JP3606051B2 - 塩素の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は塩素の製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は塩化水素及び不純物からなる混合ガスを原料として該原料中の塩化水素を酸素で酸化する塩素の製造方法であって、原料中の塩化水素を水又は塩酸水に吸収させて塩化水素と水を主成分とする溶液と不純物を主成分とするガスに分離し、該溶液を放散させて塩化水素を主成分とするガスを得て、該塩化水素を酸素で酸化する塩素の製造方法であって、触媒の安定した活性が維持されるために塩素を安定して高収率で得ることができ、また生成塩素及び未反応酸素と原料塩化水素中の多くの種類の不純物との複雑な分離を簡略化又は省略することができ、よって触媒コスト、設備コスト費及び運転コストの観点から極めて有利な塩素の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
塩素は塩化ビニル、ホスゲンなどの原料として有用であり、塩化水素の酸化によって得られることもよく知られている。たとえば、塩化水素を触媒を用いて分子状酸素で接触酸化し、塩素を製造する方法としては、従来からDeacon触媒と呼ばれる銅系の触媒が従来優れた活性を有するとされ、塩化銅と塩化カリウムに第三成分として種々の化合物を添加した触媒が多数提案されている。また、Deacon触媒以外にも、酸化クロム又はこの化合物を触媒として用いる方法、酸化ルテニウム又はこの化合物を触媒として用いる方法も提案されている。
ここで、原料の塩化水素としては、塩素化合物の熱分解反応や燃焼反応、有機化合物のホスゲン化反応又は塩素化反応等において副生したものが良く用いられるが、これらの中には発生源のプロセスに由来する不純物が含まれている。例えば、イソシアネートのアミンとホスゲンを反応させる工程から発生する塩化水素中には一酸化炭素、硫化カルボニル、オルトジクロロベンゼン、モノクロロベンゼンなどの有機化合物及び窒素等の不純物が含まれている。しかしながら、塩化水素中のこれらの不純物は触媒の活性低下や反応後の生成ガス処理工程系の配管の閉塞や未反応でリサイクルされる酸素中への蓄積等を起こすといった問題があった。
【0003】
たとえば、特開昭62−270404号公報には、原料の塩化水素中に一酸化炭素が多量に含まれていると触媒の活性が低下し、また触媒成分であるクロム分の揮散量が増大するため、含有一酸化炭素を低減させる方法として、アルミナを担体としたパラジウム触媒で一酸化炭素を燃焼させ二酸化炭素とする方法、排ガス中の塩化水素を液化・分離後塩化水素を蒸発させ原料ガスとする方法、排ガスを塩化銅溶液で洗浄する方法が開示されている。
【0004】
また、特開昭63−45102号公報には、有機化合物を含む塩化水素をそのまま酸化反応の原料として用いた場合には、該有機化合物が塩素化されたり、部分酸化されて多塩素化合物を生成し、これが触媒表面へ沈着し、そのため触媒の活性低下、あるいは反応後の生成ガス処理工程系の配管の閉塞等の問題を生じるため、含有有機化合物を低減させる方法として、液化蒸留、高沸点溶媒による洗浄、深冷分離又は吸着剤の使用による方法が開示されている。
【0005】
また、一般に触媒反応において、硫黄化合物は、触媒表面に硫黄分が蓄積し、触媒の活性を低下させることが多い。しかしながら、塩化水素中の硫黄化合物を十分に除去する方法は知られていない。
【0006】
