JP2014510009A - 酸素及び塩素を含むガスストリームから塩素を分離する蒸留方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、酸素及び塩素を含有するガスストリームIから塩素を分離する方法において、ガスストリームIをカラムK1の下部に供給し、分離して供給された液体、塩化水素ストリームIIを前記カラムの上部に供給し、上昇するガスストリームIを下降する液体ストリームIIに接触させ、かつ、ストリームIから塩素を凝縮し及びストリームIIから塩化水素を気化して塩化水素及び酸素を含有するほぼ塩素を含まないガスストリームIIIと塩素を含有する液体ストリームIVとを生成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、酸素及び塩素を含むガスストリームから塩素を分離する蒸留方法、及びこの蒸留方法を含む、塩化水素から塩素を製造する方法に関する。
塩素または例えばホスゲンといった塩素の下流生成物が用いられる多くの化学的プロセスでは、塩化水素が副生成物として得られる。例えば、イソシアネート類、ポリカーボネート類の調製または芳香族類の塩素化が挙げられる。副生成物として得られた塩化水素は、電気分解または酸素による酸化によって、塩素に再度変換され得る。このようにして生成された塩素は、再度使用される。
1868年にディーコンによって明らかにされた塩化水素の触媒的酸化の方法では、塩化水素は、発熱の平衡反応において酸素により酸化されて塩素となる。塩化水素の塩素への変換は、塩素アルカリ電気分解によって水酸化ナトリウムから塩素生成物を分離することを可能とする。このような分離手法は、塩素の必要性が水酸化ナトリウムの必要性よりも強くなっていることから、世界中で関心が高まっている。加えて、塩化水素は、例えばイソシアネートの製造におけるホスゲン化反応中において、共生成物として大量に得られる。イソシアネートの製造において生成される塩化水素は、エチレンを、さらに塩化ビニルを添加し最終的にPVCを添加して処理される1,2−ジクロロエタンへとオキシ塩素化する方法において主に使用される。
酸素による塩化水素の酸化を含む方法は公知であり、目標生成物である塩素ばかりでなく水、未反応の塩化水素及び酸素あるいは二酸化炭素や不活性ガスといった副次的な組成物を含むガス混合物が反応において得られる。精製塩素を得るためには、生成ガス混合物は、反応の水及び塩化水素が凝縮された塩酸の状態で凝縮される程度において、反応後に冷却される。生成された塩酸は分離され、残留するガス混合物は、凝縮された硫酸で洗浄されることによって、またはゼオライト類による乾燥によって滞留する水から解放される。目下の水を含まないガス混合物は、引き続いて圧縮されかつ冷却され、その結果、塩素は凝縮されるが、酸素及び他の低沸点ガス組成物は、気相中に残留する。液化した塩素は分離され、任意に更に精製される。
EP−A0765838には、塩化水素の酸化の過程で生成される塩素、塩化水素、酸素及び水蒸気から構成される反応ガスを作り出す方法が開示されている。酸化反応器を離れた反応ガスは、反応の水及び塩化水素を濃縮された塩酸の状態で凝縮し得る程度に冷却される。凝縮された塩酸は、反応ガスから分離され、水及び塩化水素の一部から実質的に解放された残留する反応ガスが乾燥されている間に放出される。塩素、酸素及び塩化水素から構成される乾燥された反応ガスは、1〜30barで圧縮され、圧縮された反応ガスは冷却されて、少なくとも部分的に酸化反応器に再循環されて凝縮されない反応ガスの成分とともに、工程の大部分において液化される。
塩素を分離するために、乾燥されかつ圧縮された反応ガス混合物は、膨張冷却機として構成された塩素回収熱交換器中に10〜20%の残留割合で残るように液化される。塩素回収熱交換器で分離された液状の主な塩素ストリームは、塩化水素、酸素及び不活性ガスが分解して滞留する塩素の存在しない蒸留カラム内で引き続きさらに精製される。塩化水素、塩素、酸素及び不活性ガスから実質的に構成されて蒸留カラムの頂部から除去されるガスは、圧縮段階に再循環される。塩素の残留部分を含み、塩素回収熱交換器で凝縮されないガス成分は、後冷却段階において十分に低い温度で部分的に液化される。未反応の塩化水素、酸素及び不活性ガスで構成される残留するオフガスは、酸化反応器に再循環される。再循環されるガスの副ストリームはパージガスストリームとして分離され、不純物の堆積を防ぐべく、工程から排出される。
主に凝縮によって塩化水素の酸化からの塩素含有生成ガスストリームから塩素を分離する先行技術に係る方法の欠点は、塩素の生成ガスを実質的に含ませないように、極めて低い温度または高い圧力が要求される。加えて、未凝縮ガス成分を含む廃ガスストリームは、二酸化炭素を含む不活性ガスを未だかなりの量で含有する。これらは、塩化水素酸化反応器への酸素含有廃ガスストリームの再循環中に含み得ないほどの高い量が蓄積され、その結果、パージガスストリームは、酸化水素の酸化へ再循環される前に廃ガスストリームから分離され、かつ工程から排出されなければならなくなる。しかし、このパージガスストリームは、塩素が凝縮のみによっては完全に分離しきれないことから、未だにかなりの量の塩素を含有している。従って、かなりの量の塩素が、パージガスストリームとともに失われてしまう。
