JP4921489B2 - 塩素の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、塩化水素の接触酸化により塩素を製造する方法に関する。
1868年にディーコンにより開発された塩化水素の接触酸化プロセスにおいて、塩化水素は、酸素との発熱平衡反応により塩素に酸化される。この塩化水素から塩素の生産の結果、クロロアルカリの電気分解による行われる水酸化ナトリウムの生産とは切り離された塩素の生産が可能となった。塩素の世界需要が水酸化ナトリウムの需要より速く伸びている現在、この生産の独立は魅力的である。また、塩化水素は、例えばイソシアネートの生産におけるホスゲン化反応で、副生物として大量に得られる。イソシアネートの生産で発生する塩化水素は、主にエチレンのオキシクロル化による1,2−ジクロロエタンの生産に用いられ、さらに塩化ビニル、最終的にはPVCに加工される。
EP−A0765838は、塩化水素の酸化の際に生成する、塩素や塩化水素、酸素、水蒸気を含む反応ガスを処理する方法を開示している。この方法では、酸化反応器を出る反応ガスを冷却して反応水と塩化水素とを濃塩酸の形で凝縮し、反応ガスから濃塩酸を分離して廃棄して、ほぼすべての水と一部の塩化水素が除かれた反応ガスを残し、塩素、酸素及び塩化水素を含むこの乾燥反応ガスを1〜30barに圧縮し、圧縮された反応ガスを冷却してほとんど液化させ、凝縮しない反応ガス成分を、少なくとも部分的に酸化反応器に再循環させる。
塩素分離のために乾燥され圧縮された反応ガス混合物は、予備冷却器としての塩素熱交換器中で、残留量が極少量の約10〜20%となるまで液化される。塩素熱交換器で分離された液体塩素のうちの主流分は、次いで蒸留塔でさらに精製され、塩素に溶存している塩化水素、酸素及び不活性ガスが除かれる。蒸留塔の上部から抜き出される、この実質的に塩化水素、塩素、酸素及び不活性ガスを含むガスは、圧縮段階にまで再循環される。残留塩素などの塩素熱交換器で凝縮しないガス成分は、後冷却段階でさらに低温で部分的に液化される。未反応の塩化水素、酸素及び不活性ガスを含む残留排ガスは酸化反応器に再循環される。不純物の蓄積を防止するために、再循環ガスの一部は、パージガス流として分離され系外に放出される。
ディーコン反応に用いられる塩化水素は、多くの場合、他の製造工程、例えばイソシアネートの生産で副生物として得られるガス状の塩化水素である。
塩化水素の酸化の際に発生する塩素を含む生成物ガス流から、もっぱら凝縮により塩素を分離する既存技術の方法の短所は、生成物ガス流からほとんどの塩素を除くのに極低温が必要となることである。また、非凝縮性のガス成分を含む残留ガス流は、かなりの量の二酸化炭素等の不活性ガスを含んでいる。酸素を含有する残留ガス流を塩化水素酸化反応器へ再循環すると、許容できないほどこれらが高レベルに蓄積することとなる。このため、この残留ガス流からパージガス流を分離し、残留するガス流が塩化水素の酸化に再循環される前に、これを系外に放出する必要がある。しかしながら、凝縮では塩素分離が不完全であり、このパージガス流はいまだにかなりな量の塩素を含んでいる。このため、かなりな量の塩素がパージガス流として失われる。
本発明は、塩化水素から塩素の製造する改良方法を提供すること、特に既存技術の欠点を補うことを目的とする。
本目的は、以下の工程を含む塩化水素からの塩素製造方法で達成される:
a)塩化水素を含むガス流a1と酸素を含むガス流a2とを酸化ゾーンに供給し、塩化水素を塩素に接触酸化させて、塩素、水、酸素、二酸化炭素及び不活性ガスを含む生成物ガス流a3を得る工程;
b)該生成物ガス流3を相接触装置中で塩酸水溶液Iと接触させ、ガス流a3から水と塩化水素とを部分的に分離させて、塩化水素、塩素、水、酸素、二酸化炭素また場合によっては不活性ガスを含むガス流bを与え、ガス流a3中に含まれる塩化水素の少なくとも5%がガス流bに残留しているようにする工程;
c)ガス流b)を乾燥させて、実質的に水を含まず、塩化水素、塩素、酸素、二酸化炭素また場合によっては不活性ガスを含むガス流cを与える工程;
d)ガス流cを圧縮と冷却により部分的に液化させ、少なくとも部分的に液化したガス流dを与える工程;
e)ガス流dを気液分離して、塩素、酸素、二酸化炭素、塩化水素及び場合によっては不活性ガスを含むガス流e1と塩化水素、塩素、酸素及び二酸化炭素を含む液体流e2を与え、適当なら、少なくとも一部ガス流e1を工程a)に再循環させる工程;及び
