JP2000219672A - ジメチルスルホキシドの製造方法 - Google Patents
ジメチルスルホキシドの製造方法Info
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Abstract
応において、触媒として用いられるNOxをリサイクル
使用し、DMSのDMSOへの転化率を向上させた、効
率的なDMSOの製造方法を提供する。具体的には、反
応オフガスおよび/または脱気ガスからNOxを回収し
再利用することによる、NOxの回収率および/または
吸収率の向上を図ったDMSOの製造方法を提供する。 【解決手段】ジメチルスルフィドを液相でNOx媒を用
いて酸素を主成分とするガスにより連続的に酸化反応せ
しめジメチルスルホキシドを製造する方法において、酸
素を主成分とするガスとして空気を圧力スイング吸着処
理したガスを用い、そして酸化反応により得られたジメ
チルスルホキシドとNOxを含む反応生成液の少なくと
も一部を、前記酸化反応にリサイクル供給する。
Description
応溶剤や合成試薬、あるいは電子材料等の特殊洗浄剤等
として工業的に幅広く使用されているジメチルスルホキ
シド(以下、DMSOという)の製造方法に関するもの
であり、さらに詳しくは、本発明はDMSO製造方法に
おいて、NOxを触媒として用いてジメチルスルフィド
(以下、DMSという)を液相で連続的に酸化するプロ
セスの改良法に関するものである。
Oxを触媒として用い、DMSを液相で連続的に酸化す
る方法が公知である(米国特許第2825744号明細
書、特公昭42−9771号公報)。
されているNOxガスが、酸化剤である酸素を主成分と
するガスと共に反応系であるDMSを含む液相に供給さ
れ、さらに反応オフガスとして反応系外に抜き出され、
アルカリ処理されて処分されている。このNOxガスの
使用量は、DMSに対して触媒相当量で用いられる。そ
して、この酸化反応においては、反応系に新しいNOx
触媒が常に供給されており、しかも使用後のNOx触媒
は使い捨て処分されている。そのため、この方法では、
相当量のNOx触媒が必要であり、このことから、NOx
触媒の使い捨てはコスト高であるという点、および資源
有効利用という点で問題があった。
化剤としての酸素ガス量は、一般に液相DMSに対して
理論量程度か多少多い程度である。しかしながら、ここ
で使用される酸素濃度99%以上の高純度酸素ガスは購
入価格が高く、使用に際し受け入れタンク等、相当の設
備が必要であった。
SO製造工程におけるDMSの連続酸化反応において、
上記従来技術の欠点である触媒の使い捨ての改善を目指
し、触媒として用いられるNOxをリサイクル使用す
る、DMSのDMSOへの転化率を向上させた、効率的
なDMSOの製造方法を提供するものであり、具体的に
は、DMSOの製造工程におけるDMSを液相でNOx
触媒を用いて酸素を主成分とするガスにより連続的に酸
化する反応において、反応オフガスおよび/または脱気
ガスからNOxを回収し再利用することによる、NOx
の回収率および/または吸収率の向上を図ったDMSO
の製造方法を提供することにある。
圧力スイング吸着処理して得られたた比較的低純度の酸
素ガスを用いることにより、製造設備を簡便化でき低コ
ストでDMSOを製造する方法を提供することにある。
方法は、ジメチルスルフィドを液相でNOx触媒を用い
て酸素を主成分とするガスにより連続的に酸化反応せし
めジメチルスルホキシドを製造する方法において、その
酸化反応により得られたジメチルスルホキシドとNOx
を含む反応生成液の少なくとも一部を、前記酸化反応に
リサイクル供給することを特徴とするもので、より具体
的には、酸化反応器により、ジメチルスルフィドを液相
でNOx触媒を用いて酸素を主成分とするガスにより連
続的に酸化反応せしめジメチルスルホキシドを製造する
方法において、反応オフガス中のNOxを吸収塔でジメ
チルスルホキシド液に吸収させ、この吸収液を酸化反応
器にリサイクル供給することを特徴とするジメチルスル
ホキシドの製造方法であり、酸素を主成分とするガスと
