JP2006144023A - 一酸化炭素の製造方法、ホスゲンの製造方法及び炭酸ジアリールの製造方法 - Google Patents

一酸化炭素の製造方法、ホスゲンの製造方法及び炭酸ジアリールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】触媒として芳香族含窒素複素環化合物を用いる芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲンから炭酸ジアリールを製造する方法において、高転化率でも工業的に有利に、炭酸ジアリールを製造し得る、一酸化炭素製造方法、ホスゲン製造方法及び炭酸ジアリール製造方法の提供。
【解決手段】コークスの部分酸化法、メタノール分解法又はLNG改質法により発生した一酸化炭素を、クラウス触媒と接触させて該一酸化炭素中の二硫化炭素及び硫化カルボニルを硫化水素に転換した後、苛性ソーダ又は炭酸カリウムと接触させて脱炭酸、脱硫を行い、ついで微量残存するイオウ化合物を酸化亜鉛を用いて吸着除去することを特徴とする一酸化炭素の製造方法。
【選択図】なし。

Description

本発明は、一酸化炭素の製造方法、ホスゲンの製造方法及び炭酸ジアリールの製造方法に関する。さらに、詳しくは、塩素と反応させて炭酸ジアリールの製造に使用しうるホスゲンを得るのに適した一酸化炭素の製造方法、該一酸化炭素を使用するホスゲンの製造方法、及び、該ホスゲンを使用する炭酸ジアリールの製造方法に関するものである。
炭酸ジアリールは、ビスフェノールAとエステル交換反応によって芳香族ポリカーボネートを製造する原料として多量に用いられている。炭酸ジアリールを得る方法の中で炭酸ジアルキルから炭酸ジアリールを得、副生してくるアルキルアルコールを回収リサイクル手法は良く知られているが、各生成物の分離が困難なこと及びエステル交換反応で副生する不純物により芳香族ポリカーボネートが着色したり、架橋反応を起こしたりする不都合があり、改善が望まれていた。
一方、ホスゲンから炭酸ジアリールを得る手法は、均一触媒又は不均一触媒を用いた反応について、多数の方法が知られているが、それらの方法では炭酸ジアリールと沸点が極めて近いサリチル酸アリール等の副生や均一触媒では触媒の回収、不均一触媒では金属成分の溶出等の問題が解決されていない。活性炭を触媒として用いる方法では金属成分の溶出の問題はないが、工業的に有利な反応速度を有していない。
芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲンとを反応させることにより、ジアリールカーボネートを取得することができることも知られている。例えば特許文献1には、触媒としてハロゲン化テトラメチルアンモニウムの存在下に無溶剤縮合を行うことが提案されている。しかしながら、この方法では経済的な反応速度を得るためには、比較的多量の触媒を必要とし且つ180〜215℃の比較的高い温度を用いることが必要であり、それが熱的に不安定なハロゲン化テトラメチルアンモニウムの分解のおそれを伴う。加うるに、化学量論的に必要とされる量よりもずっと高い割合でホスゲンが消費される。
また、特許文献2には、芳香族含窒素複素環化合物を触媒として芳香族モノヒドロキシ化合物(フェノール)2モルに対し、1モルのホスゲンを40〜180℃の温度で、必要により溶媒中で塩化水素の脱離を伴なう反応を行って炭酸ジアリール(炭酸ジフェニル)を製造する方法を提案し、この方法は、上記特許文献1に記載の方法より低い温度で、かつ、2倍以上の反応速度で行うことが開示されている。
この特許文献2に記載の方法は、上記の理由から工業的に優れたものであるが、この方法において、炭酸ジフェニルの中間生成物であるフェニルクロロホルメートとフェノールの反応による炭酸ジフェニルの生成速度が、フェニルクロロホルメートの生成速度に較べて充分な速度をもっていないため、反応終了時に炭酸ジフェニルとともに少量のフェニルクロロホルメートが残留する。このような、フェニルクロロホルメートの残留は、前述したように芳香族ポリカーボネートに悪影響を及ぼす。
高品質のポリカーボネートを工業的に得るため、アリールクロロホルメートを含まない高純度の炭酸ジアリールの製造プロセスが検討され、芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲンとを芳香族含窒素複素環化合物触媒の存在下に反応させて炭酸ジアリールを製造する方法において、芳香族モノヒドロキシ化合物1当量に対し、ホスゲン0.44〜0.5当量を反応させて、炭酸ジアリールとアリールクロロホルメートを未反応の芳香族モノヒドロキシ化合物に対し当量以下で生成させ、この工程で得られた反応液に対して、アリールクロロホルメートと芳香族モノヒドロキシ化合物との脱塩酸反応を行なって炭酸ジアリールを製造する、2段階の反応工程を経ることで達成できることが判っている(特許文献3)。この中には、副生してくる塩酸をプラント内で再利用することも記載されているが、使途が記載されている訳ではない。本発明は、この再利用に関し、炭酸ジアリールの製造法として閉サイクル化、即ち副生してくる塩化水素を再度ホスゲンとして利用する理想的プロセスを提供するものである。
