JP2006219369A - 塩素の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】塩化水素を酸化して塩素を製造する方法において、原料ガス中の塩化水素以外の不純物を除去し、さらに、酸化反応後の未反応の塩化水素を効率的に回収することができる、新規な方法を提供する。
【解決手段】塩化水素および不純物を含む原料ガス中の塩化水素を酸素で酸化して塩素を製造する方法であって、原料ガス中の塩化水素を水または塩酸に吸収させる第1吸収工程と、前記第1吸収工程で得られた溶液を放散させて塩化水素を主成分とするガスを得る第1放散工程と、混合ガス中の塩化水素を酸素で酸化することにより塩素を含むガスを得る酸化工程と、塩素および酸素を主成分とするガスを得る第2吸収工程と、前記第2吸収工程で得られた溶液を、第1放散工程とは別個に放散させて塩化水素を主成分とするガスを得る第2分散工程とを含む塩素の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、塩素の製造方法に関する。
塩素は、塩化ビニル、ホスゲンなどの原料として有用であり、塩化水素の酸化によって得られることもよく知られている。たとえば、塩化水素を触媒を用いて分子状酸素で接触酸化し、塩素を製造する方法としては、従来からDeacon触媒と呼ばれる銅系の触媒が従来優れた活性を有するとされ、塩化銅と塩化カリウムに第三成分として種々の化合物を添加した触媒が多数提案されている。また、Deacon触媒以外にも、酸化クロムまたはこの化合物を触媒として用いる方法、酸化ルテニウムまたはこの化合物を触媒として用いる方法も提案されている。
ここで、塩化水素を含む原料ガスとしては、塩素化合物の熱分解反応や燃焼反応、有機化合物のホスゲン化反応または塩素化反応などにおいて副生したものがよく用いられる。このような原料ガスには、塩化水素以外に、発生源のプロセスに由来する不純物が含まれることになる。たとえば、イソシアネートのアミンとホスゲンを反応させる工程から発生する塩化水素を含むガスを原料ガスとして用いる場合には、一酸化炭素、硫化カルボニル、オルトジクロロベンゼン、モノクロロベンゼンなどの有機化合物および窒素などの不純物が原料ガス中に含まれることになる。
しかしながら、原料ガス中に含まれる不純物は、触媒の活性低下や反応後の生成ガス処理工程系の配管の閉塞や未反応でリサイクルされる酸素中への蓄積などを起こすという問題があった。
また、塩素の製造方法においては、塩化水素を酸化して得られた塩素を含むガスを水または塩酸水と接触させ、未反応の塩化水素を除去して、塩素および酸素を主成分とするガスを得、当該ガスを乾燥、精製に供する。この際、未反応の塩化水素を、再び塩素製造のための原料として用いるのが一般的である。この場合、未反応の塩化水素は、塩化水素および水を主成分とする溶液(塩化水素水溶液)として回収され、リサイクルに供される。
一般に、塩化水素水溶液は、共沸混合物を形成するため、単純な蒸留のみではその構成成分である塩化水素と水に分離回収することが困難である。かかる塩化水素水溶液から塩化水素と水を分離回収する方法としては、塩化水素水溶液に硫酸、塩化カルシウムなどの強電解質を第三成分として添加し、共沸状態を変化させて蒸留する方法が知られている。具体的な手順としては、第一段階として強電解質を添加することにより溶液中の水の活量を低下させた状態で溶液を蒸留し塩化水素を主成分とするガスを放散させ回収する。その後、第二段階として第一段階で残った強電解質水溶液を蒸留し水を蒸留する。第二段階で濃縮された強電解質水溶液は、第一段階での添加剤として再利用できる。
しかしながら、この方法では、第三成分を添加・使用しなければならないこと、ならびに、装置材料として高価なものが必要になるといった問題がある。たとえば第三成分として硫酸を添加する場合、第一段階で添加する硫酸の濃度は共沸状態を変化させる十分な効果を得、かつ第二段階で濃縮した硫酸を第一段階に戻す前にその流量が過大とならないようにする点からも少なくとも80重量%以上にすることが望ましいが、このような濃度の硫酸を添加すると第一段階における蒸留は塩化水素と水と硫酸が共存する状態となり、液の沸点も上昇するため、塩化水素水溶液の蒸留によく用いられる樹脂含浸カーボンのような安価な材料の使用は困難である。
また第二段階での脱水は、大気圧下では操作温度が200℃以上の高温になるため、一般に減圧下で行われるが、一方、操作圧力を下げすぎると蒸発した水を凝縮させることが困難になるため、脱水工程の操作温度を下げることには限界がある。このようなことから脱水のための装置には通常はタンタルなどの高価な耐食性材料の使用が必要になる。また、第三成分として塩化カルシウムを添加する場合には、第二段階の脱水の際に、固体の析出によるスケーリングが生じる場合がある。
