JP4915095B2 - 一酸化炭素の製造方法及びホスゲンの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、一酸化炭素の製造方法及びホスゲンの製造方法に関する。さらに詳しくは、一酸化炭素中の硫黄分を効果的に且つ工業的に生産性良く除去することができる一酸化炭素の製造方法、及び、こうして得られた一酸化炭素を用いて純度の高いホスゲンを得ることができるホスゲンの製造方法に関する。
しかしながら、このような方法を単独に用いる場合、硫黄化合物を完全に除去するのは容易ではない。即ち、アルカリ溶液による吸収の場合は、硫化水素のような酸性化合物は中和反応によって捕獲されるが、コークスの部分酸化で得られる一酸化炭素含有ガス中には、二酸化炭素が少なくとも数%含まれている。この二酸化炭素が、溶液のpHを酸性側に移行させるため、二酸化炭素よりも弱酸である硫化水素は、酸性側ではS2−やHS−にイオン化し難く、殆んどがH2Sとして存在するので、H2Sの気液平衡分しか吸収されないこととなる。また、アルカリ溶液による吸収では、中性の硫黄化合物が除去されず一酸化炭素含有ガス中に残留しやすい傾向にある。従って、アルカリ溶液による吸収単独で全ての硫黄化合物を除去するのは困難であった。
一方、酸化亜鉛による吸着の場合、硫黄化合物と酸化亜鉛から硫化亜鉛を生成する反応により硫黄化合物を除去するが、一旦生成した硫化亜鉛は通常そのまま廃棄されることになり、即ち再利用が困難である。
したがって、アルカリ溶液でも酸化亜鉛でも、単独で用いる場合は、硫黄化合物を一定濃度以下、例えば一酸化炭素に対して5容量ppm未満に低減しようとすると、それらの薬材を大量に用いなければならず、それに伴って、設備が大型化し、生産効率が悪くなるという不都合があった。
即ち、本発明の要旨は、コークスに酸素含有ガスを通気することによりコークスを部分酸化する一酸化炭素の製造方法において、部分酸化によって得られた一酸化炭素含有ガスを、予め加水分解触媒と接触させた後、アルカリ水溶液と接触させ一酸化炭素に対する硫黄化合物の濃度を50〜300容量ppmまで低減し、ついで、周期表第3〜12族元素の酸化物と接触させて一酸化炭素に対する硫黄化合物の濃度を5容量ppm未満(好ましくは1容量ppm未満)に低減することを特徴とする、一酸化炭素の製造方法に存する。
即ち、本発明ではアルカリ溶液及び酸化亜鉛等の金属酸化物による二段階の接触反応により、効率よく硫黄化合物を除去できるが、必要に応じて、該酸化亜鉛との接触後に、第2のアルカリ溶液との接触を追加することにより、更に純度の高い一酸化炭素を製造することもできる。
また、本発明の製造方法により得られた一酸化炭素は純度が高いので、これを用いてホスゲンを製造すると純度の高いホスゲンを得ることができる。このホスゲンは、更に他の化合物を製造するための前駆体として用いることができる。
コークスから一酸化炭素を発生させる工程
本発明では、一酸化炭素を発生させる工程に、コークスのガス化法(部分酸化法)が用いられる。この工程においては、通常800℃以上の温度に保持されたコークスを充填した一酸化炭素発生炉中に、酸素含有ガスを通気することにより、コークスを部分酸化して一酸化炭素を発生させる。
しかして、一酸化炭素発生炉の運転には、まず竪型円筒部内の所定空間に塊状のコークスを充填し、所定温度に昇温したのち、上方のコークス供給口より塊状コークスを連続的に供給し、下方の酸素含有ガス供給口より酸素含有ガスを連続的に供給することにより、酸素含有ガスのコークスへの通気が行われ、発生する一酸化炭素含有ガスは上方の発生ガス排出口から排出される。本発明の原料として用いられる塊状コークスの平均径は好ましくは10〜100mm、更に好ましくは15〜25mmである。平均径が大きすぎると燃焼効率が悪くなり、一方平均径が小さすぎると取り扱いが困難になり、また場合によっては過度の燃焼が起こりやすい。
例えば、酸素と二酸化炭素との混合ガスを用いる場合、酸素と二酸化炭素との容量比は通常10:1〜1:10であり、好ましくは5:1〜1:5であり、更に好ましくは3:2〜2:1である。この範囲であれば、発熱反応が一気に進行せず、温度を適温に保つことができる。
また酸素と二酸化炭素と窒素の混合ガスを用いる場合、酸素と二酸化炭素と窒素との容量比は通常10〜40:10〜40:20〜80である。
