JP4374870B2 - 端子と電極箔が塑性接合された蓄電装置とその製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気化学反応を利用して充放電する電池や誘電現象を利用して充放電するコンデンサ等の蓄電装置に関し、特に蓄電装置の電極箔と端子を接合する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
板厚の薄い箔状の金属板を積層又は捲回した電極を利用して、電気自動車やモバイル機器等に使用される大容量の蓄電装置を実現する技術が開発されている。正電極となる箔状の金属板(以下、正電極箔という)に正極性の電解質を塗布して正極シートとし、負電極となる箔状の金属板(以下、負電極箔という)に負極性の電解質を塗布して負極シートとする。絶縁シートと正極シートと絶縁シートと負極シートの組を積層することによって電極を形成する。短尺のシートの組を積層することによって積層電極を形成することもあれば、長尺のシートの組を捲回することによって捲回電極を形成することもある。長尺シートの組を捲回することによって、実質的には絶縁シートと正極シートと絶縁シートと負極シートの積層構造を得ることができる。
積層枚数や捲回回数を増やすことによって、コンパクトに収容できて大容量の電力を蓄電することができる電極が得られる。
【0003】
積層電極(捲回電極も積層電極の1種ということができる)を外部機器と接合するために、正極端子と負極端子が利用される。正極端子は正電極箔に接合され、負極端子は負電極箔に接合される。
電極箔(以下、正極と負極に共通する事象については正負の文字を省略する)は薄く、端子に比して抵抗が高い。蓄電装置の内部抵抗を下げるためには、電極箔の一箇所が端子に接合されているだけでは足らず、電極箔が随所で端子に接合されていることが好ましい。そこで、電極箔の一部には電解質を塗布しないで電極箔を露出させておき、電解質が塗布されていないために露出する正電極箔と負電極箔が離反する位置関係で、絶縁シートと正極シートと絶縁シートと負極シートの組を積層して積層電極を形成する。この結果、絶縁シートの辺から正電極箔が露出して突出することによって正電極箔の積層が形成され、それとは異なる位置で、絶縁シートの辺から負電極箔が露出して突出することによって負電極箔の積層が形成される。捲回電極の場合には、電解質が塗布されていないために露出する正電極箔と負電極箔が捲回電極の両サイドに位置する位置関係で、長尺絶縁シートと長尺正極シートと長尺絶縁シートと長尺負極シートの組を旋回して捲回電極を形成する。この結果、捲回電極の片側から正電極箔が露出して突出することによって捲回中心の両側に正電極箔の積層が形成され、捲回電極の他方の片側から負電極箔が露出して突出することによって捲回中心の両側に負電極箔の積層が形成される。
電極箔の積層に端子を接合すると、電極箔が随所で端子に接合されることになり、蓄電装置の内部抵抗が下げられる。
【0004】
従来では、積層電極箔と端子を溶接して接合している。積層電極箔と端子を溶接しやすくするために、端子を形成する2枚の板部に予め凹凸を設けておき、凹凸のある2枚の板部の間に積層電極箔を挟み込んでから溶接する技術が特許文献1に記載されている。特許文献1には、凹凸のある2枚の板部間に積層電極箔を挟み込んでから、ピンやはとめ等の部材を利用して接合する技術も開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−270048号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
積層電極箔と端子を溶接して接合する場合、溶接作業に長時間を要し、大掛かりな設備を必要とし、大エネルギーを必要とする。またスパッタ等の副生成物が蓄電装置の性能の劣化を招く。短時間で安価に実施できる接合技術が必要とされている。
積層電極箔と端子をピンやはとめ等の部材を利用して接合する場合、必要部品数が増大する。また通常は、端子や金属箔の表面に酸化膜が形成されている。酸化膜で覆われた金属表面同士を重ねあわせて密着させても、接触抵抗を十分に下げることができない。ピンやはとめ等の部材を利用して接合する技術では、金属表面の酸化膜を破って金属表面同士を密着させることができない。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、短時間で安価に実施できる機械加工技術によって、金属表面の酸化膜を破って金属表面同士を密着させて積層された電極箔同士の接触抵抗と電極箔と端子の接触抵抗を低下させることができる接合技術を提供することを目的に開発された。
【0008】
【課題を解決するための手段と作用】