国際公開07134716及び国際公開07085476には、塩素の除去においてHClが存在することの有利な効果が開示されている。国際公開07085476に開示された方法では、水及びHClの凝縮段階は、乾燥段階を介して圧縮機内に入りその後に塩素が除去されるプロセスガスに、塩化水素が適合するのに有利な量となるように操作される。国際公開07134716に開示された方法によれば、ガス状の塩化水素の一部は、フィードストリームから工程に取り込まれ、他のプロセス段階を迂回して塩素の除去に直接的に供給される。
国際公開07086476には、塩化水素から塩素を製造する方法が開示されている。この方法は、以下の複数の工程を有する。
a)塩化水素を含むストリームa1及び酸素を含むストリームa2を酸素領域に導入して塩化水素を塩素へと触媒酸化し、塩素、水、酸素、二酸化炭素及び不活性ガスを含む生成ガスストリームa3を供給する。
b)生成ガスストリームa3を相接触装置内で水性の塩酸Iに接触させ、ストリームa3から水及び塩化水素を部分的に分離し、塩化水素、塩素、水、酸素、二酸化炭素及びあるいは不活性ガス類を含むガスストリームbを残し、ガスストリームbに残存するストリームa3中に含まれる塩化水素を少なくとも5%とし、
c)塩化水素、塩素、酸素、二酸化炭素及びあるいは不活性ガス類を含む水のないガスストリームcをほぼ残すためにガスストリームbを乾燥し、
d)圧縮及び冷却してストリームdを少なくとも部分的に液化することによってガスストリームcを部分的に液化し、
e)ガス/液体を、塩素、酸素、二酸化炭素、塩化水素及びあるいは不活性ガス類を含むガスストリームe1と、塩化水素、塩素、酸素及び二酸化炭素を含む液体ストリームe2とに分離し、任意に、ガスストリームe1の少なくとも一部を工程a)に再循環し、
f)液体ストリームe2をカラム内で蒸留することによって、塩素ストリームf1と、塩化水素、酸素及び二酸化炭素からなるストリームf2とに分離し、
塩化水素の一部をカラムの頂部で凝縮してカラム内に逆流として流し戻し、結果として、1質量%以下の含有量の塩素を有するストリームf2を得る。
主構成要素として塩素、酸素からなり、付加的に塩化水素及び不活性ガス類(二酸化炭素、窒素)を含む乾燥されたガスストリームcは、工程d)において複数の段階で10〜40barの下で圧縮される。圧縮されたガスは、およそ10〜40℃の温度で冷却される。
圧縮されかつ部分的に液化された二相の混合物は、最終的には、大量移送装置で分別される。液化されていないガスストリームは、主構成要素として塩素及び溶解した二酸化炭素、塩化水素及び酸素からなる液体とともに向流または共流中で接触される。その結果、液化されていないガス類は、熱力学的に平衡状態となるまでは液体塩素中に堆積し、結果として、不活性ガス、特に二酸化炭素は、オフガスを介して後に続く塩素の蒸留から分離され得る。
85質量%以下の含有量の塩素を有する液化塩素は、およそ10〜40barで蒸留される。底部の温度はおよそ30〜110℃であり、頂部の温度は、液化塩素の塩化水素の含有量に依存して、およそ−5〜−8℃及びおよそ−25〜−30℃の範囲である。カラムの頂部では、塩化水素は凝縮されかつカラムに流し戻され得る。HClの逆流の結果、塩素の実質的な完全除去が達成され、塩素の損失の最小化が図られる。カラムの底部から取り出される塩素は、99.5質量%の純度を有する。
EP−A0765838 国際公開07134716 国際公開07085476
上記方法の重大な欠点は、極めて高い操作圧力(15〜40bar)または一方で低い操作圧力、極めて低い凝縮温度(−35〜−80℃)による塩素ガスストリームの液化のための比較的高いエネルギーが消費されることにある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、少なくとも塩素及び酸素を含むガスストリームから塩素を分離する改善された方法を提供することにある。特に、塩化水素の触媒酸化用の方法において、塩酸、塩化水素、二酸化炭素及びあるいはさらなる不活性ガス類を含むガスストリームから塩素を分離するといった方法を提供することを目的とする。
上記課題は以下の方法によって達成され、この方法は、酸素及び塩素を含むガスストリームIから塩素を分離し、ガスストリームはカラムの底部に供給され、分離して供給される液体の塩化水素ストリームIIは、同じカラムの上部に供給され、上昇するガスストリームIは、ストリームIから凝縮されたガス状の塩素及び塩化水素及び酸素を含んだ実質的に塩素を含まないガスストリームIIIと塩素を含んだ液体ストリームIVとを供給するためにストリームIIから気化した液体塩化水素とともに、下降する液体ストリームIIにもたらされて接触せしめられる。
先行技術の実施の形態を示す図である。 本発明に係る方法の実施の形態の概略を示す図である。 同じく、本発明に係る方法の実施の形態の概略を示す図である。 同じく、本発明に係る方法の実施の形態の概略を示す図である。
本発明においてカラムは、液相と発生する気相との間で熱交換及び大量移動を行う多段階熱交換装置及び大量移動装置である。
一般的に、ほぼ塩素を含まないガスストリームIIIは、天井排出ストリームとして得られ、液体ストリームIVは底部排出ストリームとして得られる。
粗ガスストリームIは、カラムK1の下部に供給され、分離して供給される液体の塩化水素ストリームIIは、同じカラムの上部に供給される。このように、粗ガスストリームIは、分離して供給される液体の塩化水素ストリームIIが供給される箇所の下に供給される。一般的に、液体の塩化水素ストリームはカラムの上半分に導入され、分別化されるガスストリームは、カラムの下半分に導入される。液体の塩化水素ストリームIIは、好適にはカラムの頂部に導入される。
