JP2009244521A - 光学物品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水晶基材の優れた光学特性を備え、かつ、表面の微細な凹凸形状による種々の機
能を発揮することができる光学物品、および、光学物品の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の光学物品は、水晶基材51と、水晶基材51の少なくとも一面に熱
圧着されたガラス材52と、を備え、ガラス材52の表面に微細な凹凸形状53が形成さ
れたことを特徴とする。本発明の光学物品の製造方法は、複数の金型を用いて熱圧着する
光学物品5の製造方法であって、一方の金型と他方の金型との間に水晶基材51とこの水
晶基材51のα−β相転移温度よりガラス転移温度が低いガラス材52とを配置するとと
もに、これらの金型を型締めし、加熱してガラス材52の表面に微細な凹凸形状53を形
成する加熱プレス工程を備えることを特徴とする。
【選択図】図2
能を発揮することができる光学物品、および、光学物品の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の光学物品は、水晶基材51と、水晶基材51の少なくとも一面に熱
圧着されたガラス材52と、を備え、ガラス材52の表面に微細な凹凸形状53が形成さ
れたことを特徴とする。本発明の光学物品の製造方法は、複数の金型を用いて熱圧着する
光学物品5の製造方法であって、一方の金型と他方の金型との間に水晶基材51とこの水
晶基材51のα−β相転移温度よりガラス転移温度が低いガラス材52とを配置するとと
もに、これらの金型を型締めし、加熱してガラス材52の表面に微細な凹凸形状53を形
成する加熱プレス工程を備えることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、水晶基材を有する光学物品及びその製造方法に関する。
レンズなどの光学物品は、様々な用途で用いられている。そして、水晶は、複屈折など
の理由からこれら光学物品の材質として、好適に用いられる。
光学物品の光学機能面には、防塵処理や反射防止処理などの表面処理が施されることが
ある。
の理由からこれら光学物品の材質として、好適に用いられる。
光学物品の光学機能面には、防塵処理や反射防止処理などの表面処理が施されることが
ある。
例えば、反射防止処理としては、蒸着、スパッタリング、および塗装等の手法により低
屈折率層からなる単層膜や低屈折率層と高屈折率層とを積層した多層膜等の反射防止膜が
形成されている(例えば、特許文献1)。
また、例えば、特許文献2には、防塵ガラスの表面に設けた透明導電性膜により、表面
の帯電を除去して、静電気によるゴミ付着を防止できる光変調装置が開示されている。
屈折率層からなる単層膜や低屈折率層と高屈折率層とを積層した多層膜等の反射防止膜が
形成されている(例えば、特許文献1)。
また、例えば、特許文献2には、防塵ガラスの表面に設けた透明導電性膜により、表面
の帯電を除去して、静電気によるゴミ付着を防止できる光変調装置が開示されている。
しかし、このような機能性膜の形成では、反射防止膜の光学的膜厚を高精度に制御する
ために複雑な工程が必要となる等、生産性やコスト面での改善が望まれていた。
そこで、これらの問題点を改善する方法として、近年、光学部品の表面に、非常に微細
な凹凸形状を形成する技術が注目を集めている(例えば、特許文献3参照)。
このような微細な凹凸形状は、反射防止、防塵、回折などの種々の優れた機能を発揮す
る。
ために複雑な工程が必要となる等、生産性やコスト面での改善が望まれていた。
そこで、これらの問題点を改善する方法として、近年、光学部品の表面に、非常に微細
な凹凸形状を形成する技術が注目を集めている(例えば、特許文献3参照)。
このような微細な凹凸形状は、反射防止、防塵、回折などの種々の優れた機能を発揮す
る。
しかしながら、特許文献3に記載のような従来の方法では、微細な凹凸形状を有する型
を用い、射出成形、プレス成形などの加熱を伴う成形によって、樹脂材料からなる光学物
品の表面に微細な凹凸形状を形成していた。
ここで、水晶は、樹脂材料よりも軟化点が高く、しかも、α−β相転移温度以上に加熱
すると光学特性が変化してしまうため、従来の方法では、水晶の優れた光学特性を維持し
つつ、表面に微細な凹凸形状を形成することが不可能であった。
を用い、射出成形、プレス成形などの加熱を伴う成形によって、樹脂材料からなる光学物
品の表面に微細な凹凸形状を形成していた。
ここで、水晶は、樹脂材料よりも軟化点が高く、しかも、α−β相転移温度以上に加熱
すると光学特性が変化してしまうため、従来の方法では、水晶の優れた光学特性を維持し
つつ、表面に微細な凹凸形状を形成することが不可能であった。
本発明の目的は、水晶基材の優れた光学特性を備え、かつ、表面の微細な凹凸形状によ
る種々の機能を発揮することができる光学物品、および、光学物品の製造方法を提供する
ことである。
る種々の機能を発揮することができる光学物品、および、光学物品の製造方法を提供する
ことである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態または適用例として実現することが可能である。
形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例の光学物品は、水晶基材と、前記水晶基材の少なくとも一面に熱圧着されたガ
ラス材と、を備え、前記ガラス材の表面に微細な凹凸形状が形成されたことを特徴とする
。
この構成の本適用例では、水晶基材の少なくとも一面に、表面に微細な凹凸形状を有す
るガラス材が設けられている。
ガラス材は、水晶基材に比べて軟化点が低いので、従来のプレス成形などの方法によっ
て凹凸形状の形成が可能である。また、水晶のα−β相転移温度よりも低い温度でプレス
することにより、凹凸形状の形成時に水晶基材の光学特性が失われることもない。
本適用例の光学物品は、水晶基材と、前記水晶基材の少なくとも一面に熱圧着されたガ
ラス材と、を備え、前記ガラス材の表面に微細な凹凸形状が形成されたことを特徴とする
。
この構成の本適用例では、水晶基材の少なくとも一面に、表面に微細な凹凸形状を有す
るガラス材が設けられている。
ガラス材は、水晶基材に比べて軟化点が低いので、従来のプレス成形などの方法によっ
て凹凸形状の形成が可能である。また、水晶のα−β相転移温度よりも低い温度でプレス
することにより、凹凸形状の形成時に水晶基材の光学特性が失われることもない。
従って、本適用例の光学物品は、水晶基材による優れた光学特性を備えつつ、微細な凹
凸形状による種々の機能を発揮することができる。
また、ガラス材は樹脂材料よりも耐熱性、耐光性などに優れるので、凹凸形状が樹脂材
料で形成された従来の光学物品よりも、耐久性に優れた光学物品となる。
なお、微細な凹凸形状の機能としては、たとえば、反射防止、防塵、回折などが挙げら
れる。
凸形状による種々の機能を発揮することができる。
また、ガラス材は樹脂材料よりも耐熱性、耐光性などに優れるので、凹凸形状が樹脂材
料で形成された従来の光学物品よりも、耐久性に優れた光学物品となる。
なお、微細な凹凸形状の機能としては、たとえば、反射防止、防塵、回折などが挙げら
れる。
[適用例2]
本適用例の光学物品は、水晶基材と、中間ガラス材と、ガラス材と、を備え、前記水晶
基材と前記中間ガラス材との界面および前記ガラス材と前記中間ガラス材との界面を熱圧
着で接合し、前記中間ガラス材の熱膨張率は、前記水晶基材の熱膨張率と前記ガラス材の
熱膨張率との間の範囲内であり、前記ガラス材の他方の面に微細な凹凸形状が形成された
ことを特徴とする。
この構成の本適用例では、上記適用例と同様の作用効果に加え、水晶基材とガラス材と
の間に設けられた中間ガラス材が、ガラス材の熱膨張による変形を吸収、緩和する働きを
し、各材料の接合部における剥離や破損などの発生を減少させることができる。
特に、水晶基材とガラス材との熱膨張率差が大きい場合に、得られる効果が大きい。
本適用例の光学物品は、水晶基材と、中間ガラス材と、ガラス材と、を備え、前記水晶
基材と前記中間ガラス材との界面および前記ガラス材と前記中間ガラス材との界面を熱圧
着で接合し、前記中間ガラス材の熱膨張率は、前記水晶基材の熱膨張率と前記ガラス材の