f)塔による蒸留で該液体流e2を、塩素ガス流f1と実質的に塩化水素、酸素及び二酸化炭素を含む液流f2とに分離し、一部の塩化水素を塔頂で凝縮させ、凝縮液としてカラムに還流させ、その結果として、塩素含量が1重量%未満の液流f2を得る工程。
工程段階a)に使用されるHCl含有供給ガス流a1は、通常塩化水素が副生物として生産される工程の排ガス流として得られたHCl含有ガス流である。このようなプロセスとして、次のものがあげられる。
(1)ホスゲン及びアミンからイソシアネートの製造
(2)酸塩化物の製造、
(3)ポリカーボネートの製造、
(4)エチレンジクロライドから塩化ビニルの製造
(5)芳香族化合物の塩素化。
HCl含有供給ガス流a1は、一般的には二次成分を含んでいる。このガス流は、通常有機質または無機質の水不溶性の不純物を含んでいる。有機不純物は、例えば炭化水素または塩素化炭化水素である。このHCl含有供給ガス流に含まれる炭化水素類の典型例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物や、C6−C12−脂肪族化合物があげられる。典型的な塩素化炭化水素としては、ホスゲンや、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、四塩化炭素、塩化ビニル、ジクロロエタンがあげられる。炭化水素類及び塩素化炭化水素類の含有量は、最大20体積%、一般的には最大30000ppm、好ましくは最大10000ppm、特に100〜3000ppmの範囲である。共存しうる無機の二次成分としては、例えば一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、不活性ガスがあげられ、一般的にはその量は最大10体積%、好ましくは最大1体積%である。
このHCl含有供給ガス流a1は、精製床を通過させ、そこに存在する炭化水素類を吸着させて精製した後、酸化ゾーンに導くことが好ましい。この精製床は、押出物またはペレットなどの形状の適当な吸着剤を有している。吸着剤として用いられる好適な材料としては、例えば、活性炭、酸化アルミニウム、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化鉄、ゼオライト、モレキュラーシーブがあげられる。他の好適な材料としては、酸化アルミニウム、酸化チタンまたは二酸化ケイ素などの耐火性無機物からなる基材上に、金属酸化物または金属ハロゲン化物、例えば銅やルテニウムの酸化物またはハロゲン化物あるいはこれらの混合物があげられる。好適な材料は、好ましい吸着剤は、酸化アルミニウムや、活性炭、粘土鉱物である。
酸化工程a)において、塩化水素を含むガス流a1は、酸素を含むガス流a2とともに酸化ゾーンに導かれ、触媒的に酸化される。この触媒反応(ディーコンプロセスとも呼ばれる)において、発熱平衡反応により、塩化水素が酸素により酸化されて、塩素と水蒸気を生成する。従来用いられている反応温度は150〜500℃の範囲であり、従来の反応圧力は1〜25barの範囲である。また、化学量論の超過量での酸素の使用が有利である。例えば二倍〜四倍超過の酸素を使用していることが多い。選択性低下の恐れがないため、比較的高圧で、大気圧での場合と較べて長い滞留時間で運転することが経済的に有利である。
好適な触媒は、例えば、基材の二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタンまたは二酸化ジルコニウム上に、酸化ルテニウム、塩化ルテニウム、または他のルテニウム化合物を坦持したものである。好適な触媒は、例えば、塩化ルテニウムを基材に塗布して乾燥するか、乾燥と焼成を同時に行うことで得られる。好適な触媒は、ルテニウム化合物に加えて、あるいはルテニウム化合物に代えて、他の貴金属、例えば金、パラジウム、白金、オスミウム、イリジウム、銀、銅またはレニウムの化合物を含んでいてもよい。好適な触媒としては、例えば酸化クロム(III)があげられる。
さらに好適な触媒は、基材上に、それぞれ触媒の全重量に対して0.001〜30重量%の金、0〜3重量%の一種以上のアルカリ土類金属類、0〜3重量%の一種以上のアルカリ金属類、0〜10重量%の一種以上の希土類及び0〜10重量%のルテニウム、パラジウム、白金、オスミウム、イリジウム、銀、銅及びレニウム、からなる群から選ばれる一種以上の金属を含有している。
このような金含有基材触媒は、塩化水素の酸化の際に、特に250℃未満の温度で、従来のルテニウム含有触媒より高い活性を示す。
従来の塩化水素接触酸化反応装置は、固定床または流動床の反応器である。塩化水素の酸化を、複数の段階で実施してもよい。
