JPH11142624A - 光学ブロックと光学ブロックを有する光学系を備える表示装置及び光学ブロックの製造方法 - Google Patents

光学ブロックと光学ブロックを有する光学系を備える表示装置及び光学ブロックの製造方法

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JPH11142624A
JPH11142624A JP9313347A JP31334797A JPH11142624A JP H11142624 A JPH11142624 A JP H11142624A JP 9313347 A JP9313347 A JP 9313347A JP 31334797 A JP31334797 A JP 31334797A JP H11142624 A JPH11142624 A JP H11142624A
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JP
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light
optical
optical block
plastic
prism
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JP9313347A
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Hiroyuki Ono
裕之 小野
Masato Shinoda
真人 篠田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易で安価であり、高温下での信頼性
の高い光学ブロックと光学ブロックを有する光学系を備
える表示装置及び光学ブロックの製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 光透過板310a,310b,410
a,410bには、光透過特性及び光反射特性を有する
光学多層膜208a,208bが形成されており、プラ
スチックにより成る複数の多面体のプリズムが、この光
透過板310a,310b,410a,410bを挟む
ようにして、貼り合わせることにより構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液晶プロジ
ェクタ装置などの表示装置の光学系等に用いることがで
きる光学ブロックと、光学ブロックを有する光学系を備
える表示装置及び光学ブロックの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年マルチメディア機器やコンピュータ
の普及により、大画面を有する表示装置が必要になって
いる。最近では、例えば液晶表示パネル等の光変調手段
と光源、投射レンズなどの光学部品から構成される液晶
プロジェクタ装置が、テレビジョン受像機や、コンピュ
ータを用いたプレゼンテーション用表示装置として広く
普及している。例えば3つの液晶表示パネルを用いた液
晶プロジェクタ装置は、メタルハライドランプやハロゲ
ンランプ等の光源から出射されるR、G、B(赤色光、
緑色光、青色光)を偏光分離ブロックを用いて偏波面に
偏光した後に、ダイクロイックミラー等の光学素子によ
ってR,G,B各色毎に分解する。そして、各色の光束
は各色に対応した液晶表示パネルに入射して光変調した
後にダイクロイックブロックで合成して、その出力光と
してカラー映像としてのRGB光を得ることができる。
そして、合成されたカラー映像は投射レンズによりスク
リーンに投影される。
【0003】図10には、この方式の液晶プロジェクタ
装置の代表的構成を示す。光源1001から出射される
光は、ダイクロイックミラー2等の光学素子によって
赤、青、緑の各色に分解する。そして、各色の光束は、
各色に対応した液晶表示パネル1003に入射して光変
調された後に、クロスプリズム1004にて再び合成さ
れ、合成されたカラー映像は投射レンズ1005により
スクリーン1006に投影される。クロスプリズム10
04を用いると投射レンズ1005のバックフォーカス
を短くできるので、結果として光学ユニット全体のサイ
ズが小型化できる。このため、最近の液晶プロジェクタ
装置にはクロスプリズム1004が多く用いられる。
【0004】このクロスプリズム1004の代表的な製
造方法は、例えば具体的には、まずガラス原材料を溶解
して作られるガラスブロックから切断機などにより切断
するか、あるいはプリズム形状の金型に溶融または軟化
したガラスを設置した後に加圧してプリズム原形を作製
し、研磨機によりプリズムの各面及び角度をそれぞれ所
定の規格内に収まる様に仕上げてガラス製の基本プリズ
ム1004a〜1004dを作製する。続いてこれら各
基本プリズムの特定面にそれぞれ所定の光透過・反射特
性を有する光学多層膜を真空蒸着法やスパッタリング法
などの真空成膜法により形成して、クロスプリズム10
04を構成する基本プリズムを4つ用意する。最後にこ
れら4つの基本プリズムを光硬化型接着剤により接合
し、クロスプリズム1004が完成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】クロスプリズム100
4の構造上、光学多層膜を設けた面が例えば2つの基本
プリズム1004aと1004c、あるいは1004b
と1004dにまたがってしまう。しかし、実際の光学
系としては光学多層膜を設けた面は本来1つの面として
光を反射、透過させる様に設計されているため、面が2
つの基本プリズムにまたがって分割されていても接合時
にはあたかも1面と見なせるほど平坦になっている事が
必要である。この面の平坦度が少しでも悪化しねじれや
折れが生じると、投影された画像の品質が低下するとい
った問題が生ずる。このために、まず頂角部分の角度精