熱膨張率との間の範囲内であり、前記ガラス材の他方の面に微細な凹凸形状が形成された
ことを特徴とする。
この構成の本適用例では、上記適用例と同様の作用効果に加え、水晶基材とガラス材と
の間に設けられた中間ガラス材が、ガラス材の熱膨張による変形を吸収、緩和する働きを
し、各材料の接合部における剥離や破損などの発生を減少させることができる。
特に、水晶基材とガラス材との熱膨張率差が大きい場合に、得られる効果が大きい。
[適用例3]
上記適用例に係る光学物品は、前記凹凸形状が回折、反射防止および防塵の少なくとも
いずれかを目的として形成されることが好ましい。
この構成の本適用例では、ガラス材に形成された凹凸形状により回折、反射防止および
防塵の少なくともいずれかの機能を発揮させることができる。
例えば、凹凸形状の凹部の深さを2μm程度、幅を1μm程度とすれば、回折効果を得
ることができる。また、深さを0.2〜0.3μm程度、幅を0.2〜0.3μm程度と
すれば反射防止効果を得ることができる。そして、深さに関わらず、幅を0.5〜1μm
とすれば防塵効果を得ることができる。
上記適用例に係る光学物品は、前記凹凸形状が回折、反射防止および防塵の少なくとも
いずれかを目的として形成されることが好ましい。
この構成の本適用例では、ガラス材に形成された凹凸形状により回折、反射防止および
防塵の少なくともいずれかの機能を発揮させることができる。
例えば、凹凸形状の凹部の深さを2μm程度、幅を1μm程度とすれば、回折効果を得
ることができる。また、深さを0.2〜0.3μm程度、幅を0.2〜0.3μm程度と
すれば反射防止効果を得ることができる。そして、深さに関わらず、幅を0.5〜1μm
とすれば防塵効果を得ることができる。
[適用例4]
上記適用例に係る光学物品は、前記ガラス材の厚さが0.1mm以下であることが好ま
しい。
この構成の本適用例では、水晶基材による優れた光学特性を十分に発揮させることがで
きる。
ここで、ガラス材の厚さが0.1mmを超えると、相対的に水晶基材が光学物品全体に
占める厚さが薄くなり、ガラス材の光学特性が強くなって十分に優れた光学特性が得られ
ないため好ましくない。
なお、ガラス材の厚さは、0.05mm以下であることがより好ましく、0.01mm
以下であることがさらに好ましい。
上記適用例に係る光学物品は、前記ガラス材の厚さが0.1mm以下であることが好ま
しい。
この構成の本適用例では、水晶基材による優れた光学特性を十分に発揮させることがで
きる。
ここで、ガラス材の厚さが0.1mmを超えると、相対的に水晶基材が光学物品全体に
占める厚さが薄くなり、ガラス材の光学特性が強くなって十分に優れた光学特性が得られ
ないため好ましくない。
なお、ガラス材の厚さは、0.05mm以下であることがより好ましく、0.01mm
以下であることがさらに好ましい。
[適用例5]
上記適用例に係る光学物品は、2つの前記ガラス材が、前記水晶基材の一面および前記
一面に対向する対向面のそれぞれに熱圧着されていることが好ましい。
この構成の本適用例では、水晶基材の一面のみならず対向面にもガラス基材が熱圧着さ
れているので、一面のみにガラス基材を設けた場合の水晶基材の反りを矯正することがで
きる。
また、2つのガラス材のそれぞれの表面に微細な凹凸形状を形成すれば、光学物品に付
与される機能を増大させることができ、例えば、反射防止と防塵など、複数の機能を付与
することもできる。
上記適用例に係る光学物品は、2つの前記ガラス材が、前記水晶基材の一面および前記
一面に対向する対向面のそれぞれに熱圧着されていることが好ましい。
この構成の本適用例では、水晶基材の一面のみならず対向面にもガラス基材が熱圧着さ
れているので、一面のみにガラス基材を設けた場合の水晶基材の反りを矯正することがで
きる。
また、2つのガラス材のそれぞれの表面に微細な凹凸形状を形成すれば、光学物品に付
与される機能を増大させることができ、例えば、反射防止と防塵など、複数の機能を付与
することもできる。
[適用例6]
本適用例に係る光学物品を製造する方法は、複数の金型を用いて熱圧着する光学物品の
製造方法であって、一方の金型と他方の金型との間に水晶基材とこの水晶基材のα−β相
転移温度よりガラス転移温度が低いガラス材とを配置するとともに、これらの金型を型締
めし、加熱して前記ガラス材の表面に微細な凹凸形状を形成する加熱プレス工程を備える
ことを特徴とする。
この構成の本適用例では、加熱プレス工程において、金型を型締めし、加熱することで
、水晶基材に対してガラス材を一体化させると同時に、ガラス材の表面に凹凸形状を形成
する。
このため、表面に凹凸形状を有するガラス材を備えた光学物品を効率的に製造すること
ができる。
本適用例に係る光学物品を製造する方法は、複数の金型を用いて熱圧着する光学物品の
製造方法であって、一方の金型と他方の金型との間に水晶基材とこの水晶基材のα−β相
転移温度よりガラス転移温度が低いガラス材とを配置するとともに、これらの金型を型締
めし、加熱して前記ガラス材の表面に微細な凹凸形状を形成する加熱プレス工程を備える
ことを特徴とする。
この構成の本適用例では、加熱プレス工程において、金型を型締めし、加熱することで
、水晶基材に対してガラス材を一体化させると同時に、ガラス材の表面に凹凸形状を形成
する。
このため、表面に凹凸形状を有するガラス材を備えた光学物品を効率的に製造すること
ができる。
また、本適用例では、水晶基材のα−β相転移温度よりガラス転移温度が低いガラス材
を用いるので、加熱プレス工程における加熱温度を水晶基材のα−β相転移温度より低く
することができる。これにより、水晶基材の相転移によって、光学物品の光学特性が変化
することを防止することができる。
なお、ガラス材の割れなどを防止するために、加熱温度はガラス材の屈伏点温度の±1
0℃の範囲内であることが好ましい。
を用いるので、加熱プレス工程における加熱温度を水晶基材のα−β相転移温度より低く
することができる。これにより、水晶基材の相転移によって、光学物品の光学特性が変化
することを防止することができる。
なお、ガラス材の割れなどを防止するために、加熱温度はガラス材の屈伏点温度の±1
0℃の範囲内であることが好ましい。
[適用例7]
上記適用例に係る光学物品の製造方法は、前記水晶基材と前記ガラス材との熱膨張率差
Δαが、Δα≦5.0×10−6/℃であることを特徴とする。
一体化された複数の部材の熱膨張率差が大きいと、温度変化(特に急激な温度変化)が
あった場合に、部材の剥離や破損などが発生しやすい。
これに対し、本適用例では、水晶基材とガラス材との熱膨張率差Δαが小さいので、水
晶基材またはガラス材の剥離や破損などを防止することができる。
上記適用例に係る光学物品の製造方法は、前記水晶基材と前記ガラス材との熱膨張率差
Δαが、Δα≦5.0×10−6/℃であることを特徴とする。
一体化された複数の部材の熱膨張率差が大きいと、温度変化(特に急激な温度変化)が
あった場合に、部材の剥離や破損などが発生しやすい。
これに対し、本適用例では、水晶基材とガラス材との熱膨張率差Δαが小さいので、水
晶基材またはガラス材の剥離や破損などを防止することができる。
[適用例8]
上記適用例に係る光学物品の製造方法では、前記加熱プレス工程は、前記水晶基材の上
に中間ガラス材を配置して熱プレスする第1加熱プレス工程と、前記第1加熱プレス工程
で成形された前記中間ガラス材の上にガラス材を配置し、前記ガラス材と前記中間ガラス
材と前記水晶基材とを金型で熱プレスする第2加熱プレス工程と、を備え、前記中間ガラ
ス材の熱膨張率は、前記水晶基材の熱膨張率と前記ガラス材の熱膨張率との間の範囲内で
あることが好ましい。
上記適用例に係る光学物品の製造方法では、前記加熱プレス工程は、前記水晶基材の上
に中間ガラス材を配置して熱プレスする第1加熱プレス工程と、前記第1加熱プレス工程
で成形された前記中間ガラス材の上にガラス材を配置し、前記ガラス材と前記中間ガラス
材と前記水晶基材とを金型で熱プレスする第2加熱プレス工程と、を備え、前記中間ガラ
ス材の熱膨張率は、前記水晶基材の熱膨張率と前記ガラス材の熱膨張率との間の範囲内で
あることが好ましい。
この構成の本適用例では、第1加熱プレス工程と第2加熱プレス工程を実施し、水晶基
材とガラス材との間に中間ガラス材を備えた光学物品を得ることができる。
ここで、中間ガラス材の熱膨張率は、水晶基材およびガラス材の熱膨張率の間の範囲内