塩化水素の接触酸化を、断熱的に、好ましくは等温的に、またはほぼ等温的に、回分的、好ましくは連続的に、流動床または固定床プロセスで実施してもよい。流動床反応器において、320〜400℃の温度で2〜8barの圧力で実施することが好ましい。
等温運転またはほぼ等温運転において、複数の反応器、すなわち、2〜10個の反応器、好ましくは2〜6個の反応器、特に好ましくは2〜5個の反応器、特に好ましくは2または3個の直列に配置された反応器を用い、反応器の間で冷却することも可能である。酸素のすべてを塩化水素とともに、第一の反応器の上流に添加しても良いし、いろいろな反応器に分配して添加してもよい。この個々の反応器の直列配列は、単一装置内でも実施可能である。
ある実施様態においては、触媒活性値が流れ方向で増加するような構造をもつ触媒床を、固定床反応器に用いることができる。このような触媒床構造は、触媒基材中の活性組成物の含浸量を変更したり、触媒の不活性材料での希釈率を変更したりして作ることができる。不活性材料として、例えば二酸化チタン、二酸化ジルコニウムまたはそれらの混合物、酸化アルミニウム、ステアタイト、セラミック、ガラス、グラファイトまたはステンレス鋼からなるリング、円柱、または球を使用することができる。触媒成形物の使用の際には、この不活性材料がよく似た外形寸法を持つことが好ましい。
触媒成形物は、どのような形状であってもよいが、ペレット、リング、円柱、星状、車のホイール状または球状が好ましく、リング、円柱または星状成形物が特に好ましい。
好適な不均一触媒は、特に基材材料上にルテニウム化合物または銅化合物を坦持させたものであり、これらの化合物は基材中にドープされていてもよい。ドープされたルテニウム触媒または無ドープのルテニウム触媒が好ましい。好適な基材材料は、例えば、二酸化ケイ素、グラファイト、ルチルまたはアナターゼ構造の二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムまたはそれらの混合物であり、好ましくは二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムまたはそれらの混合物であり、特に好ましくはγ−またはα−酸化アルミニウムまたはそれらの混合物である。
坦持される銅またはルテニウム触媒は、例えば、CuCl2またはRuCl3と適当ならドーピング促進剤、好ましくはその塩化物を含む水溶液で、基材材料を含浸させることで得ることができる。触媒成形は、基材材料の含浸の後に、又は好ましくは含浸前に実施される。
ドーピングに好適な促進剤としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムなどのアルカリ金属類、好ましくはリチウム、ナトリウム及びカリウム、特に好ましくはカリウム;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムなどの希土類金属類、好ましくはマグネシウム及びカルシウム、特に好ましくはマグネシウム;スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム及びネオジムなどの希土類金属類、好ましくはスカンジウム、イットリウム、ランタン及びセリウム、特に好ましくはランタン及びセリウム、またはそれらの混合物があげられる。
この基材材料を、含浸及びドーピングの後、乾燥し、適当なら100〜500℃の温度で、好ましくは100〜400℃の温度で、例えば窒素、アルゴンまたは空気の雰囲気下で焼成してもよい。この材料を、好ましくは、まず100〜200℃で乾燥し、次いで200〜400℃で焼成する。
反応器入口での塩化水素と酸素の体積比は、一般的には1:1〜20:1であり、好ましくは2:1〜8:1、特に好ましくは2:1〜5:1である。
工程b)において、生成物ガス流a3は、相接触装置において塩酸水溶液Iと接触させられ、水と塩化水素が部分的にガス流a3から分離させられ、塩化水素、塩素、水、酸素、二酸化炭素また場合によっては不活性ガスを含むガス流bを与える。捕捉吸収工程と呼べるこの工程において、生成物ガス流a3が冷却され、水及び塩化水素が、部分的に生成物ガス流a3から塩酸水溶液として分離される。高熱の生成物ガス流a3は、適当な相接触装置、例えば充填塔またはトレイ塔、ジェットスクラバーまたはスプレー塔内で、捕捉媒体としての希塩酸と接触させられて冷却される。その際に、塩化水素の一部は、捕捉媒体に吸収される。この捕捉吸収媒体は、塩化水素で飽和していない希塩酸である。しかしながら、この際の塩酸Iの塩化水素濃度や捕捉吸収工程b)のプロセス条件は、塩化水素が、完全に生成物ガス流a3から除かれるのでなく、部分的に相接触装置から排出されるガス流b中に残留するような濃度や条件である。ガス流b中に塩化水素が存在することは、続く塩素の蒸留(工程f))において重要な利点となる。生成物ガス流a3中に含まれる塩化水素のうち少なくとも5%、通常5〜80%、好ましくは10〜60%、特に好ましくは15〜40%の塩化水素が、ガス流b中に残留する。