請求項1の蓄電装置は、絶縁シートと正極シートと絶縁シートと負極シートの組が積層された積層電極を有する。この積層電極では、絶縁シートの辺から正極シートの正電極箔が突出して正電極箔の積層が形成されている。また、正電極箔の積層とは異なる位置において、絶縁シートの辺から負極シートの負電極箔が突出して負電極箔の積層が形成されている。正電極箔の積層には正極端子が接合されており、負電極箔の積層には負極端子が接合されている。
正電極箔の積層は2層の板部の間に挟みこまれており、その2層の板部が塑性変形して一方の板部と正電極箔の積層が他方の板部に没入することによって正極端子に接合されている。同様に、負電極箔の積層は2層の板部の間に挟みこまれており、その2層の板部が塑性変形して一方の板部と負電極箔の積層が他方の板部に没入することによって負極端子に接合されている。
電極箔の積層を挟持する2層の板部の双方が端子であることが好ましいが、一方の板部は専ら機械的接合にのみ寄与し、電気的接続に寄与しないものであってもよい。電解質が塗布されていないために露出する正電極箔の積層と負電極箔の積層は、絶縁シートの向かい合う辺に沿って形成されることが好ましいが、離反して相互に接触しない位置関係であればよく、同一辺のなかに正電極箔の積層と負電極箔の積層を形成することもできる。
【0009】
上記の蓄電装置では、2層の板部が塑性変形して一方の板部と電極箔の積層が他方の板部に没入することによって、積層電極箔が2層の板部の間に挟まれた状態で機械的に接合されており、積層電極箔と端子は機械的に強固に接合されている。機械的強度は、主として2層の板部の接合構造によっており、積層電極箔に過大な負荷をかけないで、必要な接合強度を得ることができる。一方の板部と積層電極箔が塑性変形して他方の板部に没入する過程で、電極箔同士ならびに電極箔と端子はよく密着するに至っている。一方の板部と積層電極箔が塑性変形して他方の板部に没入する過程で、電極箔は引き伸ばされて表面に形成されていた酸化膜が破壊され、金属表面同士が直接に密着する状態が得られている。さらに、電極箔は引き伸ばされて接合しており、接触面積が増大している。本構造では、電極箔同士ならびに電極箔と端子の接触面積が広く、酸化膜が介在せずに電極箔同士ならびに電極箔と端子がよく密着していることから、蓄電装置の内部抵抗が低い。例えばポンチとダイを用いてかしめ加工することによって2層の板部を容易に塑性変形することができ、短時間で安価に積層電極箔と端子を接合することができる。
【0010】
請求項2に示されるように、長尺絶縁シートと長尺正極シートと長尺絶縁シートと長尺負極シートの組を捲回して形成した捲回電極を利用することもできる。この場合、長尺絶縁シートの一方の長辺から正極シートの正電極箔が突出している。長尺絶縁シートの一方の長辺から突出する正電極箔が捲回されることによって、捲回中心の両側に正電極箔の積層が形成されている。また長尺絶縁シートの他方の長辺から負極シートの負電極箔が突出している。長尺絶縁シートの他方の長辺から突出する負電極箔が捲回されることによって、捲回中心の両側に負電極箔の積層が形成されている。正電極箔の積層には正極端子が接合されており、負電極箔の積層には負極端子が接合されている。
正極端子は、捲回電極の捲回中心に挿入される中心板部と、その中心板部との間で捲回中心の一方の片側にある正電極箔の積層を挟みこむ第1外側板部と、その中心板部との間で捲回中心の他方の片側にある正電極箔の積層を挟みこむ第2外側板部を有している。正極端子の中心板部と第1外側板部同士ならびに中心板部と第2外側板部同士が塑性変形して一方の板部と正電極箔の積層が他方の板部に没入している。
負極端子も、捲回電極の捲回中心に挿入される中心板部と、その中心板部との間で捲回中心の一方の片側にある負電極箔の積層を挟みこむ第1外側板部と、その中心板部との間で捲回中心の他方の片側にある負電極箔の積層を挟みこむ第2外側板部を有している。負極端子の中心板部と第1外側板部同士ならびに中心板部と第2外側板部同士が塑性変形して一方の板部と負電極箔の積層が他方の板部に没入している。
【0011】
上記の構造でも、電極箔同士ならびに電極箔と端子の接触面積が広く、酸化膜が介在せずに電極箔同士ならびに電極箔と端子がよく密着していることから蓄電装置の内部抵抗が低い。
2層の板部の間に挟み込まれる積層電極箔の中心部分の電極箔は、他の電極箔を介して端子に接続される。例えば、100回捲きの捲回電極を例にして説明する。この場合、捲回中心の片側に100層の電極箔が積層され、捲回中心の反対の片側に100層の電極箔が積層され、あわせて200層の電極箔が積層されている。
