JP2000034105A - 塩素の製造方法 - Google Patents

塩素の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化水素及び不純物からなる混合ガスを原料
として、この中の塩化水素を酸素で酸化して塩素を製造
する方法であって、触媒の安定した活性が維持されるた
めに塩素を安定して高収率で得ることができ、また生成
塩素及び未反応酸素と原料塩化水素中の多くの種類の不
純物の複雑な分離を簡略化又は省略することができ、よ
って触媒コスト、設備コスト費及び運転コストの観点か
ら極めて有利に塩素を製造する方法を提供する。 【解決手段】 塩化水素及び不純物からなる混合ガスを
原料として、該原料中の塩化水素を酸素で酸化する塩素
の製造方法であって、下記の工程を含む塩素の製造方
法。 吸収工程:原料中の塩化水素を水又は塩酸水に吸収させ
て塩化水素と水を主成分とする溶液と不純物を主成分と
するガスに分離する工程 放散工程:吸収工程で得た溶液を放散させて塩化水素を
主成分とするガスを得る工程 酸化工程:放散工程で得たガス中の塩化水素を酸素で酸
化することにより塩素を得る工程

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩素の製造方法に関
するものである。更に詳しくは、本発明は塩化水素及び
不純物からなる混合ガスを原料として該原料中の塩化水
素を酸素で酸化する塩素の製造方法であって、原料中の
塩化水素を水又は塩酸水に吸収させて塩化水素と水を主
成分とする溶液と不純物を主成分とするガスに分離し、
該溶液中を放散させて塩化水素を主成分とするガスを得
て、該塩化水素を酸素で酸化する塩素の製造方法であっ
て、触媒の安定した活性が維持されるために塩素を安定
して高収率で得ることができ、また生成塩素及び未反応
酸素と原料塩化水素中の多くの種類の不純物との複雑な
分離を簡略化又は省略することができ、よって触媒コス
ト、設備コスト費及び運転コストの観点から極めて有利
な塩素の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩素は塩化ビニル、ホスゲンなどの原料
として有用であり、塩化水素の酸化によって得られるこ
ともよく知られている。たとえば、塩化水素を触媒を用
いて分子状酸素で接触酸化し、塩素を製造する方法とし
ては、従来からDeacon触媒と呼ばれる銅系の触媒
が従来優れた活性を有するとされ、塩化銅と塩化カリウ
ムに第三成分として種々の化合物を添加した触媒が多数
提案されている。また、Deacon触媒以外にも、酸
化クロム又はこの化合物を触媒として用いる方法、酸化
ルテニウム又はこの化合物を触媒として用いる方法も提
案されている。ここで、原料の塩化水素としては、塩素
化合物の熱分解反応や燃焼反応、有機化合物のホスゲン
化反応又は塩素化反応等において副生したものが良く用
いられるが、これらの中には発生源のプロセスに由来す
る不純物が含まれている。例えば、イソシアネートのア
ミンとホスゲンを反応させる工程から発生する塩化水素
中には一酸化炭素、硫化カルボニル、オルトジクロロベ
ンゼン、モノクロロベンゼンなどの有機化合物及び窒素
等の不純物が含まれている。しかしながら、塩化水素中
のこれらの不純物は触媒の活性低下や反応後の生成ガス
処理工程系の配管の閉塞や未反応でリサイクルされる酸
素中への蓄積等を起こすといった問題があった。
【0003】たとえば、特開昭62−270404号公
報には、原料の塩化水素中に一酸化炭素が多量に含まれ
ていると触媒の活性が低下し、また触媒成分であるクロ
ム分の揮散量が増大するため、含有一酸化炭素を低減さ
せる方法として、アルミナを担体としたパラジウム触媒
で一酸化炭素を燃焼させ二酸化炭素とする方法、排ガス
中の塩化水素を液化・分離後塩化水素を蒸発させ原料ガ
スとする方法、排ガスを塩化銅溶液で洗浄する方法が開
示されている。
【0004】また、特開昭63−45102号公報に
は、有機化合物を含む塩化水素をそのまま酸化反応の原
料として用いた場合には、該有機化合物が塩素化された
り、部分酸化されて多塩素化合物を生成し、これが触媒
表面へ沈着し、そのため触媒の活性低下、あるいは反応
後の生成ガス処理工程系の配管の閉塞等の問題を生じる
ため、含有有機化合物を低減させる方法として、液化蒸
留、高沸点溶媒による洗浄、深冷分離又は吸着剤の使用
による方法が開示されている。
【0005】また、一般に触媒反応において、硫黄化合
物は、触媒表面に硫黄分が蓄積し、触媒の活性を低下さ
せることが多い。しかしながら、塩化水素中の硫黄化合
物を十分に除去する方法は知られていない。
