JP4375359B2 - 内燃機関のピストン - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のピストンに関する。より詳しくはディーゼルエンジンや直噴式ガソリンエンジンなどの筒内噴射式内燃機関のピストンに関する。
ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関のピストンにおいて、噴射した燃焼が衝突するピストンの頂面に低熱伝導部材を配置して、燃料衝突部からピストン本体への熱伝導を抑制することで、機関始動時などの冷間運転時における未燃焼炭化水素や煤の生成を抑制するようにした内燃機関のピストンが知られている。
例えば、特許文献1には、チタン系合金の焼結材により形成された低熱伝導部材を頂部(燃料衝突部)に設けたアルミニウム合金製のピストンが記載されている。チタン系合金の焼結材は熱伝導率がピストン本体に使用されるアルミニウム合金の約1/10程度であるので、ピストン燃焼室壁面の温度上昇により燃料の霧化を促進して燃焼状態を改善することができる。
しかし、低熱伝導部材にチタン系合金を用いているので、チタン系合金とアルミニウム合金との熱膨張の違いによりチタン系合金に熱疲労破壊が生じるという問題がある。
特開2000−186617号公報
本発明は上記の問題を解決するためになされたもので、熱伝導率が小さくかつ熱膨張特性がピストン母材であるアルミニウム合金に近似している低熱伝導部材を備えた内燃機関のピストンを提供することを課題とする。
本発明者は、Mnの熱伝導率がFeの約1/10であり、かつその線膨張係数がFeの約2倍であることに着目して、合金組成の最適化を図ることで好適なピストンの低熱伝導部材を得ることができることを見出し、鋭意研究の結果本発明を完成させた。
本発明の内燃機関のピストンは、アルミニウム合金からなるピストン本体の頂部に低熱伝導部材が配置された内燃機関のピストンであって、低熱伝導部材は、Mnを10〜60質量%含有し、残部はFe及び不可避的不純物からなる焼結体であることを特徴とする。
また、本発明の内燃機関のピストンにおいて、低熱伝導部材はさらにCを含むことができる。そして、このような低熱伝導部材はMnを10〜60質量%、Cを0.3〜2質量%含有し、残部はFe及び不可避的不純物からなる焼結体であることが望ましい。
さらに、本発明の内燃機関のピストンにおける低熱伝導部材は、窒素雰囲気中で焼結した焼結体としてもよい。
本発明の内燃機関のピストンは、ピストンの頂面に熱伝導率の小さいFe−Mn合金の低熱伝導部材を配置しているので、内燃機関の燃焼室の温度上昇および燃料の気化を効果的に促進させることができる。
また、Fe−Mn合金の線膨張係数をピストン母材であるアルミニウム合金の線膨張係数に近接させることができるので、ピストン母材と低熱伝導部材との熱膨張率の違いによる低熱伝導材の熱疲労破壊や脱落の発生を回避することができる。
また、Cを加えることで低熱伝導部材の線膨張係数をさらに増大させるとともに、熱伝導率をさらに低減することができる。従って、内燃機関の燃焼室の温度上昇および燃料の気化をさらに促進させることができるとともに、低熱伝導部材のピストン母材への固着を安定的に維持することができる。
また、低熱伝導部材をFe−Mn合金粉末の焼結体とすることで、さらに一層熱伝率を低下することができる。このような焼結体は窒素雰囲気中で焼結されるので、粉末酸化が少なく粉末間の元素拡散が阻害されないために、焼結体の強度を向上することができる。
本発明の好適な実施の形態について図を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態の一例を示すピストンの断面概略図である。
本発明のピストン10は、ピストン本体12とその頂面に配設された低熱伝導部材14とを備えている。
ピストン本体12は、例えばAC8Aなどのアルミニウム合金(以後、ピストン母材ともいう)の鋳物によって形成されており、ピストン本体12の頂面には図示しないシリンダヘッド及びシリンダとともに燃焼室を区画する凹部16が形成されている。なお、18はピストンピンを挿通するピン穴である。
そして、この凹部16に向けて燃料が噴射されるようになっており、凹部16の燃料が吹き付けられる部分(燃料衝突部)に低熱伝導部材14が配設されている。低熱伝導部材14はアルミニウム合金に比べてはるかに熱伝導率が低いので、効率よく昇温されて燃料の気化を促進することができる。