一般的に、カラムK1は1〜30bar、好適には3〜15barで稼働される。カラムの底部の温度は、−50〜90℃、好適には−40〜60℃であり、カラムの頂部の温度は、−80〜10℃、好適には−60〜−10℃である。
ディーコンの方法の塩素の分離において液体の塩化水素を使用することにより、塩化水素の気化に要求される熱は、塩素の分離に供給されるプロセスガスストリームにより供給され、このように、塩素の凝縮中に除去される熱は、このプロセスガスストリームから同時に消熱する。本発明によれば、2つのプロセスストリームをカラム中で接触させることによる直接的なエネルギー交換が実現される。さらに、間接的なエネルギー交換が、熱交換器の熱交換表面を介して実現され得る。
塩化水素ストリームは、分離して供給される。すなわち、蒸留それ自体において逆流として発生するものではない。むしろ、分別化されるガス混合物に加えて、外部ストリームから供給されかつ適切に配置された蒸留カラムに供給される。
プロセスストリームの良好な接触は、2〜20の理論段数を有する向流カラムにおいて発生する。内部構造としては、ランダムパッキング要素、構造化パッキングまたはトレイを用いることができる。一般的に、カラムは1〜30barの圧力で稼働される。カラム内の圧力は、塩化水素酸化反応器の稼働圧力よりも上であることが好適である。例えば、カラム中の圧力は、塩化水素酸化反応器の稼働圧力よりも上の0.5〜15barである。
液体塩化水素ストリームは、凝縮温度が−10〜−40℃の通常の冷凍プラントで10〜25barの凝縮によって、簡易に製造される。例えば、10%以下の不活性ガスの低い割合での凝縮を簡易に可能とすることから、イソシアネートプラントまたはポリカーボネートプラントに良好に適用できる。特に凝縮は、露点近傍において比較的高い精製度で塩化水素が得られることから、蒸留による塩化水素の精製に良好に適用できる。条件及び塩素の除去における乾燥された粗ガスストリームの組成物によっては、HCl酸化で用いられるHClの総量を全て液化する必要はない。
一般的に、発明の方法において用いられる塩化水素は、塩化水素が副生成物として生成された方法において得られた放出ストリームとして得られた塩化水素である。このような方法は、例えば、以下の工程を有する。
(1)ホスゲン及びアミン類からイソシアネートを製造する
(2)酸化塩素を生成する
(3)ポリカーボネートを生成する
(4)エチレンジクロロライドからビニル塩素を生成する
(5)芳香族類を塩素化する
液体塩化水素の使用は、簡易な方法で低い温度範囲(温度<20℃以下)における凝縮に要求される“冷気”をもたらし、結果として、塩化水素酸化反応器に再循環される酸素含有再循環ストリーム中の塩素の含有量を低く抑えられる塩素除去カラム中に直接的に導入される場合において、HCl凝縮の増大を確保することができる。
塩素の凝縮中に塩素に溶解したHClは、カラム中の余剰生成物として、または続く塩素の精製においてカラムの凝縮領域の液体側排出ストリームとして、蒸留によって除去され得る。
本発明の方法に係る好適な実施の形態では、液体ストリームIVは第2カラムK2の下部に供給され、さらに分離的に供給される液体塩化水素ストリームVは、この第2カラムの上部に供給され、酸素、塩化水素及びほぼ塩素から構成される液体ストリームVIIを含有する実質的に塩素のないガスストリームVIが得られる。
ガスストリームVIは、一般的に天井排出ストリームとして得られ、液体ストリームVIIは、一般的に底部排出ストリームとして得られる。
一般的に、カラムK2は1〜30bar、好適には3〜15barの圧力で稼働される。カラムの底部の温度は、−50〜90℃、好適には−40〜60℃であり、カラムの頂部の温度は−80〜10℃、好適には−60〜−10℃である。
一の変形例では、カラムK1からのストリームIII及び任意のカラムK2からのストリームVIは、熱交換器中の酸素及び塩素を含有するガスストリームIを予め冷却するために用いられる。
さらに好適な実施の形態では、液体ストリームIVは第2カラムK2に供給され、塩化水素を含有するガスストリームVIに分離され、CO、N及びO及びほぼ塩素からなる液体ストリームVIIといったさらなるガス類を辿る。天井排出ストリームVIは、カラムK1の下部に供給されるとともに、カラムK1よりも高い圧力で稼働されるカラムK2に供給される。
一般的に、ガスストリームVIは天井排出ストリームとして得られ、かつ液体ストリームVIIは底部排出ストリームとして得られる。
一般的に、カラムK1は1〜30bar、好適には3〜15barの圧力で稼働される。カラムの底部の温度は−50〜90℃、好適には−40〜60℃であり、カラムの頂部の温度は−80〜10℃、好適には−60〜−10℃である。
ここで、一の変形例では、カラムK1からのストリームIIIは、熱交換器中の酸素及び塩素を含有するガスストリームIの冷却に用いられる。
本発明に係る方法に特有の実施の形態では、酸素及び塩素を含有するガスストリームIは、熱交換器中の液体塩化水素により間接的に予め冷却される。
酸素及び塩素を含有するガスストリームIは、二酸化炭素及びさらには窒素や貴ガス類といった不活性ガス類を含み得る。
上記の実施の形態の一の変形例では、カラムK1及びK2は、単一のカラムK1を形成するために連結される。このカラムK1は、凝縮領域及び除去領域を有するとともに、カラムK1の中間部である凝縮領域と除去領域との間にガスストリームIが供給され、分離して供給される液体塩化水素ストリームIIがカラムの頂部に供給され、上昇するガスストリームIがカラムの凝縮領域において下降する液体ストリームIIに接触するように供給される。これにより、天井排出ストリームとして塩化水素及び酸素を含有する実質的に塩素が存在しないガスストリームIII、及び底部排出ストリームとしてほぼ塩素からなる液体ストリームIVがもたらされる。