酸素含有ガスをコークス充填層に通気する際の空間速度(S.V.)は温度及び装置の形態により多少異なるが、通常、100〜3000hr−1、好ましくは300〜2000hr−1である。
コークスは石炭の乾留によって得られるものを用いるのが経済的にも最も有利であるが、例えば、オイルコークス等の他のコークスを使用することもできる。
2C+O2→2CO 式(1)
C+CO2→2CO 式(2)
上述の部分酸化反応により発生した一酸化炭素含有ガス(粗一酸化炭素ガスと称することもある)は、一酸化炭素を主成分とするが、通常10〜50容量%の二酸化炭素を含む。
さらに、一酸化炭素含有ガス中には、水(H2O)と以下の反応により副生した水素(H2)及びメタン(CH4)が微量に含まれる。
H2O+CO → H2+CO2 式(3)
3H2+CO → CH4+H2O 式(4)
取り出された一酸化炭素含有ガスは、予めサイクロン等により約30μm以上の塵を除去し、その後吐出圧20〜30kPa−G程度までブロアー昇圧を行い、さらに、バグフィルターにより約30μm以下の塵を捕集除去する。
これ等の操作により、金属硫化物、単体硫黄等の固体の不純物成分は、塵として除去される。
バグフィルターを通過した硫黄化合物は、主として、硫化水素、二硫化炭素、硫化カルボニル等のガス状または揮発性硫黄化合物である。硫黄化合物をアルカリ溶液と接触させるに先立って、二硫化炭素、硫化カルボニルを、以下の加水分解反応により、酸性の硫化水素に変換する。
COS+H20 → H2S+CO2 式(5)
CS2+2H2O → 2H2S+CO2 式(6)
加水分解反応は、加水分解触媒、例えばTiO2−Al2O3触媒と、反応温度200〜300℃で接触させることにより行う。
加水分解反応後のガス組成は、コークス中の硫黄分の濃度にもよるが、通常一酸化炭素が50〜97容量%、二酸化炭素が1〜50容量%、水素が1〜3容量%、硫化カルボニルは10容量ppm以下、二硫化炭素は10容量ppm以下、硫化水素は1000〜2000容量ppmである。
加水分解後のガス中の酸性成分である硫化水素と二酸化炭素は、アルカリ溶液との接触によって吸収除去される。アルカリ溶液に用いられるアルカリ成分としては、酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、酢酸カリウム等、アルカリ金属の酸化物、水酸化物、弱酸との塩、アルコキシド等が挙げられる。
これらのうち、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩が好ましく、後記吸収と放散のリサイクルの点で、炭酸カリウムが最も好ましい。
また、溶媒としては、水、またはメタノール、エタノール、エチレングリコール等のアルコール類、及びそれらの混合物が用いられる。
酸性ガスのアルカリ吸収は、炭酸カリウムをアルカリ成分として用いた場合、以下の反応による。
K2CO3+CO2+H2O → 2KHCO3 式(7)
K2CO3+H2S → KHCO3+KHS 式(8)
吸収の際の反応条件としては、溶液が固化または沸騰しない条件であればよいが、水溶液の場合、通常10〜90℃、好ましくは30〜80℃、更に好ましくは50〜70℃である。また、圧力はガスの溶解度を増すためには高いほうが好ましく、通常大気圧〜150kPaである。
アルカリ吸収工程では硫化水素と二酸化炭素が吸収されるが、一酸化炭素含有ガス中の二酸化炭素含量が高い場合は多量のアルカリ溶液を必要とする。そこで、吸収後のアルカリ溶液は溶存したガス、特に二酸化炭素を後記の放散工程で脱ガスし、再度アルカリ吸収工程へリサイクル使用することが好ましい。この際、二酸化炭素は放散工程で放散され、同時に硫化水素の分圧を低下させるため、硫化水素の放散、脱ガスを加速させることとなり、さらに効果的である。従って、一酸化炭素含有ガス中に二酸化炭素が多量に含有される場合は、吸収後のアルカリ溶液を放散し再び吸収工程にリサイクルすることで、アルカリ溶液の使用量を極限まで低減でき、かつ、アルカリ溶液中に溶存する硫化水素の放散を促進でき、全体として効率的な精製が行えることとなる。特に、被接触一酸化炭素含有ガス中の二酸化炭素濃度が5容量%以上の場合はより好ましい。