とする。すなわち、水晶部材またはガラス材と中間ガラス材との間の熱膨張率差は、水晶
部材とガラス材との間の熱膨張率差よりも小さい。
したがって、本適用例の光学物品では、中間ガラス材がガラス材の熱膨張による変形を
吸収、緩和する働きをし、各材料の接合部における剥離や破損などの発生が減少する。特
に、水晶基材とガラス材との熱膨張率差が大きい場合に、得られる効果が大きい。
材とガラス材との間に中間ガラス材を備えた光学物品を得ることができる。
ここで、中間ガラス材の熱膨張率は、水晶基材およびガラス材の熱膨張率の間の範囲内
とする。すなわち、水晶部材またはガラス材と中間ガラス材との間の熱膨張率差は、水晶
部材とガラス材との間の熱膨張率差よりも小さい。
したがって、本適用例の光学物品では、中間ガラス材がガラス材の熱膨張による変形を
吸収、緩和する働きをし、各材料の接合部における剥離や破損などの発生が減少する。特
に、水晶基材とガラス材との熱膨張率差が大きい場合に、得られる効果が大きい。
[適用例9]
上記適用例に係る光学物品の製造方法では、前記加熱プレス工程は、2つの前記ガラス
材を、前記水晶基材の一面および前記一面に対向する対向面にそれぞれ配置するとともに
、前記金型を型締めし、加熱して前記2つのガラス材の表面に微細な凹凸形状を形成する
ことが好ましい。
上記適用例に係る光学物品の製造方法では、前記加熱プレス工程は、2つの前記ガラス
材を、前記水晶基材の一面および前記一面に対向する対向面にそれぞれ配置するとともに
、前記金型を型締めし、加熱して前記2つのガラス材の表面に微細な凹凸形状を形成する
ことが好ましい。
この構成の本適用例では、加熱プレス工程において、金型を型締めし、加熱することで
、水晶基材に対して2つのガラス材を一体化させると同時に、ガラス材の表面に凹凸形状
を形成する。
このため、凹凸形状を有する2つのガラス材を備えた光学物品を、非常に効率的に製造
することができる。
、水晶基材に対して2つのガラス材を一体化させると同時に、ガラス材の表面に凹凸形状
を形成する。
このため、凹凸形状を有する2つのガラス材を備えた光学物品を、非常に効率的に製造
することができる。
[適用例10]
上記適用例に係る光学物品の製造方法では、前記加熱プレス工程は、第1面加熱プレス
工程と、第2面加熱プレス工程と、を備え、前記第1面加熱プレス工程では、前記水晶基
材の一面上に第1の前記ガラス材を配置して前記金型を型締めし、加熱して前記第1のガ
ラス材の表面に微細な凹凸形状を形成し、前記第2面加熱プレス工程では、前記第1面加
熱プレス工程後に、前記水晶基材の前記一面と対向する対向面上に第2の前記ガラス材を
配置して前記金型を型締めし、加熱して前記第2のガラス材の表面に微細な凹凸形状を形
成し、前記第1のガラス材の屈伏点温度は、前記第2のガラス材の屈伏点温度よりも高く
、前記第1面加熱プレス工程および前記第2面加熱プレス工程における加熱温度は、それ
ぞれ前記第1のガラス材の屈伏点温度および前記第2のガラス材の屈伏点温度の近傍であ
ることが好ましい。
上記適用例に係る光学物品の製造方法では、前記加熱プレス工程は、第1面加熱プレス
工程と、第2面加熱プレス工程と、を備え、前記第1面加熱プレス工程では、前記水晶基
材の一面上に第1の前記ガラス材を配置して前記金型を型締めし、加熱して前記第1のガ
ラス材の表面に微細な凹凸形状を形成し、前記第2面加熱プレス工程では、前記第1面加
熱プレス工程後に、前記水晶基材の前記一面と対向する対向面上に第2の前記ガラス材を
配置して前記金型を型締めし、加熱して前記第2のガラス材の表面に微細な凹凸形状を形
成し、前記第1のガラス材の屈伏点温度は、前記第2のガラス材の屈伏点温度よりも高く
、前記第1面加熱プレス工程および前記第2面加熱プレス工程における加熱温度は、それ
ぞれ前記第1のガラス材の屈伏点温度および前記第2のガラス材の屈伏点温度の近傍であ
ることが好ましい。
この構成の本適用例では、第1面加熱プレス工程において、第1のガラス材を水晶基材
に熱圧着すると共に、その表面に凹凸形状を形成する。続いて第2面加熱プレス工程では
、第2のガラス材を熱圧着すると共に、その表面に凹凸形状を形成する。
これにより、水晶基材の両面に、表面に微細な凹凸形状を有するガラス材を熱圧着した
光学物品を得ることができる。
このとき、第1のガラス材の屈伏点温度が第2のガラス材の屈伏点温度よりも高いので
、第2面加熱プレス工程において、第1のガラス材が第2のガラス材の屈伏点温度の近傍
まで加熱されても、一度形成された凹凸形状が失われることがない。
に熱圧着すると共に、その表面に凹凸形状を形成する。続いて第2面加熱プレス工程では
、第2のガラス材を熱圧着すると共に、その表面に凹凸形状を形成する。
これにより、水晶基材の両面に、表面に微細な凹凸形状を有するガラス材を熱圧着した
光学物品を得ることができる。
このとき、第1のガラス材の屈伏点温度が第2のガラス材の屈伏点温度よりも高いので
、第2面加熱プレス工程において、第1のガラス材が第2のガラス材の屈伏点温度の近傍
まで加熱されても、一度形成された凹凸形状が失われることがない。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
本実施形態の光学物品は、位相差板として用いられる。
[第1実施形態]
本実施形態の光学物品は、位相差板として用いられる。
〔光学物品を用いたプロジェクタ〕
図1には、本実施形態の光学物品を位相差板として用いたプロジェクタの一例が示され
ている。図1において、プロジェクタ1は、外装筺体2と、投射レンズ3と、光学ユニッ
ト4等を備える。
光学ユニット4は、光源装置41と、均一照明光学装置42と、色分離光学装置43と
、リレー光学装置44と、光学装置45と、これら光学部品42〜45を内部に収納配置
する光学部品用筐体46とを備える。
光源装置41は、光源ランプ411と、リフレクタ412と、平行化レンズ413とを
有しており、光源ランプ411から射出された放射状の光束をリフレクタ412にて反射
させ、平行化レンズ413を介して平行光として射出する。
図1には、本実施形態の光学物品を位相差板として用いたプロジェクタの一例が示され
ている。図1において、プロジェクタ1は、外装筺体2と、投射レンズ3と、光学ユニッ
ト4等を備える。
光学ユニット4は、光源装置41と、均一照明光学装置42と、色分離光学装置43と
、リレー光学装置44と、光学装置45と、これら光学部品42〜45を内部に収納配置
する光学部品用筐体46とを備える。
光源装置41は、光源ランプ411と、リフレクタ412と、平行化レンズ413とを
有しており、光源ランプ411から射出された放射状の光束をリフレクタ412にて反射
させ、平行化レンズ413を介して平行光として射出する。
均一照明光学装置42は、本実施形態の光学物品である第1フライアイレンズ421お
よび第2フライアイレンズ422と、偏光変換素子8と、重畳レンズ424とを備える。
第1フライアイレンズ421は、入射光軸方向から見て略矩形状の輪郭を有する第1小
レンズが、入射光軸に対し略直交する面内においてマトリクス状に配列された構成を有す
るフライアイレンズである。各第1小レンズは、光源装置41から射出される光束を複数
の部分光束に分割している。
第2フライアイレンズ422は、第1フライアイレンズ421と略同様な構成を有して
おり、第2小レンズがマトリクス状に配列された構成を有するフライアイレンズである。
この第2フライアイレンズ422は、重畳レンズ424とともに、第1フライアイレンズ
421の各第1小レンズの像を光学装置45の後述する液晶パネル上に結像させる機能を
有している。
よび第2フライアイレンズ422と、偏光変換素子8と、重畳レンズ424とを備える。
第1フライアイレンズ421は、入射光軸方向から見て略矩形状の輪郭を有する第1小
レンズが、入射光軸に対し略直交する面内においてマトリクス状に配列された構成を有す
るフライアイレンズである。各第1小レンズは、光源装置41から射出される光束を複数
の部分光束に分割している。
第2フライアイレンズ422は、第1フライアイレンズ421と略同様な構成を有して
おり、第2小レンズがマトリクス状に配列された構成を有するフライアイレンズである。
この第2フライアイレンズ422は、重畳レンズ424とともに、第1フライアイレンズ
421の各第1小レンズの像を光学装置45の後述する液晶パネル上に結像させる機能を
有している。
