JP2009020243A - 光学補償素子の製造方法及びプロジェクタ - Google Patents

光学補償素子の製造方法及びプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】研削・研磨後の無機基板の面内厚みむらを低減することが可能で、かつ、研削・研磨後の無機基板に割れや欠けが発生するのを抑制することが可能な光学補償素子の製造方法を提供する。
【解決手段】複屈折性を有する無機材料からなる無機基板30と、無機基板30を支持する透光性支持基板20とを準備する基板準備工程と、接着剤Cを用いて、無機基板30と透光性支持基板20との間にギャップ制御微粒子40を介した状態で、無機基板30と透光性支持基板20とを接着する基板接着工程と、無機基板30及び透光性支持基板20を研削・研磨装置にセットして、無機基板30を研削・研磨する無機基板研削・研磨工程とをこの順序で含む光学補償素子の製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、光学補償素子の製造方法及びプロジェクタに関する。
従来、プロジェクタの投写画像のコントラスト向上が求められており、その要求に応えるものとして、液晶光変調装置に光学補償素子が配置されたプロジェクタが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。従来のプロジェクタによれば、光学補償素子を備えているため、液晶パネルのプレチルト角に起因する複屈折(液晶分子によって生ずる光学的な位相差)を補償することができ、その結果、投写画像のコントラストを向上することが可能となる。
光学補償素子としては、有機材料系の光学補償素子(例えば延伸位相差フィルム)のほかに、無機材料系の光学補償素子が知られている。無機材料系の光学補償素子は、例えば、水晶やサファイア等の複屈折性の無機光学補償板を有する。このような無機材料系の光学補償素子は、有機材料系の光学補償素子に比べて、耐熱性、放熱性及び耐光性に優れ、長寿命であり、屈折率異方性の面内均一性がよいという長所を有する。
なお、光学補償素子における無機光学補償板は、例えば研削・研磨装置で研削・研磨して薄くしているが、そのように薄片化された無機光学補償板は単独では扱いづらいことから、所定の厚みを有する透光性支持基板の表面に当該薄片化された無機光学補償板を貼り付けた状態で用いている。
特開2003−131320号公報
ところで、無機光学補償板と透光性支持基板とを備える光学補償素子を製造する方法としては、まず無機基板と透光性支持基板とを例えば接着剤によって接着し、無機基板と透光性支持基板とを接着した部材における透光性支持基板側の面を研削・研磨皿に仮着して、無機基板を所定の厚みとなるまで研削・研磨した後、研削・研磨後の無機基板を透光性支持基板とともに研削・研磨皿から剥離する方法が考えられる。
しかしながら、上記の製造方法によって光学補償素子を製造する場合には、無機基板と透光性支持基板とを接着したときの接着剤の厚みにバラつきがあると、透光性支持基板に接着された無機基板に歪み等が生じてしまい、結果として、研削・研磨後の無機基板(無機光学補償板)の面内厚みむらが発生してしまう。また、無機基板と透光性支持基板とを接着したときの接着剤の厚みにバラつきがあると、部分的に無機基板を越えて接着層にまで研削・研磨が及んでしまうこともあり、結果として、研削・研磨後の無機基板に割れや欠けが発生してしまう。
そこで、本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、研削・研磨後の無機基板の面内厚みむらを低減することが可能で、かつ、研削・研磨後の無機基板に割れや欠けが発生するのを抑制することが可能な光学補償素子の製造方法を提供することを目的とする。また、このような優れた製造方法によって製造された光学補償素子を備えるプロジェクタを提供することを目的とする。
本発明の光学補償素子の製造方法は、複屈折性を有する無機材料からなる無機基板と、前記無機基板を支持する透光性支持基板とを準備する基板準備工程と、接着剤を用いて、前記無機基板と前記透光性支持基板との間にギャップ制御微粒子を介した状態で、前記無機基板と前記透光性支持基板とを接着する基板接着工程と、前記無機基板及び前記透光性支持基板を研削・研磨装置にセットして、前記無機基板を研削・研磨する無機基板研削・研磨工程とをこの順序で含むことを特徴とする。
