JP4370777B2 - アルキレンカーボネートの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルキレンカーボネートの製造方法に関する。詳しくはエチレンの気相酸化による酸化反応ガス中の炭酸ガスを原料として高品質のアルキレンカーボネートを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルキレンカーボネートは有機溶媒としてまたは反応試薬として有用な化合物である。特にリチウム2次電池などの溶媒に使用される外、アルキル炭酸エステルの原料としても使用される。
アルキレンカーボネートの製造法としては、酸化アルキレン(アルキレンオキシド)と炭酸ガスとを反応させるのが一般的であり、従来、そのための触媒、プロセスなどについて多くの報告がなされている。
【0003】
原料の炭酸ガスについて、一般に工業的に用いられる炭酸ガスは、アンモニア製造用の水素製造プロセスにおける副生炭酸ガス、或いは発酵プロセスにおける生成炭酸ガス、から得られるものであり、これらは回収及び精製の各工程を経ることにより、通常99.5%以上の純度を有している。また必要に応じてさらに純度を高めた炭酸ガスも市販されている。
【0004】
他方、酸化エチレンの製造工程においても炭酸ガスが副生する。即ち酸化エチレンの製造法としては、通常、エチレンを銀触媒を使用して部分酸化する方法が用いられるが、この場合、副反応としてエチレンの完全酸化反応が生起し、炭酸ガスが生成するのである。炭酸ガスは、エチレンの部分酸化反応において有害であるので、除去するのが一般的であり、除去された炭酸ガスは通常、大気中に排出される。もしも、ここで排出される副生炭酸ガスをアルキレンカーボネートの製造原料として用いることができるのであれば、経済的に有利であるばかりでなく、環境面でも温暖化ガスである炭酸ガスを排出することなく固定化することになるので、有益な方法ということができる。特に、目的製品がエチレンカーボネートである場合には、同一プラントから両原料が得られることになるので、原料の貯蔵、移送に関する設備を大幅に簡略化することが可能であり、経済的に極めて有効であるということができる。
【0005】
酸化エチレンの製造工程において副生する炭酸ガスをアルキレンカーボネートの製造原料として用いること自体は、例えば特開平9−67365号公報に開示されている(特許文献1参照)。
また、酸化エチレンの製造工程において副生する炭酸ガスを分離回収する方法については、例えば特開昭50−40508号公報に開示されている(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−67365号公報。
【特許文献2】
特開昭50−40508号公報。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように酸化エチレン製造時に副生して回収される炭酸ガスをアルキレンカーボネートの製造に使用することは、利点が多い。しかしながらこの回収炭酸ガスは、上記の一般に工業的に用いられる炭酸ガスに比べてかなり純度が低いのが通常であり、一般に多量、通常1%以上、の炭化水素を含んでいる。アルキレンカーボネートの製造プロセスにおいては、原料の炭酸ガスを反応器に過剰量供給して、未反応の炭酸ガスを循環使用するので、こうした低純度の炭酸ガスを使用すると、上記炭酸ガス循環工程において反応系に炭化水素の蓄積が生じて、反応器中の炭酸ガス分圧が低下し、アルキレンカーボネートの生成反応が阻害されると共に、望ましくない副反応が促進されて、製品エチレンカーボネートの品質に影響を及ぼすという問題点があった。
【0008】
上記のような不都合を回避するためには、通常、原料酸化アルキレンを含んだ炭酸ガスをより多くパージする必要があり、原料炭酸ガスの損失、及び原料酸化アルキレンの損失になる上、パージガスの除害設備などが大型化して経済的に不利益をもたらすことになる。
炭酸ガスを高純度化する方法として、例えば深冷分離などの方法が存在するが、多大のエネルギーを要するので、大量の原料炭酸ガスを得る方法としては適当とは言えない。
【0009】
