JP2003268414A - バルブシート用焼結合金、バルブシート及び製造方法 - Google Patents

バルブシート用焼結合金、バルブシート及び製造方法

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JP2003268414A JP2002071918A JP2002071918A JP2003268414A JP 2003268414 A JP2003268414 A JP 2003268414A JP 2002071918 A JP2002071918 A JP 2002071918A JP 2002071918 A JP2002071918 A JP 2002071918A JP 2003268414 A JP2003268414 A JP 2003268414A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高出力のディーゼルエンジンやガスエンジン
に使用する高い耐摩耗性を有するバルブシート用焼結合
金を提供する。 【解決手段】 炭素:1.0〜2.0重量%、クロム:
3.5〜4.7重量%、モリブデン:4.5〜6.5重
量%、タングステン:5.2〜7.0重量%、バナジウ
ム:1.5〜3.2重量%、鉄及び不可避不純物:残部
からなり、炭化物が分布する焼結合金スケルトンのマト
リックス中に、エンスタタイト粒子:1〜3重量%、硬
度HV500〜900の硬質合金粒子(A)及び硬度H
V1000以上の硬質合金粒子(B)を、A:15〜2
5重量%、B:5〜15重量%、(A+B:35重量%
以下)の割合で分散し、かつ、前記スケルトンの空孔に
銅ないし銅合金を15〜20重量%溶浸する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のバルブ
シート用の焼結合金に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のバルブシートは高温のガスに
さらされたり、バルブの高い接触圧を繰り返し受けるた
め、耐熱性や耐摩耗性を必要とすることから、高硬度の
高合金粉末粒子をマトリックス中に分散させ、耐摩耗性
を向上させた鉄系焼結合金が用いられてきた。また、熱
的に厳しいディーゼルエンジンや、バルブとの接触面に
燃焼生成物や酸化皮膜などが生成しにくく金属接触にな
りやすいガスエンジンなどにおいては、マトリックスに
合金工具鋼粉を用いてマトリックスの耐熱性を高め、マ
トリックス中に硬度の異なる複数の高合金粉末粒子及び
固体潤滑剤としてフッ化カルシウムを分散させ、さらに
母材の空孔に銅ないし銅合金を溶浸させ、焼結体の強
度、熱伝導性を高め、耐摩耗性に優れたバルブシート用
焼結合金が提案されている(特許第3186816
号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高出力
化や長寿命化に伴って、ディーゼルエンジンやガスエン
ジンにおいては、さらなる耐摩耗性の向上が要求されて
いる。
【0004】本発明は上記点に鑑みてなされたものであ
り、その課題は、高出力のディーゼルエンジンやガスエ
ンジンに使用する高い耐摩耗性を有するバルブシート用
焼結合金を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、次の手段を採る。すなわち、本発明のバ
ルブシート用焼結合金は、 炭素 :1.0〜2.0重量% クロム :3.5〜4.7重量% モリブデン :4.5〜6.5重量% タングステン :5.2〜7.0重量% バナジウム :1.5〜3.2重量% 鉄及び不可避不純物:残部 からなり、炭化物が分布する焼結合金スケルトンのマト
リックス中に、エンスタタイト粒子と、硬度HV500
〜900の硬質合金粒子(A)と、硬度HV1000以
上の硬質合金粒子(B)とが、 エンスタタイト粒子:1〜3重量% A :15〜25重量% B :5〜15重量% (A+B :35重量%以下) の割合で分散され、かつ、前記スケルトンの空孔に銅な
いし銅合金が15〜20重量%溶浸されていることを特
徴とする。
【0006】焼結合金スケルトンのマトリックスは、上
記組成を有し炭化物が分布することで、耐摩耗性が向上
し、強度向上が図られる。また、マトリックス中に、熱
的に安定した固体潤滑剤であるエンスタタイト粒子を1
〜3重量%分散させることで、高温のガスにさらされた
り、金属接触等の厳しい潤滑状態での耐摩耗性の向上が
図られる。一方、硬度HV500〜900の硬質合金粒
子(A)と、硬度HV1000以上の硬質合金粒子
(B)を、A:15〜25重量%、B:5〜15重量
%、(A+B:35重量%以下)の割合で分散させるこ
とで、バルブシート自身の耐摩耗性の向上と、相手バル
ブの摩耗軽減が図られる。また、前記スケルトンの空孔
に銅ないし銅合金を15〜20重量%溶浸させること
で、焼結体の強度向上と耐熱性向上が図られる。以上に
より、熱的及び潤滑状態の厳しい環境において、従来材
に比べ、さらに耐摩耗性の向上したバルブシート用焼結
合金が得られる。
【0007】炭素はマトリックスに固溶して、マトリッ
クスの強化を図るとともに、クロム、モリブデン、タン
グステン、バナジウムと硬い炭化物を形成し、耐摩耗性
を向上させる。1.0重量%未満では充分な強度が得ら
れず、2.0重量%を越えると成形性が悪くなる。クロ
ムはマトリックス中に固溶して耐熱性を向上し、炭化物
を形成することで耐摩耗性を向上させる。3.5重量%
未満では充分な耐熱性や耐摩耗性が得られず、4.7重
量%を越えると摺動する相手材の摩耗が増加する。モリ
ブデンはマトリックス中に固溶して耐熱性を向上し、炭
化物を形成することで耐摩耗性を向上させる。4.5重
量%未満では充分な耐熱性や耐摩耗性が得られず、6.