このため、本発明の光学補償素子の製造方法によれば、無機基板と透光性支持基板との間にギャップ制御微粒子を介した状態で、無機基板と透光性支持基板とを接着することとしているため、ギャップ制御微粒子によって接着剤の厚みバラつきを軽減することができ、接着後の無機基板の歪み等を軽減することが可能となる。その結果、研削・研磨後の無機基板(無機光学補償板)の面内厚みむらを低減することが可能となる。
また、本発明の光学補償素子の製造方法によれば、ギャップ制御微粒子によって接着剤の厚みバラつきを軽減することができることから、部分的に無機基板を越えて接着層にまで研削・研磨が及んでしまうのを抑制することができ、その結果、研削・研磨後の無機基板に割れや欠けが発生するのを抑制することが可能となる。
本発明の光学補償素子の製造方法においては、前記ギャップ制御微粒子として、前記無機基板の屈折率と前記透光性支持基板の屈折率との間の屈折率を有するギャップ制御微粒子を用いることが好ましい。
このような方法とすることにより、不要な光散乱の発生を抑制することができるため、光透過率に優れた光学補償素子を製造することができる。
本発明の光学補償素子の製造方法においては、前記ギャップ制御微粒子として、直径が10μm以下の球状微粒子を用いることが好ましい。
比較的大きなギャップ制御微粒子を用いると、必然的に接着剤の厚みも大きくなるが、この場合、接着剤の黄変による影響も大きくなってしまい、接着剤の信頼性が低下してしまうという不具合がある。これに対し、本発明の光学補償素子の製造方法によれば、直径が10μm以下の球状微粒子をギャップ制御微粒子として用いているため、接着剤の厚みがそれほど大きくなることもない。その結果、接着剤の黄変による影響を小さくすることができ、接着剤の信頼性の低下を抑制することが可能となる。
本発明の光学補償素子の製造方法においては、前記ギャップ制御微粒子として、プラスチック材料からなるギャップ制御微粒子を用いることが好ましい。
プラスチック材料からなるギャップ制御微粒子は、比較的安価であるため、上記のような方法とすることにより、光学補償素子の製造コストを低減することができる。
本発明の光学補償素子の製造方法においては、前記無機基板として、水晶基板又はサファイア基板を用いることが好ましい。
このような方法とすることにより、有機材料系の光学補償素子(例えば延伸位相差フィルム)に比べて、耐熱性、放熱性及び耐光性に優れ、長寿命であり、屈折率異方性の面内均一性がよい光学補償素子を製造することができる。
本発明のプロジェクタは、本発明の光学補償素子の製造方法によって製造された光学補償素子を備えることを特徴とする。
このため、本発明のプロジェクタは、投写画像のコントラストを向上することが可能で、平面度の高い光学補償素子を備えるプロジェクタとなる。
以下、本発明の光学補償素子の製造方法及びプロジェクタについて、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
[実施形態]
まず、実施形態に係るプロジェクタ1000の構成について、図1を用いて説明する。
図1は、実施形態に係るプロジェクタ1000を説明するために示す図である。図1(a)はプロジェクタ1000の光学系を示す図であり、図1(b)はプロジェクタ1000の要部を示す図である。
実施形態に係るプロジェクタ1000は、図1に示すように、照明装置100と、照明装置100からの照明光束を赤色光、緑色光及び青色光の3つの色光に分離して被照明領域に導光する色分離導光光学系200と、色分離導光光学系200で分離された3つの色光のそれぞれを画像情報に応じて変調する3つの液晶光変調装置400R,400G,400Bと、3つの液晶光変調装置400R,400G,400Bによって変調された色光を合成するクロスダイクロイックプリズム500と、クロスダイクロイックプリズム500によって合成された光をスクリーンSCR等の投写面に投写する投写光学系600とを備えたプロジェクタである。
照明装置100は、被照明領域側に照明光束を射出する光源装置110と、光源装置110から射出される照明光束を複数の部分光束に分割するための複数の第1小レンズ122を有する第1レンズアレイ120と、第1レンズアレイ120の複数の第1小レンズ122に対応する複数の第2小レンズ132を有する第2レンズアレイ130と、第2レンズアレイ130からの各部分光束を偏光方向の揃った略1種類の直線偏光に変換して射出する偏光変換素子140と、偏光変換素子140から射出される各部分光束を被照明領域で重畳させるための重畳レンズ150とを有する。