触媒として芳香族含窒素複素環化合物を用いて芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲンから炭酸ジアリールを製造する方法においては、高転化率で工業的に有利で、かつ炭酸ジアルキルから炭酸ジアリールを得る方法にある様なサリチル酸系不純物もなく、副生モノマー類との分離も簡単であるため、極めて高純度の炭酸ジアリールが高効率で得られる。
一方、塩化水素を塩素に転換する手法は古くから多く研究され、特に酸化クロム触媒を用いた酸化反応については極めて多くの出願がされており(特許文献4〜10)、最近では、酸化ルテニウム触媒を用いた反応についても数多く出願されている(特許文献11〜16)。これらは何れも塩化水素を塩素に転換する手法が記載されているもので、転換した塩素の使途、特にホスゲンから炭酸ジアリールへの転換まで教示しているものではない。
アメリカ合衆国特許第2,837,555号明細書 特公昭58−50977号公報 特開平9−279714号公報 特公平6−15402号公報 特公平5−3402号公報 特公平5−3403号公報 特公平5−3405号公報 特公平5−3406号公報 特公平5−69042号公報 特公平6−17203号公報 特開平9−67103号公報 特開平10−194705号公報 特開平10−182104号公報 特開平10−338502号公報 特開平11−180701号公報 特開2000−34105号公報
本発明は、触媒として芳香族含窒素複素環化合物を用いて芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲンから炭酸ジアリールを製造する方法によって、高転化率で工業的に有利に、炭酸ジアリールを製造するのに使用しうる、ホスゲンを得るのに適した一酸化炭素の製造方法、該一酸化炭素を使用するホスゲンの製造方法、及び、該ホスゲンを使用する炭酸ジアリールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、一酸化炭素をホスゲン製造に使用するための純度、塩化水素を塩素に転換する反応に必要な塩化水素の精製純度、得られた塩素をホスゲン製造に使用するための純度、更には得られたホスゲンを芳香族モノヒドロキシ化合物と反応させるのに必要な純度等、また、それぞれが閉サイクルのプロセスとなるために生じる不純物の濃縮及びそのパージ先に関し鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、コークスの部分酸化法、メタノール分解法又はLNG改質法により発生した一酸化炭素を、クラウス触媒と接触させて該一酸化炭素中の二硫化炭素及び硫化カルボニルを硫化水素に転換した後、苛性ソーダ又は炭酸カリウムと接触させて脱炭酸、脱硫を行い、ついで微量残存するイオウ化合物を酸化亜鉛を用いて吸着除去することを特徴とする一酸化炭素の製造方法に存する。
本発明の別の要旨は、上記一酸化炭素の製造方法により得られた一酸化炭素を、塩素と混合し、活性炭を充填したカラムに通気し反応させることを特徴とするホスゲンの製造方法、及び、上記方法により得られたホスゲンを、芳香族含窒素複素環化合物触媒の存在下に、芳香族ヒドロキシ化合物と反応させることを特徴とする炭酸ジアリールの製造方法に存する。
本発明によれば、炭酸ジアリールの製造過程で副生する塩化水素を塩素に転換後ホスゲン製造に再利用する下記4工程を含むプロセスにより、炭酸ジアリール製造法として閉サイクル化された理想的プロセスの提供が可能である。
1)芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲンとを、芳香族含窒素複素環化合物触媒の存在下に、反応温度80℃〜180℃で縮合反応させて炭酸ジアリールを得る炭酸ジアリール製造工程、
2)縮合反応で副生する塩化水素ガスから不純物を除去する精製工程、
3)精製された塩化水素ガスからホスゲン製造工程に使用しうる塩素を得る塩素回収工程、及び
4)回収された塩素を一酸化炭素と反応させて炭酸ジアリール製造工程に使用しうるホスゲンを得るホスゲン製造工程。
上記の各工程を、化学式で示せば次の通りである。
(化1)
1)炭酸ジアリール製造工程:
触媒
PhOH+COCl2 → DPC+HCl+PhOH+PCF
PCF+PhOH → DPC+HCl
2)塩素回収工程(酸化反応):
Cr2 3 + 1/2O2 → Cr2 3 ・O