200層の積層電極箔を1層の端子に接合する場合、端子の反対側に位置する電極箔は199層の電極箔を介して端子に接合される。この場合、端子の反対側に位置する電極箔と端子間の電気抵抗は高くなってしまう。200層の積層電極箔を2層の端子板の間に接合する場合、中心の電極箔は99層の電極箔を介して端子に接合される。この場合、端子間に存在する電極箔と端子間の電気抵抗は低くなる。200層の積層電極箔を捲回中心の一方の片側に位置する100層の積層電極箔と捲回中心の他方の片側に位置する100層の積層電極箔に二分し、100層の積層電極箔を2層の端子板の間に接合する場合、中心の電極箔は49層の電極箔を介して端子に接合される。この場合、端子間に存在する電極箔と端子間の電気抵抗は最も低くなる。
上記の構造では、電極箔同士ならびに電極箔と端子が、酸化膜が介在しないで金属表面同士が直接に広い面積で密着している他、積層電極箔が二分され、二分された積層電極箔ごとに2層の板部間に接合されるために、蓄電装置の内部抵抗が非常に低い。
【0012】
一枚の板材を折り曲げて正極端子を形成し、他の一枚の板材を折り曲げて負極端子を形成することが好ましい(請求項3)。この場合、端子が1枚の板材で形成されているために、蓄電装置を構成する部品点数が低減され、蓄電装置をより低コストで構成することができる。また、請求項1の場合、積層電極箔を挟持する一方の板部は端子とは別の板部であってもよいが、一枚の板材が折り曲げられて両側の板部が形成されていると、前記した事象によって蓄電装置の内部抵抗は低く抑えられる。前記した例の場合、一方の板部を端子とは別の板部とすると、端子から200層目の電極箔は199層の電極箔を介して端子に接合されるのに対し、両側の板部が端子であれば、最大でも99層の電極箔を介して端子に接合されることになり、電気抵抗が低く抑えられる。
【0013】
本発明はまた、蓄電装置の製造方法も創作した。請求項4の発明は、絶縁シートと正極シートと絶縁シートと負極シートの組が積層された積層電極と、正極シートの正電極箔の積層に接合された正極端子と、負極シートの負電極箔の積層に接合された負極端子を有する蓄電装置の製造方法に関する。この方法では、正電極箔の一部を除外して正極性の電解質を塗布して正極シートを形成する工程と、負電極箔の一部を除外して負極性の電解質を塗布して負極シートを形成する工程と、電解質が塗布されていない正電極箔と電解質が塗布されていない負電極箔が離反する位置関係で、絶縁シートと正極シートと絶縁シートと負極シートの組を積層する工程を実行して積層電極を形成する。
積層電極が形成されたら正電極箔の積層を2層の板部の間に挿入し、その2層の板部をかしめて一方の板部と正電極箔の積層を他方の板部に没入させる工程と、負電極箔の積層を2層の板部の間に挿入し、その2層の板部をかしめて一方の板部と負電極箔の積層を他方の板部に没入させる工程を実行する。
【0014】
電解質が塗布されていない正電極箔の積層と電解質が塗布されていない負電極箔の積層は、絶縁シートの向かい合う辺に沿って形成されることが好ましいが、離反する位置関係であればよく、同一辺のなかに正電極箔の積層と負電極箔の積層を形成することもできる。電極箔の積層を挟持する2層の板部の双方が端子であることが好ましいが、一方の板部は専ら機械的接合にのみ寄与し、電気的接続に寄与しないものであってもよい。
この製造方法によると、一方の板部と積層電極箔が塑性変形して他方の板部に没入する過程で、電極箔は引き伸ばされて表面に形成されていた酸化膜が破壊され、金属表面同士が直接に密着する状態が得られる。さらに、電極箔は引き伸ばされて接合しており、接触面積が増大する。電極箔同士ならびに電極箔と端子の接触面積が広く確保され、酸化膜が介在せずに電極箔同士ならびに電極箔と端子が広い面積でよく密着することから蓄電装置の内部抵抗が低く抑えられる。
【0015】
捲回電極を利用する場合には、長尺正電極箔の一辺に沿った部分を除外して正極性の電解質を塗布して長尺正極シートを形成する工程と、長尺負電極箔の一辺に沿った部分を除外して負極性の電解質を塗布して長尺負極シートを形成する工程と、正電極箔が露出して突出する辺と負電極箔が露出して突出する辺が長尺絶縁シートの両側に位置する位置関係で、長尺絶縁シートと長尺正極シートと長尺絶縁シートと長尺負極シートの組を捲回して捲回電極を形成する。また、一枚の板材を折り曲げて、捲回電極の捲回中心に挿入する中心板部と、その中心板部との間で捲回中心の一方の片側にある正電極箔の積層を挟みこむ第1外側板部と、その中心板部との間で捲回中心の他方の片側にある正電極箔の積層を挟みこむ第2外側板部を有する正極端子を用意する。さらに、捲回中心の一方の片側にある正電極箔の積層を中心板部と第1外側板部の間に挿入し、その2層の板部をかしめて一方の板部と正電極箔の積層を他方の板部に没入させ、捲回中心の他方の片側にある正電極箔の積層を中心板部と第2外側板部の間に挿入し、その2層の板部をかしめて一方の板部と正電極箔の積層を他方の板部に没入させる。同様に、一枚の板材を折り曲げて、捲回電極の捲回中心に挿入する中心板部と、その中心板部との間で捲回中心の一方の片側にある負電極箔の積層を挟みこむ第1外側板部と、その中心板部との間で捲回中心の他方の片側にある負電極箔の積層を挟みこむ第2外側板部を有する負極端子を用意する。捲回中心の一方の片側にある負電極箔の積層を中心板部と第1外側板部の間に挿入し、その2層の板部をかしめて一方の板部と負電極箔の積層を他方の板部に没入させ、捲回中心の他方の片側にある負電極箔の積層を中心板部と第2外側板部の間に挿入し、その2層の板部をかしめて一方の板部と負電極箔の積層を他方の板部に没入させる。