また、塩化水素の酸化反応は平衡反応であり、酸素を塩化水素に対し量論比より過剰に加えた方が反応が効率的に進行することが知られており、通常このような条件下で反応が行われる。ここで、未反応の酸素は塩素と分離後、反応にリサイクルされるのが一般的である。ここに、窒素等の反応性の無い揮発性不純物が混入すると、酸素との分離が困難となり、リサイクルと共に系内に蓄積して高濃度となり、反応器内の塩化水素及び酸素の濃度を相対的に低下させ、反応速度の低下を引き起こす問題があった。このため、塩素と分離した未反応酸素を主成分とするガスの一部を系外にパージする必要が生じるが、この際、有価物である酸素、及び一部同伴した塩素が系外に放出され損失となるといった問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、塩化水素及び不純物からなる混合ガスを原料として、該原料ガス中の塩化水素を酸素で酸化して塩素を製造する方法であって、触媒の安定した活性が維持されるために塩素を安定して高収率で得ることができ、また生成塩素及び未反応酸素と原料塩化水素中の多くの種類の不純物との複雑な分離を簡略化又は省略することができ、よって触媒コスト、設備コスト費及び運転コストの観点から極めて有利に塩素を製造することができる方法を提供する点に存するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、下記の工程を含有する塩化水素及び不純物からなる混合ガスを原料として該原料ガス中の塩化水素を酸素で酸化して塩素を製造する方法に係るものである。
吸収工程:原料中の塩化水素を水又は塩酸水に吸収させて塩化水素と水を主成分とする溶液と不純物を主成分とするガスに分離する工程
放散工程:吸収工程で得た溶液を放散させて塩化水素を主成分とするガスを得る工程
酸化工程:放散工程で得たガス中の塩化水素を酸素で酸化することにより塩素を得る工程
【0009】
【発明の実施の形態】
塩化水素及び不純物からなる混合ガスとしては、塩素化合物の熱分解反応や燃焼反応、有機化合物のホスゲン化反応又は塩素化反応、焼却炉の燃焼等において発生した塩化水素を含むいかなるものを使用することができる。塩化水素及び不純物からなる混合ガスとしては、塩化水素の濃度が10体積%以上、好ましくは50体積%以上、更に好ましくは80体積%以上のものが用いられる。塩化水素の濃度が10体積%よりも小さい場合には、吸収工程で除去される不純物への塩化水素の同伴によるロスを少量に押さえることが困難になる。
【0010】
塩化水素中の不純物としてはオルトジクロロベンゼン、モノクロロベンゼン等の塩素化芳香族炭化水素、及びトルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素、及び塩化ビニル、1,2−ジクロロエタン、塩化メチル、塩化エチル等の塩素化炭化水素、及びメタン、アセチレン、エチレン、プロピレン等の炭化水素、及び窒素、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、ホスゲン、水素、硫化カルボニル等の無機ガスがあげられる。
【0011】
本発明においては、塩化水素を水又は未飽和の塩酸水に吸収させる方法によって、不純物が選択的に除去される。中でも塩酸水に難溶な硫化カルボニル、一酸化炭素、二酸化炭素、ホスゲン、水素、窒素及びアルゴン等の無機ガスが効果的に除去される。吸収に用いる未飽和塩酸水の濃度は、吸収を行う温度/圧力下での飽和濃度未満であればよいが、0〜25重量%が好ましい。吸収温度は0℃〜150℃、より好ましくは35℃〜100℃、吸収圧力は0.05MPa〜2MPa、より好ましくは0.1MPa〜1Mpaで行われる。
【0012】
塩化水素の吸収は低温/低圧下で操作可能なために安価な耐酸性材料が利用でき、特に塩化水素に近い沸点を有するために塩化水素の液化・再蒸発や吸着等の方法では完全に除去しにくい硫化カルボニル等の化合物をより選択的に取り除くことができるといった特徴がある。
【0013】
本発明は、水又は未飽和の塩酸水に吸収させた溶液中の塩化水素を放散させて得られる塩化水素を酸素で酸化して塩素を製造する方法である。放散によって得られた塩化水素をそのまま酸素で酸化して塩素を製造することもできるが、放散で得られたガスを冷却し、ガス中の水及び塩化水素の一部を凝縮させてガス中の水の濃度を低減した後、未凝縮ガスを酸素で酸化して塩素を製造することもできる。また、放散で得られたガス、または放散で得られたガスを冷却した未凝縮ガスを更に濃硫酸等と接触させて水分を除去させた後、酸素で酸化して塩素を製造することもできる。
