JP5183047B2 - 塩素の製造方法、塩素の製造装置および熱交換器 - Google Patents

塩素の製造方法、塩素の製造装置および熱交換器 Download PDF

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Description

本発明は、塩素の製造方法、塩素の製造装置および熱交換器に関する。
塩素は塩化ビニル、ホスゲンなどの原料として有用であり、塩化水素の酸化によって得られることが知られている。このような用途に用いられる塩素を製造する方法として、たとえばソーダハンドブック1998(非特許文献1)や特開2005−306715号公報(特許文献1)に記載の塩酸酸化法により塩素を製造する塩酸酸化プロセスにより塩素を製造する方法が挙げられる。
上記非特許文献1の315頁の図3.173には、塩素精留塔から排出される精製された液体塩素を、塩素精製塔に導入される入口ガスの冷却に用いることが開示されている。
また、上記特許文献1には、塩素精製塔から排出される精製された液体塩素を、乾燥工程で得られるガス中の塩素の液化に必要な外部冷媒、液体フロンの予備冷却、および塩素精製塔の還流液の冷却に用いていることが開示されている。
上記非特許文献1および特許文献1によれば、塩素精製塔から排出される精製された液体塩素を、他の熱源と熱交換することにより、塩酸酸化プロセスの省エネルギーを図ることができる。しかしながら、上記非特許文献1では、塩素精製塔から排出される液体塩素は1種の熱源とのみ熱交換しているので、塩酸酸化プロセスの省エネルギー化には未だ改善の余地がある。また、上記特許文献1では、該液体塩素との熱交換について具体的に開示されていないため、実用化が図れないという問題もある。
特開2005−306715号公報 「ソーダハンドブック1998」日本ソーダ工業会、p314−315
本発明の目的は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、塩化水素ガスを酸化して気体の塩素を製造するプロセスにおいて、省エネルギー化を図る塩素の製造方法、塩素の製造装置、および熱交換器を提供することである。
本発明の塩素の製造方法は、塩化水素ガスを酸化して気体の塩素を製造する塩素の製造方法であって、混合ガス製造工程と、塩素精製工程と、気化工程とを備えている。混合ガス製造工程は、塩化水素ガスを酸化して、塩素と酸素とを含む混合ガスを製造する。塩素精製工程は、混合ガスを塩素精製塔に導入して、蒸留により液体塩素と不純物ガスとに分離する。気化工程は、液体塩素を気化させる。気化工程では、1つの熱交換器で、液体塩素と塩素の製造方法に用いられる2種の熱源との間で熱交換を行なうことを特徴としている。
本発明の塩素の製造方法によれば、気化工程では、1つの熱交換器で、液体塩素と2種の熱源との間で熱交換を行なっているので、熱交換器を増やすことなく、液体塩素の蒸発潜熱を効率良く回収できる。そのため、塩化水素ガスを酸化して気体の塩素を製造するプロセスにおいて、省エネルギー化を図ることができる。
上記塩素の製造方法において好ましくは、2種の熱源は、混合ガス、不純物ガス、不純物ガスを冷却するための冷媒、混合ガス製造工程に用いられる熱媒体から選ばれた2の熱源であることを特徴としている。
これらの熱源は塩化水素ガスを酸化して気体の塩素を製造するプロセスにおいて冷却を要する。そのため、塩化水素ガスを酸化して気体の塩素を製造するプロセスにおいて、液体塩素と熱交換することによって、より省エネルギー化を図ることができる。
本発明の塩素の製造装置は、塩化水素ガスを酸化して気体の塩素を製造する塩素の製造装置であって、混合ガス製造装置と、塩素精製塔と、熱交換器とを備えている。混合ガス製造装置は、塩化水素ガスを酸化して、塩素と酸素とを含む混合ガスを製造する。塩素精製塔は、混合ガスを蒸留により液体塩素と不純物ガスとに分離する。熱交換器は、塩素の製造装置に用いられる第1の流体を内部に流動させる第1の伝熱管群と、塩素の製造装置に用いられる第2の流体を内部に流動させる第2の伝熱管群と、一方端部と接続され内方向に突出する第1の伝熱管群と他方端部と接続され内方向に突出する第2の伝熱管群とを内部に収容する円筒胴とを含んでいる。熱交換器では、液体塩素と第1および第2の流体とが熱交換されることを特徴としている。
本発明の塩素の製造装置によれば、1つの熱交換器で、液体塩素と2種の熱源との間で熱交換を行なうことができる。そのため、熱交換器の数を増やすことなく、液体塩素の蒸発潜熱を効率良く回収できる。よって、塩化水素ガスを酸化して気体の塩素を製造するプロセスにおいて、省エネルギー化を図ることができる。
本発明の熱交換器は、第1の伝熱管群と、第2の伝熱管群と、円筒胴とを備えている。第1の伝熱管群は、内部に第1の流体を流動させる。第2の伝熱管群は、内部に第2の流体を流動させる。円筒胴は、一方端部と接続され内方向に突出する第1の伝熱管群と、他方端部と接続され内方向に突出する第2の伝熱管群とを内部に収容する。円筒胴は、第3の流体を熱交換器に流入させる入口部と、第3の流体を熱交換器から流出させる出口部とを含んでいる。
本発明の熱交換器によれば、熱交換器の内部に第3の流体を流入させることにより、1つの熱交換器において、第1および第2の流体である2種の熱源と、同時に熱交換を行なうことができる。そのため、熱交換器において省エネルギー化を図ることができる。