度が90°に限りなく近い基本プリズム1004a〜1
004dを接合に用い、しかも接合時に各基本プリズム
の面が限りなく平坦になる様に、例えばオートコリメー
ター等によりモニタしながら接合する事が必要となる。
【0006】ところが頂角の角度精度が限りなく90°
に近い基本プリズム1004a〜1004dをガラスに
より作製するには莫大な加工時間がかかるため元々ガラ
ス製基本プリズムはコスト高である。加えて、基本プリ
ズムの接合時にも多くの工数・時間を要するために、結
果として出来上がるクロスプリズムは高コストになって
しまい、結果として液晶プロジェクタ装置全体も高コス
トになってしまうという問題点があった。しかも、液晶
プロジェクタ装置内は高温になる場合があり、この中に
位置しているクロスプリズムは高温にさらされることが
ある。そこで本発明は上記課題を解消し、製造が容易で
安価であり、高温下での信頼性が高い光学ブロックと光
学ブロックを有する光学系を備える表示装置及び光学ブ
ロックの製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明にあ
っては、光透過板には、光透過特性及び光反射特性を有
する光学多層膜が形成されており、プラスチックにより
成る複数の多面体の光学部材が、この光透過板を挟むよ
うにして、温度変化により伸縮する接着剤により貼り合
わせることにより構成されていることを特徴とする光学
ブロックにより、達成される。本発明では、光透過板に
は、光透過特性及び光反射特性を有する光学多層膜が形
成されている。一方プラスチックより成る複数の多面体
の光学部材が、この光透過板を挟むようにして、温度変
化により伸縮する接着剤により貼り合わせることにより
光学ブロックを構成している。これにより、あらかじめ
光透過板に多層膜を形成させておけば、多面体プリズム
は、この光透過板を挟むようにして伸縮可能な接着剤に
より貼り合わせるだけで、光透過特性及び光反射特性を
有する光学ブロックを簡単に安価に作ることができる。
しかも、光学ブロックが高温にさらされても各光学部材
と光透過板の間の接着剤が伸縮して接合界面のはくりや
クラックを防止する。
【0008】本発明において、好ましくは光透過板がガ
ラス板あるいはプラスチック板であればよいが、プラス
チック板の場合には、その厚みが10μmないし2mm
の範囲に設定されているのが望ましい。もしもこのプラ
スチック板の厚みが10μmよりも薄いと、このプラス
チック板を製造する場合に巻取り時の引っ張り力に耐え
られず途中で切断してしまう恐れがある。またプラスチ
ック板の厚みが2mmを超えると、ドラムに巻取れずに
割れてしまうことがある。本発明において、複数の多面
体プリズムは、光透過板に対して接着剤を用いて貼り合
わせる場合に、接着剤は透明でしかも温度の変化により
体積が変化する有機材料で作られているのが好ましい。
このように接着剤が体積で変化することにより、光学ブ
ロックの使用温度が高くなる場合であっても、多面体の
光学部材と光透過板の間の線膨張率の違いによる剥離や
クラック等の現象を抑えることができる。
【0009】上記目的は、本発明にあっては、光透過特
性及び光反射特性を有する光学多層膜を有する光透過板
と、プラスチックより成り、光源からの青色光が入射さ
れる第1多面体プリズムと、プラスチックより成り、光
源からの赤色光が入射される第2多面体プリズムと、プ
ラスチックより成り、光源からの緑色光が入射される第
3多面体プリズムと、青色光と赤色光及び緑色光を合成
するために、光学多層膜を挟み込むようにして、温度変
化により伸縮する接着剤により貼り合わせて構成された
光学ブロック、を有することを特徴とする光学ブロック
を有する光学系を備える表示装置により、達成される。
【0010】本発明では、第1多面体プリズムは、プラ
スチックより成り、光源からの青色光が入射される。第
2多面体プリズムは、プラスチックより成り光源からの
赤色光が入射される。第3多面体プリズムは、プラスチ
ックより、光源からの緑色光が入射される。これらの第
1多面体プリズム、第2多面体プリズム、第3多面体プ
リズム及び光学多層膜を有する光透過板が、青色光と赤
色光と緑色光を合成するために、光学多層膜を挟み込む
ようにして温度変化により伸縮する接着剤により貼り合
わせて構成されている。これにより、あらかじめ光透過
板に多層膜を形成させておけば、多面体プリズムは、こ
の光透過板を挟むようにして貼り合わせるだけで、光透
過特性及び光反射特性を有する光学ブロックを簡単に安
価に作ることができる。しかも、光学ブロックが高温に
さらされても各光学部材と光透過板の間の接着剤が伸縮
して接合界面のはくりやクラックを防止する。本発明に
おいて、好ましくは第1多面体プリズム、第2多面体プ
リズム及び第3多面体プリズムに入射された青色光、赤
色光及び緑色光は、その合成後の光が反射手段により反
射された後に、スクリーンに対して合成後のカラー像を
拡大して投影する用途に用いることもできる。
【0011】上記目的は、本発明にあっては、光透過板
に、光透過特性及び光反射特性を有する光学多層膜が形
成する光学多層膜形成ステップと、プラスチックより成
る複数の多面体の光学部材が、この光透過板を挟むよう
にして、温度変化により伸縮する接着剤により貼り合わ
せられる貼り合わせステップと、を有することを特徴と
する光学ブロックの製造方法により、達成される。本発
明においては、光学多層膜形成ステップにおいて、光透
過膜に対して光透過特性及び光反射特性を有する光学多
層膜が形成される。そして、貼り合わせステップでは、
プラスチックによる複数の多面体プリズムが、この光透
過板を挟むようにして温度変化により伸縮する接着剤に
より貼り合わせられる。これにより、あらかじめ光透過
板に多層膜を形成させておけば、多面体プリズムは、こ
の光透過板を挟むようにして貼り合わせるだけで、光透