【0014】
放散圧力は0.03MPa〜1MPa、好ましくは0.1MPa〜0.5MPaが望ましい。缶出液の塩酸濃度は、操作圧力における塩化水素と水の最高共沸混合物の塩酸濃度を越え、かつ放散原料液の塩酸濃度以下であればよいが、塩化水素を多く放散ガス中に回収するには最高共沸混合物の塩酸濃度に近いことが好ましい。放散により得られるガス中の水分を除く塩化水素の濃度は95体積%以上、好ましくは98体積%以上、更に好ましくは99体積%以上である。放散装置の構造としては放散に必要な熱を与えることができる加熱器のみでも可能であるが、放散原料中の塩化水素を多く回収するには缶出液中の塩酸濃度を運転圧力における最高共沸組成を越える範囲でできるだけ小さくすることが望ましく、また一方、得られる放散ガスはその中に含む水分濃度が小さい方が使用エネルギーが少なくてすみ、反応に用いる前に濃硫酸による乾燥を経る場合は濃硫酸の使用量が少なくてすむことから、放散ガス中塩化水素濃度と缶出液中塩酸濃度の差を大きくするよう1理論段以上、好ましくは3理論段〜9理論段を有する塔を加熱器(再沸器)上に設けるのがより好ましい。
【0015】
放散では塩化水素と水が最高共沸を形成する為、放散後の液中に塩化水素が残存するが、この未飽和塩酸水は前段の塩化水素を吸収させる工程の吸収液としてリサイクルすることができるために、吸収工程と放散工程での精製による塩化水素の損失は極めて僅かにすることができる。
【0016】
塩化水素に対する酸素の理論モル量は1/4モルであるが、塩化水素の酸化反応は平衡反応であり、酸素を塩化水素に対し量論比より過剰に加えた方が反応が効率的に進行することが知られており、通常塩化水素1モルに対して1/4〜1モル量の酸素が用いられる。ここで、未反応の酸素は塩素と分離後、反応にリサイクルされるのが一般的である。本発明においては、酸化反応に用いる塩化水素中からは、窒素、アルゴン、水素及び二酸化炭素等の不活性ガスも除去されており、さらに一酸化炭素や有機化合物が除去されているために酸化反応中に一酸化炭素や有機化合物の燃焼による二酸化炭素等のガスの生成がない。したがって、酸化反応で酸素を塩化水素に対して量論より過剰に用いた場合、反応ガスから未反応の塩化水素と生成した水を塩酸水として分離した後のガス中には酸素と塩素以外の不純物がほとんど無く、未反応酸素の分離・リサイクルを従来技術と較べて極めて容易に行うことができる。
【0017】
本発明においては、塩化水素の吸収の際の溶解熱は、溶液中から塩化水素を放散させる前の放散原料の予熱源として有効に利用することができ、また放散後の缶出液からの熱回収を行うことができる 。
【0018】
本発明の酸化反応の触媒としては、塩化水素を酸化して塩素を製造する触媒として知られる公知の触媒を用いることができる。該触媒の一例として、塩化銅と塩化カリウムに第三成分として種々の化合物を添加した触媒、酸化クロムを主成分とする触媒、酸化ルテニウムを主成分とする触媒などをあげることができる。中でも酸化ルテニウムを主成分とする触媒が好ましい。
【0019】
該酸化反応の方式としては、固定床又は流動床等の流通方式があげられる。
【0020】
反応温度は通常100℃〜500℃、より好ましくは200℃〜400℃、反応圧力は通常0.1Mpa〜5Mpaで行われる。
【0021】
次に、本発明による好ましい製法の例として、フロー図を参考に説明する。
【0022】
フロー図1:塩化水素及び不純物からなる混合ガス(a)を水又は未飽和の塩酸水(b)に吸収させる。吸収塔の塔頂部から塩酸水に難溶な不純物が除去され、塔底部から塩酸水(c)が得られる。得られた塩酸水(c)中の塩化水素を放散させ、塔頂部から塩化水素(d)が得られる。得られた塩化水素を酸素で酸化することによって塩素が製造される。放散の工程で塔底部から得られた未飽和の塩酸水(e)の一部又は全量は、塩化水素を吸収させる工程の未飽和の塩酸水(b)として用いることもできる。