上記熱交換器において好ましくは、第1の伝熱管群と、第2の伝熱管群とは、円筒胴の延びる方向における中心を軸として対称に配置されていることを特徴としている。
これにより、第1および第2の伝熱管群の外部に導入される第3の流体と、第1および第2の流体との熱交換をそれぞれ同等に行なうことができる。そのため、管理が容易になる。
上記熱交換器において好ましくは、第1の伝熱管群および第2の伝熱管群の長さは、円筒胴の延びる方向における長さの1/2未満であることを特徴としている。
これにより、第1および第2の伝熱管群の外部に導入される第3の流体と、第1および第2の流体との熱交換をそれぞれ同等に行なうことができる。そのため、管理が容易になる。
本発明の塩素の製造方法、塩素の製造装置および熱交換器は、塩化水素ガスを酸化して気体の塩素を製造するプロセスにおいて、省エネルギー化を図ることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1を参照して、本発明の実施の形態1における熱交換器について説明する。実施の形態1における熱交換器は、第1の伝熱管群210と、第2の伝熱管群220と、円筒胴230とを備えている。第1の伝熱管群210は、内部に第1の流体を流動させる。第2の伝熱管群220は、内部に第2の流体を流動させる。円筒胴230は、一方端部231と接続され内方向に突出する第1の伝熱管群210と、他方端部232と接続され内方向に突出する第2の伝熱管群220とを内部に収容する。円筒胴230は、第3の流体を熱交換器200へ流入させる入口部233と、第3の流体を熱交換器200から流出させる出口部234とを含んでいる。なお、図1は、本発明の実施の形態1における熱交換器を示す図であり、(A)は、熱交換器の延びる方向に沿った断面図であり、(B)は、熱交換器の延びる方向と垂直の方向に沿った断面図である。なお、図1(B)は、図1(A)における線分I(B)−I(B)に沿った断面図である。
詳細には、図1(A)および図1(B)に示すように、熱交換器200は、第1の伝熱管群210と、第2の伝熱管群220と、円筒胴230と、第1の接続部240と、第2の接続部250とを備えている。
第1の伝熱管群210は、内部に第1の流体を流動させる。第1の伝熱管群210は、円筒胴230の内部に収容され、円筒胴230の一方端部231と接続され内方向に突出している。
第2の伝熱管群220は、内部に第2の流体を流動させる。第2の伝熱管群220は、円筒胴230の内部に収容され、円筒胴230の他方端部232と接続され内方向に突出している。
第1および第2の伝熱管群210,220は、円筒胴230の一方端部231および他方端部232の上方と下方とで接続されるU字型の伝熱管を複数含んでいる。
第1の伝熱管群210と、第2の伝熱管群220とは、円筒胴230の延びる方向(図1(A)において左右方向)における中心Xを軸として対称に配置されていることが好ましい。
また、第1の伝熱管群210および第2の伝熱管群220の長さは、円筒胴230の延びる方向(図1(A)において左右方向)における長さの1/2未満であることが好ましい。すなわち、図1(A)に示すように、円筒胴230の延びる方向における中心Xを結ぶ軸により2つの領域に分かれるそれぞれの領域内に、第1および第2の伝熱管群210,220が配置されることが好ましい。
なお、上記「第1の伝熱管群210および第2の伝熱管群220の長さ」とは、第1および第2の伝熱管群210,220の伝熱管のうち、円筒胴230の内方向に突出する最も長い部分の長さを意味する。
円筒胴230は、第3の入口部233と、第3の出口部234とを含んでいる。第3の入口部233は、第3の流体を熱交換器200に流入させる部材である。第3の出口部234は、第3の流体を熱交換器200から流出させる部材である。第3の入口部233は熱交換器200の相対的に下方に配置されており、第3の出口部234は、熱交換器200の相対的に上方に配置されていることが好ましい。このような配置とすることによって、第3の流体が液体の場合には、伝熱管群210,220から熱を受けて、第3の流体が蒸発して気体となるからである。実施の形態1では、第3の入口部233は、熱交換器200の円筒胴230の鉛直方向における最下面に相当し、かつ円筒胴230の水平方向における略中央部に1箇所設けられている。また、第3の出口部234は、熱交換器200の円筒胴230の鉛直方向における最上面に相当し、かつ円筒胴230の水平方向における略中央部に1箇所設けられている。
第1の接続部240は、円筒胴230の一方端部231と接続されている。第2の接続部250は、円筒胴230の他方端部232と接続されている。第1および第2の接続部240,250は、第1および第2の入口部241,251と、第1および第2の入口流入部242,252と、第1および第2の出口流出部243,253と、第1および第2の出口部244,254とを含んでいる。第1および第2の入口部241,251は、第1および第2の流体を第1および第2の伝熱管群210,220に流入させる。第1および第2の入口流入部242,252は、第1および第2の入口部241,251から流入する第1および第2の流体を一時滞留(または流動)させて、第1および第2の伝熱管群210,220に流入させるための領域を形成している部材である。第1および第2の出口流出部243,253は、第1および第2の伝熱管群210,220から流出する第1および第2の流体を一時滞留(流動)させるための領域を形成している部材である。第1および第2の出口部244,254は、第1および第2の出口流出部243,253から流出する第1および第2の流体を熱交換器200の外部に流出させる。