本発明は、塩化水素から塩素を製造する方法をさらに提供し、この方法は以下のステップを有する。
a)塩化水素を含有するストリームa1及び酸素を含有するストリームa2を酸化領域及び塩化水素を塩素とする触媒酸化に導入し、塩素、水、酸素、二酸化炭素及び不活性ガスを含有する生成ガスストリームa3を供給し、
b)相接触装置で生成ガスストリームa3と水性の塩酸とを接触させ、ストリームa3からの水と塩化水素とを少なくとも部分的に分離し、塩化水素、塩素、水、酸素、二酸化炭素及び場合により不活性ガスを含有するガスストリームbを残し、
c)ガスストリームbを乾燥して、塩化水素、塩素、酸素、二酸化炭素及び場合により不活性ガスを含有するほぼ水を含まないガスストリームcを残し、
d)任意に、ガスストリームcを圧縮及び冷却し、圧縮または冷却、あるいは圧縮及び冷却されたガスストリームcを供給し、
e)カラムK1の下部にガスストリームcを導入し、かつ同じカラムK1の上部に分離的に供給された液体の塩化水素ストリームeを導入し、上昇するガスストリームcと下降する液体ストリームeとを接触させるとともに、ストリームcからガス状の塩素を凝縮しかつストリームeから液体の塩化水素を気化して、塩化水素、酸素、二酸化炭素及び場合により不活性ガス、を含有するほぼ塩素を含まないガスストリームe1及び塩素を含有する液体ストリームe2を供給し、
f)塩化水素、酸素、二酸化炭素及び場合により不活性ガスを含有するほぼ塩素を含まないガスストリームe1の少なくとも一部を酸化段階a)に再循環する。
酸化段階a)では、塩化水素を含有するストリームa1は、酸素含有ストリームa2とともに酸化領域に供給され、かつ触媒的に酸化される。
本発明によれば、工程a)に導入される塩化水素の少なくとも一部は、塩素除去工程e)に供給された分離した塩化水素ストリームeに由来する。
触媒的な工程では、塩化水素は、水蒸気を生成する発熱平衡反応における酸素によって酸化されて塩素となる。通常の反応温度は150〜500℃の範囲であり、通常の反応圧力は1〜25barの範囲である。さらに、超組成量で酸素を用いることが好適である。例えば、酸素が2〜4倍超過することが通常である。選択性の減少を懸念することもないことから、比較的高圧でも作用し、それに伴って大気圧における滞留時間よりも長く滞留するため、経済的に有利である。
好適な触媒類は、例えば、酸化ルテニウム、塩化ルテニウムまたは二酸化シリコン、酸化アルミニウム、二酸化チタンまたはキャリアとしてのジルコニウム上の他のルテニウム化合物を含有する。好適な触媒類は、例えば、キャリアに塩化ルテニウムを施与し、続いて乾燥または乾燥及びか焼することによって得ることができる。好適な触媒類は、ルテニウム化合物に加えてまたはルテニウム化合物に代えて、他の貴金属類、例えば金、パラジウム、プラチナ、オスミウム、イリジウム、銀、銅、レニウムを含み得る。好適な触媒類はさらに、塩化クロム(III)を含む。
塩化水素の触媒的酸化が実行される通常の反応装置は、固定床式または流動床式反応器である。塩化水素の酸化は、複数の段階で実行され得る。
塩化水素の触媒的酸化は、流動床式または固定床式工程として、断熱的または好適には等温またはほぼ等温で、バッチワイズであるいは好適には継続的に実行される。好適には、320〜450℃でかつ2〜10barの圧力において、流動床式反応器で実行される。
酸化が固定床式で実行される場合、2〜10、好適には2〜6、特に好適には2〜5、さらに特に好適には2または3の複数の反応器が直列に接続されて付加的に中間冷却を行うものを用いることが可能である。酸素は、第1反応器の上流の塩化水素とともに導入されるか、または酸素の導入は、種々の反応器に亘って分配され得る。個々の反応器の直列配置により、一つの装置とすることも可能である。
触媒担体は、任意の好適な形状を採ることが可能であり、例えば、ペレット状、リング状、シリンダ状、星型、ワゴンホイル状または球状であり、特に好適には、リング状、シリンダ状または星型である。
好適な異種の触媒類は、特に、担体材料上のルテニウム化合物または銅化合物である。触媒類はドープされ、好適にはドープされたルテニウム触媒類である。好適な担体材料は、例えば、二酸化シリコン、グラファイト、ルチルまたはアナターゼ構造を有する二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムまたはこれらの混合物、より好適には、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムまたはこれらの混合物、特に好適にはガンマまたはアルファ−酸化アルミニウムまたはこれらの混合物である。
担持された銅またはルテニウム触媒は、例えば、CuClまたはRuClの水溶液及び任意に、好適にはこれらの塩化物類の形態を採ったドーピングの促進剤に含浸させることによって得られる。触媒の形状の形成は、担体材料の含浸の後、好適には含浸の前に行うことが好ましい。
ドーピングに好適な促進剤は、リチウム、ナトリウム、ポタジウム、ルビジウム及びセシウム、好適にはリチウム、ナトリウム及びポタジウム、特に好適にはポタジウム、マグネシウムといったアルカリ土類金属、カルシウム、ストロンチウム及びバリウム、好適にはマグネシウム及びカルシウム、特に好適にはマグネシウム、あるいはスカンジウムといったレアアース金属類、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム及びネオジム、好適にはスカンジウム、イットリウム、ランタン及びセリウム、特に好適にはランタン及びセリウムまたはこれらの混合物といったアルカリ金属類である。