【0006】また、塩化水素の酸化反応は平衡反応であ
り、酸素を塩化水素に対し量論比より過剰に加えた方が
反応が効率的に進行することが知られており、通常この
ような条件下で反応が行われる。ここで、未反応の酸素
は塩素と分離後、反応にリサイクルされるのが一般的で
ある。ここに、窒素等の反応性の無い揮発性不純物が混
入すると、酸素との分離が困難となり、リサイクルと共
に系内に蓄積して高濃度となり、反応器内の塩化水素及
び酸素の濃度を相対的に低下させ、反応速度の低下を引
き起こす問題があった。このため、塩素と分離した未反
応酸素を主成分とするガスの一部を系外にパージする必
要が生じるが、この際、有価物である酸素、及び一部同
伴した塩素が系外に放出され損失となるといった問題が
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明が解決しようとする課題は、塩化水素及び不純物か
らなる混合ガスを原料として、該原料ガス中の塩化水素
を酸素で酸化して塩素を製造する方法であって、触媒の
安定した活性が維持されるために塩素を安定して高収率
で得ることができ、また生成塩素及び未反応酸素と原料
塩化水素中の多くの種類の不純物との複雑な分離を簡略
化又は省略することができ、よって触媒コスト、設備コ
スト費及び運転コストの観点から極めて有利に塩素を製
造することができる方法を提供する点に存するものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下記
の工程を含有する塩化水素及び不純物からなる混合ガス
を原料として該原料ガス中の塩化水素を酸素で酸化して
塩素を製造する方法に係るものである。 吸収工程:原料中の塩化水素を水又は塩酸水に吸収させ
て塩化水素と水を主成分とする溶液と不純物を主成分と
するガスに分離する工程 放散工程:吸収工程で得た溶液を放散させて塩化水素を
主成分とするガスを得る工程 酸化工程:放散工程で得たガス中の塩化水素を酸素で酸
化することにより塩素を得る工程
【0009】
【発明の実施の形態】塩化水素及び不純物からなる混合
ガスとしては、塩素化合物の熱分解反応や燃焼反応、有
機化合物のホスゲン化反応又は塩素化反応、焼却炉の燃
焼等において発生した塩化水素を含むいかなるものを使
用することができる。塩化水素及び不純物からなる混合
ガスとしては、塩化水素中の濃度が10体積%以上、好
ましくは50体積%以上、更に好ましくは80体積%以
上のものが用いられる。塩化水素の濃度が10体積%よ
りも小さい場合には、吸収工程で除去される不純物への
塩化水素の同伴によるロスを少量に押さえることが困難
になる。
【0010】塩化水素中の不純物としてはオルトジクロ
ロベンゼン、モノクロロベンゼン等の塩素化芳香族炭化
水素、及びトルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素、及
び塩化ビニル、1,2−ジクロロエタン、塩化メチル、
塩化エチル等の塩素化炭化水素、及びメタン、アセチレ
ン、エチレン、プロピレン等の炭化水素、及び窒素、ア
ルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、ホスゲン、水素、硫
化カルボニル等の無機ガスがあげられる。
【0011】本発明においては、塩化水素を水又は未飽
和の塩酸水に吸収させる方法によって、不純物が選択的
に除去される。中でも塩酸水に難溶な硫化カルボニル、
一酸化炭素、二酸化炭素、ホスゲン、水素、窒素及びア
ルゴン等の無機ガスが効果的に除去される。吸収に用い
る未飽和塩酸水の濃度は、吸収を行う温度/圧力下での
飽和濃度未満であればよいが、0〜25重量%が好まし
い。吸収温度は0℃〜150℃、より好ましくは35℃
〜100℃、吸収圧力は0.05MPa〜2MPa、よ
り好ましくは0.1MPa〜1Mpaで行われる。
【0012】塩化水素の吸収は低温/低圧下で操作可能
なために安価な耐酸性材料が利用でき、特に塩化水素に
近い沸点を有するために塩化水素の液化・再蒸発や吸着
等の方法では完全に除去しにくいや硫化カルボニル等の
化合物をより選択的に取り除くことができるといった特
徴がある。
【0013】本発明は、水又は未飽和の塩酸水に吸収さ
せた溶液中の塩化水素を放散させて得られる塩化水素を
酸素で酸化して塩素を製造する方法である。放散によっ
て得られた塩化水素をそのまま酸素で酸化して塩素を製
造することもできるが、放散で得られたガスを冷却し、
ガス中の水及び塩化水素の一部を凝縮させてガス中の水
の濃度を低減した後、未凝縮ガスを酸素で酸化して塩素
を製造することもできる。また、放散で得られたガス、