して、後述する空気を圧力スイング吸着処理して得られ
た酸素ガスを用いることが好ましい。
次のような好ましい実施態様が含まれている。 (1)反応生成液に反応温度より高い温度で窒素ガスを
吹き込み、反応生成液に窒素ガスを接触せしめて、NO
xをDMSOを主成分とする反応液から脱気すること。 (2)反応生成液から脱気したNOxを主成分とする脱
気ガスをNOx吸収塔に送り、NOxを回収すること。 (3)NOxを脱気した反応生成液をNOx吸収液に用
いること。 (4)反応オフガスおよび/または脱気ガス中のNOを
NO2に酸化した後、NOx吸収塔に送り、NOxを回収
すること。 (5)圧力スイング吸着処理した酸素ガスの酸素濃度が
80〜96%であるガスを用いること。
おいて、DMSを液相でNOx触媒を用いて酸素を主成
分とするガスにより連続的に酸化するプロセスの改良に
関するものであり、本発明においては、酸化反応におけ
るDMSのDMSOへの転化率の向上、触媒として用い
るNOxの回収率および/または吸収率の向上等のた
め、あるいは酸化剤として用いる酸素ガスの純度等、以
下に述べるような幾つかの好ましい条件がある。
応である。そのため、このDMSの酸化反応に用いられ
る酸化反応器の形状としてはいろいろなタイプがある
が、完全混合型反応器および多管式反応器などが好まし
く、特に完全混合型反応器が好ましく用いられる。
ましくは10℃〜50℃であり、より好ましくは20℃
〜40℃に保つのが適当である。この場合、10℃未満
では生成したDMSOが凝固し、反応継続が不可能にな
る傾向を示す。また、50℃より高い温度では、副生物
であるDMSOがさらに酸化されたジメチルスルホン
(以下、DMSO2という)が大量に生成する。
力は常圧が好ましいが、加圧下でも反応する。
時に使用するNOx触媒濃度は、好ましくはNOx/DM
S重量比で0.01〜0.2であり、より好ましくはN
Ox/DMS重量比で0.05〜0.12である。この
反応において、NOx/DMS重量比を0.01未満の
濃度で反応させた場合、DMSO転化率が低下するとい
う問題が生じる。また、NOx/DMS重量比を0.2
より大きい濃度で反応させた場合、DMSO2が大量に
生成する傾向となる。
いられる酸素を主成分とするガス(酸素ガス)の酸素濃
度は80重量%以上が好ましい。酸素濃度が80重量%
未満のガスを酸化剤として用いた場合は、DMSO転化
率が低下する傾向を示すため、その転化率を優位に保持
するために、反応液の滞留時間を通常の2倍以上にする
ことが行われる。
上の高純度酸素ガスを用いることもできるが、本発明で
は、圧力スイング吸着処理(Pressure Swi
ngAdsorption(「PSAプロセス」とい
う))して得られた低コストで、比較的低純度な酸素ガ
スなどを使用することができる。
て、圧力の上昇によりガスを吸着させ、圧力の低下によ
りガスを放出させるときの酸素と窒素の吸着力の差を利
用してガス中の酸素濃度を高めるものであり、吸着剤と
しては主としてゼオライトが使用される。このPSAプ
ロセスを用いて、空気を原料としてガス(空気)中の酸
素濃度を高める場合、酸素濃度が約21重量%〜96重
量%程度までの範囲で自由に造ることができる。本発明
では、空気をPSAプロセスで処理し、酸素濃度を80
重量%〜96重量%にまで高めた酸素ガスを用いること
ができる。
行なうためには、酸化反応系に供給される酸素ガス量は
理論量よりも多くすることが好ましく、余剰の未反応の
酸素ガスは触媒であるNOxと共に反応オフガスとして
反応系外へ放出される。また、このとき、反応オフガス
中のNOx中のNOの濃度はプロセス条件によって異な
るが、通常1重量%〜20重量%であり、より好ましく
は1重量%〜10重量%である。
件によって異なるが、通常10重量%〜50重量%であ
る。酸化反応器には、上記のように理論量よりも若干多
い酸素ガス量を供給することが好ましく、反応オフガス
中の酸素濃度は20重量%以上とすることが好ましい。
を上げるためには、反応系外に放出されたNOxと酸素