この塩酸Iの塩化水素濃度は、好ましくは27〜35重量%である。相接触装置における塩酸Iの温度は、通常0〜150℃であり、好ましくは30〜100℃であり、相接触装置中の圧力は、通常0.5〜20bar、好ましくは1〜10barである。排ガス流a3を、相接触装置に入る前に、例えば熱交換器で冷却してもよい。
本発明の方法のある好ましい実施様態においては、この相接触装置は二段階からなり、具体的には一段階目がパイプ捕捉装置であり、二段階目が流下薄膜式熱交換器である。相接触装置をパイプ捕捉装置として設計することは、生成物と接触する捕捉装置の部材は冷塩酸とのみに接触することとなるため、タンタルなどの高価な耐腐食性材料を使用する必要がなくなるという利点を有している。したがってグラファイトなどの安価な材料で作れるようになる。
本発明の方法のある具体的な実施様態において、この相接触装置は、次の構成を有する: 二段のうちの最初は、パイプ捕捉装置である。この装置は、パイプとよばれる複数の縦型チューブからなり、ここに、これらのチューブ間に存在する循環液、この場合塩酸水溶液Iがガスにより運ばれる。この冷却用循環液は、捕捉チューブの頂部において小さな液滴に分解される。大きな乱流とおおきな気液間の交換面積のため、熱移動と質量移動が非常に良好となる。循環液とガスは、平行に移動する。第二の下流の段階は、円筒多管式装置として構成された流下薄膜式熱交換器である。反応ガス及び循環液(塩酸)は、併流としてチューブ内を移動する。この円筒多管式装置は、水により冷却される。ガス流bの塩化水素含量は、流下薄膜式熱交換器の温度の設定でコントロールされる。気液分離用の小型容器が、この装置の底部に設置される。液体は、循環液としてパイプ捕捉装置(一段階目)にもどされる。また、続く塩酸蒸留により得られた塩酸水溶液IIも、パイプ捕捉に供給される。
本発明の方法のある好ましい実施様態においては、パイプ捕捉装置と流下薄膜式熱交換器の間に、充填材の詰まった部材が挿入されている。この結果、乱流が抑えられてパイプ捕捉装置内の混合が十分でなくなるため、特に起動停止時や低負荷運転の際に十分な混合が可能となる。
循環する塩酸を、パイプ捕捉装置に再導入する前に、パイプ捕捉装置の上流に設置されたもう一つの熱交換器で冷却してもよい。パイプ捕捉装置に供給する塩酸の温度を低下させることで、パイプ捕捉装置を出る塩酸と同温度で、循環量を減少させることができる。これ対して、もしこの熱交換器を使用しなかったり、流下薄膜式熱交換器内の塩酸の排出温度を過度に低下させると、塩酸水溶液中の塩化水素の溶解度が過剰に高くなる。本発明の方法のある好ましい実施様態においては、この追加の熱交換器が、プレート式熱交換器であってもよい。
一般に、この相接触装置は、循環塩酸Iを用いて運転する。ある好ましい実施様態においては、相接触装置内を循環する塩酸水溶液の少なくとも一部は、例えば1〜20%は、相接触装置から取り出され、次いで蒸留されて、気相の塩化水素と塩化水素の除かれた塩酸水溶液IIとを与え、塩化水素は、工程a)に再循環され、少なくとも一部の塩酸水溶液IIは相接触装置に再循環される。
この塩酸の蒸留は、多段階で行ってもよい。例えば、まず加圧蒸留を行って、塔頂から塩化水素を得るとともに、塩化水素含量が例えば15〜22重量%の範囲の一定沸点の希塩酸を底部より得てもよい。加圧蒸留塔からの底部流出液を、次いで真空蒸留にかけ、水を真空蒸留塔頂部より得るとともに、より濃縮された、例えば塩化水素含量が20〜28重量%の定沸点塩酸を塔底より得る。加圧蒸留と真空蒸留で得られた塩酸は、それぞれ、一部あるいは全部を(塩酸iiとして)相接触装置にもどし、循環液と混合してもよい。
さらに好ましい実施様態においては、相接触装置から抜き出された塩酸水溶液Iを、ストリップにかけ、塩酸蒸留が行われる前に実質的に塩素を除去する。酸化ゾーンに供給される酸素含有ガス流a2、すなわち新鮮な酸素含有ガスまたは循環ガス(ガス流e2)、の少なくとも一部が、好ましくはこの目的のために使用される。ストリッピングは、従来のストリッピング塔で行ってもよい。このようにして、塩酸Iの塩素含量を100ppm未満、好ましくは10ppm未満とすることができる。