または放散で得られたガスを冷却した未凝縮ガスを更に
濃硫酸等と接触させて水分を除去させた後、酸素で酸化
して塩素を製造することもできる。
【0014】放散圧力は0.03MPa〜1MPa、好
ましくは0.1MPa〜0.5MPaが望ましい。缶出
液の塩酸濃度は、操作圧力における塩化水素と水の最高
共沸混合物の塩酸濃度を越え、かつ放散原料液の塩酸濃
度以下であればよいが、塩化水素を多く放散ガス中に回
収するには最高共沸混合物の塩酸濃度に近いことが好ま
しい。放散により得られるガス中の水分を除く塩化水素
の濃度は95体積%以上、好ましくは98体積%以上、
更に好ましくは99体積%以上である。放散装置の構造
としては放散に必要な熱を与えることができる加熱器の
みでも可能であるが、放散原料中の塩化水素を多く回収
するには缶出液中の塩酸濃度を運転圧力における最高共
沸組成を越える範囲でできるだけ小さくすることが望ま
しく、また一方、得られる放散ガスはその中に含む水分
濃度が小さい方が使用エネルギーが少なくてすみ、反応
に用いる前に濃硫酸による乾燥を経る場合は濃硫酸の使
用量が少なくてすむことから、放散ガス中塩化水素濃度
と缶出液中塩酸濃度の差を大きくするよう1理論段以
上、好ましくは3理論段〜9理論段を有する塔を加熱器
(再沸器)上に設けるのがより好ましい。
【0015】放散では塩化水素と水が最高共沸を形成す
る為、放散後の液中に塩化水素が残存するが、この未飽
和塩酸水は前段の塩化水素を吸収させる工程の吸収液と
してリサイクルすることができるために、吸収工程と放
散工程での精製による塩化水素の損失は極めて僅かにす
ることができる。
【0016】塩化水素に対する酸素の理論モル量は1/
4モルであるが、塩化水素の酸化反応は平衡反応であ
り、酸素を塩化水素に対し量論比より過剰に加えた方が
反応が効率的に進行することが知られており、通常塩化
水素1モルに対して1/4〜1モル量の酸素が用いられ
る。ここで、未反応の酸素は塩素と分離後、反応にリサ
イクルされるのが一般的である。本発明においては、酸
化反応に用いる塩化水素中からは、窒素、アルゴン、水
素及び二酸化炭素等の不活性ガスも除去されており、さ
らに一酸化炭素や有機化合物が除去されているために酸
化反応中に一酸化炭素や有機化合物の燃焼による二酸化
炭素等のガスの生成がない。したがって、酸化反応で酸
素を塩化水素に対して量論より過剰に用いた場合、反応
ガスから未反応の塩化水素と生成した水を塩酸水として
分離した後のガス中には酸素と塩素以外の不純物がほと
んど無く、未反応酸素の分離・リサイクルを従来技術と
較べて極めて容易に行うことができる。
【0017】本発明においては、塩化水素の吸収の際の
溶解熱は、溶液中から塩化水素を放散させる前の放散原
料の予熱源として有効に利用することができ、また放散
後の缶出液からの熱回収を行うことができる 。
【0018】本発明の酸化反応の触媒としては、塩化水
素を酸化して塩素を製造する触媒として知られる公知の
触媒を用いることができる。該触媒の一例として、塩化
銅と塩化カリウムに第三成分として種々の化合物を添加
した触媒、酸化クロムを主成分とする触媒、酸化ルテニ
ウムを主成分とする触媒などをあげることができる。中
でも酸化ルテニウムを主成分とする触媒が好ましい。
【0019】該酸化反応の方式としては、固定床又は流
動床等の流通方式があげられる。
【0020】反応温度は通常100℃〜500℃、より
好ましくは200℃〜400℃、反応圧力は通常0.1
Mpa〜5Mpaで行われる。
【0021】次に、本発明による好ましい製法の例とし
て、フロー図を参考に説明する。
【0022】フロー図1:塩化水素及び不純物からなる
混合ガス(a)を水又は未飽和の塩酸水(b)に吸収さ
せる。吸収塔の塔頂部から塩酸水に難溶な不純物が除去
され、塔底部から塩酸水(c)が得られる。得られた塩
酸水(c)中の塩化水素を放散させ、塔頂部から塩化水
素(d)が得られる。得られた塩化水素を酸素で酸化す
ることによって塩素が製造される。放散の工程で塔底部
から得られた未飽和の塩酸水(e)の一部又は全量は、
塩化水素を吸収させる工程の未飽和の塩酸水(b)とし
て用いることもできる。
【0023】フロー図2:図1と同様にして得られた塩
化水素(d)中から水分を除去させて得られる塩化水素
(f)を酸素で酸化することによって塩素が製造され
る。
【0024】
【実施例】吸収工程と放散工程は計算によって推算した
結果であり、酸化工程は実験に基づく結果である。
【0025】実施例1 吸収工程:塩化水素85体積%、窒素15体積%からな
る混合ガスを吸収塔の塔頂圧力0.15MPa、塔底の
温度30℃になるように冷却しながらガス全重量の3.