5重量%を越えると摺動する相手材の摩耗が増加する。
タングステンはマトリックス中に固溶して耐熱性を向上
し、炭化物を形成することで耐摩耗性を向上させる。
5.2重量%未満では充分な耐熱性や耐摩耗性が得られ
ず、7.0重量%を越えると摺動する相手材の摩耗が増
加する。バナジウムは硬質な炭化物を形成し、耐摩耗性
を向上させる。1.5重量%未満では充分な耐摩耗性が
得られず、3.2重量%を越えると摺動する相手材の摩
耗が増加する。
【0008】エンスタタイト粒子(メタ珪酸マグネシウ
ム系鉱物粉)は高温で安定な固体潤滑剤であり、バルブ
シートとバルブとの金属接触を防止して、凝着摩耗を抑
制する作用がある。1重量%未満では摩耗量を低減させ
る効果が乏しく、3重量%を越えるとバルブシートの強
度低下を招く。
【0009】マトリックス中に分散する2種類の硬質合
金粒子(A)及び(B)は、マトリックスの耐摩耗性を
高めるものであり、硬度HV500〜900の硬質合金
粒子(A)のみでは、マトリックスの摩耗が多くなり、
他方、硬度HV1000以上の硬質合金粒子(B)のみ
では相手材のバルブ摩耗が多くなってしまうので、これ
ら2種類の硬質合金粒子を併用する。硬質合金粒子
(A)が15重量%未満では充分な耐摩耗性が得られ
ず、25重量%を越えると粉末成形時に圧縮性が悪くな
り、成形用金型の寿命が短くなる。また、相手材のバル
ブフェース部の摩耗も多くなる。そして、硬質合金粒子
(B)が5重量%未満では添加の効果がなく、15重量
%を越えると粉末成形時に圧縮性が悪くなり、成型用金
型の寿命が短くなる。また、相手材のバルブフェース部
の摩耗も多くなる。さらに、これら2種類の硬質合金粒
子(A)、(B)の合計が35重量%を越えると粉末の
流動性が悪化し、粉末成形が難しくなり、かつ、成形時
の重量のばらつきが大きくなる。
【0010】上記構成を有する焼結体には空孔があり、
この空孔にその空孔量に依存して銅又は銅合金15〜2
0重量%を溶浸することで焼結体の強度と熱伝導性を高
め、耐摩耗性と耐熱性を向上することができる。15重
量%未満では充分な効果が得られず、20重量%を越え
ると、銅がオーバーフローし、製造性が悪くなる。
【0011】硬質合金粒子(A)はFe−Cr、Fe−
Mo、Fe−Nb、Ni、Co、黒鉛などの材料を下記
の組成となるように配合し、溶解し、鋳造して鋼塊と
し、その鋼塊を機械的に粉砕し、分級して150メッシ
ュ以下の合金粉末としたものが好ましい。 炭素 :1〜4重量% クロム :10〜30重量% ニッケル :2〜15重量% モリブデン :10〜30重量% コバルト :20〜40重量% ニオブ :1〜5重量% 鉄及び不可避不純物:残部 硬質合金粒子(A)は、上記組成範囲内でその粒子の硬
度(HV500〜900)を含めた機械的特性を適宜調
整できる。上記合金粉末は、本出願人が特公昭57−1
9188号で提案したものである。
【0012】硬質合金粒子(B)は200メッシュ以下
のフェロモリブデン粒子であることが好ましいが、硬度
HV1000以上の硬い粒子であれば、タングステンを
含む高合金(C−Cr−W−Co系合金やC−Cr−W
−Fe系合金)の硬質粒子などであってもよい。
【0013】上記バルブシート用焼結合金の製造方法の
例を次に示す。すなわち、 カーボン粉 :0.7〜1.0重量% エンスタタイト粒子 :1〜3重量% 硬度HV500〜900の硬質合金粒子(A) :15〜25重量% 硬度HV1000以上の硬質合金粒子(B) :5〜15重量% (硬質合金粒子A+B :35重量%以下) 炭素含有量0.4〜0.6重量%の高速度工具鋼系粉末:残部 を混合し、圧縮成形し、焼結と同時に銅ないし銅合金の
溶浸を行う。なお、溶浸は焼結後に行うようにしてもよ
い。
【0014】上記製造方法によれば、成形性が優れ、充
分なマトリックスの密度を得られる。ちなみに、炭素含
有量0.7〜1.1重量%の高速度工具鋼系粉末を使用
した場合には成形性が悪く、充分なマトリックスの密度
