JP5222089B2 - ホスゲンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はホスゲンの製造方法に関する。更に詳しくは、ホスゲンを製造する際、ニッケルを含有する固体の化合物が、固体触媒上へ堆積することや間隙に詰まることによる固体触媒層の圧力損失上昇、および固体触媒の劣化を抑制し、コスト的に有利で、かつ生産効率に優れたホスゲンの製造方法に関する。
固体触媒として活性炭を用いて一酸化炭素(CO)と塩素(Cl)とを反応させてホスゲンを製造する方法に関して、種々の製造方法が提案されている。また、工業的にCOを製造する際、コークスを部分酸化する方法が一般に知られている。CO中には様々な不純物が含まれており、幾つかのCO製造(精製)方法が提案されている。
例えば、特許文献1〜3にはホスゲン製造用にCOの製造(精製)方法が提案されている。しかしながら、何れの方法においても、CO中のニッケル(Ni)化合物を除去することができず、該COを用いてホスゲンを製造する場合、ニッケルを含有する固体の化合物が、固体触媒層上への堆積や固体触媒層の間隙に詰まることによる圧力損失上昇および固体触媒の劣化が促進され、固体触媒の更新頻度が多くなるため、コスト的に不利で、かつ生産効率が劣るという問題がある。
また、特許文献4によれば、固体触媒層の圧力損失上昇の抑制方法として原料流体に物理的な状態変化(温度、圧力、流量)を与える方法が示されているが、ニッケル化合物を含有するCOを用いてホスゲンを製造する方法において、物理的な状態変化を与える方法では圧力損失抑制は困難である。
特開2000−203824号公報 特開2000−248059号公報 特開2007−176722号公報 特開2006−232753号公報
本発明の目的は、ホスゲンを製造する際、ニッケルを含有する固体の化合物が固体触媒層上への堆積や、固体触媒層の間隙に詰まることによる圧力損失上昇および固体触媒の劣化の促進を抑制し、固体触媒の更新頻度を少なくして、コスト的に有利で、かつ生産効率に優れたホスゲンの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成せんと鋭意研究した結果、圧力損失の上昇は、CO中に含まれるニッケル化合物が、Clと反応して固体の化合物を発生し、この固体の化合物が圧力損失の上昇に大きく寄与していたことが分かり、かかる固体の化合物をCOとClとの合流箇所と反応槽の触媒層との間に1個以上のプレフィルターを設置し、ニッケルを含有する固体の化合物を捕集することで、上記目的を達成することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明によれば、
1.固体触媒を用いて、ニッケル化合物を含有する一酸化炭素と塩素とを反応させてホスゲンを製造する方法において、一酸化炭素と塩素の合流箇所とホスゲン反応槽の触媒層との間にニッケルを含有する固体の化合物を捕集する機能を有したプレフィルターを設置することを特徴とするホスゲンの製造方法、および
2.プレフィルターは、フィルターおよび/または充填物を有するプレフィルターである前項1記載のホスゲンの製造方法、が提供される。
本発明で使用するCOは、コークスと酸素とを反応させて得られたCOが好ましく使用される。また、得られたCOは苛性ソーダ水溶液と接触させた後、冷却させ、次に活性アルミナ充填槽を通気させて、硫黄化合物を1ppm以下にすることが好ましい。
コークスと酸素とを反応させて得られるCO中にはニッケル化合物が含まれる。CO中に含まれるニッケル化合物はニッケルカルボニル(Ni(CO))等であり、本発明で使用されるCO中には通常0.01〜20ppm程度存在する。該CO中に含まれるニッケルカルボニル等のニッケル化合物はClと反応し塩化ニッケル等のニッケルを含有する固体の化合物となる。なお、CO中に含まれるニッケル化合物の濃度は、COガス100Lを、ガス洗浄瓶に入れたヨウ素を溶解させたエタノール、希塩酸および希硝酸(3種類の吸収液を使用)に吸収させて、ICP発光分析法より濃度を測定される。また、圧力損失上昇の原因となるニッケルを含有する固体の化合物の分析はXMA分析より同定される。