【0016】
この方法によると、一方の板部と積層電極箔が塑性変形して他方の板部に没入する過程で、電極箔は引き伸ばされて表面に形成されていた酸化膜が破壊され、金属表面同士が直接に密着する状態が得られる。さらに、電極箔は引き伸ばされて接合するために接触面積が増大する。さらに、捲回されて積層された電極箔が二分され、二分された積層電極箔ごとに端子の2層の板部間に接合されるために、蓄電装置の内部抵抗が非常に低くなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に説明する実施例の主要な特徴を次に列記する。
(形態1)正極シートは、正極端子に接合する辺の沿った部分を除外して正電極箔の両面に正極性の電解質が塗布されている。負極シートは、負極端子に接合する辺に沿った部分を除外して負電極箔の両面に負極性の電解質が塗布されている。
(形態2)電極箔の積層を挟持する2層の板部は、ポンチとダイの間に挟み込まれてかしめられる。2層の板部は、積層電極箔を塑性変形させながら自らも塑性変形して電極箔の積層と密着する。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施例)
図1に、長尺絶縁シート2と長尺正極シート4と長尺絶縁シート6と長尺負極シート8が捲回されて形成された捲回電極1を模式的に示す。
正極シート4は、長尺アルミニウム箔(正電極箔)4bに、リチウムとコバルトを主成分とする混合物を溶剤に懸濁してスラリー状にした正極性の電解質を、両面に塗布して形成されている。長尺アルミニウム箔(正電極箔)4bの一方の長辺4cに沿った部分には電解質が塗布されず、正電極箔4bが露出している。
負極シート8は、長尺銅箔(負電極箔)8bに、炭素を主成分とする混合物を溶剤に懸濁してスラリー状にした負極性の電解質を、両面に塗布して形成されている。長尺銅箔(負電極箔)8bの他方の長辺8dに沿った部分には、電解質が塗布されず、負電極箔8bが露出している。負極シート8の電解質の塗布部8aの幅と、正極シート4の電解質の塗布部4aの幅は等しく、長尺絶縁シート2,6の幅もまた等しい。
【0019】
長尺絶縁シート2と長尺正極シート4と長尺絶縁シート6と長尺負極シート8の組は、4枚一組に重ね合わされて捲回される。このとき、正極シート4は、電解質で塗布されないために正電極箔4bが露出する部分が、絶縁シート2、6の第1辺2c、6cから突出するように配置される。負極シート8は、電解質で塗布されないために負電極箔8bが露出する部分が、絶縁シート2、6の第2辺2d、6dから突出するように配置される。前記の位置関係を保って、長尺絶縁シート2と長尺正極シート4と長尺絶縁シート6と長尺負極シート8の4枚が一組となって捲回される。捲回電極1の断面はほぼ扁平な陸上競技場のトラック形状であり、捲回中心には空間10が確保されている。
扁平な捲回電極1の一方の端面には、幅W1の範囲で絶縁シート2、6の第1辺2c、6cから突出する正電極箔4bの露出部が渦巻き状に形成される。渦巻き状に捲回された正電極箔4bは、捲回中心10の片側に捲回回数に等しい層数だけ重なった積層4e,4fとなる。正電極箔4bの積層4eは捲回中心10の一方の片側に形成され、正電極箔4bの積層4fは捲回中心10の他方の片側に形成される。
扁平な捲回電極1の他方の端面には、幅W2の範囲で絶縁シート2、6の第2辺2d、6dから突出する負電極箔8bの露出部が渦巻き状に形成される。渦巻き状に捲回された正電極箔8bは、捲回中心10の片側に捲回回数に等しい層数だけ重なった積層8e,8fとなる(隠れるために図示されていない)。負電極箔8bの積層8eは捲回中心10の一方の片側に形成され、負電極箔8bの積層8fは捲回中心10の他方の片側に形成される。
正電極箔4bの積層4e,4fと、負電極箔8bの積層8e,8fは、離反した位置にあり、電気的に絶縁されている。
【0020】
図2(a)に、正電極箔4bの積層4e,4fに接合する正極端子20の一例を示し、図2(b)に、負電極箔8bの積層8e,8fに接合する負極端子80の一例を示す。正極端子20は一枚のアルミニウム板を折り曲げて形成されており、負極端子80は一枚の銅板を折り曲げて形成される。正極端子20を形成するアルミニウム板と、負極端子80を形成する銅板のそれぞれの板厚は、正電極箔4bと負電極箔8bのそれぞれの板厚よりも厚い。