光源装置110は、楕円面リフレクタ114と、楕円面リフレクタ114の第1焦点近傍に発光中心を有する発光管112と、発光管112から被照明領域側に向けて射出される光を発光管112に向けて反射する副鏡116と、楕円面リフレクタ114からの集束光を略平行光として射出する凹レンズ118とを有する。光源装置110は、照明光軸100axを中心軸とする光束を射出する。
発光管112は、管球部と、管球部の両側に延びる一対の封止部とを有する。管球部は、球状に形成された石英ガラス製であって、この管球部内に配置された一対の電極と、管球部内に封入された水銀、希ガス及び少量のハロゲンとを有する。発光管112としては、種々の発光管を採用でき、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を採用できる。
楕円面リフレクタ114は、発光管112の一方の封止部に挿通・固着される筒状の首状部と、発光管112から放射された光を第2焦点位置に向けて反射する反射凹面とを有する。
副鏡116は、発光管112の管球部の略半分を覆い、楕円面リフレクタ114の反射凹面と対向して配置される反射手段である。副鏡116は、発光管112の他方の封止部に挿通・固着されている。副鏡116は、発光管112から放射された光のうち楕円面リフレクタ114に向かわない光を発光管112に戻し楕円面リフレクタ114に入射させる。
凹レンズ118は、楕円面リフレクタ114の被照明領域側に配置されている。そして、楕円面リフレクタ114からの光を第1レンズアレイ120に向けて射出するように構成されている。
第1レンズアレイ120は、凹レンズ118からの光を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、複数の第1小レンズ122が照明光軸100axと直交する面内に複数行・複数列のマトリクス状に配列された構成を有する。図示による説明は省略するが、第1小レンズ122の外形形状は、後述する液晶パネル410R,410G,410Bの画像形成領域の外形形状に関して相似形である。
第2レンズアレイ130は、重畳レンズ150とともに、第1レンズアレイ120の各第1小レンズ122の像を液晶パネル410R,410G,410Bの画像形成領域近傍に結像させる機能を有する。第2レンズアレイ130は、第1レンズアレイ120と略同様な構成を有し、複数の第2小レンズ132が照明光軸100axに直交する面内に複数行・複数列のマトリクス状に配列された構成を有する。
偏光変換素子140は、第1レンズアレイ120により分割された各部分光束の偏光方向を、偏光方向の揃った略1種類の直線偏光として射出する偏光変換素子である。
偏光変換素子140は、光源装置110からの照明光束のうち一方の偏光成分(例えばP偏光成分)を有する光を透過し他方の偏光成分(例えばS偏光成分)を有する光を照明光軸100axに垂直な方向に反射する偏光分離層と、偏光分離層で反射された他方の偏光成分を有する光を照明光軸100axに平行な方向に反射する反射層と、偏光分離層を透過した一方の偏光成分を有する光を他方の偏光成分を有する光に変換する位相差板とを有する。
重畳レンズ150は、第1レンズアレイ120、第2レンズアレイ130及び偏光変換素子140を経た複数の部分光束を集光して液晶パネル410R,410G,410Bの画像形成領域近傍に重畳させるための光学素子である。重畳レンズ150の光軸と照明装置100の照明光軸100axとが略一致するように、重畳レンズ150が配置されている。なお、重畳レンズ150は、複数のレンズを組み合わせた複合レンズで構成されていてもよい。
色分離光学系200は、ダイクロイックミラー210,220と、反射ミラー230,240,250と、入射側レンズ260と、リレーレンズ270とを有する。色分離光学系200は、重畳レンズ150から射出される照明光束を、赤色光、緑色光及び青色光の3つの色光に分離して、それぞれの色光を照明対象となる3つの液晶光変調装置400R,400G,400Bに導く機能を有する。
ダイクロイックミラー210,220は、基板上に所定の波長領域の光束を反射し、他の波長領域の光束を透過する波長選択膜が形成された光学素子である。光路前段に配置されるダイクロイックミラー210は、赤色光成分を反射し、その他の色光成分を透過させるミラーである。光路後段に配置されるダイクロイックミラー220は、緑色光成分を反射し、青色光成分を透過させるミラーである。