本発明に用いる固体触媒として活性炭やゼオライトがあり、活性炭が好ましく使用される。活性炭触媒は市販されているものでよい。通常活性炭触媒は、その比表面積が200〜1500m/gで、平均粒径が0.5〜10mm程度のものが使用される。特に触媒の平均粒径が0.5mm〜5mmと小さい場合、触媒層間隙にニッケルを含有する固体の化合物が詰まり易く、圧力損失の上昇が大きくなり易い。活性炭の具体例としては、例えば日本エンバイロケミカルズ社製白鷺C2x6/8、等が挙げられる。
本発明で使用するプレフィルターはニッケルを含有する固体の化合物をろ過等により捕集する機能を有していれば、構造や形状は特に制限されない。
ニッケルを含有する固体の化合物を捕集する方法として、例えば超音波集塵機、サイクロン、電気集塵機を用いる方法、バグフィルター方式、カートリッジフィルター方式、(充填物を有する)充填材方式、コアレッサー方式によるろ過方式等の方法があり、本発明のホスゲンの製造方法においては、これらの機能を有する装置(プレフィルター)が設置される。なかでも、プレフィルターとして、バグフィルター方式、カートリッジフィルター方式、充填材方式等によるろ過装置が好ましく採用される。
プレフィルターとしてフィルターろ過装置を単独で用いる場合は、フィルターのろ過面積は特に制限はないが、フィルターの目詰まりによる更新頻度を考慮して、ろ過面積を決定することが好ましい。
フィルターでろ過する方法としては特に制約は無く公知の方法を使用できる。例えばバグフィルター方式(粉体技術ポケットブック 編者林恒美 参照)やカートリッジフィルター方式(化学装置・機器の実務知識 編者化学装置研究会 参照)が好ましく採用される。材質は金属製、プラスチック製、セラミック製、ガラス製、不織布製、布製、紙製等が挙げられるが、洗浄再利用および耐薬品性から金属製、プラスチック製、セラミック製、ガラス製、不織布製、布製が好ましく採用される。カートリッジフィルター方式の形状はポーラス、スクリーンメッシュ型、繊維成形型、ワイント゛型、不織布プリーツ型が例示される。
フィルターの公称ろ過精度は0.0005〜2.0mmが好ましく、0.001〜1.5mmがより好ましい。公称ろ過精度が0.0005mm未満の場合は単位面積当たりの圧力損失が大きくなるので、圧力損失を小さくするにはろ過面積を大きくする必要があり、ろ過面積を大きくすると設備が極大化するので好ましくない。2.0mmを超える場合は捕集率が十分でなく、圧力損失の上昇を抑制する効果が向上しないので好ましくない。またろ過精度の異なる2種以上から構成されたフィルターを用いることもできる。
プレフィルターとして充填物を有するろ過装置を用いる場合は、プレフィルターのろ過面積は活性炭触媒層の断面積の1倍以上が好ましく、1〜500倍がより好ましく、1〜200倍がさらに好ましく、1〜100倍が特に好ましい。かかる範囲であると、圧力損失の上昇抑制効果が大きく、小さな設備で対応可能であり好ましい。
充填物の形状については特に制限はないが、例えば球状、円筒状、円柱状、繊維状の形状が好ましい。球状充填材としてはセラミックボールや金属球、円筒状充填材としてはラッシヒリング、円柱状充填材としてはセラミック製ペレット、繊維状充填材としてはスチールウールなどが挙げられ、これらを併用して用いることもできる。またプレフィルターのフィルターの材質については金属製、プラスチック製、布製、紙製の材質が挙げられ、これら併用して用いることもできる。また充填材とフィルターとを併用することもできる。
充填物は単一形状でもよいが、形状の異なる充填物を複数使用してもよい。また、単一形状でも粒径・大きさの異なるものを混合して用いても、複層にして充填しても良い。複層にする場合は、金網やフィルターを使って層を分けるなどの方法も採用できる。
一種の充填物を充填する場合、または複数の充填物を混合する場合、充填物の厚みは5mm以上が好ましく、10〜1000mmがより好ましく、50〜1000mmがさらに好ましく、100〜500mmが特に好ましい。充填厚みが5mm未満の場合はニッケルを含有する固体の化合物の捕集効率が激減し、圧力損失の上昇を抑制する効果が殆ど無い。1000mmを超えると設備が極大化し、コスト高となる割には圧力損失の上昇を抑制する効果が向上しない。また、充填物を複層にする場合は、全ての層の厚みを5mm以上積層させることが好ましい。
プレフィルターの充填物はCO、Clおよびホスゲンに実質的に不活性な材料で、熱安定性に優れたものを使用することが好ましい。球状、円筒状、円柱状の充填物の大きさは径および長さがそれぞれ0.3〜4mm程度のものが好ましい。0.3mm未満の場合は圧力損失が大きくなるため好ましくない。4mmを超えるとニッケルを含有する固体の化合物を捕集することが出来ないので本発明の目的が達成できない。本発明に用いる充填材として陶磁器製ラシヒリング、セラミックボール、ガラスビーズや金属球等が挙げられる。さらに、ニッケルを含有する固体の化合物を捕集した充填物は水洗浄することで再利用が可能である。