第2フライアイレンズ422と重畳レンズ424との間には偏光変換素子8が設置され
る。
偏光変換素子8は、互いに略平行な光入射面と光出射面とが形成された略板状の偏光分
離素子81と、この偏光分離素子81の光出射面側に選択的に接着固定される複数の位相
差板82とを備えた構造である。
本発明の光学物品は、この位相差板82として用いられており、後述するガラス材は、
位相差板82の光出射面に設けられている。
る。
偏光変換素子8は、互いに略平行な光入射面と光出射面とが形成された略板状の偏光分
離素子81と、この偏光分離素子81の光出射面側に選択的に接着固定される複数の位相
差板82とを備えた構造である。
本発明の光学物品は、この位相差板82として用いられており、後述するガラス材は、
位相差板82の光出射面に設けられている。
色分離光学装置43は、2枚のダイクロイックミラー431,432と、反射ミラー4
33とを備え、ダイクロイックミラー431,432により均一照明光学装置42から射
出された複数の部分光束を、赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学装置44は、入射側レンズ441、リレーレンズ443、および反射ミラー
442,444を備え、色分離光学装置43で分離された赤色光を光学装置45の後述す
る赤色光用の液晶パネルまで導く機能を有している。
33とを備え、ダイクロイックミラー431,432により均一照明光学装置42から射
出された複数の部分光束を、赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学装置44は、入射側レンズ441、リレーレンズ443、および反射ミラー
442,444を備え、色分離光学装置43で分離された赤色光を光学装置45の後述す
る赤色光用の液晶パネルまで導く機能を有している。
この際、色分離光学装置43のダイクロイックミラー431では、均一照明光学装置4
2から射出された光束の青色光成分が反射するとともに、赤色光成分と緑色光成分とが透
過する。ダイクロイックミラー431によって反射した青色光は、反射ミラー433で反
射し、フィールドレンズ425を通って光学装置45の後述する青色光用の液晶パネルに
達する。
このフィールドレンズ425は、第2フライアイレンズ422から射出された各部分光
束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光用、赤色光用の液
晶パネルの光束入射側に設けられたフィールドレンズ425も同様である。
2から射出された光束の青色光成分が反射するとともに、赤色光成分と緑色光成分とが透
過する。ダイクロイックミラー431によって反射した青色光は、反射ミラー433で反
射し、フィールドレンズ425を通って光学装置45の後述する青色光用の液晶パネルに
達する。
このフィールドレンズ425は、第2フライアイレンズ422から射出された各部分光
束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光用、赤色光用の液
晶パネルの光束入射側に設けられたフィールドレンズ425も同様である。
ダイクロイックミラー431を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイ
ックミラー432によって反射し、フィールドレンズ425を通って光学装置45の後述
する緑色光用の液晶パネルに達する。一方、赤色光はダイクロイックミラー432を透過
してリレー光学装置44を通り、さらにフィールドレンズ425を通って光学装置45の
後述する赤色光用の液晶パネルに達する。
ックミラー432によって反射し、フィールドレンズ425を通って光学装置45の後述
する緑色光用の液晶パネルに達する。一方、赤色光はダイクロイックミラー432を透過
してリレー光学装置44を通り、さらにフィールドレンズ425を通って光学装置45の
後述する赤色光用の液晶パネルに達する。
光学装置45は、光変調装置としての3枚の液晶パネル451(赤色光用の液晶パネル
を451R、緑色光用の液晶パネルを451G、青色光用の液晶パネルを451Bとする
)と、これら液晶パネル451の光束入射側および光束射出側にそれぞれ配置される偏光
素子9と、クロスダイクロイックプリズム454とを備える。
偏光素子9は、液晶パネル451の光束入射側に設けられた入射側偏光板9Aと、光束
射出側に設けられた射出側偏光板9Bとを備える。
クロスダイクロイックプリズム454は、射出側偏光板9Bから射出された色光毎に変
調された光学像を合成してカラー画像を形成する。このクロスダイクロイックプリズム4
54で形成されたカラー画像は、上述した投射レンズ3によりスクリーン等へ拡大投射さ
れる。
を451R、緑色光用の液晶パネルを451G、青色光用の液晶パネルを451Bとする
)と、これら液晶パネル451の光束入射側および光束射出側にそれぞれ配置される偏光
素子9と、クロスダイクロイックプリズム454とを備える。
偏光素子9は、液晶パネル451の光束入射側に設けられた入射側偏光板9Aと、光束
射出側に設けられた射出側偏光板9Bとを備える。
クロスダイクロイックプリズム454は、射出側偏光板9Bから射出された色光毎に変
調された光学像を合成してカラー画像を形成する。このクロスダイクロイックプリズム4
54で形成されたカラー画像は、上述した投射レンズ3によりスクリーン等へ拡大投射さ
れる。
〔光学物品の構成〕
図2(A)は、本実施形態の光学物品を側面から見た断面図であり、図2(B)は、光
学物品の表面付近の拡大断面図である。
図2(A)に示すように、光学物品5(位相差板82)は、水晶基材51と、この水晶
基材51に熱成形により一体化されたガラス材52とを備える。
図2(A)は、本実施形態の光学物品を側面から見た断面図であり、図2(B)は、光
学物品の表面付近の拡大断面図である。
図2(A)に示すように、光学物品5(位相差板82)は、水晶基材51と、この水晶
基材51に熱成形により一体化されたガラス材52とを備える。
水晶基材51は、水晶を平板状に切り出したものである。この切り出しの方向を選択す
ることで、所望の複屈折率を有する水晶基材51を得ることができる。
なお、水晶基材51の熱膨張率もまた、切り出し方向によって変動する。C軸に垂直な
方向に切り出した場合は約7×10−6/℃となり、C軸に平行な方向に切り出した場合
は約12.9×10−6/℃となることが知られている。
水晶基材表面の中心線平均粗さ(Ra)は、10nm以下であり、より好ましくは、1
nm以下である。
ることで、所望の複屈折率を有する水晶基材51を得ることができる。
なお、水晶基材51の熱膨張率もまた、切り出し方向によって変動する。C軸に垂直な
方向に切り出した場合は約7×10−6/℃となり、C軸に平行な方向に切り出した場合
は約12.9×10−6/℃となることが知られている。
水晶基材表面の中心線平均粗さ(Ra)は、10nm以下であり、より好ましくは、1
nm以下である。
ガラス材52は、図2(B)に示すように、水晶基材51と反対の表面に微細な凹凸形
状53を有する。
凹凸形状53は、図2(B)上方から見て格子状の微細形状であって、個々の凹部53
Aの深さXが2μm、幅Yが1μmである。これは、防塵効果を発揮させるための凹凸形
状53の形状の一例である。
ガラス材52としては、ガラス転移温度が水晶基材51のα−β相転移温度より低く、
水晶基材51との熱膨張率差Δαが、Δα≦5.0×10/℃の材料を用いる。
また、ガラス材52の厚さZは、0.1mm以下とする。
状53を有する。
凹凸形状53は、図2(B)上方から見て格子状の微細形状であって、個々の凹部53
Aの深さXが2μm、幅Yが1μmである。これは、防塵効果を発揮させるための凹凸形
状53の形状の一例である。
ガラス材52としては、ガラス転移温度が水晶基材51のα−β相転移温度より低く、
水晶基材51との熱膨張率差Δαが、Δα≦5.0×10/℃の材料を用いる。
また、ガラス材52の厚さZは、0.1mm以下とする。
〔光学物品の製造方法〕
次に、本実施形態の光学物品5の製造方法を図に基づいて説明する。
本実施形態の光学物品5の製造方法は、金型を型締めしながら加熱してガラス材52の
表面に微細な凹凸形状53を形成する加熱プレス工程を備える。
次に、本実施形態の光学物品5の製造方法を図に基づいて説明する。
本実施形態の光学物品5の製造方法は、金型を型締めしながら加熱してガラス材52の