ダイクロイックミラー210で反射された赤色光成分は、反射ミラー230により曲折され、集光レンズ300Rを介して赤色光用の液晶光変調装置400Rに入射する。集光レンズ300Rは、重畳レンズ150からの各部分光束を各主光線に対して略平行な光束に変換するために設けられている。なお、他の集光レンズ300G,300Bも、集光レンズ300Rと同様に構成されている。
ダイクロイックミラー210を通過した緑色光成分及び青色光成分のうち緑色光成分は、ダイクロイックミラー220で反射され、集光レンズ300Gを通過して緑色光用の液晶光変調装置400Gに入射する。一方、青色光成分は、ダイクロイックミラー220を透過し、入射側レンズ260、入射側の反射ミラー240、リレーレンズ270、射出側の反射ミラー250及び集光レンズ300Bを通過して青色光用の液晶光変調装置400Bに入射する。入射側レンズ260、リレーレンズ270及び反射ミラー240,250は、ダイクロイックミラー220を透過した青色光成分を液晶光変調装置400Bまで導く機能を有する。
液晶光変調装置400R,400G,400Bは、画像情報に応じて照明光束を変調するものであり、照明装置100の照明対象となる。
液晶光変調装置400R,400G,400Bは、液晶パネル410R,410G,410Bと、液晶パネル410R,410G,410Bの光入射側に配置される入射側偏光板420R,420G,420Bと、液晶パネル410R,410G,410Bの光射出側に配置される射出側偏光板430R,430G,430Bと、入射側偏光板420R,420G,420Bと液晶パネル410R,410G,410Bとの間に配置される光学補償素子440R,440G,440Bと、液晶パネル410R,410G,410Bと射出側偏光板430R,430G,430Bとの間に配置される光学補償素子450R,450G,450Bとを有する。
液晶パネル410R,410G,410Bは、一対の透明なガラス基板(対向基板とTFT基板)に電気光学物質である液晶を密閉封入したものであり、TN型の液晶パネルである。例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として、与えられた画像情報に従って、入射側偏光板420R,420G,420Bから射出される1種類の直線偏光の偏光方向を変調する。また、液晶パネル410R,410G,410Bの光入射側及び光射出側には、それぞれ防塵ガラス(図示せず。)が設けられている。
入射側偏光板420R,420G,420B、液晶パネル410R,410G,410B及び射出側偏光板430R,430G,430Bによって入射する各色光の光変調が行われる。
光学補償素子440R,440G,440B,450R,450G,450Bは、液晶パネル410R,410G,410Bのプレチルト角に起因する複屈折(液晶分子によって生ずる光学的な位相差)を補償するための素子であり、ここでは詳細な説明を省略するが、複屈折性の無機材料からなる無機光学補償板と、無機光学補償板を支持する透光性支持基板とを有する。無機光学補償板は、例えば水晶からなる無機光学補償板であり、透光性支持基板は、例えば石英ガラスからなる透光性支持基板である。
なお、これら光学補償素子440R,440G,440B,450R,450G,450Bの製造方法については、詳細に後述する。
クロスダイクロイックプリズム500は、射出側偏光板430R,430G,430Bから射出された各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム500は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。略X字状の一方の界面に形成された誘電体多層膜は、青色光を反射するものであり、他方の界面に形成された誘電体多層膜は、赤色光を反射するものである。これらの誘電体多層膜によって青色光及び赤色光は曲折され、緑色光の進行方向と揃えられることにより、3つの色光が合成される。
クロスダイクロイックプリズム500から射出されたカラー画像は、投写光学系600によって拡大投写され、スクリーンSCR上で大画面画像を形成する。