また、充填物を充填する際は支持器を用いることが好ましい。かかる支持器はフィルターを兼ねることもできる。フィルターの目開きは充填物が通り抜けないサイズであれば問題ないが好ましくは上記フィルターの公称ろ過精度の範囲内とすることが好ましい。
また、支持器の材質は特に制限はないが耐食性の素材が好ましく、例えばSUS316L製が使用される。
プレフィルターは、COとClとの合流箇所とホスゲン反応槽の触媒層との間に設置される。COとClとの混合ガスは全てプレフィルターを通過してからホスゲン反応槽の触媒層に流れる構造とする。プレフィルターの設置場所はCOとClの合流箇所から活性炭を充填した反応槽の触媒層との間であればどこでもよい。通常、COとClの合流箇所から反応槽の間にあり、フィルターの数は単一でも複数でもよい。
例えば、プレフィルターの配置は、図1のように反応槽の中にプレフィルターを設置する方法は設備が簡単でありコストおよび運転の面で有利である。ただし、プレフィルターの大きさに限りがあり、運転中に更新することは安全上困難である。
図2のようにCOとClの合流箇所と反応槽との間に単一もしくは複数個を並列に設置すると、触媒断面積に比べてプレフィルターろ過面積を大きくすることが容易で、COとClとの混合ガスの空塔速度を小さくすることが可能。そのため、圧力損失上昇を抑制する効果が大きい。また、運転しながらプレフィルターの更新が可能であり、好ましい。なお、反応槽の中にプレフィルターを設置してもしなくても良い。
図3のように、プレフィルターをCOとClの合流箇所と反応槽との間に複数個を直列に設置することもできる。この場合、プレフィルターに充填する充填物の形状や粒径を変えることで、粒径の異なるニッケルを含有する固体の化合物を分散して捕集することが可能であり、好ましい。なお、反応槽の中にプレフィルターを設置してもしなくても良い。
本発明によれば、ホスゲンを製造する際、圧力損失の上昇を抑え、ホスゲンの生産量の低減を回避することができ、その奏する工業的効果は格別なものである。
以下に本発明の実施例を示して更に説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。なお、一酸化炭素(CO)の露点、CO中の硫黄含有量およびニッケル化合物含有量は、下記の方法により測定した。
(1)COの露点測定;露点計(桜測器(株)製WTY180)を用いて測定した。
(2)CO中の硫黄含有量;ガスクロマトグラフ装置(日立製作所製)にCOを注入し測定した。
(3)CO中のニッケル化合物含有量;ニッケルカルボニル分析は以下の方法で実施した。まず、COガス100Lを、ガス洗浄瓶に入れたヨウ素−エタノールに通した後、乾固させた。これを純水に溶解させてJIS K−0083に記載の方法に従って測定した。その他のCO中のニッケル化合物はJIS K−0083に記載の方法で試料採取および分析を行った。
(一酸化炭素(CO)の製造)
コークスと酸素を反応させて得られたCOを苛性ソーダ水溶液と向流接触させた後、熱交換器を用いて5℃に冷却させ、次に活性アルミナ充填槽を通気させた。得られたCOの純度は98.5%、COの露点は−45℃以下、CO中の硫黄濃度は0.2ppm以下、CO中のニッケル化合物(Ni(CO))濃度は0.15ppmであった。
[実施例1]
図1に示す装置を用いた。ホスゲン反応槽として反応熱を除去する機能を有した多管式反応槽のシェル側に35℃の冷却水を通水し、チューブ側に活性炭(比表面積1300m/g、平均径2.7±0.3mm、平均長さ5.5±0.5mmの日本エンバイロケミカルズ社製白鷺C2X6/8)を充填した。この多管式反応槽の上部に設置したプレフィルターに充填材支持器として目開き1.0mmのSUS316L製金網を使用し、その支持器の上に平均粒径1.6mmφのセラミックボールを厚さ100mmとなるよう充填した。上記の方法により得られたCO1モルに対しCl0.97モルの混合ガスを、プレフィルター内の空塔速度は0.18m/sec、触媒層に入る時の空塔速度は0.5m/secとなるように連続的に通気し、ホスゲンを100t生産した。なお、空塔速度は充填物の存在を考えず、COとClの混合ガス流量を断面積で割った値とした。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.3kPa上昇した。