アルカリ溶液には、中和反応を促進する目的で弱酸性化合物、弱アルカリ性化合物、両性化合物等を混合することができる。例えば、20〜30重量%炭酸カリウム水溶液を用いる場合、溶液全量に対し、ジエチルアミンを0.5〜5重量%、好ましくは1〜2重量%混合することができる。また、ホウ酸(H3BO3)を0.1〜1重量%、好ましくは0.3〜0.7重量%混合することもできる。
本発明の一つの特徴は、このアルカリ吸収工程によって、一酸化炭素含有ガス中の一酸化炭素に対する硫黄化合物の濃度(ガス状または揮発性の硫黄化合物で、具体的には、硫化カルボニル、二硫化炭素及び硫化水素の合計量)を50〜300容量ppmまで低減することにある。すなわち、この程度の濃度の硫黄化合物を積極的に残すように制御することが、全体として効率的である。
このような硫黄化合物の低減を達成するには、上述のアルカリ成分の種類、アルカリ溶液の濃度及び量、を適宜調整すればよい。
吸収後のアルカリ溶液は、別ラインで放散処理され、吸収工程にリサイクルすることが好ましい。
放散工程では、一酸化炭素含有ガスとの接触に使用したアルカリ溶液を加熱し、溶存している二酸化炭素と硫化水素を放散させる。放散条件としては、圧力は80kPa〜150kPa、温度はその圧力の沸点が好ましく、例えば80〜120℃である。
アルカリ溶液をリサイクルするためには、放散と吸収を効率的に行う必要がある。つまり、吸収が良くても放散が悪ければリサイクルには適さない。そこで、上記のアルカリのうちでは炭酸カリウムが好ましく用いられる。炭酸カリウムの場合は、以下のような吸収と放散の反応が温和な条件で効率よく進行する。
吸収: K2CO3+CO2+H2O → 2KHCO3 式(9)
放散: 2KHCO3 → K2CO3+CO2+H2O 式(10)
従って、放散工程では放散後の炭酸水素カリウムと炭酸カリウムの比(重量比)を好ましくは1:4〜1:1に、更に好ましくは1:3〜2:3となるように制御する。
また、吸収工程では、吸収後の炭酸水素カリウムと炭酸カリウムの比(重量比)を好ましくは1:1〜2:1に、更に好ましくは1:1〜3:2となるように制御する。
一方、濃度50〜300容量ppmの硫黄化合物を含む、アルカリ吸収後の一酸化炭素含有ガスは、金属酸化物と接触させると、硫黄化合物が吸着除去される。
金属酸化物としては、金属硫化物に変換されることができ、安定な硫化物を形成し得る金属元素の酸化物を用いることができ、具体的には周期表第3〜12族元素の酸化物を用いることができる。硫黄原子との親和性の良さから、第12族元素の酸化物が好ましく、コスト及び安全性の面から酸化亜鉛(ZnO)が特に好ましい。
酸化亜鉛を吸着剤として用いた場合、以下の反応により硫黄化合物が吸着除去される。
ZnO+CS2 → ZnS+COS 式(11)
ZnO+COS → ZnS+CO2 式(12)
ZnO+H2S → ZnS+H2O 式(13)
吸着剤として用いられる酸化亜鉛は、底面の径が4〜5mm、高さが5〜15mmの円柱状成型品等の粒状物が好ましい。
吸着条件は、温度が通常100〜170℃、好ましくは135〜150℃である。
酸化亜鉛は水蒸気の存在下では水酸化物に変換する副反応も起こり得るが、上記温度範囲であれば、水酸化物となる反応を抑えることができ、また硫化反応については速度論的及び熱力学的なバランス上効率が良好となる。
このようにして、アルカリ溶液による吸収と酸化亜鉛による吸着の二段の工程を経ることにより、コークスから発生させた一酸化炭素含有ガス中の硫黄化合物を効率よく除去することができる。
酸化亜鉛による吸着後のガスは、上述のようになお少量の二酸化炭素を含んでいるので、必要に応じて更に別のアルカリ吸収工程を施すことができる。但し、この段階では通常、アルカリ溶液と接触させる一酸化炭素含有ガス中の二酸化炭素の含有量が、前段よりも少ないので、必ずしも吸収と放散のリサイクルを行う必要性はなく、そのため、用いられるアルカリ成分も限定されない。通常は、コスト面から水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物が用いられる。
また、生成した炭酸塩がなるべく析出しないように、第2のアルカリ溶液としては通常1〜10重量%、好ましくは4〜8重量%程度の比較的低濃度のものが用いられる。そして、酸化亜鉛による吸着後の一酸化炭素含有ガスは、第2のアルカリ溶液と向流接触等により接触させ、ガス中の二酸化炭素が吸収される。