次に、光学補償素子440R,440G,440B,450R,450G,450Bを製造するための製造方法(実施形態に係る光学補償素子の製造方法)について、図2及び図3を用いて説明する。なお、光学補償素子440R,440G,440B,450R,450G,450Bは、以下の説明における光学補償素子1と同一の構成からなるとともに、同一の製造方法によって製造されたものである。
図2は、光学補償素子1の構成を示す図である。
図3は、実施形態に係る光学補償素子の製造方法を説明するために示す図である。図3(a)〜図3(c)は各工程を模式的に示す図であって、図3(a)は基板準備工程を示す図であり、図3(b)は基板接着工程を示す図であり、図3(c)は無機基板研削・研磨工程を示す図である。
なお、図2及び図3においては、説明を簡略化するため、各部材(無機光学補償板10、透光性支持基板20、無機基板30など)の厚みや大きさなどについては誇張して図示している。
実施形態に係る光学補償素子の製造方法は、図2に示すように、無機光学補償板10と、無機光学補償板10を支持する透光性支持基板20とを有する光学補償素子1を製造するための製造方法であって、図3に示すように、「基板準備工程」、「基板接着工程」及び「無機基板研削・研磨工程」が順次実施される。以下、これら各工程を順次説明する。
1.基板準備工程
まず、図3(a)に示すように、複屈折性を有する無機材料からなる無機基板30と、透光性支持基板20とを準備する。
無機基板30としては、例えば水晶基板を用いている。研削・研磨前の無機基板30の厚みは、例えば500μmである。透光性支持基板20としては、例えば石英ガラス基板を用いている。透光性支持基板20の厚みは、例えば500μmである。
2.基板接着工程
次に、図3(b)に示すように、接着剤Cを用いて、無機基板30と透光性支持基板20との間にギャップ制御微粒子40を介した状態で、無機基板30と透光性支持基板20とを接着する。
ギャップ制御微粒子40としては、プラスチック材料からなり、例えば直径が6μmの球状微粒子を用いている。ギャップ制御微粒子40は、無機基板30の屈折率と透光性支持基板20の屈折率との間の屈折率を有する。
接着剤Cとしては、紫外線硬化性の樹脂接着剤を用いている。なお、当該接着剤を硬化する方法としては、蛍光灯下で接着剤を仮硬化した後、UVベルト炉で本硬化することが好ましい。このように仮硬化を行うことによって、連鎖反応を促進して樹脂の分子量を大きくすることができ、接着力を高めることができる。
3.無機基板研削・研磨工程
そして、図3(c)に示すように、無機基板30及び透光性支持基板20を研削・研磨装置(図示せず。)にセットして、無機基板30を所定の厚み(例えば7μm)となるまで研削・研磨する。
以上の工程を実施することにより、図2に示す光学補償素子1(光学補償素子440R,440G,440B,450R,450G,450B)を製造することができる。
ここで、実施形態に係る光学補償素子の製造方法をさらに説明するため、実施形態の比較例に係る光学補償素子の製造方法について、図4を用いて説明する。
図4は、比較例に係る光学補償素子の製造方法を説明するために示す図である。図4(a)〜図4(c)は各工程を模式的に示す図であって、図4(a)は基板準備工程を示す図であり、図4(b)は基板接着工程を示す図であり、図4(c)は無機基板研削・研磨工程を示す図である。
比較例に係る光学補償素子の製造方法は、実施形態に係る光学補償素子の製造方法と同様に、無機基板32と透光性支持基板22とを準備する基板準備工程と、接着剤Cを用いて無機基板32と透光性支持基板22とを接着する基板接着工程と、無機基板32を研削・研磨する無機基板研削・研磨工程とをこの順序で含んでいるが、基板接着工程においてギャップ制御微粒子を用いていない点で、実施形態に係る光学補償素子の製造方法とは異なる。
このため、比較例に係る光学補償素子の製造方法によれば、図4(b)に示すように、無機基板32と透光性支持基板22とを接着したときの接着剤Cの厚みにバラつきがあると、透光性支持基板22に接着された無機基板32に歪み等が生じてしまい、結果として、研削・研磨後の無機基板32(無機光学補償板12)の面内厚みむらが発生してしまう。また、無機基板32と透光性支持基板22とを接着したときの接着剤Cの厚みにバラつきがあると、部分的に無機基板32を越えて接着層にまで研削・研磨が及んでしまうこともあり、結果として、研削・研磨後の無機基板32に割れや欠けが発生してしまう。