ストリッピング後の実質的に塩素を含まない塩酸Iの一部を、塩酸蒸留の実施前に抜き取り、塩酸蒸留で得られた塩酸水溶液II、例えば加圧蒸留での共沸酸の一部と混合してもよい。このようにして、塩素を含まない特定濃度の規格内の塩酸を製造することができる。
塩酸Iからストリッピングにより塩素を除くことは、蒸留前の塩酸が加熱される下流の熱交換器のいずれをも、高価な耐腐食性材料、例えばタンタルで作る必要がなくなり、例えばグラファイトで作れるようになるという利点をもつ。
相接触装置を出るガス流bは、塩素、塩化水素、水、酸素、二酸化炭素、及び通常、不活性ガス(もし空気を酸素含有ガスとして使用する場合、主に窒素)を含んでいる。続く乾燥工程c)で、このガスを適当な吸水材に接触させて、微量の水分を除くことができる。好適な吸水材は、例えば、濃硫酸や、モレキュラーシーブ、吸湿性吸着剤である。実質的に水を含まず、塩素や酸素、二酸化炭素また場合によっては不活性ガスを含むガス流cが得られる。
乾燥工程c)の前に、ガス流bは通常冷却される。塩化水素が存在すると、塩素が10℃未満の温度でも、塩素水和物(ガス流b中に含まれる水が塩酸の形で結合したもの)として析出しなくなる。したがって、ガス流b中に塩化水素が存在しない場合に可能な温度より低温に、例えば−20〜5℃にまで、冷却することが可能となる。冷却中に凝縮する塩酸は、水の蒸気圧が低いため、乾燥工程c)に供給された冷却ガス流bは、非常に低い含水率を持つこととなる。このことは、続く乾燥工程にとっても重要であり、吸水材、例えば濃硫酸の消費量の減少につながる。
工程d)において、ガス流cは少なくとも部分的に圧縮及び冷却により液化される。一般に、二種のガス流は、混合され、単一階または多段で5〜50barの範囲の圧力まで加圧され、また同時に単一段または多段で0〜−70℃の範囲の温度にまで冷却される。これらのガス流の加圧と冷却が別々に行われてもよく、その場合は、異なる液化したガス流dができることとなる。
続く気液分離工程e)で、ガス流dは、塩素、酸素、二酸化炭素また場合によっては不活性ガスを含むガス流e1と塩素、塩化水素、酸素及び二酸化炭素を含む液流e2とに分離される。この工程を、「フラッシュ」と呼ぶこともある。この相分離を、単純な容器において液相から気層を分離させて実施してもよい。ある好ましい実施様態においては、圧縮ガス流dを塔頂から塔内に導入し、上昇してくる気相に対して向流で塔内を通過させ、塔底からでる塩素の多い液相の一部を塔頂にもどして、つまりこのガス流の一部を循環させならが、この気液分離が行われる。塔底から排出される高濃度塩素含有液体流の0〜80重量%を循環させること、好ましくは塔頂から塔内に循環させることが好ましい。上昇ガス流中の二酸化炭素は、ガス流から液流中に溶解され、後ほど、蒸留により塩素から問題なく分離される(残留酸素とともに)。この結果、二酸化炭素が少ないガス流e1を、少なくとも部分的に酸化ゾーンに再循環可能となる。このため、酸化ゾーンに再循環されたガス流e1からパージガス流として分離された二酸化炭素の集積を防止するためプロセスから放出される分岐ガスは、比較的少量であってもよく、全くなくてもよくなる。この結果、パージガス流による塩素の損失が抑えられる。ガス流e1から抜き出すパージガス流の量が少ないか全くないため、したがって塩素の損失が実質的にないため、工程d)(「塩素液化」)において、塩素をほぼ完全に凝縮するために極低温に冷却する必要はない。
分離されたガス流e1は、通常、1〜40重量%の塩素、1〜40重量%の塩化水素、1〜80重量%の酸素、1〜80重量%の窒素、0〜30重量%の二酸化炭素、及び0〜10重量%の他の成分、例えば希ガスや一酸化炭素を含んでいる。
液流e2は、通常、70〜98重量%の塩素、1〜20重量%の塩化水素、0〜5重量%の酸素、0〜30重量%の二酸化炭素、及び0〜5重量%の他の成分、例えば希ガスや一酸化炭素を含んでいる。
工程f)において、塔による蒸留で、液流e2は、塩素ガス流f1と実質的に塩化水素、酸素及び二酸化炭素を含む液流f2とに分離される。塩化水素の一部は塔頂凝縮して凝縮液として塔に還流され、最終的に塩素含量が1重量%未満、好ましくは0.1重量%未満の液流f2が得られる。