を得られない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。
【0016】実施例及び比較例の焼結合金を製造するた
めに使用する原料粉末を用意する。鉄系焼結合金のスケ
ルトンのマトリックスを構成する材料として、高速度工
具鋼系粉末と、カーボン粉末と、低合金鋼粉末を用意す
る。低炭素の高速度工具鋼系粉末は、 炭素 :0.5重量% クロム :4.0重量% モリブデン :5.0重量% タングステン :6.0重量% バナジウム :2.0重量% 鉄及び不可避不純物:残部 からなり、最大粒径150μm、平均粒径45μmのも
のである。
【0017】エンスタタイト粒子は、最大粒径105μ
m、平均粒径11μmの粉末を用意する。比較例として
使用するCaF粒子は、最大粒径150μm、平均粒
径45μmの粉末を用意する。
【0018】硬質合金粒子(A)はFe−Cr、Fe−
Mo、Fe−Nb、Ni、Co、及び黒鉛を下記の組成
となるように配合し、溶解し、鋳造して鋼塊とし、その
鋼塊を機械的に粉砕し、分級して150メッシュ以下の
合金粉末とする。 炭素 :2重量% クロム :20重量% ニッケル :8重量% モリブデン :20重量% コバルト :32重量% ニオブ :2重量% 鉄及び不可避不純物:残部 このようにして、硬度HV600〜800、最大粒径1
00μm、平均粒径50μmの硬質合金粒子(A)を用
意する。
【0019】硬質合金粒子(B)は、硬度HV130
0、最大粒径75μm、平均粒径30μmの低炭素フェ
ロモリブデン粉末を用意する。
【0020】これらの原料粉末を表1に示すように所定
割合で用意し、ステアリン酸亜鉛を0.8重量%添加し
て混合し、成形圧力6.9トン/cmで圧縮成形して
圧縮成形体(密度:6.3〜6.5g/cm、リング
形状)を形成する。この成形体をアンモニア分解ガス雰
囲気中で、1130℃の温度で30分間焼結を行い、そ
の後、焼結体の上部に所定量の溶浸用銅合金(例えば、
Cu−Fe−Mn系合金)を配置して、1110℃の温
度で30分間溶浸を行う。
【0021】得られる焼結合金リング(バルブシート)
にサブゼロ処理を含む焼入れ、焼戻し処理を施して、マ
トリックスが焼戻しマルテンサイト組織を有するように
する。この処理はバルブシートのシリンダヘッドからの
脱落を抑制防止することに寄与する。
【0022】
【表1】
【0023】表1において、試料No1〜12は、 炭素 :1.0〜2.0重量% クロム :3.5〜4.7重量% モリブデン :4.5〜6.5重量% タングステン :5.2〜7.0重量% バナジウム :1.5〜3.2重量% 鉄及び不可避不純物:残部 からなり、炭化物が分布する焼結合金スケルトンのマト
リックス中に、エンスタタイト粒子と、硬度HV500
〜900の硬質合金粒子(A)と、硬度HV1000以
上の硬質合金粒子(B)とが、 エンスタタイト粒子:1〜3重量% A :15〜25重量% B :5〜15重量% (A+B :35重量%以下) の割合で分散され、かつ、前記スケルトンの空孔に銅な
いし銅合金が15〜20重量%溶浸されているバルブシ
ート用焼結合金である。
【0024】表1において、マトリックス合金鋼粉末
は、実施例1〜12及び比較例13〜23が下記の組成
からなる低炭素の高速度工具鋼系粉末であり、 炭素 :0.5重量% クロム :4重量% モリブデン :5重量% タングステン :6重量% バナジウム :2重量% 鉄及び不可避不純物:残部 比較例24が下記の組成からなる高速度工具鋼系粉末で
あり、 炭素 :0.8重量% クロム :4重量% モリブデン :5重量% タングステン :6重量% バナジウム :2重量% 鉄及び不可避不純物:残部 比較例25及び26が合金工具鋼粉末(SKD11)で
ある。
【0025】表1において、マトリックス合金鋼粉末、
固体潤滑剤粉末、硬質合金粒子粉末、カーボン粉末の各
重量%は、マトリックス合金鋼粉末、固体潤滑剤粉末、
硬質合金粒子粉末、カーボン粉末の重量%の合計を10