正極端子20は、捲回中心10に挿入される中央部30と、中央部30の一方の側辺から折り曲げられた第1の外側板部24と、中央部30の他方の側辺から折り曲げられたに第2の外側板部28が設けられている。中央部30は、2層の板部22,26で形成されている。中央板部22と第1外側板部24は、外側から押圧することによって対向する面を接触させることができる。中央板部26と第2外側板部28は、中央部30を中心として中央板部22と第1外側板部24と対称な形状になっており、中央板部22と第1外側板部24と同様に、外側から押圧することによって対向する面が接触することができる。本実施例では、捲回中心10の幅W3が広いために、中央部30を2層の板部22,26で形成しているが、捲回中心10の幅W3が狭い場合には、1層の板部で中央部30を形成してもよい。
負極端子80は、正極端子20の鏡像となる形状を有しており、捲回中心10に挿入される中央板部82,86で形成される中央部90と、中央部の一方の側辺に連なる第1外側板部84と、中央部90の他方の側辺に連なる第2外側板部88が設けられている。
【0021】
図3に示すように、捲回電極1の捲回中心10に正極端子20の中央部30を挿入すると、捲回中心10の一方の片側に存在する正電極箔4bの積層4eは、2層の板部22,24間に挿入される。また捲回中心10の他方の片側に存在する正電極箔4bの積層4fは、2層の板部26,28間に挿入される。
捲回電極1の一方の端面に形成されている正電極箔4bの積層は、捲回中心10で二分され、一方の積層4eは2層の板部22,24間に挿入されて挟持され、他方の積層4fは2層の板部26,28間に挿入されて挟持される。
捲回電極1の捲回中心10に負極端子80の中央部90を挿入すると、捲回中心10の一方の片側に存在する負電極箔8bの積層8eは、2層の板部82,84間に挿入される。また、捲回中心10の他方の片側に存在する負電極箔8bの積層8fは、2層の板部86,88間に挿入される。
捲回電極1の他方の端面に形成されている負電極箔8bの積層は、捲回中心10で二分され、一方の積層8eは2層の板部82,84間に挿入されて挟持され、他方の積層8fは2層の板部86,88間に挿入されて挟持される。
【0022】
捲回電極1の正電極箔4bの積層4eを正極端子20の板部22,24間に挟み込んで挟持し、積層4fを板部26,28間に挟み込んで挟持した状態の断面を図3に示す。尚、ここに示される絶縁シート2と正極シート4と絶縁シート6と負極シート8の捲回回数(積層枚数)は、図示の明瞭化のために実際よりも少なく示されている。また、電解質の塗布層の厚みは図示されていない。正電極箔4bの積層4e,4fでは電解質の塗布層の厚みが存在しないために、捲回中心10の幅W3がゼロであっても、正極端子20の中央部30を積層4e,4f間に挿入することができる。
捲回電極1の負電極箔部8bについても、積層8eが2層の板部82,84間に挿入され、他方の積層8fは2層の板部86,88間に挿入されている。
【0023】
図4に示すように、正電極箔の積層4eを挟持する正極端子20の板部22,24は、図示されないポンチとダイの間に挟み込まれてかしめられて塑性変形する。正電極箔の積層4fを挟む正極端子20の板部26,28は、図示されないポンチとダイの間に挟み込まれてかしめられて塑性変形する。板部22,24がかしめ加工されて塑性変形して接合され、板部26,28がかしめ加工されて塑性変形して接合された状態の断面を図4に示す。またかしめられた塑性変形した部分の拡大断面図を図5に示す。
図5に示すように、凹部32の底縁に沿って板部26が裏面側に膨出するようにかしめると(26a参照)、底縁の上方では板部26が薄肉(28b参照)になり、そこに積層電極箔と板部28が塑性変形して食い込む(28b参照)。板部26が薄肉部26bに板部28の膨出部28bが食い込むと、2層の板部26と28は強固に機械的に接合される。正電極箔の積層4fに過大な負荷をかけることなく、2層の板部26と28は強固に接合することができ、脆弱で破れやすい正電極箔を破ることなく強固に正極端子20に接合することができる。
また、正電極箔の積層4fは、深さ方向に引き伸ばされ(4fa参照)、底面に沿って引き伸ばされる(4fb参照)。特に、底面では、底面に沿って引き伸ばされながら面直方向に圧接されるために、電極箔同士ならびに電極箔と端子がよく密接する。接触面積が増大し、電極箔同士ならびに電極箔と端子がよく密接するので接触抵抗は低くなる。さらに、電極箔と端子表面に形成されている酸化膜は伸びにくいために、電極箔と端子が塑性変形するときに破壊される。電極箔同士ならびに電極箔と端子は、酸化膜を介さないで金属表面同士が直接に密着するために、接触抵抗は非常に低くなる。