過特性及び光反射特性を有する光学ブロックを簡単に安
価に作ることができる。しかも、光学ブロックが高温に
さらされても各光学部材と光透過板の間の接着剤が伸縮
して接合界面のはくりやクラックを防止する。
【0012】上記目的は、本発明にあっては、プラスチ
ックより成る多面体の光学部材の少なくとも一面には、
光透過特性及び光反射特性を有する光学多層膜が形成さ
れており、この光学多層膜を挟むようにして、複数のプ
ラスチックより成る多面体のプリズムが、温度変化によ
り伸縮する接着剤により貼り合わせることにより構成さ
れていることを特徴とする光学ブロックにより、達成さ
れる。これにより、多面体光学部材は、この光学多層膜
を挟むようにして貼り合わせるだけで、光透過特性及び
光反射特性を有する光学ブロックを簡単に安価に作るこ
とができる。しかも、光学ブロックが高温にさらされて
も各光学部材と光透過板の間の接着剤が伸縮して接合界
面のはくりやクラックを防止する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、
技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明
の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨
の記載がない限り、これらの形態に限られるものではな
い。
【0014】図1は、本発明の光学ブロックの好ましい
実施の形態を有する投写型表示装置を備える液晶方式の
背面投写型テレビジョンセット100を示す外観図であ
り、図2は、図1の投写型表示装置1を備える液晶方式
の背面投写型テレビジョンセット100を示しており、
液晶プロジェクタ装置ともいう。図2は図1のテレビジ
ョンセット100の内部構造を示している。まずこのテ
レビジョンセット100の概略の構造について説明する
と、図1及び図2において、テレビジョンセット100
はキャビネット101、スクリーン102、ミラー10
3、そして投写型表示装置1を内蔵している。投写型表
示装置1が光源3の光を用いて投写しようとする投写光
5は、ミラー103で反射して、スクリーン102の背
面104から拡大して投写するようになっている。スク
リーン102に投写された映像は、ユーザUがスクリー
ン102においてカラー映像あるいは白黒映像として見
ることができる。以下の実施の形態の説明においては、
スクリーン102においてカラー映像が表示できるもの
について説明する。
【0015】図3と図4は、図1と図2の投写型表示装
置1の外観及びその内部構造例を示している。この投写
型表示装置1は、本体11、投射レンズ鏡筒13、光源
3等を有している。本体11は、投写型表示装置の色合
成用の光学系を有しており、本発明の光学ブロック20
0は、この色合成用の光学系に用いられる。本体11の
色合成用の光学系は、光学ブロック200、PS偏光ユ
ニット140、ダイクロイックミラー16a,16b、
ミラー20a,20b,20c、液晶表示パネル17
a,17b,17cを有している。
【0016】投射レンズ鏡筒13は、本体11に取り付
けられており、投射レンズ鏡筒13は、投射レンズ群を
備えている。この投射レンズ群は、光学ブロック200
からの投写光5(図2参照)をスクリーン102に対し
てフォーカスできる機構を有している。
【0017】図4の光源3は、本体11に対して着脱可
能に取り付けられており、この光源3は反射鏡3aとラ
ンプ3bを有している。ランプ3bは反射鏡3aの焦点
位置に配置されており、ランプ3bとしては、例えばメ
タルハライドランプやハロゲンランプ等を採用すること
ができる。ランプ3bが発光する光の中の成分で、赤外
領域及び紫外領域の不要光線部分は、カットフィルタ1
1により遮断されて、有効な光線のみがPS偏光ユニッ
ト140の偏光分離ブロック4に送られる。この偏光分
離ブロック4は、例えばプラスチック製のプリズム5と
光学部材を有しており、例えば光学部材6で反射された
S波(S偏光成分)を偏光することによって、P波(P
偏光成分)のみを前方のコンデンサーレンズ12側に送
るようになっている。しかしこれとは逆にP波を偏光す
ることによって、S波のみを前方のコンデンサーレンズ
12側に送るようにしてもよい。この偏光分離ブロック
4からは、上述したP波のみが出射されて、コンデンサ
ーレンズ12によりその光束をダイクロイックミラー1
6aに集光する。いずれにしてもP波あるいはS波のみ
を出射することにより、光の強度を上げることができ
る。
【0018】光学ブロック200は、ほぼL字型をして
おり、第1多面体プリズム(光学部材)201、第2多
面体プリズム(光学部材)202、そして第3多面体プ
リズム(光学部材)203を有している。第1多面体プ
リズム201、第2多面体プリズム202、第3多面体
プリズム203は、いずれも材質がプラスチックで作ら
れているが、それぞれ形状が異なっている。
【0019】図5と図6は光学ブロック200のみを示
した図である。図4と図5に示す第1多面体プリズム2
01は、図6に示すように面201a,201b,20
1c,201d,201e,201fを有する6面体の
光学素子である。この面201aないし201fの内の
斜めの面201eは、光軸方向OP1に関して例えばθ
1、例えば45°傾いた面である。第2多面体プリズム
202は、面202aないし202eを有する5面体の
光学素子である。この面202aないし202eの内の
面202eは、光軸OP2に対してθ2例えば45°傾
いている。第3多面体プリズム203は、第1多面体プ
リズム201と第2多面体プリズム202の間に配置さ
れるプリズムであり、面203aないし203eを有し
ている。この内の面203dは、第1多面体プリズム2
01の面201eに対応した傾斜した面となっている。
同様にして面203eは、第2多面体プリズム202の
面202eに対応した傾斜面になっている。