Cr 2 3 ・O+2HCl → Cr 2 3 +Cl 2 +H 2
2HCl + 1/2O2 → Cl2 +H2
3)塩素回収工程(電気分解):
2HCl → Cl2 +H2
4)ホスゲン製造工程:
触媒
Cl2 +CO → COCl2
(式中、PhOHはフェノールを、PCFはフェニルクロロホルメートを、DPCは炭酸ジフェニルを示す。)
以下に発明の詳細を記す。
1)炭酸ジアリール製造工程
触媒: 芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲンとの縮合反応に用いられる触媒は、6員環又は5員環の骨格を持つ芳香族含窒素複素環化合物である。環の中に窒素以外のヘテロ原子(イオウ、酸素、又は第二の窒素原子)を含んでいてもよい。また、複素環式基は、他の芳香族複素環式基又は芳香族炭素環式基と縮合していてもよい。
かかる触媒の例を挙げると、次の如くである。ピリジン、キノリン、イソキノリン、ピコリン、アクリジン、ピラジン、ピリミジン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−メトキシピリジン、2−ヒドロキシピリジンであり、好ましくは、ピリジン、α−ピコリン、β,γ−混合ピコリン、イソキノリン、2−ヒドロキシピリジン、イミダゾールである。またポリビニルピリジンのようにポリマー状に形成した上記化合物も同様に使用できる。
触媒量は、基質である芳香族モノヒドロキシ化合物に対して、0.1〜10モル%の量で使用するのが好ましく、更に好ましくは、0.5〜5モル%の量で使用することが好ましい。また、これらの触媒は反応混合物中で、相当する塩酸塩に素早く変化する。従って、塩酸塩の形で反応に用いても全く同様な反応性、選択性が得られる。また臭素酸塩、硫酸塩、硝酸塩等の強酸塩の使用も可能である。ギ酸塩、酢酸塩、燐酸塩、カプロン酸塩、ピバリン酸塩等の弱酸塩についても、反応中で容易に塩酸塩に変化するため、代用することが可能である。
芳香族モノヒドロキシ化合物: 本発明に用いられる芳香族モノヒドロキシ化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール(異性体)、及びイソプロピルフェノール(異性体)、さらにクロロフェノール(異性体)及びメトキシフェノール(異性体)のようなハロゲン化フェノールならびにアルコキシフェノール類が挙げられる。また芳香環式基と縮合又はそれによって置換されていても良い5〜6員環を有する複素環式モノヒドロキシ化合物であり、例えば、4−ヒドロキシキノリンである。特にフェノールが好適に用いられる。
縮合反応: 芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲンとを、芳香族含窒素複素環化合物触媒の存在下に、反応温度80〜180℃、好ましくは120〜160℃で反応させる。反応温度が高すぎると、副生物の生成が多くなり、また低すぎると反応速度が遅すぎるので好ましくない。通常、芳香族モノヒドロキシ化合物と芳香族含窒素複素環化合物触媒との溶融混合物に、十分な撹拌を行いながら、ホスゲンガスを導入することによって行う。
ホスゲン導入量としては、芳香族モノヒドロキシ化合物1モルに対して1モル以下が好ましく、0.4〜0.5モルがさらに好ましい。化学量論量は0.5モルであるが、ホスゲン導入量を化学量論量以下に抑制することにより、未反応の芳香族モノヒドロキシ化合物が必然的に残存し、反応中間体であるアリールクロロフォーメートと芳香族モノヒドロキシ化合物との炭酸ジアリール生成反応が促進されて、着色のないポリカーボネート製造時に悪影響を及ぼすアリールクロロフォーメートを殆ど含まない反応混合物を得ることができる。その際、必要に応じ、ホスゲン導入後に窒素ガスを反応混合物中に吹き込んで、縮合反応の副生物である塩化水素を系外に除去することによって、上記炭酸ジアリール生成反応をさらに促進することができる。
2)精製工程
塩化水素: 芳香族モノヒドロキシ化合物とホスゲンとの縮合反応で副生する塩化水素ガスは、不純物として未反応の芳香族モノヒドロキシ化合物の他、ブロモ置換体や四塩化炭素等の副反応生成物等種々の有機不純物を含有する。従って、塩化水素ガスを次の塩素回収工程で、支障なく使用できるようにするためには、これら不純物を除去することが必要である。その方法としては、活性炭等の吸着剤と接触させて有機不純物を吸着除去するのが好ましい。活性炭を使用する場合には、細孔容積の大きな活性炭を充填した活性炭塔を通過させる間に吸着除去すると、有機不純物がほぼ完全に除去でき、高純度の精製された塩化水素ガスが得られる。この吸着処理の温度は低い方が好ましく、通常80℃以下、好ましくは10〜40℃で行う。また、吸着処理時のガスの流速は、吸着効率を考えたときは低い方がよく、SV(対容積速度)で通常数百/hr程度、好ましくは200/hr以下がよい。有機不純物含有量を低減させる他の方法としては、液化蒸留法、高沸点溶媒による洗浄法、深冷分離法等があり、さらにこれらの方法を組み合わせて使用することもできる。