この蒸留は、通常例えば5〜30理論段の蒸留塔内で、−50℃〜+110℃の範囲の温度と4〜40barの範囲の圧力で実施される。このようにして得られた塩素ガス流f1の塩素含量は、通常95〜100重量%、好ましくは98〜100重量%、特に好ましくは99〜100重量%である。実質的に塩化水素と酸素と二酸化炭素とからなる液流f2が、適当ならそこに含まれる塩化水素の吸収の後、排ガス流として系外に排出される。
塩素とともに液化した塩化水素は、塔上の凝縮器から還流する際にほぼ完全に塩素を保持し、結果として排ガスに放出されず、有価製品のロスとはならない。塩化水素の還流の結果として、塩素蒸留塔の塔頂温度が高くなることもある。
本発明の方法のある実施様態においては、塩化水素ガス流を、液体側排出流として塩素蒸留塔から取り出し、酸化ゾーンに再循環させることができる。このガス流は、反応器の圧力にまで減圧後、熱交換装置内で冷却剤として作用する。このようにして、ガス流cから一部の熱を取り除くことが好ましい。
追加の工程g)において、液流f2は、相接触装置中で、塩酸水溶液、好ましくは加圧蒸留または真空蒸留で得られた塩酸IIに接触させられ、塩化水素が液流f2から分離され、実質的に酸素と二酸化炭素とからなりさらに小量の塩化水素と塩素とを含むガス流hが残される。一般に、このガス流gの塩化水素含量は100〜100ppmであり、その塩素含量は10〜100ppmである。酸素を含む不活性ガスの大部分がガス/液体分離工程e)で分離されるため、比較的小さな体積のガス流のみが吸収工程g)で得られるため、小型の捕集塔で塩化水素が分離可能となる。この吸収は、特に加圧蒸留塔からの水性希塩酸IIを吸収媒体として使用する場合、大気圧で実施できる。
他の任意の工程hにおいて、ガス流gが炭酸水素ナトリウムと亜硫酸水素ナトリウムとを含み、pHが7〜9である溶液に接触させられ、その結果、ガス流gから塩素と塩化水素が除かれる。
排ガス流gは、好ましくは、スクラバー塔内で、炭酸水素ナトリウムと亜硫酸水素ナトリウムとを含み、pHが約7.0〜9.0である循環するポンプガス流に接触させられる。この循環ポンプ流は、スクラバー塔の頂上より導入される。ここでは、実質的に以下の(平衡)反応が進行している。
Figure 0004921489
NaCl、NaHSO4/Na2SO4、NaHSO3/Na2SO3及びNaHCO3を含む塔底液の一部は排出される。循環ポ゜ンプ流には、アルカリ性亜硫酸ナトリウム水溶液が補充される。この運転方法では、ほんの少量の二酸化炭素が関与しているのみなので、スクラビング工程hでのNaOHの消費量が比較的小さくなる。
本発明を、以下図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の方法の具体的な例を示す模式図である。
モノクロロベンゼン除去装置I
イソシアネート生産の副生物として得られたる塩化水素ガス流1は、有機溶媒を、特にモノクロロベンゼンを、最大3000ppm(質量換算)の量で含んでいる。モノクロロベンゼンを除去するため、この塩化水素ガス流を活性炭床上を通過させる。この塩化水素ガス流が比較的多量の有機化合物を含んでいる場合、好ましくは前もってこれらの化合物を凝縮により除いておく。活性炭吸着により、モノクロロベンゼンの含量が10ppm未満となる。吸着材によっては、極微量にまで抑えることができる。
反応器II
酸素3、塩化水素5、循環ガス10、塩酸加圧蒸留装置からの再循環塩化水素21、及び塩酸ストリッパ18からのストリッピングガス(実質的に酸素)とを、塩化水素酸化反応器においてRuO2/Al23触媒上で、約330〜400℃、2〜8barで反応させる。この反応器は流動床反応器であり、内部に熱交換器を有する。反応器入口温度は200℃を超える。熱交換器内では、高圧の蒸気が発生する。
捕捉装置III
反応器からの熱反応ガス6は、熱交換装置において、反応温度から約200〜300℃にまで冷却される。この冷却後の生成物混合ガスは、二段の捕捉装置に入る。第一段目は、パイプ捕捉装置である。この装置は、パイプとよばれる複数の縦型チューブからなり、これらのチューブ間に存在する循環液、この場合濃度が約29〜35%の塩酸水溶液、がガスによりチューブ内に運ばれる。この冷却用循環液は、捕捉チューブの頂部において小さな液滴に分解される。大きな乱流と気液間の大きな交換面積のため、熱移動と質量移動が非常に良好となる。循環液及びガスは、並行に移動する。第二の下流の段階は、円筒多管式装置として構成された流下薄膜式熱交換器である。反応ガス及び循環液(塩酸)は、併流としてチューブ内を移動する。この円筒多管式装置は、水により冷却されている。気液分離用の小型容器が、この装置の底部に設置される。この液体は、循環液としてパイプ捕捉装置(一段目)に戻される。また、加圧蒸留により得られた約15〜21%濃度の定沸点塩酸水溶液23と真空蒸留により共沸酸として得られる約20〜28重量%濃度の塩酸水溶液24とを、パイプ捕捉装置に供給する。合計の液体を、もう一つの熱交換器、例えばプレート式熱交換器により20〜40℃の温度に冷却して、捕集装置に入る前に、循環量を低下させるか、混合温度を低下させる。しかしながら、ポンプ循環する塩酸ガス流の量は、塩酸蒸留塔からの再循環ガス流の約10〜30倍に相当する。