【0020】これらの第1多面体プリズム201、第2
多面体プリズム202、第3多面体プリズム203は、
上述したように安価に構成するためにプラスチック材料
で作られている。プラスチック材料としては、透明であ
れば基本的にどのようなプラスチック材料でも使用可能
であるが、特に透明性とコストの点からメチルメタクリ
レート(PMMA)、ポリカーボネート、ポリオレフィ
ン等が好ましい。この第1多面体プリズム201、第2
多面体プリズム202、第3多面体プリズム203は、
機械化工法、射出成型法、キャスト法等一般的な樹脂成
型法により形成することができる。
【0021】図4ないし図6に示すように、一例として
第1多面体プリズム201の面201eには、光学多層
膜208aを形成する。同様にして第3多面体プリズム
203の面203eにも光学多層膜208bを形成す
る。その後第1多面体プリズム201の面201eと第
3多面体プリズム203の面203dは、光学多層膜2
08aを挟むようにして、温度により伸縮可能な接着剤
209により接着されている。同様にして第3多面体プ
リズム203と第2多面体プリズム202は、光学多層
膜208bを挟むようにして、接着剤209により接着
されている。
【0022】このように第1多面体プリズム201と第
3多面体プリズム203の少なくとも一面の表面には、
上述した光学多層膜208a,208bを形成する。こ
の光学多層膜208a,208bは、低屈折率材料と高
屈折率材料とを交互に積層して光の干渉効果を利用する
ことにより所定の光透過特性と光反射特性を発現させる
ものであり、通常低屈折率材料にはSiO2 ,Zr
2 ,MgF2 等が、また高屈折率材料にはTiO2
NbO2 などが好適に用いられる。各層の厚さを制御す
ることにより、所定の色帯域のみを透過、反射させる特
性を有するダイクロイックミラーや、必要に応じて光の
偏光成分を所定の効率で分離する偏光ビームスプリッタ
ーなどが形成される。上記光学多層膜(光学薄膜ともい
う)は、真空蒸着法、スパッタリング法などの真空成膜
法により形成される。
【0023】図4ないし図6に示す光学ブロック200
は、いわゆるL字型のブロックであるが、第1多面体プ
リズム201の面201aに面して液晶表示パネル17
aが配置されている。同様にして、第2多面体プリズム
202の面202bには液晶表示パネル17bが配置さ
れている。第3多面体プリズム203の面203aには
液晶表示パネル17cが配置されている。これらの液晶
表示パネル17a,17b,17cは光変調素子であ
る。
【0024】図4のダイクロイックミラー16a,16
bは、PS偏光ユニット140とミラー20aの間に配
置されている。ミラー20cは液晶表示パネル17cに
対応して配置されている。ミラー20bは液晶表示パネ
ル17aに対応して配置されている。光源3から出射さ
れた光は、まずダイクロイックミラー16aで青色光B
と、赤色光R及び緑色光Gとに分離される。赤色光R及
び緑色光Gはダイクロイックミラー16bでさらに赤色
光Rと緑色光Gに分離される。ミラー20bで反射され
て液晶表示パネル17aで光変調された後に第1多面体
プリズム201に入射した青色光Bは、あらかじめ青色
を反射する様に設計・製造された光学多層膜280aで
反射して投射レンズ鏡筒13の方向に向きを変える。
【0025】ミラー20a,20cで反射されて液晶表
示パネル17cで光変調され第3多面体プリズム203
に入射した緑色光Gは、緑色を反射するように設計・製
造された光学多層膜208bにより向きを90°反転さ
せて投射レンズ鏡筒13の方向に向かう。また、液晶表
示パネル17bで光変調され第2多面体プリズム202
に入射した赤色光Rは、光学多層膜208a,208b
には直接影響を受けず真っ直ぐに投射レンズ鏡筒13の
方向に向かう。この様にして、光学ブロック200内で
赤色光R、緑色光G、青色光Bが合成され、投影レンズ
13を介してスクリーン102上に拡大投影される。
【0026】ところで、光学多層膜208a,208b
は真空蒸着法やスパッタリング法などにより形成される
が、真空装置という限られた大きさの容器内に被蒸着物
を設置するため、例えば有る程度の体積を有する上記多
面体プリズムなどを直接真空容器内に設置すると、容器
の大きさなどの構造上の理由から設置出来る数に制限が
生じる。結果として、光学多層膜形成の生産性が劣りコ
スト高になる場合がある。このため、図7に示すように
光学多層膜208a,208bを体積のほとんど無いガ
ラス板310a,310b上にあらかじめ形成した上
で、これらのガラス板310a,310bを多面体プリ
ズムの間に挟み込むことにより、図4〜図6に示した光
学ブロックと同等な光学性能を発揮する図7に示すよう
な光学ブロックを作製することが可能となるのである。
【0027】光学多層膜は真空蒸着法やスパッタリング
法により形成されるが、被蒸着物を真空容器内に設置、
真空排気、成膜、取り出しというプロセスを取る従来の
バッチ処理方法では成膜以外の工程に時間がかかるため
に、トータルの生産性は有る程度限界があり、結果とし
て光学多層膜の製造コストに限界が生じる場合がある。
光透過板としてガラス板に代えてプラスチック板を用い
る場合、その板厚を薄くしてフィルム状とすることによ
り連続的に光学多層膜の形成が可能となる。具体的に
は、プラスチック板をフィルム状とし、これを円柱状の
ドラムに所定長さ巻き取つけてロール状とし、このロー
ルからフィルムを真空容器内に連続的に導入して成膜終
了と同時に別のドラムに巻き取らせる様にしておけば生
産性は向上する。
【0028】プラスチック板の材質は、多面体プリズム
の場合と同様に透明であれば基本的にどのプラスチック
材料でも使用可能であるが、特に透明性とコストの点か
らメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネー
ト、ポリオレフィンなどが好適に用いられる。また、フ
ィルム状のプラスチック材料としては、やはり透明であ
ればどのプラスチック材料も使用可能であるが、フィル
ム状に成型しやすいこと、フィルム状で有る程度の可塑
性を有すること、コストの点などから一般的にはポリエ
チレンフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレー
ト(PEN)、ポリカーボネートが好適に用いられる。
【0029】このフィルム状のプラスチック板の厚さ
は、10μmよりも薄いと巻取り時の引っ張り力に耐え
られず、途中で切断してしまう恐れがあり、また2mm
を超えるとドラムに巻き取れず割れてしまうために、実
際には10μmから2mmの範囲内が望ましい。図7の
多面体プリズムの接合に用いる接着剤209としては、
紫外線や可視光線の照射により硬化する光硬化型接着剤
や、主剤と硬化剤の2液を混ぜ合わせる事により硬化が
開始するエポキシ系接着剤、加熱することにより硬化す
る熱硬化型接着剤など透明であればいずれの接着剤も用
いられる。
【0030】次に、図7ないし図10は、本発明の光学
ブロックの別の実施の形態を示している。図7ないし図
10に示す光学ブロック200は、図4の光学ブロック
200に代えて図4の本体11の光合成系に適用できる
ものである。図7ないし図10に示す光学ブロック20
0は、図5の光学ブロック200と同様に第1多面体プ
リズム201、第2多面体プリズム202、第3多面体
プリズム203を有しており、いわゆるL字型の光学ブ
ロックである。図7の光学ブロック200が、図5の光
学ブロック200と異なるのは次の点であり、その他の
点については同様の構造あるいは材質を採用することが
できる。
【0031】図7の光学ブロック200の第1多面体プ
リズム201の面201eと、その対面する第3多面体
プリズム203の面203dの間には、光透過板として
ガラス板310aが配置されており、このガラス板31
0aには、光学多層膜208aが形成されている。第1
多面体プリズム201と第3多面体プリズム203は、
このガラス板310を挟むようにして、すなわち光学多
層膜208aを挟むようにして、温度により伸縮する接
着剤209を介して接着されている。この接着剤209
は、図5で用いた接着剤209と同じものを採用でき
る。光学多層膜208aは図5で使用した光学多層膜2
08aと同様のものを使用することができる。同様にし
て、第2多面体プリズム202の面202eと、第3多
面体プリズム203の面203eの間には、ガラス板3
10bを挟んで配置するようになっており、このガラス
板310bには、光学多層膜208bが形成されてい
る。第2多面体プリズム202と第3多面体プリズム2
03は、このガラス板310b、すなわち光学多層膜2
08bを挟むようにして温度により伸縮する接着剤20
9bにより接着されている。
【0032】このようにプリズム間にガラス板を配置
し、このガラス板にはあらかじめ光学多層膜208aを
形成しておくのはある程度上述したが再度説明すれば次
のような理由からである。光学多層膜208a,208
bは真空蒸着法やスパッタリング法などにより形成され
るが、真空装置という限られた大きさの容器内に被蒸着
物を設置するため、例えば有る程度の体積を有する上記
多面体プリズムなどを直接真空容器内に設置すると、容
器の構造上から設置出来る数に制限が生じる場合が有
り、結果として光学多層膜の形成の生産性が劣りコスト
高になる場合がある。このため、多面体プリズムに比べ
て光学多層膜208a,208bを体積のほとんどが無
いガラス板310a,310b上に形成した上で、これ
らガラス板310a,310bを多面体プリズムの間に
挟み込むことにより、図5に示した光学ブロックと同等
な光学性能を発揮する光学ブロックを作製する。
【0033】次に、図8の光学ブロックの実施の形態で
は、図7で使用したガラス板310a、310bに代え
て、光透過板としてプラスチック板410a,410b
を用いている。このプラスチック板410aと410b
においても、光学多層膜208a,208bがそれぞれ
あらかじめ形成されている。そして第1多面体プリズム
201と第3多面体プリズム203は、プラスチック板
410、すなわち光学多層膜208bを介して温度によ
り伸縮する接着剤209により貼り付けられている。同
様にして第2多面体プリズム202と第3多面体プリズ
ム203は、プラスチック板410a、すなわち光学多
層膜208bを介して温度により伸縮する接着剤209
により接着されている。このように光透過板の材質がプ
ラスチック板であると、ガラス板を用いるのに比べて次
のようなメリットがある。
【0034】すなわち、プラスチック製の第1多面体プ
リズム201、第2多面体プリズム202、第3多面体
プリズム203がプラスチック製であるので、ガラス板
とプラスチック製の多面体プリズムを組み合わせて貼り
付ける場合に比べて、プラスチック板410a,410
bとプラスチック製の第1ないし第3多面体プリズム2
01,202,203を貼り合わせる方が、線膨張率が
同じに合わせることができる。このために光学ブロック
200の使用温度がより高くなると想定される場合であ
っても、プラスチック製の第1多面体プリズム201な
いし第3多面体プリズム203と、プラスチック板41
0a,410bの界面での線膨張率の違いからの剥離や
クラックなどのトラブルが発生する恐れがなくなる。必
要に応じてプラスチック板(光透過板)の材質として
は、多面体プリズムと同種類のプラスチックを用いるこ
とがより好ましい。
【0035】次に図9の光学ブロック200は、基本的
には図7の光学ブロック200とほぼ構成は同じである
が、第1多面体プリズム201、第2多面体プリズム2
02、第3多面体プリズム203にはそれぞれ反射防止
膜412が形成されている。この反射防止膜412は、