正電極箔4bの積層4eを挟む正極端子20の板部22,24も、ポンチとダイでかしめられて接合される。負電極箔部8bついても同様に、負電極箔8bの積層8eを挟む負極端子80の板部82,84、ポンチとダイでかしめられて接合され、負電極箔8bの積層8fを挟む負極端子80の板部86,88は、ポンチとダイでかしめられて接合される。
【0024】
本実施例における捲回電極1と正極端子20及び負極端子80は、捲回電極1の端面の電極箔4b、8bの積層部分を2等分し、それぞれの端子が有する2層の板部の間に、2等分された電極箔4b、8bの積層部分4e,4f,8e,8fを挟み込んだ状態で、かしめ加工して接合する。端子の板部はかしめ加工の際に塑性変形し、一方の板部が他方の板部に没入して接合されるが、このとき、電極箔の積層も塑性変形し、端子の板部に圧着されるため、充分な接合強度が得られる。又、2層の板部の間に挟み込まれる電極箔の積層枚数が2等分されているために、全ての電極箔を2層の板部で接合する場合に比較すると、通電抵抗を低く押さえることができる。電極箔と端子間の通電抵抗は、かしめを行うことにより、電極箔間の隙間がなくなって電極箔同士が圧着すること、端子と電極箔の積層が広い面積で圧着すること、更には、電極箔の表面に形成されている酸化膜が破れて接合されること等により、非常に低減される。即ち、充分な接合強度と低減された通電抵抗を持つ蓄電装置を得ることができる。
かしめ加工は、溶接して接合するのに比して、短時間で処理でき、安価な設備で実施でき、接合処理に必要なランニングコストも低いため、蓄電装置を安価に短時間で製造することが可能となる
【0025】
(第2実施例) 図6に、本実施例に係わる積層電極を模式的に示す。本実施例の積層電極41は、絶縁シート42と正極シート44と絶縁シート46と負極シート48の組が積層されて形成されている。
正極シート44は、アルミニウム箔44bの両面に正極性を示す電解質が塗布されて形成されている。アルミニウム箔44bの一方の長辺44cに沿った部分には、電解質が塗布されず、正電極箔4bが露出している。負極シート48は、銅箔48bの両面に負極性を示す電解質が塗布されて形成されている。銅箔48bの一方の長辺48dに沿った部分には、電解質が塗布されず、負電極箔48bが露出している。負極シート48の電解質の塗布部の幅と、正極シート44の電解質の塗布部の幅は等しく、絶縁シート42、44の幅もまた等しい。負極シート48と正極シート44と絶縁シート42と絶縁シート44の長さはすべて等しい。
正極シート44は、電解質が塗布されていないために正電極箔44bが露出する部分が、絶縁シート42、44の第1辺42c、46cから突出するように配置される。負極シート48は、電解質が塗布されていないために負電極箔48bが露出する部分が、絶縁シート42、46の第2辺42d、46dから突出するように配置される。前記の位置関係を保って、絶縁シート42と正極シート44と絶縁シート46と負極シート48は4枚が一組となって積層される。尚、ここに示される積層電極41の積層枚数は、図示の明瞭化ために実際よりも少なく示されている。
【0026】
図7(a)に、積層電極41の正電極箔44の積層44bに接合する正極端子34の一例を示し、図7(b)に、負電極箔48の積層48bに接合する負極端子94の一例を示す。正極端子34にはアルミニウムの板材が用いられ、負極端子94には銅の板材が用いられている。正極端子34の両側辺には、対向して一対となる2層の板部36,38が折り曲げられて形成されている。負極端子94は、正極端子34の鏡像となる形状であって、対向して一対となる2層の板部96,98が折り曲げられて形成されている。正極端子34の2層の板部36,38は、絶縁シート42,46の第1辺42c、46cから突出する正電極箔44bの積層を挟みこむ。負極端子94の板部96,98は、絶縁シート42,46の第2辺42d、46dから突出する負電極箔48bの積層を挟みこむ。
【0027】
正電極箔の積層44bを挟み込んだ正極端子34の2層の板部36,38は、かしめによって塑性変形する。板部36と板部38は、いずれか一方の板部が間に挟み込まれた正電極箔部の積層44bと共に他方の板部に没入して、正電極の積層44bと正極端子34が接合される。没入する側の板部の選択は、かしめ設備と積層電極41と正極端子34の配置等を考慮して、板部36と板部38のいずれの側も選択することができる。
負電極箔の積層48bについても同様に、負極端子94にかしめによって接合されて、積層電極41の負電極部48bと負極端子94との接合が完了する。
【0028】