これに対し、実施形態に係る光学補償素子の製造方法によれば、無機基板30と透光性支持基板20との間にギャップ制御微粒子40を介した状態で、無機基板30と透光性支持基板20とを接着することとしているため、ギャップ制御微粒子40によって接着剤Cの厚みバラつきを軽減することができ、接着後の無機基板30の歪み等を軽減することが可能となる。その結果、研削・研磨後の無機基板30(無機光学補償板10)の面内厚みむらを低減することが可能となる。
また、実施形態に係る光学補償素子の製造方法によれば、ギャップ制御微粒子40によって接着剤Cの厚みバラつきを軽減することができることから、部分的に無機基板30を越えて接着層にまで研削・研磨が及んでしまうのを抑制することができ、その結果、研削・研磨後の無機基板30に割れや欠けが発生するのを抑制することが可能となる。
実施形態に係る光学補償素子の製造方法においては、ギャップ制御微粒子40として、無機基板30の屈折率と透光性支持基板20の屈折率との間の屈折率を有するギャップ制御微粒子を用いているため、不要な光散乱の発生を抑制することができ、光透過率に優れた光学補償素子を製造することができる。
実施形態に係る光学補償素子の製造方法においては、ギャップ制御微粒子40として、直径が10μm以下の球状微粒子を用いているため、接着剤Cの厚みがそれほど大きくなることもない。その結果、接着剤の黄変による影響を小さくすることができ、接着剤の信頼性の低下を抑制することが可能となる。
実施形態に係る光学補償素子の製造方法においては、ギャップ制御微粒子40として、プラスチック材料からなるギャップ制御微粒子を用いているため、光学補償素子の製造コストを低減することができる。
実施形態に係る光学補償素子の製造方法においては、無機基板30として、水晶基板を用いているため、有機材料系の光学補償素子(例えば延伸位相差フィルム)に比べて、耐熱性、放熱性及び耐光性に優れ、長寿命であり、屈折率異方性の面内均一性がよい光学補償素子を製造することができる。
実施形態に係る光学補償素子の製造方法においては、透光性支持基板20として、石英ガラス基板を用いている。石英ガラス基板は複屈折が小さいため、透光性支持基板20を通過する光束の品質低下を抑制することができ、高品質な光学補償素子を製造することができる。
実施形態に係るプロジェクタ1000は、実施形態に係る光学補償素子の製造方法によって製造された光学補償素子440R,440G,440B,450R,450G,450Bを備えるため、投写画像のコントラストを向上することが可能で、平面度の高い光学補償素子を備えるプロジェクタとなる。
以上、本発明の光学補償素子の製造方法及びプロジェクタを上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記実施形態においては、無機基板として、水晶基板を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、サファイア基板を用いてもよいし、他の複屈折性を有する無機材料(例えば、ウルツ鉱、金紅石、チリ硝石、電気石、硫化カドミウム等)からなる無機基板を用いてもよい。
(2)上記実施形態においては、透光性支持基板として、石英ガラス基板を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、白板ガラス、パイレックス(登録商標)、結晶化ガラス、立方晶の焼結体からなる基板を用いてもよい。
(3)上記実施形態においては、液晶パネルの光入射側及び光射出側にそれぞれ1枚ずつ光学補償素子が配置されている場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。光学補償素子の枚数及び配置位置については、液晶パネルの種類等に応じて適宜変更してもよい。
(4)上記実施形態においては、液晶パネルと光学補償素子とは離隔して配置されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、液晶パネルと光学補償素子とを貼り合わせ、当該光学補償素子を液晶パネルに設けられる防塵ガラスの代わりとして用いてもよい。
(5)上記実施形態においては、光源装置として、楕円面リフレクタからなる光源装置を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、放物面リフレクタからなる光源装置を用いてもよい。