従って本発明は、エチレンの酸化反応により酸化エチレンを製造する際に副生する炭酸ガスを原料として高品質のアルキレンカーボネートを製造する方法を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、酸化エチレンの製造プロセスからの回収炭酸ガス中の不純物濃度をあるレベル以下に制限することによって、上記問題点を回避して効率的にエチレンカーボネートを製造しうることを見出して本発明に到達した。
【0011】
即ち本発明の要旨は、酸化アルキレンと炭酸ガスとを反応させてアルキレンカーボネートを製造するに当たり、原料の炭酸ガスが、エチレンの気相酸化による酸化反応ガスから酸化エチレンを回収した後の酸化反応廃ガスの少なくとも一部から2%以上5%以下の放散率で回収された炭酸ガスであり、かつ該回収された炭酸ガスの純度が99.5%以上であることを特徴とするアルキレンカーボネートの製造方法、に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[酸化エチレンの製造]
酸化エチレンの製造は、通常、銀触媒を使用するエチレンの接触気相酸化により行われる。これらの方法においては、Ullmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry,5thEd.,volA10,p117以下に記載されているように、原料のエチレン及び酸素並びに希釈ガスであるメタンを主成分とするガスを、銀触媒が充填された多管式の反応器に通過させることで反応を行わせる。エチレンの酸化エチレンへの選択率は80%程度であり、残りの20%程度は完全酸化反応により炭酸ガス及び水になる。反応器から流出した酸化反応ガスは、生成した酸化エチレン及び未反応エチレン、並びに炭酸ガス、酸素、希釈ガス等から構成されている。生成した酸化エチレンは水を吸収液とする吸収塔で液相中に吸収させる。吸収液中に吸収された酸化エチレンは、酸化エチレン放散塔において放散されて、塔頂から高濃度の水溶液として回収され、さらに蒸留塔で脱水精製されて、製品となる。製品の酸化エチレンは、本発明方法によるエチレンカーボネート製造法の原料として使用することができる。
【0013】
[炭酸ガスの回収]
酸化エチレン吸収後の酸化反応廃ガスは、全量または一部が炭酸ガス除去系(炭酸ガス回収設備)に送られる。
酸化反応廃ガスの組成はプラントの運転条件により多少異なるものの、Ullmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry,5thEd.,volA10,p124以下によれば、おおよそ15〜40vol%のエチレン、1〜60vol%のメタン及び5〜15vol%の炭酸ガスを含有している。
【0014】
炭酸ガス除去系(炭酸ガス回収設備)は、炭酸ガス吸収塔、予備放散装置及び炭酸ガス放散塔を含んで構成されている。
炭酸ガス除去系に送られた酸化反応廃ガスは、先ず炭酸ガス吸収塔の底部に導入され、塔頂に導入される炭酸ガス吸収剤を含有する水溶液からなる炭酸ガス吸収液により洗浄されることでガス中の炭酸ガスの大部分が除かれる。炭酸ガス吸収剤としては、例えば炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、ジイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン類、アミノ酸のアルカリ金属塩等が挙げられるが、炭酸カリウムが特に好適である。上記洗浄処理により、炭酸ガスと同時に原料であるエチレン及び希釈ガスであるメタンも微量ながら吸収液中に溶解する。塔頂から抜き出された炭酸ガスが減少した酸化反応廃ガスは、炭酸ガス除去系に送られなかった酸化反応廃ガスと合流させられ、消費された酸素及びエチレンを追加された後に、再度、酸化反応原料として酸化反応器に送られる。
【0015】
炭酸ガス吸収塔は、通常1.5〜2.5MPaの高圧で操作される。温度は通常50〜150℃である。炭酸ガス吸収塔の形式には特に制約はなく、棚段塔、充填塔のいずれを使用してもよい。