上述した光学多層膜208a,208bと同様の方法で
各プリズム201,202,203に形成できる。反射
防止膜412は、ガラス板もしくはプラスチック板のよ
うな光透過板413に対して形成されている。この光透
過板413は第1多面体プリズム201の面201d,
201aに貼り付けられ、第2多面体プリズム202の
面202bに貼り付けられ、そして第3多面体プリズム
203の面203aにそれぞれ貼り付けられている。
【0036】このように反射防止膜412は光透過板4
13に対してあらかじめ形成することにより、多面体プ
リズム201,202,203に対して直接反射防止膜
を形成するよりもコスト的にメリットがある。またプラ
スチックである多面体プリズムの表面の精度は、その製
法上の制約から所望の性能に到達しない場合がある。こ
の場合に、光束はこの面を透過する際にわずかながら乱
れることになり、結果として投影される画像の画質が低
下する。ガラスまたはプラスチック板のような光透過板
の表面精度は、多面体プリズム201,202,203
のそれと比較して良好なために、多面体プリズムの表面
にこれらの光透過板を貼り合わせることにより、上述し
た問題が解決されるメリットがある。
【0037】次に、上述した温度により伸縮する接着剤
209について説明する。例えば、接着剤209は、第
1多面体プリズム201の面201e、第2多面体プリ
ズム202の面202e、そして第3多面体プリズム2
03の面203d,203eに形成されている。この接
着剤209は、次のような理由から、好ましくは透明で
かつある程度接着力を維持した上で自在に体積変化をす
る有機材料が用いられている。この理由としては、光学
ブロック200の使用温度がさらに高くなると想定され
る場合に、多面体プリズムの少なくとも1面に貼り合わ
せる板の材質をプラスチックに変えて線膨張率の違いに
よる剥離、クラック等を抑えようとしても、接合界面が
数多く存在する理由だけで剥離、クラック等が発生する
恐れがある。このため、接着剤として自身の体積が自在
に変化可能な有機材料を用い、たとえわずかな膨張率の
違いでもこの有機材料の体積変化により積極的に余計な
負荷を吸収させる。
【0038】この様な有機材料としては、すでに市販さ
れている製品が利用可能であり、例えば有機シリコン化
合物を主材料としたシリコンゴム(TSE3450、東
芝シリコン株式会社製)やアクリル系有機化合物を主材
料とした粘着剤(PAS−4やP−0082、P−00
82、リンテック株式会社製)などがある。また、多面
体プリズムを機械加工法で作製する場合には、まず所定
の厚さのプラスチック板材よりバンドソー等により必要
な形状に切断して多面体プリズムの原形を作製した後
に、光線の入出射する面をフライス盤などにより研削
し、最後に表面研磨機で表面を鏡面状に仕上げる。
【0039】多面体プリズムを射出成型法により作製す
る場合には、まず必要とする多面体プリズム形状となる
様な元の金型を作製し、続いて射出成型機にこの金型を
セットして溶融樹脂を圧力をかけながら導入し、所定時
間保持して成型品を得る。多面体プリズムをキャスト法
により作製する場合にも、まず必要とする多面体プリズ
ム形状となる様な元型を作製し、続いてこの金型にプラ
スチックの原材料であるモノマを注いだ後に光や熱を加
えることにより重合を開始させ、プラスチック化する。
【0040】上記のようにして形成された多面体プリズ
ムの表面に直接光学多層膜を形成する場合には、まずイ
ソプロピルアルコール、エタノール等により表面を十分
に脱脂した後に、真空蒸着機またはスパッタリング装置
内にセットし、真空排気した後に所定の真空度まで排気
が終了したら成膜を開始する。成膜条件等は適宜選択す
る。光学多層膜または反射防止膜をガラスまたはプラス
チック板に形成する場合にも同様に、まずイソプロピル
アルコール、エタノール等により表面を十分に脱脂した
後に、真空蒸着機またはスパッタリング装置内にセット
し、真空排気した後に所定の真空度まで排気が終了した
ら成膜を開始する。
【0041】プラスチック製フィルム状の光透過板の表
面に光学多層膜を形成する場合には、あらかじめフィル
ムが所定の長さに巻き取られたドラムからフィルムの端
部を引き出して真空容器内に通した後にフィルム巻取り
ドラムにフィルム端部を固定する。続いて、成膜開始と
同時にフィルム巻取りドラムを回転させてフィルム巻取
りを開始する。フィルム巻取り速度は成膜速度に合わせ
て適宜変更する。基本的には必要とする光学多層膜の層
数だけ蒸発源が必要となるが、光学多層膜は同じ材料の
交互積層なので1回の蒸着で数個の蒸発源を用意し、層
数に応じて上記成膜作業を数度繰り返せば所望の層数の
光学多層膜が形成できる。
【0042】続いて多面体プリズム同士を貼り合わせる
が、まず貼り合わせ面に接着剤を数滴滴下した後に貼り
合わせ面同士を接合させ、さらに各接合面に力を加えて
発生した泡等を完全に取り除く様にしながら接着剤を均
一に伸ばす。もしも、有機材料等の温度により伸縮する
接着剤以外に、次のような接着剤を用いる際には、接着
剤が光硬化型接着剤の場合には紫外線または可視光線を
照射して硬化を開始させる。また、熱硬化型の場合は恒
温槽に入れて硬化を促進させる。エポキシ型の場合は主
剤と硬化剤とに別れているケースが多く、この場合2液
を混合した時点で硬化が始まるので、まずこの2液を混
ぜて接着剤を作製した上で素早く上記接着作業に入る。
多面体プリズムの間に光学多層膜を表面に形成したガラ
スまたはプラスチック板を挟み込む場合、表面に貼り合
わせる場合も全く同様に行えば良い。
【0043】この様にして作製した光学ブロック200
は、以下のようにして評価した。実際に光学ブロックを
図7に示す様な光学系にセットし、まず色ムラはR,
G,B3色を入れて白色を図4のスクリーン102上に
投射し、画面中心部と端部との色調の差を、また解像度