次に、実施の形態1における熱交換器200の動作について説明する。まず、第3の流体を熱交換器200の内部に流入させる。そして、第1の伝熱管群210に第1の流体を流入させる。そして、第2の伝熱管群220に第2の流体を流入させる。
具体的には、第3の流体を第3の入口部233から熱交換器200の内部に流入させ、熱交換器200内に一定の液面で第3の流体を溜める。また、第1および第2の入口部241,251と、第1および第2の入口流入部242,252とを介して第1および第2の伝熱管群210,220に第1および第2の流体を流動させる。そして、第1および第2の出口流出部243,253と、第1および第2の出口部244,254とを介して熱交換器200の外部に第1および第2の流体を流出させる。これにより、伝熱管群210,220を介して、第1および第2の流体と、第3の流体との熱交換が行なわれる。熱交換が行なわれると、第3の流体は、熱交換器200内部で、蒸発してガス化し、第3の出口部234から熱交換器200の外部に流出する。
なお、第1および第2の流体は、第1および第2の伝熱管群210,220の内部を同時に流動していても良いし、必要に応じて一時的に一方のみが流動していても良い。また、熱交換器200に流動させる第1、第2および第3の流体は、それぞれ別の種類の流体であれば特に限定されない。
以上説明したように、実施の形態1における熱交換器200によれば、内部に第1の流体を流動させる第1の伝熱管群210と、内部に第2の流体を流動させる第2の伝熱管群220と、一方端部231と接続され内方向に突出する第1の伝熱管群210と、他方端部232と接続され内方向に突出する第2の伝熱管群220とを内部に収容する円筒胴230とを備える熱交換器であって、円筒胴230は、第3の流体を熱交換器200に流入させる入口部(第3の入口部233)と、第3の流体を熱交換器200から流出させる出口部(第3の出口部234)とを含んでいる。熱交換器200の内部に第3の流体を流入させることにより、1つの熱交換器200において、第1および第2の伝熱管群210,220の内部を流動する第1および第2の流体である2種の熱源と、第3の流体とを同時に熱交換を行なうことができる。そのため、熱交換器200において省エネルギー化を図ることができる。
上記熱交換器において好ましくは、第1の伝熱管群210と、第2の伝熱管群220とは、円筒胴230の延びる方向における中心Xを軸として対称に配置されていることを特徴としている。これにより、第1および第2の伝熱管群210,220の外部に導入される第3の流体と、第1および第2の流体との熱交換をそれぞれ同等に行なうことができる。そのため、熱交換器200における熱交換の管理が容易になる。
上記熱交換器において好ましくは、第1の伝熱管群210および第2の伝熱管群220の長さは、円筒胴230の延びる方向における長さの1/2未満であることを特徴としている。これにより、第1および第2の伝熱管群210,220の外部に導入される第3の流体と、第1および第2の流体との熱交換をそれぞれ同等に行なうことができる。そのため、熱交換器200における熱交換の管理が容易になる。
(実施の形態2)
図1および図2を参照して、本発明の実施の形態における塩素の製造装置について説明する。実施の形態2における塩素の製造装置は、塩化水素ガスを酸化して気体の塩素を製造する塩素の製造装置である。なお、図2は、本発明の実施の形態における塩素の製造装置を説明するための図である。
図2に示すように、塩素の製造装置は、混合ガス製造装置と、塩素精製塔106と、熱交換器200とを備えている。混合ガス製造装置は、塩化水素ガスを酸化して、塩素と酸素とを含む混合ガスを製造する。塩素精製塔106は、混合ガスを蒸留により液体塩素と不純物ガスとに分離する。熱交換器200は、塩素の製造装置に用いられる第1の流体を内部に流動させる第1の伝熱管群と、塩素の製造装置に用いられる第2の流体を内部に流動させる第2の伝熱管群と、第1の伝熱管群と第2の伝熱管群と、一方端部と接続され内方向に突出する第1の伝熱管群と他方端部と接続され内方向に突出する第2の伝熱管群とを内部に収容する円筒胴とを含んでいる。熱交換器200では、液体塩素と第1および第2の流体とが熱交換されることを特徴としている。
実施の形態2における塩素の製造装置は、前処理塔101と、反応器102と、吸収塔103と、乾燥塔104と、圧縮機105とを含む混合ガス製造装置と、塩素精製塔106と、液塩ドラム107と、熱交換器200とを備えている。
具体的には、前処理塔101は、塩素の原料となる塩化水素を含むガスの不純物を除去する。前処理塔101には、たとえば活性炭やゼオライト等が充填されている。なお、前処理塔101は、省略されても良い。