国際公開04/037718号パンフレット 特開2000−34105号公報 特開2001−139305号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、塩化水素を酸化して塩素を製造する方法において、原料ガス中の塩化水素以外の不純物を除去し、さらに、酸化反応後の未反応の塩化水素を効率的に回収することができる、新規な方法を提供することである。
本発明は、塩化水素および不純物を含む原料ガス中の塩化水素を酸素で酸化して塩素を製造する方法であって、〔1〕原料ガス中の塩化水素を水または塩酸に吸収させて、塩化水素および水を主成分とする溶液と、不純物を主成分とするガスとに分離する第1吸収工程と、〔2〕前記第1吸収工程で得られた溶液を放散させて塩化水素を主成分とするガスを得る第1放散工程と、〔3〕前記第1放散工程で得られたガスを含む混合ガス中の塩化水素を酸素で酸化することにより塩素を含むガスを得る酸化工程と、〔4〕前記酸化工程で得られた塩素を含むガスを水または塩酸水と接触させ塩化水素および水を主成分とする溶液として未反応塩化水素を回収するとともに、塩素および酸素を主成分とするガスを得る第2吸収工程と、〔5〕前記第2吸収工程で得られた溶液を、前記第1放散工程とは別個に放散させて塩化水素を主成分とするガスを得る第2分散工程とを含み、前記酸化工程における混合ガスは、前記第1放散工程で得られたガスに、前記第2放散工程で得られたガスを混合したものであることを特徴とする。
本発明の塩素の製造方法は、第1吸収工程および第1放散工程を含むことにより、原料ガス中に含まれる不純物を効率的に除去でき、これによって酸化工程で用いる触媒の安定した活性を維持することができ、結果として塩素を安定して高収率で得ることができる。また、第1吸収工程および第1放散工程を含むことにより、生成塩素および未反応酸素と原料ガス中の多くの種類の不純物の複雑な分離を簡略化または省略することができ、よって触媒コスト、設備コストおよび運転コストの観点から極めて容易に塩素を製造することができる。
また本発明の塩素の製造方法は、第2吸収工程および第2放散工程を含むことにより、分離回収が困難である酸化工程後の塩化水素水溶液を、第三成分を添加することなく、効率的に塩化水素と水とに分離回収することができ、こうして得られた塩化水素を主成分とするガスを再び酸化工程に供することで、結果としてさらに効率的に塩素を製造することが可能となる。
また、塩素の製造の一連のプロセスのスタート時には、通常、第2放散工程で用いる放散塔には処理すべき液が存在せず、実質的に第1放散工程で用いる放散塔のみで塩化水素を主成分とするガスを発生させる必要がある。本発明の塩素の製造方法は、第1放散工程と第2放散工程とを同一の設備を用いずに別個に行なうため、第1放散工程と第2放散工程とを同一の設備を用いて行なう場合とは比較して、プロセスのスタートアップを容易に行なうことができる。また、第1放散工程と第2放散工程とを同一の設備を用いずに別個に行なうため、原料ガス流量の変動や酸化工程における反応転化率変化などに応じて第1放散工程および第2放散工程の条件を別個に制御することができ、プロセス変動の影響を受けにくいという利点もある。
図1は、本発明の塩素の製造方法の好ましい一例を模式的に示すフロー図である。本発明は、塩化水素および不純物を含む原料ガス中の塩化水素を酸素で酸化して塩素を製造する方法を前提とする。
ここで、本発明における原料ガスとしては、塩素化合物の熱分解反応や燃焼反応、有機化合物のホスゲン化反応または塩素化反応、焼却炉の燃焼などにおいて発生した塩化水素を含むいかなるものを使用することができる。
本発明における原料ガスとしては、原料ガス中の塩化水素の濃度が10体積%以上、好ましくは50体積%以上、さらに好ましくは80体積%以上のものが用いられる。原料ガス中の塩化水素の濃度が10体積%よりも小さい場合には、後述する第1吸収工程で不純物とともに除去される塩化水素が多くなってしまい、塩化水素のロスを少量に抑えることが困難になってしまう傾向にある。また、原料ガス中の塩化水素の濃度が10体積%よりも小さい場合には、後述する精製工程で得られる未反応酸素を主成分とするガス中の酸素の濃度が低くなり、後述する循環工程で反応工程へ供給する該ガスの量を少なくしなければならないことがあるという虞もある。
