JP4371562B2 - 釣竿 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚釣りに用いる釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の釣竿は、竿体と、竿体の竿元側に配置されリールを装着するためのリールシートと、リールシートの竿元側や穂先側の竿体周面に固定されたグリップとを有している。このグリップは、例えば、ポリウレタンやEVA等の弾性合成樹脂やコルク材等からなる略円筒型部材であって、竿体の所定の周面上に接着剤等で固定されたり、竿体に直接射出成型等されて固定されている。
【0003】
そして、釣人はリールシートに取り付けたリールの脚部と共にリールシート及びグリップを把持してキャスティングやリトリーブ等の操作を行い、釣竿を把持する手が軸方向にずれたり周方向にずれたりするのを抑えつつ、魚を釣り上げる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の釣竿においては、このような合成樹脂等からなるグリップの周面にさらに合皮テープ等を巻回したものもある。このような合皮等からなるテープを巻回することで滑り止め作用を期待するものである。
【0005】
しかし、このようなテープをグリップ周面に巻回する場合、テープの巻回開始部分と終了部分となるグリップの両端部からテープが剥がれやすく、かかる部分の補強が必要である。ここで、金具や塗材樹脂のディピング等でテープを固定してしまうことも考えられるが、これでは後にテープを交換したい場合にも交換ができなくなってしまう。
【0006】
本発明の課題は、テープの交換も可能であり、かつテープ端部の補強が可能なグリップを有する釣竿を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明1にかかる釣竿は、魚釣りに用いる釣竿であって、竿体と、竿体周面に配置された略筒状のグリップベースと、グリップベースの周面に巻回されたテープと、グリップベースの穂先側に隣接して竿体周面上に軸方向に移動自在でかつ任意の位置に固定可能に配置され竿元側端部周縁に竿元側方向に延出したフランジが形成された略筒状のスカート部とを備えている。
【0008】
この釣竿では、グリップベースの周面に巻回されるテープがこの部分を釣人が把持する際の滑り止め効果を高めている。また、このテープの穂先側に配置されるスカート部がその竿元側端部のフランジ内にテープの端部を収めてこれを保護し、不要にテープが剥がれてしまうのを防止している。一方、このスカート部は軸方向に移動自在であり、穂先側に移動させることでスカート部がテープ端部を覆うのを解除できる。よって、使用され破損または汚れたテープを剥がして張り替えることも可能である。
【0009】
発明2にかかる釣竿は、発明1の釣竿であって、竿体はグリップベースの穂先側周面に雄ねじ部を有し、スカート部の内周面は雄ねじ部に螺合する雌ねじ部となっている。
【0010】
この場合には、スカート部の内周面の雄ねじ部を竿体の雌ねじ部に螺合させることで、スカート部は竿体周面を軸方向に自在に移動しまた任意の箇所において固定できる。
【0011】
発明3にかかる釣竿は、発明1の釣竿であって、グリップベースの竿元側に隣接して竿体周面上に軸方向に移動自在でかつ任意の位置に固定可能に配置され、穂先側端部周縁に穂先側方向に延出したフランジが形成された略筒状の竿元側スカート部をさらに備える。
【0012】
この釣竿では、テープの竿元側に配置される竿元側スカート部がその穂先側端部のフランジ内にテープの端部を収めてこれを保護し、不要にテープが剥がれてしまうのを防止している。一方、このスカート部は軸方向に移動自在であり、竿元側に移動させることでスカート部がテープ端部を覆うのを解除できる。よって、使用され破損または汚れたテープを剥がして張り替えることも可能である。このようにして、テープの両端の保護を図ることができる。
【0013】
発明4にかかる釣竿は、魚釣りに用いる釣竿であって、竿体と、竿体周面に巻回されたテープと、竿体のテープ巻回部分の穂先側に隣接して竿体周面上に軸方向に移動自在でかつ任意の位置に固定可能に配置され、竿元側端部周縁に竿元側方向に延出したフランジが形成された略筒状のスカート部とを備えている。