(6)上記実施形態においては、光均一化光学系として、レンズアレイからなるレンズインテグレータ光学系を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、インテグレータロッドからなるロッドインテグレータ光学系を用いてもよい。
(7)上記実施形態においては、3つの液晶光変調装置を用いたいわゆる3板式の液晶プロジェクタに本発明が適用される場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つ、2つ又は4つ以上の液晶光変調装置を用いたプロジェクタにも本発明を適用することができる。
(8)本発明の光学補償素子の製造方法を実施することにより、上述した光透過型の液晶光変調装置に用いる光学補償素子を製造できるのはもちろん、光反射型の液晶光変調装置に用いる光学補償素子も製造することができる。
(9)本発明は、投写画像を観察する側から投写するフロント投写型プロジェクタに適用する場合にも、投写画像を観察する側とは反対の側から投写するリア投写型プロジェクタに適用する場合にも可能である。
実施形態に係るプロジェクタ1000を説明するために示す図。 光学補償素子1の構成を示す図。 実施形態に係る光学補償素子の製造方法を示すフローチャート。 比較例に係る光学補償素子の製造方法を説明するために示す図。
符号の説明
1,440R,440G,440B,450R,450G,450B…光学補償素子、10,12…無機光学補償板、20,22…透光性支持基板、30,32…無機基板、40…ギャップ制御微粒子、100…照明装置、100ax…照明光軸、110…光源装置、112…発光管、114…楕円面リフレクタ、116…副鏡、118…凹レンズ、120…第1レンズアレイ、122…第1小レンズ、130…第2レンズアレイ、132…第2小レンズ、140…偏光変換素子、150…重畳レンズ、200…色分離導光光学系、210,220…ダイクロイックミラー、230,240,250…反射ミラー、260…入射側レンズ、270…リレーレンズ、300R,300G,300B…集光レンズ、400R,400G,400B…液晶光変調装置、410R,410G,410B…液晶パネル、420R,420G,420B…入射側偏光板、430R,430G,430B…射出側偏光板、500…クロスダイクロイックプリズム、600B…投写光学系、1000…プロジェクタ、C…接着剤、SCR…スクリーン

Claims (6)

  1. 複屈折性を有する無機材料からなる無機基板と、前記無機基板を支持する透光性支持基板とを準備する基板準備工程と、
    接着剤を用いて、前記無機基板と前記透光性支持基板との間にギャップ制御微粒子を介した状態で、前記無機基板と前記透光性支持基板とを接着する基板接着工程と、
    前記無機基板及び前記透光性支持基板を研削・研磨装置にセットして、前記無機基板を研削・研磨する無機基板研削・研磨工程とをこの順序で含むことを特徴とする光学補償素子の製造方法。
  2. 請求項1に記載の光学補償素子の製造方法において、
    前記ギャップ制御微粒子として、前記無機基板の屈折率と前記透光性支持基板の屈折率との間の屈折率を有するギャップ制御微粒子を用いることを特徴とする光学補償素子の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の光学補償素子の製造方法において、
    前記ギャップ制御微粒子として、直径が10μm以下の球状微粒子を用いることを特徴とする光学補償素子の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光学補償素子の製造方法において、
    前記ギャップ制御微粒子として、プラスチック材料からなるギャップ制御微粒子を用いることを特徴とする光学補償素子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光学補償素子の製造方法において、
    前記無機基板として、水晶基板又はサファイア基板を用いることを特徴とする光学補償素子の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光学補償素子の製造方法によって製造された光学補償素子を備えることを特徴とするプロジェクタ。
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