の混合ガス中で、NOを酸素により酸化してNO2にす
ることが好ましい。このため、反応オフガス中の酸素濃
度は20重量%以上であることが好ましい。反応オフガ
ス中の酸素濃度が20重量%より低い場合、NOの酸化
効率が低下する。
SOを主成分とする反応生成液中には、反応オフガスと
して放出されなかったNOxが、DMSOに対するNO
xの溶解度に相当する量だけ溶存している。本発明で
は、この溶存NOxを、反応生成液に窒素ガスを吹き込
むことによって、DMSOを主成分とする反応生成液か
ら脱気し除去する。このとき、窒素ガスを吹き込む反応
生成液の好ましい温度は40℃〜90℃であり、より好
ましくは50℃〜80℃である。吹き込む窒素ガスの量
は、反応生成液に対して1重量%〜7重量%が好まし
く、より好ましくは2重量%〜6重量%である。
ガスおよび/または脱気ガスを、NOxを脱気した反応
生成液をNOx吸収液として用いたNOx吸収塔に通気
し、反応オフガスおよび/または脱気ガス中からNOx
を回収する。
でもその吸収効率に大差はないが、充填塔、段塔および
濡れ壁塔が好ましく用いられる。
るNOxを脱気したDMSOを主成分とする反応生成液
の量は、NOxの5倍以上用いることが好ましく、さら
に好ましくは10倍以上用いることが好ましい。
て詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れない。
収において使用される回収装置と工程の概要を説明する
ためのモデル図である。
に100g(以下このような場合、100(g/h)と
表示する)、配管BからNOx触媒を0.6(g/
h)、配管Cから酸素を30.5(g/h)の割合で、
それぞれ酸化反応器1(4cmφ×50cm)に供給
し、缶温30℃で酸化反応させた。酸素とNOxを含む
反応オフガスは、NOx回収のため配管Dを通ってNOx
吸収塔3(1cmφ×50cm)に供給した。脱気槽2
(2cmφ×20cm)へは配管Eから酸化反応器1内
で生成した反応生成液を供給し、さらに配管Fから窒素
ガスを10(g/h)供給し、反応生成液中のNOxを
脱気した。このときの脱気槽2の缶温は50℃であっ
た。脱気されたNOxは配管G、配管Dを通りNOx吸収
塔3に供給した。また、配管HからDMSOを主成分と
する反応生成液をNOx吸収液としてNOx吸収塔3に供
給した。このときの反応生成液の供給量は50.6(g
/h)であった。NOx吸収液としてNOx吸収塔3に
供給しなかった反応生成液は配管Iから次工程へ供給し
た。
管HからのNOx吸収液を吸収塔上部に供給し、また吸
収塔下部には配管DからのNOx触媒を供給して、NOx
吸収塔3内で反応生成液にNOxを吸収させた。このと
きのNOx吸収塔3内の温度は20℃であった。配管D
からNOx触媒と共にNOx吸収塔3に供給された酸素と
窒素は、オフガスとしてNOx吸収塔3の上部から配管
Kを通して放出した。このときの酸素と窒素放出量は、
それぞれ12.2(g/h)と10(g/h)であっ
た。
x吸収液は、配管Jから酸化反応器1にリサイクルし
た。このときのNOx吸収液量は51(g/h)であ
り、またNOx吸収液中のNO2量は5.6(g/h)で
あった。このNOx吸収液のリサイクルの結果、NO2触
媒量は必要量の約10分の1の供給量0.6(g/h)
で連続運転が可能となった。
MSを100(g/h)、配管BからNOx触媒を6.
2(g/h)、配管CからPSAから得られた酸素濃度
90%のガスを34.0(g/h)の割合で、それぞれ
酸化反応器1に供給し、缶温30℃で酸化反応させた。
酸化反応器1内で生成したDMSOを主成分とする反応
生成液は、配管Eから次工程へ供給した。このときの反
応生成液の供給量は124.8(g/h)であった。ま
た、酸素とNOxを含む反応オフガスは、配管Dから次
工程へ供給した。このときの反応オフガス中の酸素とN
Oxの量はそれぞれ12.2(g/h)および2.4
(g/h)であった。また、このDMS液相連続酸化で
のDMSO転化率は、99%以上であった。
MSを100(g/h)、配管BからNOx触媒を0.