はチャート信号を入力してチャート画像を直接投射し、
中心部と端部との解像力の差をそれぞれ目視により観察
して、評価した。色調、解像力共に中心部と端部との差
が肉眼にて認識されない場合に問題なしと判断した。
【0044】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記実施例に制限されるものではな
い。実施例1 断面形状が5角形の台形である図5の第1多面体プリズ
ム201と、断面形状が直角三角形で大きさの異なる2
種類の図5の第2と第3多面体プリズム202,203
を、材料としてポリメチルメタクリレートを主材料とし
て機械加工法により作製した。続いて、真空蒸着法によ
り多面体プリズム2面にそれぞれ青、緑を反射する光学
多層膜208a,208bを、低屈折率材料としてSi
2 、高屈折率材料としてTiO2 を用いて作製した。
さらにこれら3種類の多面体プリズムを接着剤209を
用いて所定の面同士を貼り合わせ、目的とする光学ブロ
ック200を作製した。この様にして作製した光学ブロ
ック200を評価した結果、色ムラ、解像度共に問題は
なかった。
【0045】実施例2 断面形状が直角三角形で大きさの異なる図7の第1〜第
3多面体プリズム201,202,203を、材料とし
てポリメチルメタクリレートを用い、キャスト法により
作製した。続いて、スパッタリング法によりそれぞれ
青、緑を反射する光学多層膜208a,208bを、低
屈折率材料としてSiO2 、高屈折率材料としてTiO
2 を用い表面に作製したガラス板310a,310bを
第1〜第3多面体プリズム201,202,203の間
に挟み込みながら、上記多面体プリズムを接着剤209
により接着し、目的とする光学ブロック200を作製し
た。この様にして作製した光学ブロック200を評価し
た結果、色ムラ、解像度共に問題はなかった。
【0046】実施例3 断面形状が5角形の台形である図5の第1多面体プリズ
ム201と、断面形状が直角三角形で大きさの異なる2
種類の第2と第3多面体プリズム202,203を、材
料としてポリカーボネートを主材料として射出成型法に
より作製した。続いて、真空蒸着法により多面体プリズ
ムの2面にそれぞれ青、緑を反射する光学多層膜208
a,208bを、低屈折率材料としてSiO2 、高屈折
率材料としてTiO2 を用いて作製した。さらにこれら
3種類の多面体プリズムを接着剤209を用いて所定の
面同士を貼り合わせ、目的とする光学ブロック200を
作製した。この様にして作製した光学ブロック200を
評価した結果、色ムラ、解像度共に問題はなかった。
【0047】実施例4 断面形状が5角形の台形である図8の第1多面体プリズ
ム201と、断面形状が直角三角形で大きさの異なる2
種類の第2と第3多面体プリズム202,203を、材
料としてポリメチルメタクリレートを主材料として機械
加工法により作製した。続いて、真空蒸着法により多面
体プリズムの2面にそれぞれ青、緑を反射する光学多層
膜208a,208bを、低屈折率材料としてSi
2 、高屈折率材料としてTiO2 を用いて厚さ150
μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)製フィル
ムを作製した。続いて、上記フィルムを挟み込みながら
多面体プリズムを熱硬化型接着剤により接着し、目的と
する光学ブロック200を作製した。この様にして作製
した光学ブロック200を評価した結果、色ムラ、解像
度共に問題はなかった。
【0048】実施例5 実施例1において、図9のように多面体プリズム201
〜203の表面に反射防止膜412の形成されたガラス
板413を可視光線硬化型接着剤を用いて貼り合わせ
た。他は実施例1と同様とした。この様にして作製した
光学ブロックを評価した結果、色ムラ、解像度共に問題
はなかった。
【0049】実施例6 実施例2において、接着剤をシリコンゴムにして多面体
プリズムを貼り合わせた。他は実施例2と同様とした。
この様にして作製した光学ブロックを評価した結果、色
ムラ、解像度共に問題はなかった。
【0050】実施例7 実施例3において、接着剤をエポキシ系接着剤にして多
面体プリズム、及びガラス板を貼り合わせた。他は実施
例3と同様とした。この様にして作製した光学ブロック
を評価した結果、色ムラ、解像度共に問題はなかった。
【0051】本発明の実施の形態では、例えば液晶プロ
ジェクタ装置などの光学系に用いられる光学ブロックに
おいて、少なくとも1面に所定の光透過、反射特性を有
する光学多層膜が形成されたプラスチック製の多面体プ
リズムを少なくとも1つ以上貼り合わせるか、あるいは
所定の光透過、反射特性を有する光学多層膜が表面に形
成されたガラスまたはプラスチック板を挟み込みながら
プラスチック製多面体プリズムを少なくとも1つ以上貼
り合わせることにより、光学性能は従来と同等であるに
もかかわらず、大幅に製造コストが低減でき、高温下で
の剥離やクラックを防止でき信頼性が高まる。ところ
で、本発明は上記実施の形態に限定されず、表示装置と
しては液晶表示パネルを用いたものに限らず他の種類の
ものであってもよい。また、光学ブロックはL字型に限
らず他の形状のものであってもよい。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
製造が容易で安価であり、高温下での信頼性が高い光学
ブロック、光学ブロックを有する光学系を備える表示装
置及び光学ブロックの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学ブロックの好ましい実施の形態を
有する光学系を備える表示装置の一例を示す斜視図。
【図2】図1の表示装置の側面図。
【図3】図1と図2のテレビジョンセットに用いられて
いる投写型表示装置の一例を示す斜視図。
【図4】図3の投写型表示装置の光学系の一例を示す
