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02F 1/1335 520 G03B 33/12 G03B 33/12 G09F 9/00 360D G09F 9/00 360 G02B 1/10 A (72)発明者 岩村 厚志 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に所要の光透過/反射特性を有して
    いる光学多層膜が形成されている透明基体を、所要の形
    状とされるガラス製光学部材の所定の面に対して接着手
    段によって貼り付けて多面体プリズムを形成し、 複数の前記多面体プリズムの所定の面同士を貼り合わせ
    ることによって構成されていることを特徴とする光学ブ
    ロック。
  2. 【請求項2】 前記光学多層膜は樹脂フィルム上に形成
    されたうえで前記透明基体に貼り付けられていることを
    特徴とする請求項1に記載の光学ブロック。
  3. 【請求項3】 前記透明基体は、板形状またはフィルム
    形状で形成されていることを特徴とする請求項1に記載
    の光学ブロック。
JP10086882A 1998-03-31 1998-03-31 光学ブロック Withdrawn JPH11281806A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005219394A (ja) * 2004-02-06 2005-08-18 Seven Corporation:Kk 装飾材
JP2007065522A (ja) * 2005-09-02 2007-03-15 Hitachi Ltd 光学部品及びそれを用いた投射型画像表示装置
JP2007264337A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Hitachi Ltd 光学部品及びそれを用いた投射型画像表示装置
CN104834024A (zh) * 2015-05-15 2015-08-12 杭州科汀光学技术有限公司 一种双消短波通膜系以及分色合色器

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CN104834024B (zh) * 2015-05-15 2016-06-22 杭州科汀光学技术有限公司 一种双消短波通膜系以及分色合色器

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