表面に微細な凹凸形状53を形成する加熱プレス工程を備える。
図3は、本実施形態の光学物品の製造方法における加熱プレス工程を示す概略図である
。
加熱プレス工程では、図3(A)に示すように、水晶基材51を収容する下型61と、
上型62とを備えた金型6を使用する。上型62は、本体621と、コア金型622と、
を有する。コア金型622の下型61側は、図3(B)に示すように、凹凸形状53に対
応する形状の成形面62Aとされている。また、下型61および上型62は、図示しない
加熱手段により加熱される。
。
加熱プレス工程では、図3(A)に示すように、水晶基材51を収容する下型61と、
上型62とを備えた金型6を使用する。上型62は、本体621と、コア金型622と、
を有する。コア金型622の下型61側は、図3(B)に示すように、凹凸形状53に対
応する形状の成形面62Aとされている。また、下型61および上型62は、図示しない
加熱手段により加熱される。
まず、図3(A)に示すように、水晶基材51を下型61に収容する。そして、水晶基
材51の上面で上型62の成形面62Aに対応する位置に、水晶基材51と略同じ大きさ
の平板状のガラス材52を載置する。
次に、図3(C)に示すように、下型61と上型62とを型締めしながら加熱する。こ
のとき、ガラス材52に圧力を加える。これにより、ガラス材52と水晶基材51が一体
化され、ガラス材52の表面に微細な凹凸形状53が形成される。
材51の上面で上型62の成形面62Aに対応する位置に、水晶基材51と略同じ大きさ
の平板状のガラス材52を載置する。
次に、図3(C)に示すように、下型61と上型62とを型締めしながら加熱する。こ
のとき、ガラス材52に圧力を加える。これにより、ガラス材52と水晶基材51が一体
化され、ガラス材52の表面に微細な凹凸形状53が形成される。
加熱温度は、ガラス材52の屈伏点温度±10℃の範囲内である。ここで、加熱温度が
水晶基材51のα−β相転移温度より低いので、水晶基材51は、α−β相転移を起こさ
ない。
なお、型締めの圧力や時間などの諸条件は、光学物品5の大きさ、材質、形状などに応
じて適宜設定することができる。
最後に、金型6を開き、水晶基材51およびガラス材52を冷却することで、ガラス材
52の表面に凹凸形状53が形成された光学物品5が完成する。
水晶基材51のα−β相転移温度より低いので、水晶基材51は、α−β相転移を起こさ
ない。
なお、型締めの圧力や時間などの諸条件は、光学物品5の大きさ、材質、形状などに応
じて適宜設定することができる。
最後に、金型6を開き、水晶基材51およびガラス材52を冷却することで、ガラス材
52の表面に凹凸形状53が形成された光学物品5が完成する。
〔第1実施形態の作用効果〕
従って、本実施形態では、次の作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態の光学物品5では、水晶基材51の少なくとも一面に、表面に微細な凹
凸形状53を有するガラス材52が設けられているので、水晶基材51による優れた光学
特性を備えつつ、微細な凹凸形状53による種々の機能を発揮することができる。
(2)ガラス材は樹脂材料よりも耐熱性、耐光性などに優れるので、凹凸形状が樹脂材料
で形成された従来の光学物品よりも、耐久性に優れた光学物品となる。
従って、本実施形態では、次の作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態の光学物品5では、水晶基材51の少なくとも一面に、表面に微細な凹
凸形状53を有するガラス材52が設けられているので、水晶基材51による優れた光学
特性を備えつつ、微細な凹凸形状53による種々の機能を発揮することができる。
(2)ガラス材は樹脂材料よりも耐熱性、耐光性などに優れるので、凹凸形状が樹脂材料
で形成された従来の光学物品よりも、耐久性に優れた光学物品となる。
(3)防塵を目的とし、凹部の幅が1μmの凹凸形状53を形成したので、光学物品5に
防塵の機能を発揮させることができる。
そして、光学物品5を位相差板82とし、凹凸形状53が光出射面に位置するようにし
ているので、外部に露出する位相差板82の光出射面にゴミ等が付着することを防止する
ことができる。
(4)ガラス材52の厚さを0.1mm以下としたので、ガラス材52が光学物品全体に
占める厚さが大きくなることがなく、水晶基材51による優れた光学特性を十分に発揮さ
せることができる。
防塵の機能を発揮させることができる。
そして、光学物品5を位相差板82とし、凹凸形状53が光出射面に位置するようにし
ているので、外部に露出する位相差板82の光出射面にゴミ等が付着することを防止する
ことができる。
(4)ガラス材52の厚さを0.1mm以下としたので、ガラス材52が光学物品全体に
占める厚さが大きくなることがなく、水晶基材51による優れた光学特性を十分に発揮さ
せることができる。
(5)本実施形態の光学物品5の製造方法では、加熱プレス工程において、金型6を型締
めしながら加熱することで、水晶基材51に対してガラス材52を一体化させると同時に
、ガラス材52の表面に凹凸形状53を形成することができる。これにより、表面に凹凸
形状53を有するガラス材52を備えた光学物品5を効率的に製造することができる。
(6)水晶基材51のα−β相転移温度よりガラス転移温度が低いガラス材52を用い、
加熱プレス工程における加熱温度を水晶基材51のα−β相転移温度より低くしている。
このため、水晶基材51の相転移によって、光学物品5の光学特性(複屈折率等)が変化
することを防止することができる。
めしながら加熱することで、水晶基材51に対してガラス材52を一体化させると同時に
、ガラス材52の表面に凹凸形状53を形成することができる。これにより、表面に凹凸
形状53を有するガラス材52を備えた光学物品5を効率的に製造することができる。
(6)水晶基材51のα−β相転移温度よりガラス転移温度が低いガラス材52を用い、
加熱プレス工程における加熱温度を水晶基材51のα−β相転移温度より低くしている。
このため、水晶基材51の相転移によって、光学物品5の光学特性(複屈折率等)が変化
することを防止することができる。
(7)水晶基材51とガラス材52との熱膨張率差Δαが、Δα≦5.0×10−6/℃
であるため、水晶基材51またはガラス材52の剥離や破損などを防止することができる
。
(8)加熱プレス工程における加熱温度をガラス材52の屈伏点温度±10℃の範囲内に
しているので、ガラス材52の割れなどを防止することができる。
(9)水晶基材51表面の中心線平均粗さ(Ra)を10nm以下としたので、ガラス材
52との一体化がしやすくなる。
であるため、水晶基材51またはガラス材52の剥離や破損などを防止することができる
。
(8)加熱プレス工程における加熱温度をガラス材52の屈伏点温度±10℃の範囲内に
しているので、ガラス材52の割れなどを防止することができる。
(9)水晶基材51表面の中心線平均粗さ(Ra)を10nm以下としたので、ガラス材
52との一体化がしやすくなる。
[第2実施形態]
本実施形態の光学物品5は、水晶基材51とガラス材52との間に中間ガラス材を備え
る点において、上述の第1実施形態と異なる。第1実施形態と共通の構成については同一
の符号を用い、説明を省略する。
本実施形態の光学物品5は、水晶基材51とガラス材52との間に中間ガラス材を備え
る点において、上述の第1実施形態と異なる。第1実施形態と共通の構成については同一
の符号を用い、説明を省略する。
〔光学物品の構成〕
図4は、本実施形態の光学物品5を側面から見た断面図である。
図4に示すように、光学物品5は、放熱用の水晶基材51と、この水晶基材51に熱プ
レスにより一体化された中間ガラス材54と、中間ガラス材54に熱成形により一体化さ
れたガラス材52とを備える。
図示しないが、ガラス材52の中間ガラス材54と逆側の表面には、凹凸形状53が形
成されている。
ここで、中間ガラス材54の熱膨張率は、水晶基材51の熱膨張率とガラス材52の熱
膨張率の間の範囲内である。中間ガラス材54のガラス転移温度は、水晶基材51のα−
β相転移温度とガラス材52のガラス転移温度の中間の温度である。
図4は、本実施形態の光学物品5を側面から見た断面図である。
図4に示すように、光学物品5は、放熱用の水晶基材51と、この水晶基材51に熱プ