3)塩素回収工程
塩素: 上記の精製された塩化水素ガスから、次のホスゲン製造工程で使用しうる塩素を得るには、種々の手段が適用可能であるが、通常、酸化クロム触媒を使用する酸化反応による方法と、電気分解による方法が一般的である。また、最近では、触媒活性が高いため、より少量の触媒で、より低い温度で酸化反応が行える酸化ルテニウム触媒を用いる方法も見いだされている。
a)酸化反応
酸化クロム触媒を使用した塩化水素の酸化反応は、精製された塩化水素ガス及び酸素ガスを、反応温度300℃〜500℃で、固体触媒と接触させることによって行われるが、接触方式は固定床、流動床、移動床のいずれでもよい。酸化反応に使用する塩化水素と酸素の割合は、塩化水素1モルに対して、0.25モル以上の酸素を用いる。酸素の使用量が少ないと、触媒を常に酸素雰囲気下に維持できなくなり、触媒活性が低下するので好ましくない。しかし多すぎても過剰酸素の再利用設備の増強が必要となるので、通常0.3〜1モル程度で十分である。
酸化反応で得られる粗塩素ガスは、酸化反応で副生する水の他に、未反応の塩化水素及び酸素を含有するので、通常、未反応塩化水素を水により回収後、得られた塩素ガスを硫酸脱水した後、圧縮液化すると、ホスゲン製造工程に使用しうる、精製された高純度の液化塩素が得られる。実際の使用に際しては、この液化塩素を蒸発して塩素ガスとして後記ホスゲン製造工程に供給する。また、未液化ガスは、酸素の他に著量の塩素を含有しているので、通常、四塩化炭素に吸収させて塩素を回収するか又はPSA分離により回収する。回収塩素は気化された後前記圧縮液化へ循環する。
一方、塩素を回収した残りの含酸素ガスは、随伴された四塩化炭素を、例えば亜硫酸ソーダ溶液に吸収させて除去した後、除害された高濃度の酸素を含むガスは、一部は排ガスとして大気中に排出されるが、残部は酸化反応へ循環され再利用される。
酸化ルテニウム触媒を使用する塩化水素の酸化反応は、活性が高いため、反応温度を200〜400℃とする以外は、上記酸化クロム触媒を使用した酸化反応と同様の手法を採ることができる。
b)電気分解
塩化水素の電気分解は、精製された塩化水素ガスを水に吸収して調製される、所定濃度の塩化水素水溶液を電気分解することによって行われる。電解に適した塩化水素水溶液の塩化水素濃度は、10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%であり、この濃度が大きすぎると電導度が低下して槽電圧が上昇し、また小さすぎると黒鉛陽極の消耗と酸素の発生量が増大して好ましくない。電解の結果、陰極では粗水素ガスが、陽極では粗塩素ガスが捕集される。
陽極室で発生した粗塩素ガスは、随伴された水と微量の塩化水素を含有するので、これを冷却して水を凝縮除去すると、塩化水素も同時に凝縮され希塩酸として除去される。水を除去した後、圧縮液化すると、ホスゲン製造工程に使用しうる液化塩素が得られる。実際の使用に際しては、この液化塩素を蒸発して塩素ガスとして後記ホスゲン製造工程に供給する。上記の希塩酸は、電解液である所定濃度の塩化水素水溶液の調製に、再利用される。
陰極室で発生した粗水素ガスは、随伴された水と少量の塩化水素を含有するので、これを冷却して水を凝縮除去すると、塩化水素の一部も同時に凝縮され希塩酸として除去される。この希塩酸は、電解液である所定濃度の塩化水素水溶液の調製に、再利用され、一方、未凝縮の塩化水素は中和除去され、精製水素ガスが得られる。
しかして、電解槽の循環陰極液は、その一部を前記の精製された塩化水素ガスの吸収に使用するのが好ましい。使用量は、塩化水素水溶液の調製に使用される、諸種の塩酸の量とのバランスを考慮して、所定濃度が達成されるように決定される。
4)ホスゲン製造工程
ホスゲン: 回収された塩素と一酸化炭素との反応は、通常、一酸化炭素と塩素の混合ガスを、活性炭を充填したカラムに通気することによって行われ、これによって炭酸ジアリール製造工程に使用しうるホスゲンが得られる。反応の結果、最も高い温度域は300℃〜400℃に達するが、冷却水による外部冷却で出口ガス温度が100℃以下となるように調整される。反応で得られる粗ホスゲンガスは、熱交換器により0℃以下まで冷却、凝縮させて、炭酸ジアリール製造工程に使用しうる液化ホスゲンとして貯蔵する。実際の使用に際しては、この液化ホスゲンを蒸発して、ホスゲンガスとして前記炭酸ジアリール製造工程に供給する。一般には、液化ホスゲンとして一時貯蔵することが多いが、液化することなく、一酸化炭素ガス込みで次の炭酸ジアリール製造工程に送り、そこで一酸化炭素ガスはオフガスとしての処理をすることも可能である。一方、未液化ガスは、例えば苛性ソーダ水溶液を用いて、ホスゲンを完全に分解した後、廃ガスとして大気中に排出される。