本実施例の端子は、2層の板部の間に、電極箔の積層の全部を挟み込むためにかしめ加工回数を少なくすることができ、より迅速に電極箔と端子を接合することができる。本実施例は、積層された電極シートと絶縁シートの積層枚数の少ない蓄電装置に適している。
【0029】
(第3実施例)
本実施例に係わる捲回電極と端子がかしめによって接合された状態を、図8に示す。捲回電極の構成およびかしめによる接合方法は実施例1と同様であり、同一符号を付与して重複説明を割愛する。
この実施例の正極端子60は、捲回中心10に挿入される中央部62を備えている。中央部62は、2層の板部64,66を有している。捲回電極1の正電極箔4bの捲回中心10に中央部62が挿入されると、板部64,66によって、正電極箔4bの積層が4eと4fに2分割される。正電極箔4bの積層4eを挟んで板部66に対向する位置に金属板70が配置されて、かしめが行われる。金属板70と板部66は塑性変形して、金属板70と正電極箔4bの積層4eが板部66に没入し、正電極箔4bの積層4eが、正極端子60に接合される。さらに正電極箔4bの積層4fを挟んで板部64に対向する位置に金属板58が配置されて、かしめが行われる。金属板68と板部64は塑性変形して、金属板68と正電極箔4bの積層4fが板部64に没入し、正電極箔4bの積層4fが、正極端子60に接合される。
【0030】
本実施例における端子60と電極箔の積層4e,4fの接合方法では、電極箔の積層4e,4fを挟み込む2層の金属板のうち、一方の板部は端子とは異なる金属板を用いている。端子とは異なる板厚や材質の金属板68,70を用いてかしめ加工を行うことができるので、接合部分の強度やかしめ部分の加工特性を容易に変更することができる。
【0031】
図9は、さらに別の端子と電極の接合状態を示している。この場合、電極72が端子74に巻き込まれて挟まれた状態で、かしめが行われる。電極72は、端子74に巻き込まれているために、電極72と端子74の接触面積が更に増加して通電抵抗を下げることができる。このようにしても、電極72と端子74を接合することができる。
【0032】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、実施例では、かしめ加工して端子と電極箔を接合する技術を説明したが、かしめ加工以外の方法によって電極箔を挟んだ端子を塑性変形させて2層の板部同士を機械的に接合させても良い。電極箔や端子の素材や、電極箔に塗布する電解質の組成は、蓄電装置に求められる特性を実現するものであればよく、多種のなかから選択することができる。
【0033】
【発明の効果】
本願発明の蓄電装置によると、2層の板部で電極箔の積層を挟み込み、その2層の板部を塑性変形させていずれか一方の板部と電極箔の積層が他方の板部に没入した構造を実現することによって、2層の板部同士を機械的に接合させて電極箔の積層と端子を接合するために、電極箔に過大な負荷をかけることなく、電極箔の積層と端子充分な接合強度で接合することができる。又、一方の板部が他方の板部に没入する際に、電極箔同士ならびに電極箔と端子が圧着する面積が拡大し、広い範囲でよく密着することから正極端子と負極端子間の通電抵抗を下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の捲回電極の構造を模式的に示す図。
【図2】 第1実施例の端子の構造を模式的に示す図。
【図3】 第1実施例の電極箔が端子に挟み込まれた状態の断面図。
【図4】 第1実施例の電極箔を挟んだ端子がかしめられた後の断面図。
【図5】 かしめ部の拡大断面図。
【図6】 第2実施例の積層電極の構造を模式的に示す図。
【図7】 第2実施例の端子の構造を模式的に示す図。
【図8】 第3実施例の電極箔を挟んだ端子がかしめられた後の断面図。
【図9】 第3実施例の電極と端子のさらに別の接合状態を示す断面図。
【符号の説明】
1:捲回された電極
2,6、42,46:絶縁シート
4,44:正極シート
8,48:負極シート
10:捲回中心
20,34,60:正極端子
22,24,26,28,36,38,82,84,86,88,96,98:板部
80,94:負極端子
Claims (5)
- 絶縁シートと正極シートと絶縁シートと負極シートの組が積層されており、絶縁シートの辺から正極シートの正電極箔が突出して正電極箔の積層が形成されており、正電極箔の積層とは異なる位置において絶縁シートの辺から負極シートの負電極箔が突出して負電極箔の積層が形成されている積層電極と、
正電極箔の積層に接合されている正極端子と、
負電極箔の積層に接合されている負極端子を有する蓄電装置であり、
正電極箔の積層は2層の板部の間に挟みこまれており、その2層の板部が塑性変形して一方の板部と正電極箔の積層が他方の板部に没入することによって正極端子に接合されており、