好適な促進剤は、カルシウム、銀及びニッケルである。特に好適なのは、ルテニウムと銀及びカルシウムの結合、ルテニウムと促進剤としてのニッケルの結合である。
担体材料は乾燥され、かつ含浸及びドーピングの後、例えば、窒素、アルゴンまたは大気の存在下で、任意に100〜500℃、好適には100〜400℃の温度条件でか焼される。担体材料は、好適には100〜200℃でまず乾燥され、続いて200〜400℃でか焼される。
反応器の入口における酸素に対する塩化水素の容量比は、一般的に1:1〜20:1の範囲、好適には2:1〜8:1、特に好適には2:1〜5:1の範囲である。
工程b)では、生成ガスストリームa3は、相接触装置において水性塩酸Iと接触させられ、水及び塩酸は、塩化水素、塩素、水、酸素、二酸化炭素及びあるいは不活性ガスを含むガスストリームbを残して、ストリームa3から部分的に分離される。急冷及び吸収とも称されるこの工程では、生成ガスストリームa3は冷却され、塩化水素は、生成ガスストリームa3から水性塩酸として少なくとも部分的に分離される。加熱された生成ガスストリームa3は、例えば、パックされたまたはトレイカラム、ジェットスクラバまたはスプレイタワーといった好適な相接触装置において急冷媒体として希釈された塩化水素と接触されて冷却され、その結果、急冷媒体に吸収される塩化水素の一部となる。急冷及び吸収媒体は、塩化水素で浸されない塩酸である。
本発明の方法に係る好適な実施の形態では、相接触装置は、第1段階がパイプ急冷装置であって第2段階が流下薄膜型熱交換器であるという2つの段階を備える。パイプ急冷としての相接触装置の構成は、生成物と接触する急冷装置の部分のみが冷却された塩酸と接触することから、タンタルといった高価な腐蝕防止材料を使用しなくともよいという利点がある。これにより、グラファイトのような高価でない材料を用いることが可能である。
一般的に、相接触装置は、循環する塩酸Iで操作される。好適な実施の形態では、相接触装置を循環する水性塩酸の少なくとも一部、例えば1〜20%は、相接触装置から取り出されて引き続き蒸留され、得られた塩化水素及び工程a)に再循環された塩化水素においてガス状の塩化水素及び水性塩酸IIが涸渇され、水性塩酸IIの少なくとも一部が、相接触装置に再循環される。
塩酸の蒸留は、複数の段階で実行される。例えば、まず圧力蒸留が実行され、カラムの頂部及び共沸ボイラで塩化水素が得られ、カラムの下部で得られた希塩酸は例えば、15〜22質量%の範囲で塩化水素を含有する。圧力蒸留カラムからの底部排出ストリームは、引き続き真空蒸留に供され、真空蒸留カラムの頂部で水が得られ、かつ例えば20〜28質量%の範囲で塩化水素を含有する共沸塩酸がカラムの底部で得られる。圧力蒸留及び真空蒸留の間で得られる塩酸は、それぞれの場合において部分的にまたは完全に相接触装置に再循環され、循環液と結合する。
相接触装置に残存するガスストリームbは、塩素、塩化水素、水、酸素、二酸化炭素及び一般的に不活性ガスを含有する。これは、続く乾燥工程c)において乾燥剤に接触させることによって湿気の影響を受けることがなくなり得る。好適な乾燥剤は、例えば、凝縮された硫酸、モレキュラシーブ及び吸湿剤である。これにより、塩素、酸素、二酸化炭素及びあるいは不活性ガスを含有する実質的に水のないガスストリームcを生じる。
ガスストリームbは、一般的に、乾燥工程c)の前に冷却される。工程d)では、ガスストリームcは任意に圧縮されかつ任意に冷却されて、圧縮または冷却された、あるいは圧縮及び冷却されたガス状ストリームcが生じる。
本発明に係る方法の実施の形態では、ガスストリームcは、熱交換器の液体塩化水素流によって冷却される。冷却されたストリームは、一般的に、2〜25barの範囲の圧力、及び−50〜0℃の範囲の温度を有する。
工程e)では、ストリームcはカラムK1の下部に供給され、分離して供給された液体塩化水素ストリームeは同じカラムK1の上部に供給され、かつ上昇するガス状ストリームcは下降する液体ストリームeと接触する。その結果、ストリームcから凝縮されたガス状塩素及びストリームeから気化された液体塩化水素が生成され、塩化水素、酸素、二酸化炭素及びあるいは不活性ガスを含有するほぼ塩素を含まないガスストリームe1と、塩素を含有する液体ストリームe2を生じる。
一般的に、実質的に塩素のないガスストリームe1は天井排出ストリームとして得られ、塩素を含有するストリームe2は、底部排出ストリームとしてとして得られる。
好適な実施の形態では、液体ストリームe2は第2カラムK2の下部に供給され、分離して供給される液体塩化水素ストリームe3は、同じカラムの上部に供給され、かつ塩化水素及び酸素を含有する実質的に塩素のないガスストリームe4が天井排出ストリームとして得られ、及びほぼ塩素からなる液体ストリームe5が底部排出ストリームとして得られる。
一般的に、実質的に塩素のないガスストリームe4は天井排出ストリームとして得られ、かつほぼ塩素からなる液体ストリームe5は底部排出ストリームとして得られる。
一つの変形例として、カラムK1からの天井排出ストリームe1、及びカラムK2からの任意の天井排出ストリームe4は、熱交換器内の酸素及び塩素を含有するガスストリームdを予め冷却するために用いられる。