【0014】
この釣竿では、竿体に直接テープが巻回されグリップを構成することになる。ここでも、スカート部がテープの先端からテープが不要に剥がれたり破損するのを防止する。そして、テープ交換を妨げるものでもない。
【0015】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
本発明の第1実施形態を採用した釣竿は、図1に示すように、複数の筒状部材が順次連結されて構成された竿体1と、竿体1上に一定の間隔を隔てつつ配置された複数の釣糸ガイド2と、竿体1の竿元側に配置されリール(図示せず)を脱着自在に装着可能なリールシート3と、リールシート3の竿元側の竿体1の周面に形成される竿元グリップ部4と、リールシート3の穂先側の竿体1の周面に形成される前グリップ5とを有している。
【0017】
竿体1を構成する複数の部材は、それぞれ炭素繊維またはガラス繊維等の強化繊維に合成樹脂を含浸させたプリプレグをマンドレルに巻回し焼成して得られた先細り筒状部材である。それぞれの部材は、穂先側・竿元側端部にそれぞれ嵌合部と被嵌合部とを有し、いわゆる並継形式で順次穂先側の小径部材を穂先側に連結可能になっている。そして竿元側に位置する竿体1のリールシート3の穂先側周面には、穂先側から順に、筒状の第1雄ねじ部材20と第2雄ねじ部材21が間隔を隔てて配置されている(図2参照)。
【0018】
リールシート3は、内部に竿体1が貫通して装着される合成樹脂または金属からなる変形筒状部材である。リールシート3は、リールの脚部の一端を係止するために竿元側に設けられた固定フード3aと、リールの脚部を載置するための載置部と、軸方向に移動自在に穂先側に設けられた移動フード3bとを有している。そして、このリールシート3では、移動フード3bの穂先側に隣接して周方向に移動自在に設けられたリールシートナット3cを回転させつつ軸方向に移動させて移動フード3bを竿元側に移動させ、固定フード3aと移動フード3bとでリールの脚部を挟み込みながらリールを竿体1に固定している。
【0019】
図2に示すように、前グリップ5は、竿体1の第1雄ねじ部材20と第2雄ねじ部材21の間の周面に固定されるグリップベース10と、グリップベース10の周面に螺旋状に軸方向に隙間無く巻回されたグリップテープ11と、第1雄ねじ部材20と第2雄ねじ部材21とにそれぞれ螺合した第1スカート12と第2スカート13とを有している。
【0020】
グリップベース10は、PVAやポリウレタン等の弾性合成樹脂やコルク材等からなる円筒部材であり竿体1が貫通した状態で竿体1の周面に固定されている。合成樹脂からなる場合には、竿体1に直接射出して形成してもよく、また別途形成後に接着剤等で固定してもよい。
【0021】
グリップテープ11は合成皮や合成樹脂からなるテープ部材であり内面には接着剤が塗布されており、グリップベース10の周面に螺旋状に順次巻回され固定されている。
【0022】
第1スカート12及び第2スカート13はそれぞれ略筒状の部材である。第1スカート12の竿元側端部周縁,第2スカート13の穂先側端部周縁にはそれぞれ竿元側方向,穂先側方向に突出するフランジ12a,13aが形成されている。そして、それぞれのフランジ12a,13aと竿体1との間には間隙が形成される。フランジ12a,13aの突出長さは必要に応じて設定されるものであるが、およそ5〜15mm程度に設定することになる。また、第1スカート12は内周面にねじ山が形成され雌ねじ部分となっており、第1雄ねじ部材20に螺合している。一方、第2スカート13も内周面にねじ山が形成され雌ねじ部分となっており、第1雄ねじ部材21に螺合している。なお、第2雄ねじ部材21にはリールシート3のリールシートナット3cも螺合しており、穂先側に第2スカート13,竿元側にリールシートナット3cが位置している。
【0023】