6(g/h)、配管CからPSAから得られた酸素濃度
90%のガスを34.0(g/h)の割合で、それぞれ
酸化反応器1に供給し、缶温30℃で酸化反応させた。
酸素とNOxを含む反応オフガスは、NOx回収のため配
管Dを通ってNOx吸収塔3に供給した。脱気槽2へは
配管Eから酸化反応器1内で生成した反応生成液を12
4.5(g/h)の割合で供給し、さらに配管Fから窒
素ガスを10(g/h)供給し、反応生成液中のNOx
を脱気した。このときの脱気槽2の缶温は50℃であっ
た。脱気されたNOxは配管G、配管Dを通りNOx吸収
塔3に供給した。また、配管HからDMSOを主成分と
する反応生成液をNO x吸収液としてNOx吸収塔3に供
給した。このときの反応生成液の供給量は50.9(g
/h)であった。NOx吸収液としてNOx吸収塔3に
供給しなかった反応生成液は配管Iから次工程へ供給し
た。
管HからのNOx吸収液が吸収塔上部へ、さらに吸収塔
下部へは配管DからNOx触媒を供給し、反応生成液に
NOxを吸収させた。このときのNOx吸収塔3内の温度
は20℃であった。配管DからNOx触媒と共にNOx吸
収塔3に供給された酸素と窒素は、オフガスとして吸収
塔上部から配管Kを通して放出した。このときの酸素と
窒素放出量は、それぞれ11.9(g/h)と10(g
/h)であった。
x吸収液は、配管Jから酸化反応器1にリサイクルし
た。このときのNOx吸収液量は51(g/h)であ
り、またNOx吸収液中のNO2量は5.6(g/h)で
あった。このNOx吸収液のリサイクルの結果、NOx触
媒量は必要量の約10分の1の供給量0.6(g/h)
で連続運転が可能となった。また、このときのDMSO
転化率は99%であった。
ル使用することにより、処理液として用いるアルカリの
使用量を削減することができ、産廃処理も不要となる。
また、NOxの大気への漏洩も皆無となることから、従
来法に比べ、資源の有効利用と環境問題が解決でき、か
つ低コストで目的物であるDMSOを製造することがで
きる。
Sの連続酸化反応において、触媒として用いられるNO
xをリサイクル使用し、DMSのDMSOへの転化率を
向上させた、効率的にDMSOを製造することができ
る。具体的には、反応オフガスおよび/または脱気ガス
からNOxを回収し再利用することにより、NOxの回収
率および/または吸収率の向上を図ることができる。
間体の反応溶剤や合成試薬、電子材料等の特殊洗浄剤、
樹脂、フィルムおよび繊維の溶剤として工業的に幅広く
使用されているDMSOを工業的に有利に得ることがで
きる。
力スイング吸着処理して得られた比較的低純度の酸素ガ
スを用いることにより、製造設備を簡便化でき低いコス
トでDMSOを製造することができる。
する回収装置の概要を説明するためのモデル図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 ジメチルスルフィドを液相でNOx触媒
を用いて酸素を主成分とするガスにより連続的に酸化反
応せしめジメチルスルホキシドを製造する方法におい
て、該酸化反応により得られたジメチルスルホキシドと
NOxを含む反応生成液の少なくとも一部を、前記酸化
反応にリサイクル供給することを特徴とするジメチルス
ルホキシドの製造方法。 - 【請求項2】 酸化反応器により、ジメチルスルフィド
を液相でNOx触媒を用いて酸素を主成分とするガスに
より連続的に酸化反応せしめジメチルスルホキシドを製
造する方法において、反応オフガス中のNOxを吸収塔
でジメチルスルホキシド液に吸収させ、この吸収液を酸
化反応器にリサイクル供給することを特徴とするジメチ
ルスルホキシドの製造方法。 - 【請求項3】 反応生成液に酸化反応温度より高い温度
で窒素ガスを接触せしめて、ジメチルスルホキシドを主
成分とする反応生成液からNOxを脱気する請求項1ま
たは2記載のジメチルスルホキシドの製造方法。 - 【請求項4】 請求項3において脱気したガスをNOx
吸収塔に送り、NOxをジメチルスルホキシド液に吸収
させる請求項2記載のジメチルスルホキシドの製造方
法。 - 【請求項5】 請求項3においてNOxを脱気した反応
生成液をNOx吸収液に用いる請求項2記載のジメチル
スルホキシドの製造方法。 - 【請求項6】 反応オフガスおよび/または脱気ガス中
のNOをNO2に酸化した後、NOx吸収を行なう請求項
2〜5記載のジメチルスルホキシドの製造方法。 - 【請求項7】 ジメチルスルフィドを液相でNOx触媒
を用いて酸素を主成分とするガスにより連続的に酸化反
応せしめジメチルスルホキシドを製造する方法におい
て、酸素を主成分とするガスとして空気を圧力スイング
吸着処理した酸素ガスを用いることを特徴とするジメチ
ルスルホキシドの製造方法。 - 【請求項8】 ジメチルスルフィドを液相でNOx触媒
を用いて酸素を主成分とするガスにより連続的に酸化反
応せしめジメチルスルホキシドを製造する方法におい
て、酸素を主成分とするガスとして空気を圧力スイング
吸着処理した酸素ガスを用い、かつ該酸化反応により得
られたジメチルスルホキシドとNOxを含む反応生成液
の少なくとも一部を、前記酸化反応にリサイクル供給す
ることを特徴とするジメチルスルホキシドの製造方法。 - 【請求項9】 圧力スイング吸着処理した酸素ガスの酸
素濃度が80〜96%である請求項7または8記載のジ
メチルスルホキシドの製造方法。
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