原料ガス中に含まれる塩化水素以外の不純物としては、オルトジクロロベンゼン、モノクロロベンゼンなどの塩素化芳香族炭化水素、トルエン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、塩化メチル、塩化エチルなどの塩素化炭化水素、メタン、アセチレン、エチレン、プロピレンなどの炭化水素、窒素、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、ホスゲン、水素、硫化カルボニル、硫化水素、二酸化硫黄などの無機ガスが挙げられる。
本発明の塩素の製造方法は、〔1〕第1吸収工程、〔2〕第1放散工程、〔3〕酸化工程、〔4〕第2吸収工程、ならびに〔5〕第2放散工程を少なくとも含むことを特徴とする。以下、本発明における各工程について詳細に説明する。
〔1〕第1吸収工程
本発明における第1吸収工程は、原料ガス中の塩化水素を水または塩酸に吸収させて、塩化水素および水を主成分とする溶液と、不純物を主成分とするガスとに分離する工程である。この第1吸収工程により、不純物の中でも、塩酸水に難溶な硫化カルボニル、一酸化炭素、二酸化炭素、ホスゲン、水素、窒素およびアルゴンなどの無機ガスが効果的に除去される。
第1吸収工程に塩酸を用いる場合には、未飽和の塩酸を用い、その濃度は吸収を行なう温度、圧力下での飽和濃度未満であれば特に制限されるものではないが、25重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることが好ましい。25重量%を超える塩酸を用いる場合には、吸収率が低く、原料ガス中に含まれる塩化水素を完全には吸収させにくくなる傾向にあるためである。
第1吸収工程における吸収温度は、特に制限されるものではないが、0〜120℃であるのが好ましく、35〜100℃であるのが好ましい。吸収温度が0℃未満である場合には、凍結のおそれがあるとともに、除熱量が大きく、不経済であるためであり、また吸収温度が120℃を超える場合には、塩化水素の水への溶解度が低く、十分な吸収が行えない傾向にあるためである。
また、第1吸収工程における吸収圧力は、特に制限されるものではないが、0.05MPa〜1MPaであるのが好ましく、0.1MPa〜0.5MPaであるのがより好ましい。吸収圧力が0.05MPa未満である場合には、塩化水素の水への溶解度が低く、十分な吸収が行えない傾向にあるためであり、また吸収圧力が1MPaを超える場合には、第1吸収工程に用いる吸収装置の耐圧化のために多大なコストを要するためである。
第1吸収工程における塩化水素の吸収は、低温/低圧下で操作可能なために安価な耐酸性材料が利用でき、特に塩化水素に近い沸点を有するために塩化水素の液化・再蒸発や吸着などの方法では完全に除去しにくい硫化カルボニルなどの化合物をより選択的に取り除くことができるといった特徴がある。
〔2〕第1放散工程
本発明における第1放散工程は、第1吸収工程で得られた溶液を放散させて塩化水素を主成分とするガスを得る工程である。具体的には、公知の放散塔中で、塩化水素を含む水または塩酸の溶液を放散させ、塔頂より塩化水素を主成分とするガスを放散ガスとして取り出すとともに、塔底から缶出液として上記塩化水素を分離後の溶液を取り出す。
第1放散工程における放散圧力は、特に制限されるものではないが、0.03〜1MPaであるのが好ましく、0.1〜0.8MPaであるのがより好ましい。放散圧力が0.03MPa未満である場合には、後段の反応工程に放散後の塩化水素ガスを送気できない問題が生じる虞があるためであり、また、放散圧力が1MPaを超える場合には、第1放散工程に用いる放散塔の耐圧化のために多大なコストを要するためである。
第1放散工程では、水分を除く塩化水素の濃度が、好ましくは95体積%以上、より好ましくは98体積%以上、特に好ましくは99体積%以上である、塩化水素を主成分とするガスを回収するができる。こうして得られた塩化水素を主成分とするガスは、後述する酸化工程に供される。
第1放散工程では、塩化水素と水とが最高共沸を形成する(すなわち、塩化水素および水の沸点よりも高い温度で共沸が起こる)。このため、缶出液中には塩化水素が残存するが、この缶出液は、その一部または全部を上述した第1吸収工程の吸収液としてリサイクルすることができる。これにより、第1吸収工程および第1放散工程での塩化水素の損失を極めて僅かにすることができる。同様に、前記缶出液の一部または全部を、後述する第2吸収工程の吸収液としてリサイクルすることも可能である。
缶出液の塩酸濃度は、操作圧力における塩化水素と水との最高共沸混合物の塩酸濃度を超え、かつ、第1吸収工程で得られた溶液の塩酸濃度以下であればよいが、塩化水素を多く放散ガス中に回収するには、最高共沸混合物の塩酸濃度に近いことが好ましい。