このように構成された釣竿では、グリップベース10が適度な弾力感を、その周面に巻回されるグリップテープ11が滑り止め効果を演出し、前グリップ5を釣人が把持しやすくしている。また、このグリップテープ11の軸方向両端側にそれぞれ配置される第1スカート12,第2スカート13がそれぞれのフランジ12a,13a内の空隙にグリップテープ11の端部を収めてこれを保護し、不要に端部からテープが剥がれまたは破損してしまうのを防止している。
【0024】
一方、この第1スカート12,第2スカート13はそれぞれ第1雄ねじ部材21,第2雄ねじ部材22に螺合しており、回転させることで軸方向に移動自在である。そして、第1スカート12,第2スカート13を軸方向に移動させることで両スカートのフランジ12a,13aがグリップテープ11の端部を覆うのを解除でき、使用され破損または汚れた際にグリップテープ11を剥がして張り替えることも可能である。
【0025】
[他の実施形態]
(a)図3に示すように、前グリップ5においてその穂先側端部に第1雄ねじ部材20のみが配置され、第1スカート12のみが配置されるものであってもよい。特に剥がれやすい穂先側からのグリップテープ11の剥離,破損を十分に防止し得る。
(b)上記実施形態においては前グリップ5について説明しているが、竿元グリップ4においても同様の構造を採用し、グリップテープの剥離を防止すると共にその交換を可能とすることもできる。
(c)上記実施形態においてはリールシート付きに釣竿を例示し、リールシートナット3cと第2スカート13とで第2雄ねじ部材21を共用する場合を示しているが、かかる形態に限定されるものではなく、両者に別の雄ねじ部材を設けてもよい。また、リールシート無き釣竿においても適応可能である。
(d)図4に示すように、グリップベース10を特に設けること無く、直接竿体1にグリップテープ11を巻回するものであってもよい。この場合、グリップ把持時のある程度の弾力性を必要とすれば、一定の厚みを有し弾性樹脂が積層されたようなグリップテープ11を用いることもできる。また、雄ねじ部材を別途竿体1に取り付けることなく、竿体1の周面に直接ねじ山を設けて雄ねじ部分としてもよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、グリップテープの交換も可能でかつ耐久性に優れるグリップを有する釣竿を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を採用した釣竿の全体図。
【図2】図1の前グリップ5付近の拡大断面図。
【図3】本発明の他の実施形態を採用した釣竿の前グリップ5の拡大断面図。
【図4】本発明の他の実施形態を採用した釣竿の前グリップ5の拡大断面図。
【符号の説明】
1 竿体
3 リールシート
5 前グリップ
10 グリップベース
11 グリップテープ
12,13 第1,第2スカート
20,21 第1,第2雄ねじ部材
Claims (4)
- 魚釣りに用いる釣竿であって、
竿体と、
前記竿体周面に配置された略筒状のグリップベースと、
前記グリップベースの周面に巻回されたテープと、
前記グリップベースの穂先側に隣接して前記竿体周面上に軸方向に移動自在でかつ任意の位置に固定可能に配置され、竿元側端部周縁に竿元側方向に延出したフランジが形成された略筒状のスカート部と
を備えた釣竿。 - 前記竿体は前記グリップベースの穂先側周面に雄ねじ部を有し、前記スカート部の内周面は前記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部となっている、請求項1に記載の釣竿。
- 前記グリップベースの竿元側に隣接して前記竿体周面上に軸方向に移動自在でかつ任意の位置に固定可能に配置され、穂先側端部周縁に穂先側方向に延出したフランジが形成された略筒状の竿元側スカート部をさらに備える、請求項1に記載の釣竿。
- 魚釣りに用いる釣竿であって、
竿体と、
前記竿体周面に巻回されたテープと、
前記竿体のテープ巻回部分の穂先側に隣接して前記竿体周面上に軸方向に移動自在でかつ任意の位置に固定可能に配置され、竿元側端部周縁に竿元側方向に延出したフランジが形成された略筒状のスカート部と
を備えた釣竿。
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