本実施の形態において、低熱伝導部材14は、熱伝導率の低いFe−Mn合金の焼結体によって形成されている。Fe−Mn合金の焼結体は、従来用いられているチタン系合金の焼結体よりも熱伝導率が低く、かつ線膨張係数がピストン母材のアルミニウム合金(AC8A)に極めて近似している。このため、低熱伝導部材14をピストンの頂面に固定配置しても、機関運転時にアルミニウム合金に接する外周部に引張応力が作用することがなく、良好な固着状態を維持することができる。
図2に本実施の形態の低熱伝導部材(焼結体)の組織写真を示す。この焼結体はFe−Mn合金粉末に純鉄粉末と黒鉛とを所定の割合で配合し、所定の方法で焼結して得られたものであり、AはFe−Mn合金粉末、Bは純鉄粉末、Cは空隙(気孔)である。なお、炭素は拡散してほぼ均一に分布している。Fe−Mn合金粉末Aの周囲の純鉄粉末Bは、合金粉末AのMnが拡散してオーステナイト相を生じており、このオーステナイト相が焼結体の熱伝導率の低下と、線膨張係数の増大とに寄与しているものと推察される。
ところで、焼結体の熱伝導率と線膨張係数とはそのMn含有量により変化する。図3に示すように、Mn含有量の増加に伴って、線膨張係数α(●)は増加し、熱伝導率κ(□)は低下する。図3において、横線Lはアルミニウム合金(AC8A)の線膨張係数(α=19.5×10−6/K)であり、Mn含有量が高いほど焼結体の線膨張係数はピストン母材の線膨張係数に近接することが分かる。
また、焼結体の強度もそのMn含有量により変化し、図4に示すように、Mn含有量の増加に伴って焼結体の引張強さσは低下する。ピストン母材であるAC8Aの引張強さは横線Mで示す230MPaであるので、Mn含有量が60質量%を超えると適当ではないことが分かる。
以上のように、焼結体(低熱伝導部材14)の好適なMn含有量は10〜60質量%である。より好ましくは、15〜40質量%である。
焼結体にはさらにCを含有してもよい。Fe−Mn合金にCを含有することで、焼結体の線膨張係数をさらに増大させるとともに、熱伝導率をさらに低下させることができる。
図5にCの含有量による焼結体の熱伝導率κと線膨張係数αの変化を、また、図6にはCの含有量による焼結体の引張強さσの変化を示す。図5に示すように、C含有量の増加に伴い、線膨張係数α(●)は増加し、熱伝導率κ(□)は低下する。
また、図6からC含有量の増加に伴い焼結体の引張強さが低下することが分かる。そして、C含有量が2質量%を超えると焼結体の引張強さはアルミニウム合金の引張強さよりも低くなる。
図5及び図6から、焼結体(低熱伝導部材14)の好適なC含有量は2質量%以下であり、より好ましくは、0.3〜1.5質量%であることが分かる。
以上のような焼結体からなる低熱伝導部材14は、原料調製工程、成形工程および焼結工程を経て形成することができる。
まず、原料調製工程では、Mn含有量が10〜60質量%でC含有量が2質量%以下となるように原料粉末(Fe−Mn合金粉末、Mn粉末、黒鉛、鉄粉)を配合して均一になるまで混合する。各々の原料粉末には特に制約はないが、Fe−Mn合金粉末は粒径が
20〜150μm程度のガスアトマイズ粉末を、Mn粉末は粒径が10〜50μm程度のMn塊を粉砕した粉砕粉末を、また、黒鉛は粒径が3〜50μm程度の黒鉛粉末を、鉄粉は粒径が20〜150μm程度の純鉄粉を例示することができる。
次に、成形工程では混合した原料粉末を金型などに充填して所定の形状に加圧成形する。この加圧成形時に、粉末材料を圧縮する荷重を調整することで焼結体の強度や気孔率を所望の範囲にする。本実施の形態では、圧縮荷重は500〜1000MPaとすることが望ましい。圧縮荷重が500MPa未満では焼結体の十分な強度を得ることができない。また、1000MPaを超えて大きいと成形型が焼き付くことがあるので好ましくない。より好ましくは600〜800MPaである。
続いて、上記のようにして形成された加圧成形体を1100〜1300℃で10〜60分間焼結することで焼結体(低熱伝導部材14)を得る。焼結温度が1100℃未満では強度が不十分となり、一方、1300℃を超えて高いと粗大な気孔を生じることがあるので適当ではない。より好ましくは、1150〜1250℃である。
なお、この焼結工程は、窒素分圧が2〜4気圧程度の窒素ガス雰囲気中で実施するとよい。これはFe−Mn合金粉末は酸化しやすいので、一般的に用いられるRXガス雰囲気では酸化が多く、強度が低下することがあるからである。