レスにより一体化された中間ガラス材54と、中間ガラス材54に熱成形により一体化さ
れたガラス材52とを備える。
図示しないが、ガラス材52の中間ガラス材54と逆側の表面には、凹凸形状53が形
成されている。
ここで、中間ガラス材54の熱膨張率は、水晶基材51の熱膨張率とガラス材52の熱
膨張率の間の範囲内である。中間ガラス材54のガラス転移温度は、水晶基材51のα−
β相転移温度とガラス材52のガラス転移温度の中間の温度である。
〔光学物品の製造方法〕
図5は、本実施形態の光学物品の製造方法における加熱プレス工程を示す概略図である
。
本実施形態の加熱プレス工程は、第1加熱プレス工程と、第2加熱プレス工程とを備え
る。
図5は、本実施形態の光学物品の製造方法における加熱プレス工程を示す概略図である
。
本実施形態の加熱プレス工程は、第1加熱プレス工程と、第2加熱プレス工程とを備え
る。
第1加熱プレス工程では、まず、図5(A)に示すように、水晶基材51を下型61に
収容する。そして、水晶基材51の上面に、水晶基材51と略同一形状で水晶基材51よ
りも薄い平板状の中間ガラス材54を載置する。
次に、図5(B)に示すように、中間ガラス材54の上面を平板状のプレス板7で熱プ
レスする。加熱温度は、中間ガラス材54の屈伏点温度±10℃の範囲内であり、水晶基
材51のα−β相転移温度より低い。
続いて、プレス板7を外し、上型62を用意して第2加熱プレス工程を実施する。なお
、プレス板7を外したあと、第2加熱プレス工程を実施する前までに、水晶基材51およ
び中間ガラス材54は、200℃以下まで冷却される。
収容する。そして、水晶基材51の上面に、水晶基材51と略同一形状で水晶基材51よ
りも薄い平板状の中間ガラス材54を載置する。
次に、図5(B)に示すように、中間ガラス材54の上面を平板状のプレス板7で熱プ
レスする。加熱温度は、中間ガラス材54の屈伏点温度±10℃の範囲内であり、水晶基
材51のα−β相転移温度より低い。
続いて、プレス板7を外し、上型62を用意して第2加熱プレス工程を実施する。なお
、プレス板7を外したあと、第2加熱プレス工程を実施する前までに、水晶基材51およ
び中間ガラス材54は、200℃以下まで冷却される。
第2加熱プレス工程では、まず、図5(C)に示すように、中間ガラス材54の上面で
上型62の成形面62Aに対応する位置に、中間ガラス材54と略同一形状の平板状のガ
ラス材52を載置する。
次に、図5(D)に示すように、下型61と上型62とを型締めしながら加熱する。こ
のとき、ガラス材52に圧力を加える。これにより、ガラス材52と中間ガラス材54が
一体化され、ガラス材52の表面に微細な凹凸形状53が形成される。
加熱温度は、ガラス材52の屈伏点温度±10℃の範囲内であり、中間ガラス材54の
ガラス転移温度よりも低い。
最後に、金型6を開き、水晶基材51、中間ガラス材54およびガラス材52を冷却す
ることで、光学物品5が完成する。
上型62の成形面62Aに対応する位置に、中間ガラス材54と略同一形状の平板状のガ
ラス材52を載置する。
次に、図5(D)に示すように、下型61と上型62とを型締めしながら加熱する。こ
のとき、ガラス材52に圧力を加える。これにより、ガラス材52と中間ガラス材54が
一体化され、ガラス材52の表面に微細な凹凸形状53が形成される。
加熱温度は、ガラス材52の屈伏点温度±10℃の範囲内であり、中間ガラス材54の
ガラス転移温度よりも低い。
最後に、金型6を開き、水晶基材51、中間ガラス材54およびガラス材52を冷却す
ることで、光学物品5が完成する。
〔第2実施形態の作用効果〕
従って、本実施形態では、上述の第1実施形態の作用効果に加え、次の作用効果を奏す
ることができる。
(10)水晶基材51とガラス材52との間に設けられ、水晶基材51およびガラス材5
2の熱膨張率の間の範囲内の熱膨張率を有する中間ガラス材54が、ガラス材52の熱膨
張による変形を吸収、緩和する働きをするので、各材料の接合部における剥離や破損など
の発生を減少させることができる。
(11)中間ガラス材54のガラス転移温度が、水晶基材51のα−β相転移温度とガラ
ス材52のガラス転移温度の中間の温度である。
このため、第1加熱プレス工程において、水晶基材51がα−β相転移を起こすことが
なく、光学物品5の光学特性(複屈折率等)が変化することを防止することができる。
また、第2加熱プレス工程において、中間ガラス材54がガラス転移温度以上の温度に
加熱されることが無いので、中間ガラス材54を変形させることなくガラス材52の熱成
形を実施することができる。
従って、本実施形態では、上述の第1実施形態の作用効果に加え、次の作用効果を奏す
ることができる。
(10)水晶基材51とガラス材52との間に設けられ、水晶基材51およびガラス材5
2の熱膨張率の間の範囲内の熱膨張率を有する中間ガラス材54が、ガラス材52の熱膨
張による変形を吸収、緩和する働きをするので、各材料の接合部における剥離や破損など
の発生を減少させることができる。
(11)中間ガラス材54のガラス転移温度が、水晶基材51のα−β相転移温度とガラ
ス材52のガラス転移温度の中間の温度である。
このため、第1加熱プレス工程において、水晶基材51がα−β相転移を起こすことが
なく、光学物品5の光学特性(複屈折率等)が変化することを防止することができる。
また、第2加熱プレス工程において、中間ガラス材54がガラス転移温度以上の温度に
加熱されることが無いので、中間ガラス材54を変形させることなくガラス材52の熱成
形を実施することができる。
[第3実施形態]
本実施形態の光学物品5は、水晶基材51一面および対向面のそれぞれにガラス材52
を備える点において、上述の第1実施形態と異なる。第1実施形態と共通の構成について
は同一の符号を用い、説明を省略する。
本実施形態の光学物品5は、水晶基材51一面および対向面のそれぞれにガラス材52
を備える点において、上述の第1実施形態と異なる。第1実施形態と共通の構成について
は同一の符号を用い、説明を省略する。
〔光学物品の製造方法〕
本実施形態の光学物品の製造方法は、第1面加熱プレス工程と、第2面加熱プレス工程
と、を備える。
第1面加熱プレス工程は、上述の第1実施形態の加熱プレス工程と同様であるから、説
明を省略する。
本実施形態の光学物品の製造方法は、第1面加熱プレス工程と、第2面加熱プレス工程
と、を備える。
第1面加熱プレス工程は、上述の第1実施形態の加熱プレス工程と同様であるから、説
明を省略する。
図6は、本実施形態の光学物品の製造方法における第2面加熱プレス工程を示す概略図
である。
第2面加熱プレス工程では、まず、図6に示すように、第1面加熱プレス工程において
、その一面51Aにガラス材52(第1のガラス材521)が一体化された水晶基材51
を、第1のガラス材521が下型61側になるようにして、下型61に収容する。
そして、水晶基材51の一面51Aと対向する対向面51Bに、水晶基材51と略同一
形状で水晶基材51よりも薄い平板状の第2のガラス材522を載置する。
ここで、第1のガラス材521の屈伏点温度は、第2のガラス材522の屈伏点温度よ
りも高い。
である。
第2面加熱プレス工程では、まず、図6に示すように、第1面加熱プレス工程において
、その一面51Aにガラス材52(第1のガラス材521)が一体化された水晶基材51
を、第1のガラス材521が下型61側になるようにして、下型61に収容する。
そして、水晶基材51の一面51Aと対向する対向面51Bに、水晶基材51と略同一
形状で水晶基材51よりも薄い平板状の第2のガラス材522を載置する。
ここで、第1のガラス材521の屈伏点温度は、第2のガラス材522の屈伏点温度よ
りも高い。
次に、下型61と上型62とを型締めしながら加熱する。このとき、第2のガラス材5
22に圧力を加える。これにより、第2のガラス材522が水晶基材51の対向面51B
に一体化され、第2のガラス材522の表面に微細な凹凸形状53が形成される。
加熱温度は、第2のガラス材522の屈伏点温度±10℃の範囲内であり、第1のガラ
ス材521の屈伏点温度よりも低く、第1のガラス材521のガラス転移温度よりも低い
。
最後に、金型6を開き、水晶基材51、中間ガラス材54およびガラス材52を冷却す
ることで、光学物品5が完成する。
22に圧力を加える。これにより、第2のガラス材522が水晶基材51の対向面51B