第1放散工程において用いられる放散塔の構造としては、放散に必要な熱を与えることができる加熱器のみでもよいが、第1吸収工程で得られた溶液中の塩化水素を多く回収するには缶出液中の塩酸濃度を運転圧力における最高共沸組成を超える範囲でできるだけ小さくすることが望ましい。一方、得られる放散ガスは、その中に含まれる水分濃度が小さい方が使用エネルギーが少なくて済み、後述する酸化工程に供する前に濃硫酸による乾燥を経る場合は濃硫酸の使用量が少なくて済むことから、放散ガス中塩化水素濃度と缶出液中塩酸濃度の差を大きくするよう1理論段以上、好ましくは3理論段〜9理論段を有する塔を加熱器(再沸器)上に設けるのがより好ましい。放散塔の加熱源としては、スチームが好ましく用いられる。
第1放散工程において用いられる放散塔の構造としては、充填塔、棚段塔を例示することができる。また、再沸器などの付帯機器を備えていてもよく、この場合、付帯機器の装置材料は操作条件下での塩化水素および水を含む溶液に対し耐食性を有する材料(たとえば、樹脂含浸カーボン、フッ化エチレン系樹脂、フッ化エチレン系樹脂で内部をライニングあるいはコーティングした金属、タンタルまたはタンタル合金、タンタルまたはタンタル合金で内部をライニングあるいはコーティングした金属など)を好適に用いることができる。
なお、本発明では、上述した第1吸収工程における塩化水素の吸収の際の溶解熱は、第1放散工程に供する前の溶液の予熱源として有効に利用することができる。また放散後の缶出液からも熱回収を行なうことができる。
〔3〕酸化工程
本発明における酸化工程は、第1放散工程で得られたガスを含む混合ガス中の塩化水素を酸素で酸化することにより、塩素を含むガスを得る工程である。ここで、酸化工程に供される混合ガスは、第1放散工程で得られた塩化水素を主成分とするガスに、後述する第2放散工程で得られた塩化水素を主成分とするガスを混合して調製される。
酸化工程における塩化水素の酸化には、酸素を含むガスが用いられるが、この酸素を含むガスとしては酸素または空気が使用される。酸素を含むガスにおける酸素の濃度は、好ましくは80体積%以上、より好ましくは90体積%以上のものが用いられる。前記酸素の濃度が80体積%よりも小さい場合には、後述する精製工程で得られる未反応酸素を主成分とするガス中の酸素濃度が低くなり、後述する循環工程で酸化工程へ供する該ガスの量を少なくしなければならない虞がある。酸素濃度が80体積%以上の酸素を含むガスは、空気の圧力スイング法や深冷分離などの通常の工業的な方法によって得ることができる。酸素を含むガス中の塩化水素以外の成分としては、窒素(N2)、アルゴン(Ar)などが挙げられる。
塩化水素の酸化に際し、塩化水素1モルに対する酸素の理論モル量は0.25モルであるが、酸素を塩化水素に対し量論比より過剰に加えた方が反応が効率的に進行することが知られており、理論量以上供給することが好ましく、塩化水素1モルに対し酸素0.25〜2モルがさらに好ましい。酸素の量が過少であると、塩化水素の転化率が低くなる場合があり、一方酸素の量が過多であると生成した塩素と未反応酸素の分離が困難となる場合がある。
ここで、酸化工程後、未反応の酸素は、塩素と分離後、反応にリサイクルされるのが一般的である。本発明においては、酸化反応に用いる塩化水素中からは、窒素、アルゴン、水素および二酸化炭素などの不活性ガスも除去されており、さらに一酸化炭素や有機化合物の燃焼による二酸化炭素などのガスの生成がない。したがって、酸化反応で酸素を塩化水素に対して量論により過剰に用いた場合、反応ガスから未反応の塩化水素と生成した水を塩酸水として分離した後のガス中には酸素と塩素以外の不純物がほとんどなく、未反応酸素の分離・リサイクルを従来技術と比較して極めて容易に行なうことができる。
酸化工程には、第1放散工程および第2放散工程で得られた塩化水素を主成分とするガスを、そのまま酸素で酸化して塩素を製造することもできるが、第1放散工程および第2放散工程で得られたガスを冷却し、ガス中の水および塩化水素の一部を凝縮させてガス中の水の濃度を低減した後、未凝縮ガスを酸素で酸化して塩素を製造することもできる。また、第1放散工程および第2放散工程で得られたガス、または当該ガスを冷却した未凝縮ガスをさらに濃硫酸などと接触させて水分を除去させた後、酸素で酸化して塩素を製造することもできる。