反応器102は、前処理塔101において不純物を除去された塩化水素を含むガスを酸素を含むガスで酸化して、塩素、水、未反応塩化水素および未反応酸素を主成分とするガスを生成する。反応器102には、たとえばルテニウムおよび/またはルテニウム化合物等を含む触媒が充填されており、酸素を含むガスが導入される。
吸収塔103は、反応器102で得た塩素、水、未反応塩化水素および未反応酸素を主成分とするガスから、塩化水素と水とを主成分とする溶液を回収し、塩素と未反応酸素とを主成分とする混合ガスを生成する。具体的には、吸収塔103では、水および/または塩酸水を導入する。そして、塩素、水、未反応塩化水素および未反応酸素を主成分とするガスを、水および/または塩酸水と接触させ、および/または、冷却する。
乾燥塔104は、混合ガス中の水分を除去する。乾燥塔104は、たとえば硫酸、塩化カルシウム、過塩素酸マグネシウム、ゼオライトなどを内部に導入または充填される。乾燥塔104は、使用後の排出が容易であることから、硫酸を導入されることが好ましい。
圧縮機105は、水分を除去された混合ガスを圧縮して、塩素精製塔106に送る。圧縮機105は、任意のものを用いることができる。圧縮機105は、省略されても良い。
塩素精製塔106は、混合ガスを蒸留により液体塩素と不純物ガスとに分離する。液塩ドラム107は、精製された液体塩素を貯留する。
熱交換器200は、図1(A)および図1(B)に示す実施の形態1の熱交換器200を用いている。実施の形態1における第3の流体は、実施の形態2では塩素精製塔106で生成された塩素である。熱交換器200に導入される液体塩素は、熱交換器200により一部または全部が気化される。
熱交換器200では、第3の流体として液体塩素が導入されるので、塩素の漏洩リスクを減らすために、1つの熱交換器で2種の熱源(第1および第2の流体)と熱交換を行なう構造としている。具体的には、実施の形態1における熱交換器200と同様である。
なお、塩素の製造装置は、熱交換器200以外に液体塩素を気化させる気化器を備えていても良い。たとえば、熱交換器200と塩素精製塔106との間、および/または熱交換器200と製品塩素として送気される配管との間に、2種の熱源と熱交換できる熱交換器200と同様の熱交換器、および/または1種の熱源と熱交換できる熱交換器をさらに1以上備えていても良い。
以上説明したように、本発明の実施の形態2における塩素の製造装置によれば、塩化水素ガスを酸化して気体の塩素を製造する塩素の製造装置であって、塩化水素ガスを酸化して、塩素と酸素とを含む混合ガスを製造する混合ガス製造装置と、混合ガスを蒸留により液体塩素と不純物ガスとに分離する塩素精製塔106と、塩素の製造装置に用いられる第1の流体を内部に流動させる第1の伝熱管群210と、塩素の製造装置に用いられる第2の流体を内部に流動させる第2の伝熱管群220と、一方端部231と接続され内方向に突出する第1の伝熱管群220と他方端部232と接続され内方向に突出する第2の伝熱管群220とを内部に収容する円筒胴230とを含む熱交換器200とを備え、熱交換器200では、液体塩素と第1および第2の流体とが熱交換されることを特徴としている。これにより、1つの熱交換器200で、液体塩素と2種の熱源との間で熱交換を行なうことができる。そのため、熱交換器の数を増やすことなく、液体塩素の蒸発潜熱を効率良く回収できる。よって、塩化水素ガスを酸化して気体の塩素を製造するプロセスにおいて、省エネルギー化を図ることができる。
また、熱交換器200は、1つの熱交換器で2種の熱源と熱交換できるので、2種の熱源と熱交換をするのに必要な2つの熱交換器のスペースを必要としない。そのため、設置するスペースが狭い場所であって従来1種の熱源としか熱交換できなかった場合であっても、実施の形態2における1つの熱交換器200を設置することによって、2種の熱源と熱交換することができる。よって、省エネルギー化を図ることができる。また、塩素の製造装置全体の小型化を図ることができる。
さらに、熱交換器200の内部に腐食させやすい性質を有する液体塩素を導入しても、内部の点検が容易であり、メンテナンスが容易である。また、構造が簡単であるので、製作しやすい。よって、実施の形態2における塩素の製造装置の実用化は可能である。
(実施の形態3)
図1および図2を参照して、本発明の実施の形態3における塩素の製造方法について説明する。実施の形態3における塩素の製造方法は、塩化水素ガスを酸化して気体の塩素を製造する塩素の製造方法(接触気相酸化法)である。実施の形態3では、実施の形態2における塩素の製造装置を用いて塩素を製造している。
実施の形態3における塩素の製造方法は、反応工程と、吸収工程と、乾燥工程と、精製工程と、気化工程とを基本的に備えている。なお、塩化水素ガスを酸化して、塩素と酸素とを含む混合ガスを製造する混合ガス製造工程は、反応工程と、吸収工程と、乾燥工程と、圧縮工程とを含み、好ましくは前処理工程をさらに含んでいる。
<前処理工程>
まず、前処理塔101にて、塩素の原料となる塩化水素を含むガスの不純物を除去するための前処理工程を実施することが好ましい。前処理工程では、たとえば、塩化水素を含むガスを前処理塔に導入し、芳香族化合物、塩素化脂肪族炭化水素、塩素化芳香族炭化水素および高沸点の無機化合物等の不純物をあらかじめ除去する。前処理方法としては一般に公知の方法を採用することができ、たとえば活性炭やゼオライト等による吸着処理等が挙げられる。また、塩化水素を含むガスを水または希塩酸に吸収させ、得られた吸収液から塩化水素ガスを放散させて、イナートガス成分や高沸点成分を除去しても良い(たとえば特開2000−34105号公報)。なお、前処理工程は省略されても良い。