一段目においては、塩酸及び非凝縮反応ガスが約40〜100℃に冷却される。2段目ではさらに10〜50℃にまで冷却される。捕捉装置を出る混合ガスは、実質的に塩素と酸素、二酸化炭素、また場合によっては不活性ガスとからなり、さらに塩化水素(<15体積%)及び少量の水を含む。
塩酸加圧蒸塔IX
捕捉装置から抜き出した約29〜35質量%濃度の塩酸水溶液16を、塩酸ストリッパVIII内で、酸素4を用いてストリッピングして塩素を除去する。塩素を含む酸素流18は、塩化水素酸化反応器に供給される。塩素が取り除かれた塩酸を、次いで約2〜10barでの加圧蒸留にかけ、塩化水素21を得て、塩化水素酸化反応器に再循環させる。この塩酸20は、このように、約15〜21重量%含量の塩化水素とした。適当なら、この塩酸の全量を次いで真空蒸留塔Xにかける。15〜21質量%濃度の塩酸22と、塩素をストリッピングで除去した29〜35質量%濃度の塩酸19とを混合して、規格内塩酸26として販売することも可能である。
塩酸真空蒸留塔X
続く真空蒸留塔Xにおいて、上記の質量換算で15〜21%濃度の定沸点塩酸水溶液を、約0.05〜0.2barの圧力下で蒸留し、塩化水素含量を約20〜28重量%にまで濃縮する。微量の塩化水素を含む水が、蒸留塔上部より取り出される。この水25は、系外に放出される。この20〜28質量%濃度の塩酸水溶液は、塩素蒸留塔からのHCl含有の塔頂流12からの塩化水素の吸収に用いられ、次いで捕捉装置に供給される。
この塩酸真空蒸留は省略してもよい。
乾燥装置IV
乾燥装置の上流にあるもう一つの熱交換器により湿潤ガス流7を、25℃未満、好ましくは15℃未満の温度に冷却してもよい。これでガス流の含水率が大幅に低下する。この湿潤ガス流7を、濃硫酸を用いて向流で乾燥して、含水率を10ppm未満とする。得られる水性希硫酸27を、小型の塔XIにおいて、乾いた空気でストリッピングして、塩素を除く。水性希硫酸28は、次いで蒸留で濃縮する。
塩素液化装置V
実質的には塩素と酸素とからなり、塩化水素と不活性ガス(二酸化炭素、窒素)を含むこの乾燥ガス流8を、多段で約10〜40barに加圧する。この圧縮ガスを、まず冷却水で、次いで約5〜15℃の冷水で、最後に温度が約−10〜−40℃のブラインで冷却する。冷水冷却とブライン冷却の間に、この圧縮ガスをさらに、減圧非液化ガス流10を用いて冷却してもよく、このガス流は、このプロセスで加熱されてから、反応器に再循環される。
この圧縮されて部分的に液化した二相混合物は、最終的に物質移動装置内で分離される。この非液化ガス流は、実質的に塩素と溶解した二酸化炭素、塩化水素、酸素からなる液体に、向流または併流で接触させられる。その結果、この非液化ガスは熱力学的平衡に達するまで液体塩素中に濃縮され、続く塩素蒸留装置からの排ガスにより、不活性ガス、特に二酸化炭素が分離される。
非液化ガス流10は、減圧された後、ガス流の冷却に使用される。
塩素蒸留装置VI
塩素含量が85重量%を超える液化塩素9を、約10〜40barで蒸留する。塔底の温度は約30〜110℃で、塔頂の温度は液化塩素の塩化水素含量によるが約−5〜−8℃の範囲と約−25〜−30℃の範囲である。塔頂では、塩化水素を凝縮し塔に還流させる。HClの還流により、ほぼ完全な塩素分離ができ、塩素の損失を最低限に抑えることができる。塔底から引き抜かれる塩素11の純度は、99.5重量%を超える。この塩素は、気化されて、例えば、イソシアネート製造プラントに送られ、そこでホスゲンに変換される。あるいは、この液体塩素を冷却して液体状態で保存してもよい。
塩素蒸留装置から抜き出される塔頂ガス流12は、約40〜85重量%の塩化水素と、酸素及び二酸化炭素を含んでいる。
塩化水素吸収装置VII
塩素蒸留装置からの排ガス流12からの塩化水素は、加圧蒸留からくる約15〜21質量%濃度の塩酸水溶液と接触させられて、吸収される。この塩酸は、捕捉装置に再循環される。不活性ガス(N2、Ar)、酸素、二酸化炭素、少量の塩化水素及び微量の塩素を含む残留排ガスを、排ガススクラバー中でアルカリ性の亜硫酸水素ナトリウム水溶液でスクラビングして、残留する塩素とHClを除く。