[実施例2]
図2に示す装置を用いた。なお、プレフィルター14は3基中2基並列で使用した。ただし、ホスゲン反応槽内のプレフィルター15は使用しなかった。2基のプレフィルターの充填物は平均粒径1.6mmφのセラミックボールを厚さ100mmとなるよう充填した。上記の方法により得られたCO1モルに対しCl0.97モルの混合ガスを、並列に設置したプレフィルター内の空塔速度は0.09m/sec、触媒層に入る時の空塔速度は0.5m/secとなるように連続的に通気し、ホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.2kPa上昇した。
[実施例3]
図2に示す装置を用い、プレフィルター14は3基中3基並列で使用した。ただし、ホスゲン反応槽内のプレフィルター15は使用しなかった。3基のプレフィルターの充填物は平均粒径1.6mmφのセラミックボールを厚さ100mmとなるよう充填した。上記の方法により得られたCO1モルに対しCl0.97モルの混合ガスを、並列に設置したプレフィルター内の空塔速度は0.06m/sec、触媒層に入る時の空塔速度は0.5m/secとなるように連続的に通気し、ホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.1kPa上昇した。
[実施例4]
図3に示す装置を用い、プレフィルター24、25を直列で使用した。ただし、ホスゲン反応槽内のプレフィルター26は使用しなかった。2基のプレフィルターの充填物は平均粒径1.6mmφのセラミックボールを厚さ100mmとなるよう充填した。上記の方法により得られたCO1モルに対しCl0.97モルの混合ガスを、直列に設置したプレフィルター内の空塔速度は0.18m/sec、触媒層に入る時の空塔速度は0.5m/secとなるように連続的に通気し、ホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.3kPa上昇した。
[実施例5]
充填材支持器として目開き0.2mmのSUS製金網を使用し、その支持器の上にプレフィルター充填物として平均粒径0.3mmφのセラミックボールを充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.3kPa上昇した。
[実施例6]
充填材支持器として目開き1.0mmのSUS製金網を使用し、その支持器の上にプレフィルター充填物として平均粒径3.0mmφのセラミックボールを充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて1.3kPa上昇した。
[実施例7]
プレフィルター充填物として直径2mm×長さ2mmのラッシヒリングを充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて1.3kPa上昇した。
[実施例8]
プレフィルター充填物として直径2mm×長さ2mmのセラミック製円柱(ペレット)を充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて1.2kPa上昇した。
[実施例9]
プレフィルター充填物としてスチールウール(繊維状)を充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.5kPa上昇した。
[実施例10]
プレフィルター充填物として平均粒径1.6mmφガラスビーズを充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.3kPa上昇した。
[実施例11]
プレフィルター充填物として平均粒径1.6mmφSUS316製の球を充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.3kPa上昇した。
[実施例12]
図2に示す装置を用いた。なお、プレフィルター14は3基中1基を使用した。ただし、ホスゲン反応槽内のプレフィルター15は使用しなかった。3基中1基のプレフィルターは充填材の代わりに公称ろ過精度15μmのSUS316L製のカートリッジフィルター(日本ポール株式会社製 製品NoP24106M150)10本(ろ過面積2800cm/本×10本=28000cm)で構成した装置を使用し、カートリッジフィルター通過時のCOとCl混合ガスの空塔速度は0.0004m/sec、触媒層に入る時の空塔速度は0.5m/secとなるように連続的に通気し、ホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.1kPa上昇した。