塩化水素を含むガスとしては、塩素化合物の熱分解反応や燃焼反応、有機化合物のホスゲン化反応または塩素化反応、焼却炉の燃焼などにおいて発生した塩化水素を含むいかなるものも使用することができる。塩化水素を含むガス中の塩化水素の濃度は10体積%以上、好ましくは50体積%以上、さらに好ましくは80体積%以上のものが用いられる。塩化水素の濃度が10体積%よりも低い場合には、後述する精製工程で得られる未反応酸素を主成分とする不純物ガス中の酸素の濃度が低くなり、後述する循環工程で反応工程へ供給する該不純物ガスの量を少なくしなければならないことがある。
塩化水素を含むガス中の塩化水素以外の成分としては、オルトジクロロベンゼン、モノクロロベンゼンなどの塩素化芳香族炭化水素、およびトルエン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、および塩化ビニル、1,2−ジクロロエタン、塩化メチル、四塩化塩素、塩化エチルなどの塩素化炭化水素、およびメタン、アセチレン、エチレン、プロピレンなどの炭化水素、および窒素、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、ホスゲン、水素、硫化カルボニル、硫化水素、二酸化硫黄などの無機ガスが挙げられる。塩化水素と酸素の反応において、塩素化芳香族炭化水素および塩素化炭化水素は、二酸化炭素と水に酸化され、一酸化炭素は二酸化炭素に酸化され、ホスゲンは、二酸化炭素と塩素に酸化される。
<反応工程>
次に、図1に示すように、触媒下、反応器102にて、塩化水素を含むガスを酸素を含むガスで酸化し、塩素、水、未反応塩化水素および未反応酸素を主成分とするガスを得る反応工程を実施する。
反応工程(S12)では、前処理工程(S11)において不純物を除去された塩化水素を含むガスとともに、酸素を含むガスが、反応器102に導入される。反応器102内では、以下の反応式により塩化水素が酸素によって酸化され、塩素が生成する。
4HCl+O2→2Cl2+2H2
酸素を含むガスとしては、酸素または空気が使用されるが、好ましくは酸素の濃度が80体積%以上、さらに好ましくは90体積%以上のものが用いられる。酸素の濃度が80体積%よりも小さい場合には、後述する精製工程で得られる未反応酸素を主成分とする不純物ガス中の酸素濃度が低くなり、後述する循環工程で反応工程へ供給する該不純物ガスの量を少なくしなければならないことがある。酸素濃度が80体積%以上の酸素を含むガスは、空気の圧力スイング法や深冷分離などの通常の工業的な方法によって得ることができる。酸素を含むガス中の塩化水素以外の成分としては、窒素(N2)やアルゴン(Ar)などが挙げられる。
塩化水素1モルに対する酸素の理論モル量は0.25モルであるが、理論量以上供給することが好ましく、塩化水素1モルに対し酸素0.25〜2モルとなるように供給することがさらに好ましい。酸素の量が過少であると、塩化水素の転化率が低くなる場合がある。一方、酸素の量が過多であると生成した塩素と未反応酸素の分離が困難になる場合がある。
反応工程では、ルテニウムおよび/またはルテニウム化合物等を含む触媒の存在下、塩化水素を酸素で酸化し、塩素、水、未反応塩化水素および未反応酸素を主成分とするガスを得ることが好ましい。ルテニウムおよび/またはルテニウム化合物を触媒として用いることにより、触媒成分の揮発や飛散による配管等の閉塞トラブルを防止するとともに、揮発または飛散した触媒成分の処理工程が不要となる。さらに、化学平衡の観点でもより有利な温度で塩素を製造できるため、後述する吸収工程、乾燥工程および精製工程等の後工程を簡略化し、設備コスト及び運転コストを低く抑制することができる。
上記のルテニウムおよび/またはルテニウム化合物を含む触媒としては、公知の触媒(たとえば特開平9−67103号公報、特開平10−182104号公報、特開平10−194705号公報、特開平10−338502号公報および特開平11−180701号公報に記載されるもの)を用いることができる。
反応工程においては、酸化ルテニウムを含む触媒を用い、塩化水素ガスと酸素ガスとを反応させることにより塩素ガスを生成することが好ましい。酸化ルテニウムを含む触媒を用いた場合、塩化水素の転化率が著しく向上するという利点を有する。触媒中の酸化ルテニウムの含有量は、0.1〜20質量%の範囲内とされることが好ましい。酸化ルテニウムの量が0.1質量%よりも少ない場合、触媒活性が低く塩化水素の転化率が低くなる場合があり、一方、酸化ルテニウムの量が20質量%よりも多い場合には触媒価格が高くなる場合がある。なお、塩化水素の転化率は85%以上とすることが好ましい。
特に、たとえば特開平10−338502号公報に記載されるような、酸化ルテニウムの含有量が0.1〜20質量%であり、酸化ルテニウムの中心径が1.0〜10.0ナノメートルである担持酸化ルテニウム触媒または酸化ルテニウム複合酸化物型触媒もまた好ましく用いられる。