75倍の重量の濃度が20重量%の塩酸水に吸収させる
と、塔底から35重量%の塩酸水が得られる。 放散工程:吸収工程で得られる35重量%の塩酸水を、
5理論段を有し、塔頂に凝縮器、塔底に再沸器を持つ放
散塔の塔頂に連続的に供給する。放散塔を塔頂の圧力
0.101MPa、凝縮器の出口ガス温度40℃、塔底
の温度109℃で運転し、塔頂から塩化水素 98.9
体積%、水分1.1体積%からなるガスを得る。このガ
スを98重量%の硫酸と接触させて水分を除去すると、
>99.5体積%の塩化水素が得られる。 酸化工程:次の方法により調製した触媒を用いて反応を
行った。すなわち、1〜2mmφの球形の酸化チタン担
持5重量%金属ルテニウム触媒(N.E.ケムキャット
社製)に塩化カリウム水溶液を触媒の表面に水が浮き出
るまで含浸させた後、空気中60℃で乾燥した。塩化カ
リウムの添加量の計算値は、触媒中のRu原子とのモル
比が1:1になるとした。次にこの触媒を空気中60℃
で4時間乾燥し、さらに、空気中で室温から350℃ま
で約1時間で昇温し同温度で3時間焼成し球形の固体を
得た。得られた固体に純水を加え、触媒を濾過した。ろ
液に0.2mol/lの硝酸銀水溶液を加えても、白濁
しなくなるまで、合計5時間かけて、この操作を5回繰
り返した。次に、得られた固体を空気中60℃で4時間
乾燥し、酸化チタン担持6.6重量%酸化ルテニウム触
媒を得た。得られた酸化チタン担持6.6重量%酸化ル
テニウム触媒を内径12mmのガラス製反応管に12.
2g充填し、外部から塩浴(硝酸カリウム:亜硝酸ナト
リウム=1:1)で330℃に加熱した。吸収工程で得
られる>99.5体積%の塩化水素を200NmL/m
in、酸素を100NmL/minで供給した。触媒層
の温度は反応熱のために328〜350℃の分布となっ
た。出口のガスを30重量%KI溶液にサンプリングし
て、生成した塩素と未反応の塩化水素と生成水を吸収さ
せ、ヨウ素滴定法および中和滴定法によってそれぞれ塩
素の生成量および未反応塩化水素量を測定した。下式に
より求めた単位触媒重量当りの塩素の生成活性は2.6
5×10-4mol/min・g−触媒であった。また、
生成した塩素と未反応の塩化水素と生成水を分離した残
ガスの流量は64NmL/minで、酸素>99体積%
の組成であった。 単位触媒重量当りの塩素生成活性(mol/min・g
−触媒)=単位時間当りの出口塩素生成量(mol/m
in)/触媒重量(g)
【0026】比較例1 塩化水素85体積%、窒素15体積%からなる混合ガス
を吸収工程と放散工程を省略して、酸化工程にそのまま
200NmL/minで供給したこと以外は実施例1と
同様に反応を行った。触媒層の温度は反応熱のために3
27〜348℃の分布となった。単位触媒重量当りの塩
素の生成活性は2.52×10-4mol/min・g−
触媒、生成した塩素と未反応の塩化水素と生成水を分離
した残ガスの流量は99NmL/minで、酸素68体
積%と窒素35体積%からなる組成であった。
【0027】
【表1】 *1 単位:mol/min・g−触媒(×10-4
【0028】実施例2 吸収工程:塩化水素90.2体積%、窒素9.5体積
%、硫化カルボニル0.3体積%からなる混合ガスを吸
収塔の塔頂圧力0.15MPa、塔底の温度30℃にな
るように冷却しながらガス全重量の3.96倍の重量の
濃度が20重量%の塩酸水に吸収させると、塔底から3
5重量%の塩酸水が得られる。放散工程:吸収工程で得
られる35重量%の塩酸水を、5理論段を有し、塔頂に
凝縮器、塔底に再沸器を持つ放散塔の塔頂に連続的に供
給する。放散塔を塔頂の圧力0.101MPa、凝縮器
の出口ガス温度40℃、塔底の温度109℃で運転し、
塔頂から塩化水素 98.9体積%、水分1.1体積%
からなるガスを得る。このガスを98重量%の硫酸と接