さらに好適な実施の形態では、液体ストリームe2は第2のカラムK2に供給され、塩化水素及び酸素を含有して分離したガス状の天井排出ストリームe4及びほぼ塩素からなる液体底部排出ストリームe5が、カラムK1の下部に供給されるとともに、カラムK1よりも高い圧力で稼働されるカラムK2にも供給される。
一般的に、ストリームe4は天井排出ストリームとして得られ、ストリームe5は底部排出ストリームとして得られる。
一の変形例として、酸素及び塩素を含有するガスストリームcは、熱交換器内の液体塩化水素により予め冷却される。
塩化水素を含有する天井排出ストリームe1、及び塩化水素を含有する任意の天井排出ストリームe4は、少なくともその一部が方法に係る酸化工程a)に供給される。
副ストリームは、好適には、塩化水素含有天井排出ストリーム、または酸化工程にストリームが供給される前に二酸化炭素あるいは不活性ガス(パージガスストリーム)を放出するストリームから分離される。
分離されたパージガスストリームは、塩化水素を分離させるために、水または水性塩酸によるスクラブ処理に供される。
さらに任意の工程では、パージガスストリームは、炭酸水素ナトリウム及び重亜硫酸ナトリウムを含有し、極めて少量の塩素を分離する7〜9のpHを有する溶液と接触せしめられる。
パージガスストリームは、好適には、スクラブカラム中において、pHがおよそ7.0〜9.0の炭酸水素ナトリウム及び重亜硫酸ナトリウムを含有するポンプ循環ストリームと接触せしめられる。ポンプ循環ストリームは、スクラブカラムの頂部に導入される。実質的には、以下の(平衡)反応が発生する:
Figure 2014510009
NaCl、NaHSO/NaSO、NaHSO/NaSO及びNaHCOを含有する底部排出ストリームは、部分的に排出される。ポンプ循環ストリームは、新たなアルカリ水性亜硫酸ナトリウムで補充される。ほんのわずかな二酸化炭素だけがこのモードの操作で結合されることから、スクラブ工程では、NaOHの消費が比較的低いものとなる。
本発明の概要を、図1〜図4で示す。図1は、先行技術の実施の形態を示す図であり、図2〜図4は、本発明に係る方法の実施の形態を示す図である。
図1は、酸素、塩素、塩化水素及び不活性ガスを含有する粗ガスストリームから塩素を分離する従来技術の例を示す図である。熱統合手段は、例で示したものと同様である。
例えば、コンプレッサの圧縮側で得られ、かつ塩素及び酸素が大部分を占める乾燥されたガスストリーム1、及びHCl、COや窒素といったガス類は、熱交換器W1においてさらに冷却される。凝縮は、通常の冷却媒体を用いて操作される熱交換器W2においてほぼ行われる。凝縮された粗塩素2は、蒸留カラムK1とともに気化器W3及び還流凝縮器W4に、精製のために供給される。液体塩素は、カラムの底部においてストリーム4として得られる。本質的に塩化水素、酸素、二酸化炭素及び窒素からなる分離した低ボイラ5は、ガス状でカラムの頂部または凝縮器W4を介して出る。これらは、W2からの凝縮されていないガス3と結合され、粗ガスストリーム1を予め冷却するために熱交換器W1に搬送される。HCl、酸素、二酸化炭素、塩素及び窒素を含有する加温されたガスストリーム7は、その大部分が塩化水素の酸化に戻される。
図2は、塩素、塩化水素、酸素、二酸化炭素及びさらには不活性ガスを含有する本発明に係るガス混合物から塩素の凝縮を行う例を説明する図である。熱統合手段は、例で示したものと同様である。
例えば、コンプレッサの圧縮側で得られ、かつ塩素及び酸素が大部分を占める乾燥された粗ガスストリーム1、及びHCl、COや窒素といったガス類は、熱交換器W1においてさらに冷却される。
2つの相から成り得る冷却された粗ガスストリーム3は、向流カラムK1の底部に供給される。カラムK1の頂部では、液体塩化水素5は、逆流として導入される。塩化水素は、カラムにおいて、強い熱交換及び大量移動によって気化され、塩素はガスストリームから凝縮される。カラムK1からのガス状の天井排出ストリームは、ほんのわずかな量の塩素しか含有していない。液体底部排出ストリーム7は、大部分は塩素である。この凝縮された粗塩素7は、粗ガスストリームの任意の液体副ストリーム2とともに、さらなる精製化のために蒸留カラムK2に供給される。特定の液体塩素9は、カラムの底部で得られる。カラムK2は、天井凝縮を行わず、代わりに、液体塩化水素6は、カラムK1の場合と同様に、カラムの頂部に逆流として導入される。カラムK1の場合と同様に、塩化水素は、カラムK2における強い熱交換及び大量移動により気化され、ガス状の天井排出ストリームにおける比較的高い塩素凝縮が阻止される。ほぼ酸素、塩化水素、二酸化炭素及び不活性ガスからなりカラムK2に対するフィード中に存在する低ボイラは、ガス状で頂部からストリーム11として出る。ガス状の天井排出ストリーム10及び11は結合されてストリーム12を形成し、熱交換器W1を通過して粗ガスストリーム1を予め冷却する。加温されたガスストリーム13は、その大部分が塩化水素酸化工程に供給される。
図3aは、塩素、塩化水素、酸素、二酸化炭素及びさらには不活性ガスを含有する本発明に係る粗ガス混合物から塩素を凝縮する変形例を説明する図である。
例えば、コンプレッサの圧縮側で得られ、かつ塩素及び酸素が大部分を占める乾燥された粗ガスストリーム1、及びHCl、COや窒素といったガス類は、熱交換器W1においてさらに冷却される。