例えば、水酸化ナトリウムを用いた場合、後段のアルカリ吸収は以下の反応による。
NaOH+CO2 → NaHCO3 式(14)
NaOH+NaHCO3 → Na2CO3+H2O 式(15)
アルカリ溶液との接触後のガス中の二酸化炭素濃度は、0.01容量%以下となる。
次に、濃硫酸等の脱水剤と接触させることにより、一酸化炭素含有ガス中の水分が除かれる。
脱水剤として好ましく用いられる濃硫酸の濃度は98%であり、脱水により水分量が増加し、濃度が96%にまで低下すると、装置から抜き出され、新たな濃硫酸(98%)が脱水剤として供給される。
こうして、最終的に得られる精製一酸化炭素ガスの組成は、一酸化炭素が約97容量%、水素が約2〜3容量%、二酸化炭素が約0.01容量%、水が約0.05容量%以下であり、硫黄化合物は0.1容量ppm以下、好ましくは0.01容量ppm以下であり、更に好ましくは検出限界以下である。
得られた精製一酸化炭素ガスは、次の化学反応の工程に用いられるが、好ましい一例としてホスゲンの製造について説明する。
ホスゲンは、活性炭の存在下一酸化炭素と塩素との反応により得られる。塩素及び上述の工程により製造された一酸化炭素を混合し、これを活性炭を充填したカラムに通気する。反応によりカラム内の温度は最も高い領域で300〜400℃に達するが、冷却水による外部冷却で出口ガスの温度が100℃以下となるように調整される。反応で得られる粗ホスゲンガスが、熱交換器により0℃まで冷却、凝縮させて、液化ホスゲンとして貯蔵することができる。
こうして得られたホスゲンガスは、硫黄分の含有量が極めて低く、好ましくは検出限界以下のものであり、更に、ポリカーボネート、イソシアネートその他さまざまな化合物の合成原料として好適に用いることができる。
添付の図1に従って、各工程ごとに説明する。
CO発生炉(4)に、温度20℃の炭酸ガス(1)と酸素ガス(2)を、それぞれ8.40Normal−m3 /hr、4.62Normal−m3 /hrで供給しながら、粒径15〜35mmφの石炭コークス(3)を8.06kg/hr燃焼し、粗COガス(一酸化炭素:62.4容量%、二酸化炭素:28.5容量%、水:7.0容量%、水素:2.0容量%、COS:1100容量ppm、硫化水素:300容量ppm、二硫化炭素:100容量ppm、ダスト)を22.4Normal−m3 /hrで得た。発生炉(4)は高温のため脱塩水で冷却し、生成ガスを250℃に調整した。生成ガスは、サイクロン(図示せず)により30μm以上のダストを除去した後、ブロワー(図示せず)で25kPa−Gまで昇圧し、バグフィルター(5)にて微細ダストを除去した。
次いで、粗COガスはTiO2−Al2O3を充填したクラウス触媒塔(6)に供給し、250℃下で不純物であるCOS、二硫化炭素を加水分解し硫化水素に転換した後、60℃まで空冷した。
得られたCO含有ガス(一酸化炭素:60.9容量%、二酸化炭素:27.8容量%、水:9.0容量%、水素:1.9容量%、窒素:0.3容量%、COS:10容量ppm、硫化水素:1200容量ppm)は、ポールリングを充填したアルカリ吸収塔(7)へ供給し、13kPa−G、60℃の条件下、アルカリ水(KHCO3=8.4重量%、K2CO3=17.4重量%)789kg/hrと向流接触させて脱炭酸、脱硫を行った。脱炭酸、脱硫後のCO含有ガスの組成は、一酸化炭素:78.9容量%、二酸化炭素:1.2容量%、水:17.0容量%、水素:2.5容量%、窒素:0.4容量%、COS:10容量ppm、硫化水素:100容量ppmであった。
前記の吸収処理後のアルカリ液(KHCO3=15.0重量%、K2CO3=12.5重量%)は加熱した後、ポールリングを充填した放散塔(8)に供給し、40kPa−G、108℃の条件下、溶存する炭酸ガスおよび硫化水素を放出した後、前記したアルカリ吸収塔(7)へリサイクルし、CO含有ガス中の炭酸ガスや硫化水素を吸収する溶剤として再利用した。
脱炭酸、脱硫後のCO含有ガスは120℃に昇温した後、4.5mmφ*10mmLのZnO成型品を充填した酸化亜鉛塔(9)0.5mφ*1mHサイズに供給し、140℃条件下で硫黄化合物を吸着除去した。吸着処理後の硫黄化合物は未検出(1容量ppm未満)であった。