炭酸ガスを吸収した炭酸ガス吸収液は、予備放散装置に送られる。上記の通り、吸収液中には微量のエチレン及びメタン等が溶解しているので、直接に炭酸ガスの放散処理を行った場合、エチレン及びメタン等が回収炭酸ガス中に混入して純度を低下させる。予備放散装置は、炭酸ガス吸収液に吸収されたガス成分の全量を放散する前にその一部を放散させることにより、炭酸ガス吸収液中に溶存する炭化水素などの低沸点の不純物ガス成分の濃度を低下させるものである。予備放散装置の構造として、充填塔や棚段塔を用いることもできるが、メタン及びエチレンの溶解度は炭酸ガスに比べてはるかに低いので、特別な蒸留塔を設置する必要は少なく、通常、単純な減圧フラッシュ缶で十分である。なお、放散を促進するためにリボイラーを有していてもよい。予備放散により放散されたガスはエチレン及びメタンを含んでいるので、酸化エチレンの回収系(吸収塔)又はエチレンの気相酸化工程へとリサイクルするのが好適である。
【0016】
予備放散装置の操作条件は、通常、温度95〜120℃、圧力0.3〜0.8MPaで行われる。この際、放散されるガスの量が不十分であると、炭化水素の除去が十分に行われず、炭酸ガス放散塔から回収される炭酸ガスの純度がアルキレンカーボネートの製造に用いるには不足することになる。他方、徒に放散量を増加させることはプロセスの非効率につながるので好ましくない。
【0017】
本発明においては、最終的に炭酸ガス放散塔で回収される炭酸ガスの純度が99.5%以上、好ましくは99.6%以上、より好ましくは99.7%以上となる必要があるが、該純度は事実上、予備放散装置での放散処理における炭化水素の除去の程度によって決定される。通常、予備放散装置における放散量と、該予備放散装置での放散量及び炭酸ガス放散塔の塔頂から回収される炭酸ガス量の和(これはほぼ炭酸ガス吸収塔での吸収ガス量に相当する)、との比(以下、予備放散装置での放散率という)が、通常、2%以上、好ましくは2.5〜10%、になるように制御すると、好適な結果を得ることができる。
【0018】
予備放散装置から排出された炭酸ガス吸収液は、炭酸ガス放散塔に送られる。炭酸ガス放散塔は、炭酸ガス吸収液中に溶存する炭酸ガスのほぼ全量を放散させるためのものである。炭酸ガス放散塔の構造は、放散効率の点から充填塔又は棚段塔が好ましい。放散の方式としては、炭酸ガス放散塔の底部にリボイラーを設けるか、水蒸気を吹き込むか、或いはその両方を行うかして、加熱ストリッピングするのが好ましい。炭酸ガス放散塔での放散処理は、通常、予備放散装置と比べて同程度又はより低い圧力で、好ましくは0.3MPa以下で実施される。炭酸ガス吸収液は炭酸ガス放散塔の塔頂より導入され、底部を熱交換器等で加熱することにより、吸収された炭酸ガスを放散する。必要に応じて蒸気を吹き込んでストリッピングし、放散を促進することも可能である。
【0019】
炭酸ガス吸収液は、炭酸ガス放散塔で放散処理され、吸収している炭酸ガスを放出することにより再生されて、再度、炭酸ガス吸収液として炭酸ガス吸収塔へ循環供給される。
こうして酸化エチレンの製造プロセスから回収された高純度の炭酸ガスは、アルキレンカーボネート製造の原料として十分な純度を有しており、当該用途に好適に用いることができる。
【0020】
[アルキレンカーボネートの製造]
酸化アルキレンと上記のように酸化エチレン製造プロセスから回収された炭酸ガスとを反応させることによってアルキレンカーボネートが製造される。
アルキレンカーボネート生成反応の触媒としては公知のものを使用することができる。例えば、アルカリ金属の臭化物またはヨウ化物(特公昭38−23175号公報)、アルカリ土類金属のハロゲン化物(米国特許第2667497号公報)、アルキルアミン、第4級アンモニウム塩(米国特許第2773070号公報)、有機スズまたはゲルマニウムまたはテルル化合物(特開昭57−183784号公報)、ハロゲン化有機ホスホニウム塩(特開昭58−126884号公報)等が挙げられ、中でも臭化カリウム、ヨウ化カリウム等のアルカリ金属のハロゲン化物、及びハロゲン化有機ホスホニウム塩が活性,選択性の点から好ましい。
【0021】