に一体化され、第2のガラス材522の表面に微細な凹凸形状53が形成される。
加熱温度は、第2のガラス材522の屈伏点温度±10℃の範囲内であり、第1のガラ
ス材521の屈伏点温度よりも低く、第1のガラス材521のガラス転移温度よりも低い
。
最後に、金型6を開き、水晶基材51、中間ガラス材54およびガラス材52を冷却す
ることで、光学物品5が完成する。
〔第3実施形態の作用効果〕
従って、本実施形態では、上述の第1実施形態の作用効果に加え、次の作用効果を奏す
ることができる。
(12)第1面加熱プレス工程と第2面加熱プレス工程を実施することにより、水晶基材
51の一面51Aおよび対向面51Bに、表面に微細な凹凸形状53を有するガラス材5
21,522を熱圧着した光学物品5を得ることができる。
(13)第1のガラス材521の屈伏点温度が第2のガラス材522の屈伏点温度よりも
高いので、第2面加熱プレス工程において、第1のガラス材521が第2のガラス材52
2の屈伏点温度の近傍まで加熱されても、第1のガラス材521に形成された凹凸形状5
3が失われることがない。
また、第2加熱プレス工程において、第1のガラス材521がガラス転移温度以上の温
度に加熱されることが無いので、第1のガラス材521を変形させることなく第2のガラ
ス材522の熱成形を実施することができる。
従って、本実施形態では、上述の第1実施形態の作用効果に加え、次の作用効果を奏す
ることができる。
(12)第1面加熱プレス工程と第2面加熱プレス工程を実施することにより、水晶基材
51の一面51Aおよび対向面51Bに、表面に微細な凹凸形状53を有するガラス材5
21,522を熱圧着した光学物品5を得ることができる。
(13)第1のガラス材521の屈伏点温度が第2のガラス材522の屈伏点温度よりも
高いので、第2面加熱プレス工程において、第1のガラス材521が第2のガラス材52
2の屈伏点温度の近傍まで加熱されても、第1のガラス材521に形成された凹凸形状5
3が失われることがない。
また、第2加熱プレス工程において、第1のガラス材521がガラス転移温度以上の温
度に加熱されることが無いので、第1のガラス材521を変形させることなく第2のガラ
ス材522の熱成形を実施することができる。
[第4実施形態]
本実施形態の光学物品は、水晶基材51一面および対向面のそれぞれにガラス材52を
備える点において、上述の第1実施形態と異なる。第1実施形態と共通の構成については
同一の符号を用い、説明を省略する。
本実施形態の光学物品は、水晶基材51一面および対向面のそれぞれにガラス材52を
備える点において、上述の第1実施形態と異なる。第1実施形態と共通の構成については
同一の符号を用い、説明を省略する。
〔光学物品の製造方法〕
図7は、本実施形態の光学物品の製造方法における加熱プレス工程を示す概略図である
。
本実施形態の加熱プレス工程では、まず、図6に示すように、下型61と上型62の間
において、2つのガラス材52を、水晶基材51の一面51Aおよび対向面51Bにそれ
ぞれ配置する。
ここで、本実施形態の下型61は、上述の各実施形態における上型62と同様の、本体
611と、コア金型612と、を有する。コア金型612の上型62側は、凹凸形状53
に対応する形状の成形面61Aとされている。
図7は、本実施形態の光学物品の製造方法における加熱プレス工程を示す概略図である
。
本実施形態の加熱プレス工程では、まず、図6に示すように、下型61と上型62の間
において、2つのガラス材52を、水晶基材51の一面51Aおよび対向面51Bにそれ
ぞれ配置する。
ここで、本実施形態の下型61は、上述の各実施形態における上型62と同様の、本体
611と、コア金型612と、を有する。コア金型612の上型62側は、凹凸形状53
に対応する形状の成形面61Aとされている。
次に、下型61と上型62とを型締めしながら加熱する。このとき、ガラス材52に圧
力を加える。これにより、ガラス材52が水晶基材51の一面51Aおよび対向面51B
に一体化され、ガラス材52の表面に微細な凹凸形状53が形成される。
加熱温度は、ガラス材52の屈伏点温度±10℃の範囲内である。
最後に、金型6を開き、水晶基材51ガラス材52を冷却することで、光学物品5が完
成する。
力を加える。これにより、ガラス材52が水晶基材51の一面51Aおよび対向面51B
に一体化され、ガラス材52の表面に微細な凹凸形状53が形成される。
加熱温度は、ガラス材52の屈伏点温度±10℃の範囲内である。
最後に、金型6を開き、水晶基材51ガラス材52を冷却することで、光学物品5が完
成する。
〔第4実施形態の作用効果〕
従って、本実施形態では、上述の第1実施形態の作用効果に加え、次の作用効果を奏す
ることができる。
(14)水晶基材51に対して2つのガラス材52を一体化させると同時に、ガラス材5
2の表面に凹凸形状53を形成するので、凹凸形状53を有する2つのガラス材52を備
えた光学物品5を、非常に効率的に製造することができる。
従って、本実施形態では、上述の第1実施形態の作用効果に加え、次の作用効果を奏す
ることができる。
(14)水晶基材51に対して2つのガラス材52を一体化させると同時に、ガラス材5
2の表面に凹凸形状53を形成するので、凹凸形状53を有する2つのガラス材52を備
えた光学物品5を、非常に効率的に製造することができる。
[変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる
範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記した各実施形態では、位相差板82として用いる光学物品5を例示したが
、本発明の光学物品の用途はこれに限定されず、他のレンズやシート、フィルムなどであ
ってもよい。例えば、ライトバルブの防塵ガラスや、ローパスフィルタ等として用いても
よい。
また、前記した各実施形態では、光学物品5をプロジェクタ1に用いたが、本発明では
、プロジェクタ1以外の装置、例えば、ピックアップ装置等にも用いることができる。
さらに、凹凸形状53の形状やサイズは、上述の各実施形態で例示したものに限定され
ない。凹凸形状53の形状を適宜変更することで、防塵以外にも、回折や反射防止等、種
々の機能を光学物品5に付与することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる
範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記した各実施形態では、位相差板82として用いる光学物品5を例示したが
、本発明の光学物品の用途はこれに限定されず、他のレンズやシート、フィルムなどであ
ってもよい。例えば、ライトバルブの防塵ガラスや、ローパスフィルタ等として用いても
よい。
また、前記した各実施形態では、光学物品5をプロジェクタ1に用いたが、本発明では
、プロジェクタ1以外の装置、例えば、ピックアップ装置等にも用いることができる。
さらに、凹凸形状53の形状やサイズは、上述の各実施形態で例示したものに限定され
ない。凹凸形状53の形状を適宜変更することで、防塵以外にも、回折や反射防止等、種
々の機能を光学物品5に付与することができる。
上述の第3および第4本実施形態のように、2枚のガラス材52を水晶基材51に一体
化させる場合、それぞれのガラス材52に形成される凹凸形状53は、同一でも異なって
いてもよい。同一の形状とすれば、得られる効果を増大させることができ、異なる形状と
すれば、複数の種類の異なる効果を得ることができる。
また、一方のガラス材にのみ凹凸形状53を形成し、他方には凹凸形状53を設けなく
てもよい。この場合でも、一面のみにガラス基材52を設けた場合に発生する水晶基材5
1の反りを矯正することができる。
化させる場合、それぞれのガラス材52に形成される凹凸形状53は、同一でも異なって
いてもよい。同一の形状とすれば、得られる効果を増大させることができ、異なる形状と
すれば、複数の種類の異なる効果を得ることができる。
また、一方のガラス材にのみ凹凸形状53を形成し、他方には凹凸形状53を設けなく
てもよい。この場合でも、一面のみにガラス基材52を設けた場合に発生する水晶基材5
1の反りを矯正することができる。
[実験例]
C軸に垂直な方向に切り出した□10×1mmの水晶板につき、引張強度試験を行い、
これに基づいて、許容される水晶基材51とガラス材52との熱膨張率差Δαを求めた。