酸化工程における酸化反応の触媒としては、塩化水素を酸化して塩素を製造する触媒として知られる公知の触媒を用いることができる。このような触媒の一例として、塩化銅と塩化カリウムに第三成分として種々の化合物を添加した触媒、酸化クロムを主成分とする触媒、酸化ルテニウムを主成分とする触媒などを挙げることができる。
本発明では、上記中でも、金属酸化物担体上に酸化ルテニウムが担持された触媒を用いることが好ましい。金属酸化物担体上に酸化ルテニウムが担持された触媒を固定床反応器に充填して用いることで、触媒毒の影響を少なくすることができる。また、酸化ルテニウムを用いることで、触媒成分の揮発や飛散による配管などの閉塞トラブルを伴わず、かつ揮発や飛散した触媒成分の処理工程を必要とせず、また平衡的に有利な温度で塩素を製造できるために、未反応塩化水素と水を回収する工程、塩素と未反応酸素を分離する工程および未反応酸素を反応工程に供給する工程を簡略化し、よって設備コストおよび運転コストを低く抑制でき得る。
触媒中の酸化ルテニウムの含有量は、0.1〜20重量%が好ましい。触媒中の酸化ルテニウムの含有量が0.1重量%未満であると、触媒活性が低く塩化水素の転化率が低くなる傾向にあるためであり、また、触媒中の酸化ルテニウムの含有量が20重量%を超えると、触媒価格が高くなる傾向にあるためである。
酸化ルテニウムの粒径は、特に制限されるものではないが、1〜10nmの範囲内であるのが好ましい。なお、前記酸化ルテニウムの粒径は、たとえば、電子顕微鏡による観察により測定された値を指す。
触媒中の金属酸化物担体としては、たとえば、γ−アルミナ、α−アルミナ、ルチル型チタニア、アナターゼ型チタニア、シリカ、ジルコニアなどの金属酸化物で形成された担体が挙げられる。中でも、反応活性が高く、また低下しにくいことから、アルミナ、チタニアで形成された金属酸化物担体を用いることが好ましい。
本発明における酸化工程に特に好適な触媒として、具体的には、特開平10−338502号公報に記載された、酸化ルテニウムの含有量が1〜20重量%であり、酸化ルテニウムの中心径が1.0〜10.0nmである担持酸化ルテニウム触媒または酸化ルテニウム複合酸化物型触媒を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
触媒の形状は、球形形状、円柱状ペレット状、押出形状、リング形状、ハニカム状または成型後に粉砕分級した程度の大きさの顆粒状などで用いられる。この際、触媒直径としては5mm以下が好ましい。触媒直径が5mmを超えると、活性が低下する場合があるためである。触媒直径の下限は特に制限はないが、過度に小さくなると、触媒充填層での圧力損失が大きくなるため、通常は0.5mm以上のものが用いられる。なお、ここでいう触媒直径とは、球形形状では球の直径、円柱形ペレット状では断面の直径、その他の形状では断面の最大直径を意味する。
反応方式としては、固定床反応器を用いた固定床気相流通方式が適用される。本発明における固定床式反応器には、たとえば特開2000−272907号公報に記載の方法によって、反応域のうち少なくとも二の反応域の温度制御を熱交換方式で行うものを用いてもよい。このような反応領域を2つ以上に分けた反応器では、第1段目の反応域を2つ準備し、2段目以降が被毒される前に、第1段目を交互に切り替えて使用すれば実質的に問題を回避できる。しかし、高価な反応器を2基準備することはコストの観点から不利であるという面もある。
固定床式反応器としては、単一または直列に連結された複数の固定床反応管で、反応管の外側にジャケット部を有するものが挙げられる。反応管内の温度は、ジャケット部の熱媒体によって制御される。反応で生成した反応熱は、熱媒体を通じて、スチームを発生させて回収することができる。熱媒体としては、溶融塩、有機熱媒体および溶融金属などを挙げることができるが、熱安定性や取り扱いの容易さなどの点から溶融塩が好ましい。溶融塩の組成としては、硝酸カリウム50重量%と亜硝酸ナトリウム50重量%の混合物、硝酸カリウム53重量%と亜硝酸ナトリウム40重量%と硝酸ナトリウム7重量%の混合物を挙げることができる。反応管に使用される材質としては、金属、ガラス、セラミックなどが挙げられる。金属材料としては、Ni、SUS316L、SUS310、SUS304、ハステロイB、ハステロイCおよびインコネルなどが挙げられるが、中でもNiが好ましく、炭素含有量が0.02重量%以下のNiが特に好ましい。
