JP3963436B2 - 釣竿 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚釣りに用いる釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の釣竿は、竿体と、竿体の竿元側に配置されリールを装着するためのリールシートと、リールシートの竿元側や穂先側の竿体周面に固定されたグリップとを有している。このグリップは、例えば、ポリウレタンやEVA等の弾性合成樹脂やコルク材等からなる略円筒型部材であって、竿体の所定の周面上に接着剤等で固定されたり、竿体に直接射出成型等されて固定されている。そして、釣人はリールシートに取り付けたリールの脚部と共にリールシート及びグリップを把持してキャスティングやリトリーブ等の操作を行い、魚を釣り上げることになる。
【0003】
このようなグリップは釣人が直接把持して釣り操作を行う部分であるので、滑り止め効果,グリップ感の向上等の特性が要求され、様々な工夫が為されている。例えば、グリップ部分を構成するポリウレタン部材の外周面に凹凸を設けたものや、一定の厚みのある弾性テープを螺旋状に巻回して凹凸を設けたものなどがある。これらのグリップは外周面に凹凸を設けることで滑り止め効果・グリップ感の向上を図っているのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来のグリップでは、滑り止め効果等に一定の改善がみられるが、グリップの外周面にゴミ等が付着しやすいという問題がある。釣竿は野外で用いるものであり、魚や魚餌等を取り扱った上で釣人が把持するグリップ部分には特にゴミ・石・木屑等が付着し易く凹凸部分にはまりやすい。また、テープを巻回するような場合にはテープの隙間等にゴミが付着し易く、また、長期に使用しているとテープの剥離も生じ得る。
【0005】
本発明の課題は、ゴミ等が付着しにくく且つ滑り止め効果も高いグリップを有する釣竿を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明1の釣竿は、魚釣りに用いる釣り竿であって、竿体と、前記竿体の竿元側に設けられ、前記竿体が貫通した状態で前記竿体の外周面に固定されており、軸方向に間隔を隔てつつ周方向に伸びる径外方向に突出した複数の突起を外周面に有する筒状の芯材と、前記芯材が貫通した状態で前記芯材の外周面に配置されている弾性体からなり、釣人が握るための円筒状のグリップ体とを備え、前記グリップ体は、釣人が強く握り込んだとき、釣人の把持する程度に応じて前記複数の突起に沿って弾性変形し、釣人が握り込まないとき円筒状のものであることを特徴とする。
【0007】
この釣竿では、釣人はグリップ体を把持しながら釣りを行うことになる。このグリップ体は円筒状でありその周面自体には凹凸はなく、釣人が把持していない状態乃至釣人が強く握り込まない状態では、通常の円筒状の部材そのものである。釣り操作の最中で仕掛けに魚が係るなど竿体に強い力がかかり釣人がグリップを強く握り込むと、グリップ体は釣人の把持する程度に応じてその内部にある芯材の外周面の凹凸に沿って弾性変形する。そして、このように変形したグリップ体が滑り止め効果を奏し、グリップ感も向上させる。
【0008】
なお、グリップ体は芯材に接着等してもよいが、芯材に対して脱着自在としてもよい。汚れた手で把持するグリップ体は交換可能乃至取り外して洗浄可能とするのが好ましい。また、このようにグリップ体を脱着自在としても、芯材の外周面に突起があり芯材とグリップ体との間の滑り止め作用も期待できるので、グリップ体が容易に外れたりずれたりすることも少ない。
【0009】
発明2の釣竿は、発明1の釣竿であって、グリップ体はゴム素材からなり、その側周面の肉厚が1〜3mmであり且つその硬さがゴム硬さ試験器AskerC型硬さ計において40〜70°であり、芯材の突起の高さは1.5〜4.0mmである。
所定の肉厚のグリップ体のゴム硬さを所定の範囲に設定し、その内部に位置する芯材の外周面の突起の高さも所定の範囲に設定することで、通常、グリップ体を握り込まない状態では、外形上グリップ体は何ら凹凸なき筒状体のままであり、釣人がグリップ体を握り込んだ場合に凹凸が生じるように、グリップ体の変形を適度なものとなしえる。
【0010】
発明3の釣竿は、発明1又は2の釣竿であって、芯材の突起は芯材の外周面に軸方向に螺旋状に連続している。
この釣竿の芯材では外周面の突起を螺旋状に連続的に形成する。突起を螺旋状の連続形状とすることで、グリップ体の周方向及び軸方向の各部分での滑り止め効果等がおよそ均等に為なる。また、突起の成形も容易である。
【0011】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明の第1実施形態を採用した釣竿は、図1に示すように、元竿1と、その穂先側に連結された穂先竿2とを有している。元竿1、穂先竿2等である竿体は、それぞれ炭素繊維等の強化繊維に合成樹脂を含浸させたプリプレグ材から構成された先細り筒状部材である。いわゆる並継形式で連結されており、穂先側の穂先竿2の竿元側端部は元竿1の穂先側端部に挿入して連結可能となっている。
【0012】
元竿1は、リール(図示せず)を脱着自在に装着可能なリールシート3と、リールシート3の穂先側の外周面に配置されるフロントグリップ4と、穂先側の竿体周面に固定された釣糸ガイド5と、竿元側端部の外周面に配置されるリアグリップ6とを有している。一方、穂先竿2は、その周面に軸方向に一定の間隔を隔てて複数個配置されている釣糸ガイド7を有している。そして、リールからの釣糸を順次釣糸ガイド5,7に挿通させて穂先側に導くことになる。
【0013】
図2及び図3に示すように、リアグリップ6は、芯材10と、芯材10の外周面に配置されるグリップ体11とを有している。