負電極箔の積層は2層の板部の間に挟みこまれており、その2層の板部が塑性変形して一方の板部と負電極箔の積層が他方の板部に没入することによって負極端子に接合されていることを特徴とする蓄電装置。 - 長尺絶縁シートと長尺正極シートと長尺絶縁シートと長尺負極シートの組が捲回されており、長尺絶縁シートの一方の長辺から正極シートの正電極箔が突出して捲回中心の両側に正電極箔の積層が形成されており、長尺絶縁シートの他方の長辺から負極シートの負電極箔が突出して捲回中心の両側に負電極箔の積層が形成されている捲回電極と、
正電極箔の積層に接合されている正極端子と、
負電極箔の積層に接合されている負極端子を有する蓄電装置であり、
正極端子は、捲回電極の捲回中心に挿入される中心板部と、その中心板部との間で捲回中心の一方の片側にある正電極箔の積層を挟みこむ第1外側板部と、その中心板部との間で捲回中心の他方の片側にある正電極箔の積層を挟みこむ第2外側板部を有し、中心板部と第1外側板部同士ならびに中心板部と第2外側板部同士が塑性変形して一方の板部と正電極箔の積層が他方の板部に没入しており、
負極端子は、捲回電極の捲回中心に挿入される中心板部と、その中心板部との間で捲回中心の一方の片側にある負電極箔の積層を挟みこむ第1外側板部と、その中心板部との間で捲回中心の他方の片側にある負電極箔の積層を挟みこむ第2外側板部を有し、中心板部と第1外側板部同士ならびに中心板部と第2外側板部同士が塑性変形して一方の板部と負電極箔の積層が他方の板部に没入していることを特徴とする蓄電装置。 - 正極端子は一枚の板材が折り曲げられて形成されており、負極端子は他の一枚の板材が折り曲げられて形成されていることを特徴とする請求項1または2の蓄電装置。
- 絶縁シートと正極シートと絶縁シートと負極シートの組が積層された積層電極と、正極シートの正電極箔の積層に接合された正極端子と、負極シートの負電極箔の積層に接合された負極端子を有する蓄電装置の製造方法であり、
正電極箔の一部を除外して正極性の電解質を塗布して正極シートを形成する工程と、
負電極箔の一部を除外して負極性の電解質を塗布して負極シートを形成する工程と、
電解質が塗布されていない正電極箔と電解質が塗布されていない負電極箔が離反する位置関係で、絶縁シートと正極シートと絶縁シートと負極シートの組を積層する工程と、
正電極箔の積層を2層の板部の間に挿入し、その2層の板部をかしめて一方の板部と正電極箔の積層を他方の板部に没入させる工程と、
負電極箔の積層を2層の板部の間に挿入し、その2層の板部をかしめて一方の板部と負電極箔の積層を他方の板部に没入させる工程を有する蓄電装置の製造方法。 - 長尺絶縁シートと長尺正極シートと長尺絶縁シートと長尺負極シートの組が捲回された捲回電極と、正極シートの正電極箔の積層に接合された正極端子と、負極シートの負電極箔の積層に接合された負極端子を備えた蓄電装置の製造方法であり、
長尺正電極箔の一辺に沿った部分を除外して正極性の電解質を塗布して長尺正極シートを形成する工程と、
長尺負電極箔の一辺に沿った部分を除外して負極性の電解質を塗布して長尺負極シートを形成する工程と、
正電極箔が露出して突出する辺と負電極箔が露出して突出する辺が両側に位置する位置関係で、長尺絶縁シートと長尺正極シートと長尺絶縁シートと長尺負極シートの組を捲回して捲回電極を形成する工程と、
一枚の板材を折り曲げて、捲回電極の捲回中心に挿入する中心板部と、その中心板部との間で捲回中心の一方の片側にある正電極箔の積層を挟みこむ第1外側板部と、その中心板部との間で捲回中心の他方の片側にある正電極箔の積層を挟みこむ第2外側板部を有する正極端子を用意し、捲回中心の一方の片側にある正電極箔の積層を中心板部と第1外側板部の間に挿入し、その2層の板部をかしめて一方の板部と正電極箔の積層を他方の板部に没入させ、捲回中心の他方の片側にある正電極箔の積層を中心板部と第2外側板部の間に挿入し、その2層の板部をかしめて一方の板部と正電極箔の積層を他方の板部に没入させる工程と、
一枚の板材を折り曲げて、捲回電極の捲回中心に挿入する中心板部と、その中心板部との間で捲回中心の一方の片側にある負電極箔の積層を挟みこむ第1外側板部と、その中心板部との間で捲回中心の他方の片側にある負電極箔の積層を挟みこむ第2外側板部を有する負極端子を用意し、捲回中心の一方の片側にある負電極箔の積層を中心板部と第1外側板部の間に挿入し、その2層の板部をかしめて一方の板部と負電極箔の積層を他方の板部に没入させ、捲回中心の他方の片側にある負電極箔の積層を中心板部と第2外側板部の間に挿入し、その2層の板部をかしめて一方の板部と負電極箔の積層を他方の板部に没入させる工程を有する蓄電装置の製造方法。
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