以下、試験例によって本発明における低熱伝導部材について詳しく説明する。
(試料の作製)
表1に示す原料粉末を用いて発明例と比較例の焼結体を作製した。
Figure 0004375359
まず、Mnを49.7質量%含み残部が実質的に鉄である粒径が150μm以下のガスアトマイズ粉末(A)、あるいは、鉄を0.05質量%含み残部が実質的にMnであるMn塊を粉砕した粉末(B)に黒鉛と鉄粉とを原料粉末として、表2に示す割合で配合した。
次に、所定の割合で配合した粉末をV型混粉器で均一に混合して金型へ充填し、プレスで加圧成形して長さ50mm×縦10mm×横10mmの板状の成形体を作製した。なお、プレスの加圧力は800MPaであった。
次いで、得られた成形体を窒素分圧が2200mmHgの窒素雰囲気中で1150℃×30分加熱して焼結し、焼結体No.1〜11を得た。
また、比較のために、Niを11質量%、Crを18.7質量%含み残部が実質的に鉄である粒径が150μm以下のSUS304の水アトマイズ粉末(C)と、クロール法によって得られたTi粉末とを用いて、それぞれ長さ50mm×縦10mm×横10mmの板状の成形体を作製した。なお、プレス圧力は上記と同様に800MPaであった。次に、得られた成形体を真空雰囲気中で1150℃×30分加熱して焼結し、ステンレス焼結体No.12とチタン焼結体No.13とを得た。
Figure 0004375359
(測定方法)
上記のようにして得られた焼結体No.1〜13のそれぞれから適宜の試験片を切り出して、それぞれの熱伝導率κ(W/(m・K))と線膨張係数α(×10−6/K)、および引張強さσ(MPa)を測定した。
なお、熱伝導率κは、JIS R 1611(1997)に規定するレーザフラッシュ法による熱拡散率・比熱容量・熱伝導率試験方法に準じ、線膨張率αは、試料台の端部と検出棒との間に試料を挿入し、温度変化に伴う試料長さの変化を検出棒の変位として変位計で測定する方法によって求めた。引張強さσは、上記の焼結体試料から粉体粉末冶金協会金属焼結体用試験片として規定する試験片を切り出し、JIS Z 8401に準じて求めた。
昇温速度υ(℃/分)は、図7に示すようにして求めた。すなわち、上記と同様にして成形した厚さ3mm×直径30mmの焼結体円板Sを、ピストン母材と同様のAC8Aからなるホルダ(厚さ10mm×直径75mm)Jの中央に固定し、このホルダJに矢印のように冷却水Wを流通し、円板Sの中央をヒータHで加熱して赤外線放射温度計Tで円板Sの表面温度変化を測定した。なお、ヒータHは450℃の熱風を連続的に吹き付けるヒータブロワであり、水平面に対してβ=40°の角度で設置し、試料円板Sの中心からd=80mm離して熱風を吹き付けるようにした。
(試験結果)
結果をピストンの母材であるアルミニウム合金(AC8Aの鋳造材)の各特性値(試料No.14)とともに表3に示す。
Figure 0004375359
本発明材である試料No.1〜8の熱伝導率κは、7〜10.3W/m・Kであり、鉄系材料の中では熱伝導率κが比較的小さい試料No.12のSUS304(16W/m・K)や、試料No.13のチタン(17W/m・K)よりも小さいことが分かる。このため、本発明材である焼結体No.1〜8では昇温速度υ(℃/分)が、130〜190℃/分と、といずれの試料においてもSUS304やチタンの昇温速度(υ=100℃/分)よりも早いことが確認された。
また、本発明材である試料No.1〜8の線膨張係数αは15〜19×10−6/Kであり、Mn含有量が11質量%と低い試料No.2やCを含有しない試料No.6では、試料No.12のSUS304(16.5×10−6/K)よりも若干小さいものの、試料No.13のチタン(9×10−6/K)よりも大きく、ピストンの母材であるアルミニウム合金の線膨張係数α=19.5×10−6/Kにより近接していることが分かる。
一方、Mn含有量が7.5質量%と本発明の規定の範囲に満たない試料No.9の比較例では、SUS304やチタンに比べて熱伝導率(κ=25)が高く、このため昇温速度が低い。すなわち、試料No.9で形成された低熱伝導部材では噴射された燃料を効率よく蒸発できない可能性がある。
また、試料No.10の比較例は、Mn含有量が65質量%と本発明の規定の範囲を超えて多く含有しているので、線膨張係数αと熱伝導率κともに本発明材(No.1〜8)よりも優れた値を示すが、引張強さσが200MPaでありピストン母材の引張強さ(σ=230MPa)よりも低い。このため破損とそれに伴う脱落などのおそれがあり適当ではない。