芯材10は、その内径が元竿1の竿元側端部外径に合致するように形成される筒状体であり、例えば、ABS樹脂や発泡ポリウレタン等の合成樹脂や、コルク材等の木材を用いて形成される。そして、元竿1が貫通した状態で元竿1の竿元側端部外周面に配置され、接着剤等で固定される。
【0014】
芯材10の外周面では周方向にリング状に伸びる突起10aが径外方向に突出している。この突起10aは軸方向に一定の間隔を隔てて複数個形成されている。突起10aは芯材10と一体的に形成してもよいが、別途リング状の部材を筒状体の周面に配置して接着して突起10aを設けてもよい。突起10aの高さは2.0mm程度であり、突起10aの軸方向の間隔は8.0mm程度である。この突起10aの軸方向間隔は必ずしも等間隔とする必要はなく、竿元側端部ほど軸方向間隔が広がるように設定したり、軸方向中央付近の軸方向間隔を特に狭くなるように設定してもよい。
【0015】
グリップ体11は、その内径が上述の芯材10の突起10a部分の外径に合致するように形成された円筒状の部材である。詳しくは、竿元側端部は塞がれて蓋となっており、穂先側端縁は部分的に小径化してフランジ状に形成されている。そして、このグリップ体11は穂先側から上述の芯材10が挿入された状態で芯材10の外周面に配置されることになる。必要に応じて、芯材10の周面に接着剤等によって接着固定してもよいが、脱着自在としてもよい。このようにグリップ体11を脱着自在としても、上述の芯材10の外周面の突起10aによってグリップ体11が容易に外れたりずれたりすることも少ない。なお、このグリップ体11は、EVA樹脂等の弾性体から構成され、その硬さはゴム硬さ試験器AskerC型硬さ計において40〜70°とし、その周面の厚みを3.0mm程度に設定するのが好ましい。
【0016】
このように構成される釣竿では、釣人はリールシート3にリールを装着した上で、釣糸を順次釣糸ガイド5,7に挿通させて仕掛けを作り、リアグリップ6やフロントグリップ4等を把持しながら釣りを行うことになる。リアグリップ6の外周を構成するグリップ体11は円筒状でありその周面自体には凹凸はなく、釣人が把持していない状態や釣人が強く握り込まない状態では、通常の円筒状の部材そのものである。よって、ゴミなどがグリップ体11の周面に付着したり溜まったりしにくい。
【0017】
釣り操作の最中に於いて、仕掛けに魚が係るなど竿体に強い力がかかり釣人がリアグリップ6を強く握り込むと、グリップ体11は釣人の把持する程度に応じてその内部にある芯材10の外周面の凹凸に沿って弾性変形する。そして、このように変形するグリップ体11が滑り止め効果を奏し、グリップ感も向上する。
[他の実施形態]
(a)上記実施形態におけるフロントグリップ4についても、以下のような構造を採用することも可能である。
【0018】
図4に示すように、フロントグリップ4は、芯材20と、芯材20の外周面に配置されているグリップ体21とを有する。そして、フロントグリップ4の軸方向両端には保護リング22が配置されている。
芯材20は、リアグリップ6と同様に、その内径が元竿1の所定位置の外径に合致するように形成される筒状体である。そして、元竿1が貫通した状態で元竿1の竿元側端部外周面に配置され、接着剤等で固定される。この芯材20の外周面には軸方向に螺旋状に伸びる突起20aが径外方向に突出している。この突起20aは、例えば、筒状体を形成した後にその側周面を順次削ってねじ切り形成することができる。なお、この突起20aの高さなどは上述のリアグリップ6と同様である。
【0019】
グリップ体21は、その内径が上述の芯材20の突起20a部分の外径に合致するように形成された円筒状の部材である。そして、このグリップ体21は上述の芯材20が挿入された状態で芯材20の外周面に配置され、その軸方向両端を保護リング22で挟まれて固定されている。なお、このグリップ体21の厚みや硬さなども上述のリアグリップ6と同様である。
【0020】
このようなフロントグリップ4も上述のリアグリップ4と同様の作用効果を奏することになる。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係る釣竿のグリップは汚れにくく滑り止め効果も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を採用した釣竿の全体図。
【図2】図1のリアグリップ6付近の断面図。
【図3】図2のリアグリップ6の参考図。
【図4】本発明の他の実施形態のフロントグリップ4の斜視図。
【符号の説明】
1 元竿
4 フロントグリップ
6 リアグリップ
10,20 芯材
11,21 グリップ体
Claims (3)
- 魚釣りに用いる釣り竿であって、
竿体と、
前記竿体の竿元側に設けられ、前記竿体が貫通した状態で前記竿体の外周面に固定されており、軸方向に間隔を隔てつつ周方向に伸びる径外方向に突出した複数の突起を外周面に有する筒状の芯材と、
前記芯材が貫通した状態で前記芯材の外周面に配置されている弾性体からなり、釣人が握るための円筒状のグリップ体とを備え、
前記グリップ体は、釣人が強く握り込んだとき釣人の把持する程度に応じて前記複数の突起に沿って弾性変形し、釣人が握り込まないとき円筒状のものである
ことを特徴とする釣竿。 - 前記グリップ体はゴム素材からなり、その側周面の肉厚が1〜3mmであり且つその硬さがゴム硬さ試験器AskerC型硬さ計において40〜70°であり、前記芯材の突起の高さは1.5〜4.0mmである、請求項1に記載の釣竿。
- 前記芯材の突起は芯材の外周面に軸方向に螺旋状に連続している、請求項1又は2に記載の釣竿。
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