なお、水晶はガラスよりも熱膨張が小さいと仮定した。
C軸に垂直な方向に切り出した□10×1mmの水晶板につき、引張強度試験を行い、
これに基づいて、許容される水晶基材51とガラス材52との熱膨張率差Δαを求めた。
なお、水晶はガラスよりも熱膨張が小さいと仮定した。
引っ張り試験を実施すると、破断時の水晶板の伸びXは、X=1.64×10−3(m
m)となった。
m)となった。
次に、水晶板に同一寸法のガラスを一体化した光学物品を、0℃から300℃まで加熱
する場合を考える。
0℃において水晶板とガラスの寸法が同一であれば、300℃における水晶板とガラス
との寸法差Yは、Y=熱膨張率差Δα×300℃×10mmで算出できる。
この寸法差Yが、上記の破断時の水晶板の伸びXを超えるときに、水晶板とガラス板と
の接合部で破断が発生すると考えられる。ここから、300℃で破断するような熱膨張率
差Δαを逆算すると、
Δα=X/(300×10)=(1.64×10−3)/3000=5.47×10−
6(/℃)となる。
このことから、水晶基材51との熱膨張率差Δαが、Δα≦5.0×10−6/℃であ
れば、300℃の温度変化によっても水晶基材51が破断しない光学物品が得られること
がわかる。
する場合を考える。
0℃において水晶板とガラスの寸法が同一であれば、300℃における水晶板とガラス
との寸法差Yは、Y=熱膨張率差Δα×300℃×10mmで算出できる。
この寸法差Yが、上記の破断時の水晶板の伸びXを超えるときに、水晶板とガラス板と
の接合部で破断が発生すると考えられる。ここから、300℃で破断するような熱膨張率
差Δαを逆算すると、
Δα=X/(300×10)=(1.64×10−3)/3000=5.47×10−
6(/℃)となる。
このことから、水晶基材51との熱膨張率差Δαが、Δα≦5.0×10−6/℃であ
れば、300℃の温度変化によっても水晶基材51が破断しない光学物品が得られること
がわかる。
本発明は、放熱用の水晶基材を有する光学物品及びその製造方法として利用できる。
5…光学物品、51…水晶基材、51A…一面、51B…対向面、52…ガラス材、5
3…凹凸形状、54…中間ガラス材、6…金型、61…下型、62…上型、521…第1
のガラス材、522…第2のガラス材
3…凹凸形状、54…中間ガラス材、6…金型、61…下型、62…上型、521…第1
のガラス材、522…第2のガラス材
Claims (10)
- 水晶基材と、前記水晶基材の少なくとも一面に熱圧着されたガラス材と、を備え、
前記ガラス材の表面に微細な凹凸形状が形成されたことを特徴とする光学物品。 - 水晶基材と、中間ガラス材と、ガラス材と、を備え、
前記水晶基材と前記中間ガラス材との界面および前記ガラス材と前記中間ガラス材との
界面を熱圧着で接合し、
前記中間ガラス材の熱膨張率は、前記水晶基材の熱膨張率と前記ガラス材の熱膨張率と
の間の範囲内であり、
前記ガラス材の他方の面に微細な凹凸形状が形成されたことを特徴とする光学物品。 - 前記凹凸形状が回折、反射防止および防塵の少なくともいずれかを目的として形成され
ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学物品。 - 前記ガラス材の厚さが0.1mm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3の
いずれかに記載の光学物品。 - 2つの前記ガラス材が、前記水晶基材の一面および前記一面に対向する対向面のそれぞ
れに熱圧着されたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の光学物品。 - 複数の金型を用いて熱圧着する光学物品の製造方法であって、
一方の金型と他方の金型との間に水晶基材とこの水晶基材のα−β相転移温度よりガラ
ス転移温度が低いガラス材とを配置するとともに、これらの金型を型締めし、加熱して前
記ガラス材の表面に微細な凹凸形状を形成する加熱プレス工程を備えることを特徴とする
光学物品の製造方法。 - 前記水晶基材と前記ガラス材との熱膨張率差Δαが、
Δα≦5.0×10−6/℃
であることを特徴とする請求項6に記載の光学物品の製造方法。 - 前記加熱プレス工程は、前記水晶基材の上に中間ガラス材を配置して熱プレスする第1
加熱プレス工程と、前記第1加熱プレス工程で成形された前記中間ガラス材の上にガラス
材を配置し、前記ガラス材と前記中間ガラス材と前記水晶基材とを金型で熱プレスする第
2加熱プレス工程と、を備え、
前記中間ガラス材の熱膨張率は、前記水晶基材の熱膨張率と前記ガラス材の熱膨張率と
の間の範囲内であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の光学物品の製造方法
。 - 前記加熱プレス工程は、2つの前記ガラス材を、前記水晶基材の一面および前記一面に
対向する対向面にそれぞれ配置するとともに、前記金型を型締めし、加熱して前記2つの
ガラス材の表面に微細な凹凸形状を形成することを特徴とする請求項6から請求項8のい
ずれかに記載の光学物品の製造方法。 - 前記加熱プレス工程は、第1面加熱プレス工程と、第2面加熱プレス工程と、を備え、
前記第1面加熱プレス工程では、前記水晶基材の一面上に第1の前記ガラス材を配置し
て前記金型を型締めし、加熱して前記第1のガラス材の表面に微細な凹凸形状を形成し、
前記第2面加熱プレス工程では、前記第1面加熱プレス工程後に、前記水晶基材の前記
一面と対向する対向面上に第2の前記ガラス材を配置して前記金型を型締めし、加熱して
前記第2のガラス材の表面に微細な凹凸形状を形成し、
前記第1のガラス材の屈伏点温度は、前記第2のガラス材の屈伏点温度よりも高く、
前記第1面加熱プレス工程および前記第2面加熱プレス工程における加熱温度は、それ
ぞれ前記第1のガラス材の屈伏点温度および前記第2のガラス材の屈伏点温度の近傍であ
ることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載の光学物品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008089919A JP2009244521A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 光学物品及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008089919A JP2009244521A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 光学物品及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009244521A true JP2009244521A (ja) | 2009-10-22 |
Family
ID=41306488
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008089919A Withdrawn JP2009244521A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 光学物品及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009244521A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015138179A (ja) * | 2014-01-23 | 2015-07-30 | 王子ホールディングス株式会社 | 微細構造体および微細構造体の製造方法 |
-
2008
- 2008-03-31 JP JP2008089919A patent/JP2009244521A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015138179A (ja) * | 2014-01-23 | 2015-07-30 | 王子ホールディングス株式会社 | 微細構造体および微細構造体の製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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