純度の高いホスゲンを得るために、一酸化炭素/塩素比を常に1以上として反応させるが、オフガスの削減(ホスゲン原単位の向上)を目的に、同比を可能な限り1に近づけようとするため、未反応の塩素が残留する様になる。この精製手法としては、活性炭による吸着除去を行うことが望ましい。その他の不純物として、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化物が存在するが、これらの化合物は、反応に供する前にホスゲン蒸留の段階で除去するか、次工程の芳香族モノヒドロキシ化合物との反応後の副生ガス(塩化水素)を精製する段階で除去する手法を採る。
一酸化炭素: ホスゲン製造のために、塩素と反応させる一酸化炭素の発生法に関しては、コークス部分酸化法、メタノール分解法,LNG改質法等古くから種々の手法が知られる。何れの手法でも二酸化炭素との分離は不可避で、一部混入してくる二硫化炭素、硫化カルボニルをクラウス触媒で硫化水素に転換後、脱炭酸、脱硫塔で苛性ソーダ又は炭酸カリウムと接触させて脱炭酸、脱硫を行い、精製する。微量残存するイオウ化合物に関しては、酸化亜鉛を使用し、吸着除去する手法がある。
本発明を、以下の実施例により説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
添付の図1に従って、各工程ごとに説明する。
(1)CO製造
CO発生炉(4)に、温度20℃の炭酸ガス(1)と酸素ガス(2)を、それぞれ2.06Nm3 /hr、1.13Nm3 /hr供給しながら、コークス(3)2.23kg/hrを燃焼し、粗COガス(一酸化炭素:65.2容量%、二酸化炭素:27.8容量%、水:7.0容量%、水素:トレース、COS:1000ppm、硫化水素:500ppm、二硫化炭素:100ppm、ダスト)を5.28Nm3 /hrで得た。発生炉(4)は高温のため脱塩水で冷却し、生成ガスを250℃に調整した。
生成ガスは、ブロワーで3500mmAqまで昇圧し、フィルター(5)にてダストを除去した後、クラウス触媒塔(6)に供給し、不純物であるCOS、二硫化炭素を加水分解し硫化水素に転換後、60℃まで空冷した。
得られたガス(一酸化炭素:63.4容量%、二酸化炭素:27.0容量%、水:9.7容量%、水素:トレース、COS:10ppm、硫化水素:1690ppm)は、脱炭酸脱硫塔(7)へ送入し炭酸カリウム水溶液(8)と向流接触させて脱炭酸、脱硫を行った後、微量残存するイオウ化合物(COS:10ppm)を吸着除去するために120℃まで昇温後、酸化亜鉛塔(9)に供給した。吸着精製ガスは40℃まで冷却し、コンプレッサー(10)にて5.0kg/cm2 Gまで昇圧後、脱炭酸塔(11)、脱水塔(12)を経て、精COガス(13)(一酸化炭素:96.9容量%、水素:3.1容量%、二酸化炭素:トレース、水:トレース)を3.55Nm3 /hrで得た。
(2)ホスゲン製造
上記の精COガス(13)と、後述する塩化水素より回収された回収塩素ガス(14)及び食塩電解法より発生した塩素ガス(15)の混合ガス(塩素:99.8容量%、酸素:0.2容量%)とを、それぞれ3.55Nm3/hr、3.33Nm3/hrでガス混合機に供給し、混合されたガスをホスゲン反応器(16)に送入した。反応器(16)は粒状活性炭を充填したカラムから成り、反応による発熱を除去すべく冷却水による除熱可能な多管式装置であった。反応は、圧力3.9kg/cm2 G、温度70℃に調整して行われた。3.63Nm3 /hrの流量で得られた粗ホスゲンガス(ホスゲン:91.0容量%、一酸化炭素:5.1容量%、塩化水素:1.7容量%、水素:2.0容量%、二酸化炭素:0.2容量%)は、凝縮器(17)に入り、ブラインで−5℃に冷却され、14.5kg/hrで液化ホスゲンとされ、貯蔵された。貯槽(18)中のホスゲン濃度は99.7wt%以上であり、不純物として塩化水素が0.3wt%、四塩化炭素が微量検出された。液化ホスゲンは蒸発(19)後、精ホスゲンガス(20)として、ジフェニルカーボネートの製造に使用した。
一方、凝縮器(17)を出た残余ガス(一酸化炭素:52.3容量%、ホスゲン:12.1容量%、塩化水素:11.2容量%、水素:22.4容量%、二酸化炭素:1.9容量%)は、0.33Nm3 /hrで苛性ソーダ水溶液(21)の循環する無毒化塔に供給し、ホスゲンを完全に分解後、廃ガス(22)を大気中へ排出した。
(3)ジフェニルカーボネート製造