図。
【図5】図4に用いられている光学系の光学ブロックの
実施の形態を示す図。
【図6】図5の光学ブロックの分解斜視図。
【図7】図4の光学系に用いられる光学ブロックの別の
実施の形態を示す図。
【図8】図4の光学系に用いられる光学ブロックの別の
実施の形態を示す図。
【図9】図4の光学系に用いられる光学ブロックの別の
実施の形態を示す図。
【図10】従来の光学系の一例を示す図。
【符号の説明】
1・・・投写型表示装置、3・・・光源、11・・・本
体、16a,16b・・・ダイクロイックミラー、17
a,17b,17c・・・液晶表示パネル(光変調素
子)、200・・・光学ブロック、201・・・第1多
面体プリズム(光学部材)、202・・・第2多面体プ
リズム(光学部材)、203・・・第3多面体プリズム
(光学部材)、208a,208b・・・光学多層膜、
209・・・接着剤、310a,310b・・・ガラス
板(光透過板)、410a,410b・・・プラスチッ
ク板(光透過板)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04N 5/74 H04N 5/74 A 9/31 9/31 C

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過板には、光透過特性及び光反射特
    性を有する光学多層膜が形成されており、プラスチック
    により成る複数の多面体の光学部材が、この光透過板を
    挟むようにして、温度変化により伸縮する接着剤により
    貼り合わせることにより構成されていることを特徴とす
    る光学ブロック。
  2. 【請求項2】 光透過板は、ガラス板である請求項1に
    記載の光学ブロック。
  3. 【請求項3】 光透過板は、プラスチック板である請求
    項1に記載の光学ブロック。
  4. 【請求項4】 プラスチック板の厚みは、10μmない
    し2mmの範囲に設定されている請求項3に記載の光学
    ブロック。
  5. 【請求項5】 複数の多面体プリズムには、反射防止膜
    の形成されている請求項1に記載の光学ブロック。
  6. 【請求項6】 接着剤は、透明でしかも温度の変化によ
    り体積が変化する有機材料である請求項1に記載の光学
    ブロック。
  7. 【請求項7】 光透過特性及び光反射特性を有する光学
    多層膜を有する光透過板と、 プラスチックより成り、光源からの青色光が入射される
    第1多面体プリズムと、 プラスチックより成り、光源からの赤色光が入射される
    第2多面体プリズムと、 プラスチックより成り、光源からの緑色光が入射される
    第3多面体プリズムと、 青色光と赤色光及び緑色光を合成するために、光学多層
    膜を挟み込むようにして、温度変化により伸縮する接着
    剤により貼り合わせて構成された光学ブロック、 を有することを特徴とする光学ブロックを有する光学系
    を備える表示装置。
  8. 【請求項8】 青色光は、映像を表示する第1映像表示
    部を通過した後に第1多面体プリズムに入射され、 赤色光は、映像を表示する第2映像表示部を通過した後
    に第2多面体プリズムに入射され、 緑色光は、映像を表示する第3映像表示部を通過した後
    に第3多面体プリズムに入射され、 青色光と赤色光及び緑色光を合成後の光を反射する反射
    手段と、 反射手段により反射された情報を含む合成後のカラー像
    を、拡大して投影するためのスクリーンと、を有する投
    写型の表示装置である請求項7に記載の光学ブロックを
    有する光学系を備える表示装置。
  9. 【請求項9】 光透過板に、光透過特性及び光反射特性
    を有する光学多層膜が形成する光学多層膜形成ステップ
    と、 プラスチックより成る複数の多面体の光学部材が、この
    光透過板を挟むようにして、温度変化により伸縮する接
    着剤により、貼り合わせられる貼り合わせステップと、
    を有することを特徴とする光学ブロックの製造方法。
  10. 【請求項10】 光透過板には、光透過特性及び光反射
    特性を有する光学多層膜の他に反射防止膜を形成する請
    求項9に記載の光学ブロックの製造方法。
  11. 【請求項11】 プラスチックより成る多面体のプリズ
    ムの少なくとも一面には、光透過特性及び光反射特性を
    有する光学多層膜が形成されており、この光学多層膜を
    挟むようにして、複数のプラスチックより成る多面体の
    プリズムが、温度変化により伸縮する接着剤により、貼
    り合わせることにより構成されていることを特徴とする
    光学ブロック。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003329966A (ja) * 2002-05-14 2003-11-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 映像表示装置
WO2008133279A1 (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Yoshikawa Kasei Co., Ltd. 光学部品、光学部品の製造方法、照明装置および家具
JP2008268764A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Yoshikawa Kasei Kk 光学部品およびその光学部品の製造方法
JP2010240012A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Good Staff:Kk 鏡装置

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