アルキレンカーボネートを製造するための反応器として、複数の管型反応器と冷却器の直列配置(Springmann,”Fette seifen anstrichemittl”,vol.73,p396−399,(1971))、ループ型反応器(Peppel,Industrial and Engineering,vol.50,P767−770,(1958))、気泡塔(特開平6−345699号公報)が提案されている。上記いずれの方法も使用することができるが、中でも外部循環型の気泡塔が、液相への炭酸ガスの拡散供給と除熱による暴走反応の回避とに優れており好適である。
【0022】
上記反応は発熱反応であるので、反応温度は除熱量で制御される。使用する触媒にもよるが、好ましい反応温度は通常80〜200℃である。
アルキレンカーボネートの生成反応速度は原料の炭酸ガスの分圧で支配されるので、圧力は高い方が好ましい。しかしながら圧力を上げることは反応器及び周辺機器の要求耐圧を高めることとなり、機器費の増加につながる。圧力の好ましい範囲は、通常1〜10MPa、より好ましくは1〜5MPaである。
【0023】
炭酸ガスは、反応器に供給される酸化エチレンの量に対して、通常1〜20モル倍を供給する。炭酸ガスは原料であるばかりでなく、反応器内の液を攪拌して組成の分布、熱の分布により副反応が生じることを防止する効果があるので、反応に必要な量よりも過剰に供給する。未反応及び余剰の炭酸ガスは副生軽沸物と原料炭酸ガス中の不純物との蓄積防止のため一部をパージして、再度、反応器へ循環されて使用される。ここでのパージ量は不純物の蓄積量を監視しながら、通常リサイクル炭酸ガス流量の0.1〜5%の範囲で制御する。
【0024】
アルキレンカーボネートの製造工程に持ち込まれる不純物が多い場合、これらの蓄積が生じて反応に不都合をもたらす。不純物の蓄積はそれ自体が反応に影響することも否定できないが、それよりも相対的に炭酸ガス分圧が低下することにより主反応速度を低下させる効果が大きい。これによって所要反応時間が延長され、生産性の低下、品質の低下をもたらすことになる。
【0025】
炭酸ガス分圧の低下に対しては、上記パージ量を増加させることにより分圧を維持することも可能であるが、原料炭酸ガスの損失、原料酸化アルキレンの損失になる上、パージガスの除害設備などが大型化して経済的に不利益をもたらす。触媒は、溶解度の範囲内で所望の生産性に基づき使用する触媒の活性に応じて必要な濃度で使用することができる。触媒は、通常、溶媒と共に反応器に供給され、反応後に生成したアルキレンカーボネートと分離され、必要に応じて不足分を追加された後に、循環使用される。溶媒として目的物のアルキレンカーボネートを用いることが簡便であり望ましい。
【0026】
触媒と分離されたアルキレンカーボネートは、既に十分な純度を有しているが、必要に応じてさらに通常の減圧蒸留設備等によって高純度精製をすることができる。
【0027】
【実施例】
次に実施例により本発明の具体的態様をより詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示すプロセス構成の製造装置を使用して反応を実施した。
(1)酸化エチレン(EO)製造工程からのCO2の回収
以下、各物質の流量はCO2吸収塔1に導入した酸化反応廃ガスの重量速度を1部とし、それを基準として表記する。
銀触媒を使用したエチレンの接触気相酸化工程で得られるエチレンの酸化反応ガスから酸化エチレンを回収した後の酸化反応廃ガス(CO2濃度6%、CH4濃度57%、C24濃度24%)1部を、ラインL1から理論段数3段、温度110℃、圧力1.7MPaで操作される炭酸ガス(CO2)吸収塔1の底部に導入した。CO2吸収塔1の塔頂からはラインL4を経て吸収液としての炭酸カリウム(K2CO3)水溶液を7部導入した。
【0028】
CO2を吸収させた吸収液は、ラインL3を経て温度107℃、圧力0.15MPaで操作される予備放散装置(フラッシャー)2に導入され、放散処理によって液中の炭化水素濃度を低減させた後、ラインL7から理論段数5段、温度110℃、圧力0.1MPaで操作される炭酸ガス(CO2)放散塔3の塔頂に供給し、CO2を放散させて回収した。この時、フラッシャ−2からラインL6を経て放散されるガス量は、該フラッシャ−2から放散されるガス量とCO2放散塔3からラインL8を経て回収されるCO2量との合計に対して、5.0%(放散率5.0%)に相当した。
【0029】