【0023】
フロー図2:図1と同様にして得られた塩化水素(d)中から水分を除去させて得られる塩化水素(f)を酸素で酸化することによって塩素が製造される。
【0024】
【実施例】
吸収工程と放散工程は計算によって推算した結果であり、酸化工程は実験に基づく結果である。
【0025】
実施例1
吸収工程:塩化水素85体積%、窒素15体積%からなる混合ガスを吸収塔の塔頂圧力0.15MPa、塔底の温度30℃になるように冷却しながらガス全重量の3.75倍の重量の濃度が20重量%の塩酸水に吸収させると、塔底から35重量%の塩酸水が得られる。
放散工程:吸収工程で得られる35重量%の塩酸水を、5理論段を有し、塔頂に凝縮器、塔底に再沸器を持つ放散塔の塔頂に連続的に供給する。放散塔を塔頂の圧力0.101MPa、凝縮器の出口ガス温度40℃、塔底の温度109℃で運転し、塔頂から塩化水素 98.9体積%、水分1.1体積%からなるガスを得る。このガスを98重量%の硫酸と接触させて水分を除去すると、>99.5体積%の塩化水素が得られる。
酸化工程:次の方法により調製した触媒を用いて反応を行った。すなわち、1〜2mmφの球形の酸化チタン担持5重量%金属ルテニウム触媒(N.E.ケムキャット社製)に塩化カリウム水溶液を触媒の表面に水が浮き出るまで含浸させた後、空気中60℃で乾燥した。塩化カリウムの添加量の計算値は、触媒中のRu原子とのモル比が1:1になるとした。次にこの触媒を空気中60℃で4時間乾燥し、さらに、空気中で室温から350℃まで約1時間で昇温し同温度で3時間焼成し球形の固体を得た。得られた固体に純水を加え、触媒を濾過した。ろ液に0.2mol/lの硝酸銀水溶液を加えても、白濁しなくなるまで、合計5時間かけて、この操作を5回繰り返した。次に、得られた固体を空気中60℃で4時間乾燥し、酸化チタン担持6.6重量%酸化ルテニウム触媒を得た。
得られた酸化チタン担持6.6重量%酸化ルテニウム触媒を内径12mmのガラス製反応管に12.2g充填し、外部から塩浴(硝酸カリウム:亜硝酸ナトリウム=1:1)で330℃に加熱した。吸収工程で得られる>99.5体積%の塩化水素を200NmL/min、酸素を100NmL/minで供給した。触媒層の温度は反応熱のために328〜350℃の分布となった。出口のガスを30重量%KI溶液にサンプリングして、生成した塩素と未反応の塩化水素と生成水を吸収させ、ヨウ素滴定法および中和滴定法によってそれぞれ塩素の生成量および未反応塩化水素量を測定した。下式により求めた単位触媒重量当りの塩素の生成活性は2.65×10−4mol/min・g−触媒であった。また、生成した塩素と未反応の塩化水素と生成水を分離した残ガスの流量は64NmL/minで、酸素>99体積%の組成であった。
単位触媒重量当りの塩素生成活性(mol/min・g−触媒)=単位時間当りの出口塩素生成量(mol/min)/触媒重量(g)
【0026】
比較例1
塩化水素85体積%、窒素15体積%からなる混合ガスを吸収工程と放散工程を省略して、酸化工程にそのまま200NmL/minで供給したこと以外は実施例1と同様に反応を行った。触媒層の温度は反応熱のために327〜348℃の分布となった。単位触媒重量当りの塩素の生成活性は2.52×10−4mol/min・g−触媒、生成した塩素と未反応の塩化水素と生成水を分離した残ガスの流量は99NmL/minで、酸素68体積%と窒素35体積%からなる組成であった。
【0027】
【表1】
Figure 0003606051
*1 単位:mol/min・g−触媒(×10−4
【0028】
実施例2