温度50℃の溶融フェノール(23)を約30.0kg/hr(0.319kmol/hr)、触媒ピリジン(24)を0.757kg/hr(0.00957kmol/hr)で第一反応器(25)へ連続供給しながら、150℃へ昇温した。十分に攪拌を行いながら、供給されるフェノールの0.46モル比相当の精ホスゲンガス(20)(3.286Nm3 /hr:0.1467kmol/hr)を第一反応器(25)へ連続供給した。第一反応器から流出した反応混合物は、気液混相にてオーバーフロー管を介して第二反応器(26)へ供給した。第二反応器も十分な攪拌状態のもと150℃に調整し、反応液は脱ガス塔(27)へ供給し、脱ガス塔では、中間体であるフェニルクロロフォーメートとフェノールの押し切り反応を完結すべく、窒素ガス(28)による向流接触を160℃で実施した。脱ガス塔底から反応混合物(29)が34.9kg/hrの流量で得られ、組成が十分安定した後、反応混合物をガスクロマトグラフィー分析した結果、ジフェニルカーボネートが89.9重量%生成し、供給ホスゲンのほぼ100%がジフェニルカーボネートに転換された。
一方、第二反応器(26)からの反応排ガス及び脱ガス塔(27)からの窒素含有排ガスは、混合した後、約40℃のSKオイルの循環する凝縮器(30)で冷却し、凝縮液を第二反応器(26)へ戻し、ガスは更にブラインにより10℃まで冷却した。冷却後の排ガスとして、塩化水素97.87重量%のほか、フェノールを0.04重量%、窒素を2.09重量%、四塩化炭素を微量含有した粗塩化水素ガス(32)が、約10.59kg/hr(6.54Nm3 /hr)で得られた。
(4)塩素回収
ジフェニルカーボネート製造で副生した、上記の粗塩化水素ガス(32)は、粒状の石炭系活性炭を充填した活性炭塔(33)に、30℃下、10.59kg/hr(SV=500/hr相当)で供給し、フェノール及び四塩化炭素等の有機不純物を吸着除去した。酸素ガス(34)2.04kg/hr(酸素:99.6重量%、窒素:0.4重量%)と、後述する除害塔(47)からの含酸素循環ガス(35)3.81kg/hr(酸素:65.9重量%、窒素:34.1重量%)との酸素ガス混合物を、原料塩化水素1モルに酸素0.5モルの割合となるように、加熱器に送入し、加熱蒸気で200℃に加熱し、流動床反応器(36)に送入した。
流動床反応器(36)は、直径約0.15m、高さ約2mのNi内張り製の円筒状反応器であり、この中にクロムの硝酸塩をアンモニア水により沈殿させたものに、SiO2 として約10wt%相当のシリカゲルを加え焼成した酸化クロム触媒を、約6.5kg装填して使用した。酸化反応は、400℃で行われた。
酸化生成ガス(塩素:42.9重量%、塩化水素:18.9重量%、窒素:9.3重量%、酸素:17.9重量%、水:10.9重量%)は、16.44kg/hrの流量にて、下方のクロム回収部及び上方の塩化水素ガス吸収部とからなるクロム回収・塩化水素ガス吸収塔(37)へ送入した。
クロム回収部は、上部より連続散水し、生成ガス中の塩化水素及び触媒主成分クロムの揮散・飛散物を水洗し、下部より連続的に約0.8重量%のクロム水溶液を取り出した。クロム回収部を通過した生成ガスは、1インチのラシヒリングを充填した塩化水素ガス吸収部に送入し、上部より25℃の水を供給し、向流式に洗浄を行った。塩化水素ガス吸収部で水洗され、ガス中の塩化水素ガスが吸収除去された60℃の生成ガス(塩素:60.5重量%、窒素:13.3重量%、酸素:25.7重量%、水:0.5重量%、塩化水素:トレース)は、冷却器にて20℃に冷却し、内部に充填材を充填した硫酸洗浄塔(38)に送入した。
硫酸洗浄塔(38)では、循環硫酸とともに上部より0.15kg/hrで98%硫酸を連続供給して、生成ガスの向流洗浄、脱水を行った。
硫酸洗浄塔(38)を出た50℃の生成ガス(塩素:60.9重量%、窒素:13.4重量%、酸素:25.8重量%)11.44kg/hrは、後述する溶媒回収塔(46)からの塩素含有循環ガス(39)と混合し、圧縮機(40)に送入圧縮した後、冷却器(41)で冷却し蒸留塔(42)へ供給した。蒸留塔内で、液化塩素は蒸留され、液化塩素中の不純物は酸素等の残ガスとともに塔頂から留去され、塔底からは液体塩素(塩素:99.99重量%、酸素:0.01重量%)を、6.96kg/hrの流量で貯槽(43)に取り出した。この塩素は、蒸発後、回収塩素ガス(14)として、ホスゲン製造工程にリサイクルした。
一方、蒸留塔頂から留去された未液化ガス(塩素:42.3重量%、窒素:19.7重量%、酸素:38.0重量%)は、塩素を回収するために吸収塔(45)に送入し、上部より供給される溶媒回収塔(46)からの返送四塩化炭素と向流接触させる。吸収塔(45)から排出される、塩素を吸収した四塩化炭素溶液は、溶媒回収塔(46)に送入し、ここで塩素を気化させることで、ほぼ100%の収率で塩素が回収できた。この溶媒回収塔(46)頂から排出される塩素含有循環ガス(39)は、前述の通り、硫酸洗浄塔(38)を出た生成ガスと混合し、圧縮冷却後、蒸留塔(42)へ供給した。一方、四塩化炭素に吸収されず、吸収塔(45)頂から排出されるガス(塩素:トレース、四塩化炭素:0.2重量%、窒素:34.1重量%、酸素:65.8重量%)は、亜硫酸ソーダ溶液(48)で除害した後、その85%を含酸素循環ガス(35)として、前記の通り、塩化水素ガスの酸化用に、流動床反応器へリサイクルし、残りは廃ガス(49)として大気中へ排出した。