その後、得られた吸着精製ガスは40℃まで冷却し、コンプレッサー(10)にて0.55MPa−Gに昇圧後、微量含有している炭酸ガスを除去する目的で、ラシヒリングを充填したアルカリ吸収塔(11)で、低濃度の苛性ソーダ水溶液と向流接触させた。アルカリ吸収塔には、6重量%の苛性ソーダ水溶液を25.2kg/hrで連続的に供給し、塔内ではNaOH=3重量%、Na2CO3=3重量%のアルカリ水溶液を452kg/hrで循環し、一部を連続的に抜き出した。
前記アルカリ吸収塔(11)より放出されたCOガスは、98重量%硫酸を供給している脱水塔(12)に送られ、脱水処理された。
以上の工程を経て、精COガス(13)(一酸化炭素:96.4容量%、水素:3.0容量%、窒素:0.5容量%、二酸化炭素:トレース、水:トレース)が14.1Normal−m3 /hrで得られた。
上記の精COガス(13)と、食塩水の電気分解で得られた塩素ガス(14)(塩素:99.8容量%、酸素:0.2容量%)を、それぞれ14.1Normal−m3/hr、13.3Normal−m3/hrでガス混合機(図示せず)に供給し、混合されたガスをホスゲン反応器(15)に送入した。ホスゲン反応器(15)は粒状活性炭を充填したカラムから成り、反応による発熱を除去すべく冷却水による除熱可能な多管式装置を用いた。反応は、圧力を0.35MPa−Gに、出口ガス温度を70℃に調整して行われた。反応器より14.5Normal−m3 /hrの流量で得られた粗ホスゲンガス(ホスゲン:90.8容量%、一酸化炭素:5.0容量%、塩化水素:1.6容量%、水素:2.0容量%、二酸化炭素:0.2容量%、窒素:0.4容量%)は、凝縮器(16)に入り、ブラインで−5℃に冷却され、57.8kg/hrで液化ホスゲンとし、貯蔵した。貯槽(17)中のホスゲン濃度は99.7wt%以上であり、不純物として塩化水素が0.3wt%、四塩化炭素が微量検出されたのみであり、硫黄化合物は未検出(1容量ppm未満)であった。液化ホスゲンは蒸発器(18)で加熱後、精ホスゲンガス(19)として、有機合成反応の原料として有効に使用することができた。
一方、凝縮器(16)を出た未凝縮ガスは苛性ソーダ水溶液(20)の循環する除害塔に供給し、ホスゲンを完全に分解した後、廃ガス(21)として大気排出した。
また、上記の運転を連続して約1年間継続したが、精COガスおよび液化ホスゲンの品質は高純度のまま安定であった。
2 酸素ガス
3 石炭コークス
4 CO発生炉
5 バグフィルター
6 クラウス触媒塔
7 アルカリ吸収塔
8 放散塔
9 酸化亜鉛塔
10 コンプレッサー
11 アルカリ吸収塔
12 脱水塔
13 精COガス
14 塩素ガス
15 ホスゲン反応器
16 凝縮器
17 貯槽
18 蒸発器
19 精ホスゲンガス
20 苛性ソーダ水溶液
21 廃ガス
Claims (6)
- コークスに酸素含有ガスを通気することによりコークスを部分酸化する一酸化炭素の製造方法において、部分酸化によって得られた一酸化炭素含有ガスを、予め加水分解触媒と接触させた後、アルカリ溶液と接触させ一酸化炭素に対する硫黄化合物の濃度を50〜300容量ppmまで低減し、ついで、周期表第3〜12族元素の酸化物と接触させて一酸化炭素に対する硫黄化合物の濃度を5容量ppm未満に低減することを特徴とする、一酸化炭素の製造方法。
- 周期表第3〜12族元素の酸化物が酸化亜鉛である請求項1記載の一酸化炭素の製造方法。
- 上記酸化亜鉛との接触により一酸化炭素に対する硫黄化合物の濃度を1容量ppm未満に低減することを特徴とする、請求項1又は2に記載の一酸化炭素の製造方法。
- 一酸化炭素含有ガスとの接触に使用したアルカリ溶液は、これを加熱処理し溶存するガスを放散した後、該一酸化炭素含有ガスとの接触に再利用することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の一酸化炭素の製造方法。
- 上記酸化亜鉛と接触させた一酸化炭素含有ガスを、第2のアルカリ溶液と接触させることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の一酸化炭素の製造方法。
- 前記請求項1乃至5のいずれか1項に記載の製造方法で得られた一酸化炭素を活性炭の存在下で塩素と反応させることを特徴とする、ホスゲンの製造方法。
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