酸化工程における酸化反応の反応温度は、塩化水素の酸化反応において通常選択される温度範囲内であれば特に制限されるものではないが、100〜500℃の範囲内であることが好ましく、200〜400℃の範囲内であることがより好ましい。反応温度が100℃未満である場合には、必要な反応速度が得られず、反応率が非常に低くなる虞があり、また、反応温度が500℃を超える場合には、触媒のシンタリングおよび揮発により活性が低下しやすくなる傾向にあるためである。また、反応速度が適度であり、また設備コストが過大になり過ぎないように、酸化反応の反応圧力は0.1〜5MPaの範囲内であることが好ましい。
〔4〕第2吸収工程
本発明における第2吸収工程は、前記酸化工程で得られた塩素を含むガスから、未反応塩化水素を回収するとともに、塩素および酸素を主成分とするガスを得る工程である。酸化工程で得られた塩素を含むガスは、塩素以外に、水、未反応塩化水素、未反応酸素、二酸化炭素、窒素およびアルゴン等を含む。第2吸収工程では、この塩素を含むガスを、水または塩酸水と接触させ、場合によってはさらに冷却することにより、未反応塩化水素を水または塩酸に吸収させて塩化水素および水を主成分とする溶液とし、塩素および酸素を主成分とするガスを分離する。第2吸収工程で得られた塩化水素および水を主成分とする溶液は、後述する第2放散工程に供される。
第2吸収工程において、塩素を含むガスと水または塩酸とを接触させる際の温度は、特に制限されるものではないが、塩化水素の水への吸収性を損なわず、かつ、塩酸水溶液へのガス成分の溶存を極力避ける観点から、好ましくは0〜100℃である。また、前記接触の際の圧力は、塩化水素の水への吸収性を損なわず、かつ、塩酸水溶液へのガス成分の溶存を極力避ける観点から、0.05〜1.0MPaである。なお、第2吸収工程では、塩素水和物析出防止のために、特開2003−261306号公報に記載の方法を採用するのが好ましい。
〔5〕第2放散工程
本発明における第2放散工程は、前記第2吸収工程で得られた塩化水素および水を含む溶液を、前記第1放散工程とは別個に放散させて塩化水素を主成分とするガスを得る工程である。
第2放散工程で放散される塩化水素および水を含む溶液は、通常、当該第2放散工程の際の圧力下での塩化水素と水の共沸組成よりも多い塩化水素を含有する。このような塩化水素および水を含む溶液の組成は、通常、塩化水素25〜40重量%、水60〜75重量%である。
ここで、第2放散工程の際の圧力(放散塔の塔頂における圧力)は、当該第2放散工程に続いて後述する脱水工程を行なう場合には、脱水工程の際の圧力より高い圧力を選択するのが好ましく、通常、0.03〜1.0MPaである。
また、第2放散工程における温度(放散塔の塔底における温度)は、上記圧力と第2放散工程での放散に供する塩化水素および水を含む溶液の組成により決まるが、通常、100〜180℃である。放散塔における加熱源としては、スチームが好ましく用いられる。
本発明の塩素の製造方法においては、第2放散工程における放散を、上述した第1放散工程とは別個に、換言すれば、別個の設備(別個の放散塔)を用いて、行なうことを特徴とする。
第2放散工程において用いられる放散塔の構造としては、充填塔、棚段塔を例示することができる。また、再沸器などの付帯機器を備えていてもよく、この場合、放散塔および付帯機器の装置材料は操作条件下での塩化水素および水を含む溶液に対し耐食性を有する材料(たとえば、樹脂含浸カーボン、フッ化エチレン系樹脂、フッ化エチレン系樹脂で内部をライニングあるいはコーティングした金属、タンタルまたはタンタル合金、タンタルまたはタンタル合金で内部をライニングあるいはコーティングした金属など)を好適に用いることができる。
第2放散工程において、放散塔の塔頂からは高濃度の塩化水素を主成分とするガスが得られる。このようにして得られた塩化水素を主成分とするガスは、上述したように、第1放散工程で得られた塩化水素を主成分とするガスと混合され、酸化工程に供される。なお、第2放散工程で得られた塩化水素を主成分とするガスは、若干の水を含んでいるが、これを冷却し、凝縮した塩化水素水溶液を放散塔に戻す分縮操作を加えることで、ガス中に含まれる水分を低減させることができる。
なお、第2放散工程において、放散塔の塔底から回収される塩酸水は、その一部または全部を、第1吸収工程または第2吸収工程の吸収液としてリサイクルすることが可能である。
本発明の塩素の製造方法は、上記〔1〕〜〔5〕の各工程を含むことによって、原料ガス中の塩化水素以外の不純物を除去し、さらに、酸化反応後の未反応の塩化水素を効率的に回収することができる。
すなわち、第1吸収工程および第1放散工程を含むことにより、原料ガス中に含まれる不純物を効率的に除去でき、これによって酸化工程で用いる触媒の安定した活性を維持することができ、結果として塩素を安定して高収率で得ることができる。また、第1吸収工程および第1放散工程を含むことにより、生成塩素および未反応酸素と原料ガス中の多くの種類の不純物の複雑な分離を簡略化または省略することができ、よって触媒コスト、設備コストおよび運転コストの観点から極めて容易に塩素を製造することができる。