触させて水分を除去すると、>99.5体積%の塩化水
素が得られる。 酸化工程:実施例1と同様にして得られた酸化チタン担
持6.6重量%酸化ルテニウム触媒を内径12mmのガ
ラス製反応管に3.8g充填し、外部から塩浴で310
℃に加熱した。吸収工程で得られる>99.5体積%の
塩化水素を302NmL/min、酸素を164NmL
/minで供給した。触媒層の温度は反応熱のために3
19〜328℃の分布となった。出口のガスを30重量
%KI溶液にサンプリングして、生成した塩素と未反応
の塩化水素と生成水を吸収させ、ヨウ素滴定法および中
和滴定法によってそれぞれ塩素の生成量および未反応塩
化水素量を測定した。単位触媒重量当りの塩素の生成活
性は4.32×10-4mol/min・g−触媒であっ
た。
【0029】比較例2 塩化水素90.2体積%、窒素9.5体積%、硫化カル
ボニル体積0.3%からなる混合ガスを吸収工程と放散
工程を省略して、酸化工程にそのまま307NmL/m
inで供給したこと以外は実施例2と同様に反応を行っ
た。触媒層の温度は反応熱のために313〜317℃の
分布となった。単位触媒重量当りの塩素の生成活性は
1.07×10-4mol/min・g−触媒であった。
【0030】
【表2】 *1 単位:mol/min・g−触媒(×10-4
【0031】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、塩
化水素及び不純物からなる混合ガスを原料として、この
中の塩化水素を酸素で酸化して塩素を製造する方法であ
って、触媒の安定した活性が維持されるために塩素を安
定して高収率で得ることができ、また生成塩素及び未反
応酸素と原料塩化水素中の多くの種類の不純物の複雑な
分離を簡略化又は省略することができ、よって触媒コス
ト、設備コスト費及び運転コストの観点から極めて有利
に塩素を製造する方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフローの例を示す図である。
【図2】本発明のフローの例を示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化水素及び不純物からなる混合ガスを
    原料として、該原料中の塩化水素を酸素で酸化する塩素
    の製造方法であって、下記の工程を含む塩素の製造方
    法。 吸収工程:原料中の塩化水素を水又は塩酸水に吸収させ
    て塩化水素と水を主成分とする溶液と不純物を主成分と
    するガスに分離する工程 放散工程:吸収工程で得た溶液を放散させて塩化水素を
    主成分とするガスを得る工程 酸化工程:放散工程で得たガス中の塩化水素を酸素で酸
    化することにより塩素を得る工程
  2. 【請求項2】 放散工程で得られた塩化水素を主成分と
    するガス中の水分を除去した後に酸化工程に供給する請
    求項1記載の塩素の製造方法。
  3. 【請求項3】 原料中の塩化水素の濃度が10体積%以
    上である請求項1記載の塩素の製造方法。
  4. 【請求項4】 原料中の不純物が、塩素化芳香族炭化水
    素、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、炭化水素及び無
    機ガスからなる群から選ばれる少なくとも一種である請
    求項1記載の塩素の製造方法。
  5. 【請求項5】 放散工程で得たガス中の水分を除く塩化
    水素の濃度が95体積%以上である請求項1記載の塩素
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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