0%としたときの値である。また、マトリックス合金鋼
粉末、固体潤滑剤粉末、硬質合金粒子粉末、カーボン粉
末の重量%の合計が100%に満たないものは、残部が
下記の組成からなる低合金鋼粉末である。 ニッケル :4重量% モリブデン :1.5重量% 銅 :2重量% 炭素 :0.02重量% 鉄及び不可避不純物:残部 また、銅合金溶浸量の重量%は、焼結合金スケルトンと
銅合金溶浸量の重量%の合計を100%としたときの値
である。
【0026】次に、摩耗試験について説明する。
【0027】焼結合金リング(バルブシート)及び相手
材(バルブ)のフェース面の摩耗は、図1に示すバルブ
シート摩耗試験機で、下記条件にて評価し、得られた形
状から摩耗量の測定を行った。 試験条件: バルブ材料:耐熱鋼(SUH11にタフトライド処理) バルブシート温度:300℃ カムシャフト回転数:2500rpm 試験時間:5時間
【0028】バルブシート摩耗試験機は、図1に示すよ
うに、枠体1の上端部のシートホルダ2に嵌め込まれた
バルブシート3に対して、バルブ4のフェース面がスプ
リング5によって当接するように構成されている。バル
ブ4は、電動機6で回転するカムシャフト7によってロ
ッド8を介して上方へ持ち上げられ、次にスプリング5
によって戻されることにより、バルブシート3に当た
る。そして、バルブ4をガスバーナ9で加熱し、バルブ
シート3の温度を熱電対10で測定し、温度管理してい
る。また、バルブ4の加熱の際には、表面に酸化膜が生
じないようにガスバーナの燃焼状態を完全燃焼とする。
なお、バルブ4、スプリング5、カムシャフト7、ロッ
ド8などはエンジン実機部品を用いている。
【0029】次に、圧環強さ試験について説明する。
【0030】バルブシートの圧環強さについては、JI
S Z 2507に基づいた方法で評価し、次式により
求めた。 圧環強さ=2F(D1+D2)/L(D1−D2) ここで、F:破壊時最大荷重(N)、D1:外径(m
m)、D2:内径(mm)、L:リング長さ(mm)を
表し、試料サイズは外径35mm、内径25mm、リン
グ長さ10mmとした。
【0031】試験結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】試料No13は、焼結合金スケルトンのマ
トリックスの組成が高速度工具鋼系粉末に低合金鋼粉末
を加えた場合であり、バルブシートの耐摩耗性が低い。
試料No14は、エンスタタイト粒子が本発明の限定範
囲よりも少ない場合であり、バルブシートの耐摩耗性が
低い。試料No15は、エンスタタイト粒子が本発明の
限定範囲よりも多い場合であり、バルブシートの強度が
低い。試料No16は、硬質合金粒子(A)が本発明の
限定範囲よりも少ない場合であり、バルブシートの耐摩
耗性が低い。試料No17は、硬質合金粒子(A)が本
発明の限定範囲よりも多い場合であり、バルブの摩耗が
多く、成形性も悪い。試料No18は、硬質合金粒子
(B)が本発明の限定範囲よりも少ない場合であり、バ
ルブシートの耐摩耗性が低い。試料No19は、硬質合
金粒子(B)が本発明の限定範囲よりも多い場合であ
り、バルブの摩耗が多く、強度も低く、成形性も悪い。
試料No20は、カーボンが本発明の限定範囲よりも少
ない場合であり、バルブシートの強度が低い。試料No
21は、カーボンが本発明の限定範囲よりも多い場合で
あり、バルブシートの耐摩耗性が低い。試料No22
は、銅合金の溶浸量が本発明の限定範囲より少ない場合
であり、バルブシートの耐摩耗性が低く、強度も低い。
試料No23は、銅合金の溶浸量が本発明の限定範囲よ
りも多い場合であり、銅合金がオーバーフローするた
め、製造性が悪い。試料No24は、マトリックス合金
鋼粉末が高速度鋼SKH51(C:0.8重量%)の場
合である。圧縮時の成形性が悪く、強度も低い。試料N
o25及びNo26は、マトリックス合金鋼粉末に合金
工具鋼(SKD11)を10重量%含み、試料No25
は固体潤滑剤を含まず、試料No26は固体潤滑剤がC
aFであり、試料No25、No26とも実施例に比