回収されたCO2はコンプレッサー(図示せず)により昇圧され、ラインL8を経てカーボネート化反応器4に供給した。
回収されたCO2中に含まれる炭化水素類の濃度を測定したところ、CH4が0.03%,C24が0.06%存在した(いずれも水分は除外して計算)。この結果より、CO2純度は99.91%と計算された。
【0030】
(2)エチレンカーボネート(EC)化反応
以下、各物質の流量は酸化エチレンの重量速度を1部とし、それを基準として表記する。
上記回収されたCO2を使用してEC化反応を行った。気泡塔形式のカーボネート化反応器4の底部に、エチレンの酸化反応により得られた酸化エチレン1部(ラインL9から)と上記CO2 8.2部(ラインL8から)とを導入し、触媒としてヨウ化カリウム0.01部をエチレンカーボネート0.1部に溶解させたもの(ラインL10から)を供給した。反応液は気泡塔4の塔頂よりラインL11を経てガスと共に抜き出し、気液分離器5で気液分離した。気液分離されたガス(L12)は全体の0.5%をラインL13を経て系外にパージした外はコンプレッサー(図示せず)を経由して上記放散されたCO2 (L8)と合流した後、再度、EC化反応器4へとリサイクルした。気液分離された液(L15)の一部はラインL14から製品として抜き出し、残りは熱交換器6で除熱した後にEC化反応器4の底部へとリサイクルした。反応器は180℃、2MPaに制御した。
【0031】
以上の条件で連続運転をしたところ、反応器4内の炭化水素濃度は、4%程度で一定であり、安定した運転が可能であった。ラインL14から回収した反応液から、圧力4kPa、温度138℃でエチレンカーボネートを蒸発させることにより触媒を分離してエチレンカーボネートを得た。
【0032】
[比較例1]
原料ガスとして純度98.9%のCO2(不純物としてCH4:0.37%、C24:0.74%を含む)を調製した。
上記調製されたCO2を利用した外は、実施例1と同じ操作でEC化反応を行った。連続運転を継続するに従い、循環ガス中の炭化水素濃度が上昇して相対的にCO2の濃度が低下し、最終的に炭化水素濃度は24%になった。EO転化率の低下が見られたので、一定となるように原料供給速度を調節した。反応液から触媒を分離して得られたエチレンカーボネートには副生したアルデヒド化合物に起因すると思われる着色が見られた。
【0033】
[比較例2]
連続運転において、CO2の分圧を維持するために循環ガスのパージ率を0.5%から10%に変更した外は、比較例1と同様に操作した。CO2濃度は96%に維持され、ECの品質は実施例1とほぼ同等となったが、パージされるEOの量は約10倍となった。
【0034】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、炭酸ガスを有効に活用し、原料炭酸ガス及び原料酸化アルキレンの排出を低減し、かつ高品質のアルキレンカーボネートを製造することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に使用される製造装置のプロセス構成の例を示す流れ図である。
【符号の説明】
1:炭酸ガス吸収塔
2:予備放散装置
3:炭酸ガス放散塔
4:カーボネート化反応器
5:気液分離器
6:熱交換器
L1〜L15:配管

Claims (2)

  1. 酸化アルキレンと炭酸ガスとを反応させてアルキレンカーボネートを製造するに当たり、原料の炭酸ガスが、エチレンの気相酸化による酸化反応ガスから酸化エチレンを回収した後の酸化反応廃ガスの少なくとも一部から2%以上5%以下の放散率で回収された炭酸ガスであり、かつ該回収された炭酸ガスの純度が99.5%以上であることを特徴とするアルキレンカーボネートの製造方法。
  2. 炭酸ガスの回収方法が、酸化反応廃ガスを炭酸ガス吸収塔で炭酸ガス吸収液に吸収させ、得られた吸収液を予備放散装置に導入して吸収液中に吸収されたガスの一部を放散させ、予備放散装置での放散処理後の吸収液を炭酸ガス放散塔に導入して炭酸ガスを放散させることによって得られたものであることを特徴とする請求項1に記載のアルキレンカーボネートの製造方法。
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