また本発明の塩素の製造方法は、第2吸収工程および第2放散工程を含むことにより、分離回収が困難である酸化工程後の塩化水素水溶液を、第三成分を添加することなく、効率的に塩化水素と水とに分離回収することができ、こうして得られた塩化水素を主成分とするガスを再び酸化工程に供することで、結果としてさらに効率的に塩素を製造することが可能となる。
また、塩素の製造の一連のプロセスのスタート時には、通常、第2放散工程で用いる放散塔には処理すべき液が存在せず、実質的に第1放散工程で用いる放散塔のみで塩化水素を主成分とするガスを発生させる必要がある。本発明の塩素の製造方法は、第1放散工程と第2放散工程とを同一の設備を用いずに別個に行なうため、第1放散工程と第2放散工程とを同一の設備を用いて行なう場合とは比較して、プロセスのスタートアップを容易に行なうことができる。また、第1放散工程と第2放散工程とを同一の設備を用いずに別個に行なうため、原料ガス流量の変動や酸化工程における反応転化率変化などに応じて第1放散工程および第2放散工程の条件を別個に制御することができ、プロセス変動の影響を受けにくいという利点もある。
〔6〕脱水工程
本発明の塩素の製造方法では、第2放散工程で、塩化水素を主成分とするガスを分離後の塩化水素水溶液を、〔6〕脱水工程に供し、塩酸と廃水とに分離し、回収された塩酸を第2吸収工程にリサイクルすることが好ましい。
脱水工程では、第1放散工程、第2放散工程でそれぞれ用いた放散塔とはまた別個の放散塔を用い、第2放散工程よりも低い圧力下で、第2放散工程で得られた塩化水素水溶液を放散させる。当該塩化水素水溶液は、脱水工程における圧力での塩化水素と水の共沸組成よりも多く水を含む。この脱水工程では、上記塩化水素水溶液を放散し、放散塔の塔頂から水を回収し、放散塔の塔底から水と分離された塩酸を回収する。
脱水工程の際の圧力は、上述した第2放散工程の際の圧力よりも低く設定すればよく、特に制限されるものではないが、0.005〜0.05MPaであるのが好ましい。また、脱水工程の際の温度は、上記圧力と放散に供する塩化水素水溶液の組成により適宜決定されるが、通常50〜90℃である。この温度は、硫酸などの強電解質を第三成分として添加する場合の脱水工程の温度より低いため、使用する加熱源をより広い範囲から選択することができ、また機器の装置材料についても選択範囲が広くグラスライニングやグラスファイバー含有樹脂など、比較的安価なものが使用できる。また加熱源としては、スチームが好ましく用いられる。
脱水工程に用いられる放散塔の形式については、特に制限はなく、充填塔、棚段塔などを例示できるが、塔頂側に水を効率的に濃縮できるよう、原料供給段より上方に濃縮部を設け、塔頂からのガスを全量凝縮させて凝縮液の一部を塔頂に戻す方式が望ましい。
脱水工程に付される塩化水素水溶液の組成は、通常、塩化水素15〜21重量%、水79〜85重量%である。一般に、塩化水素と水の共沸組成よりも水の濃度が大きい側では、水の塩化水素に対する比揮発度が大きいため、塔頂から容易に高濃度の水を分離回収することができる。
本発明の塩素の製造方法は、上記〔1〕〜〔5〕の各工程、および〔6〕脱水工程以外に、〔7〕乾燥工程、〔8〕精製工程、〔9〕循環工程、〔10〕除害工程など、塩素の製造方法において通常含まれる公知の適宜の工程を任意に含んでいても勿論よい。以下、これらの各工程について説明する。
〔7〕乾燥工程
乾燥工程は、第2吸収工程で得られた塩素および未反応酸素を主成分とするガス中の水分を除去することにより、乾燥したガスを得る工程である。乾燥工程後のガス中の水分は0.5mg/l以下、好ましくは0.1mg/l以下である。ガス中の水分を除去する化合物としては、硫酸、塩化カルシウム、過塩素酸マグネシウム、ゼオライトなどが挙げられるが、中でも使用後の排出が容易であることから、硫酸が好ましい。ガス中の水分を除去する方法としては、第2吸収工程で得られた塩素と未反応酸素を主成分とするガスを硫酸と接触させる方法が挙げられる。
乾燥工程において用いられる硫酸の濃度は、90重量%以上が好ましい。硫酸濃度が90重量%よりも小さいと、ガス中の水分が十分に除去されないことがある。接触温度は0〜80℃、圧力は0.05〜1MPaで行われる。乾燥剤として硫酸を使用した場合は、乾燥工程の直後で硫酸ミストを除去するのが好ましい。たとえば、ブリンクエリミネーターや特開2003−181235号公報記載の方法を適用することができる。