実施例2
実施例1において、(1)〜(4)の諸工程のうち、(4)塩素回収の工程のみを下記の通り変更した、すなわち、塩化水素水溶液の電気分解による塩素回収に置換した、以外は実施例1と全く同様にして、ジフェニルカーボネートの製造を行った。
その結果、ホスゲンのほぼ100%が消費され、安定して所定濃度(89.9重量%)のジフェニルカーボネートが34.9kg/hrで得られた。
以下、添付の図2に従って説明する。
(4)塩素回収
ジフェニルカーボネート製造により副生された粗塩化水素ガス(塩化水素:97.87重量%、フェノール:0.04重量%、窒素:2.09重量%、四塩化炭素:トレース)は、粒状の石炭系活性炭を充填したカラムに30℃下、10.59kg/hr(SV=500/hr相当)で供給し、フェノール及び四塩化炭素等の有機不純物を吸着除去した。
有機物を完全に除去した塩化水素ガスは吸収塔(50)に送入し、塔上部より供給される水(51)、及び、塔の中段より供給される電解槽の循環陰極液(17重量%塩酸)の一部で吸収され、塔底より28重量%塩酸(塩化水素:28.0重量%、水:72.0重量%)が77.61kg/hrの流量で得られた。吸収塔(50)で吸収されなかったガスは除害塔(52)に送入し、苛性ソーダ水溶液(53)との向流式接触にて除害した後、廃ガス(54)を大気中に排出した。
吸収塔(50)で生成した28重量%塩酸(55)は、塩酸貯槽(56)に集められ、そのうちの32%分は、陰極より生成した水素ガス(58)中の凝縮水及び循環陰極液の一部(17重量%塩酸)と混合し、21重量%塩酸に調整後、60℃に冷却し電解槽(57)の陰極室(−)に供給した。28重量%塩酸の残りは、陽極で生成した塩素ガス(64)中の凝縮水及び循環陽極液と混合し、22重量%塩酸に調整後、60℃に冷却し電解槽(57)の陽極室(+)に供給した。
電解槽(57)は、ポリ塩化ビニル隔膜で陰極室(−)及び陽極室(+)に分けられ、それぞれにグラファイト電極を有し、さらに変圧器及び整流器を有した双極電解槽を用いた。80℃、4.15kA/m2、1.95Vで電気分解を実施した。
陰極室で発生した粗水素ガス(58)(水素:15.7重量%、塩化水素:3.4重量%、水:80.9重量%)は、冷却塔(60)で41℃まで冷却する。その際凝縮した希塩酸は、前述した通り28重量%塩酸及び循環陰極液と混合した後、陰極室(−)へ供給した。冷却された水素ガスは、さらに随伴した塩化水素を除去するため、中和塔(61)に送入し苛性ソーダ水溶液(62)で中和処理し、精製水素ガス(63)(水素:98.5重量%、水:1.5重量%)を0.29kg/hrの流量で得た。
陽極室で発生した粗塩素ガス(64)(塩素:86.7重量%、塩化水素:0.5重量%、水:12.7重量%)は、冷却塔(66)で41℃まで冷却する。その際凝縮した希塩酸は、前述した通り28重量%塩酸及び循環陽極液と混合した後、陽極室(+)へ供給した。冷却された塩素ガスは、さらに随伴した水分を除去するため、濃硫酸(68)を循環した乾燥塔(67)に送入した。乾燥後の塩素ガスは、コンプレッサー(69)及び凝縮器(70)によって加圧冷却し、液化精製塩素(71)(塩素:100.0重量%)を10.0kg/hrで、塩素貯槽(72)に取り出した。液化塩素は蒸発器(73)で気化した後、回収塩素ガス(14)として、ホスゲン製造工程にリサイクルした。
実施例3
実施例1において、(1)〜(4)の諸工程のうち、(4)塩素回収の工程のみを下記の通り変更した。すなわち、酸化ルテニウム触媒を使用した塩化水素の酸化反応による塩素回収に置換した以外は実施例1と全く同様にして、ジフェニルカーボネートの製造を行った。
その結果、ホスゲンのほぼ100%が消費され、安定して所定濃度(89.9重量%)のジフェニルカーボネートが34.9kg/hrで得られた。
以下、添付の図3に従って説明する。
(1)塩素回収
ジフェニルカーボネート製造により副生された粗塩化水素ガス(塩化水素:97.87重量%、フェノール:0.04重量%、窒素:2.09重量%、四塩化炭素:トレース)は、粒状の石炭系活性炭を充填したカラムに30℃下、10.59kg/hr(SV=500/hr相当)で供給し、フェノール及び四塩化炭素等の有機不純物を吸着除去した。
有機物を完全に除去した塩化水素ガスは、酸素ガス(74)2.27kg/hr(酸素:99.6重量%、窒素:0.4重量%)と、後述する含酸素循環ガス(75)との酸素ガス混合物を連続2段より成る固定床反応器(76)(77)に送入した。