反応工程(S12)において使用される触媒は、たとえば、二酸化シリコン、グラファイト、ルチル型またはアナターゼ型の二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム等の担体に担持させて用いることが好ましい。特に酸化ルテニウムをこれらの化合物から選択される担体に担持させて用いることが好ましい。
反応工程の反応方式としては、たとえば固定床反応器を用いた固定床気相流通方式が適用できる。固定床式反応器には、たとえば特開2000−272907号公報に記載の方法によって、反応域のうち少なくとも二の反応域の温度制御を熱交換方式で行うものを用いることができる。このような反応領域を2つ以上に分けた反応器では、第1段目の反応域を2つ準備し、2段目以降が被毒される前に、第1段目を交互に切り替えて使用すれば実質的に問題を回避できる。しかし、高価な反応器を2基準備することはコストの観点から不利であるという面もある。
固定床式反応器としては、単一または直列に連結された複数の固定床反応管で、反応管の外側にジャケット部を有するものが挙げられる。反応管内の温度は、ジャケット部の熱媒体によって制御される。反応で生成した反応熱は、熱媒体を通じて、スチームを発生させて回収することができる。熱媒体としては、溶融塩、有機熱媒体および溶融金属などを挙げることができるが、熱安定性や取り扱いの容易さなどの点から溶融塩が好ましい。溶融塩の組成としては、硝酸カリウム50重量%と亜硝酸ナトリウム50重量%との混合物、硝酸カリウム53重量%と亜硝酸ナトリウム40重量%と硝酸ナトリウム7重量%との混合物を挙げることができる。反応管に使用される材質としては、金属、ガラス、セラミックなどが挙げられる。金属材料としては、Ni、SUS316L、SUS310、SUS304、ハステロイB、ハステロイCおよびインコネルなどが挙げられるが、中でもNiが好ましく、炭素含有量が0.02重量%以下のNiが特に好ましい。
また、反応器102の入口部における硫黄成分濃度は、1000volppb以下であるのが好ましく、500volppb以下であるのがより好ましい。反応器102の入口部における硫黄成分濃度が1000volppbを超えると、触媒の全部でなく被毒された触媒のみを交換すれば、硫黄の被毒を回避することができるが、交換の間プラントの運転を停止しなければならず、また非常に煩雑な作業が必要となる虞があるためである。反応器102の入口部における硫黄成分濃度が1000volppb以下であれば、実質的に問題なく運転可能であり、従来と比較して格段に高い硫黄成分濃度を許容することができるので、大掛かりな装置や煩雑な操作を伴って硫黄成分を完全に除去する必要がない。したがって、触媒を充填しなおすことなく、長期にわたって運転を継続することができる。なお、この反応器102の入口部における硫黄成分濃度は、たとえばガスクロマトグラフ法により測定することができる。
<吸収工程>
次に、吸収塔103にて、反応工程で得た塩素、水、未反応塩化水素および未反応酸素を主成分とするガスを、水および/または塩酸水と接触させることにより、および/または、冷却することにより、塩化水素と水とを主成分とする溶液を回収し、塩素と未反応酸素とを主成分とする混合ガスを得る吸収工程を実施する。吸収工程では、接触温度は0〜100℃、圧力は0.05〜1MPaで行われる。接触させる塩酸水の濃度は、25重量%以下が好ましい。また、塩素水和物析出防止のために、特開2003−261306号公報に記載の方法を採用するのが好ましい。
得られた溶液は、そのまま、あるいは溶液中に含まれる塩素を加熱、および/または窒素などの不活性なガスのバブリングにより除去した後、電解槽のpH調整、ボイラーフィールド水の中和、アニリンとホルマリンの縮合転移反応および塩酸水電解の原料、食品添加用などに用いることができる。また、ソーダハンドブック1998、p315の図3.173に記載されているように塩酸の全部および一部を放散させてHClガスを得、反応原料として塩素収率を高めることも、さらには特開2001−139305号公報に記載の方法で、放散後の残塩酸から水を除去することで、塩素の収率をほぼ100%にすることも可能である。
<乾燥工程>
次に、吸収工程で得た混合ガス中の水分を除去することにより、乾燥した混合ガスを得る乾燥工程を実施する。乾燥工程後のガス中の水分は0.5mg/l以下、好ましくは0.1mg/l以下である。混合ガス中の水分を除去する化合物としては、硫酸、塩化カルシウム、過塩素酸マグネシウム、ゼオライトなどが挙げられるが、中でも使用後の排出が容易であることから、硫酸が好ましい。混合ガス中の水分を除去する方法としては、吸収工程で得た塩素と未反応酸素とを主成分とする混合ガスを硫酸と接触させる方法が挙げられる。
乾燥工程において、加える硫酸の濃度は、90重量%以上が好ましい。硫酸濃度が90重量%よりも小さいと、混合ガス中の水分が十分に除去されないことがある。接触温度は0〜80℃、圧力は0.05〜1MPaで行われる。
乾燥剤として硫酸を使用した場合は、乾燥工程の直後で硫酸ミストを除去するのが好ましい。たとえば、ブリンクエリミネーターや特開2003−181235号公報記載の方法を適用することができる。
<圧縮工程>
次に、乾燥工程で得た乾燥した混合ガスを圧縮機105に導入して、混合ガスを圧縮する工程を実施する。