2つの相から成り得る冷却された粗ガスストリーム3は、向流カラムK1の底部に供給される。カラムK1の頂部では、液体塩化水素4は、逆流としてカラムK1の頂部に導入される。塩化水素は、カラムにおいて、強い熱交換及び大量移動によって気化され、塩素はガスストリームから凝縮される。液体底部排出ストリーム7は、大部分は塩素である。この凝縮された粗塩素7は、粗ガスストリームの任意の液体副ストリーム2とともに、さらなる精製化のために蒸留カラムK2に供給される。特定の液体塩素8は、カラムの底部で得られる。ほぼ酸素、塩化水素、二酸化炭素及び不活性ガスからなりカラムK2に対するフィード中に存在する低ボイラは、ガス状で頂部からストリーム7として出る。このストリーム7もまた、カラムK1の底部に供給される。これは、カラムK1よりも幾分高い圧力で操作されるカラムK2により達成される。カラムK2からの天井排出ストリーム中に未だに含有される塩素は、このように、カラムK1で凝縮される。
塩化水素は、カラムK2に導入されない。カラムK1からの天井排出ストリーム9は、その大部分が塩素を含有していない。これは、熱交換器W1内の粗ガスストリームを予め冷却するために用いられる。ストリーム10は、その大部分が塩化水素酸化工程に供給される。
図3bは、2つのカラムK1及びK2が同じ圧力で稼働され一つのカラムとして連結される図3aで示した実施の形態の変形例である。この単一のカラムは、濃縮セクション及び除去セクションを備え、冷却された粗ガスストリーム3及び粗ガスストリームの液体副ストリーム2が、カラムの中間部分に導入される。液体塩化水素は、カラムK1の頂部に逆流として導入される。塩化水素は、図3a中のカラムK1に対応するカラムの濃縮セクションにおいて強い熱交換及び大量移動により気化され、塩素は、ガスストリームから凝縮される。図3aのカラムK2に対応するカラムの除去セクションでは、凝縮された塩素の高程度での精製が達成される。液体底部排出ストリームは、実質的に精製塩素を含有する。カラムK1からのガス状の天井排出ストリーム9は、その大部分が塩素を有さないものである。これは、熱交換器W1中の粗ガスストリームを予め冷却する際に用いられ、塩化水素酸化工程に大部分がストリーム10として供給される。
図4は、熱交換器における液体塩化水素による粗ガス混合物の付加的な間接冷却を伴った発明に係る方法の変形例を説明する図である。
例えば、コンプレッサの圧縮側で得られ、かつ塩素及び酸素が大部分を占める乾燥された粗ガスストリーム1、及びHCl、COや窒素といったガス類は、熱交換器W1においてさらに冷却される。
2つの相から成り得る冷却された粗ガスストリームは、第2熱交換器W2に供給され、そこでさらに冷却されかつ広く凝縮される。W2で除去された熱は、熱交換器の表面の反対側で液体塩化水素の気化に作用する。
2つの相からなり、熱交換器W2から出たガスストリーム3は、向流カラムK1の底部に供給される。液体塩化水素7は、カラムK1の頂部に逆流として導入される。塩化水素は、カラムにおける強い熱交換及び大量移動により気化され、さらなる塩素は粗ガスストリームから凝縮される。カラムからのガス状の天井排出ストリーム11は、ほんのわずかな量の塩素のみしか含有していない。液体底部排出ストリーム9は、塩素を大部分含有しており、W2からの粗塩素の液体副ストリーム2と任意に結合される。結合された塩素ストリーム10は、さらなる精製のために蒸留カラムK2に供給される。特定の液体塩素は、ストリーム12としてカラムの底部で得られる。カラムK2は天井凝縮器を有しておらず、代わりに液体塩化水素8がカラムの頂部に逆流として導入される。本質的に酸素、塩化水素、二酸化炭素及び不活性ガスからなりカラムK2に対するフィード中に存在する低ボイラは、ガス状の天井排出ストリーム13としてカラムから出る。ガス状の天井排出ストリーム11及び13は、熱交換機W1を介してストリーム14として結合されかつ搬送され、粗ガスストリームを予め冷却する。加温されたガスストリーム15は、その大部分が塩化水素酸化反応器に供給される。
(実施例)
図1〜図4に係る方法を、数値的に示す。
表1は、図1に対応する方法におけるストリームの状態及び配合を示すものである。
表2は、図2に対応する方法におけるストリームの状態及び配合を示すものである。
表3aは、図3aに対応する方法におけるストリームの状態及び配合を示すものである。
表3bは、図3bに対応する方法におけるストリームの状態及び配合を示すものである。
表4は、図4に対応する方法におけるストリームの状態及び配合を示すものである。
Figure 2014510009
Figure 2014510009
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Claims (15)

  1. 酸素及び塩素を含有するガスストリームIから塩素を分離する方法において、
    ガスストリームIをカラムK1の底部に供給し、
    分離して供給される液体、塩化水素ストリームIIを前記カラムの上部に供給し、
    上昇するガスストリームIを下降する液体ストリームIIに接触させ、
    かつ、ストリームIから塩素を凝縮し及びストリームIIから塩化水素を気化して塩化水素及び酸素を含有するほぼ塩素を含まないガスストリームIIIと塩素を含有する液体ストリームIVとを生成することを特徴とする方法。