固定床反応器は、Ni内張り製の多管式反応器であり、この中に以下の方法で得られた酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒を充填して使用した。触媒調製は、塩化ルテニウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液より成る混合液を、四塩化チタン水溶液に尿素水溶液を注入し加熱後、得られた白色沈殿物を水に懸濁させた液に滴下し、硝酸添加後得られた黒色沈殿を洗浄ろ過後、焼成し粉体を成形することにより、酸化チタン担持酸化ルテニウム触媒を得た。酸化反応は、0.8atmで1段目を370℃、2段目を280℃で行った。
塩化水素の約95%が反応した酸化生成ガスは、熱交換器(78)を経て塩化水素ガス吸収塔(79)へ送入し、未反応の塩化水素と生成した水が水洗され、塔底より約17%塩酸水(80)が回収された。塔頂より得られたガスは、脱水塔(81)で98%硫酸(82)による向流洗浄、脱水を行った。
脱水後の生成ガス(塩素、酸素、窒素の混合ガス)は、圧縮機(83)に送られ、−35℃まで冷却することで液化塩素を9.78kg/hrで得、この塩素は、熱交換器(84)にて蒸発後、回収塩素ガス(14)として、ホスゲン製造工程にリサイクルした。一方、未液化のガスは、貯槽(85)、コンデンサー(86)を経て、一部を中和処理後大気へ排出し(87)、残部を酸化反応にリサイクルした。
本発明方法によって製造される、一酸化炭素、ホスゲン及び炭酸ジアリールは、工業的的には、ビスフェノールAとのエステル交換反応によって、芳香族ポリカーボネートを製造する原料として有用であり、また、製品の純度、生産性に優れるだけでなく、副生塩化水素の再利用による閉サイクル化をも可能とする点でも、工業的な優位性が期待される。
炭酸ジアリール製造の全工程を示すフローシート図。 塩素回収工程を示すフローシート図。 塩素回収工程を示すフローシート図。
符号の説明
1 炭酸ガス
2 酸素ガス
3 コークス
4 CO発生炉
5 フィルター
6 クラウス触媒塔
7 脱炭酸脱硫塔
8 炭酸カリウム水溶液
9 酸化亜鉛塔
10 コンプレッサー
11 脱炭酸塔
12 脱水塔
13 精COガス
14 回収塩素ガス
15 塩素ガス
16 ホスゲン反応器
17 凝縮器
18 貯槽
19 蒸発器
20 精ホスゲンガス
21 苛性ソーダ水溶液
22 廃ガス
23 フェノール
24 ピリジン
25 第1反応器
26 第2反応器
27 脱ガス塔
28 窒素ガス
29 反応生成物
30 凝縮器
31 凝縮器
32 粗塩化水素ガス
33 活性炭塔
34 酸素ガス
35 含酸素循環ガス
36 流動床反応器
37 クロム回収・塩化水素ガス吸収塔
38 硫酸洗浄塔
39 塩素含有循環ガス
40 圧縮機
41 冷却器
42 蒸留塔
43 貯槽
44 蒸発器
45 吸収塔
46 溶媒回収塔
47 除害塔
48 亜硫酸ソーダ水溶液
49 廃ガス
50 吸収塔
51 水
52 除害塔
53 苛性ソーダ水溶液
54 廃ガス
55 塩酸
56 塩酸貯槽
57 電解槽
58 粗水素ガス
59 陰極液貯槽
60 冷却塔
61 中和塔
62 苛性ソーダ水溶液
63 精製水素ガス
64 粗塩素ガス
65 陽極液貯槽
66 冷却塔
67 乾燥塔
68 濃硫酸
69 コンプレッサー
70 凝縮器
71 液化精製塩素
72 塩素貯槽
73 蒸発器
74 酸素ガス
75 含酸素循環ガス
76 固定床反応器(1段目)
77 固定床反応器(2段目)
78 熱交換器
79 塩化水素ガス吸収塔
80 17%塩酸水
81 脱水塔
82 98%硫酸
83 圧縮機
84 熱交換器
85 貯槽
86 コンデンサー
87 パージガス

Claims (4)

  1. コークスの部分酸化法、メタノール分解法又はLNG改質法により発生した一酸化炭素を、クラウス触媒と接触させて該一酸化炭素中の二硫化炭素及び硫化カルボニルを硫化水素に転換した後、苛性ソーダ又は炭酸カリウムと接触させて脱炭酸、脱硫を行い、ついで微量残存するイオウ化合物を酸化亜鉛を用いて吸着除去することを特徴とする一酸化炭素の製造方法。
  2. 一酸化炭素の発生方法がコークスの部分酸化法であることを特徴とする請求項1に記載の一酸化炭素の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法により得られた一酸化炭素を、塩素と混合し、活性炭を充填したカラムに通気し反応させることを特徴とするホスゲンの製造方法。
  4. 請求項3に記載の方法により得られたホスゲンを、芳香族含窒素複素環化合物触媒の存在下に、芳香族ヒドロキシ化合物と反応させることを特徴とする炭酸ジアリールの製造方法。

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