<塩素精製工程>
次に、混合ガスを塩素精製塔106に導入して、蒸留により液体塩素と不純物ガスとに分離する塩素精製工程を実施する。塩素精製工程により、乾燥工程で得た乾燥した混合ガスを、塩素を主成分とする液体塩素と、未反応酸素を主成分とする不純物ガスとに分離することにより液体塩素を得る。
塩素を主成分とする液体またはガスと未反応酸素を主成分とするガスとに分離する方法としては、圧縮および/または冷却する方法、および/または公知の方法(たとえば特開平3−262514号公報、特表平11−500954号公報など)が挙げられる。たとえば、乾燥工程で得た混合ガスを圧縮および/または冷却することによって、液体塩素が未反応酸素を主成分とする不純物ガスと分離される。塩素の液化は、圧力と温度とで規定される塩素が液体状態で存在し得る範囲で実施される。その範囲で低温にすればするほど、圧縮圧力が低くなるために圧縮動力は小さくできるが、工業的には設備などの問題から、圧縮圧力と冷却温度はこの範囲内の最適な経済条件を考慮して決められる。通常の運転においては、塩素液化の圧縮圧力は0.5〜5MPa、冷却温度は−70〜40℃で行われる。
そして、塩素精製工程により精製された液体塩素を液塩ドラム107に貯留する。一方、塩素精製工程により分離する不純物ガスを排出する。この時、塩素精製塔106の塔頂から不純物ガスを排出することが好ましい。不純物ガスは、未反応酸素ガスを主成分としているため、塩素よりも沸点が低い。そのため、蒸留された不純物は、気体となるため、塩素精製塔106の塔頂から不純物ガスを排出する。
<気化工程>
次に、塩素精製工程により得られる液体塩素を気化させて気体の塩素を製造する気化工程を実施する。気化工程では、1つの熱交換器200で、液体塩素と塩素の製造方法に用いられる2種の熱源との間で熱交換を行なう。実施の形態3における気化工程では、実施の形態1における熱交換器200を用いて行なう。
具体的には、図1(A)および図1(B)に示すように、熱交換器200の第3の入口部233から、液塩ドラム107に滞留している液体塩素の一部または全部を熱交換器200の内部に流入させる。また、図2に示すように、チルド水の原料であるチルド水原液を、第1の流体として熱交換器200の第1の伝熱管群210に流入し、チルド水を得る。また、圧縮機105で圧縮された混合ガスを、第2の流体として熱交換器200の第2の伝熱管群220に流入している。
熱交換器200の内部では、下方に滞留している液体塩素が、第1および第2の伝熱管群210,220を流動する第1および第2の流体と熱交換をして、液体塩素の一部または全部が気体の塩素となる。
なお、本明細書において「2種の熱源」とは、塩素の製造するプロセスで用いられる媒体のうち、任意の異なる2種の媒体を意味する。
熱交換器200に導入される第1および第2の流体である2種の熱源は、特に限定されないが、混合ガス、不純物ガスを冷却するための冷媒、混合ガス製造工程に用いられる熱媒体から選ばれた2の熱源であることが好ましい。混合ガスとしては、含んでいる水分が少ないので乾燥工程後の混合ガスを用いることがより好ましく、乾燥工程後にさらに圧縮機105で圧縮されて吐出される混合ガスを用いることがより一層好ましい。また、不純物ガスは、塩素精製塔106から蒸留により不純物として排出される非凝縮ガスと、不純物ガスが凝縮により還流される塩素を主成分とする凝縮ガスとを含み、凝縮ガスは凝縮した液を含んでいても良い。なお、不純物ガスは、塩素精製塔106の塔頂から排出される塔頂ガスであることがより好ましい。また、不純物ガスを冷却するための冷媒は、たとえば冷却水などである。また、混合ガス製造工程に用いられる熱媒体は、たとえば液フロン、冷却水、循環水、温水またはチルド水などが挙げられる。これらの熱媒体は、たとえば当該プロセスにおいて温度が上昇するもの(たとえば圧縮機105から吐出される混合ガスの冷却に用いられるチルド水など)を冷却するために用いられている。
気化工程では、液体塩素が熱交換器200に導入される前後において、2種の熱源と熱交換できる熱交換器200と同様の熱交換器、および/または1種の熱源と熱交換できる熱交換器で液体塩素を気化させる工程をさらに含んでいても良い。
気化工程により液体塩素が気化して得られる気体の塩素は、製品塩素として送気される。
<循環工程>
実施の形態3では、塩素精製工程で得た未反応酸素を主成分とする不純物ガスの一部または全部を反応工程へ供給する工程を実施する。実施の形態3における塩素の製造方法においては、このように硫酸ミストを含む不純物ガスを反応工程に循環させるに際し、反応器102の入口部における硫黄成分濃度は、上述したように1000volppb以下であるのが好ましい。なお、循環工程は、省略されても良い。
<除害工程>
実施の形態3における塩素の製造方法では、塩素精製工程で得た未反応酸素を主成分とする不純物ガス、または循環工程で反応工程へ供給されなかった不純物ガスを該不純物ガス中に含まれる塩素を除去した後、系外に排出する。なお、除害工程は省略されても良い。