  2. 液体ストリームIVを第2カラムK2の下部に供給し、さらに分離して供給される液体塩化水素ストリームVを前記カラムの上部に供給し、塩化水素及び酸素を含有するほぼ塩素を含まないガスストリームVIと実質的に塩素を含有する液体ストリームVIIとを得ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. カラムK1からのストリームIII及び任意にカラムK2からのストリームVIを熱交換器に用い、酸素及び塩素を含有するガスストリームIを予め冷却することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 液体ストリームIVを第2カラムK2に供給して塩化水素及び酸素を含有するガスストリームVIに分離し、ほぼ塩素からなる液体ストリームVII及びストリームVIをカラムK1の下部に供給し、カラムK2はカラムK1よりも高圧で稼働させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. カラムK1は濃縮セクション及び除去セクションを備え、カラムの中間部分の濃縮セクションと除去セクションとの間にガスストリームIを供給し、分離して供給される液体塩化水素ストリームIIをカラムの頂部に供給し、カラムの濃縮セクションにおいて上昇するガスストリームIを下降する液体ストリームIIに接触させて塩化水素及び天井排出ストリームとしての酸素を含有する本質的に塩素のないガスストリームIIIと底部排出ストリームとしての塩素から実質的になる液体ストリームIVとを生成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 酸素及び塩素を含有するガスストリームIを熱交換器中の液体塩化水素によって予め冷却することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. ガスストリームIは、酸素、及び塩化水素と二酸化炭素とあるいはさらに不活性ガスとを含有する塩素を含有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 塩化水素から塩素を製造する方法であって、
    a)塩化水素を含有するストリームa1及び酸素を含有するストリームa2を酸化領域に導入し、及び塩化水素を塩素とする触媒酸化を行い、塩素、水、酸素、二酸化炭素及び不活性ガスを含有する生成ガスストリームa3を供給し、
    b)相接触装置で生成ガスストリームa3と水性の塩酸とを接触させ、ストリームa3からの水と塩化水素とを少なくとも部分的に分離し、塩化水素、塩素、水、酸素、二酸化炭素及び場合により不活性ガスを含有するガスストリームbを残し、
    c)ガスストリームbを乾燥して、塩化水素、塩素、酸素、二酸化炭素及び場合により不活性ガスを含有するほぼ水を含まないガスストリームcを残し、
    d)任意に、ガスストリームcを圧縮及び冷却し、圧縮または冷却、あるいは圧縮及び冷却されたガスストリームcを供給し、
    e)カラムK1の下部にガスストリームcを導入し、かつ同じカラムK1の上部に分離的に供給された液体の塩化水素ストリームeを導入し、上昇するガスストリームcと下降する液体ストリームeとを接触させるとともに、ストリームcからガス状の塩素を凝縮しかつストリームeから液体の塩化水素を気化して、塩化水素、酸素、二酸化炭素及び場合により不活性ガス、を含有するほぼ塩素を含まないガスストリームe1及び塩素を含有する液体ストリームe2を供給し、
    f)塩化水素、酸素、二酸化炭素及び場合により不活性ガスを含有するほぼ塩素を含まないガスストリームe1の少なくとも一部を酸化段階a)に再循環する、
    ことを特徴とする方法。
  9. 液体ストリームe2を第2カラムK2の下部に供給し、さらに分離して供給された液体塩化水素ストリームe3を前記カラムの上部に供給し、塩化水素を含有するほぼ塩素を含まないガスストリームe4及び実質的に塩素を含有する液体ストリームe5を得ることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. カラムK1からのストリームe1及びカラムK2からの任意のストリームe4を熱交換器内で用いて、酸素及び塩素を含有するガスストリームcを予め冷却することを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
  11. 液体ストリームe2を第2カラムK2に供給し、かつ塩化水素を含有するガスストリームe4を分離し、ほぼ塩素からなる液体ストリームe5とストリームe4とをカラムK1の下部に供給し、カラムK2はカラムK1よりも高圧で稼働させることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 酸素及び塩素を含有するガスストリームcを熱交換器内において液体塩化水素で予め冷却することを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 塩化水素を含有するストリームe1及び任意に塩化水素を含有するストリームe4を当該方法の酸化工程a)に供給することを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 塩化水素を含有するストリームまたはストリームe1、及び不活性ガスを排出するために酸化工程に導入される前に任意にストリームe4から副ストリームを分離することを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 不活性ガスを排出する副ストリームを水または水性塩化水素でスクラブして塩化水素を分離することを特徴とする請求項14に記載の方法。
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