亜硫酸スクラバーXIII
スクラバー塔において、排ガス流13は、炭酸水素ナトリウムと亜硫酸ナトリウムからなりpHが約8〜10であるポンプで循環する液体に接触させられる。ポンプ循環の液流は、スクラバー塔の頂部より導入される。NaCl、NaHSO4、NaHSO3及びNaHCO3を含む塔底抜き出し液は排出される。ポンプ循環する液流は、アルカリ性の水性亜硫酸ナトリウム水溶液で補充される。
循環ガス処理
塩素液化装置からの非液化循環ガス10から、例えば触媒毒として作用する不要成分を、追加の工程で、例えば吸収、吸着または膜分離の工程により除去してもよい。また、吸収により選択的にHClを除去したり、膜分離で塩素を除去したりして循環ガスから塩素やHClを除き、そのすべてを廃棄することも可能である。

Claims (9)

  1. 塩化水素から塩素を製造する方法であって、
    a)塩化水素を含むガス流a1と酸素を含むガス流a2とを酸化ゾーンに供給し、塩化水素を塩素に接触酸化させて、塩素、水、酸素、二酸化炭素及び不活性ガスを含む生成物ガス流a3を得る工程;
    b)該生成物ガス流3を相接触装置中で塩酸水溶液Iと接触させ、ガス流a3から水と塩化水素とを部分的に分離させて、塩化水素、塩素、水、酸素、二酸化炭素及び場合によっては不活性ガスを含むガス流bを得、ガス流a3中に含まれる塩化水素の少なくとも5%がガス流bに残留しているようにする工程;
    c)ガス流b)を乾燥させて、実質的に水を含まず、塩化水素、塩素、酸素、二酸化炭素及び場合によっては不活性ガスを含むガス流cを得る工程;
    d)ガス流cを圧縮と冷却により部分的に液化させ、少なくとも部分的に液化したガス流dを得る工程;
    e)ガス流dを気液分離して、塩素、酸素、二酸化炭素、塩化水素及び場合によっては不活性ガスを含むガス流e1と塩化水素、塩素、酸素及び二酸化炭素を含む液体流e2を得、適宜、少なくとも一部のガス流e1を工程a)に再循環させる工程;及び
    f)該液体流e2を、塔による蒸留により塩素ガス流f1と実質的に塩化水素、酸素及び二酸化炭素を含む液流f2とに分離し、一部の塩化水素を塔頂で凝縮させ、凝縮液として塔に還流させ、その結果として、塩素含量が1重量%未満の液流f2を得る工程からなる方法。
  2. 工程b)で使用する塩酸水溶液の塩化水素濃度が27〜35重量%である請求項1に記載の方法。
  3. 相接触装置内で循環する塩酸水溶液の少なくとも一部が、相接触装置から抜きとられ、次いで蒸留されて、ガス状の塩化水素と塩化水素の除かれた塩酸水溶液IIを得、該塩化水素が工程a)に再循環され、塩酸水溶液IIの少なくとも一部が相接触装置に再循環される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 相接触装置から抜きとられる塩酸水溶液Iが、ストリッピングされて、塩酸蒸留が行われる前に、実質的に塩素を含まなくなる請求項3に記載の方法。
  5. ストリッピングされた、実質的に塩素を含まない塩酸Iの一部が、塩酸蒸留が行われる前に分離され、塩酸蒸留塔6により得られた塩酸水溶液IIの一部と混合される請求項4に記載の方法。
  6. 前記塩酸水溶液Iが、酸素含有ガス流a2の少なくとも一部によりストリッピングされ、塩素を含まなくなる請求項4または5に記載の方法。
  7. 工程e)の気液分離が、圧縮されたガス流dを塔に塔頂より導入してその一部を再循環させることで行われ、高濃度塩素含有液体流に溶解した酸素及び不活性ガスが、塔内を上昇ガス流により流下する液体流から取り除かれ、同時に上昇するガス流中に存在する二酸化炭素がガス流から下降する液体流に溶解する請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 工程g)において、前記液流f2が相接触装置内で塩酸水溶液と接触させられ、ガス流f2から塩化水素が分離され、実質的に酸素と二酸化炭素とからなり且つさらに少量の塩化水素及び塩素を含むガス流gを得る請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 追加の工程h)において、前記ガス流gが、炭酸水素ナトリウムと亜硫酸水素ナトリウムを含みpHが7〜9である溶液と接触させられ、その結果塩素と塩化水素がガス流gから除かれる請求項8に記載の方法。
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