塩素を除害する方法としては、不純物ガスをアルカリ金属水酸化物の水溶液、またはアルカリ金属チオ硫酸塩の水溶液、またはアルカリ金属亜硫酸塩とアルカリ金属炭酸塩を溶解させた水溶液、またはアルカリ金属亜硫酸塩とアルカリ金属炭酸塩を溶解させた水溶液、またはアルカリ金属水酸化物とアルカリ金属亜硫酸塩を溶解させた水溶液と接触させて除害する方法、ガス中の塩素を分離回収する公知の方法(特開平3−262514号公報、特開平10−25102号公報、特表平11−500954号公報)が挙げられる。
以上説明したように、本発明の実施の形態3における塩素の製造方法によれば、塩化水素ガスを酸化して気体の塩素を製造する塩素の製造方法であって、塩化水素ガスを酸化して、塩素と酸素とを含む混合ガスを製造する混合ガス製造工程と、混合ガスを塩素精製塔106に導入して、蒸留により液体塩素と不純物ガスとに分離する塩素精製工程と、液体塩素を気化させる気化工程とを備え、気化工程では、1つの熱交換器200で、液体塩素と塩素の製造方法に用いられる2種の熱源との間で熱交換を行なうことを特徴としている。実施の形態3における気化工程で1つの熱交換器200で液体塩素と2種の熱源との間で熱交換を行なうため、熱交換器を増やすことなく、液体塩素の蒸発潜熱を効率良く回収できる。よって、塩化水素ガスを酸化して気体の塩素を製造するプロセスにおいて、省エネルギー化を図ることができる。
なお、実施の形態3のプロセスでは、気化工程で用いる熱交換器200において、第3の流体である液体塩素の蒸発潜熱の80%以上の高い熱回収が可能である。
上記塩素の製造方法において好ましくは、2種の熱源は、混合ガス、不純物ガスを冷却するための冷媒、混合ガス製造工程に用いられる熱媒体から選ばれた2の熱源であることを特徴としている。これらの熱源は塩化水素ガスを酸化して気体の塩素を製造するプロセスにおいて冷却を要する。そのため、塩化水素ガスを酸化して気体の塩素を製造するプロセスにおいて、液体塩素と熱交換することによって、より省エネルギー化を図ることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態1における熱交換器を示す図であり、(A)は、熱交換器の延びる方向に沿った断面図であり、(B)は、熱交換器の延びる方向と垂直の方向に沿った断面図である。 本発明の実施の形態2における塩素の製造装置を説明するための図である。
符号の説明
101 前処理塔、102 反応器、103 吸収塔、104 乾燥塔、105 圧縮機、106 塩素精製塔、107 液塩ドラム、200 熱交換器、210 第1の伝熱管群、220 伝熱管群、230 円筒胴、231 一方端部、231 一方端部、232 他方端部、233 入口部、234 出口部、240 第1の接続部、250 第2の接続部、241,251 入口部、242,252 入口流入部、243,253 出口流出部、244,254 出口部、X 中心。

Claims (6)

  1. 塩化水素ガスを酸化して気体の塩素を製造する塩素の製造方法であって、
    塩化水素ガスを酸化して、塩素と酸素とを含む混合ガスを製造する混合ガス製造工程と、
    前記混合ガスを塩素精製塔に導入して、蒸留により液体塩素と不純物ガスとに分離する塩素精製工程と、
    前記液体塩素を気化させる気化工程とを備え、
    前記気化工程では、1つの熱交換器で、前記液体塩素と前記塩素の製造方法に用いられる2種の熱源との間で熱交換を行なうことを特徴とする、塩素の製造方法。
  2. 前記2種の熱源は、前記混合ガス、前記不純物ガス、前記不純物ガスを冷却するための冷媒、および前記混合ガス製造工程に用いられる熱媒体から選ばれた2種の熱源であることを特徴とする、請求項1に記載の塩素の製造方法。
  3. 塩化水素ガスを酸化して気体の塩素を製造する塩素の製造装置であって、
    塩化水素ガスを酸化して、塩素と酸素とを含む混合ガスを製造する混合ガス製造装置と、
    前記混合ガスを蒸留により液体塩素と不純物ガスとに分離する塩素精製塔と、
    前記塩素の製造装置に用いられる第1の流体を内部に流動させる第1の伝熱管群と、前記塩素の製造装置に用いられる第2の流体を内部に流動させる第2の伝熱管群と、一方端部と接続され内方向に突出する前記第1の伝熱管群と他方端部と接続され内方向に突出する前記第2の伝熱管群とを内部に収容する円筒胴とを含む熱交換器とを備え、
    前記熱交換器では、前記液体塩素と前記第1および第2の流体とが熱交換されることを特徴とする、塩素の製造装置。
  4. 内部に第1の流体を流動させる第1の伝熱管群と、
    内部に第2の流体を流動させる第2の伝熱管群と、
    一方端部と接続され内方向に突出する前記第1の伝熱管群と、他方端部と接続され内方向に突出する前記第2の伝熱管群とを内部に収容する円筒胴とを備える熱交換器であって、
    前記円筒胴は、第3の流体を前記熱交換器に流入させる入口部と、前記第3の流体を前記熱交換器から流出させる出口部とを含む、熱交換器。
  5. 前記第1の伝熱管群と、前記第2の伝熱管群とは、前記円筒胴の延びる方向における中心を軸として対称に配置されていることを特徴とする、請求項4に記載の熱交換器。
  6. 前記第1の伝熱管群および前記第2の伝熱管群の長さは、前記円筒胴の延びる方向における長さの1/2未満であることを特徴とする、請求項4または5に記載の熱交換器。
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