吸収工程:塩化水素90.2体積%、窒素9.5体積%、硫化カルボニル0.3体積%からなる混合ガスを吸収塔の塔頂圧力0.15MPa、塔底の温度30℃になるように冷却しながらガス全重量の3.96倍の重量の濃度が20重量%の塩酸水に吸収させると、塔底から35重量%の塩酸水が得られる。
放散工程:吸収工程で得られる35重量%の塩酸水を、5理論段を有し、塔頂に凝縮器、塔底に再沸器を持つ放散塔の塔頂に連続的に供給する。放散塔を塔頂の圧力0.101MPa、凝縮器の出口ガス温度40℃、塔底の温度109℃で運転し、塔頂から塩化水素 98.9体積%、水分1.1体積%からなるガスを得る。このガスを98重量%の硫酸と接触させて水分を除去すると、>99.5体積%の塩化水素が得られる。
酸化工程:実施例1と同様にして得られた酸化チタン担持6.6重量%酸化ルテニウム触媒を内径12mmのガラス製反応管に3.8g充填し、外部から塩浴で310℃に加熱した。吸収工程で得られる>99.5体積%の塩化水素を302NmL/min、酸素を164NmL/minで供給した。触媒層の温度は反応熱のために319〜328℃の分布となった。出口のガスを30重量%KI溶液にサンプリングして、生成した塩素と未反応の塩化水素と生成水を吸収させ、ヨウ素滴定法および中和滴定法によってそれぞれ塩素の生成量および未反応塩化水素量を測定した。単位触媒重量当りの塩素の生成活性は4.32×10−4mol/min・g−触媒であった。
【0029】
比較例2
塩化水素90.2体積%、窒素9.5体積%、硫化カルボニル体積0.3%からなる混合ガスを吸収工程と放散工程を省略して、酸化工程にそのまま307NmL/minで供給したこと以外は実施例2と同様に反応を行った。触媒層の温度は反応熱のために313〜317℃の分布となった。単位触媒重量当りの塩素の生成活性は1.07×10−4mol/min・g−触媒であった。
【0030】
【表2】
Figure 0003606051
*1 単位:mol/min・g−触媒(×10−4
【0031】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、塩化水素及び不純物からなる混合ガスを原料として、この中の塩化水素を酸素で酸化して塩素を製造する方法であって、触媒の安定した活性が維持されるために塩素を安定して高収率で得ることができ、また生成塩素及び未反応酸素と原料塩化水素中の多くの種類の不純物の複雑な分離を簡略化又は省略することができ、よって触媒コスト、設備コスト費及び運転コストの観点から極めて有利に塩素を製造する方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフローの例を示す図である。
【図2】本発明のフローの例を示す図である。

Claims (4)

  1. 塩化水素及び不純物からなる混合ガスを原料として、該原料中の塩化水素を酸素で酸化する塩素の製造方法であって、下記の工程を含む塩素の製造方法。
    吸収工程:原料中の塩化水素を水又は塩酸水に吸収させて塩化水素と水を主成分とする溶液と不純物を主成分とするガスに分離する工程
    放散工程:吸収工程で得た溶液を放散させて、水分を除く塩化水素の濃度が95体積%以上であるガスを得る工程
    酸化工程:放散工程で得たガス中の塩化水素を酸素で酸化することにより塩素を得る工程
  2. 放散工程で得ガス中の水分を除去した後に酸化工程に供給する請求項1記載の塩素の製造方法。
  3. 原料中の塩化水素の濃度が10体積%以上である請求項1記載の塩素の製造方法。
  4. 原料中の不純物が、塩素化芳香族炭化水素、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、炭化水素及び無機ガスからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1記載の塩素の製造方法。
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