試料No.11の比較例は、Cを本発明の規定の範囲を超えて2.5質量%と多く含有している。これ故、線膨張係数α及び熱伝導率κはともに本発明材と同等の値を示すものの、試料No.10の比較例よりもさらに引張強さは低い(σ=150MPa)。従って、破損とそれに伴う脱落などのおそれがあり適当ではない。
以上のようにMnとCの含有量を本発明の規定の範囲に調整することで、熱伝導率が小さく、かつ線膨張係数がピストンの母材であるアルミニウム合金の線膨張係数に近接した低熱伝導部材を得ることができる。
なお、発明材である試料No.1を所定の金型内に配置して400℃に予熱した後に、740℃のアルミニウム合金(AC8A)溶湯を注湯して鋳ぐるみ、冷却後切断して焼結体とアルミニウム合金(AC8A)との界面の密着状態を金属顕微鏡で観察した。倍率50倍で観察したが、焼結体とアルミニウム合金(AC8A)との間に剥離(空隙)はほとんど認められず密着性に優れていることが確認できた。
以上のように、本発明のピストン頂面に配置される低熱伝導部材は、極めて熱伝率が低く、かつ線膨張係数がピストン母材に近似している。従って、噴射された燃料が衝突するピストン頂部にこのような低熱伝導部材を有する内燃機関のピストンは、特に、ピストンの温度が低い始動時の暖機過程や低負荷運転時において、混合気形成を改善して未燃焼炭化水素や煤の生成を抑制することができ、内燃機関の燃費を向上することができる。
また、このような低熱伝導部材を有する内燃機関のピストンにおいては、ピストン母材と低熱伝導部材との熱膨張割合が近似しているために、熱膨張差に起因する疲労破壊が生じにくい。従って、ピストン本体と低熱伝導部材との固着状態を安定的に維持することができる。
なお、本発明の内燃機関のピストンは上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更してもよい。例えば、上記の実施の形態では、原料粉末を鉄粉とMnを含む粉末の混合粉末としたが、Mnを含む合金粉末としてもよい。このようにすることで、高圧成形により硬い合金粉末の成形が可能な場合には、材料の均一化という効果を奏することができる。
本発明の内燃機関のピストンは、ピストン母材に近い線膨張係数と低い熱伝導率とを有する低熱伝導体を頂面に有しているので、ディーゼルエンジンや直噴式ガソリンエンジンのピストンとして好適である。
本発明のピストンの主要部概要を示す断面図である。 好適な態様の低熱伝導部材の金属組織を示す顕微鏡写真である。 Mn含有量による低熱伝導部材(焼結体)の線膨張係数と熱伝導率の変化を示すグラフである。 Mn含有量による低熱伝導部材(焼結体)の引張強さの変化を示すグラフである。 C含有量による低熱伝導部材(焼結体)の線膨張係数と熱伝導率の変化を示すグラフである。 C含有量による低熱伝導部材(焼結体)の引張強さの変化を示すグラフである。 昇温速度の測定方法を示す説明図である。る。
符号の説明
10:ピストン 12:ピストン本体 14:低熱伝導部材 16:凹部
A:Fe−Mn合金粒子 B:オーステナイト相 C:気孔 H:ヒータ J:ホルダ
S:円板試料 T:赤外線温度計

Claims (5)

  1. アルミニウム合金からなるピストン本体の頂部に低熱伝導部材が配置された内燃機関のピストンにおいて、
    前記低熱伝導部材は、Mnを10〜60質量%含有し、残部はFe及び不可避的不純物からなる焼結体であることを特徴とする内燃機関のピストン。
  2. 前記低熱伝導部材は、さらにCを0.3〜2質量%含む請求項1に記載の内燃機関のピストン。
  3. 前記低熱伝導部材は、窒素雰囲気中で焼結した焼結体である請求項1又は2に記載の内燃機関のピストン。
  4. 前記低熱伝導部材の熱伝導率κは、7〜10.3W/m・Kである請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関のピストン。
  5. 前記低熱伝導部材の線膨張係数αは、15〜19×10 −6 /Kである請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関のピストン。
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