べ、バルブシートの耐摩耗性が低い。
【0034】なお、本発明に係るバルブシートを、特公
昭56−44123号で提案されたような異なる組成か
らなり、バルブと接する第1部材と、第2部材とからな
る二層複合焼結バルブシートにおける第1部材に使用す
ることもできる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明のバルブシー
ト用焼結合金は、高出力のディーゼルエンジンやガスエ
ンジンに使用して高い耐摩耗性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】バルブシート摩耗試験機を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
3 バルブシート 4 バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/30 C22C 38/30 F01L 3/02 F01L 3/02 F

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素 :1.0〜2.0重量% クロム :3.5〜4.7重量% モリブデン :4.5〜6.5重量% タングステン :5.2〜7.0重量% バナジウム :1.5〜3.2重量% 鉄及び不可避不純物:残部 からなり、炭化物が分布する焼結合金スケルトンのマト
    リックス中に、エンスタタイト粒子と、硬度HV500
    〜900の硬質合金粒子(A)と、硬度HV1000以
    上の硬質合金粒子(B)とが、 エンスタタイト粒子:1〜3重量% A :15〜25重量% B :5〜15重量% (A+B :35重量%以下) の割合で分散され、かつ、前記スケルトンの空孔に銅な
    いし銅合金が15〜20重量%溶浸されていることを特
    徴とするバルブシート用焼結合金。
  2. 【請求項2】 前記硬質合金粒子(A)が、 炭素 :1.0〜4.0重量% クロム :10〜30重量% ニッケル :2〜15重量% モリブデン :10〜30重量% コバルト :20〜40重量% ニオブ :1〜5重量% 鉄及び不可避不純物:残部 からなる合金粒子であり、前記硬質合金粒子(B)がフ
    ェロモリブデン粒子であることを特徴とする請求項1記
    載のバルブシート用焼結合金。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の焼結合金からなる
    ことを特徴とするバルブシート。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のバルブシート用焼
    結合金の製造方法であって、 カーボン粉 :0.7〜1.0重量% エンスタタイト粒子 :1〜3重量% 硬度HV500〜900の硬質合金粒子(A) :15〜25重量% 硬度HV1000以上の硬質合金粒子(B) :5〜15重量% (硬質合金粒子A+B :35重量%以下) 炭素含有量0.4〜0.6重量%の高速度工具鋼系粉末:残部 を混合し、圧縮成形し、焼結と同時に銅ないし銅合金の
    溶浸を行うことを特徴とするバルブシート用焼結合金の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載のバルブシート用焼
    結合金の製造方法であって、 カーボン粉 :0.7〜1.0重量% エンスタタイト粒子 :1〜3重量% 硬度HV500〜900の硬質合金粒子(A) :15〜25重量% 硬度HV1000以上の硬質合金粒子(B) :5〜15重量% (硬質合金粒子A+B :35重量%以下) 炭素含有量0.4〜0.6重量%の高速度工具鋼系粉末:残部 を混合し、圧縮成形し、焼結した後、銅ないし銅合金の
    溶浸を行うことを特徴とするバルブシート用焼結合金の
    製造方法。
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