[実施例13]
プレフィルター充填物の厚さが50mmとなるように充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.8kPa上昇した。
[実施例14]
プレフィルター充填物の厚さが400mmとなるように充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.3kPa上昇した。
[実施例15]
実施例1において、プレフィルター内の上部に平均粒径1.6mmφセラミックボールを充填物の厚さが50mmとなるように、下部に平均粒径0.6mmφセラミックボールを充填物の厚さが50mmとなるように充填した。なお、その中間における充填物の混合を防止する為、金網を設置した。それ以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.2kPa上昇した。
[実施例16]
実施例1において、プレフィルター内に平均粒径1.6mmφセラミックボールと平均粒径0.6mmφセラミックボールとを体積比率1対1で混合し、充填物の厚さが100mmとなるように充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.3kPa上昇した。
[実施例17]
実施例1において、プレフィルター内に平均粒径1.6mmφセラミックボールと直径2mm×長さ2mmのラッシヒリングとを体積比率1対1で混合し、充填物の厚さが100mmとなるように充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて0.6kPa上昇した。
[比較例1]
プレフィルターを設置しない以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて1.5kPa上昇した。
[参考例1]
充填材支持器として目開き1.0mmのSUS製金網を使用し、その支持器の上にプレフィルター充填物として平均粒径5mmφのセラミックボールを充填した以外は実施例1と同じ方法でホスゲンを100t生産した。その結果、混合器の入口からホスゲン反応槽出口までのガスの圧力損失は、ホスゲン生産開始時と比べて1.5kPa上昇した。
[参考例2]
充填材支持器として目開き0.08mmのSUS製金網を使用し、その支持器の上にプレフィルター充填物として平均粒径0.1mmφのセラミックボールを充填した以外は実施例1と同じ方法で行った。プレフィルターの圧力損失が大きく、COとClを充分に通気することができず、ホスゲン製造を途中で中止した。
Figure 0005222089
本発明で使用される装置の一態様を示した図である。 本発明で使用される装置の一態様を示した図である。 本発明で使用される装置の一態様を示した図である。
符号の説明
1:一酸化炭素(CO)
2:塩素(Cl
3:圧力計
4:混合器
5:プレフィルター
6:チューブ(活性炭層)
7:ホスゲン反応槽
8:圧力計
9:ホスゲン
10:一酸化炭素(CO)
11:塩素(Cl
12:圧力計
13:混合器
14:プレフィルター
15:プレフィルター
16:ホスゲン反応槽
17:チューブ(活性炭層)
18:圧力計
19:ホスゲン
20:一酸化炭素(CO)
21:塩素(Cl
22:圧力計
23:混合器
24:プレフィルター
25:プレフィルター
26:プレフィルター
27:ホスゲン反応槽
28:チューブ(活性炭層)
29:圧力計
30:ホスゲン

Claims (2)

  1. 固体触媒を用いて、ニッケル化合物を含有する一酸化炭素と塩素とを反応させてホスゲンを製造する方法において、一酸化炭素と塩素の合流箇所とホスゲン反応槽の触媒層との間にニッケルを含有する固体の化合物を捕集する機能を有したプレフィルターを設置することを特徴とするホスゲンの製造方法。
  2. プレフィルターは、フィルターおよび/または充填物を有するプレフィルターである請求項1記載のホスゲンの製造方法。
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