〔8〕精製工程
精製工程は、上述した乾燥工程で得られた乾燥したガスを、塩素を主成分とする液体またはガスと未反応酸素を主成分とするガスとに分離することにより塩素を得る工程である。塩素を主成分とする液体またはガスと未反応酸素を主成分とするガスとに分離する方法としては、圧縮および/または冷却する方法、および/または公知の方法(特開平3−262514号公報、特表平11−500954号公報)が挙げられる。たとえば、乾燥工程で得たガスを圧縮および/または冷却することによって、塩素を主成分とする液体が未反応酸素を主成分とするガスと分離される。塩素の液化は、圧力と温度で規定される塩素が液体状態で存在し得る範囲で実施される。その範囲で低温にすればするほど、圧縮圧力が低くなるために圧縮動力は小さくできるが、工業的には設備などの問題から、圧縮圧力と冷却温度はこの範囲内の最適な経済条件を考慮して決められる。通常の運転においては、塩素液化の圧縮圧力は0.5〜5MPa、冷却温度は−70〜40℃で行われる。
得られた塩素を主成分とする液体は、そのまま、あるいは一部または全部を気化させた後、塩化ビニル、ホスゲンなどの原料として用いることができる。一部または全部を気化させた後に用いる場合は、乾燥工程で得られるガスの熱交換を行うことにより、気化に必要な熱の一部を得ると同時に、乾燥工程で得られるガス中の塩素の液化に必要な外部冷媒による冷却負荷を削減することが可能である。同様に、液体フロンの予備冷却や、塩素蒸留塔などの還流液の冷却に用いることもできる。
〔9〕循環工程
循環工程は、上述した精製工程で得られた未反応酸素を主成分とするガスの一部または全部を酸化工程へ供給する工程である。本発明の製造方法においては、未反応酸素を主成分とするガスを反応工程に循環させるに際し、このガスを水で洗浄するなどして硫酸ミストを除去する。このような操作により、反応器の入口部における硫黄成分濃度は、1000volppb以下とされることが好ましい。
〔10〕除害工程
除害工程とは、上述した精製工程で得られた未反応酸素を主成分とするガス、または上述した循環工程で酸化工程へ供給されなかったガスを該ガス中に含まれる塩素を除去した後、系外に排出する工程である。塩素を除害する方法としては、ガスをアルカリ金属水酸化物の水溶液、またはアルカリ金属チオ硫酸塩の水溶液、またはアルカリ金属亜硫酸塩とアルカリ金属炭酸塩を溶解させた水溶液、またはアルカリ金属亜硫酸塩とアルカリ金属炭酸塩を溶解させた水溶液、またはアルカリ金属水酸化物とアルカリ金属亜硫酸塩を溶解させた水溶液と接触させて除害する方法、ガス中の塩素を分離回収する公知の方法(特開平3−262514号公報、特開平10−25102号公報、特表平11−500954号公報)が挙げられる。
本発明の塩素の製造方法は、好ましくは上述した全ての工程を有することによって、触媒成分の揮発や飛散による配管などの閉塞トラブルを伴わず、かつ処理工程を必要とせず、また活性の高い触媒を使用することによって、平衡的に有利な温度で塩素を製造できるために、未反応塩化水素と水を回収する工程、塩素と未反応酸素を分離する工程および未反応酸素を酸化反応に供給する工程を簡略化し、よって設備コストおよび運転コストの観点から特に優れた塩素の製造方法を実現できる。
本発明の塩素の製造方法の好ましい一例を模式的に示すフロー図である。

Claims (1)

  1. 塩化水素および不純物を含む原料ガス中の塩化水素を酸素で酸化して塩素を製造する方法であって、
    原料ガス中の塩化水素を水または塩酸に吸収させて、塩化水素および水を主成分とする溶液と、不純物を主成分とするガスとに分離する第1吸収工程と、
    前記第1吸収工程で得られた溶液を放散させて塩化水素を主成分とするガスを得る第1放散工程と、
    前記第1放散工程で得られたガスを含む混合ガス中の塩化水素を酸素で酸化することにより塩素を含むガスを得る酸化工程と、
    前記酸化工程で得られた塩素を含むガスを水または塩酸水と接触させ塩化水素および水を主成分とする溶液として未反応塩化水素を回収するとともに、塩素および酸素を主成分とするガスを得る第2吸収工程と、
    前記第2吸収工程で得られた溶液を、前記第1放散工程とは別個に放散させて塩化水素を主成分とするガスを得る第2分散工程とを含み、
    前記酸化工程における混合ガスは、前記第1放散工程で得られたガスに、前記第2放散工程で得られたガスを混合したものであることを特徴とする、塩素の製造方法。
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